説明

ポリエステルの使用下で染料再沈着を抑制又は低減する方法

本発明の主題は、脱色プロセスの間に、特にストーンウォッシュプロセスの間に繊維織物への色素再沈着を抑制又は低減する方法である。前記織物とは、有利にインジゴで染色された綿織物又は綿を有する織物である。使用される色素沈着防止剤は、ポリエステル、有利にテレフタル酸−ポリエステル−ポリエーテル−ポリマーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱色プロセスの間に、特に「ストーンウォッシュ(Stone−Wash)」プロセスの間に繊維織物への染料再沈着を抑制又は低減する方法に関する。前記織物とは、有利にインジゴで染色された綿織物又は綿を有する織物である。使用される染料再沈着防止剤は、ポリエステル、有利にテレフタル酸−ポリエステル−ポリエーテル−ポリマーである。
【背景技術】
【0002】
インジゴで染色されたジーンズ織物は、一般に「ウォッシュアウトの外観」(洗いざらしの外観)又は「ユーズドの外観」(古着の外観)を付与するために、ジーンズ織物はいわゆる「ストーンウォッシュ」プロセスにかけられる。
70年代の終わり頃に、インジゴ染色された部分のエージングプロセスを促進するために軽石の使用が見出された。この「ストーンウォッシュの外観」は、主に繊維の外側領域にだけ染料が染着されていることにより可能である。これはインジゴ染料にとって特徴的である。染料が糸の内部にまで侵入せずに、外周を覆うように、かつ糸又は繊維の心部は染色しない、いわゆる外周染色との関連で語られる。
インジゴで染色された織物を洗濯機で処理する場合に、この織物は、糸の最も外側の層が部分的に除去され、かつ染色されていない内部が現れるまで軽石で処理される(出版者:Textilveredlung AG、 雑誌:Textil Veredlung、 34 (11−12)、 26−31 (1999)、 35 (1−2)、 23−27 (2000)、 35 (3−4)、 27−30 (2000)、タイトル:Jeans − das blaue Ph nomen)。
【0003】
通常の場合には、このために、織物重量の約1倍〜2倍量の軽石を使用する。個々の場合に織物のエージングプロセスのためにどのくらい多くの軽石を使用するかは、所望の効果に依存する。
典型的なストーンウォッシュプロセスは、経済的にも環境的にも欠点を有している。デニム織物も洗濯機自体も、このプロセスによって極めて強い機械的な負荷がかかる。これにより、特にドラム型洗濯機中に取り付けられたプレートの著しい磨耗が生じる。
前記の軽石の摩滅によって、微細な粒子が製造される。結論は、多数回の洗浄により織物から前記の微細な粒子を除去することがどうしても不可欠であり、大量の廃棄処理すべきプロセス水が生じてしまう。さらに、軽石を用いた処理により、繊維屑及びインジゴ顔料との関連で大量のスラッジが生じる。
【0004】
80年代以来、特別な酵素の使用に基づく新規の技術が実施されている。軽石による磨耗の代わりに、セルロース繊維の表面の分解のために酵素が使用される。酵素として、この場合に、一般にセルラーゼが使用される。このセルラーゼはアンカーによってセルロースに一時的に結合し、前記セルラーゼはセルロースの1,4−ベータグルコシド結合を分解する。それにより、インジゴ染料が存在している綿繊維の表面は部分的に剥離される。それにより、その下に位置する、綿繊維の染色されていない、従って白色の領域が現れてくる。このような方式で、セルラーゼを使用することにより、軽石を使用した場合と同じような光学的効果が達成される。
酵素を用いたストーンウォッシュプロセスの場合に使用されるセルラーゼは、2つのグループに分類される:酸性及び中性のセルラーゼ。「酸性」及び「中性」の概念を用いて、この場合、酵素がどのpH値で最適な結果を達成するかが明確に規定される。酸性のセルラーゼについては、約4〜6の範囲内のpH値でその最適な結果を示すが、中性のセルラーゼは約6〜8のpH値でその最適な結果を示す。本質的な差異は、中性のセルラーゼと比較して酸性のセルラーゼは高い浸食性が可能であることにある。酸性のセルラーゼを用いる場合に、10〜20%の量の中性のセルラーゼを使用する場合と同じ浸食特性が生じる。結果として、酸性のセルラーゼはより短い処理時間を可能にし、付加的に明らかにより安価であり、それにより全体として経済的利点が生じる。しかしながら、この場合にいわゆる「バックステイニンング(Backstaining)」(染料再沈着)が欠点である。
【0005】
染料再沈着とは、特に色落ちした染料もしくは繊維屑上の染料による綿の変色もしくは汚損であると解釈される。この沈着は、多様な箇所、例えばインサイドポケット、ラベル、縫い目、ファスナー、又同様に特にデニムの内側面及び外側面に観察することができる。このバックステイニングにより、不所望なコントラストの乏しい商品イメージが生じてしまう。
染料再沈着現象は、洗濯プロセスにおいて明らかに高い染料濃度が要因で、ストーンウォッシュの場合に、典型的な家庭での洗濯の場合よりも明らかに強く現れる。
【0006】
学問的な文献において、この現象を説明しようとする異なる理論が開示されている:一つの仮説は、セルロースが酵素によりグルコース単位に分解され、それ自体が溶液中のインジゴ並びに繊維状のインジゴを部分的に還元することができることから出発している。この還元された形は、セルロース繊維に対して親和性が低く、かつそれによりポケットの内側の裏地に著しい沈着を引き起こす。もう一つの理論は、インジゴはセルロースに対して強い親和性を有し、そのセルロース自体がいわゆるCBD(セルロース結合ドメイン(cellulose binding domain))を介してセルロース繊維に結合していることから出発している。
これは染料再沈着が使用されたセルラーゼ混合物、染料、使用された界面活性剤のタイプ、界面活性剤濃度及びpH値の関数であることから出発することができる。
従来の技術では、染料再沈着を減少させるためのいくつかの方法を記載している。
【0007】
