説明

ポリウレタン分散物及びこのポリウレタン分散物から製造されるコーティング

本発明は、良好な耐溶媒特性をも有する硬質コーティングを形成する、脂肪族イソシアナートに基づくポリウレタン分散物を開示する。コーティングの強化された特性が、1重量パーセント〜8重量パーセントの高官能性ポリオールを、分散物を製造するためのポリオール配合物に含むことによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲温度でフィルムを形成し、コーティングに大きい硬度及び良好な耐溶媒特性を提供する溶媒非含有のポリウレタン分散物及びポリウレタン組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
硬表面及び軟表面のためのコーティングは表面の保護のために重要であり、また、天然の表面(例えば、木材など)に対する審美的魅力を増すことができる。揮発性有機化合物(volatile organic compounds)(VOC)の放出に関する関心は、法律がVOCに関してより厳しい制定されることと一緒になって、被覆適用のための水系システムの使用に対する注目を増大させている。水系システムは、溶媒系システムよりも使用が容易であるので、さらなる利点を提供する。
【0003】
ポリウレタン分散物(polyurethane dispersions)(PUD)が、広範囲の商業的用途のために、例えば、布地類、プラスチック、ガラス繊維及び金属のためのコーティングなどのために使用され得る。ポリウレタン−ウレア分散物の製造が、米国特許第4,237,264号(特許文献1)、同第4,408,008号(特許文献2)、同第5,569,706号(特許文献3)、米国特許出願公開第2004204559号(特許文献4)、同第2005004367号(特許文献5)、英国特許出願公開第2386898号(特許文献6)及び国際公開第2005023947号(特許文献7)において例示されるように公知である。
【0004】
芳香族イソシアナートがコーティングの形成において使用されるとき、そのようなコーティングは、日光又はUV線にさらされるとき、時間とともに黄色化する傾向がある。黄色化しない改善された特性を有するコーティングを与えるために、脂肪族イソシアナートが使用される。黄色化しない改善された特性を与える一方で、脂肪族イソシアナートに基づくコーティングは、芳香族イソシアナートに基づくポリウレタンコーティングと比較した場合、低下した硬度及び低下した耐溶媒性を一般に有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,237,264号
【特許文献2】米国特許第4,408,008号
【特許文献3】米国特許第5,569,706号
【特許文献4】米国特許出願公開第2004204559号
【特許文献5】米国特許出願公開第2005004367号
【特許文献6】英国特許出願公開第2386898号
【特許文献7】国際公開第2005023947号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
凝集性(coalescing)溶媒を必要とすることなく、周囲温度でフィルムを形成することができる、脂肪族イソシアナートに基づく表面コーティングのための水性PUDを提供することが、本発明の目的である。表面に適用されたとき、硬い耐溶媒性コーティングを与える、脂肪族イソシアナートに基づくPUDを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様において、本発明は、分散物におけるポリウレタン固体が、適用後1日又は7日で測定されたとき、90Persoz秒と同じ又はそれ以上の硬度をもたらす、フィルムを周囲温度で形成する溶媒非含有水性ポリウレタン分散物(solvent free-aqueous polyurethane dispersion)である。
【0008】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリウレタン固体及び5重量パーセント未満の非水性有機溶媒含有量(non-aqueous, organic solvent content of less than 5 weight percent)を含有し、ポリウレタン固体が、
a)下記を含有するポリオール、
ai)150〜600の平均当量重量(mean average equivalent weight)及び1.5〜2.9の名目平均官能性を有する、92wt%〜99wt%のポリオール又はポリオール類ブレンド、及び
aii)4〜8の名目官能性及び100〜170の当量重量を有する、1wt%〜8wt%の少なくとも1つのポリオール、
b)少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアナート、
c)任意選択で(optionally)さらなる安定剤、ならびに
d)任意選択で鎖延長剤
を反応させることによって調製されるポリウレタンプレポリマーから得られ、
プレポリマーが2wt%〜20wt%のイソシアナート(NCO)含有量を有する水性ポリウレタン分散物である。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、上記のPUDから調製されるコーティング(coating)である。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、
a)下記を含有するポリオール、
ai)150〜600の平均当量重量及び1.5〜2.9の名目平均官能性を有する、92wt%〜99wt%のポリオール又はポリオール類ブレンド、及び
aii)4〜8の名目官能性及び100〜170の当量重量を有する、1wt%〜8wt%の少なくとも1つのポリオール、ならびに
b)少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアナート、
