説明

ポリアミドブレンドをベースとするフィルム

その被覆層が、本質的に以下の成分:a)PA11およびPA11の群から選択されたポリアミド3〜50質量%、ならびにb)PA1012およびPA1212の群から選択されたポリアミド50〜97質量%(その際、百分率記載は成分a)およびb)の合計に対するものである)からなる成形材料からなるフィルムは、成形部材の装飾のために適しており、該成形部材はその光沢を有効寿命のあいだ保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミドブレンドからなる層を含有しかつ成形部材の装飾のために適しているフィルムを対象に持つ。
【0002】
自動車の外面を装飾するための現在の標準的な方法は塗装である。しかしながらこの手法は、一方では自動車製造元における特殊な機械設備の存続維持およびこれに付随する運転費用により生じる高い製造コストを招き、他方ではこれにより環境に負荷がかけられる。例えば、使用された塗料の遊離する溶媒成分から、ならびに、系統立てられた廃棄処理に供給されなければならないペイント残分の蓄積から結果として環境負荷が生じる。
【0003】
さらに付け加えて、塗装は、ここ数年において自動車構造体において重量およびコストを抑えるために好まれてきたプラスチック構造部材の表面を装飾することに限定的な範囲でしか適していない。
【0004】
ボデーの部品としてのプラスチック構造部材の塗装処理は、例えばオンラインで運転可能であり、その際、プラスチック部材に金属部品と同じ塗装処理がなされる。これは均一な着色をもたらすが、しかし、ここで通常のカソード浸漬塗装のために高温となり、これが材料選択を難しくする。そのうえ、同様に非常に種々の支持体上での塗料配合物の付着性が保証されていなければならない。プラスチックのために比較的有利なプロセス条件を含む、別個の工程におけるプラスチック部材の塗装プロセス(いわゆるオフライン塗装)が実施される場合、カラーマッチングの問題点が露わになり、つまり、金属上で実現される色調が正確に表現されなければならない。しかしながらこれは、支持体、使用可能なベース塗料配合物およびプロセス条件における相違に基づき非常に達成され難い。設計によりあらかじめ定められた色差の場合、重大な欠点として、プラスチック部材のための第二の塗装装置の存続維持およびこれに付随する費用が残っており、その際、自動車の製造のために必要な付加的な時間も加えられなければならない。未処理の、一般に射出成形されたプラスチック部材の直接的な使用は審美的な観点の下では不利である。それというのも、この場合、プロセスに起因する表面の欠陥、例えば接合線、空気封入物、しかしまた不可欠な補強充填剤、例えばガラス繊維が明らかに認められうるからである。これは目に見える範囲において許容されえない。従って、例えば塗装の過程において、表面品質の改善が行われなければならず、その際、しばしば、研磨しかつプライマーを厚い層状に塗布することによる作業集約的な前処理が必要とされる。
【0005】
この回避のための一提案は、構造部材の被覆のために使用されもはや塗装される必要のない多層プラスチックフィルムの使用である。支持体と装飾フィルム間の結合は、この場合、一連の製造法により実現されうる。フィルムは、例えば支持体と圧縮成形されうるか、または構造部材の製造に際してフィルムを射出成形工具に挿入する背面射出成形法(Hinterspritzverfahren)が選択される。装飾担体としてのフィルムの構想は、それだけではなく自動車における造形的な要素の個別化の傾向に合致する。すなわちこの傾向は、製造においてより多岐にわたるモデルをもたらすが、そのつど製造される1セット当たりの構造部材の数においては低下する。フィルムの使用により、迅速で問題のない設計変更が可能となるため、これによりこの挑戦に立ち向かうことができる。この際、重要であるのは、フィルムにより、自動車産業において要求される、表面特性(クラスA表面)、媒体に対する安定性および視覚的な印象に関する基準が満たされることである。このようなフィルムは自動車における内部表面の造形においても良好に使用可能である。
【0006】
この種の装飾フィルムは原則的に公知である。例えばEP0949120A1は、ポリウレタン、ポリアクリレート、フルオロポリマーまたはフルオロポリマーとポリアクリレートとからなる混合物からなる透明な被覆層を有する装飾フィルムを記載する。類似の装飾フィルムは、WO94/03337およびEP0285071A2からも公知である。
【0007】
装飾フィルムのための他の適用分野は、およそスポーツ用品、例えばスキーまたはスノーボードのもしくは家庭用品の上部被覆のための装飾担体である。この場合、頻繁に単層フィルムが使用され、これは表面上または裏面上に印刷される。例えば、実用新案DE29519867U1は、モノマー単位ラウリンラクタムならびにカプロラクタムおよび/またはヘキサメチレンジアミン/ジカルボン酸から構成されているコポリアミドからなる装飾可能なフィルムを記載する。M.BeyerおよびJ.Lohmarの論文Kunststoffe90 (2000)1, 第98頁〜第101頁中には、PA12成形材料からなる印刷可能なフィルムのための例が記載される。
