説明

ポリエステル溶融相生成物およびそれを製造する方法

少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;アルカリ金属−アルミニウム化合物から選択される少なくとも1種の金属化合物;および5ppm〜1000ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含む少なくとも1種のポリエステルポリマー溶融相生成物を含む物品である。エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜1000ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含む、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造する溶融相方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はまた、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含むポリエステルポリマーに関する。本発明はまた、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含む少なくとも1種のポリエステルポリマー溶融相生成物を含む物品に関する。本発明はまた、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含む、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造する溶融相方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
成形用に好適な特定のポリエステル組成物は、パッケージング,例えば飲料容器の製造において有用である。例えば、幾つかのポリ(エチレンテレフタレート)ポリマー(「PET」)は、その目的のために有用であり、そしてPETは、その軽量性、透明性および化学的不活性によって一般的になった。
【0003】
PETは、通常、2段階プロセス(溶融相段階で始まり、固相化段階が続く)において製造する。溶融相段階は、典型的には3相プロセスである。まず、エステル化段階において、エチレングリコールをテレフタル酸と、スラリー中で、陽圧下で、そして温度250℃〜280℃で反応させ、オリゴマー性PETを得る。次に、オリゴマーを、若干より高い温度,通常260〜290℃まで加熱し、そして陽圧を穏やかな減圧,通常20〜100mmに変えて、プレポリマーを得る。最後に、圧力を0.5〜3.0mmまで低下させ続ける(そして温度を上昇させることもある)ことによって、プレポリマーを最終ポリマーに変換する。3相溶融プロセスが完了した後、典型的には、ポリマー段階の最後のペレットの分子量を、固相プロセスまでに増大させる。典型的には、溶融相および固相の両者のプロセス段階は、アンチモン触媒の存在下で行う。
【0004】
しかしアンチモンは問題となる可能性がある。これを、例えば、ポリエステル用の重縮合触媒として用い、そして該ポリエステルをボトルに成形する場合、例えば、ボトルは、一般的に濁っており、そしてしばしば、アンチモン触媒(これはアンチモン金属に還元される)によって濃色外観を有する。
【0005】
アンチモンの使用、更に他の要因と関連する不都合は、アンチモン不含有溶融相のみのプロセスの開発をもたらす。しかし、このような方法で調製されるPETでは、PETが空気に165℃付近またはこれより高温で曝露された場合に、酸化安定性が低下する場合があり、そして分子量低下がもたらされる場合がある。これは、PETをその加工前に乾燥させなければならず、そしてPETの乾燥を一般的に165℃超で行うという点で問題である。
【0006】
よって、当該分野において、アンチモン不含有溶融相のみのプロセスによって製造でき、そしてより高い酸化安定性を有するPETに対する要求が依然として存在する。安定性の増大は、より高温での乾燥を可能にすることができる。更に、これは、分子量低下を補償するためにより高分子量のPETを製造する必要性を排除できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要約
ポリエステルポリマーを製造するために、少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物および少なくとも1種のフェノール性安定剤を溶融相のみのプロセス中で組み入れることが、増大した酸化安定性(得られる生成物をより高温で乾燥できるような)を付与できることを、我々は見出した。
【0008】
ここで、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含む少なくとも1種のポリエステルポリマー溶融相生成物を含むポリエステルポリマー、更に、このようなポリエステルポリマーを含む物品を提供する。本発明はまた、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含む、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、例1による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、PET、およびエステル化プロセスの前にIrganox 1010(941ppm)を添加して調製したPETの比較で示す。
【図2】図2は、例1による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、PET、およびエステル化プロセスの前にIrganox 1010(948ppm)を添加して調製したPETの比較で示す。
【図3】図3は、例2による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、PET、およびIrganox 1010(1400ppm)によって連続プロセスにおいて調製したPETの比較で示す。
【図4】図4は、例2による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、種々のレベルのIrganox 1010によって連続プロセスにおいて調製したPETの比較で示す。
【図5】図5は、例3による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、PET、およびプレポリマー段階で種々のレベルのIrganox 1010を添加して調製したPETの比較で示す。
【図6】図6は、例4による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、PET、および重合段階の終点で種々のレベルのIrganox 1010を添加して調製したPETの比較で示す。
【図7】図7は、例5による、PETの空気中192℃での24時間に亘る安定性を、PET、およびノニルフェノール、BHTまたはビタミンEによって連続プロセスにおいて調製したPETの比較で示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、以下の発明の詳細な説明(添付の図面を含む)および与えられる例を参照してより容易に理解できる。本発明は、例において記載される具体的なプロセスおよび条件に限定されないことを理解すべきである。プラスチック物品を加工するための具体的なプロセスおよびプロセス条件は変わる場合があるからである。使用する術語は、特定の態様を説明する目的のみであり、そして限定を意図しないこともまた理解すべきである。
