説明

ポリエチレンテレフタレート延伸糸、ポリエチレンテレフタレートタイヤコード、これらの製造方法、およびこれを含むタイヤ

本発明は、形態安定性が優れていてタイヤの高速走行性能を向上させることができるPET延伸糸、PETタイヤコード、これらの製造方法、およびこれを含むタイヤに関する。前記PET延伸糸は、PETを90モル%以上含み、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、クリープ率が5.5%以下になる。
また、前記PETコードは、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、クリープ率が4.0%以下になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート(PET)延伸糸、PETタイヤコード、これらの製造方法、およびこれを含むタイヤに関する。より詳しくは、本発明は、形態安定性が優れていて、タイヤの高速走行性能を向上させることができるPET延伸糸、PETタイヤコード、これらの製造方法、およびこれを含むタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、繊維/鋼鉄/ゴムの複合体であり、図1のような構造からなるのが一般的である。つまり、鋼鉄および繊維コードはゴムを補強する役割を果たして、タイヤ内で基本骨格構造を形成する。つまり、人体に例えると骨のような役割を果たす。
タイヤ補強剤としてコードに要求される性能は、耐疲労性、剪断強度、耐久性、反発弾性、そしてゴムとの接着力などである。したがって、タイヤに要求される性能によって適切な素材のコードを使用するようになる。
現在、一般的に使用されるコード用素材は、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、スチール、およびアラミドなどがあり、レーヨンおよびポリエステルは主にボディープライ(またはカーカスという)(図1の6)に使用され、ナイロンは主にキャッププライ(図1の4)に使用され、スチールおよびアラミドは主にタイヤベルト部(図1の5)に使用される。
次に、図1に示したタイヤの構造およびその特性を簡略に説明する。
トレッド(Tread)1:路面と接触する部分で、制動および駆動に必要な摩擦力を与えて、耐摩耗性が良好でなければならず、外部の衝撃に耐えて、発熱が少なくなければならない。
ボディープライ(Body Ply)(またはカーカスという)6:タイヤ内部のコード層で、荷重を支持して衝撃に耐えて、走行中の屈伸運動に対する耐疲労性が強くなければならない。
ベルト(Belt)5:ボディープライの間に位置して、大部分の場合に針金(Steel Wire)から構成され、外部の衝撃を緩和させるのはもちろん、トレッドの接地面を広く維持して、優れた走行安定性を維持する。
サイドウォール(Side Wall)3:ショルダー2の下部からビード9の間のゴム層をいい、内部のボディープライ6を保護する役割を果たす。
ビード(BEAD)9:針金にゴムを被覆した四角または六角形態のワイヤーバンドルでタイヤをリムに安着させて固定する役割を果たす。
インナーライナー(Inner Liner)7:チューブの代わりにタイヤの内側に位置しているもので、空気の漏出を防止して、空気注入タイヤを可能にする。
キャッププライ(CAP PLY)4:一部の乗用車用ラジアルタイヤのベルト上に位置する特殊コード織物(Tire Cord Fabric)で、走行時のベルトの動きを最小化する。
アペックス(APEX)8:ビードの分散を最少化し、外部の衝撃を緩和して、ビードを保護し、成形時の空気の流入を防止するために使用する三角形態のゴム充填材である。
最近、乗用車の高級化により、高速走行に適したタイヤの開発が要求されており、そのために、タイヤの高速走行安定性および高耐久性が非常に重要な特性として認識されている。また、特性を満たすためには、キャッププライ用コード素材の性能が何よりも重要なものとして台頭している。
タイヤ内に位置するスチールベルトは、一般に斜線方向に配置されているが、高速走行時にはこのようなスチールベルトが遠心力によって円周方向に動く傾向があり、この時に、尖っているスチールベルトの端部がゴムを切ったりクラックを発生させて、ベルト層間の分離およびタイヤの形態変形を起こす恐れがある。キャッププライは、このようなスチールベルトの動きを抑制して層間の分離およびタイヤの形態変形を抑制し、高速耐久性および走行安定性を増進させる作用をする。