とを含み、
フリーイソシアナート含有量が2wt%〜20wt%である、イソシアナート末端プレポリマーである。
【0011】
予想外ではあったが、高官能性ポリオール(high functional polyol)を脂肪族イソシアナートとともに配合物に含むことにより、一般には芳香族イソシアナートの使用に関連するように、水におけるアセトン及びイソプロパノールに対する抵抗性によって測定されたとき、大きい硬度及び良好な耐溶媒特性を有するフィルムがもたらされることが見出された。本発明は、芳香族イソシアナートを含有するコーティングに付随する黄色化を回避したが、それにもかかわらず、芳香族イソシアナートの使用に関連する硬度及び耐溶媒性を保持するために、脂肪族イソシアナートの使用を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0012】
PUDを作製する際のポリウレタンプレポリマーは、ポリイソシアナート成分と、活性水素含有物質又はポリオールとしてもまた知られているイソシアナート反応成分とを含む。ポリウレタンの用語には、ポリウレタンの形成に関係する当業者には公知の結合(例えば、ウレア又はポリウレア、アロファナート、ビウレットなど)を含有するポリマーが含まれる。
【0013】
本発明のPUDは、凝集性薬剤(coalescing agents)を必要とすることなく、周囲温度でフィルムを形成する。屋外の周囲温度は5℃〜45℃を包含し、屋内適用については、温度は一般に、15℃〜25℃である。しかしながら、分散物はより高い温度で適用することができる(can be applied);これは、そのようなPUDの使用のためのコストを増大させる。本発明のPUDに基づくコーティングは、適用後24時間及び7日で測定される場合、Persoz試験に基づく90秒以上の硬度を有する。好ましくは、コーティングは95秒以上の硬度を有し、より好ましくは、100秒以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、コーティングは124秒以上のPersoz硬度を有する。
【0014】
本発明のプレポリマー配合物のポリイソシアナート成分は好都合には、脂肪族ポリイソシアナート、改質された脂肪族ポリイソシアナート及びその混合物から選択される。脂肪族イソシアナート化合物の例には、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI);イソホロンジイソシアナート(IPDI);2,4−及び2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアナート;4,4’−、2,2’−及び2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート(H12MDI);テトラメチルキシレンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート;1,3−及び1,4−(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン(そのシス異性体又はトランス異性体を含む);テトラメチレン−1,4−ジイソシアナート(TMXDI);シクロヘキサン1,4−ジイソシアナート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート;キシレンジイソシアナート;1,12−ドデカンジイソシアナート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート;及びその混合物が含まれる。
【0015】
1つの好ましい実施形態において、イソシアナート成分は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート;イソホロンジイソシアナート、1,3−(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン)、1,4−(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン又はその混合物である。
【0016】
本発明の配合物のポリイソシアナート成分のために同様に都合良く使用されるものが、いわゆる改質された多官能性イソシアナート、すなわち、上記のジイソシアナート及び/又はポリイソシアナートの化学反応により得られる生成物である。例として、エステル、ウレア、ビウレット、アロファナート、カルボジミド及び/又はウレトンイミン(uretonimine)を含有するポリイソシアナート;ジイソシアナート又はポリイソシアナートを含有するイソシアヌラート基及び/又はウレタン基が挙げられる。
【0017】
イソシアナート反応性成分(これは本明細書中ではポリオールとして示される)は、官能性が低い成分ai)と、官能性が高い成分aii)とを含む。本明細書中で使用される「ポリオール」は、下記の一般反応によって例示されるように、イソシアナート基と反応して、ウレア基、チオウレア基又はウレタン基を形成することができる2個以上の活性水素基を含有する化合物である:
【化1】


(式中、Xは、O、S、NH又はNであり、R及びR’は、脂肪族、芳香族又は脂環族或いはその組合せであり得る連結基(connecting groups)である)。
【0018】