【0011】
明細書および特許請求の範囲で用いる単数形“a”,“an”および“the”は、文脈から別であることが明確でない限り複数の指示対象を包含する。例えば、“preform(プレフォーム)”,“container(容器)”または“bottle(ボトル)”または“article(物品)”への言及は、複数のプレフォーム、容器、ボトル、または物品を包含することを意図する。
【0012】
“comprising(含む)”または“containing(含有する)”により、少なくとも名称を挙げた化合物、元素、粒子等が組成物または物品において存在することを我々は意味するが、他の化合物、材料、粒子等の存在は、他のこのような化合物、材料、粒子等が名称を挙げたものと同一の機能を有する場合でも排除しない。
【0013】
1つ以上の方法ステップの言及が、明示的に特定されたステップの前、後またはこれらのステップの間に介在する追加の方法ステップの存在を、このような方法ステップを特許請求の範囲によって明示的に排除していない限りは排除しないこともまた理解すべきである。
【0014】
範囲の表現は、該範囲内の全ての整数およびその端数を包含する。プロセスにおける、または反応混合物の、または溶融物のもしくは溶融物に適用する、またはポリマーのもしくはポリマーに適用する、温度または温度範囲の表現は、全ての場合において、反応条件を特定温度または任意温度に、連続的または間欠的に、該範囲内で設定し;そして反応混合物、溶融物またはポリマーが該特定温度に供されることを意味する。
【0015】
「溶融相生成物」は、溶融相反応によって得られるポリエステルポリマーである。溶融相生成物は、ペレットもしくはチップの形で単離でき、または溶融物として直接、溶融相仕上機から押出機内に供給し、そして成形物品,例えばボトルプレフォーム(例えば「成形用の溶融物」もしくは「プレフォーム用の溶融物」)の形成のために型内に導くことができる。特記がない限り、溶融相生成物は、任意の形または形状(非晶ペレット、結晶化ペレット、固相化ペレット、プレフォーム、シート、ボトル、トレー、ジャー等)をとることができる。
【0016】
溶融相生成物の文脈における用語「溶融」は、ポリエステルポリマーを形成するための、溶融相における任意の時点での流れを受ける反応に関する広い包括的な用語であり、そしてエステル化相中の流れを包含(この流れの粘度が典型的には重要でなくても)し、そしてまた、重縮合相中の流れ(プレポリマーおよび仕上相、各相の間、および溶融物が固化する点まで等)を包含し、そして固相中で分子量の増大を受けるポリエステル生成物は除外する。
【0017】
用語「アルカリ金属」は、周期表の1A族の任意の金属を意味し、特にリチウム、ナトリウム、およびカリウムを意味する。用語アルカリ金属−アルミニウム触媒は、アルカリ金属およびアルミニウムの両者を含有する任意の化合物(ポリエステル反応を触媒するのに有効である)またはアルカリ金属化合物およびアルミニウム化合物の任意の組合せ(有効な触媒である)を意味する。例えば、これは、これらに限定するものではないが、水酸化リチウムおよびアルミニウムイソプロポキシドの組合せ、更に水酸化ナトリウムと酢酸アルミニウムとの組合せを包含する。
【0018】
インヘレント粘度(IV)は、測定された溶液粘度から算出する。以下の等式は、これらの溶液の粘度測定を説明する:
ηinh=[ln(ts/t0)]/C
式中、ηinh=60%フェノールおよび40%1,1,2,2−テトラクロロエタンのポリマー濃度0.50g/100mLでの、25℃でのインヘレント粘度
ln=自然対数
s=キャピラリチューブを通るサンプル流動時間
0=キャピラリチューブを通る溶媒−ブランク流動時間
C=100mL溶媒当たりのグラム単位でのポリマーの濃度(0.50%)
【0019】
ここで、インヘレント粘度(IV)測定は、上記の条件下で(60%フェノールおよび40%1,1,2,2−テトラクロロエタンのポリマー濃度0.50g/100mLにて25℃で)行った。
【0020】
*,a*,およびb*色座標は、透明射出成形ディスク上で、以下の方法に従って測定する。Mini−Jectorモデル55−1を用いて、円板(径40mmおよび厚み2.5mmを有する)を成形する。成形前に、ペレットを少なくとも120分間および150分間以下、強制換気機械対流オーブン(170℃に設定)中で乾燥させる。Mini−Jector設定は以下の通りである:後方ヒーターゾーン=275℃;前方2ヒーターゾーン=285℃;サイクルタイム=32秒;および射出タイマー30秒。透明射出成形ディスクの色は、HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計を用いて測定する。HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計は、D65発光光源を用いて10°の観測角および積算球面幾何学で操作する。HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計を制御して、ゼロ化、規格化、UVキャリブレート、および照合をする。色測定を、総遷移(TTRAN)モードにおいて行う。L*値は、サンプルの透過/不透明性を示す。「a*」値は、サンプルの赤味(+)/緑味(−)を示す。「b*」値は、サンプルの黄味(+)/青味(−)を示す。
【0021】
代替として、色値を、結晶化ポリエステルペレット、または3mmスクリーンを通る粉末に粉砕した結晶化ポリマーの上で測定する。ポリエステルペレットまたはポリマーの試験体(粉末に粉砕されている)は、結晶性の最小値15%を有する。HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計は、D65発光光源を用いて10°の観測角および積算球面幾何学で操作する。HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計を制御して、ゼロ化、規格化、UVキャリブレート、および照合をする。色測定を、反射率(RSIN)モードにおいて行う。結果を、CIE 1976 L*,a*,b*(CIELAB)色スケールにおいて表す。「L*」値は、サンプルの明度/暗度を示す。「a*」値は、サンプルの赤味(+)/緑味(−)を示す。「b*」値は、サンプルの黄味(+)/青味(−)を示す。
【0022】
本発明の少なくとも1種のポリエステルポリマーおよびポリエステルポリマー溶融相生成物は、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルを含む。一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルは、バージン(例えば、非リサイクルの)ポリエチレンテレフタレートポリエステルである。一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルは、いずれの使用済みリサイクルポリエチレンテレフタレートも含まない。一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルは、いずれの使用前リサイクルポリエチレンテレフタレートも含まない。
【0023】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルは:
