説明

ポリウレタンフォームボールの改良された製造

本発明は気泡質弾性ポリウレタンフォームボールの新規な製造方法に関する。生成物であるポリウレタンフォームボールは、重量、直径、バウンド、前方変形および戻り変形を包含するテニスボールに関するITF仕様に適合するテニスボール用の芯として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は、改良された気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールの新規な製造方法、この方法により要求される反応混合物、およびその生成物に関する。本発明の方法は商業的に有利でありそして経済的である。生成物である弾性ポリウレタンフォームボールはテニスボール芯としての使用のための優れた性質、例えば、重量、直径、バウンド(またはリバウンド)、前方変形(または撓み)および戻り変形(または撓み)、を有するサイズに製造することができる。本発明の弾性ポリウレタンフォームボールがテニスボール用の芯として使用される時には、テニスボールはテニスボール認可に関する国際テニス連盟(ITF)により規定された厳しい仕様を満たす。
【0002】
伝統的なテニスボールは今日、フェルト被覆された、普通はゴムもしくはゴム類似物質組成物である弾性物質の加圧された空気袋(bladders)、またはフェルト被覆された、加圧されていないゴムもしくはポリウレタンフォーム芯として製造されている。加圧された芯ボールに気体、普通は空気、が要求される圧力、例えば約0.7kg/cm2、で充填され、そしてプレーおよび貯蔵期間にわたり圧力が抜ける。加圧されない芯ボールはそれらにプレー性を与えるために商業的にめんどうな多段階工程により製造されそして普通は違った感触でプレーされるかまたはITFにより規定された硬さ仕様に適合しない。ITFにより規定された仕様、例えば、重量、直径、バウンド、前方変形および戻り変形、に適合するテニスボールの重要性のために、研究者は多種の方法によりこれらの性質を得るように試みてきた。そのような方法およびそのような方法の成果を含んでなる生成物、例えばテニスボール、は例えばITF認可プレーにおける使用が許可されないかまたはプレーヤーにとって違和感のある感触を有するようなボールを製造する不充分なバウンドを有するボールを製作するというやっかいな欠点または欠陥を有する。
【0003】
加圧されたおよび加圧されない両方のテニスボールをITFにより規定された仕様、例えば、直径、重量、バウンド並びに前方および戻り変形、に適合するようにできる。しかしながら、テニスボールは理想的には長いプレー寿命および長い時間にわたるプレー動作における一貫性も示すものである。加圧されたテニスボールは芯を規定するゴムまたはゴム類似物質の中を透過する気体のために比較的短い寿命を示す。多くの今日の無圧テニスボールは加圧されたボールより長い寿命を示すが、一貫したプレー動作を有するように製造することが困難である。
【0004】
特許文献1は、加圧されないボール、例えば加圧されないテニスボール、に関する。この特許のボールは、複数の実質的に独立したセルを含んでなる充填材を含有するキャビティーを規定する弾性物質の壁を有する。この特許のボールは、予備製造された膨張していない物質を一対の半球形の半分の殻の少なくとも1つの中に挿入し、2つの半分の殻を一緒に結合させてキャビティーを製造し、そして物質を膨張させてキャビティーを実質的に充填する重合体状微球の充填材を形成することにより、製造される。より具体的には、製造方法は弾性物質を異なる化学成分と混合する第一段階を含んでなる。混合物を滑らかなコンシステンシーとなるまで粉砕しそして混合物を予備製造された構造体に製造する押し出しの機の中に供給する。弾性のある予備製造された構造体を次に多数のキャビティーの型の中に入れる。圧力および熱の下で、予備製造された構造体を半球状に形成し、それらのそれぞれがテニスボール芯の半分である。これらの半分の芯端部を滑らかにしそして端部を二重−回転ラック組み立て装置の中で接着剤でコーティングする。純粋なまたはマトリックス−結合された膨張していない微球を含有するペレットを1つの回転ラック上で半分の殻に加える。各々の回転ラックユニットからの、一方がペレットを含有しておりそし
て他方が空である半分の殻を合体する。第二硬化工程段階に入る前に半分の殻が接着剤で一緒に粘着する。この第二硬化が半分の芯を一緒に融合させて無圧の完全なボール芯を製造する。
【0005】
特許文献2は、テニスボール内に予め決められたプレー性質を生ずるために2種もしくはそれ以上の充填材を用いる中空のゴム製のプレーボールに関する。好ましいボールは無圧テニスボールである。開示された具体的な充填材は鉱物タイプの粒状強化充填材、例えばシリカおよびカーボンブラック、重合体状充填材、例えばセルロース、グラフトポリエチレンとセルロースの反応生成物、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体である。これらの充填材を表面処理してエラストマー−充填材の相互作用を強化することもできる。ゴム成分と共に導入できる強化充填材は混和ゴムの弾性を高めるために作用するスキムゴム中の非−ゴム成分である。
【0006】
特許文献3は、天然ゴムおよび/または弾性において天然ゴムと同様な合成ゴムの中空球を含んでなり、ゴムがクロム−なめし皮革粒子を含有しており、そして中空球が周囲雰囲気のものと同じであるかもしくはそれより高い圧力を有する気体を含有するテニスボールに関する。
【0007】
特許文献4は、(i)天然ゴムおよび合成ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種の弾性物質、(ii)架橋結合剤、(iii)エチレン系不飽和カルボン酸の少なくとも1種の単量体塩並びに(iv)発泡剤を含む調合物から誘導される架橋結合された気泡質弾性組成物よりなるテニスボール用の芯の製造方法であって、この方法が(a)弾性物質および塩をそれらに熱を適用せずに充分混合し;(b)段階(a)の混合物を冷却されたミキサーに移しそしてその中で架橋結合剤および発泡剤を分散させ;(c)段階(b)の混合物をダイを通して押し出しそして生じた押し出し物を切断してスラッグとし;(d)各々のスラッグを予備加熱された型の中で成型しそして発泡剤の分解が起きるまで型を予備加熱の温度に保ち;(e)段階(d)の各々の成型品を第二の予備加熱された型に移しそして架橋結合の完了が起きるまで第二の型を予備加熱の温度に保つ段階を包含する方法に関する。
【0008】