ポリウレタン製造において最も一般に使用される活性水素含有化合物は、少なくとも2個のヒドロキシル基又はアミン基を有するそのような化合物である。本発明のために、1つの実施形態において、活性水素基はヒドロキシルである。好適なポリオールの代表的なものが一般に公知であり、High Polymers、Vol. XVI、「Polyurethanes, Chemistry and Technology」(Saunders及びFrisch、Interscience Publishers、New York、Vol. I、pp 32-42、44-54 (1962)、及び、Vol. II、pp 5-6、198-199 (1964);Organic Polymer Chemistry(K.J. Saunders、Chapman及びHall、London、pp. 323-325 (1973);及び、Developments in Polyurethanes、Vol. I(J.M. Burst編、Applied Science Publishers、pp 1-76 (1978))のような刊行物に記載される。そのような物質の例には、下記のクラスの組成物から単独又は混合物で選択される物質が含まれる:(a)ポリヒドロキシアルカンのアルキレンオキシド付加物;(b)非還元糖及び糖誘導体のアルキレンオキシド付加物;(c)リン酸及びポリリン酸のアルキレンオキシド付加物;及び(d)ポリフェノールのアルキレンオキシド付加物。
【0019】
ポリエーテルポリオールには、好適な開始分子をアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)又はその混合物など)によりアルコキシル化することによって得られるポリエーテルポリオールが含まれる。ai)を製造するための開始剤分子の例には、水、アンモニア、アニリン又は多価アルコール(例えば、62〜399の分子量を有する二価アルコール、特に、アルカンポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン又はトリメチロールエタンなど)、或いは、エーテル基を含有する低分子量アルコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール又はブチレングリコールなど)が含まれる。好ましいものが、2個の反応性官能基を含有する開始剤、すなわち、二価アルコールである。
【0020】
好ましくは、ポリ(プロピレンオキシド)ポリオール及びポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオールが使用される。これらのポリオールは、従来の方法によって調製される従来の物質である。この重合のための触媒反応は、KOH、CsOH、三フッ化ホウ素又は二重シアニド錯体(DMC)触媒(例えば、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛又は第四級ホスファゼニウム化合物など)の触媒を用いて、アニオン性又はカチオン性のどちらかであり得る。アルカリ触媒の場合、これらのアルカリ触媒は好ましくは、適切な仕上げ工程(例えば、凝集(coalescence)、ケイ酸マグネシウム分離又は酸中和など)によって製造終了時にポリオールから除かれる。
【0021】
他のポリエーテルポリオールには、ジオールとして市販されているポリ(テトラメチレンオキシド)ポリオール(これはまたポリ(オキシテトラメチレン)グリコールとして知られている)が含まれる。これらのポリオールは、Dreyfuss, P.及びM.P. Dreyfuss、Adv. Chem. Series、91、335 (1969)に記載されるように、カチオンによるテトラヒドロフランの開環及び水による停止から調製される。
【0022】
例示的なポリエステルポリオールが、2個〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは、8個〜12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸と、多価アルコール、好ましくは、2個〜12個の炭素原子を有するジオール、好ましくは、2個〜8個の炭素原子を有するジオール、より好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有するジオールとから調製され得る。ジカルボン酸の例には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マロン酸、ピメリン酸、2−メチル−1,6−ヘキサン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸及びフマル酸が挙げられる。好ましい芳香族ジカルボン酸が、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及び、ナフタレンジカルボン酸の異性体である。そのような酸は、個々に、又は、混合物として使用することができる。二価アルコール及び多価アルコールの例には、エタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び他のブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び他のペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、グリセロール、並びに、トリメチロールプロパンが含まれる。ポリエステルポリオールの例示として、ポリ(ヘキサンジオールアジパート)、ポリ(ブチレングリコールアジパート)、ポリ(エチレングリコールアジパート)、ポリ(ジエチレングリコールアジパート)、ポリ(ヘキサンジオールオキサラート)及びポリ(エチレングリコールセバカート)などが挙げられる。
【0023】
ポリエステルポリオールは、実質的に純粋な反応物物質から調製することができるが、より複雑な成分を使用することができる(例えば、フタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタラート及びポリエチレンテレフタラートなどの製造からの側流、廃棄物又はスクラップ残渣など)。他の供給源が再循環PET(ポリエチレンテレフタラート)である。エステル交換又はエステル化の後、任意選択で反応生成物をアルキレンオキシドと反応させることができる。
【0024】
