説明

ポリウレタンフォームのためのアミン触媒

本発明は、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレートフォーム、ならびにそれらの調製のための方法を提供する。より詳しくは、本発明は、オープンセル(連続気泡)ポリウレタンおよびポリイソシアヌレートフォーム、ならびにこれらの調製の方法に関する。これらのフォームは、微細で均一なセル(気泡)構造を有し、ほとんどまたは全くフォームの崩壊がないことを特徴とする。このフォームは、ヒドロハロオレフィン発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、および立体障害アミン触媒の組合せを含む、ポリオールプレミックス組成物で生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2007年10月12日に出願した、同時係属の米国仮特許出願第60/979,453号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ポリウレタンフォーム(ポリウレタン発泡体)およびポリイソシアヌレートフォーム(ポリイソシアヌレート発泡体)、ならびにそれらの調製のための方法に関連する。より詳しくは、本発明は、硬質ポリウレタンおよびポリイソシアヌレートフォーム、ならびにそれらの調製のための方法に関するものであり、これらのフォームは微細で均一なセル(気泡)構造(cell structure)、およびほとんどまたは全くフォームの崩壊がないことを特徴とする。これらのフォームは、有機ポリイソシアネートと、好ましくはヒドロハロオレフィンである発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、およびアミン触媒の組合せを含むポリオールのプレミックス組成物とで生成される。
【背景技術】
【0003】
低密度として知られるフォーム(発泡体)の種類である、硬質ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、屋根ふき材システム、建材パネル、建物外壁断熱材、冷蔵庫、および冷凍庫を含む広範な種類の断熱用途において有用性を有する。硬質ポリウレタンフォームの大規模な業務上の採用における重要な要素は、バランスの良い特性を提供する能力を有していることである。硬質ポリウレタンおよびポリイソシアヌレートフォームは、適度に低い密度で、顕著な断熱、優秀な耐火特性、および卓越した構造特性を提供することが知られている。フォーム産業は歴史的に、加工条件における使い勝手の良さという理由で、液体フッ化炭素発泡剤を使用してきた。フッ化炭素類は、その揮発性により発泡剤として機能するばかりでなく、硬質フォームのクローズドセル構造(独立気泡構造;closed cell structure)に封入または混入され、硬質ウレタンフォームの低い熱伝導率特性に主に寄与する。断熱フォーム用途における好ましい工業用の膨張剤または発泡剤としてのフッ化炭素の使用は、生成されるフォームに関連した、結果として生じるk因子に一部基づく。k因子は、1時間に、材料の2つの表面の垂直断面に−17.2℃(華氏1度)の差がある、厚さ2.54cm(1インチ)の均質な材料30.48平方センチメートル(1平方フィート)を通る伝導による熱エネルギーの移動の割合として定義される。クローズドセルポリウレタン型のフォームの有用性は、その断熱特性に一部基づいているので、より低いk因子のフォームを生成する材料を特定することが有利であろう。
【0004】
発泡剤、触媒、界面活性剤、および任意にその他の成分の存在下で、ポリオールとポリイソシアネートを反応させることによって、硬質ポリウレタンおよびポリイソシアヌレートフォームを生成することが、当技術分野において知られている。発泡剤としては、炭化水素、フッ化炭素、クロロカーボン、フルオロクロロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、またはCO発生材料などが挙げられる。ポリイソシアネートがポリオールと反応するとき発生する熱は、液体混合物に含まれる発泡剤を揮発させ、その結果その中に泡を形成する。重合反応が進行するにつれて、液体混合物は多孔質の固体(cellular solid)となり、フォームのセル(孔)の中に発泡剤を封入する。発泡性組成物中に界面活性剤を使用しない場合、泡は液体混合物を単に通過するだけであり、フォームを形成しない、または大きく不規則なセル(気泡)を有するフォームを形成して、このようなフォームは有用でないものとなる。好ましい発泡剤は、低い地球温暖化係数を有する。これらの中には、ヒドロフルオロオレフィン類(HFOs)およびヒドロクロロフルオロオレフィン類(HFCOs)を含むヒドロハロオレフィンがあり、ヒドロフルオロオレフィンでは、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)が特に興味深く、ヒドロクロロフルオロオレフィンでは、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFCO−1233zd)が特に興味深い。1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造のための方法は、米国特許第7,230,146号明細書(特許文献1)および第7,189,884号明細書(特許文献2)に開示されている。1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造のための方法は、米国特許第6,844,475号明細書(特許文献3)および第6,403,847号明細書(特許文献4)に開示されている。
【0005】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームのための成分を、予め混合された配合物中に供給することは、多くの用途において好都合である。最も典型的には、フォーム配合物を、2つの成分中に予め混合する。ポリイソシアネートおよび任意のイソシアネートに相容性の原料は、一般にA成分と呼ばれる第一成分を構成する。ポリオールまたは複数のポリオールの混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、ならびにその他のイソシアネート反応性および非反応性成分は、一般にB成分と呼ばれる第二成分を構成する。したがって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、小規模な調製のための手動混合、あるいは、好ましくは、ブロック、スラブ、ラミネート、現場注入型パネル(pour−in−place panels)およびその他の製品、スプレー適用式フォーム、フロス等を形成するための機械混合技術のいずれかにより、A側成分およびB側成分を一緒にすることによって容易に調製される。任意に、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、およびその他のポリオールなどの、その他の成分を、ミキシングヘッドまたは反応部に添加することができる。しかしながら、それら全てをB成分1つに組み入れることが、最も好都合である。
【0006】