特許文献5は、射出成型機の中で例えばエチレン酢酸ビニル共重合体の如き熱可塑性樹脂および発泡剤から、それらに対する熱および圧力の適用により流動可能な均質なかたまりを製造し;このかたまりを32°〜65°F(0〜18.3℃)に冷却された型の球形キャビティーの中に射出してかたまりを発泡させそして型のキャビティーを充填し;型のキャビティー内のかたまりをかたまりの外表面上に非多孔性表皮を製造するのに充分な時間にわたり保ち、その表皮は型のキャビティーからのかたまりの除去時にかたまり内に含有された発泡剤による表皮の破壊を防止するのに充分な強さがあり;かたまりを型から除去し;そしてかたまりを32°〜65°F(0〜18.3℃)の外部温度に冷却して型のキャビティーと実質的に同じ寸法を有するゲームボールを製造することを含んでなるベースボールまたはソフトボール芯の製造方法に関する。
【0009】
特許文献6は、従来のベースボールの外観、物理的特性および寸法を有する複合ベースボールであって、複合ベースボールが柔軟性であり且つ弾性のある成型されたポリウレタンフォームから製造された球形芯、および、芯部品の上にそしてそれを取り囲んでいる縫合された皮革を含んでなるカバー部分を含んでなり、ここで芯部品が従来のベースボールと本質的に同じリバウンド性質、硬度、寸法、感触および音の複合ボールを与えるような密度および弾性を有するポリウレタンフォームから製造される複合ベースボールに関する。
【0010】
特許文献7は、ITF仕様に適合するボールと比較してより遅い速度およびより低いバ
ウンドを有する加圧されないテニスボールの製造に関する。この特許文献により教示されるテニスボールのバウンド(またはリバウンド)は水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時に110〜120cmである。このテニスボールの芯はポリウレタンまたはエチレン酢酸ビニルフォームのいずれかの合成樹脂を含んでなる。芯は球形ボールを製造するためのめんどうな多段階工程で製造される。フェルトを次に球形ボールの上に貼り付けて初心者による練習ボールなどのような用途のための減じられた速度およびバウンドを有するテニスボールを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,106,419号明細書
【特許文献2】米国特許第5,558,325号明細書
【特許文献3】米国特許第4,249,730号明細書
【特許文献4】米国特許第4,318,875号明細書
【特許文献5】米国特許第4,144,297号明細書
【特許文献6】米国特許第3,976,295号明細書
【特許文献7】韓国特許第2001−0002975号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の特許文献の技術および生成物は、それらが気泡質弾性ポリウレタンフォーム球形ボールを教示または示唆していないか或いはそれらがそのようなボールを示唆する場合にはそれは商業的に困難であるかもしくは複雑な工程により製造されるかまたはそれが厳しいITF仕様を満たすテニスボール用の芯を与えないという点で、限定される。これらの参考文献のいずれも、テニスボール用の芯として使用する時に、例えば重量、直径、バウンド、前方変形および戻り変形を包含するITF仕様をテニスボールが満たすことを可能にする気泡質弾性ポリウレタンフォーム球形ボールの簡単で最少段階の製造方法を教示または示唆していない。テニスボールに関するITF仕様は56.70〜58.47グラムの重量;65.4〜68.6mmの直径;水平で平らのコンクリート上に254cmから落下させた時の135〜147cmのバウンド(またはリバウンド);8.17kg荷重下の5.59〜7.37mmの前方変形(または撓み);およびボールが25.4mm圧縮された後の回復時の8.17kg荷重における8.89〜10.8mmの戻り変形(または撓み)を包含する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、テニスボールに関するITF仕様の条件内にある性質を有するテニスボールを所要により提供する気泡質弾性ポリウレタンフォームボール芯を生ずる。さらに、本発明により製造される気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを含んでなる芯を利用するテニスボールは、それらがプレーまたは貯蔵により圧力が抜けないため、長期間にわたりプレー可能である。
【0014】
発明の要旨
従って、ITF仕様を満たしそして長期間のプレーおよび貯蔵時間にわたり持続するテニスボール内の芯として所望により使用できる気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールを提供することが望ましい。
【0015】
従って、本発明の重要な態様は優れた性質、例えば、重量、直径、バウンド、前方変形および戻り変形、を有する改良された気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールを製造するための商業的に有利な方法を提供する。
【0016】
より具体的には、本発明の重要な態様は、テニスボール用の芯として使用される時に厳しいITF仕様を満たすテニスボールを提供する優れた性質、例えば、重量、直径、バウンド、前方変形および戻り変形、を有する改良された気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールを製造するための商業的に有利な方法を提供する。
【0017】
その上さらに、本発明の重要な態様は厳しいITF仕様を満たし、非常に長い期間にわたりそのプレー性質を維持し、そして高度、温度または湿度に関係なくいずれの場所においても一様に作動するテニスボールである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な記述
以上のことを鑑みての熱心な研究の結果として、我々は新規な商業的に有利な方法により均一な断面構造を有する改良されたポリウレタンフォームの実質的に球形のボールを製造しうることを我々は発見した。本発明の生成物であるポリウレタンフォームボールは水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約180cmのバウンド(またはリバウンド)および8.17kg荷重下の約5〜約11mmの前方変形(または撓み)により示される高い独立対開放セル比を有する。本発明の生成物であるポリウレタンフォームボールがテニスボール芯として使用される場合には、それは約41〜約45グラムの重量;約59〜約62mmの直径;水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約170cmのバウンド(またはリバウンド);8.17kg荷重下の約6〜約8mmの前方変形(または撓み);およびボールが25.4mm圧縮された後の回復時の8.17kg荷重における約9〜約11mmの戻り変形(または撓み)を有するであろう。本発明の生成物であるポリウレタンフォームボールを芯として使用するテニスボールは56.70〜58.47グラムの重量;65.4〜68.6mmの直径;水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の135〜147cmのバウンド(またはリバウンド);8.17kg荷重下の5.59〜7.37mmの前方変形(または撓み);およびボールが25.4mm圧縮された後の回復時の8.17kg荷重における8.89〜10.8mmの戻り変形(または撓み)を包含するテニスボールに関するITF仕様に適合する。