(a)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、および
(b)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基
を含む。一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルは、イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオール(CHDM)の残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、を更に含む。非限定の例示的な範囲は、イソフタル酸の残基について、0.5〜5.0モル%(総二塩基酸成分に対して)、ジエチレングリコールの残基については、0.5〜4.0質量%(ポリマーの質量基準で)、そしてCHDM残基については、0.5〜4.0モル%(グリコール成分に対して)である。一態様において、ポリエステルポリマーは、リン酸の残基を更に含む。
【0024】
一態様において、少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物は、リチウム−アルミニウムである。一態様において、ポリマー中に存在する少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物の量は、3ppm〜60ppm(化合物中に含有されるアルミニウムの質量基準)である。一態様において、ポリマー中に存在する少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物の量は、3ppm〜100ppm(化合物中に含有されるアルミニウムの質量基準)の範囲である。一態様において、ポリマー中に存在する少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物の量は、3ppm〜20ppm(アルカリ金属の質量基準)の範囲である。
【0025】
一態様において、少なくとも1種の触媒は、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択できる。一態様において、少なくとも1種のアルカリ−アルミニウム触媒はリチウム−アルミニウムである。
【0026】
一態様において、ポリマー中に存在する少なくとも1種のアルカリ−アルミニウム触媒の量は、3ppm〜60ppm(触媒中に含有されるアルミニウムの質量基準)の範囲である。一態様において、ポリマー中に存在する少なくとも1種のアルカリ−アルミニウム触媒の量は、3ppm〜100ppm(触媒中に含有されるアルミニウムの質量基準)の範囲である。一態様において、ポリマー中に存在する少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム触媒の量は、3ppm〜20ppm(アルカリ金属の量基準)の範囲である。
【0027】
本発明は、少なくとも1種のフェノール性安定剤を含む。少なくとも1種のフェノール性安定剤は系中に添加した場合に反応できる。従って、本明細書で用いる用語「少なくとも1種のフェノール性安定剤」は、系中に添加する出発安定剤も、更に該出発安定剤の任意の残基および/または反応生成物も両者を網羅する。
【0028】
少なくとも1種のフェノール性安定剤は、ポリマー製造プロセスから除去されないように十分な分子量のものがよい。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、高分子量を有するフェノール性安定剤(例えばノニルフェノール)から選択される。好適な少なくとも1種のフェノール性安定剤の非限定の例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、Irganox 1010;CAS登録No.6683−19−8)、カルシウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホスホネート)(CAS登録No.65140−91−2)、トリエチレングリコールビス−[3−(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシル−5’−メチルフェニル)プロピオネート](CAS登録No.36443−68−2)、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン(CAS登録No.85−60−9)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CAS登録No.90498−90−1)、1,3,5−ジメチル−2,4,6−トリス(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(CAS登録No.1709−70−2)、1,1,3−トリ(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン(CAS登録No.1843−03−4)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)ブタン酸]グリコールエステル(CAS登録No.32509−66−3)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール(CAS登録No.134701−20−5)、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフィド(CAS登録No.96−69−5)、ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5メチルフェニル)スルフィド(CAS登録No.90−66−4)、ビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−2−オキシエチル]スルフィド(CAS登録No.41484−35−9)、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(CAS登録No.4221−80−1)、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(CAS登録No.67845−93−6)、2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノール(CAS登録No.128−37−0)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(オクタデカノキシカルボニルエチル)フェノール(CAS 2082−79−3)、イソオクチル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(CAS 146598−26−7)、2,2’−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)メタン(CAS 119−47−1)、ヘキサメチレン3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(CAS 35074−77−2)、およびα−トコフェロール(CAS 10191−41−0)が挙げられる。
【0029】