二成分系、特にHFO−1234zeおよびHFCO−1233zdを含むある特定のヒドロハロオレフィンを使用する系の欠点は、このB側成分の貯蔵寿命である。A側成分およびB側成分を一緒にすることによって、フォーム(発泡体)が生成されるときには通常、良好なフォームが得られる。しかしながら、ポリイソシアネートで処理する前にポリオールプレミックス組成物が古くなっている場合、フォームは品質が低く、フォーム形成の間に崩壊さえすることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,230,146号明細書
【特許文献2】米国特許第7,189,884号明細書
【特許文献3】米国特許第6,844,475号明細書
【特許文献4】米国特許第6,403,847号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記問題の根源は、HFO−1234zeおよびHFCO−1233zdを含むある特定のヒドロハロオレフィンとある特定のアミン触媒との反応であり、このことが発泡剤の部分的な分解をもたらす、ということがわかった。発泡剤の分解の後に、高分子シリコーン界面活性剤が存在するならば、その分子量が有害に変化し、貧弱なフォーム構造という結果を導くことがわかった。
【0009】
例えば、ポリイソシアネート(「A」成分)に発泡剤、アミン触媒もしくは界面活性剤を添加することによって、または、「A」あるいは「B」成分とは別のストリームを使用して、発泡剤、アミン触媒もしくは界面活性剤を導入することによって、発泡剤、界面活性剤、および触媒を分離することでこの問題を解決できる可能性はあるが、好ましい解決法は、配合の変更またはフォームが作製される方法の変化を必要としないものである。
【0010】
立体障害アミンは、トランスHFO−1234zeおよびHFCO−1233zdを含むヒドロハロオレフィン類などのある特定の発泡剤に対してより低い反応性を有しているため、ポリオール混合物が古くなっているとしても、良質なフォームを生成することができることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、および立体障害アミン触媒の組合せを含むポリオールプレミックス組成物を提供する。当該発泡剤は、ヒドロハロオレフィン、および任意に、炭化水素、フッ化炭素、クロロカーボン、フルオロクロロカーボン、ハロゲン化炭化水素、CO発生材料、またはそれらの組合せを含む。当該立体障害アミン触媒は、式RN−[A−NRを有し、式中、R、R、R、およびRのそれぞれは独立して、H、CからCのアルキル基、CからCのアルケニル基、CからCのアルコール基、もしくはCからCのエーテル基であるか、または、RおよびRが一緒に、CからCの環状アルキル基、CからCの環状アルケニル基、CからCの複素環アルキル基、もしくはCからCの複素環アルケニル基を形成し;Aは、CからCのアルキル基、CからCのアルケニル基、またはエーテルであり;nは0、1、2、または3であり;ただし、立体障害アミン触媒は、Charton立体パラメーターの合計約1.65以上を有する。
【0012】
本発明はまた、ポリオールプレミックス組成物と有機ポリイソシアネートを反応させることを含む、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを調製する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発泡剤成分は好ましくは、トランス−HFO−1234zeおよびHFCO−1233zdの少なくとも1種、ならびに、任意に、炭化水素、フッ化炭素、クロロカーボン、フルオロクロロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、フッ素化エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、CO発生材料、またはそれらの組合せを含む、ヒドロハロオレフィンを含む。
【0014】
ヒドロハロオレフィンは、好ましくは、3から4個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素の二重結合を含むフルオロアルケンまたはクロロアルケンなどの、少なくとも1種のハロアルケンを含む。好ましいヒドロハロオレフィンとしては、非排他的に、トリフルオロプロペン、(HFO−1234)などのテトラフルオロプロペン、(HFO−1225)などのペンタフルオロプロペン、(HFO−1233)などのクロロトリフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、クロロテトラフルオロプロペン、およびこれらの組合せが挙げられる。本発明の化合物は、不飽和末端炭素が1個以下のFまたはCl置換基を有する、テトラフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、およびクロロトリフルオロプロペン化合物であることがより好ましい。1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze);1,1,3,3−テトラフルオロプロペン;1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye);1,1,1−トリフルオロプロペン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225zc);1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロブト−2−エン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yc);1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yez);1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFCO−1233zd);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン、またはそれらの組合せ、ならびに、これらそれぞれのいずれかおよび全ての構造異性体、幾何異性体、または立体異性体が含まれる。
【0015】
i 好ましいヒドロハロオレフィンは、150以下、より好ましくは100以下、さらにより好ましくは75以下の地球温暖化係数(GWP;Global Warmng Potental)を有する。本明細書に使用されている「GWP」は、参照により本明細書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Ozone Depletion、2002、a report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project(オゾン層破壊の科学的評価、2002年、世界気象協会の全球オゾン層の調査と監視計画)」に定義されている通り、100年の時間スケールで、二酸化炭素のGWPに対して相対的に測定される。好ましいヒドロハロオレフィンはまた、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.02以下、さらにより好ましくは約0のオゾン破壊係数(ODP;Ozone Depletion Potential)を有する。本明細書に使用されている通り、「ODP」は、参照により本明細書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Ozone Depletion、2002、A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project(オゾン層破壊の科学的評価、2002年、世界気象協会の全球オゾン層の調査と監視計画)」に定義されている通りである。