【0019】
気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを製造するための本発明の方法は(1)第一組成物および第二組成物を含んでなる反応混合物を球形型の内部で形成し、(2)型の内部の反応混合物を約60〜約80℃の温度を包含する反応条件に気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型の内部で形成するために充分な時間にわたり保ち、(3)形成された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型から除去し、そして(4)形成された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを約60〜約80℃の温度において約60分間〜約12時間の時間にわたり硬化することを含んでなり、結果物であるフォームボールは水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約180cmのバウンド(またはリバウンド)および8.17kg荷重下の約5〜約11mmの前方変形(または撓み)を有する。
【0020】
反応混合物の第一組成物は少なくとも1種の以下で記述されるイソシアネート化合物またはその改変形態を含んでなる。反応混合物の第二組成物は第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する少なくとも1種の以下で記述される化合物(反応性官能基を含有する化合物はここではポリオールと称することができる);以下で記述される連鎖延長剤;第三級アミン、および、場合により、金属錯体の金属が錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、水銀、鉄およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される金属錯体を含んでなる少なくとも1種の以下で記述される触媒または触媒混合物;場合により少なくとも1種の以下で記述される非イオン性界面活性剤;並びに少なくとも1種の以下で記述される発泡剤を含んでなる。
【0021】
ここで使用される際には、用語「重合体」は重合反応の生成物をさし、そしてホモ重合体、共重合体、三元重合体などを包括する。
【0022】
ここで使用される際には、断らない限り、用語「共重合体」は少なくとも2種の異なる単量体の重合により製造された重合体をさす。例えば、用語「共重合体」はエチレンおよびアルファ−オレフィン(α−オレフィン)、例えばプロピレンおよび1−ヘキサン、またはアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、並びにテトラヒドロフランの共重合反応生成物を包含する。しかしながら、用語「共重合体」は、例えば、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン、および1−オクテンの混合物、または種々のアルキレングリコール類の混合物並びにテトラヒドロフランの共重合も包括する。
【0023】
ここで使用される際には、重量百分率(「重量%」)は、断らない限り、成分を含有する混合物または組成物の合計重量を基準とした特定成分の百分率を意味する。例えば、混合物または組成物が3グラムの化合物Aおよび1グラムの化合物Bを含有する場合には、化合物Aは混合物または組成物の75重量%を構成しそして化合物Bは25重量%を構成する。この理論はモル百分率(「モル%」)にも適用される。
【0024】
第一組成物
本発明の方法における使用のための反応混合物の第一組成物は、1種もしくはそれ以上のイソシアネート化合物またはそれらの改変形態、例えば、非限定例として、メチレンジフェニレンジイソシアネート;メチレンジフェニレンジイソシアネートの改変形態;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネート;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネートの改変形態;トルエンジイソシアネート;並びにトルエンジイソシアネートの三量体、を含んでなる。第一組成物中での使用のためのイソシアネートの改変形態は、非限定例として、イソシアネートと第二組成物中で使用されるようなポリオールの反応生成物または混合物を包含する。1つのそのような例はヘキサメチレンジイソシアネート三量体とポリオールプレポリマーの混合物である。これらのイソシアネート化合物またはそれらの改変形態は、反応混合物の第一組成物用に、個別にまたは組み合わせて使用することができる。これらのイソシアネート化合物は約55℃より高い温度において液体でありそして他の反応混合物の物質と組み合わされて望み通りの量の架橋結合およびハードセグメントを作成する。第一組成物中での使用のための上記のイソシアネート化合物は、例えば、バイエル(Bayer)、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)およびローディア(Rhodia)から市販されている。
【0025】
第二組成物
本発明の方法における使用のための反応混合物の第二組成物は第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する少なくとも1種の化合物(ポリオール);連鎖延長剤;第三級アミンを含んでなる少なくとも1種の触媒または触媒混合物、および、場合により、金属錯体の金属が錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、水銀、鉄およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される金属錯体;場合により少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;並びに発泡剤を含んでなる。
【0026】
第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する化合物、すなわちポリオール、はポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);エチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体、すなわち(ポリテトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコール;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;またはそれらの組み合わせでありうる。