使用することができる別のクラスのポリエステルが、ポリラクトンポリオールである。そのようなポリオールは、ラクトンモノマー(その例示が、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン、ξ−エナントラクトンなどである)と、活性水素含有基を有する開始剤(その例示が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパンなどである)との反応によって調製される。そのようなポリオールの製造が当分野で知られている;例えば、米国特許第3,169,945号、同第3,248,417号、同第3,021,309号及び同第3,021,317号を参照のこと。好ましいラクトンポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールとして知られている、ジヒドロキシル官能性、トリヒドロキシ官能性及びテトラヒドロキシル官能性のε−カプロラクトンポリオールである。
【0025】
ヒドロキシル基を含有するポリカルボナートには、それ自体が公知であるポリカルボナート、例えば、ジオール(例えば、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)、ペンタンジオール−(1,5)及び/又はヘキサンジオール−(1,6)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はテトラエチレングリコールなど)と、ジアリールカルボナート(例えば、ジフェニルカルボナート)又はホスゲンとの反応から得られる生成物などが含まれる。
【0026】
成分ai)については、単独の(single)ポリオール、又は、ポリオール類のブレンドを使用することができる。ポリオール又はポリオール類ブレンドは一般に、150〜600の平均当量重量を有する。さらなる実施形態において、成分ai)は少なくとも175の平均当量重量を有する。別の実施形態において、ai)は少なくとも200の平均当量重量を有する。一般に、ai)は575未満の平均当量重量を有し、さらなる実施形態において、ai)は550未満の平均当量重量を有する。ai)の名目官能性は一般には少なくとも1.5であり、さらなる実施形態においては少なくとも1.8である。ai)の名目官能性は一般には2.9以下である。さらなる実施形態において、ai)の名目官能性は2.4未満である。1つの好ましい実施形態において、ai)は1つ又はそれ以上のジオールから構成される。主としてジオールを使用するとき、官能性は、いくつかのモノオール成分の存在に基づいて2未満である場合がある。同様に、官能性は、より大きい官能性の物質の存在に基づいて2を越え得る。
【0027】
様々なポリオールが、指定された官能性及び当量重量を得るためにブレンドされ得る一方で、ポリオール類のブレンドが使用されるときには、そのようなブレンドは、1,500以上の分子量を有するポリオール類の10重量%未満を含有することが好ましい。好ましくは、そのようなブレンドは、1,500以上の分子量を有するポリオール類の5%未満を含有する。
【0028】
ポリオールai)は一般に、ai)及びaii)の組合せの90wt%以上を構成する。さらなる実施形態において、ai)は、ai)及びaii)の合計の92wt%以上を構成する。別の実施形態において、ai)はポリオール成分a)の合計の96wt%以上を構成する。さらに別の実施形態において、ai)はポリオール成分a)の合計の98wt%以上を構成する。
【0029】
ポリオールaii)
本発明において使用されるポリオールaii)は少なくとも4の官能性を有し、一般には4〜8の官能性を有する。1つの実施形態において、ポリオールaii)は、5以上の官能性を有する少なくとも1つのポリオールを含有する。
【0030】
1つの実施形態において、ポリオールaii)はポリエーテルポリオールである。そのようなポリエーテルポリオールは、開始剤が4以上の官能性を有することを除いて、ai)について上記で記載されるプロセスに従って製造される。そのような開始剤の例には、ペンタエリトリトール、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、スクロース、マンニトール及びその組合せが含まれる。
【0031】
ポリオールaii)の当量重量は一般には少なくとも100であり、さらなる実施形態においては少なくとも105である。ポリオールaii)の当量重量は一般には170未満であり、さらなる実施形態においては160未満である。
【0032】
ポリオールa)におけるポリオールaii)の量は一般には少なくとも1wt%であり、さらなる実施形態においては少なくとも2wt%である。ポリオールa)におけるポリオールaii)の量は4wt%までが可能であり、さらなる実施形態においては6wt%までが可能である。いくつかの実施形態において、ポリオールaii)はポリオールa)の8wt%までを構成することができる。
【0033】
ポリエーテルポリオールaii)には、ポリ(オキシプロピレン)グリコールが含まれ、これはエチレンオキシドによりキャップ処理される。これらのポリオールにまた、ポリ(オキシプロピレンオキシエチレン)ポリオールが含まれる。オキシエチレン含有量は好ましくは、総ポリオール重量の約80重量パーセント未満を構成しなければならず、より好ましくは、約40重量パーセント未満を構成しなければならない。エチレンオキシドは、使用されるとき、ポリマー鎖に沿ってどのような様式であれ、例えば、内部ブロック、末端ブロック又はランダム分布ブロック、或いは、その組合せとして取り込まれ得る。
【0034】
ポリオールaii)は、5パーセント〜25パーセントのエチレンオキシド(より好ましくは、10パーセント〜15パーセントのエチレンオキシド)によりキャップ処理され得る。
【0035】