【0016】
好ましい任意の発泡剤としては、非排他的に、水、ギ酸、イソシアネートと反応するとCOを発生する有機酸;炭化水素;エーテル、ハロゲン化エーテル;ペンタフルオロブタン;ペンタフルオロプロパン;ヘキサフルオロプロパン;ヘプタフルオロプロパン;トランス−1,2−ジクロロエチレン;ギ酸メチル;1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン;1,1,2,2−テトラフルオロエタン;1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン;トリクロロフルオロメタン;ジクロロジフルオロメタン;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン;ジフルオロメタン;ジフルオロエタン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1−ジフルオロエタン;イソブタン;ノルマルペンタン;イソペンタン;シクロペンタン、またはこれらの組合せが挙げられる。発泡剤成分は通常、ポリオールプレミックス組成物中に、ポリオールプレミックス組成物の重量の約1重量%から約30重量%、好ましくは約3重量%から約25重量%、より好ましくは約5重量%から約25重量%の量で存在する。ヒドロハロオレフィンと任意の発泡剤との両方が存在するとき、ヒドロハロオレフィン成分は通常、発泡剤成分中に発泡剤成分の重量の約5重量%から約90重量%、好ましくは約7重量%から約80重量%、より好ましくは約10重量%から約70重量%の量で存在し、任意の発泡剤は通常、発泡剤成分中に発泡剤成分の重量の約95重量%から約10重量%、好ましくは約93重量%から約20重量%、より好ましくは約90重量%から約30重量%の量で存在する。
【0017】
ポリオールの混合物を含むポリオール成分は、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの調製において既知の方法でイソシアネートと反応する、任意のポリオールであり得る。有用なポリオールは、1種または複数の、スクロース含有ポリオール;フェノール、フェノールホルムアルデヒド含有ポリオール;グルコース含有ポリオール;ソルビトール含有ポリオール;メチルグルコシド含有ポリオール;芳香族ポリエステルポリオール;グリセロール;エチレングリコール;ジエチレングリコール;プロピレングリコール;ビニルポリマーとのポリエーテルポリオールのグラフトコポリマー;ポリ尿素とのポリエーテルポリオールのコポリマー;1種または複数の下記(b)と縮合した1種または複数の下記(a):
(a)グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、大豆油、レシチン、トール油、パーム油、ひまし油;
(b)酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレンとの混合物;
またはそれらの組合せを含む。ポリオール成分は通常、ポリオールプレミックス組成物中にポリオールプレミックス組成物の重量の約60重量%から約95重量%、好ましくは約65重量%から約95重量%、より好ましくは約70重量%から約90重量%の量で存在する。
【0018】
ポリオールプレミックス組成物は、次に、シリコーン界面活性剤を含む。シリコーン界面活性剤は、混合物からフォームを形成するためや、フォームの泡のサイズを調整して、所望のセル(気泡)構造のフォームを取得するために使用される。好ましくは、小さな泡または中に均一なサイズのセル(気泡)を有するフォームが望まれ、これは、そのようなフォームが圧縮強度および熱伝導率などの最も望ましい物理的な特性を有するためである。また、形成前にまたはフォーム発生の間に、崩壊しない安定したセル(気泡)を有するフォームとすることが重要である。
【0019】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの調製に使用するためのシリコーン界面活性剤は、当業者にとって既知の多数の商標名の下で入手可能である。かかる材料は、均一なセル(気泡)を形成させ、ガスを最大封入させて、非常に低い密度のフォーム構造を得るための広範な配合物に対して、適用可能であることがわかった。好ましいシリコーン界面活性剤は、ポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーを含む。本発明にとって有用ないくつかの代表的なシリコーン界面活性剤は、MomentiveのL−5130、L−5180、L−5340、L−5440、L−6100、L−6900、L−6980、およびL−6988;Air ProductsのDC−193、DC−197、DC−5582、およびDC−5598;ならびにドイツ、EssenのGoldschmidt AGのB−8404、B−8407、B−8409、およびB−8462である。その他のシリコーン界面活性剤は、米国特許第2,834,748号明細書、第2,917,480号明細書、第2,846,458号明細書、および第4,147,847号明細書に開示されている。シリコーン界面活性剤成分は通常、ポリオールプレミックス組成物中にポリオールプレミックス組成物の重量の約0.5重量%から約5.0重量%、好ましくは約1.0重量%から約4.0重量%、より好ましくは約1.5重量%から約3.0重量%の量で存在する。
【0020】
ポリオールプレミックス組成物は、任意に、非シリコーン、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。かかる界面活性剤は、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪アルコール、パラフィンオイル、ひまし油エステル、リシノール酸エステル、ロート油、ラッカセイ油、パラフィン、および脂肪アルコールを含むことができる。好ましい非シリコーン非イオン性界面活性剤は、Air Products Corporationから市販されているLK−443である。非シリコーン、非イオン性界面活性剤が使用される場合、通常、ポリオールプレミックス組成物中にポリオールプレミックス組成物の重量の約0.25重量%から約3.0重量%、好ましくは約0.5重量%から約2.5重量%、より好ましくは約0.75重量%から約2.0重量%の量で存在する。
【0021】
次に、本発明のポリオールプレミックス組成物は、式RN−[A−NRを有する少なくとも1種の立体障害アミン触媒を含み、式中、R、R、R、およびRのそれぞれは独立して、H、CからCのアルキル基、CからCのアルケニル基、CからCのアルコール基、もしくはCからCのエーテル基であるか、または、RおよびRが一緒に、CからCの環状アルキル基、CからCの環状アルケニル基、CからCの複素環アルキル基、もしくはCからCの複素環アルケニル基を形成し、Aは、CからCのアルキル基、CからCのアルケニル基、またはエーテルであり;nは0、1、2、または3であり;ただし、立体障害アミン触媒は、Charton立体パラメーターの合計約1.65以上を有する。
