説明

ポリエステル重縮合用触媒、その製造方法およびポリエステルの製造方法

【課題】チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩及びリン化合物を用いたポリエステルの製造時における分割添加の問題がなく、反応性に優れ、しかも得られるポリエステルの色調が良好となる液状ポリエステル重縮合用触媒、その製造方法、及び、該触媒を用いたポリエステル樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】アルコール、アルカリ金属のカルボン酸塩、酸性リン酸エステル化合物及びチタン化合物を混合することにより得られる液状ポリエステル重縮合用触媒、その製造方法及び該液状ポリエステル重縮合用触媒を用いたポリエステルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル重縮合用触媒、詳しくはチタン原子、アルカリ金属原子、リン原子を含むポリエステル重縮合用液状触媒、その製造方法および該重縮合触媒を用いてポリエステルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートは、化学的、物理的性質に優れていることから、ボトル等の容器、フィルム、シート、繊維等の各種用途に広範囲に使用されている。一般に、ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとをエステル化反応若しくはエステル交換反応、及び溶融重縮合反応を経て、更に必要に応じて、特に容器用においては固相重縮合反応させることにより製造される。そして、その重縮合反応にはアンチモン、ゲルマニウム、チタン等の化合物が重縮合用触媒として使用されている。
【0003】
しかし、アンチモン化合物を触媒として得たポリエステルにおいては、特有のくすみを有することや、アンチモン化合物において懸念されている安全衛生性、環境への配慮等の点から、アンチモン化合物の使用量を低減化すること、或いはそれらに代わる重縮合触媒の出現が強く望まれていた。また、ゲルマニウム化合物を触媒として得たポリエステルにおいては、透明性や安全衛生性等の面では好適であるものの、ゲルマニウム化合物自体が極めて高価であり経済的不利が避けられない等の点から、ゲルマニウム化合物についても、使用量を低減化すること、或いはそれらに代わる重縮合触媒の出現が強く望まれていた。
【0004】
一方、チタン化合物は、安価で、安全衛生性等への懸念もないことから注目され、アンチモン化合物やゲルマニウム化合物の代わりに使用されるに至っているが、チタン化合物を触媒としたポリエステルは、特有の黄味を有し、更に、熱安定性が劣る等品質上の欠点があった。
これに対し、特許文献1にはチタン化合物、マグネシウム化合物、リン化合物のそれぞれを、個別にエチレングリコール溶液とし、分割して特定の割合で添加することで、品質の優れたポリエステルを製造する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、それぞれの化合物に応じ少なくとも3つの独立した触媒添加装置が必要となり、従来のアンチモン触媒などのポリエステル製造設備の転用が容易ではなく、新たな設備の増設が必要となるため更に投資が必要となり、経済的に不利である。
【0005】
また、特許文献2には、エチレングリコール中などにチタン原子と周期表2A族金属原子を含んだ均一溶液触媒が開示されている。該文献には、この均一溶液触媒の濁度を低く安定にすることを目的として、この溶液を酸性にするために、溶液に有機酸、無機酸を加えることが開示されている。しかしながら、ポリエステル製造反応時には、通常、安定化剤としてリン化合物が添加使用されるが、該文献ではリン化合物をこの均一溶液触媒に添加することは全く開示されていないので、ポリエステル製造時には別途リン化合物を安定化剤として添加する必要がある。
また、特許文献3では、チタン化合物、ナトリウム水酸化物、リン化合物、エチレングリコールからなる液状触媒が開示されている。しかしながら、我々が検討したところ、本触媒は重縮合活性が低く、実用性に欠けることが判明した。
従って、重縮合反応への一括(一液)での添加が可能であり、重縮合活性が高いポリエステル重縮合用触媒が望まれていた。
【特許文献1】特開2004−124068号公報
【特許文献2】特開2004−292803号公報
【特許文献3】特開2005−97579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、チタン原子、アルカリ金属原子、及びリン原子を同一触媒内に含み、重縮合反応の触媒活性が高いポリエステル重縮合用触媒、及びその製造方法を提供すること、並びにこの触媒を用いたポリエステルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、アルコールと、チタン化合物、アルカリ金属化合物、及びリン化合物を混合させてポリエステル重縮合用触媒を得るに当たり、アルカリ金属化合物として特定のアルカリ金属カルボン酸塩を用いることにより、重縮合反応で得られるポリエステルの黄色味が少なく、重縮合反応の触媒活性が高くなることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明の要旨は、アルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物とを混合して得られることを特徴とするポリエステル重縮合用液状触媒に存し、他の要旨は、炭素数1〜8の1価及び/または2価のアルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物を混合する工程(A)を有するポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法に存する。
また、更なる要旨は、ジカルボン酸成分とジオール成分とから重縮合反応によりポリエステルを製造する方法において、重縮合用触媒として上記該ポリエステル重縮合用液状触媒を用いることを特徴とするポリエステルの製造方法に存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明による、チタン原子、アルカリ金属原子、及びリン原子を同一触媒内に含む液状触媒は、重縮合反応への一液での添加が可能な重縮合反応の触媒活性も高いポリエステル重縮合用触媒であり、該触媒を用いることにより、色調b値に優れた高品質のポリエステルを効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
なお、本明細書中において、「ppm」や「%」は、「モルppm」「モル%」等と特記する場合を除き、「重量ppm」、「重量%」を意味する。
【0011】
<ポリエステル重縮合用触媒>
本発明のポリエステル重縮合用液状触媒は、アルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物を混合して得られる液状触媒である。
【0012】