様々なポリオール類が、aii)の指定された官能性及び当量重量を得るためにブレンドされ得る一方で、ブレンドが使用されるときには、4以上の官能性を有するポリオールの10wt%未満が、当量重量を、指定された範囲に有しないことが好ましい。好ましくは、そのようなブレンドは、指定された範囲から外れる当量重量を有する5%未満のポリオールを含有する。
【0036】
プレポリマーを調製することにおいて、イソシアナート反応基対イソシアナートの比率は、2wt%から20wt%にまでのフリーイソシアナート(NCO)含有量を有するプレポリマーを与えるように選ばれる。さらなる実施形態において、プレポリマーは少なくとも5wt%のフリーNCOを含有し、さらなる実施形態においては少なくとも8wt%のフリーNCOを含有する。いくつかの実施形態において、フリーNCOのwt%は18以下であり、さらなる実施形態においては13wt%以下であることが好ましい。
【0037】
本発明のプレポリマーは、ポリウレタンプレポリマーを調製する当業者に知られている任意の方法で調製することができる。好ましくは、ポリイソシアナート成分及びポリオール成分が一緒にされ、ポリウレタンプレポリマーを調製するために十分な反応条件のもとで加熱される。本発明のプレポリマー配合物の化学量論は、ポリイソシアナートが過剰に存在するようにされる。
【0038】
プレポリマーは溶媒の存在下で作製することができ、溶媒は、分散物を製造する前又は後で除くことができる。溶媒が存在するならば、溶媒は、溶媒を本質的に含まない水性分散物を得るために除かれることが好ましい。すなわち、分散物は5重量パーセント未満の溶媒を含有し、好ましくは、2.5重量パーセント未満の溶媒を含有し、より好ましくは、1重量パーセント未満の溶媒を含有する。好ましい実施形態において、プレポリマーは溶媒の非存在下で作製される。溶媒が使用されるとき、イソシアナートとの反応性を有しない溶媒の例には、ケトン(例えば、アセトン及びブタノンなど)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びジメトキシエタンなど)、エーテルエステル(例えば、メトキシプロピルアセタートなど)、(環状)アミド及びウレア(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチル−2,5−ジアザペンタノンなど)、N−メチルピロリドン、並びに、キャップ化グリコールエーテル(例えば、PROGLYDE(商標)DMM(The Dow Chemical Companyの商標)など)が含まれる。これらの溶媒はプレポリマー調製の任意の段階で加えることができる。
【0039】
分散物を作製するための様々なプロセスが当分野では周知である。分散を回分プロセス又は連続プロセスによって行うことができる。回分プロセスによって行われるならば、好ましくは、分散は、少量の水(少量のアニオン性界面活性剤を含む)が最初にプレポリマーの連続相に加えられ、混合され、その後、相が反転するまで、より多くの水が混合とともに加えられる反転相プロセスによって行われる。
【0040】
本発明の分散物が連続プロセスによって調製されるとき、好ましくは、分散物は高内部相比(HIPR)プロセスによって調製される。そのようなプロセスは公知であり、例えば、米国特許第5,539,021号(Pateら)及び国際公開第98/41552A1(Jakubowskiら)に開示される。どちらかの方法によって調製されるとき、得られる分散物は、分散物を安定にするために十分な粒子サイズを有さなければならない。本発明の分散物は0.9ミクロン〜0.05ミクロンの粒子サイズを有し、好ましくは、0.5ミクロン〜0.07ミクロンの粒子サイズを有し、より好ましくは、0.4ミクロン〜0.10ミクロンの粒子サイズを有する。最も好ましくは、本発明の分散物の粒子サイズは約0.15ミクロンである。
【0041】
PUDのために、分散物は内因的又は外因的に安定化され得るか、或いは、内因的及び外因的の両方で安定化され得る。内因的に安定化されるポリウレタン分散物は、イオン性又は非イオン性の親水性ペンダント基を、液体媒体に分散される粒子のポリウレタンの内部に取り込むことにより安定化されるものである。非イオン性の内因的に安定化されたポリウレタン分散物の例が米国特許第3,905,929号及び同第3,920,598号によって記載される。イオン性の内因的に安定化されたポリウレタン分散物は周知であり、米国特許第6,231,926号の第5欄4行〜68行並びに第6欄1行及び2行に記載される。典型的には、ジヒドロキシアルキルカルボン酸、例えば、米国特許第3,412,054号によって記載されるジヒドロキシアルキルカルボン酸などが、アニオン性の内因的に安定化されたポリウレタン分散物を作製するために使用される。アニオン性の内因的に安定化されたポリウレタン分散物を作製するために使用される一般的なモノマーがジメチロールプロピオン酸(DMPA)である。
【0042】
外因的に安定化されたポリウレタン分散物は、イオン性又は非イオン性の親水性ペンダント基を実質的に有さず、従って、ポリウレタン分散物を安定化するために界面活性剤の添加を必要とするものである。外因的に安定化されたポリウレタン分散物の例が、米国特許第2,968,575号、同第5,539,021号、同第5,688,842号及び同第5,959,027号に記載される。
【0043】
本発明の1つの好ましい実施形態において、ポリウレタン分散物は、非イオン性ポリウレタン及び外部からの安定化界面活性剤から構成される。非イオン性ポリウレタンは、イオン化し得る親水性基を含有しないものである。イオン化し得る親水性基は、水において容易にイオン化するものである(例えば、DMPA(ジメチロールプロピオン酸)など)。他のイオン化し得る基の例には、アニオン性基(例えば、スルホン酸及びそのアルカリ金属塩など)が含まれる。カチオン性基の例には、第三級アミン及び強い鉱酸(例えば、リン酸、硫酸、塩酸など)又は強い有機酸の反応によるか、或いは、好適な四級化剤(例えば、C1〜C6アルキルハリド又はベンジルハリド(例えば、Br又はCl)など)との反応によるアンモニウム塩が含まれる。