【0022】
基XのためのCharton立体パラメーターは、置換エステルXCHC(O)ORの酸触媒加水分解の速度を、対応する非置換エステルの加水分解の速度と比較することによって決定される。この差は、Xのファンデルワールス半径と直線的に相関しており(R.W.Taft、「Steric effects in organic chemistry(有機化学における立体効果)」、M.S.Newman編、Wiley、New York、NY、1956年、556頁、およびM.Charton、J.Am.Chem.Soc.、97巻(1975年)1552頁を参照されたい)、これらは参照により本明細書に組み込まれる。νの値のリストは、M.Charton、J.Organic Chemistry、41巻(1976年)、2217頁に見出すことができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。選択された基のための値を以下の表に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【0027】
有用な立体障害アミンとしては、立体障害第一級アミン、第二級アミン、または第三級アミンが挙げられる。有用な立体障害第三級アミン触媒としては、非排他的に、ジシクロヘキシルメチルアミン;エチルジイソプロピルアミン;ジメチルシクロヘキシルアミン;ジメチルイソプロピルアミン;メチルイソプロピルベンジルアミン;メチルシクロペンチルベンジルアミン;イソプロピル−sec−ブチル−トリフルオロエチルアミン;ジエチル−(α−フェニルエチル)アミン、トリ−n−プロピルアミン、またはそれらの組合せが挙げられる。有用な立体障害第二級アミン触媒としては、非排他的に、ジシクロヘキシルアミン;t−ブチルイソプロピルアミン;ジ−t−ブチルアミン;シクロへキシル−t−ブチルアミン;ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン;ジ−(α−トリフルオロメチルエチル)アミン;ジ−(α−フェニルエチル)アミン;またはそれらの組合せが挙げられる。有用な立体障害第一級アミン触媒としては、非排他的に、トリフェニルメチルアミンおよび1,1−ジエチル−n−プロピルアミンが挙げられる。
【0028】
その他の有用な立体障害アミンとしては、モルフォリン、イミダゾール、エーテル含有化合物等が挙げられる。これらとしては、
ジモルフォリノジエチルエーテル、
N−エチルモルフォリン、
N−メチルモルフォリン、
ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、
イミダゾール、
n−メチルイミダゾール、
1,2−ジメチルイミダゾール、
ジモルフォリノジメチルエーテル、
N,N,N’,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、
N,N,N’,N’,N’’,N’’−ペンタエチルジエチレントリアミン、
N,N,N’,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、
ビス(ジエチルアミノエチル)エーテル、
ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテル
が挙げられる。
【0029】
立体障害アミン触媒は通常、ポリオールプレミックス組成物中にポリオールプレミックス組成物の重量の約0.1重量%から約3.5重量%、好ましくは約0.2重量%から約3.0重量%、より好ましくは約0.5重量%から約2.5重量%の量で存在する。
【0030】
本発明の別の実施形態において、立体障害アミン成分は、前述した、少なくとも1種の立体障害第三級アミン触媒および少なくとも1種の立体障害第二級アミン触媒を含む。
【0031】
ポリオールプレミックス組成物は、任意に、非アミン触媒をさらに含んでもよい。適切な非アミン触媒は、ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウム、ナトリウム、カリウム、またはそれらの組合せを含む有機金属化合物を含むことができる。これらとしては、非排他的に、硝酸ビスマス、鉛2−エチルヘキサノエート、安息香酸鉛、塩化鉄(III)、三塩化アンチモン、グリコール酸アンチモン、カルボン酸のスズ(II)塩、カルボン酸の亜鉛塩、カルボン酸のジアルキルスズ塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、カリウム2−エチルへキサノエート、グリシン塩、カルボン酸第四級アンモニウム、アルカリ金属カルボン酸塩、およびN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシネート、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、ジラウリン酸ジブチルスズ、またはそれらの組合せが挙げられる。任意の非アミン触媒は、使用される場合、通常、ポリオールプレミックス組成物中にポリオールプレミックス組成物の重量の約0.01重量%から約2.5重量%、好ましくは約0.05重量%から約2.25重量%、より好ましくは約0.10重量%から約2.00重量%の量で存在する。これらが通常の量であるが、金属触媒の分量は、変化に富む可能性があり、適正な量は、当業者によって容易に決定することができる。本明細書に記載された組成物を使用するポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの調製は、使用することのできる、当技術分野においてよく知られているいずれかの方法にしたがってもよく、SaundersおよびFrisch、第Iおよび第II巻、「Polyurethanes Chemistry and technology(ポリウレタンの化学と技術)」、1962年、John Wiley and Sons、New York、N.Y.(ニューヨーク州)、またはGum、Reese、Ulrich、「Reaction Polymers(ポリマーの反応)」、1992年、Oxford Univesity Press、New York、N.Y.、またはKlempnerおよびSendijarevic、「Polymeric Foams and Foam Technology(ポリマーフォームおよびフォームの技術)」、2004年、Hanser Gardener Publications、Cincinnati、OH(オハイオ州)を参照されたい。一般に、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、イソシアネート、ポリオールプレミックス組成物、および任意の難燃剤、着色料、またはその他の添加剤などのその他の材料を合わせることによって調製される。これらのフォームは、硬質、軟質、または半硬質とすることができ、クローズドセル構造(独立気泡構造)、オープンセル構造(連続気泡構造)、またはオープンセルおよびクローズドセルの混合物とすることができる。