本発明における液状触媒とは、アルコールを媒体とした、金属の固体状加水分解物などの固体を実質的に含まない液体状の触媒を指す。本発明の液状触媒が実質的に固体を含
まないことは、該液状触媒を光路長10mmのセルに入れて測定したときのヘーズ(濁度
)が20%以下であることにより示される。
【0013】
本発明の重縮合用液状触媒の製造に使用されるアルコールは、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物とを混合して均一液を生成するアルコールであり、炭素数1〜8の1価及び/または2価のアルコールが好ましい。中でも、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等のポリエステルの構成成分となる2価の脂肪族アルコールが好ましく用いられ、特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0014】
また、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等の1価のアルコールも、化合物の溶解性や取り扱いの簡便さから、用いることができる。触媒液の調製時に用いられる1価のアルコールとしては、2価のアルコールより沸点が低いものが好ましく、特にチタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、酸性リン酸エステル化合物の溶解性が高く、沸点が低く除去しやすいことから、エタノールが好ましい。1価及び/又は2価のアルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
本発明の重縮合用液状触媒に使用されるチタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、アセチル−トリ−i−プロピルチタネートなどのテトラアルキルチタネート、酢酸チタン等が挙げられ、中でも、アルキルチタネートが好ましく、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネートがより好ましく、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートが更に好ましく、テトラ−n−ブチルチタネートが特に好ましい。これらのチタン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
本発明の重縮合用液状触媒にはアルカリ金属のカルボン酸塩が用いられる。中でも、アルカリ金属の酪酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩またはその水和物が好ましく用いられ、特に酢酸塩またはその水和物が好ましく使用される。具体的には酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酪酸リチウム、プロピオン酸リチウム、酪酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムまたはその水和物が好ましく使用され、中でも酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたはその水和物が好ましく、特に酢酸リチウムまたはその水和物が得られるポリエステル樹脂の色調及び固相重縮合活性の観点から好ましい。アルカリ金属のカルボン酸塩またはその水和物は1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用して用いてもよい。
【0017】
酸性リン酸エステル化合物は下記式(I)及び/または(II)の構造で示される、少なくとも1個の水酸基を有するリン酸のエステル構造を有するものが好ましい。

RO−P(=O)−OR’ (I) R”O−P(=O)−OH (II)
| |
OH OH
(式中、R、R’及びR”は、各々独立に炭素数1〜8のアルキル基、又はシクロヘキシル基、アリール基を表し、各々は同一であっても異なっていてもよい。)
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。アリール基としては具体的にはフェニル基等が挙げられる。
【0018】
また、このような酸性リン酸エステル化合物の具体例としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有する酸性リン酸エステル化合物が挙げられ、なかでもエチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェートが好ましい。酸性リン酸エステル化合物には、モノエステル体とジエステル体があるが、その混合物が特に好ましい。モノエステル体とジエステル体の混合重量比は、80:20〜20:80の範囲が好ましく、更に好ましくは、30:70〜70:30、特に好ましくは、40:60〜60:40の範囲である。これらの酸性リン酸エステル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
本発明の液状触媒は、更に脂肪族カルボン酸を含むことができる。脂肪族カルボン酸を含むことにより液状触媒から金属成分などが析出するのを抑制することができる。脂肪族カルボン酸として具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪族飽和モノカルボン酸、乳酸などのヒドロキシ脂肪族飽和モノカルボン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、グルタル酸、リンゴ酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸及びそれらの無水物、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸及びそれらの無水物、トリカルバリル酸等の脂肪族多価カルボン酸及びそれらの無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸及びそれらの無水物等があげられる。中でも、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸が好ましく、触媒の安定性に特に効果が認められるクエン酸が好ましく使用できる。
【0020】
本発明の液状触媒に含まれるチタン化合物とアルカリ金属のカルボン酸塩とのモル比Ti/M(原子換算)、チタン化合物と酸性リン酸エステル化合物とのモル比Ti/P(原子換算)及びアルカリ金属化合物のカルボン酸塩と酸性リン酸エステル化合物とのモル比M/P(原子換算)がそれぞれ下記式(1)〜(3)を満足することが好ましい。
0.5≦Ti/M≦1.5 (1)
0.5≦Ti/P≦1.5 (2)
0.25≦M/P≦2.0 (3)
式(1)のTi/Mの下限は0.75が更に好ましく、上限は1.2が更に好ましい。又、式(2)のTi/Pの下限は0.75が更に好ましく、上限は1.2が更に好ましい。一方、式(3)のM/Pの下限は0.5が更に好ましく、上限は1.5が更に好ましい。
【0021】
