説明

ポリイミド樹脂の製造方法

【課題】2種類以上の樹脂を混合することなしに、容易に所望のイミド化率を有するポリイミド樹脂を製造することが可能なポリイミド樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、イミド化率低下促進剤として三級アミンを用い、イミド化率低下剤としてアルコールまたは水を用いるてポリイミド樹脂を製造する方法を提供した。この製造方法によれば、容易に上記課題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミド化率を制御したポリイミド樹脂の製造方法に関する。電子部品または光学用途に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
耐熱性、電気絶縁性、耐久性に優れていることからポリイミド樹脂は電子部品に広く使用されており、フレキシブル配線板や層間絶縁膜、結着剤などに用いられている。例えば、特許文献1に示すように、ポリアミック酸含有溶液を塗布後、加熱乾燥してイミド化率が50%以上98%以内のポリイミド樹脂層が得られ、フレキシブル配線板に用いられる。また、特許文献2に示すように、ポリアミック酸含有溶液を塗布後、加熱乾燥してイミド化率が66%ないし90%の層間絶縁膜が得られ、液晶ディスプレイに用いられる。さらに、特許文献3に示すように、ポリアッミク酸含有溶液を塗布後、加熱乾燥してイミド化率75〜99.999%の結着剤が得られ、二次電池に用いられる。
【0003】
この他、平滑性、配向性、耐久性に優れていることからポリイミド樹脂は光学用途に広く使用されており、液晶配向膜や光学材料などに用いられている。例えば、特許文献4に示すように、ポリアミック酸溶液を塗布後、高温で加熱乾燥してイミド化率が40〜80%のポリイミド樹脂層が得られ、液晶配向膜に用いられる。また、特許文献5に示すように、ポリアミック酸を高温で加熱乾燥してイミド化率が20%〜98%のポリイミド樹脂が得られ、光学材料用ポリイミドワニスに用いられている。
【0004】
ポリイミド樹脂のイミド化率は大変重要な特性であるが、上記先行文献のイミド化率の制御は高温加熱によるものであり、イミド化率を細かく制御することは難しかった。このため、特許文献6に示すように、異なるイミド化率のポリイミド樹脂(ポリアミック酸)を混合することで、所望のイミド化率を有するポリイミド樹脂を得ていた。
【0005】
しかし、このような方法では、2種類のイミド化率のポリイミド樹脂を準備する必要があるなど、製造効率の問題があり、ポリイミド樹脂のイミド化率を細かく制御できる製造方法が望まれていた。
【特許文献1】特開2002−26485号
【特許文献2】特開2000−206509号
【特許文献3】特開2002−8664号
【特許文献4】特開2001−5001号
【特許文献5】特許第2688698号
【特許文献6】特開平6−157753号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題を解決し、イミド化率を制御したポリイミド樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、ポリイミド樹脂とイミド化低下剤を反応させることで所望のイミド化率に制御したポリイミド樹脂を得ることが出来るポリイミド樹脂の製造方法を見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、1)イミド化率低下促進剤として三級アミンを用い、イミド化率低下剤としてアルコールまたは水を用いる、ポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0009】
2)1)記載のポリイミド樹脂が、酸二無水物と、一般式群(1)で表される少なくとも一種のジアミンを重合した後、イミド化して得られる構造のポリイミド樹脂である1)記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0010】
【化1】

【0011】
(R1は、−C(CF32−または−SO2−である。R2は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R3は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R4は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。)
【0012】
3)1)記載のポリイミド樹脂が、一般式群(2)で表される少なくとも一種の酸二無水物と、ジアミンを重合した後、イミド化して得られる構造のポリイミド樹脂である1)または2)に記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0013】
【化2】