【0032】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームのための成分を、予め混合された配合物中に供給することは、多くの用途において好都合である。最も典型的には、フォーム配合物は、2つの成分中に予め混合される。イソシアネート、および任意にその他のイソシアネートに相溶性の原料は、一般に「A」成分と呼ばれる第一成分を構成する。界面活性剤、触媒、発泡剤、および任意のその他の成分を含むポリオール混合組成物は、一般に「B」成分と呼ばれる第二成分を構成する。いずれかの所与の用途において、「B」成分は、上に挙げられた成分全部を含まなくてもよく、例えば、ある配合物は、難燃性が必要とされるフォームの特性でない場合、難燃剤を省略する。したがって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、小規模な調製のための手動混合、あるいは好ましくは、ブロック、スラブ、ラミネート、現場注入型パネル(pour−in−place panels)およびその他の製品、スプレー適用式フォーム、フロス等を形成するための機械混合技術のいずれかにより、A側成分およびB側成分を一緒にすることによって容易に調製される。任意に、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、水およびさらにその他のポリオールなどの、その他の成分を、ミキシングヘッドまたは反応部にストリームとして添加することができる。しかしながら、上記のように、それら全てをB成分1つに組み入れることが、最も好都合である。
【0033】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを形成するのに適切な発泡性組成物は、有機ポリイソシアネートと上記のポリオールプレミックス組成物とを反応させることによって形成することができる。任意の有機ポリイソシアネートを、脂肪族および芳香族ポリイソシアネートを含めて、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの合成において使用することができる。適切な有機ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン化学の分野においてよく知られている、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、および複素環式イソシアネートが挙げられる。これらは、例えば、米国特許第4,868,224号明細書、第3,401,190号明細書、第3,454,606号明細書、第3,277,138号明細書、第3,492,330号明細書、第3,001,973号明細書、第3,394,164号明細書、第3,124,605号明細書、および第3,201,372号明細書に記載されている。種類として好ましいものは、芳香族ポリイソシアネートである。
【0034】
代表的な有機ポリイソシアネートは、式:
R(NCO)z
に相当するものであり、
式中、Rは、脂肪族、アラルキル、芳香族、またはそれらの混合物のいずれかである多価有機基であり、zは、Rの原子価に相当する整数であり、少なくとも2である。本発明において意図される代表的な有機ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,6−トルエントリイソシアネートなどの芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネート;キシリレンジイソシアネートなどのアリールアルキルポリイソシアネート;ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステルなどの脂肪族ポリイソシアネート;およびそれらの混合物が挙げられる。その他の有機ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化メチレンジフェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、および3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。典型的な脂肪族ポリイソシアネートは、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、およびヘキサメチレンジイソシアネートなどのアルキレンジイソシアネート、イソホレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などであり;典型的な芳香族ポリイソシアネートとしては、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトイレンイソシアネート(bitoylene isocyanate)、ナフチレン 1,4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタンなどが挙げられる。好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、特に、メチレンビス(フェニルイソシアネート)を約30から約85重量%含む混合物であり、混合物の残りは、2より大きい官能基を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートである。これらのポリイソシアネートは、当技術分野における既知の従来の方法によって調製される。本発明において、ポリイソシアネートおよびポリオールは、約0.9から約5.0の範囲のNCO/OH化学量論比を得る量で使用される。本発明において、NCO/OH当量比は、好ましくは、約1.0以上および約3.0以下であり、理想的な範囲は、約1.1から約2.5までである。特に、適切な有機ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、またはそれらの組合せが挙げられる。ポリイソシアヌレートフォームの調製において、過剰なA成分とともに混合物を、ポリイソシアヌレート−ポリウレタンフォームに変換する目的のために、三量化触媒を使用する。使用される三量化触媒は、グリシン塩、第三級アミン三量化触媒、カルボン酸第四級アンモニウム、およびアルカリ金属カルボン酸塩、ならびに様々な種類の触媒の混合物を含むが、それらに限定されない、当業者にとって既知のいずれかの触媒であり得る。これらの種類のうち、好ましい種は、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、およびN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシネートである。
【0035】