WO 01/92453号は、脂肪分解酵素、特にクチナーゼの添加により染料再沈着を低減する酵素を用いた方法を記載している。WO 94/29426号では、この目的のために、酸性のセルラーゼを特別なプロテアーゼと一緒に使用している。ドイツ連邦共和国特許第19606619号明細書からは、酸性のセルラーゼを脂肪アルコールポリグリコールエーテル及び無機及び/又は有機の緩衝塩と組み合わせて使用することは公知である。
さらに、再沈着防止効果を達成するために、非イオン性脂肪アルコールエトキシラートとアニオン性アルカンスルホナートとの組み合わせた使用も記載されている。しかしながら、特にアニオン性界面活性剤により、その浸食能力を減少させるようなセルラーゼと不利な相互作用を生じる。
【0008】
WO 01/57173号は酵素の2成分系を記載していて、前記酵素の2成分系を用いて染色された綿織物又は綿含有の織物に良好なストーンウォッシュ効果を生じさると同時に、極めてわずかなバックスティニングを達成することに成功している。この2成分系は、セルラーゼ成分の他に、特別な水性ポリマー分散液を含有し、この固体粒子がグラフト骨核としてデンプン上にグラフトされているスチレン/(メタ)アクリル酸エステル−コポリマーである。
WO 95/35363号は、天然の及び合成の、無機のケイ酸塩、ポリアルキレンオキシド、アクリル酸−ポリマー並びに天然及び合成のもしくは半合成の多糖類のグループから選択される染料−再沈着防止剤の存在で、酸性のセルラーゼを使用することによりストーンウォッシュ効果を製造する方法を記載している。
【0009】
先行技術において記載された多くの色移り防止剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリジン−N−オキシド等は、綿に関する直接染料の再沈着を抑制するための効果的な系である。それにもかかわらず、特にインジゴのバックステイニングを抑制することが問題となる場合には、これらの化合物は効果が十分ではない、これは、おそらく、前記の理論とは関連せずに、前記染料の極端な疎水性に原因があると想定される。
WO 99/67350号からは、既に、ポリマーの廃棄−テレフタラート、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート又はポリ(シクロヘキサンジメタノール)テレフタラート、グリコール及び少なくとも3個のヒドロキシ基を有するオキシアルキル化されたポリオールの反応により製造可能なポリエステルは公知であり、前記ポリエステルは染色プロセス及び脱色プロセスにおいて染料再沈着を抑制するために使用される。実際に開示されたポリエステルは、さらにトリメリト酸及び/又はイソフタル酸もしくはこれらの誘導体の使用下で製造されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、脱色プロセスの間、特にストーンウォッシュプロセスの間に、繊維織物への染料再沈着を有効に抑制する手段を提供することにある。
この場合、前記手段は遊離した染料、特にインジゴに対して、もしくは染料を備えた粒子に対して再沈着防止剤として作用することで、純粋なデニムに対しても、デニムもしくはジーンズの典型的な、綿からなっていないことが多いアクセサリー、例えばポケットの内側の裏地、縫い目、ラベル及びファスナーに対しても作用するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、本発明の場合に、染色された織物を有する綿繊維を脱色プロセスの間に染料再沈着防止剤と接触させることにより繊維織物に関する染料再沈着を抑制するかもしくは低減する方法において、前記染料再沈着防止剤が、少なくとも次のモノマー:
(A) 1種又は数種のジカルボン酸化合物、
(B) 2〜6個の炭素原子を有する1種又は数種のジオール化合物及び
(C) 1又は2個のヒドロキシ基を有し、少なくとも6個の酸素原子を有するポリエーテロール
(その際、前記モノマー(A)、(B)及び(C)は組み込まれたモノマーの80質量%より多く、有利に90質量%よりも多く、特に95質量%よりも多い)
の反応、有利にエステル化により製造可能なポリエステルであることを特徴とする、繊維織物への染料再沈着を抑制するかもしくは低減する方法により解決される。
有利な実施態様は、引用形式請求項の対象であるか又は次に記載されている。
本発明による方法において記載された再沈着防止剤の使用により、極めてわずかなバックステイニングが生じ、それと同時にすばらしいストーンウォッシュ効果が得られる。
前記課題は、本発明の場合に、防汚ポリマー(ソイルリリースポリマー)として公知のようなポリマーを用いて解決される。これは、この場合、両親媒性の、有利に非イオン性ポリエステルを含有するポリエーテルモノマー配列が有利である。
ポリエーテルモノマー配列の製造のために、ポリエーテロールが使用される。ポリエーテロールは、本発明の範囲内で、1又は2個のヒドロキシ基を有し、少なくとも6個の酸素原子、有利に少なくとも10個の酸素原子、特に16個より多くの酸素原子を有する化合物である。
ジオールは、本発明の範囲内で、2個のヒドロキシ基と多くても1個のエーテル基を有する、有利にエーテル基を有していない化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施態様の場合には、特にその液状のコンシステンシーに基づき液状のストーンウォッシュ調製物中に混入するために提供される室温で流動性のポリエステルが有利であり、前記ポリエステルは、
(A) 1種又は数種のジカルボン酸化合物20〜50mol%、
(B) 2〜6個の炭素原子を有する1種又は数種のジオール化合物0より大〜30mol%、
(C) 少なくとも3個のOH基を有する1種又は数種のポリオール化合物10.1〜29.9mol%及び
(D) 1種又は数種のC2〜C4−アルキレンオキシドを、1個のヒドロキシ基を有するC1〜C18−、特にC1〜C6−アルコールへ、アルキレンオキシド4〜100Mol対アルコール1Molのモル比でアルキレンオキシド付加することにより製造可能な、1種又は数種の水溶性ポリエーテロール10.1〜50mol%の反応により、有利に重縮合により製造することができる。