【0014】
(R5は、−C(CF32−または−SO2−である。R6は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R7は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R8は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。)
【0015】
4)イミド化率が50%以上、100%以下である1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0016】
5)イミド化率低下剤に、水、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコールを用いる1)〜4)のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0017】
6)イミド化率低下剤に1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコールを用いる1)〜5)のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0018】
7)イミド化率低下促進剤として、複素環3級アミンを用いる1)〜6)のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、イミド化率を任意に制御したポリイミド樹脂を容易に得る事が出来ることとなり、有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るポリイミド樹脂の製造方法の要旨とするところは、イミド化率低下促進剤として三級アミンを用い、イミド化率低下剤としてアルコールまたは水を用いる、ポリイミド樹脂の製造方法である。
【0021】
アルコールまたは水をイミド化率低下剤として用い、三級アミンをイミド化率低下促進剤として用いた場合、所望のイミド化率に制御したポリイミド樹脂を得ることができる。これは、本発明者の推測によれば、イミド環のアルコリシス分解または加水分解が進行し、ポリイミド樹脂のイミド化率を低下させることが可能となるためであると考えられる。ここで言うアルコリシス分解とは、イミド環がアルコールで開環しアミドエステルが生成することである。また、加水分解とは、イミド環が水で開環し、アミド酸が生成することである。
【0022】
ポリイミド樹脂の製造方法としては、イミド化率促進剤とイミド化低下剤を用いていれば、その混合方法は特に限定するものではなく、例えば、ポリイミド樹脂固体と直接反応させる方法、ポリイミド樹脂縣濁溶液中で反応させる方法、ポリイミド樹脂溶液中でイミド化率低下剤と反応させる方法などの各種の方法が使用可能である。中でもポリイミド樹脂溶液中で反応させる方法は、反応時間が短くなる面で好ましい。また、ポリイミド樹脂溶液として、後述するイミド化後のポリイミド樹脂溶液を用いることができる。
【0023】
イミド化率低下剤としては、水またはメチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等の脂肪族アルコール、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール等の芳香族アルコールなどのアルコール類を用いることができる。また、これらの溶媒を単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良いし、さらに他の溶媒と混合して用いても良く、イミド化低下剤を含んでいれば特に限定するものではない。
【0024】
イミド化率低下剤の量は、低下させたいイミド化率に対して2倍モル以上添加することが、イミド化率低下反応を進行させやすい面で好ましい。
【0025】
また、イミド環のアルコリシス分解物またはイミド環の加水分解物を溶媒に溶解した溶液を、キャストし、乾燥する場合、溶媒の乾燥温度でイミド化反応が進行することがある。そのため、それを考慮し、イミド化率の制御を行う必要がある。ただし、アルコリシス分解物は、加水分解物よりもイミド化が進行しにくいため、溶媒乾燥時におけるイミド化率の変化が小さい面で、イミド化率低下剤としてアルコールを用いることが好ましく、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコールを用いることがさらに好ましい。
【0026】
イミド化率低下促進剤としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の脂肪族3級アミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族3級アミン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環3級アミンなどの三級アミンを用いることができる。特に、複素環3級を用いることが、分子量低下を抑制する面で好ましい。イミド化率低下促進剤の量は、イミド化率低下促進剤/ポリイミド樹脂のイミド環のモル比で0.1以上、20以下で用いることが好ましい。20よりも多いとイミド環の開環だけでなく、アミド結合をも開裂してしまい、分子量低下を引き起こすことがある。また、0.1未満であればイミド化率低下速度が遅くなる傾向にある。
【0027】
イミド化率低下の反応温度は、40℃以上が好ましく、50℃以上が好ましい。40℃未満の時はイミド化率低下反応に時間を要することがある。
【0028】
また、イミド化率低下の反応時間は、反応温度にもよるが、3時間以上、100時間以下であることが好ましい。3時間未満では、イミド化率を低下させることが困難であり、一方100時間より長いと製造工程で実施することが困難となる。
【0029】
本発明のポリイミド樹脂の製造方法は、通常以下の3つの工程を含むこととなる。それぞれについて一例を述べる。
(1)ポリアミック酸を含む溶液の製造
(2)ポリイミド樹脂へのイミド化
(3)ポリイミド樹脂の沈殿
【0030】
(1)本発明のポリアミック酸の製造方法
ポリアミック酸の製造方法は下記方法に特定されるものではなく、種々の方法を用いることが可能である。その一例を以下に示す。
【0031】
ジアミンを溶解した有機溶媒中に、酸二無水物を分散し、攪拌することで完全に溶解させ重合させる方法、酸二無水物を有機溶媒中に溶解及び/または分散させた後、ジアミンを用いて重合させる方法、酸二無水物とジアミンの混合物を有機溶媒中で反応させて重合する方法などがあるが、公知の重合方法を用いればよい。
【0032】
反応時間は、約1時間から5時間反応させることが好ましいが、ポリアミック酸溶液の粘度が、5Pa・s以上になるまで反応を行うことが好ましく、さらに好ましくは10Pa・s以上、最も好ましくは20Pa・sまで反応を行うころとが好ましい。ポリアミック酸溶液の粘度が20Pa・s以上であるとポリアミック酸溶液からポリイミド樹脂へと成形する際に取扱う上で最も好ましい。
【0033】
反応装置には、反応温度を制御するための温度調製装置を備えていることが好ましく、反応溶液温度として60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良くしかも、ポリアミック酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
【0034】
ポリアミック酸の重合に使用される有機溶媒としては、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いて良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
【0035】
ポリアミック酸溶液中のポリアミック酸の重量%は、有機溶媒中にポリアミック酸が5〜50wt%、好ましくは10〜40wt%、更に好ましくは、15〜30wt%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。