一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、フェノール性基付近で立体的に込み合ったフェノール性安定剤,例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(BHT)から選択される。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、少なくとも2つのフェノール性水酸基を含有するフェノール性安定剤から選択される。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、Irganox 1010;CAS登録No.6683−19−8;ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−1,1’−[2,2−ビス[[3−[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]−1,3−プロパンジイル]エステル)である。
【0030】
一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、5ppm〜800ppmの範囲の量で存在する。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、20ppm〜400ppmの範囲の量で存在する。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、150ppm〜350ppmの範囲の量で存在する。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、200ppm〜300ppmの範囲の量で存在する。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、225ppm〜275ppmの範囲の量で存在する。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、100ppm〜200ppmの範囲の量で存在する。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤は、5ppm〜100ppmの範囲の量で存在する。
【0031】
PET中の少なくとも1種のフェノール性安定剤の量は、以下の様式(少なくとも1種のフェノール性安定剤がIrganox 1010である場合についての例示として)で測定できる。約0.12gのPETサンプルを、20mLヘッドスペースバイアル(使い捨て撹拌棒を有する)中に計り入れる。3mLのnPrOH(約1000ppmのノナノールを有する)をバイアル中に計り入れ、そして1.5mLのテトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(60%水中)を添加する。バイアルをキャップし、そして加熱/撹拌ブロック(125℃にて)中に、サンプルが完全に加水分解されるまで置く。これは一般的には約15分間である。標準のIrganox 1010を、ヘッドスペースバイアル中に計り入れ、そして、上述のサンプルと同じ様式で調製する。サンプルを加水分解および冷却する際、3mLの酸性化ピリジン(30%HCl)を添加し、そしてバイアルの内容物を約1分間急速に撹拌する。100μL分量のサンプル溶液を、GCバイアルに移し、そして、500μLのBSTFA(N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド)を添加した。バイアルをキャップし、そしてヒートブロック中に80℃で10分間入れて、水酸基の誘導体化を完了させる。Irganox 1010は加水分解において崩壊し、そして分子(ペンタエリスリトール)のアルキル部分を測定する。質量分析計Agilent 5973Nを、モニターイオン147および191に設定する(サンプルを射出する際)。ペンタエリスリトールについての最も大きい2つのイオンである。Agilent 5890 GCは、DB−17キャピラリカラム(これは、サンプル中の成分を分離し、次いでこれらを質量分析計内に導入する)を有する。標準を最初に実施し、そしてこれらの結果からキャリブレーションカーブが生じる。ペンタエリスリトールの面積を、次いで、一次方程式で計算して、サンプル中のIrganox 1010の質量パーセントを評価する。
【0032】
少なくとも1種のフェノール性安定剤は、少なくともエチレングリコール(EG)およびテレフタル酸(TPA)のスラリーの形成からペレット化直前までの、溶融相プロセス中の任意の1つまたは複数の時点で導入できる。少なくとも1種のフェノール性安定剤は、全プロセス流に添加でき、および/またはより高濃度でスリップ流に添加し、次いで戻して全プロセス流と混合して、安定剤の所望レベルを実現できる。一態様において、少なくとも1種のフェノール性安定剤を、エチレングリコールおよびテレフタル酸を含むスラリー中で添加する。
【0033】
よって、本発明に従い、一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含むポリエステルポリマーを提供する。一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルは、バージン(使用前および/または使用済みで非リサイクル)ポリエチレンテレフタレートポリエステルである。
【0034】
更に、本発明に従い、一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも11種以上のフェノール性安定剤;を含む少なくとも1種のポリエステルポリマーを含む物品を提供する。一態様において、少なくとも1種のポリエステルポリマーは、少なくとも1種のポリエステルポリマー溶融相生成物である。一態様において、物品は、ボトル、プレフォーム、ジャー、またはトレーであることができる。物品は、一態様において、バージン(使用前および/または使用済みで非リサイクル)ポリエチレンテレフタレートポリエステルを含む。
【0035】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含み、該少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルが、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基(少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%のそれら残基がテレフタル酸の残基)、および少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基(少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基)を含む、ポリエステルポリマーを提供する。
【0036】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含み、該少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルが、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基(少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%のそれら残基がテレフタル酸の残基)、および少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基(少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%のそれら残基がエチレングリコールの残基)を含み、そして、該少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステルが、イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基を更に含む、ポリエステルポリマーを提供する。