PTMEG並びにエチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体は、例えば、インビスタ(INVISTA)から市販されている。ポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールは、例えば、バイエルから市販されている。
【0027】
第二組成物中の使用のための連鎖延長剤は芳香族ジアミン、例えば、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;例えば、アルベマール(Albemarle)から市販されているジエチルトルエンジアミン(DETDA);またはそれらの組み合わせでありうる。そのような連鎖延長剤の組み合わせの例はアルベマールから市販されている3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの80/20混合物(Ethacure−300)である。水もこの第二組成物中の連鎖延長剤として作用しうる。
【0028】
第二組成物中の使用のための触媒または触媒混合物は第三級アミンおよび、場合により、金属錯体を含んでなる。金属錯体の金属は錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、水銀、鉄およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される。この使用のための第三級アミンの非限定例はエア・プロダクツ(Air Products)から市販されている1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO(R) SA1/10およびDABCO crystal)である。この使用のための金属錯体の非限定例はエア・プロダクツから市販されているジブチル錫ジラウレート(DBTDL);エア・プロダクツから市販されている錫オクトエート;ジョンソン・マッテイ(Johnson Matthey)から市販されているチタンタイプ触媒(Vertec(R) VEXP 0544);およびザ・シェファード・ケミカル・カンパニー(The Shepherd
Chemical Company)から市販されているビスマスタイプ触媒BiCAT(R)、例えばBiCAT−V、である。触媒または触媒混合物は水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約180cmバウンド(またはリバウンド)および8.17kg荷重下の約5〜約11mmの前方変形(または撓み)により生成物フォームボール中で指示される高い独立対開放セル比を有する正確なフォーム構造を得るための本発明の方法の段階(2)における直接反応に指定される。触媒または触媒混合物はさらに所望する反応速度、貯蔵寿命、クリーム時間および硬化時間を与えるように指定される。以下でさらに完全に記述される反応条件において第一組成物および第二組成物を含んでなる反応混合物の中でこれを行うために、触媒または触媒混合物は、反応混合物の約0.05〜約0.50重量%の第三級アミンおよび約0〜約0.50重量%の金属錯体を提供しなければならない。
【0029】
反応混合物の第二組成物中の使用のための場合により使用される非イオン性界面活性剤は狭く厳密なものでなくそして第一および第二組成物成分の間で界面張力を減ずるいずれかの適当な化合物でありうる。ここでの使用に適する非イオン性界面活性剤は、非限定例として、ポリジアルキルシロキサン;ポリジアルキルシロキサンの共重合体;ポリアルキレンオキシド;ポリアルキレンオキシドの共重合体;およびそれらの組み合わせよりなる群から選択することができ、該アルキルは1〜約4個の炭素原子を含んでなりそして該アルキレンは2〜約4個の炭素原子を含んでなる。
【0030】
反応混合物の第二組成物中の使用のための発泡剤は、非限定例として、水、ペンタン、炭酸またはそれらの組み合わせでありうる。水が本発明のための好ましい発泡剤である。
【0031】
本発明の生成物である気泡質弾性ポリウレタンフォームボールの性質は、型内の反応混合物の成分および本発明の工程段階(2)中のそれらの間の比により決められる。例えば、(等しい重量および密度における)リバウンドおよび硬度は反応混合物中の成分の組み合わせ、例えばポリオール、例えばPTMEG、の量、により調節される。第一組成物の
イソシアネートまたはイソシアネート混合物のタイプが弾性に関して重要である。延長剤のタイプがフォーム硬度の一部としての樹脂硬度を決めそして異なるタイプの触媒の組み合わせがフォームのセル構造、すなわち独立および開放セル含有量、および独立セル含有量により引き起こされるフォームの硬度影響(独立セルが多ければ多いほどフォームは硬くなる)、を決める。従って、型内に置かれた合計反応混合物中の第一組成物対第二組成物の重量比は約18/82〜約24/76、好ましくは約20/80〜約22/78、の狭い範囲内であろう。反応混合物の第二組成物が重要でありそして重量%による以下の成分:約70〜約82%、好ましくは約74〜約77%、のポリオール;約0〜約6.0%、好ましくは約2.0〜約3.0%、の連鎖延長剤;約0.1〜約1.0%、好ましくは約0.2〜約0.4%、の触媒または触媒混合物;約0〜約1.0%、好ましくは約0.2〜約0.3%、の非イオン性界面活性剤;および約0.2〜約0.4%、好ましくは約0.27〜約0.31%、の連鎖延長剤および/または発泡剤として作用しうる水、を有する反応混合物を与えるであろう。
【0032】
球形型
本発明の方法における使用のための型は気泡質弾性ポリウレタンフォームテニスボール芯を提供する所望するサイズのボールを製造するために適当な寸法、例えば、非限定例として、約60mm〜約62mm、例えば約61mm、の内径を有する型、にされ、そして例えば鋼、例えばステンレス鋼、またはアルミニウムから構成できる。型は球形の形状であり、中空でありそして2つの半球部分から製造されるであろう。型は化学反応中に内部で生成するいずれかの気体を逃がすための手段、例えば直径が約1(+/−)0.1mmより大きくない型の頂部にある小さい排気孔、を含有するであろう。排気孔はフォームが型内で膨張することを可能にして、過剰の気体を孔を通して放出する。フォームが孔に入るや否や、それは詰まってボール性質、例えば重量、がその瞬間に固定される。ボールは型から工程段階(3)において、単に型を開きそして製造されたフォームボールを除去することにより、除去される。型内に孔をフォーム充填することにより生ずるボール上のいずれかの小さい片は、例えば切断により、除去できる。
【0033】
反応および硬化条件
本発明の工程段階(2)に関して要求される反応条件は、約60〜約80℃の温度;およびこれらの条件下で型の内部でフォームを損傷せずに型からのボールの除去を可能にするのに充分な強さの気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを製造するのに充分な時間、普通は約5〜約20分間、を包含する。型からのフォームの除去後に、それを工程段階(4)においてオーブン中で約60〜約80℃において約60分間〜約12時間にわたり大気圧において追加硬化にかける。