本発明に好適に用いることのできるジアミンは溶解性を付与する上で一般式群(1)で表される構造が含まれていることが好ましい。なお、一般式群(1)で表される構造であれば、複数種用いることが可能である。例えば、2,2´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジフルオロ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジフルオロ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジブロモ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリフルオロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリクロロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリブロモメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−フルオロ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−フルオロ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−ブロモ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−ブルモ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリフルオロメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリフルオロメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリクロロメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリクロロメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリブルモメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリブロモメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−フルオロ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−フルオロ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−クロロ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−クロロ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−ブロモ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−ブロモ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリフルオロメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリクロロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリクロロメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリブロモメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリブロモメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンを用いることが、溶媒溶解性の面で好ましく、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニルがさらに好ましい。
【0036】
また、以下のジアミンを適時併用または、その代わりとして用いることも可能である。例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、ジアミノポリシロキサン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジアミノ−ベンゾフェノン、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0037】
本願発明に好適に用いることのできる酸二無水物は溶解性を付与する上で一般式群(2)で表される構造が含まれていることが好ましい。なお、一般式群(2)で表される構造であれば、複数種用いることが可能である。例えば、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3−クロロピロメリット酸二無水物、3−ブロモピロメリット酸二無水物、3−トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3−トリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3−トリブロモメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリット酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリブロモメチルピロメリット酸二無水物等が好ましく、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物が多種の有機溶剤への溶解性を付与する面でさらに好ましい。
【0038】
また、以下の酸二無水物を適時併用または、その代わりとして用いることも可能である。例えば、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、4,4´−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物等が挙げられる。
【0039】
ポリアミック酸溶液の製造反応に用いられる酸二無水物類とジアミン類の使用モル比率は、使用モル比率=全酸二無水物モル数/全ジアミンモル数で算出した場合に、0.9以上1.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.95以上1.3以下であることが好ましく、特に好ましくは、0.98以上1.2以下であることがポリアミック酸溶液から得られるポリイミド樹脂中の未反応の酸二無水物やジアミンを減少させる上で好ましい。
【0040】
(2)ポリイミド樹脂へのイミド化
本発明のイミド化は公知の技術を用いることができる。ポリアミック酸を含む溶液をイミド化する方法には、一般的に熱的イミド化法と化学的イミド化法がある。
【0041】
熱イミド化法は、加熱のみによりイミド化させる方法であり、イミド化率を制御することは難しく、またイミド化率を高くするためには、高温加熱が必要となる。高温加熱により、架橋による高分子量化、着色が進行することがある。化学的イミド化法は、脱水剤及びイミド化促進剤を用いることによりイミド化させる方法であり、熱的イミド化法よりも低い温度でイミド化を進行させることができる。
【0042】
以下、化学的イミド化法の一例について説明する。ポリアミック酸からイミド化する際の条件を特定の条件とすることにより、分子量変化と着色を抑制しつつ、得られるポリイミド樹脂のイミド化率を向上させることができる。イミド化する際のイミド化促進剤として、脂肪族第3級アミン類、芳香族第3級アミン類を用いることが出来る。特にピリジン、メチルピリジン、キノリン、イソキノリンなどの複素環3級アミン類を用いることはポリイミド樹脂の着色を抑制する面で好ましい。イミド化促進剤の量が、イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比で0.01以上、5未満で用いることが好ましい。イミド化促進剤を用いないとイミド化の進行に時間を要する場合がある。逆に多すぎると着色する場合がある。
【0043】