Ti/Mが1.5超過では重合活性が不十分であり、0.5未満では活性が低下する傾向となる。Ti/Pが1.5超過では得られるポリエステル樹脂の熱安定性が悪い場合があり、0.5未満では重合活性が不十分である。M/Pが2.0超過では触媒の安定性が不十分となりやすく、触媒金属が析出する傾向となり、他方0.25未満では重合活性が不十分となりやすい。
【0022】
<重縮合用液状触媒の製造方法>
次に、本発明のポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法を説明する。本発明の重縮合用液状触媒は、アルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物を混合し溶解させることによって製造することができる。
【0023】
本発明の液状触媒をより効率的に製造する方法の代表例としては、まず、1価のアルコールに、触媒成分としてのチタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、酸性リン酸エステル化合物の各化合物を溶解させ、この溶液から1価アルコールを留去して溶液の流動性が維持できる程度にまで濃縮を行い、必要に応じて、この濃縮した溶液に1価のアルコールよりも沸点の高い炭素数2〜8の2価のアルコールを混合した後、残留する1価のアルコール及び低沸成分を留去して除去する方法が挙げられる。この方法は、2価のアルコールとしてエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等のポリエステルの構成成分となる2価のアルコールを用いた液状触媒とする場合に特に有効である。この場合、触媒の使用態様によっては、これらの化合物を1価のアルコールに溶解した溶液を濃縮せず、2価のアルコールを添加することも出来る。
【0024】
本発明で、炭素数1〜8の1価及び/または2価のアルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物を混合する工程を[工程(A)]とし、少なくとも1価アルコールと1価アルコールよりも沸点の高い炭素数2〜8の2価のアルコールを含有する混合溶液から、1価のアルコールを除去する工程を[工程(B)]とする。
【0025】
本発明において、アルカリ金属のカルボン酸塩が酢酸リチウムまたはその水和物であり、酸性リン酸エステル化合物がジブチルフォスフェート、ジエチルホスフェート、及びモノエチルホスフェートから選ばれる少なくとも1つであり、かつチタン化合物がテトラブチルチタネートであるポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法が好ましい。
以下に本発明の好ましい製造方法の一例として、1価アルコールとしてエタノール、2価アルコールとしてエチレングリコール、チタン化合物としてテトラ−n−ブチルチタネート、アルカリ金属のカルボン酸塩として酢酸リチウム・二水和物、酸性リン酸エステル化合物としてエチルアシッドフォスフェート(モノエチルホスフェートとジエチルホスフェートの重量比0.82:1)を用いる場合の、本発明のポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法をより具体的に説明する。
【0026】
本発明の液状触媒は、以下の(a)〜(c)工程を経て製造される。
(a):エタノールに酢酸リチウム・二水和物、エチルアシッドフォスフェート、及びテトラ−n−ブチルチタネートを混合、溶解し均一溶液とする工程、
(b):工程(a)で得られた均一溶液にエチレングリコールを加えて混合し、均一液とする工程
(c):工程(b)で得られた均一液からエタノール、低沸物などを留去し、触媒液中のアルコールの主成分がエチレングリコールである液状触媒を得る工程。
【0027】
触媒液中における触媒活性成分の濃度は、得られた液状触媒が使用しやすい濃度を適宜選べばよい。例えば液状触媒をそのままポリエステル反応に使用する場合はかなり希薄
であってもよく、また液状触媒を長期保管あるいは長距離輸送する場合はかなり高濃度を選ぶとよい。長期保存する際の触媒液中のチタン濃度はチタン原子としては通常1〜6重量%であり、好ましくは、3〜5重量%であり、更に好ましくは3.5〜4.5重量%である。チタン濃度が上限より高濃度であると、触媒液の粘性が高くなり、ポンプによる移送が困難となる場合がある。
【0028】
また、脂肪族カルボン酸を使用する場合には、該カルボン酸は上記工程(a)〜(c)のどの工程で添加してもよい。各工程における液の温度は、通常100℃以下、好ましくは60℃以下に制御される。
【0029】
工程(c)から得られた液状触媒は密閉した容器中で保存することが好ましく、特に室温で、窒素等の不活性ガスで容器内を置換後、密閉した状態での保存が好ましい。このような不活性ガス雰囲気の条件であれば1年間以上の保存も可能である。
【0030】
本発明のポリエステル重縮合用液状触媒において、アルコールの主成分がエチレングリコールである触媒液のpHは、通常7.0以下、2.0以上、好ましくは6.5以下2.5以上、更に好ましくは6.0以下3.0以上である。pHが7.0を超えると金属が析出し易い傾向となり、pH2.0未満では、長期間保存した場合、触媒がゲル状態に変質する場合があり、また装置の腐食を招く場合があるので好ましくない。
【0031】
また、本発明の重縮合用液状触媒が、主成分としてエチレングリコールを含み、長期保存が必要とされる場合には、少量の水を含んでいることが好ましい。この場合、好ましい水分含量としては、重縮合用触媒液全体に対する重量濃度として、10重量%以下が好ましく、更に好ましくは5重量%以下、特には1.5重量%以下が好ましい。また、0.01重量%以上が好ましく、更に好ましくは0.1重量%以上、特には0.5重量%以上が好ましい。水分含量が上記上限を超えると、チタン化合物が水と反応することによりゲル化して均一溶液が得にくい傾向となり、他方、0.01重量%未満であると得られる重縮合用触媒液を長期保存すると析出が生じ白濁しやすい傾向となるので、いずれも好ましくない。また、水は触媒液製造時に使用するエチレングリコール中に適量添加してもよいし、触媒液製造中及び/又は製造後に添加してもよい。
【0032】
<ポリエステルの製造方法>
本発明のポリエステルの製造方法には、上述の本発明のポリエステル重縮合用液状触媒を用いること以外は特に制限されず、基本的には、ポリエステルの慣用の製造方法を用
いることができる。
以下に、ポリエステルの慣用の製造方法の一例として、ポリエチレンテレフタレートの製造を例に本発明のポリエステルの製造方法を説明する。
【0033】
ポリエチレンテレフタレートの製造方法としては、具体的には、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応槽でエステル化反応させ、若しくは、エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させた後、得られたエステル化反応生成物若しくはエステル交換反応生成物であるポリエステル低分子量体を重縮合槽に移送し、重縮合用触媒の存在下に、溶融重縮合させ、更に必要に応じて固相重縮合する方法が挙げられる。また、この製造方法は連続式でも、回分式でもよく、特に制限はされない。