【0037】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含み、該少なくとも1種のフェノール性安定剤が、ノニルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、およびブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)から選択される、ポリエステルポリマーを提供する。
【0038】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および20ppm〜400ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含むポリエステルポリマーを提供する。一態様において、該少なくとも1種のフェノール性安定剤は、50ppm〜250ppmの範囲の量で存在する。
【0039】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物(リチウム−アルミニウム化合物から選択される);および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含むポリエステルポリマーを提供する。
【0040】
一態様において、少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;を含み、該ポリエステルポリマーがアンチモンを含まない、ポリエステルポリマーを提供する。一態様において、該ポリエステルポリマーはチタンを含まない。一態様において、該ポリエステルポリマーはマンガンを含まない。一態様において、該ポリエステルポリマーはホスファイト化合物を含まない。
【0041】
一態様において、
(a)(i)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、
(ii)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基、および
(iii)イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、
を含む少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
(b)少なくとも1種のリチウムアルミニウム化合物;ならびに
(c)200ppm〜300ppmのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
を含むポリエステルポリマーを提供する。一態様において、ポリエステルポリマーは、リン酸の残基を更に含む。一態様において、ポリエステルポリマーは、再加熱添加剤を更に含む。
【0042】
一態様において、
(a)(i)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、
(ii)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基、および
(iii)イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、
を含む少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
(b)少なくとも1種のリチウムアルミニウム化合物;ならびに
(c)100ppm〜200ppmのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
を含むポリエステルポリマーを提供する。一態様において、ポリエステルポリマーは、リン酸の残基を更に含む。一態様において、ポリエステルポリマーは、再加熱添加剤を更に含む。
【0043】
一態様において、
(a)(i)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、
(ii)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基、および
(iii)イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、
を含む少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
(b)少なくとも1種のリチウムアルミニウム化合物;ならびに
(c)5ppm〜100ppmのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
を含むポリエステルポリマーを提供する。一態様において、ポリエステルポリマーは、リン酸を更に含む。一態様において、ポリエステルポリマーは、再加熱添加剤を更に含む。
【0044】
加えて、本発明に従い、一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供する。一態様において、該方法は、リン酸を添加することを更に含む。
【0045】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供し、該少なくとも1種のフェノール性安定剤をプロセス流に添加する。一態様において、該少なくとも1種のフェノール性安定剤をスリップ流に添加する。
【0046】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供し、該方法は固相重合を含まない。
【0047】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、リチウム−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供する。
【0048】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供し、該ポリエステルポリマー溶融相生成物は、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基(少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%のそれら残基がテレフタル酸の残基である)、および少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基(少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%のそれら残基がエチレングリコールの残基である)を含む。