一般的なキャッププライ用コードには、主にナイロン66コードが適用されている。しかし、このようなナイロン66コードの場合、180℃の硬化温度で高い収縮力を発現することによって、スチールベルトを囲んでベルトの動きを抑制する効果を現わすが、形態安定性が低いため、タイヤおよび自動車自体の荷重によって部分的な変形が起こり、これによって走行中にがたつく短所がある。
しかも、前記ナイロン66コードは、形態安定性が低いため、車両の走行速度が突然速くなると、外形の形態が容易に変形して、タイヤを変形させ、これによって車両の調整性または乗車感を低下させる。
これに比べて、一般的なポリエチレンテレフタレート(PET)繊維や産業用繊維として多く使用されるPET高弾性低収縮(High Modulus Low Shrinkage、HMLS)繊維の場合、ナイロン66に比べて形態安定性は優れているが、これらの一般的なPET繊維やHMLS繊維も形態安定性が十分でないため、車両の走行速度が突然速くなると、その外形の形態が比較的容易に変形して、タイヤを変形させる。したがって、これらの素材からなるコードをキャッププライ用コードとして使用する場合にも、タイヤの高速走行性能や車両の調整性または乗車感が十分ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、形態安定性が優れていて、タイヤの高速走行性能を向上させることができるPET延伸糸およびタイヤコードを提供することを目的とする。
また、本発明は、前記PET延伸糸およびタイヤコードの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、また、前記PETタイヤコードを含むタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、PETを90モル%以上含み、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、下記の計算式1で定義されるクリープ率が5.5%以下であるPET延伸糸を提供する。
[計算式1]
クリープ率=(L−L)/L×100
上記の式で、Lは24時間放置した後の延伸糸の長さであり、Lは初期荷重を掛けて固定した時の延伸糸の長さである。
また、本発明は、PETを90モル%以上含む重合体を溶融紡糸して、結晶化度が25%以上であり、非結晶配向指数(AOF)が0.15以下であるPET未延伸糸を製造する段階;および延伸比1.70以下の条件下で前記PET未延伸糸を延伸してPET延伸糸を製造する段階を含むPET延伸糸の製造方法を提供する。
本発明は、また、前記PET延伸糸を含むPETタイヤコードを提供する。
また、本発明は、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、下記の計算式1で定義されるクリープ率が4.0%以下になるPETタイヤコードを提供する。
[計算式1]
クリープ率=(L−L)/L×100
上記の式で、Lは24時間放置した後のタイヤコードの長さであり、 Lは初期荷重を掛けて固定した時のタイヤコードの長さである。
本発明は、また、PETを90モル%以上含む重合体を溶融紡糸して、結晶化度が25%以上であり、非結晶配向指数(AOF)が0.15以下であるPET未延伸糸を製造する段階;延伸比1.70以下の条件下で前記PET未延伸糸を延伸してPET延伸糸を製造する段階;および前記PET延伸糸を撚糸して接着剤に浸漬する段階を含むPETタイヤコードの製造方法を提供する
本発明は、また、前述した本発明のPETタイヤコードを含む空気注入式タイヤを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】一般的なタイヤの構成を示す部分切開斜視図である。
【図2】クリープ率の測定に使用されるクリープテスターの概略的模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、発明の具体的な態様によるPET延伸糸、PETタイヤコード、これらの製造方法、およびこれを含むタイヤについてより詳しく説明する。しかし、これは発明の一例として提示されるもので、これによって発明の権利範囲が限定されるのではなく、発明の権利範囲内で態様に対する多様な変形が可能であることが当業者には自明である。
また、本明細書全体で、特別な言及がない限り、「含む」または「含有する」とは、任意の構成要素(または構成成分)を特別な制限なく含むことを意味し、他の構成要素(または構成成分)の付加を除外すると解釈されない。