【0034】
ポリエステルの製造に用いられる原料のジカルボン酸成分及びジオール成分としては、該ジカルボン酸成分に占めるテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体の割合を80モル%以上とすることを「主成分とする」と言い、90モル%以上、更には95モル%以上、特には97モル%以上とするのが好ましい。また、ジオール成分に占めるエチレングリコールの割合を80モル%以上とすることを「主成分とする」と言い、90モル%以上、更には95モル%以上、特には97モル%以上とするのが好ましい。テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体がジカルボン酸成分中に占める割合、及びエチレングリコールがジオール成分中に占める割合が前記範囲未満では、得られるポリエステルの成形体としての機械的強度、ガスバリア性、及び耐熱性が低下する傾向がある。
【0035】
なお、テレフタル酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、各々のアルキル基が
炭素数1〜4程度のアルキルエステル、及びハロゲン化物等が挙げられる。また、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並びにこれらの各々のアルキル基が炭素数1〜4程度のアルキルエステル、及びハロゲン化物等が挙げられ、これらのジカルボン酸成分の1種又は2種以上が共重合成分として用いられてもよい。
【0036】
更に、エチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばジエチレングリコールが挙げられ、そのジエチレングリコールのジオール成分中に占める割合は、反応系内で副生する分も含め3モル%以下であるのが好ましく、1.5モル%以上、2.5モル%以下であるのが更に好ましい。
【0037】
また、その他のジオール成分として、例えば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環式ジオール、及び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらのジオール酸成分の1種又は2種以上が共重合成分として用いられてもよい。
【0038】
更にまた、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ヘネイコサノール、オクタコサノール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分等の1種又は2種以上が共重合成分として用いられてもよい。
【0039】
本発明において、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とする前記ジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とする前記ジオール成分、及び必要に応じて用いられる前記共重合成分とを、エステル化反応若しくはエステル交換反応させるにあたっては、これら各成分を、ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比が下限として、通常1.02、好ましくは1.03、上限として通常2.0、好ましくは1.7の範囲で用いるのが一般的である。
【0040】
なお、エステル交換反応の場合は、一般にエステル交換触媒を用いる必要があり、かつ、該触媒を多量に用いる必要があるので触媒に起因する異物の発生が生じ易いことから、本発明におけるポリエステルの製造方法としては、エステル交換反応よりも原料としてジカルボン酸を用いエステル化反応を経て製造する方法が好ましい。
【0041】
エステル化反応は、例えば、テレフタル酸とエチレングリコールとを上記モル比の範囲で混合しスラリーとし、このスラリーを単一のエステル化反応槽、又は、複数のエステル化反応槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、エチレングリコールの還流下、反応で生成する水と余剰のエチレングリコールを系外に除去しながら、エステル化率(原料ジカルボン酸成分の全カルボキシル基のうちジオール成分と反応してエステル化したものの割合)が、通常90%以上、好ましくは93%以上に達するまで行われる。また、得られるエステル化反応生成物としてのポリエステル低分子量体の数平均分子量は500〜5,000であるのが好ましい。
【0042】
エステル化反応における反応条件の例としては、単一のエステル化反応槽を用いる場合、通常200〜280℃程度の温度、大気圧に対する相対圧力を、通常0〜400kPaG(0〜4kg/cm2G)(ここでGは大気圧に対する相対圧力であることを示す)程度とし、撹拌下に1〜10時間程度の反応時間とする方法が一般的である。また、複数のエステル化反応槽を用いる場合は、第1段目のエステル化反応槽における反応温度の下限は通常240℃、好ましくは245℃、上限は通常270℃、好ましくは265℃、圧力は下限が通常5kPaG(0.05kg/cm2G)、好ましくは10kPaG(0.1kg/cm2G)、上限は通常300kPaG(3kg/cm2G)、好ましくは200kPaG(2kg/cm2G)とし、最終段における反応温度を、下限を通常250℃、好ましくは255℃、上限を通常280℃、好ましくは275℃、圧力は通常0〜150kPaG(0〜1.5kg/cm2G)、好ましくは0〜130kPaG(0〜1.3kg/cm2G)とする方法が通常用いられる。
【0043】
なお、エステル化反応においては、反応系内に例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性化合物等を少量添加しておくことにより、エチレングリコールからのジエチレングリコールの副生を抑制することができる。
【0044】
このようにして得られるポリエステル低分子量体の溶融重縮合法としては、単一の溶融重縮合槽、又は、複数の溶融重縮合槽を直列に接続した、例えば、第1段目が撹拌翼を備えた完全混合型の反応器、第2段及び第3段目が撹拌翼を備えた横型プラグフロー型の反応器からなる多段反応装置を用いて、減圧下に、生成するエチレングリコールなどを系外に留出させながら行う方法が一般に用いられる。
【0045】