【0049】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供し、該ポリエステルポリマー溶融相生成物は、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基(少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である)、および少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基(少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である)であり、そして該ポリエステルポリマー溶融相生成物は、10モル%以下の残基(イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される)を更に含む。
【0050】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供し、該少なくとも1種のフェノール性安定剤は、ノニルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、およびブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)から選択される。
【0051】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;20ppm〜400ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供する。一態様において、50ppm〜250ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する。一態様において、100ppm〜200ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する。一態様において、5ppm〜100ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する。
【0052】
一態様において、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造するための溶融相方法は、エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ金属−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;を含んで提供し、該ポリエステルポリマー溶融相生成物はアンチモンを含まない。一態様において、該ポリエステルポリマー溶融相生成物はチタンを含まない。一態様において、該ポリエステルポリマー溶融相生成物はマンガンを含まない。一態様において、該ポリエステルポリマー溶融相生成物はホスファイト化合物を含まない。
【0053】
本発明は、以下の例によって更に説明できるが、これらの例は、例示の目的のみで含まれ、特記がない限り本発明の範囲の限定を意図しないことが理解されよう。
【0054】

例1:実験室手順の開始時に安定剤を添加
実験室内でのPETの合成は2ステップ:テレフタル酸(TPA)およびイソフタル酸(IPA)の、エチレングリコール(EG)での、Parr高圧反応器内でのエステル化;ならびに、得られるオリゴマーの重合;からなる。
【0055】
ステップ1)エステル化:2リットル反応容器(ステンレススチール製)に、TPA、IPA(PTAに対して2モル%)およびEGを入れ、そして窒素でパージした。トリメチルアンモニウムヒドロキシドを、ジエチレングリコール(DEG)抑制剤として添加した。
【0056】
加熱、撹拌、および圧力は、全て分散制御システムによって制御した。容器は、次いで、常時撹拌しながら40psi窒素下で245℃に加熱した。反応が進行するに従い、水を反応器から除去し、そして受入フラスコ内で収集した。反応の程度は、除去される水の質量で観測した。
【0057】
完了時に、圧力を大気圧まで下げた。溶融オリゴマーを、次いで、容器の底部から抜き出した。幾つかの物質は、小さな円形アルミニウムパン内で収集した。色測定は、この物質上で以下の様式で行った。HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計は、D65発光光源を用いて10°の観測角および積算球面幾何学で操作した。HunterLab UltraScan XE(登録商標)分光光度計を制御して、ゼロ化、規格化、UVキャリブレート、および照合をした。色測定を、反射率(RSIN)モードにおいて、反射ポートに置いたオリゴマーサンプルで行った。表1〜3は、製造したオリゴマーの原料用量、反応パラメータ、および分析結果をそれぞれ列挙する。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
ステップ2)重合:固体オリゴマー(113g)を細分化し、そして500mL丸底フラスコに、触媒(LiOH(2250ppmLi)およびアルミニウムイソプロポキシド(3000ppmAl)をEG中に含有する0.40gの溶液)とともに装填する。フラスコに、ステンレススチールパドルスターラーを取付け、そして反応を、下記表4に列挙するパラメータに従って開始させた。温度、減圧、およびかき混ぜ撹拌は、全て分散制御システムによって制御した。リン酸(20mg)を、重合の終了時に添加した(表4、プロセス段階9を参照のこと)。
【0062】
重合シーケンスが完了した時点で、熱を取り除き、そしてポリマーを結晶化させた。結晶化時に、ポリマーをWileyミル中で粉砕した。全ての更なる試験は、この粉砕した物質上で実施した。表5は最終ポリマーデータを含む。
【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
安定性試験:上記プロセスの各々によって調製したPETサンプルの安定性は、以下の様式で試験した。PETサンプルを粉砕して、3mmスクリーンを通過するようにした。粉砕した物質を、次いで、USA Standard Testing Sieves Nos.8および16で篩って微粉を除去し、粒子サイズ1.2〜2.4mmを試験用に得た。約40gのPETをガラスチャンバー(これは、1−オクタノールを還流させて約196℃で維持した)内に注ぎ入れた。乾燥エアを、強制的に顆粒経由で12scfhの量で、プロセス全体を通じて上向きに通し、そしてペレット温度は192〜193℃と測定された。サンプルをチャンバーから種々の時間間隔で抽出して、インヘレント粘度(「IV」)測定を行って、IV損失を時間の関数として評価した。
【0066】
図1は、対照BをサンプルBと24時間に亘って比較したときのIVの相違を示す。
【0067】
図2は、対照CをサンプルCと24時間に亘って比較したときのIVの相違を示す。
【0068】
例2:連続プロセスにおいてエステル化後に安定剤を添加
Irganox 1010を連続TPA系重合プロセスに添加した。Irganox 1010は、エステル化と前重合との間のプロセス時点で、エチレングリコール中でスラリーとして添加した。Irganox 1010の目標レベルは1400ppmであった。TPA/IPA/EGのスラリーのモル比は、1.0/0.02/1.5であった。エステル化は、270℃および25psigで行った。前重合は、2段階で275℃から285℃まで、および僅かな陽圧から約100mm減圧まで、で行った。最終重合は、280〜290℃および約2mm減圧で行った。リン酸(Pとして50ppm)は、目標IVが得られた時点で添加し、そして減圧を取り除いた。得られるPETのIVは、0.80dL/gであった。
【0069】
図3は、サンプルと同じプロセスによって形成し同じ組成を有する(対照サンプルについては、出発IVが0.73dL/gであるが)がIrganoxなしの対照と、1400ppmIrganox 1010を含有するサンプルとの間の、24時間に亘るIVの相違を示す。