【0008】
その特性プロフィール、例えば耐衝撃性および耐化学物質性に基づき、ポリアミド、殊にPA12またはPA11をベースとするポリアミドは、極めて一般的にこの種の装飾フィルムの製造のために良好に適している。それに応じて、特許文献中には、ポリアミドからなる被覆層を含有する装飾フィルムまたは保護フィルムの記載も見られる。この場合、例えば挙げられるべきなのは文献JP60155239A、JP2003118055A、EP1302309A、EP0522240A、EP0694377A、EP0734833A、WO9212008AおよびEP0568988Aである。
【0009】
高いカルボンアミド基濃度を有するポリアミドからなる被覆層が高い極性に基づき不十分な耐化学物質性および高すぎる吸水性を有する一方で、実際には、ラクタムもしくはそれに相応するアミノカルボン酸から製造された、低いカルボンアミド基濃度を有するポリアミド(AB−ポリアミド)が使用される場合、環境条件下において時間の経過の中でフィルムの表面上で被覆が形成されることが示され、これは光沢を著しく減少させかつこの適用のために許容されえない。さらに、透明度および初期光沢の改善が望ましい。それに対して、カルボンアミド基の低い濃度を有する、ジアミンとジカルボン酸とからなるポリアミド(AABB−ポリアミド)が使用される場合、被覆は形成されないが、しかしまたここでも透明度および光沢における改善が有利であるとされる。
【0010】
従って、その被覆層が十分に透明でありかつ高い初期光沢を有する、減少された被覆形成が生じる、装飾目的のためのフィルムを提供するという課題が存在していた。
【0011】
この課題は、その被覆層が、本質的に以下の成分:
a)PA11およびPA12の群から選択されたポリアミド3〜50質量%、有利には4〜49質量%、とりわけ有利には5〜47質量%および殊に有利には10〜45質量%、ならびに
b)PA1012およびPA1212の群から選択されたポリアミド50〜97質量%、51〜96質量%、とりわけ有利には53〜95質量%および殊に有利には55〜90質量%
(その際、百分率表示は成分a)およびb)の合計に対するものである)からなる成形材料からなるフィルムにより解決される。
【0012】
使用されるポリアミドおよびその製造は公知である。それらは多数の商品タイプにおいて商業的に得られる。本発明により、まず第一にそのつどのホモポリアミドが使用されるが、しかしながらまた、コモノマーの最大20モル%、最大15モル%、最大10モル%または最大5モル%を組み込んで含有する、それをベースとするコポリアミドも使用することができる。適切なコモノマーは、ラクタム、それに相応するアミノカルボン酸またはジアミンとジカルボン酸とからの組み合わせである。組成物の計算の際、ジアミンとジカルボン酸とはそのつど個々に数えられる。
【0013】
コモノマーの組み込みにより、改善された透明度および比較的高い光沢がもたらされるが、しかしながら化学物質および環境条件に対する安定性はおよそ悪化する。後者は、組成物が大体においてほぼ等しくされることにより、コモノマーを用いておよそ後に続く層または支持体に対して改善された相容性を獲得するのに成功した場合に受け入れられる。
【0014】
成形材料は、個々の成分から従来技術に相応して溶融混合により製造される。それは、付加的に以下のさらに他の成分を含有してよい:
a)ナノスケールの充填剤および塩基性金属塩、金属酸化物または金属水酸化物から選択された成核剤;後者のものは、所望された透明度を保証するために、最大でも溶融物中でポリアミドのカルボキシレン基と反応下で溶解しうる量で添加される;
b)ポリアミド成形材料のための通常の量における通常の助剤もしくは添加剤、例えば安定剤または潤滑剤、
b)透明度に著しい影響を与えない着色剤、
d)その屈折率がマトリックスのそれとわずかな程度しか異ならないかまたは正確に一致する充填剤(等屈折充填剤)(isorefraktive Fuellstoffe)ならびに
e)その屈折率がマトリックスのそれとわずかな程度しか異ならないかまたは正確に一致するさらに他のポリマー成分。
【0015】
これらのさらに他の成分は、成形材料中に、有利には最大30質量%、最大25質量%、最大20質量%、最大15質量%、最大10質量%もしくは最大5質量%で含有されている。
【0016】