従来の難燃剤をまた、好ましくは反応物の約20重量%を超えない量で組み入れることができる。任意の難燃剤としては、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(2−クロロイソプロピル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリ(2,2−ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチル N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、ジメチル メチルホスホネート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、およびテトラキス−(2−クロロエチル)エチレン ジホスフェート、トリエチルホスフェート、ジアンモニウム ホスフェート、様々なハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニル、メラミン等が挙げられる。その他の任意の成分は、0から約7%の水を含むことができ、これはイソシアネートと化学的に反応し、二酸化炭素を発生する。この二酸化炭素は、補助発泡剤として機能する。ギ酸もまた使用され、イソシアネートと反応することによって二酸化炭素を発生し、任意に「B」成分に添加される。前述の成分に加えて、染料、増量剤(フィラー)、顔料等などのその他の成分を、フォームの調製において含むことができる。分散剤およびセル(気泡)安定剤を、本混合物中に組み入れることができる。本明細書において使用するための通常の増量剤(フィラー)としては、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック、およびシリカが挙げられる。この増量剤(フィラー)は、使用される場合、通常、ポリオールの100部につき、約5部から100部までの範囲の重量の量で存在する。本明細書において使用できる顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、クロムグリーン、クロムイエロー、アイアンブルーシエナ、モリブデートオレンジ、ならびにパラレッド、ベンジジンイエロー、トルイジンレッド、トナー、およびフタロシアニンなどの有機顔料などの、いずれかの従来の顔料であり得る。
【0036】
生成されるポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、約0.80×10−3g/cm(約0.5ポンド/ft)から約96.1×10−3g/cm(約60ポンド/ft)、好ましくは約1.60×10−3g/cm(約1.0ポンド/ft)から約32.0×10−3g/cm(約20.0ポンド/ft)、最も好ましくは約2.40×10−3g/cm(約1.5ポンド/ft)から約9.61×10−3g/cm(約6.0ポンド/ft)の様々な密度であり得る。得られる密度は、水またはその他の共発泡剤(co−blowing agent)などの補助発泡剤の量を加えた、本発明において開示される発泡剤または発泡剤混合物が、どのくらいの量でA成分および/またはB成分中に存在するか、あるいは、フォームが調製されるときにどのくらいの量で添加されるか、についての関数である。これらのフォームは、硬質、軟質、または半硬質とすることができ、クロ−ズドセル構造(独立気泡構造)、オープンセル構造(連続気泡構造)、またはオープンセルおよびクローズドセルの混合物とすることができる。これらのフォームは、断熱材、緩衝材、浮揚材、包装材、接着剤、空隙充填剤、工芸品および装飾品、ならびに衝撃吸収材を含むが、それらに限定されない、様々なよく知られている用途に使用される。
【実施例】
【0037】
以下の非限定の実施例は、本発明を説明するために用いられる。
【0038】
実施例1(比較)
本実施例において、第三級アミン触媒のペンタメチルジエチレントリアミン(Polycat 5)とトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)との反応を、48.9℃(120°F)で、2日間、ガラス圧力反応器中でこの2つを一緒に加熱することによって調査した。この2日の期間にわたって、液体相の物理状態と、全体のシステム圧力とを観察した。実験の最後に、液体相のフッ化物イオンを分析した。本実施例において、圧力は1日後に44%、2日後に65%減少した。1日目の後に、オレンジ色の固体が存在した。イオンクロマトグラフィーを使用した液体分析は、>5重量%フッ化物イオン(>50,000ppm)を示した。
【0039】
実施例2〜5(比較)
これらの実施例において、およそ等モル量のアミンおよびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを使用して、48.9℃(120°F)で、3日間、その他のアミンを同様に評価した。アミン、圧力低下(%)、物理的変化、および発見されたフッ化物の量を下記に示す:
【0040】
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、80%、赤〜オレンジ色固体、>5重量%;
ジプロピレングリコール中の1,4−ジアザビシクロオクタン(DABCO33−LV(登録商標))、25%、オレンジ色粘稠液、>5重量%;
N−メチルシクロヘキシルアミン、86%、白色沈殿の後にオレンジ色液体、>5重量%;
N−イソプロピルメチルアミン、78%、オレンジ色溶液、>5重量%。
試験中の圧力低下、固体の存在、および色の変化は全て、アミンとオレフィンとの反応の指標である。残留物中のフッ化物イオンの%は、反応の程度の量的測定結果である。5重量%を超えるフッ化物は許容し難いほど高く、オレフィンの広範な分解を表している。
【0041】
実施例6〜8(比較)
室温(25.0〜25.6℃(77〜78°F))で、3日間、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンで、以下のアミンを処理した:
N−メチルシクロヘキシルアミン、48%、黄色〜オレンジ色固体、5重量%;
ジ−n−プロピルアミン、56%、30分以内に沈殿、>5重量%;
イソプロピルアミン、45%、5分以内に固体、>5重量%。
これらの実施例において、オレフィンの分解は、室温でさえも依然として大規模であった。
【0042】
実施例9(比較)
ポリオール(B成分)配合物を、ポリオール混合物100重量部、Niax L6900シリコーン界面活性剤1.5重量部、水3重量部、トリエチルホスフェート難燃剤8重量部、N,N,N’,N’’,N’’ペンタメチルジエチレントリアミン(Air ProductsよりPolycat5として販売)触媒1重量部、およびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤8重量部から作製した。このB成分組成物全体は、新たに調製され、Lupranate M20Sポリマーイソシアネート217.3重量部と合わせると、微細で規則的なセル(気泡)構造を有する良質のフォームを生成した。フォームの反応性は現場注入型フォーム(a pour−in−place foam)にとって典型的であり、ゲル化時間は80秒であった。次に、B成分組成物全体(121.5部)を、48.9℃(120°F)で、62時間エイジングし、次にM20Sイソポリイソシアネート217.3部と混合し、フォームを作製した。このフォームは形成の間に崩壊した。フォームの崩壊が原因で、ゲル化時間を測定することができなかった。ポリオール配合物は、エイジングの間に黄色くなった。この結果は、実施例1のスクリーニング試験に見られる通り、フッ化物5重量%により、フォーム崩壊という結果となるのに十分な分解が起きたことを示す。
【0043】
実施例10〜17
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−HFO−1234ze)とともに、およそ等モル量のアミンおよびHFO−1234zeを使用して、48.9℃(120°F)で、3日間、以下のアミンを加熱した。アミンおよび発見されたフッ化物を示す:
ジメチルシクロヘキシルアミン(Polycat 8)、1970ppm;
ジイソプロピルアミン、7650ppm;
ジシクロヘキシルメチルアミン(Polycat 12)、480ppm;
ジイソプロピルエチルアミン、67ppm;
ジシクロヘキシルアミン、942ppm;
ジ−sec−ブチルアミン、203ppm;
t−ブチルイソプロピルアミン、237ppm;
ジメチルイソプロピルアミン、3474ppm。
これらのアミンを使用して3日間の試験中に生成されたフッ化物の量(および、したがって、オレフィン分解の量)は、比較実施例における量よりはるかに少なかった。生成されたフッ化物の量は一般に、立体障害アミンが増加するとともに減少した。
【0044】
実施例18(フォーム試験)
ポリオール(B成分)配合物を、ポリオール混合物100重量部、Niax L6900シリコーン界面活性剤1.5重量部、水3重量部、トリエチルホスフェート難燃剤8重量部、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(Air ProductsよりPolycat 8として販売)触媒0.7重量部、およびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤8重量部から作製した。B成分組成物全体は、新たに調製され、Lupranate M20Sポリマーイソシアネート217.3重量部と合わせると、微細で規則的なセル(気泡)構造を有する良質のフォームを生成した。フォームの反応性は反応の遅い現場注入型フォームにとって典型的であり、ゲル化時間は285秒であった。次に、B側成分組成物全体(119.7部)を、48.9℃(120°F)で62時間エイジングさせ、次にM20Sイソポリイソシアネート217.3部と合わせて、フォームを作製した。フォームはセル(気泡)崩壊がなく、外見が正常であった。ゲル化時間は300秒であった。エイジングの間、変色は認められなかった。この試験は、実施例10のスクリーニング試験を確認するものであった。すなわち、試験で生成された低フッ化物は、良質のフォームをこのアミンで、エイジングの後ですら作製できることを予見するのに成功した。
【0045】
実施例19(比較)
ポリオール(B成分)配合物を、ポリオール混合物100重量部、Niax L6900シリコーン界面活性剤1.5重量部、水1.5重量部、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(Air ProductsよりPolycat 5として販売)触媒1.2重量部、およびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤8重量部から作製した。B成分組成物全体は、新たに調製され、Lupranate M20Sポリマーイソシアネート120.0重量部と合わせると、微細で規則的なセル(気泡)構造を有する良質のフォームを生成した。フォームの反応性は現場注入型フォームにとって典型的であり、ゲル化時間は78秒であった。次に、B−側成分組成物全体(112.2部)を、48.9℃(120°F)で、62時間エイジングさせ、次にM20Sイソポリイソシアネート120.0部と結合させて、フォームを作製した。フォームは形成の間に崩壊した。フォームの崩壊が原因で、ゲル化時間を測定することはできなかった。ポリオール配合物は、エイジングの間に黄色くなった。
【0046】
実施例20(フォーム試験)
ポリオール(B成分)配合物を、ポリオール混合物100重量部、Niax L6900シリコーン界面活性剤1.5重量部、水1.5重量部、ジイソプロピルエチルアミン触媒8.0重量部、およびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤8重量部から作製した。B成分組成物全体は、新たに調製され、Lupranate M20Sポリマーイソシアネート120.0重量部と合わせると、微細で規則的なセル(気泡)構造を有する良質のフォームを生成した。フォームの反応性は現場注入型フォームにとって典型的であり、ゲル化時間は187秒であった。次に、B−側組成物全体(119.0部)を、48.9℃(120°F)で、62時間エイジングさせ、次にM20Sイソポリイソシアネート120.0部と結合させて、フォームを作製した。フォームはセル(気泡)崩壊がなく、外見が正常であった。ゲル化時間は190秒であった。エイジングの間、変色は認められなかった。
【0047】
実施例21(フォーム試験)
ポリオール(B成分)配合物を、ポリオール混合物100重量部、Niax L6900シリコーン界面活性剤1.5重量部、水1.5重量部、ジシクロヘキシルメチルアミン(Air Products and ChemicalsよりPolycat 12として販売)触媒8.0重量部、およびトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン発泡剤8重量部から作製した。B成分組成物全体は、新たに調製され、Lupranate M20Sポリマーイソシアネート120.0重量部と合わせると、微細で規則的なセル(気泡)構造を有する良質のフォームを生成した。フォームの反応性は現場注入型フォームにとって典型的であり、ゲル化時間は150秒であった。次に、B−側組成物全体(115.0部)を、48.9℃(120°F)で、62時間エイジングさせ、次にM20Sイソポリイソシアネート120.0部と結合させて、フォームを作製した。フォームはセル(気泡)崩壊がなく、外見が正常であった。ゲル化時間は136秒であった。エイジングの間、変色は認められなかった。
【0048】
これらの実施例は、触媒として非立体障害アミンを使用すると、セル(気泡)の合体およびフォーム崩壊によって証明される通り、時間とともに安定ではないポリオールプレミックス物が生成されることを示す。非立体障害アミンを立体障害第三級アミンに置換すると、この不安定性は観察されず、良質のフォームが、新しいポリオールプレミックス物およびエイジングしたポリオールプレミックス物(「B」成分)の両者を使用して生成される。
【0049】
本発明は、好ましい実施形態との関連で特に示し、記載されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変化および変更がなされることがあることは、当業者によって容易に理解されよう。特許請求の範囲は、開示された実施形態、上記で論議されたそれらの代替例、およびそれらの全ての均等物を網羅するために解釈されることが、意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、および立体障害アミン触媒の組合せを含むポリオールプレミックス組成物であって、
当該発泡剤は、ヒドロハロオレフィン、および任意に、炭化水素、フッ化炭素、クロロカーボン、フルオロクロロカーボン、ハロゲン化炭化水素、CO発生材料、またはそれらの組合せを含み、
当該立体障害アミン触媒は、式RN−[A−NRを有し、式中、R、R、R、およびRのそれぞれは独立して、H、CからCのアルキル基、CからCのアルケニル基、CからCのアルコール基、もしくはCからCのエーテル基であるか、または、RおよびRが一緒に、CからCの環状アルキル基、CからCの環状アルケニル基、CからCの複素環アルキル基、もしくはCからCの複素環アルケニル基を形成し;Aは、CからCのアルキル基、CからCのアルケニル基、またはエーテルであり;nは0、1、2、または3であり;ただし、立体障害アミン触媒は、Charton立体パラメーターの合計約1.65以上を有する、