溶融重縮合における反応条件の例としては、単一の重縮合槽を用いる場合、通常250〜290℃程度の温度、常圧から漸次減圧として、最終的に、絶対圧力を、通常1.3〜0.013kPa(10〜0.1Torr)程度とし、撹拌下に1〜20時間程度の反応時間とする方法が一般的である。また、複数の重縮合槽を用いる場合の一例としては、第1段目の重縮合槽における反応温度を、下限は通常250℃、好ましくは260℃、上限は通常290℃、好ましくは280℃、反応圧力を絶対圧力で、上限を通常65kPa(500Torr)、好ましくは26kPa(200Torr)、下限を通常1.3kPa(10Torr)、好ましくは2kPa(15Torr)とし、最終段における反応温度を、下限は通常265℃、好ましくは270℃、上限は通常300℃、好ましくは295℃、反応圧力を絶対圧力で、上限を通常1.3kPa(10Torr)、好ましくは0.65kPa(5Torr)、下限を通常0.013kPa(0.1Torr)、好ましくは0.065kPa(0.5Torr)とする方法が挙げられる。更に、中間段を用いる場合の反応条件としては、上記条件の中間の条件が選択され、例えば、3段反応装置における第2段の反応条件の一例として、反応温度を、下限は通常265℃、好ましくは270℃、上限は通常295℃、好ましくは285℃、反応圧力は絶対圧力で、上限は通常6.5kPa(50Torr)、好ましくは4kPa(30Torr)、下限は通常0.13kPa(1Torr)、好ましくは0.26kPa(2Torr)とする方法が挙げられる。
【0046】
なお、従来法では通常重縮合反応開始以前の段階でリン化合物を添加することが多いが、本発明の触媒液はリン化合物であるリン酸ジエステル化合物を予め含んでいるので、別途リン化合物を添加せずに重縮合反応を行うこともできる。ただし、本発明の方法はリン化合物の添加をなんら排除するものではない。
【0047】
本発明のポリエステル重縮合用液状触媒の反応系への添加は、前記ジカルボン酸成分とジオール成分の混合、スラリー調製段階、前記エステル化反応の任意の段階、又は、溶融重縮合の初期の段階のいずれであってもよい。しかし、高品質のポリエステルを高反応速度で製造するという本発明の効果を有効に発現するためには、本発明のポリエステル重縮合用触媒の反応系への添加をエステル化反応においてエステル化率が90%以上となった段階以降に行うのが好ましく、実質的にエステル化工程が終了した後、溶融重縮合工程の初期の段階までの間、特には溶融重縮合開始前までに添加するのがより好ましい。中でも、多段反応装置における最終段のエステル化反応槽、又は、エステル化槽から溶融重縮合工程への移送段階のエステル化反応生成物に添加するのが好ましい。エステル化率が90%未満の段階で重縮合用触媒を添加すると、未反応のカルボン酸によって重縮合用触媒が失活し、重縮合速度が低下する場合があり好ましくない。
【0048】
本発明のポリエステル重縮合用液状触媒は、製造するポリエステルの主原料ジオール成分、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオールで希釈して添加することができる。本発明のポリエステル重縮合用触媒は、得られるポリエステル中の触媒由来のチタン濃度が、チタン原子換算で通常0.1〜200ppm、好ましくは0.5〜100ppm、より好ましくは3〜50ppm、更に好ましくは4〜20ppmの範囲で使用される。
【0049】
本発明の方法により、上記のような溶融重縮合により得られるポリエステルを繊維、フィルムなどの成形体原料に使用する場合、そのポリエステルの固有粘度(〔η1〕)は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として30℃で測定した値として、下限は通常0.35dL/g、好ましくは0.50dL/g、上限は通常0.75dL/g、好ましくは0.65dL/gである。固有粘度(〔η1〕)が前記範囲未満では、繊維、フィルムなどの成形品の機械物性が不十分になることがあり、前記上限超過では成形性が悪化する場合がある。
【0050】
前述のような溶融重縮合により得られたポリエステルは、通常、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断してペレット状、チップ状等の粒状体とするが、更に、ボトル用などの原料としてはこの溶融重縮合後の粒状体を、固相重縮合して高重合度となし、含有するアセトアルデヒド、オリゴマーなどの量を低減させるのが好ましい。
【0051】
固相重縮合の方法としては、従来公知の例えば、特開2004−292803号公報の段落[0057]から[0065]に記載されているような方法を採用することができる。
例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、又は水蒸気雰囲気下、或いは水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、通常60〜180℃、好ましくは150〜170℃の温度で加熱して樹脂粒状体表面を結晶化させた後、不活性ガス雰囲気下、及び/又は、絶対圧力1.3×10〜1.3×10Pa程度の減圧下で、通常、樹脂の粘着温度直下〜粘着温度より80℃低い温度、好ましくは粘着温度より10〜60℃低い温度で、粒状体同士が膠着しないように流動等させながら、通常50時間以下の時間で加熱処理して固相重縮合させることができる。この固相重縮合により、得られるポリエステルを更に高重合度化させ得ると共に、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化することができる。
【0052】
固相重縮合に供される溶融重縮合後のポリエステルの末端カルボキシル基量は、ポリエステル1トン当たり、通常5当量/トン以上50当量/トン以下であり、好ましくは10当量/トン以上35当量/トン以下である。この末端カルボキシル基量が上限を超える場合には、固相重縮合時の重縮合速度が低下する場合があると同時に、固相重縮合後に得られるポリエステルが加水分解を受けやすく好ましくない。逆にこの下限を下回ると固相重縮合時の重縮合速度が低下する傾向となる。この末端カルボキシル基量は、ポリエステル低分子量体の調製時におけるジカルボン酸成分とジオール成分のモル比、本発明の重縮合用液状触媒を調製するのに用いるジオール等のアルコールの量、重縮合温度等によって所望の範囲に調節することが可能である。
【0053】
本発明の方法により、上記のような固相重縮合により得られるポリエステルを成形体の原料として使用する場合、その固有粘度(〔η〕)は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として30℃で測定した値として、下限は通常0.70dL/g、好ましくは0.73dL/g、上限は通常0.90dL/g、好ましくは0.85dL/gである。固有粘度(〔η〕)が前記下限未満では、成形体としての機械的強度が低下する傾向となり、一方前記上限超過では溶融成形時にアセトアルデヒド等の副生を抑制することが困難な場合がある。
【0054】
また、前記のような溶融重縮合又は固相重縮合により得られたポリエステルに、重縮合触媒を失活させる等の目的に応じて、更に処理を加えてもよい。例えば、40℃以上の水に10分以上浸漬させる水処理、あるいは、60℃以上の水蒸気又は水蒸気含有ガスに30分以上接触させる水蒸気処理等の処理を施すことができる。
【0055】
本発明の製造方法で製造されるポリエステルを中空成形体、特にボトルの用途に使用する場合、その色調としては、JIS Z8730の参考例1に記載されるLab表色系によるハンターの色差式の色座標b値が4以下であるのが好ましく、3以下であるのが更に好ましい。b値が前記範囲超過では、ボトル等の成形体とした場合に、その色調が黄味がかる傾向となる。