【0034】
テニスボール
本発明により製造される気泡質弾性ポリウレタンフォーム球形ボールからITFにより要求される仕様を満たすテニスボールへの転化は、以下の段階の1つもしくはそれ以上を含む。型から除去されそして追加硬化されたボールを例えば磨滅および/または洗浄により処理してその後の段階におけるまたはテニスボールの使用時の、フェルト被覆付着における問題を防ぐことができる。結果物であるボールを次に適切なフェルトでいずれかの適当な方法により被覆する。1つのそのような方法では、ボール芯用の被覆材はフェルトから切断される。フェルトのロールおよび/またはフォームボール芯の裏を、被覆材片をそこから切断する前にまたは後に、調節された量の接着剤でコーティングする。被覆材片を、テニスボールの継ぎ目を規定する接着剤で端部コーティングすることができる。被覆操作から、硬化工程を受けるためにテニスボールをプレスに移動する。この硬化工程中の約50〜約100℃の熱の適用が被覆材および芯の間のしっかりした結合を確実にする。この硬化プレスから除去されたら、ボールを所望するなら次に、例えば、蒸気でふわふわにしてフェルトをけば立たせ、そして乾燥して完成テニスボールを製造することができる。
【0035】
このテニスボール製造段階用に使用される接着剤は気泡質弾性ポリウレタンフォーム芯およびフェルトの間に良好な接着を与えるいずれかの適当な接着剤でありそして、例えば、両者ともサバ・ディンクスペルロ・BV(SABA Dinxperlo BV)から市販されている約200mPas(ミリパスカル)の粘度を有するAquabond(R) 3610および約7000mPasの粘度を有するAquatherm(R) 3608、またはポリウレタン溶液、或いはそれらの組み合わせでありうる。
【0036】
本発明の新規な気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールは、所望するなら、工程段階(2)の反応混合物に加えられる有効量の安定剤、例えば、酸化を防止するためのもの、をさらに含んでなりうる。多くのそのような安定剤は当該技術で既知であり、それらのいずれもここに開示された適合化された生成物と共に使用できる。本発明での使用に利用可能な安定剤の中にはBHTおよびIrganox(R)がある。
【0037】
本発明の新規な気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールは、所望するなら、工程段階(2)の反応混合物に加えられる有効量の着色された顔料をさらに含んでなりうる。本発明の生成物およびそれを含んでなる混合物と共に使用するための多くの着色された顔料は当該技術で既知であり、それらのいずれも使用できる。本発明での使用に利用可能な顔料の中にはカーボンブラック、フタロシアニンブルー類、フタロシアニングリーン類、アントラキノン染料、スカーレット2bレーク、アゾ化合物、酸アゾ顔料、キナクリドン類、クロモフタロシアニンピロール類、ハロゲン化されたフタロシアニン類、キノリン類、複素環式染料、ペリノン染料、アントラセンジオン染料、チオザンテン染料、パラゾロン染料、ポリメチン顔料およびそれらの組み合わせがある。
【0038】
本発明の新規な気泡質弾性ポリウレタンフォームの実質的に球形のボールは、所望するなら、特定の望まれる特性を有する組成物を与えるために、工程段階(2)の反応混合物に加えられる他のまたは追加の添加剤、充填材または化合物と組み合わせることもできる。多くのそのような添加剤、充填材および化合物は当該技術で既知である。適当な添加剤、充填材または化合物の使用は当該技術の専門家に既知である。そのような他のまたは追加の添加剤または化合物の例は紫外線安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、静電防止剤、殺菌剤、香料、粘度−減少剤、衝撃改変剤、可塑剤、充填材、強化剤、潤滑剤、離型剤、発泡剤、核生成剤などを包含する。
【実施例】
【0039】
ここに記載されそして特許請求された発明は本発明の特許請求の範囲を制限する意図のない以下の実施例の参照によりさらに完全に理解されるであろう。これらの実施例では、部数は重量による。また、これらの実施例では、変形(または撓み)試験は以下の通りにして行われた:
撓み測定前に、生成物であるボールを3つの直交軸(x、yおよびz)のそれぞれに対して25.4mm(1インチ)撓みまで圧縮することによりボールを予備調整した。全てのその後の撓みも3つの直交軸に沿って測定した。休止からのボールの撓み(前方変形または前方撓み)を測定するための第一の試験では、テニスボールを1.36kg(3ポンド)の荷重が得られるまで50.8mm/分(2インチ/分)の速度で圧縮し、次に荷重を9.53kg(21ポンド)に高めて8.17kg(18ポンド)の正味荷重を与えそして生じた撓みを1.36kg荷重における撓みから測定した。第二の試験では、予備圧縮後のボールの撓みを測定した。最初に、指定条件を保ちながら、テニスボールを撓みが25.4mm(1インチ)であるような力で圧縮した。次に荷重を9.53kg(21ポンド)に減らしそして撓みを測定した。次に荷重を1.36kg(3ポンド)に減らしそして撓みを再び測定した。逆撓みは9.53kg荷重におけるボールの変位および1.36kg荷重における変位における差異であった。それ故、1.36kg荷重における変位
がほとんどの示差変位測定用の出発点または最終点として使用された。ここで生ずる平均撓みはボールが回復中であるより大きい25.4mm(1インチ)の予備圧縮のためにより大きくなる。これが戻り撓みと称される。
【実施例1】
【0040】
54.5部のメチレンジフェニレンジイソシアネートおよび45.5部のヘキサメチレンジイソシアネート三量体混合物の第一組成物14.9部、並びに約96.0部のポリテトラメチレンエーテルグリコール、約3.1部の3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの80/20混合物(Ethacure(R) 300)、約0.2部の0.1重量%の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび0.1重量%のジラウリン酸ジブチル錫(DBTDL)の触媒混合物、約0.34部のポリジアルキルシロキサン、および0.36部の水を個別に含んでなる第二組成物55部を含んでなる反応混合物を、61mm内径および1個の1mm排気孔を内部に有する以上で記載された70.5℃に予備加熱された球形型の中に入れた。
【0041】
約1分後に、型内の孔は詰まりそして気体はもはや逃げなかった。
【0042】