上記の化合物及びその有利な実施態様はWO 02/18474−A1号に開示されていて、前記開示内容は引用によってこの化合物の定義に関して全ての範囲で本願明細書の開示内容にも組み込まれる。
mol%で示した上記の数値は最終的でかつそれぞれ互いに無関係であり、成分(A)〜(D)の合計に関している。前記ポリエステルは、ほとんど他の成分を使用せずに、つまり他の成分を5mol%より低く、有利に1mol%より低く使用して製造されている。「室温で」の記載は、15〜25℃の温度を表し、特に20℃の温度を表す。
本発明の主たる請求の範囲内の化合物は、反応の後に、つまりポリマー内への組み込みの後に、炭素、水素及び酸素の他に他の原子を有していない有機化合物である。これは、例えばポリエステル内への組み込み後のジカルボン酸化合物が、カルボキシル基の他に、カルボニル基又はヒドロキシル基も有することができるが、例えばスルホニル基又はハロゲン基を有することができないことを意味する。
【0013】
前記ジカルボン酸化合物(A)は脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸及びそれらの誘導体、例えばモノエステル、ジエステル、無水物又は混合物である。前記ジカルボン酸化合物は、ジカルボン酸又はジカルボン酸基に関して、有利に3〜40個の炭素原子を有する。芳香族ジカルボン酸化合物は、本発明の場合に、特にテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、前記酸とC1〜C5−アルコールとのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、例えばジメチルテレフタラートであることができ、その際、これらの化合物の混合物も可能である。脂肪族ジカルボン酸化合物の例は、マロン酸ジアルキルエステル、コハク酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、グルタル酸ジアルキルエステル、アジピン酸ジアルキルエステル、ピメリン酸ジアルキルエステル、スベリン酸ジアルキルエステル、アゼライン酸ジアルキルエステル及びセバシン酸ジアルキルエステルである。特に、イソフタル酸及びフタル酸、特にテレフタル酸並びにこれらのジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル及びジブチルエステルを使用するのが有利である。
特に、ジカルボン酸として、本発明による方法の場合に、テレフタル酸は、使用されたジカルボン酸化合物又はトリカルボン酸化合物に対して有利に90mol%より多く、特に95mol%より多く使用される。さらに、他のジカルボン酸化合物も使用することができる。
【0014】
芳香族ジカルボン酸化合物は、テレフタル酸の他に、特にイソフタル酸、フタル酸、前記酸とC1〜C5−アルコールとのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、例えばジメチルテレフタラートであり、その際、もちろんこれらの成分の混合物も可能である。脂肪族ジカルボン酸等価物の例は、マロン酸ジアルキルエステル、コハク酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、グルタル酸ジアルキルエステル、アジピン酸ジアルキルエステル、ピメリン酸ジアルキルエステル、スベリン酸ジアルキルエステル、アゼライン酸ジアルキルエステル及びセバシン酸ジアルキルエステルである。
特に、テレフタル酸及びフタル酸並びにこれらのジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル及びジブチルエステルが有利である。
原則として、トリカルボン酸化合物を使用することも可能であり、この使用により著しく分枝したポリマー構造体が得られる。このために、例えばトリメリト酸もしくはその誘導体、例えば無水物及びエステルが適している。もちろんこの使用は一般には避けることができる。
【0015】
このポリオール化合物(D)は有利に3〜12個の炭素原子を有する。少なくとも3個のOH基を有するポリオール化合物の例として次のものを挙げることができる:ペンタエリトリット、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,3−ヘキサントリオール、ソルビトール、マンニトール、モノグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール。この場合グリセリンの使用が有利である。
ポリエーテロール(C)の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、これらの混合物と、水又は脂肪族C1〜C18−アルコール、有利にC1〜C6−アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールとの付加生成物である。エチレンオキシドとメタノール又は水との付加生成物が有利である。
【0016】
前記したポリマーの特に重要な成分として、ポリエーテロールを挙げることができ、このポリエーテロールは有利に30質量%より多いポリマーの主成分である。この例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール並びにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドもしくはこれらの混合物と脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又は長鎖脂肪アルコールとの付加生成物である。重量平均分子量500〜10000g/molのポリエチレングリコール、並びに分子量2000〜5000g/molのポリエチレングリコールモノメチルエーテルが有利である。