【0044】
界面活性剤は、本発明の安定な分散物を調製するために、及び/又は、安定なフロスを調製するために有用であり得る。本発明の実施における安定な分散物を調製するために有用な界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤が可能である。アニオン性界面活性剤の例には、スルホナート、カルボキシラート及びホスファートが含まれる。カチオン性界面活性剤の例には、第四級アミンが含まれる。非イオン性界面活性剤の例には、エチレンオキシド及びシリコーン界面活性剤を含有するブロックコポリマー、例えば、エトキシル化アルコール、エトキシル化脂肪酸、ソルビタン誘導体、ラノリン誘導体、エトキシル化ノニルフェノール又はアルコキシル化ポリシロキサンなどが含まれる。さらに、界面活性剤は外部界面活性剤又は内部界面活性剤のどちらも可能である。外部界面活性剤は、分散物調製の期間中に化学的に反応してポリマー内に入らない界面活性剤である。本明細書中で有用な外部界面活性剤の例には、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩及びラウリルスルホン酸の塩が含まれる。内部界面活性剤は、分散物調製の期間中に化学的に反応してポリマー内に入る界面活性剤である。本明細書中で有用な内部界面活性剤の例には、アニオン性分子、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、ジヒドロキシスルファート、ジヒドロキシスルホナート、アミノスルファート及びアミノスルホナート、それらの塩、四級化アンモニウム塩、並びに、非イオン性の親水性化学種(例えば、ポリエチレンオキシドモノオール及びポリエチレンオキシドポリオールなど)が含まれる。これらの親水性のイオン性基及び非イオン性基はポリマー骨格に組み込むことができる。界面活性剤は、100重量部のポリウレタン成分あたり0.01部から8部にまで及ぶ量で本発明の配合物に含むことができる。ポリエチレンオキシドポリオールが界面活性剤として使用されるとき、このポリオールは、ポリイソシアナート対ポリオールの比率を計算するときにはポリオール混合物の一部であると見なされる。
【0045】
モノオールをプレポリマー配合物に含めることができ、モノオールは好ましくは、モノ官能性の親水性ポリエーテルである。モノオールは、ラテックスの性質を改変すること、及び、エマルション形成の容易さを改善することの手段としてプレポリマーに取り込むことができる。存在するとき、モノオールはプレポリマー配合物の0.1重量パーセント〜5重量パーセントの量で存在し、好ましくは、プレポリマー配合物の3重量パーセント以下の量で存在する。
【0046】
プレポリマーは鎖延長剤(chain extender)により延ばされることが好ましい。ポリウレタンを調製する当業者に対して有用であることが知られている任意の鎖延長剤を本発明とともに使用することができる。そのような鎖延長剤は典型的には、30〜500の分子量を有し、少なくとも2個の活性水素含有基を有する。ポリアミンが、好ましいクラスの鎖延長剤である。他の物質、特に水が、差の長さを延ばすように機能することができ、従って、本発明のための鎖延長剤である。鎖延長剤が水、又は、水及びアミン(例えば、アミン化されたポリプロピレングリコール(例えば、Huntsman Chemical Companyから得られるJeffamine D−400など)、アミノエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1,5−ジアミノ−3−メチルペンタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンテトラアミン、アミノエチルプロピルトリメトキシシラン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリエチレンペンタミン、エタノールアミン、その立体異性体形態のいずれかでのリシン及びその塩、ヘキサンジアミン、ヒドラジン及びピペラジンなど)の混合物であることが、特に好ましい。本発明の実施において、鎖延長剤は多くの場合、鎖延長剤を水に溶解した溶液として使用される。
【0047】
本発明の鎖延長剤は水であり得る一方で、好ましくは、鎖延長剤はジアミンである。水以外の鎖延長剤が本発明の配合物において使用されるという点では、好ましくは、水以外の鎖延長剤は、鎖延長剤の活性水素の当量数が、プレポリマーのNCO含有量によって表されるイソシアナート当量の60%以上であるような量で使用される。一層より好ましくは、鎖延長剤は、鎖延長剤の活性水素の当量数が、プレポリマーのNCO含有量によって表されるイソシアナート当量の60パーセント〜95パーセントであるような量で存在する。
【0048】
分散物は一般に、30重量パーセント〜60重量パーセントの固形物含有量を有する。フィルムは必ずしも、このレベルの固形物を有する分散物から調製されるとは限らない。分散物そのものは、貯蔵体積及び輸送コストを最小限に抑えるために可能な限り高い固形物含有量で貯蔵及び輸送される一方で、分散物は、最終的な使用の前に希釈することができる。従って、いくつかの実施形態においては、40wt%以上の固形物含有量を有することが好ましい。
【0049】
分散物は、さらなる補助剤及び添加物を含有することができ、例えば、無機顔料及び有機顔料、色素、均展材、粘度調節剤、天然ワックス及び合成ワックス、消泡剤、艶消剤などを含有することができる。
【0050】