型内での約15分間の反応時間後に、型を開きそして製造された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールをそこから除去した。製造されたボールを次にオーブンに移しそして約70℃に8時間にわたり保った。
【0043】
反応中に型内で排気孔をフォーム充填することにより生じたボール上の小片を切断により除去した。
【0044】
この実施例のボールは、59mmの直径;水平水準のコンクリート上に254cmから落下させた時の152cmのバウンド(またはリバウンド);8.17kg荷重下の7.9mmの前方変形(または撓み):およびボールが25.4mm圧縮された後の回復時の8.17kg荷重における9.0mmの戻り変形(または撓み)を示す高い独立対開放のセルフォーム構造であった。
【実施例2】
【0045】
実施例1の製造された気泡質弾性ポリウレタンフォームボール上に標準的テニスボールフェルトを接着させることによりテニスボールを上記のフォームボールから製造した。使用した接着剤は約200mPasの粘度を有するAquabond 3610であった。テニスボールを次に約75℃において硬化プレスの中で約1時間にわたり硬化工程にかけた。
【実施例3】
【0046】
実施例2のテニスボールを重量、直径、バウンドおよびリバウンド仕様に関して試験した。
【0047】
試験の結果は以下の通りであった:
重量は58グラムであり、直径は66mmであり、水平水準のコンクリート上に254cmから落下させた時のバウンドは142cmであり、前方変形(または撓み)は8.17kg荷重下で7.2mmであり、そして戻り変形(または撓み)はボールが25.4mm圧縮された後の回復時に8.17kg荷重において8.9mmであった。
【0048】
ここに引用された全ての特許、特許出願、試験工程、先行文献、論文、刊行物、マニュアル、および他の文書は、そのような開示が本発明と矛盾しない程度までそしてそのよう
な導入が許される全ての権限範囲に関して、引用することにより完全に本発明の内容となる。
【0049】
数値的な下限および数値的な上限がここに挙げられる時には、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。
【0050】
本発明の説明用の態様が特に記述されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱しない種々の他の改変は当業者にとって明らかでありそして彼らにより容易に行われうることは理解されるであろう。従って、ここの特許請求の範囲はここに示された実施例および記述に限定されないことが意図され、むしろ請求項は本発明が関係する当業者によってその同等物として処理されるであろう全ての特徴を包含する本発明に存在する特許可能な新規性の全ての特徴を包含するとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)第一組成物および第二組成物を含んでなる反応混合物を球形型の内部で形成し、(2)型の内部の反応混合物を約60〜約80℃の温度を包含する反応条件において気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型の内部で形成するために充分な時間にわたり保ち、(3)形成された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型から除去し、そして(4)形成された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを約60〜約80℃の温度において約60分間〜約12時間の時間にわたり硬化することを含んでなる気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを製造する方法であって、結果物であるフォームボールが水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約180cmのバウンド(またはリバウンド)および8.17kg荷重下の約5〜約11mmの前方変形(または撓み)を有し、反応混合物の該第一組成物が少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態を含んでなり、そして反応混合物の該第二組成物が第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する少なくとも1種の化合物;連鎖延長剤;第三級アミン、および、場合により、金属錯体の金属が錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、水銀、鉄およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される金属錯体を含んでなる少なくとも1種の触媒または触媒混合物;場合により少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;並びに少なくとも1種の発泡剤を含んでなる、製造方法。
【請求項2】
第一組成物のイソシアネート化合物またはその改変形態がメチレンジフェニレンジイソシアネート;メチレンジフェニレンジイソシアネートの改変形態;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネート;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネートの改変形態;トルエンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートの三量体;並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項3】
第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する第二組成物の化合物が、ポリテトラメチレンエーテルグリコール;エチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項4】
第二組成物の連鎖延長剤が水、芳香族ジアミンおよびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項5】
第二組成物の連鎖延長剤が3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;ジエチルトルエンジアミン;およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される芳香族ジアミンを含んでなる請求項4の方法。
【請求項6】
第二組成物の連鎖延長剤が3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの混合物である請求項5の方法。
【請求項7】
反応混合物が、第二組成物の触媒または触媒混合物により供給される約0.05〜約0.50重量%の第三級アミンおよび約0〜約0.50重量%の金属錯体を含んでなる請求項1の方法。