ジオール化合物(B)として、本発明の場合に、例えばエチレングリコール、1,2−もしくは1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブチレングリコール、3−メトキシ−1,2−プロピレングリコール、並びにこれらのダイマー及びトリマーを使用することができる。前記ジオール化合物(B)は有利に2〜6個の炭素原子を有する。基本的に、異なるジオールの混合物も可能である。エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールの使用も有利である。
原則として、前記ポリマーはアニオン性に変性されていることも可能である。これは、例えばアニオン性モノマー、例えばスルホフタロイル基、スルホイソフタロイル基及びスルホテトラフタロイル基の縮合による組み込みによって行うことができ、前記基は、それらの塩の形、特にあるカリ金属塩又はアンモニウム塩として使用される。一般に、ここでも脂肪族、アニオン性モノマーを使用することもでき、前記モノマーはスルホン化された脂肪族ジエステル、例えばマレイン酸、アジピン酸、セバシン酸等から誘導される。
【0017】
本発明による方法において使用されたポリエステルは末端基が封鎖されていてもよい。適当な末端基は次のものである。
a.) スルホアロイル基、
b.) 式MO3−S−(O)u−(CH2p−(RO)w−を有する基、前記式中、Mは金属原子を表し、Rはエチレン又はエチレンとプロピレンとの混合物を表し、uは0又は1を表し、pは0又は1を表し、wは1〜100の数を表す、
c.) ポリ(オキシエチレン)モノアルキルエーテル基、前記基中でアルキル基は1〜24個のC原子を有し、かつポリオキシエチレン基は2〜200個のオキシエチレン単位からなる、
d.) 4〜40個の炭素原子を有するアシル基及びアロイル基、
e.) 2〜25個の炭素原子を有するヒドロキシアシル基及びヒドロキシアロイル基、
f.) ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルフェノールエーテル、前記化合物中でアルキル基は6〜18個の炭素原子を含有し、かつポリオキシアルキレン基は0〜80個のオキシアルキレン単位からなる、
並びにこれらの混合物。
特に、非イオン性のPET−(ポリエチレンテレフタラート)−POET(ポリオキシエチレンテレフタラート)−ポリエステルが有利である。このポリエステルは、テレフタル酸又はテレフタル酸エステルとモノエチレングリコール及びポリエチレングリコールの重縮合によって得ることができる。この場合、分子量2000〜10000g/molのポリエチレングリコールが有利である。有利に、得られたPET−POET−コポリマーは室温で固体であり、かつ重量平均分子量5000〜40000g/molを有する。
さらに、式
X−(OCH2−CH2n−[−(OOC−R1−COO−R2u−]−OOC−R1−COO−(CH2−CH2O)n−X
で示すことができる室温で液体のポリエステル−ポリエーテル−コポリマーが有利であり、
前記式中、それぞれのR1基は、場合により1個又は2個のC1〜C3−アルキル基により置換されている1,4−フェニレン基であり、R2基は主にエチレン基、1,2−プロピレン基又はこれらの混合物であり、それぞれのXは相互に無関係に水素、C1〜C12−炭化水素基、特にエチル又はメチルを表し、それぞれのnは相互に無関係に7〜115であり、uは3〜10である。
【0018】
他の実施態様の場合には、次の実験式
(CAP)x(T)z(I)q(D)r(P)s(En)t(A)y(EG/PG)v
により平均的に記載されたポリエステルが使用され、
前記式中、
(CAP)は、ポリマーの末端を封鎖する末端基を表し、及び
a.) スルホアロイル基、
b.) 式MO3−S−(O)u−(CH2p−(ROw)−を有する基、前記式中、Mは金属イオン、アンモニウムイオン又は置換されたアンモニウムイオンを表し、Rはエチレン又はエチレンとプロピレンとの混合物を表し、uは0又は1を表し、pは0又は1を表し、wは1〜100の数を表し、
c.) ポリ(オキシエチレン)モノアルキルエーテル基、前記基中でアルキル基は1〜24個のC原子を有し、かつポリオキシエチレン基は2〜200個のオキシエチレン単位からなり、
d.) 4〜40個の炭素原子を有するアシル基及びアロイル基、
e.) 2〜25個の炭素原子を有するヒドロキシアシル基及びヒドロキシアロイル基、
f.) ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルフェノールエーテル、前記化合物中でアルキル基は6〜18個の炭素原子を含有し、かつポリオキシアルキレン基は0〜80個のオキシアルキレン単位からなり、
g.) 並びにこれらの混合物であり、xは0〜2の値を表し、
(T)はアリーレンジカルボニル基を表し、zは1〜50の数を表し、
(I)は内部アニオン基を表し、qは0〜30の数を表し、
(D)はアセタール基を表し、rは0より大〜80の数を表し、
(P)は少なくとも3個のOH基を有するポリオール基を表し、sは0〜80の数を表し、その際、前記ポリオールの割合は、モノマー単位の合計に対して30mol%より少なく、
(En)は、2〜100個のオキシアルキレン基から構成されているポリ(オキシアルキレン)オキシ基を表し、その際、tは0〜25、有利に0より大〜25の数を表し、アルキレン基は2〜6個のC原子を有し、
(A)は、2〜24個のC原子から構成されている1,n−アルキレンジカルボニル基を表し、yは0〜15の数を表し、
(EG/PG)はオキシエチレンオキシ基又はオキシプロピレンオキシ基又はこれらの混合物を表し、vは0〜80の数を表し、及び
この場合、ポリエステルは分子量500〜100000g/mol、有利に1000〜20000g/molを有する。
上記のポリエステルは、WO 99/09125号の対象であり、この引用により前記パンフレットで両親媒性ポリマーとして表されたポリエステルの他の定義に関して全ての内容が本願明細書の開示の対象に組み込まれる。
【0019】
本発明により使用されたポリマーの合成は、全てのモノマー構成単位の1工程での直接的な反応の形で行うことができるため、ランダムに分布したポリマー(いわゆる「ランダム」構造体)が得られる。他の製造方法は多工程合成であり、例えば多様な構成単位の前縮合が行われる。