【0070】
より低レベルのIrganox 1010もまた、この連続プロセスにおいて二軸押出機内で285℃にて製造したPET(1400ppmIrganox 1010を含有)と、同じプロセスであるがIrganoxなしで形成したPETとをブレンドすることによって調べた。このプロセスによって調べたレベルは:1400ppm,1050ppm,700ppm,350ppm,250ppm,200ppm,150ppm,100ppm,50ppm,25ppm,12.5ppm,および6ppmであった。図4から、Irganox 1010がPETの分解速度を遅くすることが明らかである。線の傾きは分解速度の指標である。全ての線は、Irganoxなしでの線よりも急速でない分解を示す(6ppm Irganoxを表す線を除く)。よって、12.5ppm Irganoxでも、本発明において記載するPETの分解の速度を低減するのに有効である。
【0071】
例3:安定剤を中間相で添加
PETオリゴマーは、例1、表1および2において対照Aについて説明したように調製した。オリゴマー(102.9g)を、次いで、500mL丸底フラスコ(窒素入口および機械撹拌器を備える)内に入れた。リチウム−アルミニウム触媒混合物(LiOH(2300ppmLi)およびアルミニウムイソプロポキシド(3000ppmAl)をエチレングリコール中に含有する0.40gの溶液)および0.12gのIrganox 1010をフラスコに添加した。全ての重合は、分散制御システムを用い、下記表6に示す条件下で行った。最終ポリマーの目標レベルは、9ppmLi、12ppmAl、および1200ppm Irganox 1010(サンプルD)であった。第2の重合は、リン酸を重合終点付近で、目標レベル100ppm(サンプルE)で添加した(表6、段階10)ことを除いて同じ条件下で行った。第3の重合を完了させ、ここでIrganox 1010をオリゴマーに添加し、目標800ppmとし、そしてリン酸を重合終点付近(表6、段階10)で添加し、そしてP目標レベル40ppm(サンプルF)であった。各重合の前に、フラスコおよび内容物を窒素でパージした。窒素の0.4scfhでの定常掃引を、減圧の適用前に、10分間の溶融相の間に亘って維持した。
【0072】
【表6】

【0073】
ポリマーを、続いて粉砕し、そして分析試験に供した。得られたPETポリマーについてのデータを表7〜10に示す。PET中のヘイズ値は、Hach Ratio Turbidimeterを用いて測定した。ヘイズは、比濁法によって測定した。2.3グラムのサンプルを、30mLの溶媒(30%ヘキサフルオロイソプロパノール、70%塩化メチレン)中に溶解させ、そして8ドラムバイアル中に入れた。バイアルをキャップし、そしてスピンしているホイール上でスピンさせて24時間撹拌した。バイアル中の溶液を、次いで、直接Hach Ratio Turbidimeterにおいて読んだ。光のビームを試験サンプルに通すように向けた。検出器を置いて90度の光散乱、前方散乱光およびサンプルを透過したその光を測定した。90度検出器の他の2つの検出器の合計に対する出力比を電子的に調節することによって、優れた線形性および色の排除が達成された。光学系の設計により迷光は無視できる程度になる。
【0074】
ジエチレングリコール(DEG)質量パーセントは、約0.15gのポリマーサンプルをアルコール性KOHおよびピリジンで加水分解することによって評価した。サンプルを、次いで、中和およびシリル化(BSTFA(N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセタミド)で)し、そしてガスクロマトグラフ(Hewlett−Packard 6890または同等物)で、ノニルアルコールを内部標準として用いて分析した。
【0075】
Li、AlおよびPについての分析は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−OES)によって行った。
【0076】
【表7】

【0077】
【表8】

【0078】
【表9】

【0079】
【表10】

【0080】
図5は、表8〜10からのプロットしたIVデータを示す。
【0081】
例4:安定剤を重合段階の終点で添加
PETは、例2中に記載するような連続プロセスにおいて、例2で与える条件下であるが、プロセス終点でのリン酸の添加なしで、そしてIrganox 1010の添加なしで、製造した。約100gのPETを、次いで、減圧下で1晩完全に乾燥させ、そして窒素下で所望量のIrganox 1010(表11参照)とともにフラスコ中に入れた。フラスコは、機械撹拌器を備えており、278℃の溶融金属浴中に沈めた。PETを、撹拌なしで45分間溶融させた。その後、遅い撹拌(約10rpm)を開始して、ペレットの溶融を完了させた。リン酸(0.008g(サンプルG中)および0.016g(サンプルH中))を、溶融が完了した時点で添加した。撹拌速度を徐々に30rpmまで5分間かけて増大させ、そして撹拌を10分間続けた。得られるブレンド物のサンプルを粉砕して分析に供した。結果は表11〜13にある。
【0082】
【表11】

【0083】
【表12】

【0084】
【表13】

【0085】
図6は、表12〜13からのプロットしたIVデータを示す。
【0086】
例5:追加の安定剤
Irganox 1010以外のフェノール性化合物は、PETを分子量低下に対して安定化させることが示されている。これらの化合物は、例2で記載するような連続相プロセス(しかしプロセス後期でのリン酸の添加およびIrganox 1010の添加は行わなかった)において製造されるPETをブレンドすることによって試験した。BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、ビタミンEおよびノニルフェノールを以下の手順を用いてブレンドした:PET(100g)を24時間110℃にて減圧下で乾燥させ、50分間278℃にて溶融させ、次いで、別個に、BHT、ビタミンEおよびノニルフェノールと、10分間30rpmにて丸底フラスコ中でブレンドした。これらの化合物の全ては、PETにおける空気中192℃での分子量損失を劇的に低減する能力を示した(図7に示す通りである)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および
5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;
を含む、ポリエステルポリマー。
【請求項2】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤が、ノニルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、およびブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)から選択される、請求項1に記載のポリエステルポリマー。
【請求項3】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤が、200ppm〜300ppmの範囲の量で存在する、請求項1に記載のポリエステルポリマー。
【請求項4】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤が、100ppm〜200ppmの範囲の量で存在する、請求項1に記載のポリエステルポリマー。