前記ポリオールプレミックス組成物。
【請求項2】
前記ヒドロハロオレフィンが、3から4個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む、少なくとも1種のフルオロアルケンまたはクロロアルケンを含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項3】
前記ヒドロハロオレフィンが、トリフルオロプロペン、テトラフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、クロロテトラフルオロプロペン、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項4】
前記ヒドロハロオレフィンが、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,3,3−テトラフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,1−トリフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、1,1,1,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン、またはそれらの構造異性体、幾何異性体、もしくは立体異性体、または、それらの組合せを含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項5】
前記発泡剤が、水、ギ酸、イソシアネートと反応するときCOを発生する有機酸、炭化水素、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化エーテル、ペンタフルオロブタン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン、トランス−1,2ジクロロエチレン、ギ酸メチル、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジフルオロメタン、ジフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジフルオロエタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項6】
非シリコーン、非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項7】
前記ポリオールが、1種または複数の、スクロース含有ポリオール、フェノール、フェノールホルムアルデヒド含有ポリオール、グルコース含有ポリオール、ソルビトール含有ポリオール、メチルグルコシド含有ポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビニルポリマーとのポリエーテルポリオールのグラフトコポリマー、ポリ尿素とのポリエーテルポリオールのコポリマー、1種または複数の下記(b)と縮合した1種または複数の下記(a):
(a)グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、大豆油、レシチン、トール油、パーム油、ひまし油;
(b)酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレンとの混合物;
またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項8】
前記立体障害アミン触媒が、R、R、およびRのそれぞれが独立して、CからCのアルキル基である立体障害第三級アミン触媒を含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項9】
前記立体障害アミン触媒が、RおよびRが独立して、CからCのアルキル基である立体障害第二級アミン触媒を含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項10】
前記立体障害アミン触媒が、R、R、およびRのそれぞれが独立して、CからCのアルキル基である少なくとも1種の立体障害第三級アミン触媒、ならびに、RおよびRが独立して、CからCのアルキル基である少なくとも1種の立体障害第二級アミン触媒を含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項11】
ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウム、カリウム、ナトリウム、またはそれらの組合せを含む有機金属化合物を含む非アミン触媒をさらに含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項12】
硝酸ビスマス、鉛2−エチルヘキサノエート、安息香酸鉛、塩化鉄(III)、三塩化アンチモン、グリコール酸アンチモン、カルボン酸のスズ(II)塩、カルボン酸の亜鉛塩、カルボン酸のジアルキルスズ塩、グリシン塩、第三級アミン三量化触媒、カルボン酸第四級アンモニウム、アルカリ金属カルボン酸塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、2−エチルへキサン酸カリウム、N−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシネート、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、ジラウリン酸ジブチルスズ、またはそれらの組合せを含む非アミン触媒をさらに含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
【請求項13】
有機ポリイソシアネートと請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物との混合物を含む、発泡性組成物。
【請求項14】
前記有機ポリイソシアネートが、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、またはそれらの組合せを含む、請求項13に記載の発泡性組成物。
【請求項15】
請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物と有機ポリイソシアネートを反応させることを含む、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを調製する方法。

【公表番号】特表2011−500892(P2011−500892A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528957(P2010−528957)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/078721
【国際公開番号】WO2009/048807
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】