イミド化に際して、脱水剤を併用することはイミド化時間を短縮できる観点で好ましい。このような脱水剤としては、脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の洗浄に適しているという点から好ましい。
【0044】
脱水剤の量は、脱水剤/ポリアミック酸中のアミド基のモル比で1以上、5未満で用いることが好ましい。脱水剤の量が少ないとイミド化が進行するのに時間が要する場合があり、逆に多すぎると分子量の低下を引き起こす場合がある。該イミド化後のポリイミド樹脂溶液は、本発明のポリイミド樹脂の製造に用いることができる。イミド化の際に用いたイミド化促進剤は、本発明のポリイミド樹脂の製造におけるイミド化率低下促進剤としても用いることができる。
【0045】
(3)ポリイミド樹脂の沈殿・洗浄
本発明と併用する場合、上記で示したイミド化率低下の反応終了後、さらに以下の方法で、ポリイミド樹脂を沈殿・洗浄することも良いし、沈殿・洗浄時にイミド化率低下の反応を進行させても良い。
【0046】
ポリイミド樹脂の沈殿・洗浄方法について公知の技術を用いることができる。上記(1)(2)のようにして得られたポリイミド樹脂を含む溶液から、ポリイミド樹脂を沈殿させる方法として、ポリイミド樹脂溶液へ、ポリイミド樹脂の沈殿溶媒を投入する方法、ポリイミド樹脂の沈殿溶媒へ、ポリイミド樹脂溶液を投入する方法がある。本発明のポリイミド樹脂とは、形状を特に制限するものではないが、ポリイミド樹脂のワニス溶媒への溶解性の面で、粉末状、フレーク状、種々の形態を含む固形物状態のものが好ましく、その平均粒径は、好ましくは5mm以下であり、さらには3mm以下、特には1mm以下が好ましい。
【0047】
本発明で用いられるポリイミド樹脂の沈殿溶媒としては、ポリイミド樹脂の貧溶媒であって、ポリアミック酸及びポリイミド樹脂を溶解している溶媒と混和するものを用いることができ、複数種を混合して用いることができる。例えば、水又はメチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ヘキシルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フェノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等などが挙げられる。中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール、トルエン等の芳香族炭化水素が、ポリイミド樹脂の乾燥効率の面で好ましい。
【0048】
ポリイミド樹脂を沈殿させる際、ポリイミド樹脂の塊が生成することがある。塊は、湿式または乾式の粉砕で所望の大きさの粉体として得ることができる。
【0049】
ポリイミド樹脂の沈殿に用いる溶媒量はポリイミド樹脂溶液の1.5倍以上の量で抽出することが粉体形状を制御する面で好ましい。
【0050】
その後、沈殿させたポリイミド樹脂スラリーを洗浄して、イミド化促進剤と脱水剤及び脱水剤反応生成物を除去することがポリイミド樹脂の変質を抑制する面で望ましい。洗浄溶媒としては前記沈殿溶媒として用いた溶媒を使用することができるが、ポリイミド樹脂の貧溶媒又は非溶媒であり、イミド化促進剤と脱水剤及び脱水剤反応生成物を除去できるものであれば特に制限するものではない。
【0051】
ポリイミド樹脂スラリーは、乾燥により溶媒を除去し、ポリイミド樹脂を得ることができる。ポリイミド樹脂の乾燥方法は、真空乾燥又は熱風乾燥を用いることができる。乾燥温度は酸素存在下では120℃以上では着色が起こる場合があり、150℃では明らかに着色する。したがって乾燥は120℃以下で行うことが望ましい。真空中や不活性ガス雰囲気でも、120℃以下で行うことが望ましい。
【0052】
上記方法で作製したポリイミド樹脂の分子量は、GPCのPEG(ポリエチレングリコール)換算で測定した際に重量平均分子量が10000以上500000以下であることが好ましく、さらに好ましくは、50000以上400000以下であることが好ましく、特に好ましくは80000以上300000以下であることがポリイミド樹脂を例えば支持体表面に塗布して乾燥する際にムラが発生しにくい面で好ましい。
【0053】
本発明におけるポリイミド樹脂をワニス溶媒に溶解して、フィルム状、若しくは層状に成型することができる。このようなワニス溶媒は、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、m−キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトンなどのケトン類、が挙げられることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが必要に応じて2種以上を用いても良い。
【0054】
ポリイミド樹脂の溶解に用いられる溶媒は、ポリイミド樹脂の使用形態により適宜選定されるが、例えば、電子回路部材に用いる場合には、ポリイミド樹脂の溶解性の高い、DMF、DMAc、NMP等のアミド類と揮発性の高い、MIBK、MEK、アセトンなどのケトン類を混合して用いることもできる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
(合成例)
<ポリイミド溶液の製造>
本実施例では、反応容器としてステンレス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の攪拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミック酸を製造した。重合反応中は、水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
【0057】
上記セパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)223.5gを仕込み、これに、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル(TFMB)40.0g(0.125モル)を溶解する。この溶液に、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(6FDA)55.5g(0.125モル)を添加・攪拌して完全に溶解させた。完全に溶解した後、攪拌して重合粘度を80Pa・sまで上昇させた。前記溶液にピリジン(pKBH+;5.17)を40g(イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=2.0)添加した後、無水酢酸を30.6g(脱水剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=1.2)を添加した。その後内部温度を100℃に上昇させて5時間加熱した。
【0058】
<ポリイミド樹脂の沈殿・洗浄・乾燥>
ポリイミド樹脂の溶液に2−プロピルアルコール(IPA)(910g)を添加してポリイミド樹脂を沈殿させた。ヌッチェろ過でポリイミドスラリーを得た後、前記スラリーを5回洗浄した。洗浄はポリイミドスラリーを2−プロピルアルコール(910g)で30分間攪拌した後、ヌッチェろ過を実施した。ポリイミドスラリーを真空オーブンにて乾燥温度100℃にて終夜で乾燥させた。得られたポリイミド樹脂はMw144,000、イミド化率100%であった。
【0059】
(実施例1)
(合成例)で得られたポリイミド樹脂(30g)を、DMF(120g)に溶解させた後、IPA(120g)、ピリジン(6.5g:イミド化率低下促進剤/ポリイミド樹脂のイミド環のモル比=2)を添加した後、液温45℃で14時間攪拌後、IPA(330g)を添加し、ポリイミド樹脂を沈殿させた。ヌッチェろ過でポリイミドスラリーを得た後、前記スラリーを5回洗浄した。洗浄はポリイミドスラリーを2−プロピルアルコール(450g)で30分間攪拌した後、ヌッチェろ過を実施した。ポリイミドスラリーを真空オーブンにて乾燥温度100℃にて終夜で乾燥させた。得られたポリイミド樹脂の分子量(Mw)とイミド化率を測定した。分子量の測定条件を表1に示した。
【0060】
【表1】