基本的に約80〜350℃の温度、及び常圧〜<1mbarの圧力が調節される。有利に、この縮合は通常の重縮合触媒及びエステル交換触媒の存在で、150〜280℃の温度範囲内で実施される。この場合、得られたポリマーは多様な分子量に調節することができる。この分子量は有利に1000〜40000g/molである。
触媒として、文献から公知の化合物が適している。成分として遊離ジカルボン酸又は無水物を使用する場合には、p−トルエンスルホン酸が有利な触媒である。成分としてジカルボン酸ジアルキルエステルを使用する場合、通常のエステル交換触媒、例えば酢酸カルシウムと酸化アンチモンとからなる混合物、有機及び無機のスズ化合物及び亜鉛化合物(例えばスタンナン、酢酸亜鉛又はDegussa社のTEGO(登録商標)触媒)又はテトラアルコキシチタナート、例えばチタン−テトライソブタノラート又はチタンテトライソプロパノラートを使用する。
【0020】
この縮合は、酸化防止剤、例えば置換されたフェノール、例えば2,5−ジtert−ブチルフェノール、2−メチルシクロヘキシル−4,6−ジメチルフェノール、亜リン酸又は他の常用のこのために使用される酸化防止剤の存在で実施することができる。これらの化合物は、縮合の間の酸化によるポリエステルの変色を抑制する。
本発明によるポリエステルの色がさらに満足できない場合には、このポリエステルを後処理にかけることができる。通常の後処理は、例えば過酸化水素を用いた漂白であり、この過酸化水素により明らかに色が明るくなる。
【0021】
本発明による方法において使用されたポリマーは、固体の形でも、ペーストから液体の形でも存在することができる。原則として、ポリマーを相応する調製物中に導入するために多様な方法がある。粉末状の、例えば固体のストーンウォッシュ調製物の場合には、この添加物は同様に固体であるのが有利である。この場合、ポリマーは、モルホロジーに応じて、100%の形で、例えば粉砕された形で導入するか又は担持された形で、つまり先行技術に記載された造粒法を用いて固体の担持物質上に前記ポリマーを塗布することにより担持された形で導入することができる。
【0022】
基本的に、これらの化合物はマトリックスの形で使用することもできる。
マトリックスとは、前記両親媒性のポリエステル−ポリエーテル−コポリマーを、例えば非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシラート、アルコールプロポキシラート、混合されたアルコールアルコキシラート、アルキルポリグルコシド、グルコースアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、混合されたポリアルキレングリコール、溶剤、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、グリコールエーテル、水等との混合物であると解釈される。
他の生成物との混合もしくは配合により、例えば低粘度のさらに良好な流動性の生成物を得ることができる。
このポリエステル−ポリエーテル−コポリマーは、担持材料、例えばゼオライト、リン酸塩、クエン酸塩、硫酸ナトリウム、軽石又は軽石等価物、例えばパーライト等の上に塗布することもでき、それにより流動性の粉末状のコンパウンドに変えることができる。この種のコンパウンドは、有利に粉末状のストーンウォッシュ調製物中に導入することができる。
【0023】
本発明による方法において使用された再沈着防止剤は、ストーンウォッシュ調製物(研磨剤を除く)に対して有利に0.1〜20質量%の量で使用される。
原則として、染料再沈着防止剤を前記調製物中に混入することも可能である。他方で、この染料再沈着防止剤を直接的な適用物(ストーンウォッシュ液剤)中に後から混入する方法もある。
たいていの調製物は、機械的処理及び酵素処理の組み合わせに基づく(ストーンウォッシュ及びバイオストーンウォッシュ)。軽石の代わりに、焼結されたパーライトが使用されることが多く、この焼結されたパーライトはこの硬度に基づきこのプロセスの間に摩耗があまり生じない。さらに、前記の焼結されたパーライトは軽石よりも小さく、大きな表面積を有し、それにより洗濯液によりこのパーライトを洗い流すことができる。
ストーンウォッシュ効果を生じさせるための酵素による調製物の主要な基礎は、1種又は数種のセルラーゼである。主に、次の2種のグループのセルラーゼが使用される:酸性及び中性。
【0024】
本発明による再沈着防止剤の他に、前記調製物は他の成分を含有する。
例えば、これは、酵素系の最適な効果を保証するために所定の限界値内にpH値を一定に保持する課題を有する緩衝剤系である。セルラーゼ浴の緩衝は極めて重要である、それというのも織物によりアルカリ分が持ち込まれることが多いためである。
この調製物の他の必要な成分は界面活性剤である。この界面活性剤の課題は、特に、セルラーゼが可能な限り迅速に繊維を攻撃できるようにセルロース繊維の迅速な濡れを達成することにある。前記界面活性剤の他の機能は、過剰の繊維のりの除去、インジゴ染料の懸濁化、並びに油脂成分の乳化である。そのほかに、前記界面活性剤は、さらにその適用の中で分散剤並びに防しわ剤として利用される。
【0025】
有利に、この場合非イオン性界面活性剤、例えば先行技術において記載された脂肪アルコールアルコキシラート、ヒマシ油エトキシラート等である。非イオン性界面活性剤の有利な使用の理由は、繊維の良好な濡れにあると同時にセルラーゼ活性にあまり影響しないことにある。アニオン性界面活性剤は、部分的に前記酵素に不利な影響を及ぼし、酵素活性を低下させるかもしくは不適合性を生じさせることがある。調製物中の界面活性剤の割合は、有利に5〜25質量%の範囲内(研磨剤を除く)である。
場合により、ストーンウォッシュ調製物は他の成分、例えば酵素活性剤、可溶化剤、溶剤、酸化防止剤、ビルダーもしくは金属イオン封鎖剤を含有することもできる。
【0026】