【請求項5】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤が、5ppm〜100ppmの範囲の量で存在する、請求項1に記載のポリエステルポリマー。
【請求項6】
該少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物が、リチウム−アルミニウム化合物から選択される、請求項1に記載のポリエステルポリマー。
【請求項7】
(a)(i)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、
(ii)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基、および
(iii)イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、
を含む少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
(b)少なくとも1種のリチウムアルミニウム化合物;ならびに
(c)200ppm〜300ppmのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
を含む、ポリエステルポリマー。
【請求項8】
(a)(i)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、
(ii)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基、および
(iii)イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、
を含む少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
(b)少なくとも1種のリチウムアルミニウム化合物;ならびに
(c)100ppm〜200ppmのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
を含む、ポリエステルポリマー。
【請求項9】
(a)(i)少なくとも1種のカルボン酸成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がテレフタル酸の残基である、少なくとも1種のカルボン酸成分の残基、
(ii)少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基100モル%基準で少なくとも90モル%の残基がエチレングリコールの残基である、少なくとも1種のヒドロキシル成分の残基、および
(iii)イソフタル酸の残基、ナフタレンジカルボン酸の残基、ジエチレングリコールの残基、1,4−シクロヘキサンジオールの残基、およびその誘導体の残基から選択される10モル%以下の残基、
を含む少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
(b)少なくとも1種のリチウムアルミニウム化合物;ならびに
(c)5ppm〜100ppmのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
を含む、ポリエステルポリマー。
【請求項10】
少なくとも1種のポリエチレンテレフタレートポリエステル;
少なくとも1種のアルカリ金属−アルミニウム化合物;および
5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤;
を含む少なくとも1種のポリエステルポリマーを含む、物品。
【請求項11】
ボトル、プレフォーム、ジャー、またはトレーである、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
該少なくとも1種のポリエステルポリマーが、少なくとも1種のポリエステルポリマー溶融相生成物である、請求項10に記載の物品。
【請求項13】
エチレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体から選択される少なくとも1種のグリコールと、テレフタル酸およびテレフタル酸の誘導体から選択される少なくとも1種の酸と、を含むスラリーを形成すること;
5ppm〜800ppmの少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加すること;ならびに、
該少なくとも1種のグリコールと該少なくとも1種の酸とを、アルカリ−アルミニウム触媒から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で反応させること;
を含む、ポリエステルポリマー溶融相生成物を製造する溶融相方法。
【請求項14】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤をプロセス流中に添加する、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項15】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤をスリップ流に添加する、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項16】
固相重合を含まない、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項17】
該少なくとも1種の触媒が、リチウム−アルミニウム触媒から選択される、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項18】
該少なくとも1種のフェノール性安定剤が、ノニルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、およびブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)から選択される、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項19】
200ppm〜300ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項20】
225ppm〜275ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項21】
100ppm〜200ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する、請求項13に記載の溶融相方法。
【請求項22】
5ppm〜100ppmの該少なくとも1種のフェノール性安定剤を添加する、請求項13に記載の溶融相方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−510154(P2011−510154A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544305(P2010−544305)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/000103
【国際公開番号】WO2009/094102
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】