【0056】
一方、フィルムや繊維に代表される他の用途、特に繊維に用いるために、後述の如く酸化チタンを添加するような場合には、b値が12以下、特に10以下であるのが、できあがった繊維の色調の面で好ましい。なお、色座標b値を前記範囲とするために、所謂、有機系調色剤を添加してもよく、その有機系調色剤としては、例えば、ソルベントブルー104、ソルベントレッド135、ソルベントバイオレット36、ピグメントブルー29、同15:1、同15:3、ピグメントレッド187、同263、ピグメントバイオレット19等の染顔料等が挙げられる。
【0057】
また、本発明の重縮合用液状触媒は、特に繊維用などの、顔料として酸化チタンを含有させるポリエステルを製造するための触媒としても好適に用いられる。酸化チタンを含有するポリエステルは、エステル化反応から重縮合反応までのいずれかの時点で、酸化チタンを、例えばエチレングリコールスラリーとして添加することにより製造できる。
しかし、酸化チタンを本発明の重縮合用液状触媒と混合して添加すると重縮合用触媒の活性が低下する傾向となるので好ましくなく、重縮合用触媒と酸化チタンとは別個に添加するほうが好ましい。重縮合用触媒と酸化チタンを混合すると、重縮合用触媒としての活性を有するチタン化合物成分が、酸化チタンの表面に吸着されるため、重縮合反応の活性が低下するものと考えられる。
【0058】
酸化チタンを添加する場合、ポリエステルの劣化を防止する助剤、安定剤を併用することもできる。このような助剤、安定剤としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル類、メチルアシッ
ドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート等の酸性リン酸エステル類、及びリン酸、亜リン酸、ポリリン酸等のリン化合物を使用することができる。
【0059】
上記助剤及び安定剤の添加時期は、原料スラリー調製時やエステル化工程の任意の段階あるいは溶融重縮合工程の初期に供給することが好ましい。助剤、安定剤としてリン化
合物を使用する場合は、重合系内のチタン化合物及びアルカリ土類金属化合物と全リン化合物のモル比(原子換算)が前記式(1)〜(3)を満たすように調製する。通常、安定剤としてのリン原子の濃度は、全重縮合原料に対して通常1〜1000ppmの範囲で用いられるが、3〜30ppmの範囲が色調の改善、重合活性及び得られるポリエステルの熱安定性の改善の観点から好ましい。
【0060】
本発明の製造方法により製造されるポリエステル、特に固相重縮合を経たポリエステルは、例えば、射出成形や押出成形によってプリフォームに成形した後、延伸ブロー成形することによって、ボトル等の中空成形容器に成形することができるが、本発明のポリエステルを原料としたプリフォームは延伸ブロー成形時の成形性が良好である。即ち、成形によって得られるプリフォームは成形直後に延伸ブロー成形される場合もあるが、成形したプリフォームを一定時間或いは不特定時間保管した後ブロー成形される場合もある。この時、通常のボトル用ポリエステルから得られるプリフォームは保管時間の経過とともに吸湿し、結晶化速度が速くなる(昇温結晶化温度Tc1が低下する)ため、保管後のプリフォームを用いて延伸ブロー成形した際には、プリフォームの加熱工程でプリフォームが結晶化し易く透明なボトルが得にくくなる。これに対し、本発明のポリエステルを用いたプリフォームは、吸湿によるTc1の低下が少ないため、保管後のプリフォームを用いて延伸ブローを行う場合でも、透明なボトルが成形できるプリフォームの加熱温度範囲が広く、安定な延伸ブロー成形ができる。
【0061】
また、本発明のポリエステル重縮合用液状触媒を用いて製造された本発明のポリエステルは、例えば押出成形によってシート状の予備成形体とした後、真空成形或いは圧空成形することによって中空成形容器や皿状容器に成形することができ、特に予備成形体の真空成形或いは圧空成形時の成形性が良好である。通常、シート状予備成形体は保管時に吸湿するので成形時の結晶化速度が速くなり、そのため予備成形体はその加熱工程で結晶化しやすく透明な中空成形容器等が得難くなっていた。これに対し、本発明のポリエステルを用いた予備成形体は、吸湿によるTc1の低下が少ないため、保管後の予備成形体を用いて真空成形或いは圧空成形を行う場合でも、透明な中空成形容器等が得られる予備成形体の加熱温度範囲が広く、安定して中空成形容器等を成形することができる。
【0062】
本発明のポリエステル重縮合用液状触媒を用いて製造された本発明のポリエステルは、このような中空成形容器用プリフォームや中空成形容器に限らず、各種の中空成形体、中空成形体用予備成形体、中空成形体用プリフォーム、フィルム、繊維等の成形用原料として有用であり、色調等の品質に優れた成形品を得ることができる。
【実施例】
【0063】
以下に実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、ポリエステル重縮合用液状触媒のヘーズ、得られたポリエステルの固有粘度[η]、及び色調b値は下記の方法に従って測定した。
【0064】
<ヘーズ測定方法>
日本電色社製ヘーズメーター「NDH−300A」を用い、試料を光路長10mmのセルに入れ、エタノールを対照サンプルとして23℃、50%RHで、全光線透過率[Tt(%)]、及び拡散透過率[Td(%)]を測定し、以下の式により算出した。
ヘーズ(%)=[Td/Tt]×100
【0065】
<固有粘度[η]の測定>
凍結粉砕したポリエステル試料0.25gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として、濃度(c)を1.0g/dLとして、120℃で30分間溶解させた後、ウベローデ型毛細粘度管を用いて、30℃で、原液との相対粘度(ηrel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−1から求めた比粘度(ηsp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求め、同じく濃度(c)を0.5g/dL、0.2g/dL、0.1g/dLとしたときについてもそれぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度[η](dL/g)として求めた。
【0066】
<色調b値>
重縮合反応で得られたチップ状ポリエステルを内径30mm、深さ12mmの円柱状の粉体測定用セルに充填し、測色色差計ZE−2000(日本電色工業(株))を使用して、JIS Z8730の参考例1に記載されるLab表示系におけるハンターの色差式の色差式の色座標によるカラーb値を、反射法により測定セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
【0067】
(実施例1)
<重縮合用液状触媒Aの調製>