典型的な溶剤の例は次のものである:エチレングリコール、プロピレングリコール並びにそのオリゴマー/ポリマー、テルペン、炭化水素等。酵素活性剤の例は次のものである。タンパク質、単糖類、例えばマンノース及びキシロースの塩。典型的な可溶化剤は次のものである。単鎖アルコール、ベンゼンスルホン酸塩、プロピレングリコール、安息香酸塩等。ビルダーもしくは金属イオン封鎖剤として、次のものが使用されることが多い。有機リン酸塩、ホスホン酸塩、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ホウ酸塩、クエン酸塩等。
これは粉末調製物も液体調製物も適している。
【0027】
デニム又はジーンズ材の製造方法は、主に3つの主要な工程からなる。のり抜き(デサイジング)、浸食(ストーンウォッシュ/バイオストーンウォッシュ)及び漂白。
第1の工程ののり抜きの際に、通常ではデンプンであるのり材を除去する。かつては、この工程はアルカリ性洗濯液により比較的高い温度で実施されていた。今日では、同様に酵素プロセスが有利であり、前記酵素プロセスは特別なアミラーゼを使用するかもしくはアミラーゼとリパーゼとの組み合わせを使用することに基づく。この酵素はデンプンポリマーを短時間に水溶性のフラグメントに分解し、前記フラグメントは洗い落とすことができる。この工程の背景は、柔軟なデニム表面を生じさせ、ストライプ形成を抑制し並びに次の工程の浸食のために織物を準備することである。酵素の他に、この工程でも界面活性剤が使用される。
次の処理工程の前に、原則として1回又は数回の洗浄工程を行うことができる。
浸食工程とは、前記したストーンウォッシュもしくはバイオストーンウォッシュもしくはストーンウォッシュとバイオストーンウォッシュとの組み合わせである。特別なセルラーゼ又はセルラーゼ混合物を使用することにより、セルロースフラグメントが表面から除去され、それにより典型的なストーンウォッシュの外観が生じる。
必要な浸食が達成された後、織物の更なる分解を停止するために、セルラーゼを失活しなければならない。この失活は、後続する洗浄プロセスにおいて、アルカリ性pH値及び高温で行われ、その際に前記酵素は変性される。引き続き、前記織物は、原則として標準条件下で、先行技術において記載された漂白剤、例えば次亜塩素酸塩を用いて漂白される。
【0028】
本発明による方法の場合に記載された再沈着防止剤は、特に、疎水性表面、例えばポリエステル、ポリアミドもしくはこれらと綿との混紡繊維に対する親和性を有することも特徴とする。ジーンズパンツのアクセサリー、例えばポケットの内側の裏地、ファスナー、ラベル、縫い目などは、しばしばこの材料から仕上げられているため、本発明による添加物は本来のストーンウォッシュプロセスの際に使用するだけでなく、その前の、つまり繊維ののり抜きプロセスの際にも使用することが推奨される。この場合、このアクセサリーは有効な表面含浸を維持し、この表面含浸によりストーンウォッシュプロセスにおいて遊離されたインジゴは前記表面にあまり引き寄せられることはない。
【0029】
実施例1
ガラス攪拌機、加熱浴、保護ガス導入管、蒸留装置、充填塔、蒸留ブリッジ、真空分配器、蒸留フラスコ、冷却トラップ及び内部温度計を備えた2Lの多口フラスコ中に、全部で重量平均分子量約440g/molのポリエチレングリコールモノエチルエーテル640g(1.45mol)(Sasol Germany GmbH社のMARLIPAL 1/12)、ジメチルテレフタラート388g(2.0mol)、グリセリン110.5g(1.2mol)、ネオペンチルグリコール145.8g(1.4mol)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(Shell社のIonol)1.0g並びにテトライソプロピルオルトチタナート1mlを保護ガス下で装入した。
この反応混合物を、ゆっくりと150〜220℃の温度にまで加熱し、生成されたメタノールをトラップした。理論的に予想されるメタノール量の大部分がトラップされた後に、前記反応混合物を冷却し、塔を取り外し、真空にし、前記混合物を再び最大230℃にまで加熱した。この反応の際に反応されないジオール/ポリオール混合物は、この場合に留出物として捕集した。
ポリエステルが約90mgKOH/g物質のヒドロキシル価を達成した後で、反応を停止した。前記生成物が黄色の低粘度の油状物として生じた。
【0030】
実施例2
実施例1と同様に、全体で、重量平均分子量約440g/molのポリエチレングリコールモノメチルエーテル883g(2.0mol)(Sasol Germany GmbH社のMARLIPAL 1/12)を、ジメチルテレフタラート534g(2.75mol)、グリセリン227.9g(2.5mol)、モノエチレングリコール68.3g(1.1mol)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(Shell社のIonol)1.0g並びにテトライソプロピルオルトチタナート1mlを反応させた。
ポリエステルが約112mgKOH/g物質のヒドロキシル価を達成した後で、反応を停止した。前記生成物が黄色の低粘度の油状物として生じた。
【0031】
実施例3
実施例1と同様に、全体で、重量平均分子量約3000g/molのポリエチレングリコール4947g(1.65mol)(Sasol Germany GmbH社のLipoxol 3000)、ジメチルテレフタラート1056g(5.44mol)、モノエチレングリコール580g(9.3mol)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール4.0g(Shell社のIonol)並びにテトライソプロピルオルトチタナート4mlを反応させた。
ポリエステルが30mgKOH/g物質のヒドロキシル価を達成した後で、反応を停止した。前記生成物が黄色の固体樹脂として生じた。
【0032】
実施例4
実施例1と同様に、全体で、重量平均分子量約750g/molのポリエチレングリコールモノメチルエーテル1106g(1.47mol)(Sasol Italy社のNONIDAC M−750)、ジメチルテレフタラート229g(1.18mol)、1,2−プロピレングリコール179g(2.36mol)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3g(Shell社のIonol)並びにテトライソプロピルオルトチタナート1.3mlを反応させた。