【請求項8】
第三級アミンが1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを含んでなり、そして金属錯体がジブチル錫ジラウレート;錫オクトエート;チタン錯体;およびビスマス錯体よりなる群から選択される請求項7の方法。
【請求項9】
第二組成物の非イオン性界面活性剤がポリジアルキルシロキサン;ポリジアルキルシロキサンの共重合体;ポリアルキレンオキシド;ポリアルキレンオキシドの共重合体;およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項10】
第二組成物の発泡剤が水、ペンタン、炭酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項11】
段階(2)の反応条件が約5〜約20分間の時間を包含する請求項1の方法。
【請求項12】
反応混合物中の第一組成物対第二組成物の重量比が約18/82〜約24/76である請求項1の方法。
【請求項13】
反応混合物が約70〜約82重量%の、第一組成物のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する化合物;約0〜約6.0重量%の連鎖延長剤;約0.1〜約1.0重量%の触媒または触媒混合物;約0〜約1.0重量%の非イオン性界面活性剤;および約0.2〜約0.4重量%の水を含んでなる請求項1の方法。
【請求項14】
(1)第一組成物および第二組成物を含んでなる反応混合物を球形型の内部で形成し、(2)型の内部の反応混合物を約60〜約80℃の温度を包含する反応条件において気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型の内部で形成するために充分な時間にわたり保ち、(3)形成された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型から除去し、そして(4)形成された気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを約60〜約80℃の温度において約60分間〜約12時間の時間にわたり硬化することを含んでなる方法であって、結果物であるフォームボールが水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約180cmのバウンド(またはリバウンド)および8.17kg荷重下の約5〜約11mmの前方変形(または撓み)を有し、反応混合物の該第一組成物が少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態を含んでなり、そして反応混合物の該第二組成物が第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する少なくとも1種の化合物;連鎖延長剤;第三級アミン、および、場合により、金属錯体の金属が錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、水銀、鉄およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される金属錯体を含んでなる少なくとも1種の触媒または触媒混合物;場合により少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;並びに少なくとも1種の発泡剤を含んでなる方法により製造される、気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項15】
約41〜約45グラムの重量;約59〜約62mmの直径;水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約170cmのバウンド(またはリバウンド);8.17kg荷重下の約6〜約8mmの前方変形(または撓み):およびボールが25.4mm圧縮された後の回復時の8.17kg荷重における約9〜約11mmの戻り変形(または撓み)を有する請求項14の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項16】
第一組成物のイソシアネート化合物またはその改変形態がメチレンジフェニレンジイソシアネート;メチレンジフェニレンジイソシアネートの改変形態;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネート;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネートの改変形態;トルエンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートの三量体;並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項14の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項17】
第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性であ
る官能基を含有する第二組成物の化合物がポリテトラメチレンエーテルグリコール;エチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項14の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項18】
第二組成物の連鎖延長剤が水、芳香族ジアミンおよびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項14の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項19】
第二組成物の連鎖延長剤が3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;ジエチルトルエンジアミン;およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される芳香族ジアミンを含んでなる請求項18の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項20】
第二組成物の連鎖延長剤が3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの混合物である請求項19の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項21】
反応混合物が、第二組成物の触媒または触媒混合物により供給される約0.05〜約0.50重量%の第三級アミンおよび約0〜約0.50重量%の金属錯体を含んでなり、金属錯体がジブチル錫ジラウレート;錫オクトエート;チタン錯体;およびビスマス錯体よりなる群から選択される請求項14の気泡質弾性ポリウレタンフォームボール。