本発明の分散物は、表面のためのコーティングにおいて有用であり、特に、木材コーティングとして、又は、皮革コーティングの硬さを調節するための成分として有用である。PUDを、従来の方法によって、例えば、塗装、吹き付け、フローコーティング、トランスファーコーティング、ローラーコーティング、はけ塗り、浸漬展開、カーテンコーティングなどによって適用することができる。分散物は基体表面にパドル又はプールを作り、その後、ブラシ又は他の展開手段を使用して表面全体に広げることができる。吹き付けは、PUDを霧状にすること、及び、霧状化物を基体に噴出することを含む。さらに、本発明の分散物は他のラテックス及びポリマーとブレンドすることができる。
【0051】
PUDは好ましくは、上記で記載されたように周囲温度で適用することができる。PUDの様々な適用によって得られる製造物の乾燥を室温又は高い温度で行うことができる。
【0052】
下記の実施例が、本発明を例示するために適用される。下記の実施例は、本発明の範囲を限定するために意図されず、また、そのように解釈してはならない。すべての百分率は、別途記されない限り、重量比である。
【実施例】
【0053】
原料
IPDIは、Flukaから入手可能なイソホロンジイソシアナートである。
P400は、分子量が400であるポリプロピレングリコールである。
Tertitol L61は、12パーセントのエチレンオキシドによりキャップ処理された、2000の分子量のポリオキシプロピレンジオールである。これは、The Dow Chemical Companyから入手可能である。
PEG1000は、分子量が1000であるポリエチレングリコールである。
MPEG950は、分子量が950であるメトキシポリエチレングリコールである。
Voranol RN482は、分子量が821であるソルビトール開始の完全POポリオールであり、これは、The Dow Chemical Companyから入手可能である。
Voranol520は、5.2の官能性及び約569の分子量を有するスクロース/グリセリン開始の完全POポリオールである。
Voranol360は、4.9の官能性及び764の分子量を有するスクロース/グリセリン開始の完全POポリオールである。
Voranol370は、6.9の官能性及び1050の分子量を有するスクロース/グリセリン開始の完全POポリオールである。
Unoxol3,4−ジオールは、およそ58:42の1,3−/1,4−異性体比を有する1,3−/1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、これは、The Dow Chemical Companyから入手可能である。
【0054】
プレポリマーの調製
プレポリマーが下記のように調製される:既知量のポリオールを500mlのガラス製ジャーに仕込み、続いて、ジャーを70℃に加熱する。ポリエーテルポリオールのこの混合物に、同様に70℃に加熱されるIPDIを加える。約80ppmの量のベンゾイルクロリドを加えて、ポリオールにおける残留塩基を中和する。混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、85℃のオーブンに入れる。オーブンに半時間入れた後、プレポリマーを再び混合し、その後、オーブンに一晩放置して、反応させ、取り出し、その後、室温に冷却する。
【0055】
分散物の調製
分散物が、高剪断ミキサーを3000rpmで使用して、3部(乾燥基準で100部のプレポリマーに対して)のラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤を14wt%の濃度でプレポリマーに加えることによって調製される。さらに水が、相反転が認められるまで加えられる。その後、鎖延長剤のエチレンジアミンが、所望される最終濃度に達するためのさらなる水とともに分散物に加えられる。
【0056】
最低フィルム形成温度
最低フィルム形成温度(minimum film forming temperature)(MFFT)が、Coesfeldから得られるThermostair IIで求められる。200μmの湿潤厚さを有するフィルムを、0℃から30℃までの温度勾配を有する加熱プレートに引き、乾燥させる。亀裂を伴うフィルムから、均質なフィルムへの温度移行が、MFFTとして記録される。
【0057】
耐溶媒性
耐溶媒性が、400μmの湿潤コーティング厚さを木材パネルに適用し、コーティングを周囲温度及び45%〜50%の相対湿度で2日間乾燥することによって測定される。その後、約2gの綿パッドを、対応する溶媒で飽和させ、コーティングの上部に置き、時計皿で覆う。1時間の適用の後、綿パッドを取り除き、コーティングの外観を1時間後、及び、同様に、一晩の回復の後で検査する。外観を下記のように1〜5の表記法に従って評価する:
【表1】

【0058】
表1 プレポリマーの作製
プレポリマーが、表1に示される組成に基づいて調製される。
【表2】


イソプロパノール/水及びアセトンに対する作製されたコーティングの抵抗性が表2に示される。
【表3】

【0059】
結果から、高官能性ポリオールを用いて調製された分散物が一般に、コントロールと比較して、特に、イソプロパノール/水の溶媒に対する改善された抵抗性を示すことが示される。配合物の多くについて、アセトン抵抗性における改善もまた認められる。
【0060】
作製されたフィルムのPersoz硬度の結果が表3に示される。
【表4】

【0061】
結果は、すべての分散物が、有機溶媒を加えることを必要とすることなく、室温でフィルム形成性であったことを示す。結果はまた、硬度が、多官能性ポリオールを加えることによって低下しないこと、そして、ほとんど場合において、改善が認められることを示す。

本発明の他の実施形態が、本明細書の検討又は本明細書中に開示される発明の実施から当業者には明らかである。本明細書及び実施例は例示として見なされるだけであることが意図され、従って、本発明の真の範囲及び精神は下記の請求項によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン固体及び5重量パーセント未満の非水性有機溶媒含有量を含有し、前記ポリウレタン固体が、