スターラーバーを入れた100ml三角フラスコ中に酢酸リチウム・二水和物1.02g、エタノール15gを加え、室温、常圧で30分間混合・攪拌し、次にエチルアシッドホスフェート(商品名:JP-502、城北化学社製、モノエステル体とジエステル体の重量比0.82:1)1.40gを添加し10分間撹拌し、さらにテトラ−n−ブチルチタネート3.39gを加え10分間撹拌した。得られた混合液にエチレングリコール13.41gを加え、次に300mlのナスフラスコに移してエバポレーターにセットし、60℃、絶対圧力11kPaの条件でエタノール及び低沸物を留去して均一透明な触媒液を得た。溶液中の各成分の割合はTi/Li/P=1/1/1(モル比)である。
収量15.99g、Ti濃度3.0重量%、ヘーズ1.7%
【0068】
(実施例2)
<重縮合用液状触媒Bの調製>
実施例1において、酢酸リチウム・二水和物に変えて酢酸ナトリウムを0.82g用い、テトラ−n−ブチルチタネートの量を3.42gに変え、得られた混合液に加えたエチレングリコールの量を10.41gと変えた他は、実施例1と同様に触媒の調製を行い、透明で均一な触媒溶液を得た。溶液中の各成分の割合はTi/Na/P=1/1/1(モル比)である。
(収量12.57g、Ti濃度3.8重量%、ヘーズ1.0%)
【0069】
(実施例3)
<重縮合用液状触媒Cの調製>
実施例1において、酢酸リチウム・二水和物に変えて酢酸カリウムを0.98g用い、エタノールの量を17gに変え、エチルアシッドホスフェートの量を1.43gに変え、テトラ−n−ブチルチタネートの量を3.40gに変え、得られた混合液に加えたエチレングリコールの量を11.27gと変えた他は、実施例1と同様に触媒の調製を行い、透明で均一な触媒溶液を得た。カリウム溶液中の各成分の割合はTi/K/P=1/1/1(モル比)である。
(収量13.66g、Ti濃度3.5重量%、ヘーズ1.2%)
【0070】
(実施例4)
<重縮合用液状触媒Dの調製>
実施例1において、酢酸リチウム・二水和物の量を2.04gに変え、エチルアシッドホスフェートの量を2.92gに変え、エチレングリコールの量を11.37gと変えた他は、実施例1と同様に触媒の調製を行い、透明で均一な触媒溶液を得た。溶液中の各成分の割合はTi/Li/P=1/2/2(モル比)である。
(収量15.53g、Ti濃度3.1重量%、ヘーズ0.9%)
【0071】
(比較例1)
<重縮合用液状触媒Eの調製>
スターラーバーを入れた100ml三角フラスコ中に水酸化ナトリウム1.06g、エタノール20gを加え、室温、常圧で30分間混合・攪拌し、次にエチルアシッドホスフェート3.52gを添加し10分間撹拌し、更にテトラ‐n‐ブチルチタネート8.51gを加え10分間撹拌した。得られた混合液にエチレングリコール35.00gを加え、次に300mlのナスフラスコに移してエバポレーターにセットし、60℃、絶対圧力で11kPaの条件でエタノール及び低沸物を留去して均一透明な触媒液を得た。溶液中の各成分の割合はTi/Na/P=1/1/1(モル比)である。
(収量40.01g、Ti濃度3.0重量%、ヘーズ1.5%)
【0072】
(実施例5)
実施例1で得られたチタン元素、リチウム元素、リン元素を含むポリエステル重縮合用液状触媒Aを用いて重縮合反応を行った。
[原料オリゴマーの製造]
テレフタル酸ジメチル2012kg(10.4×10モル)とエチレングリコール1286kg(20.7×10モル)とをエステル化反応槽に供給して溶解後、エチレングリコールに溶解させた酢酸カルシウムを、カルシウム原子として0.20kg(エステル交換反応により得られる生成物に対して100ppm)となるように添加し、220℃に保持しつつ、生成するメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応が終了した後、このエステル化反応槽に、テレフタル酸1721kg(10.4×10モル)とエチレングリコール772kg(12.4×10モル)とをスラリー調製槽で攪拌・混合して得られたスラリーを3時間かけて連続的に移送し、常圧下、250℃でエステル化反応を行い、移送開始から4時間反応を行った後に、反応液の50%を系外へ抜き出した。
このエステル化反応槽において、前記と同様にして得られたテレフタル酸とエチレングリコールからなるスラリーを追記してエステル化反応を行い、反応液の50%を重縮合反応槽を移送する工程を、計10回繰り返して行い、エステル化反応中の酢酸カルシウムの濃度を0.5ppm以下とした。
【0073】
このようにして、実質的にエステル交換触媒成分を含有しないテレフタル酸とエチレングリコールからなるエステル化反応生成物を製造した。このエステル化反応生成物を、エステル化反応槽から重縮合反応槽に移送する途中で抜き出し、大気下で冷却・固化することにより、以下の実施例で使用する原料オリゴマーを得た。この原料オリゴマーの製造に用いられたエチレングリコールのテレフタル酸に対するモル比は、最終的に1.2となり、得られた原料オリゴマーの数平均分子量(Mn)は2280であった。
【0074】
[重縮合反応]
前記原料オリゴマーのうち、104gをトルクメータ付属攪拌装置付き重縮合反応器に移して、系内を窒素で置換した後、常圧下オイルバス(260℃一定)中でオリゴマーの溶解を行った。以下、オリゴマー溶解開始時間を0時間として時間を表記する。
60分後にオリゴマーが完全に溶解していることを確認後、50rpmで攪拌を開始、70分後に、ポリエステル樹脂中のチタン原子濃度が4ppmとなるように上記重縮合反応用触媒溶液をエチレングリコールに希釈して3ml添加した。80分後に減圧を開始し、140分後に絶対圧力で0.27kPaまで減圧した。減圧操作は圧力の対数値が時間に逆比例するように行った。重縮合反応温度は、80分から160分の間に260℃から280℃まで一定速度で昇温した。到達固有粘度が0.50〜0.60(dL/g)の範囲に入るように、表1に示す重縮合反応時間、溶融重縮合反応を行った。なお、重縮合反応時間は減圧開始から常圧に戻すまでの時間とした。
【0075】
重縮合反応終了後、攪拌を停止し、窒素にて常圧に戻し、重縮合反応器をオイルバスから取り出した。重縮合反応器をオイルバスから取り出した後、速やかに該反応器の抜き出し口を開け、窒素で系内を微加圧にすることでポリエステル樹脂を抜き出し、水冷・固化させてストランド状のポリエステルを得た。得られたポリエステルは粒子の重量が11mg/粒のチップ状に裁断された。得られたポリエステルの固有粘度は0.58dL/gであった。
【0076】
得られたポリエステルのチップ2gをアルミ箔製カップ(底部直径4.5cm、上部直径:7.0cm、深さ:5.0cm)にチップ同士が折り重ならないように並べ、内温60℃に設定されたイナートオーブン(ヤマト科学社製、I/O DN4101)中の中央部に設置した。30Nl/hの窒素流通下で、60℃から160℃まで30分で昇温させ、160℃で2時間乾燥、結晶化を行った。その後、30分かけて210℃まで昇温し、210℃で16時間固相重縮合を行った。固相重縮合終了後、30分かけて60℃まで降温した後、チップを回収した。得られたポリエステルの固有粘度は0.82dL/g、b値は9.5であった。
【0077】
(実施例6)