【請求項22】
芯としての請求項15の気泡質弾性ポリウレタンフォームボールおよび被覆材としてのフェルトを含んでなるテニスボールであって、該テニスボールが56.70〜58.47グラムの重量;65.4〜68.6mmの直径;水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の135〜147cmのバウンド(またはリバウンド);8.17kg荷重下の5.59〜7.37mmの前方変形(または撓み);およびボールが25.4mm圧縮された後の回復時の8.17kg荷重における8.89〜10.8mmの戻り変形(または撓み)を有する、テニスボール。
【請求項23】
気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを球形型内で製造するのに適する反応混合物であって、ここで、ボールのフォーム構造が水平で平らなコンクリート上に254cmから落下させた時の約150〜約180cmのバウンド(またはリバウンド)および8.17kg荷重下の約5〜約11mmの前方変形(または撓み)を有し、反応条件が約60〜約80℃の温度における該気泡質弾性ポリウレタンフォームボールを型内で形成するのに充分な時間を包含し、該反応混合物は、第一組成物および第二組成物を含んでなり、反応混合物の該第一組成物が少なくとも1種ノイソシアネート化合物またはその改変形態を含んでなり、そして反応混合物の該第二組成物が第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する少なくとも1種の化合物;連鎖延長剤;第三級アミン、および、場合により、金属錯体の金属が錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、水銀、鉄およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される金属錯体を含んでなる少なくとも1種の触媒または触媒混合物;場合により少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;並びに少なくとも1種の発泡剤を含んでなる、反応混合物。
【請求項24】
第一組成物のイソシアネート化合物またはその改変形態がメチレンジフェニレンジイソシアネート;メチレンジフェニレンジイソシアネートの改変形態;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネート;ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、三量体およびアロファネートの改変形態;トルエンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートの三量体;並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項23の反応混合物。
【請求項25】
第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する第二組成物の化合物が、ポリテトラメチレンエーテルグリコール;エチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項23の反応混合物。
【請求項26】
第二組成物の連鎖延長剤が水、芳香族ジアミンおよびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項23の反応混合物。
【請求項27】
第二組成物の連鎖延長剤が3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;ジエチルトルエンジアミン;およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される芳香族ジアミンを含んでなる請求項26の反応混合物。
【請求項28】
第二組成物の連鎖延長剤が3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの混合物である請求項27の反応混合物。
【請求項29】
第二組成物の触媒または触媒混合物により供給される約0.05〜約0.50重量%の第三級アミンおよび約0〜約0.50重量%の金属錯体を含んでなる請求項23の反応混合物。
【請求項30】
第三級アミンが1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを含んでなり、そして金属錯体がジブチル錫ジラウレート;錫オクトエート;チタン錯体;およびビスマス錯体よりなる群から選択される請求項29の反応混合物。
【請求項31】
第二組成物の非イオン性界面活性剤がポリジアルキルシロキサン;ポリジアルキルシロキサンの共重合体;ポリアルキレンオキシド;ポリアルキレンオキシドの共重合体;およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項23の反応混合物。
【請求項32】
第二組成物の発泡剤が水、ペンタン、炭酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項23の反応混合物。
【請求項33】
第一組成物の少なくとも1種のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する第二組成物の化合物が、エチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体である請求項23の反応混合物。
【請求項34】
エチレンオキシドおよびテトラヒドロフランのアルキレンオキシド共重合体がポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールである請求項33の反応混合物。
【請求項35】
反応混合物中の第一組成物対第二組成物の重量比が約18/82〜約24/76である請求項23の反応混合物。
【請求項36】
約70〜約82重量%の、第一組成物のイソシアネート化合物またはその改変形態と反応性である官能基を含有する化合物;約0〜約6.0重量%の連鎖延長剤;約0.1〜約1.0重量%の触媒または触媒混合物;約0〜約1.0重量%の非イオン性界面活性剤;および約0.2〜約0.4重量%の水を含んでなる請求項23の反応混合物。

【公表番号】特表2010−539249(P2010−539249A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517506(P2010−517506)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002183
【国際公開番号】WO2009/013617
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】