a)下記を含有するポリオール、
ai)150〜600の平均当量重量及び1.5〜2.9の名目平均官能性を有する、92wt%〜99wt%のポリオール又はポリオール類ブレンド、及び
aii)4〜8の名目官能性及び100〜170の当量重量を有する、1wt%〜8wt%の少なくとも1つのポリオール、
b)少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアナート、
c)任意選択でさらなる安定剤、ならびに
d)任意選択で鎖延長剤
を反応させることによって調製されるポリウレタンプレポリマーから得られ、
前記プレポリマーが2wt%〜20wt%のイソシアナート(NCO)含有量を有する水性ポリウレタン分散物。
【請求項2】
前記固体含有量が30重量パーセント〜60重量パーセントである、請求項1に記載の分散物。
【請求項3】
前記固体含有量が40重量パーセント〜60重量パーセントである、請求項1に記載の分散物。
【請求項4】
前記イソシアナートが、6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI);イソホロンジイソシアナート(IPDI);2,4−及び2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアナート;4,4’−、2,2’−及び2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート(H12MDI);テトラメチルキシレンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート;1,3−及び1,4−(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン(そのシス異性体又はトランス異性体を含む);テトラメチレン−1,4−ジイソシアナート(TMXDI);シクロヘキサン1,4−ジイソシアナート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート;キシレンジイソシアナート;1,12−ドデカンジイソシアナート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート;又はその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の分散物。
【請求項5】
前記イソシアナートが、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート;イソホロンジイソシアナート、1,3−(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン又はその混合物である、請求項4に記載の分散物。
【請求項6】
ポリオールai)が1.8〜2.4の平均名目官能性を有する、請求項1に記載の分散物。
【請求項7】
ポリオールai)が75〜500の平均当量重量を有する、請求項1に記載の分散物。
【請求項8】
ポリオールai)が1つ又は複数のポリエーテルジオールである、請求項7に記載の分散物。
【請求項9】
ポリオールaii)が総ポリオールa)の2wt%〜6wt%を構成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の分散物。
【請求項10】
前記ポリオールaii)が前記総ポリオールb)の2wt%〜4wt%を構成する、請求項9に記載の分散物。
【請求項11】
前記ポリオールaii)が105〜160の平均当量重量を有する、請求項9に記載の分散物。
【請求項12】
前記分散物が2.5wt%未満の有機溶媒を含有する、請求項9に記載の分散物。
【請求項13】
前記分散物が1.0wt%未満の有機溶媒を含有する、請求項12に記載の分散物。
【請求項14】
前記プレポリマー及び分散物が有機溶媒の非存在下で調製される、請求項1に記載の分散物。
【請求項15】
前記プレポリマーが溶媒の存在下で作製され、かつ、前記溶媒が、前記プレポリマーを水に分散する前に実質的に除かれる、請求項1に記載の分散物。
【請求項16】
前記プレポリマーの前記イソシアナート含有量が4wt%〜18wt%である、請求項1に記載の分散物。
【請求項17】
前記プレポリマーの前記イソシアナート含有量が6wt%〜12wt%である、請求項16に記載の分散物。
【請求項18】
前記分散物が連続プロセスで作製される、請求項1から17のいずれかに記載の分散物。
【請求項19】
前記分散物が外部からの界面活性剤の使用によって安定化される、請求項18に記載の分散物。
【請求項20】
硬質コーティングを表面に作製するための、請求項1から18のいずれか一項に記載されるポリウレタン分散物の使用。
【請求項21】
a)下記を含有するポリオール、
ai)150〜600の平均当量重量及び1.5〜2.9の名目平均官能性を有する、92wt%〜99wt%のポリオール又はポリオール類ブレンド、及び
aii)4〜8の名目官能性及び100〜170の当量重量を有する、1wt%〜8wt%の少なくとも1つのポリオール、ならびに
b)少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアナート
とを含み、
フリーイソシアナート含有量が2wt%〜20wt%である、イソシアナート末端プレポリマー。

【公表番号】特表2011−508056(P2011−508056A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540736(P2010−540736)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/086006
【国際公開番号】WO2009/085587
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】