意想外にも、成形材料がABポリアミド(PA11もしくはPA12)最大50質量%を含有する場合、ポリアミドの混合比を考慮に入れると期待できないにも関わらず、純粋なAABB−ポリアミドの場合のように光沢が使用期間中、引き続いて保持される。AB−ポリアミド中に含有された被覆形成物質、場合によっては環状オリゴマーの拡散は、AABB−ポリアミドにより、これが少なくとも50質量%で存在する場合に防止される。さらに他の一利点は、この際、部分結晶のポリアミドの混合物が、部分結晶ではあるが、しかし十分に透明であるブレンドにいたることである。透明度および初期光沢は、純粋な成分の基準を上回っており、その一方で化学物質および環境条件に対する安定性は引き続き保持される。ここで明確にPA11/PA1012、PA11/PA1212、PA12/PA1012およびPA12/PA1212の組み合わせが挙げられるが、しかしながらそれだけではなく、互いに無関係に、AB−成分はPA11とPA12との混合物であってよくかつAABB−成分はPA1012とPA1212との混合物であってよい。
【0017】
フィルムは単層または多層である。多層の構成の場合、その他の層の種類および数は適用技術的な要件に合わせられる;重要なのは、被覆層が、本発明により使用される成形材料からなることのみである。例えば以下の実施態様が可能である:
1.フィルムは単層である。この場合、それは定義に従って被覆層からのみなる;例えば熱昇華印刷を用いた印刷により、表面上または裏面上に装飾が取り付けられうる。
2.フィルムは被覆層以外に下に存在する着色層を含有する。着色層は塗料層であってよい;それはしかし、従来技術に相応して、有利には着色された熱可塑性物質層からなる。例えば熱可塑性物質は、被覆層の混合物と同じ混合物かまたは類似の混合物であってよく、それの成分または他のポリアミドもしくは、被覆層に直接接着しているかまたは十分に透明な接着促進剤(例えば、カルボキシル基もしくは酸無水物基によるかまたはエポキシド基により官能化されたポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタンまたは結合されるべき層の成分からなるブレンド)により接着結合している他のポリマーであってよい。着色剤として、例えば有機染料、無機もしくは有機顔料または金属光輝顔料が使用されうる。
3.フィルムは被覆層および場合により着色層以外に、担体層として十分な機械強度および場合により付加的に支持体への結合を生じさせるさらに他の層を含有する。
4.フィルムは被覆層および場合により着色層以外にさらに、支持体への結合のために下に存在する接着促進剤層を含有する。適切な接着促進剤は、例えば、カルボキシル基もしくは酸無水物基によるかまたはエポキシド基により官能化されたポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン、結合されるべき層および支持体または2004年6月16日付ドイツ国特許出願番号102004029217.5の中で開示された接着促進剤の一つの材料からなるブレンドである。
5.フィルムは被覆層、場合により着色層および担体層以外にさらに、支持体への結合のために下に存在する接着促進剤層を含有する。接着促進剤は点4と同じものが適用される。
6.フィルム、例えば点1〜5におけるフィルムは、必要に応じて、例えば耐引掻性における要求が高められる場合、被覆層上にさらに保護層を、例えばポリウレタンベース上にクリアラックを含有する。塗料の形における保護層は、耐引掻性を高めるために従来技術に従って変性されていてもよい。それ以外に、構造部材上に保護層を真空分離法により発生させることもまた可能である。フィルムは場合により、輸送保護または取付保護(Montageschutz)として作用しかつ複合部材の製造後に取り出される可剥性保護フィルムも積層して含有してよい。
【0018】
実態態様2〜6について言えるのは、後で第二の工程においてその他の層と結合し多層フィルムを作るために、まずモノフィルムのような透明な被覆層を片側からまたは両側から印刷することができることである。多層フィルムにおいて、透明な被覆層は上方から印刷されうる。被覆層はまた透明であるかまたはカバーして着色されていてよい。
【0019】
有利な一実施態様において、着色層および/または担体層は、殊にポリエーテルアミドまたはポリエーテルエステルアミドおよび有利には、6〜18個および有利には6〜12個のC原子を有する直鎖脂肪族ジアミン、6〜18個および有利には6〜12個のC原子を有する直鎖脂肪族または芳香族ジカルボン酸をベースとするポリエーテルアミドまたはポリエーテルエステルアミドおよび酸素原子1個につき平均2、3個以上のC原子および200〜2000のポリエーテルブロックの数平均モル質量を有するポリエーテルの成形材料を含有する。この層の成形材料は、さらに他のブレンド成分、例えば、カルボキシル基もしくはカルボン酸無水物基またはエポキシド基を有するポリアクリレートまたはポリグルタルイミド、官能基を含有するゴムおよび/またはポリアミドを含有してよい。この種の成形材料は従来技術である;例えば、それらはEP1329481A2およびDE−OS10333005の中で記載されており、ここで明確に引用される。層の良好な接着を保証するために、この場合、ポリアミドエラストマーのポリアミド部分が、被覆層の成分の一つにおいて使用されるのと同じモノマーから構成されている場合に有利である。ポリアミドエラストマーの代わりに、着色層および/または担体層はポリアミド以外にまた耐衝撃性を生み出す(schlagzaehmachenden)通常のゴムも含有してよい。これらの実施態様において有利なのは、大抵の場合、フィルムの熱成形が別個の工程として背面射出成形の前に必要ではないことである。それというのもフィルムは背面射出成形により同時にまた変形されるからである。