【0061】
また、イミド化率の測定条件を表2に示した。
【0062】
【表2】

【0063】
評価の結果は、表3にまとめた。得られたポリイミド樹脂は、Mw144,000、イミド化率95%であった。
【0064】
【表3】

【0065】
(実施例2)
(合成例)<ポリイミド溶液の製造>で得られたポリイミド樹脂溶液(150g)にIPA(120g)を添加した後、液温45℃で30時間攪拌後、IPA(330g)を添加し、ポリイミド樹脂を沈殿させた。ヌッチェろ過でポリイミドスラリーを得た後、前記スラリーを5回洗浄した。洗浄はポリイミドスラリーを2−プロピルアルコール(450g)で30分間攪拌した後、ヌッチェろ過を実施した。ポリイミドスラリーを真空オーブンにて乾燥温度100℃にて終夜で乾燥させた。得られたポリイミド樹脂は、Mw144,000、イミド化率90%であった。
【0066】
(比較例1)
(合成例)<ポリイミド溶液の製造>で得られたポリイミド樹脂溶液(150g)にトルエン(120g)を添加した後、液温45℃で15時間攪拌後、シクロヘキサン(500g)を添加し、ポリイミド樹脂を沈殿させた。ヌッチェろ過でポリイミドスラリーを得た後、前記スラリーを5回洗浄した。洗浄はポリイミドスラリーをトルエン(450g)で30分間攪拌した後、ヌッチェろ過を実施した。ポリイミドスラリーを真空オーブンにて乾燥温度100℃にて終夜で乾燥させた。得られたポリイミド樹脂は、Mw144,000、イミド化率100%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イミド化率低下促進剤として三級アミンを用い、イミド化率低下剤としてアルコールまたは水を用いる、ポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のポリイミド樹脂が、酸二無水物と、一般式群(1)で表される少なくとも一種のジアミンを重合した後、イミド化して得られる構造のポリイミド樹脂である請求項1記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【化1】

(R1は、−C(CF32−または−SO2−である。R2は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R3は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R4は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。)
【請求項3】
請求項1記載のポリイミド樹脂が、一般式群(2)で表される少なくとも一種の酸二無水物と、ジアミンを重合した後、イミド化して得られる構造のポリイミド樹脂である請求項1または2に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【化2】

(R5は、−C(CF32−または−SO2−である。R6は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R7は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。R8は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3のいずれかである。)
【請求項4】
イミド化率が50%以上、100%未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項5】
イミド化率低下剤に、水、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコールを用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項6】
イミド化率低下剤に1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコールを用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項7】
イミド化率低下促進剤として、複素環3級アミンを用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。

【公開番号】特開2006−282883(P2006−282883A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105535(P2005−105535)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】