ポリエステルが15mgKOH/g物質のヒドロキシル価を達成した後で、反応を停止した。前記生成物は黄色の低粘度の油状物が生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
染色された織物を有する綿繊維を脱色プロセスの間に染料再沈着防止剤と接触させることにより繊維織物への染料再沈着を抑制するかもしくは低減する方法において、前記染料再沈着防止剤が、少なくとも次のモノマー:
(A) 1種又は数種のジカルボン酸化合物、
(B) 2〜6個の炭素原子を有する1種又は数種のジオール化合物及び
(C) 1又は2個のヒドロキシ基を有し、少なくとも6個の酸素原子を有するポリエーテロール
(その際、前記モノマー(A)、(B)及び(C)は組み込まれたモノマーの80質量%より多い)
の反応により製造可能なポリエステルであることを特徴とする、染料再沈着を抑制するかもしくは低減する方法。
【請求項2】
ポリエーテロール(C)が500〜10000g/mol、特に1000〜8000g/molの重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ポリエステルが、さらに
(D) 少なくとも3個のOH基を有する3〜12個の炭素原子を有する1種又は数種のポリオール化合物、特にグリセリン
の使用下で製造可能であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ポリエステルが、少なくとも
(A) 1種又は数種のジカルボン酸化合物20〜50mol%と、
(B) 2〜6個の炭素原子を有する1種又は数種のジオール化合物0より大〜30mol%と、
(C) 1種又は数種のC2〜C4−アルキレンオキシドを、1個のヒドロキシル基を有するC1〜C18−、特にC1〜C6−アルコールに、アルキレンオキシド4〜100Mol対アルコール1Molのモル比でアルキレンオキシド付加することにより製造可能な、1種又は数種の水溶性ポリエーテロール10.1〜50mol%と、
(D) 少なくとも3個のOH基を有する1種又は数種のポリオール化合物10.1〜29.9mol%との反応により製造可能であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ジオール化合物(B)1〜10mol%を組み込むことを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
ポリエステルの重量平均分子量が5000g/molより低い、有利に2000〜5000g/molであることを特徴とする、請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
ジカルボン酸化合物(A)がテレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸及びこれらの誘導体、特にテレフタル酸及びその誘導体を有し、有利に組み込まれたジカルボン酸化合物に対して90mol%より多くがテレフタル酸及びその誘導体であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
相互に無関係に、
(a) トリカルボン酸化合物を使用せず、
(b) イソフタル酸もしくはその誘導体10質量%より少なく使用する、特にイソフタル酸もしくはその誘導体を使用しない
ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ジオール化合物(B)がエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
ポリエステルは、アニオン性モノマーの組み込みによりアニオン性に変性されている及び/又は末端基が封鎖されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ポリエステルは、少なくとも
(A)テレフタル酸(この場合、使用したジカルボン酸化合物の90mol%多くがテレフタル酸である)、
(B)エチレングリコール(この場合、使用したジオール化合物の90mol%より多くがエチレングリコールである)、及び
(C)2000〜8000g/molの分子量を有するポリエチレングリコール(この場合使用したポリエーテロールの90質量%より多くが、2000〜8000g/molの分子量を有するポリエチレングリコールである)の反応により製造可能であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
ポリエーテロール(C)が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドもしくはこれらの混合物と、脂肪族C1〜C18−アルコール、有利にC1〜C6−アルコール及び/又は水、特に水又はメタノールとのアルキレンオキシド付加生成物であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記ポリエステルは、式
X−(OCH2−CH2n−[−(OOC−R1−COO−R2u−]−OOC−R1−COO−(CH2−CH2O)n−X
により構成されていて、その際、それぞれのR1基は1,4−フェニレン基(前記基は場合により1又は2個のC1〜C3−アルキル置換基を有し)であり、R2基は主にエチレン基、1,2−プロピレン基又はこれらの混合物であり、それぞれのXは相互に無関係に水素、C1〜C12−炭化水素基、特にエチル又はメチルを表し、それぞれのnは7〜115であり、かつuは3〜10であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項14】
ポリエステル又はポリエステル混合物は室温で液状であることを特徴とする、請求項5から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
ポリエステルは、次の実験式