【0020】
本発明による被覆層を有するフィルムないし多層フィルムは、有利な一実施態様において、0.02〜1.2mm、とりわけ有利には0.05〜1mm、極めて有利には0.1〜0.8mmおよび殊に有利には0.2〜0.6mmの厚みを有する。それが多層フィルムである場合、本発明による被覆層は、有利な一実施態様において、0.01〜0.5mm、とりわけ有利には0.02〜0.3mm、極めて有利には0.04〜0.2mmおよび殊に有利には0.05〜0.15mmの厚みを有する。フィルムは公知の方法を用いて製造され、例えば押出成形によるか、または多層系の場合においては共押出成形または積層成形により製造される。場合によりそれは引き続き変形させてよい。
【0021】
一実施態様において、フィルムは装飾フィルムである。本発明の意味における装飾フィルムは、印刷されえかつ/または着色層を含有しかつ、それだけではなくその表面を装飾するために支持体と結合するように定められているフィルムである。装飾はまた、充填物質または補強物質に由来する表面粗さをカバーすることで、表面の視覚的な欠点を隠すことによりもたらされうる。
【0022】
支持体を有するフィルムの一貫した物質の化合物は、例えば接着、加圧成形、積層成形、共押出成形、背面射出成形、背面発泡成形または背面圧縮成形により製造されうる。改善された接着を達成するために、フィルムは前もって、例えば火炎処理されるかまたはプラズマを用いて処理されうる。フィルムおよび支持体間の結合が形成される前に、例えば熱成形または他の方法によりフィルムをさらに加工または変形させてよい。表面は、例えば型押しにより構造化されうる。表面の構造化はまた、例えば特別に形成された圧延により、フィルム押出の範囲内で前もって行われることも可能である。引き続き、得られた複合部材をさらに変形させてよい。
【0023】
適切な支持体は、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS、ポリスチレンまたはスチレンコポリマーをベースとする成形材料である。
【0024】
有利な一実施態様において、本発明によるフィルムはフィルム複合体の被覆層として自動車および商用車における表面の形成もしくは装飾のために使用され、その際、フィルムはプラスチック支持体と接着結合している。相応して形成された構造部材は平面的に、例えばルーフモジュール、フェンダー、ボンネットまたはドアといったボデー部材に仕上げられうる。それ以外にまた、縦長の、多少なりとも湾曲した構造部材、およそ内張り(Verkleidung)、例えば自動車のいわゆるAピラーの内張りまたはあらゆる種類の装飾ストリップおよびカバーストリップ(Zier- und Blendleisten)が製造される実施態様も考慮に入れられる。さらに他の例は、ドアステップのための保護内張りである。自動車の外部領域における適用以外に、内部の構造部材も、有利には本発明によるフィルムにより装飾されえ、それは殊にストリップおよびカバー(Leisten und Blenden)のような装飾部材である。それというのも内部空間においても耐衝撃性および、化学物質、例えば清浄剤に対する安定性が必要とされるからである。
【0025】
さらに他の一実施態様において、本発明によるフィルムは、あらゆる種類の雪板(Schneebretter)、例えばスキーまたはスノーボードのための上部被覆として使用される。
【0026】
フィルムは、そのうえさらに、例えば汚染、UV線、天候の影響、化学物質または摩耗に対する保護フィルムとして使用されえ、自動車、家庭内、床、トンネル、テントおよび建築物における遮断フィルム(Sperrfolie)として、またはおよそスポーツ用品、ボート、航空機、家庭内または建築物における上部被覆のための装飾担体として使用されうる。
【0027】
本発明は以下で例えば説明される。
【0028】
使用したPA12は、ISO307に従って測定された2.1の相対溶液粘度ηrelおよびISO11357に従って測定された178℃の結晶融点Tを有するタイプであった。
【0029】
使用したPA1012は、1.9の相対溶液粘度ηrelおよび191℃の結晶融点Tを有するタイプであった。
【0030】
成形材料の製造は、溶融混合によりWerner+Pfleiderer社製 ZSK M9/2タイプの二軸押出機において行った。シリンダー温度は、250rpmの回転数および10kg/hのスループットにおいて250℃であった。25μ−溶融濾過を行った。
【0031】