実施例2で得られたチタン元素、ナトリウム元素、リン元素を含むポリエステル重縮合用液状触媒Bを用いた他は、実施例5と同様の方法で192分間溶融重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.58dL/gであった。
更に、実施例5と同様の方法で固相重縮合を16時間実施した。得られたポリエステルの固有粘度は0.79dL/g、b値は9.5であった。
【0078】
(実施例7)
実施例3で得られたチタン元素、カリウム元素、リン元素を含むポリエステル重縮合用液状触媒Cを用いた他は、実施例5と同様の方法で246分間溶融重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.58dL/gであった。
更に、実施例5と同様の方法で固相重縮合を16時間実施した。得られたポリエステルの固有粘度は0.74dL/g、b値は11.0であった。
【0079】
(実施例8)
実施例4で得られたチタン元素、リチウム元素、リン元素を含むポリエステル重縮合用液状触媒Dを用いた他は、実施例5と同様の方法で360分間溶融重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.50dL/gであった。
更に、実施例5と同様の方法で固相重縮合を16時間実施した。得られたポリエステルの固有粘度は0.63dL/g、b値は9.0であった。
【0080】
(比較例2)
比較例1で得られたチタン元素、ナトリウム元素、リン元素を含むポリエステル重縮合用液状触媒Eを用いた他は、実施例5と同様の方法で重縮合反応を行ったところ、300分経過後に粘度上昇が頭打ちとなったため、重縮合反応を中止した。得られたポリエステルの固有粘度は0.53dL/g、b値は12.1であった。
【0081】
(比較例3)
触媒としてテトラ‐n‐ブチルチタネートのエチレングリコール溶液を用いた他は、実施例5と同様の方法で210分間溶融重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.58dL/gであった。
更に、実施例5と同様の方法で固相重縮合を16時間実施した。得られたポリエステルの固有粘度は0.80dL/g、b値は13.0であった。
以上の重縮合反応の結果を表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
表1において、[η]m及び[η]sは、各々、溶融重縮合後の固有粘度、及び固相重縮合後の固有粘度である。また、Ksは固相重合反応時間16時間における固有粘度の平均上昇速度であり、
Ks={[η]s−[η]m}/16
で示される。
表1に示される結果より、アルカリ金属のカルボン酸塩を用いた触媒において色調が良好であり、特に酢酸リチウムを用いた触媒において固相重合活性が特に優れていることが分かる。
又、比較例2に示すようにアルカリの水酸化物を用いた触媒は実施例6より活性が低いことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のごとく、本発明のチタン元素、アルカリ金属元素、リン元素を含む液状触媒は、重縮合反応系へ一液での添加が可能であり、重縮合活性と樹脂の色調に優れているため、工業的に価値のあるものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物とを混合して得られることを特徴とするポリエステル重縮合用液状触媒。
【請求項2】
アルカリ金属のカルボン酸塩が酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたはそれらの水和物から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のポリエステル重縮合用液状触媒。
【請求項3】
アルコールが炭素数1〜8の1価及び/または2価のアルコールである請求項1または2に記載のポリエステル重縮合用液状触媒。
【請求項4】
アルコールがエチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールである請求項3に記載のポリエステル重縮合用液状触媒。
【請求項5】
チタン化合物がアルキルチタネートである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリエステル重縮合用液状触媒。
【請求項6】
アルキルチタネートがテトラブチルチタネートまたはテトラプロピルチタネートである請求項5に記載のポリエステル重縮合用液状触媒。
【請求項7】
触媒液中におけるチタン化合物とアルカリ金属のカルボン酸塩とのモル比Ti/M(原子換算)、チタン化合物と酸性リン酸エステル化合物とのモル比Ti/P(原子換算)及びアルカリ金属のカルボン酸塩と酸性リン酸エステル化合物とのモル比M/P(原子換算)がそれぞれ下記式(1)〜(3)を満足する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリエステル重縮合用液状触媒。
0.5≦Ti/M≦1.5 (1)
0.5≦Ti/P≦1.5 (2)
0.25≦M/P≦2.0 (3)
【請求項8】
炭素数1〜8の1価及び/または2価のアルコールと、チタン化合物、アルカリ金属のカルボン酸塩、及び酸性リン酸エステル化合物を混合する工程(A)を有するポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法。
【請求項9】
上記工程(A)で得られる混合物が、炭素数1〜8の1価のアルコールと該1価のアルコールよりも沸点の高い炭素数2〜8の2価のアルコールを含有する混合物であり、該混合物から1価のアルコールを除去する工程(B)を有する請求項8に記載のポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法。
【請求項10】
1価のアルコールがエタノールであり、2価のアルコールがエチレングリコール及び/または1,4−ブタンジオールである請求項8または9に記載のポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法。
【請求項11】
アルカリ金属のカルボン酸塩が酢酸リチウムまたはその水和物であり、酸性リン酸エステル化合物がジブチルフォスフェート、ジエチルホスフェート、及びモノエチルホスフェートから選ばれる少なくとも1つであり、かつチタン化合物がテトラブチルチタネートである請求項8乃至10のいずれか1項に記載のポリエステル重縮合用液状触媒の製造方法。
【請求項12】
ジカルボン酸成分とジオール成分とから重縮合反応によりポリエステルを製造する方法において、重縮合反応触媒として請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリエステル重縮合用液状触媒を用いることを特徴とするポリエステルの製造方法。

【公開番号】特開2008−19391(P2008−19391A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194310(P2006−194310)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】