(CAP)x(T)z(I)q(D)r(P)s(En)t(A)y(EG/PG)v
により平均的に記載され、その際、
(CAP)は、ポリマーの末端を封鎖する末端基を表し、及び
a.) スルホアロイル基、
b.) 式MO3−S−(O)u−(CH2p−(ROw)−を有する基、前記式中、Mは金属イオン、アンモニウムイオン又は置換されたアンモニウムイオンを表し、Rはエチレン又はエチレンとプロピレンとの混合物を表し、uは0又は1を表し、pは0又は1を表し、wは1〜100の数を表し、
c.) ポリ(オキシエチレン)モノアルキルエーテル基、前記基中でアルキル基は1〜24個のC原子を有し、かつポリオキシエチレン基は2〜200個のオキシエチレン単位からなり、
d.) 4〜40個の炭素原子を有するアシル基及びアロイル基、
e.) 2〜25個の炭素原子を有するヒドロキシアシル基及びヒドロキシアロイル基、
f.) ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルフェノールエーテル、前記化合物中でアルキル基は6〜18個の炭素原子を含有し、かつポリオキシアルキレン基は0〜80個のオキシアルキレン単位からなる、
g.) 並びにこれらの混合物であり、xは0〜2の値を表し、
(T)はアリーレンジカルボニル基を表し、zは1〜50の数を表し、
(I)は内部アニオン基を表し、qは0〜30の数を表し、
(D)はアセタール基を表し、rは0より大〜80の数を表し、
(P)は少なくとも3個のOH基を有するポリオール基を表し、及びsは0〜80の数を表し、その際、前記ポリオールの割合は、モノマー単位の合計に対して30mol%より少なく、
(En)は、2〜100個のオキシアルキレン基から構成されているポリ(オキシアルキレン)オキシ基を表し、その際、tは0〜25の数を表し、アルキレン基は2〜6個のC原子を有し、
(A)は、2〜24個のC原子から構成されている1,n−アルキレンジカルボニル基を表し、yは0〜15の数を表し、
(EG/PG)はオキシエチレンオキシ基又はオキシプロピレンオキシ基又はこれらの混合物を表し、vは0〜80の数を表し、及び
この場合、ポリエステルは分子量500〜100000g/mol、有利に1000〜20000g/molを有する
を特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項16】
(I)が5−スルホイソフタロイル基のナトリウム塩を表すことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
(CAP)が5−スルホイソフタロイル基のナトリウム塩を表すことを特徴とする、請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
アセタール基(D)は、相互に無関係に次のもの:
− ホルミルエステルとグリセリンとの反応生成物、
− ジアルデヒドとグリセリン2molとからなる反応生成物及び/又は
− テトラアルコキシプロパンとグリセリン2molとからなる反応生成物
であることを特徴とする、請求項15から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
q、x及びyは0であることを特徴とする、請求項15から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
脱色のために、研磨石及び/又は酵素、特に少なくともセルラーゼを繊維と、ストーンウォッシュ効果を達成するために接触させることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
再沈着防止剤を、ストーンウォッシュ工程でも、前工程ののり抜き工程においても、繊維と接触させることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
部分的に脱色される染料がインジゴであることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
ポリエーテロール(C)が16〜180個のC2〜C4−アルキレンオキシド単位を有することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
ポリエステルが、少なくとも3個のOH基を有するポリオールを使用して製造されていないことを特徴とする、請求項1、2及び/又は5から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
ポリエステルが5000g/molより低い分子量を有することを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
インジゴで染色された綿織物の「ストーンウォッシュ」プロセス又は「バイオストーンウォッシュ」プロセスの間に、繊維織物への染料再沈着を抑制もしくは低減するための、請求項1から19、23、24及び/又は25までのいずれか1項記載のポリエステルの使用。
【請求項27】
インジゴで染色された綿織物を、染料再沈着を抑制するために、「ストーンウォッシュ」プロセス又は「バイオストーンウォッシュ」プロセスの間にポリエステルの存在で製造され、かつ前記ポリエステルは請求項1から19、23、24及び/又は25までのいずれか1項記載のポリエステルであることを特徴とする、インジゴで染色された綿織物。

【公表番号】特表2007−514064(P2007−514064A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543359(P2006−543359)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002716
【国際公開番号】WO2005/056742
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(501186162)サゾル ジャーマニー ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】