射出成形シートの製造は、Engel社製 ES600/150タイプの射出成形機において行った。組成物温度は250℃で、ツール温度は80℃であった。寸法130mm×130mm×1mmを有するシートを製造した。
【0032】
モノフィルムを、Kalander168/400タイプのCollin社製−多層フィルム装置において240℃の処理温度でカレンダー法により製造した。厚みは400μmであった。
【0033】
多層フィルムを、カレンダー168/400タイプのCollin社製−多層フィルム装置において240℃(被覆層)および240〜250℃(着色層)の処理温度においてカレンダー法により製造した。被覆層の厚みは100μmで、着色層の厚みは400μmであった。着色付与層として、PA12(ηrel=2.1)28.0質量%、PA12−ハードブロック(M=7000)およびPTHF−ソフトブロック(M=1000)を有するポリエーテルエステルアミド68.5質量%、安定剤バッチ2.0質量%ならびに色設定値(Farbeinstellung)E70237を有する着色粉末バッチ1.5質量%とからなるブレンドを使用した。
【0034】
促進耐候試験を、モノフィルムにおいてQ−Panel社の促進耐候試験装置Q−UV/seによりサイクルを伴って行った(工程1:55℃、340nmにおいて照射0.98W/m、4時間/工程2:45℃、照射なしでの結露、4時間)。
【0035】
空調貯蔵(Klimalagerung)は、射出成形シートにおいて85℃および相対湿度99%で空調キャビネット内で行った。
【0036】
光沢測定は、シートおよびフィルムにおいてDIN67530に従って実施した。
【0037】
透過性は、厚さ400μmのフィルムにおいてISO13468−2に従って測定した。
【0038】
例1〜4および比較例A〜E:
組成および結果は表1〜5から読みとれる。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
【表4】

【0043】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
その被覆層が、本質的に以下の成分
a)PA11およびPA12の群から選択されたポリアミド3〜50質量%、ならびに
b)PA1012およびPA1212の群から選択されたポリアミド50〜97質量%、
(その際、百分率表示は成分a)およびb)の合計に対するものである)からなる成形材料からなるフィルム。
【請求項2】
前記フィルムがこの層からのみなる、請求項1記載のフィルム。
【請求項3】
前記フィルムが複数の層からなる、請求項1記載のフィルム。
【請求項4】
着色層、担体層および/または接着促進剤層を含有することを特徴とする、請求項3記載のフィルム。
【請求項5】
着色層および/または担体層が、ポリアミドエラストマーまたは耐衝撃性を生み出すゴムを含有することを特徴とする、請求項4記載のフィルム。
【請求項6】
0.02〜1.2mmの厚みを有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項7】
被覆層が0.01〜0.5mmの厚みを有することを特徴とする、請求項1ならびに3から6までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項8】
押出成形、共押出成形または積層成形により製造され、引き続き場合により変形させられることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のフィルムの製造のための、本質的に以下の成分
a)PA11およびPA12の群から選択されたポリアミド3〜50質量%、ならびに
b)PA1012およびPA1212の群から選択されたポリアミド50〜97質量%、
(その際、百分率表示は成分a)およびb)の合計に対するものである)からなる成形材料の使用。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか1項記載のフィルムおよび支持体から構成された複合部材。
【請求項11】
自動車のボデー部材、自動車内部の構造部材、内張り、装飾ストリップ、カバーストリップ、カバーまたは装飾部材であることを特徴とする、請求項10記載の複合部材。
【請求項12】
接着、加圧成形、積層成形、共押出成形、背面射出成形、背面発泡成形または背面圧縮成形により製造されることを特徴とする、請求項10および11記載の複合部材。

【公表番号】特表2008−534698(P2008−534698A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555564(P2007−555564)
【出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050038
【国際公開番号】WO2006/087250
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】