ポリエチレンテレフタレート(PET)延伸糸は、PETを溶融紡糸して未延伸糸を製造した後、このような未延伸糸を延伸することによって製造されるもので、このようなPET延伸糸を撚糸して接着剤に浸漬してディップコード形態のPETタイヤコードを製造することができる。
したがって、前記PETの溶融紡糸によって製造された未延伸糸およびこれを延伸して製造された延伸糸の特性がタイヤコードの物性に直/間接的に反映される。
発明の一態様によって所定の特性を有するPET延伸糸が提供される。このようなPET延伸糸は、PETを90モル%以上含み、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、下記の計算式1で定義されるクリープ率が5.5%以下になる。
[計算式1]
クリープ率=(L−L)/L×100
上記の式で、Lは24時間放置した後の延伸糸の長さであり、 Lは初期荷重を掛けて固定した時の延伸糸の長さである。
実験の結果、このようなPET延伸糸は、荷重の変化に応じた変形が小さくて、形態安定性が優れているので、これを利用してタイヤコードを製造すれば、車両の走行速度が速くなってタイヤコードに掛かる荷重などが急激に上昇しても、タイヤコードの外形の形態変形がほとんど発生しないことが明らかになった。したがって、前記PET延伸糸を利用して、形態安定性が優れていて、キャッププライ用コードに使用されて、スチールベルトをしっかり固定することができるタイヤコードを提供することができる。また、これによってタイヤの高速走行性能と共に車両の調整性および乗車感をより向上させることができる。
【0007】
一方、前記発明の一態様によるPET延伸糸は、タイヤコードに適した物性を現わすために90モル%以上のPETを含むが、前記PET延伸糸が90モル%に至らない含有量でPETを含む場合には、前記PET延伸糸およびこれから製造されたタイヤコードが本発明が意図する望ましい諸般の物性を現わすのが難しい。したがって、以下でPETという用語は、特別な説明なくPETが90モル%以上である場合を意味する。
また、前記発明の一態様によるPET延伸糸は、5.5%以下のクリープ率を示すが、好ましくは5.0%以下のクリープ率を示す。したがって、前記PET延伸糸を利用して製造されたPETタイヤコードがキャッププライ用コードに使用されて、スチールベルトをよりしっかり固定することができ、形態安定性がより優れている。
そして、前記PET延伸糸は、180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が7.5%以下になり、好ましくは7.0%以下になる。したがって、前記PET延伸糸を利用して製造されたPETタイヤコードがタイヤの高速走行条件に対応する高温下での形態安定性がより優れていて、タイヤの高速走行性能と共に車両の調整性および乗車感をより向上させることができる。
また、前記PET延伸糸は、180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、20℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が5.0%以下になり、好ましくは4.5%以下になる。前記PET延伸糸を利用して製造されたPETタイヤコードが高温下に維持された後に急激に温度が低くなっても、形態安定性が優れている。したがって、車両が高速走行後に突然駐停車される条件でも、前記タイヤコードが形態安定性が優れているので、タイヤの走行性能と共に車両の調整性および乗車感をより向上させることができる。
【0008】
一方、前述した発明の一態様によるPET延伸糸は、PETを溶融紡糸して未延伸糸を製造し、前記未延伸糸を延伸する方法で製造され、前記のように、これらの各段階の具体的な条件や進行方法がPET延伸糸の物性に直/間接的に反映されて、前述した物性を有するPET延伸糸が製造される。
特に、前記PETを溶融紡糸する条件を調節して、結晶化度が25%以上であり、非結晶配向指数(AOF)が0.15以下であるPET未延伸糸を得て、これを利用することによって、前述したクリープ率を示して、形態安定性が優れているPET延伸糸が製造されることが明らかになった。
PETは、基本的に、一部が結晶化された構造を有し、結晶領域および非結晶領域から構成される。しかし、調節された溶融紡糸条件下で得られた前記PET未延伸糸は、配向結晶化現象によって従来のPET未延伸糸より結晶化程度が高く、25%以上、好ましくは25ないし40%の高い結晶化度を示す。このような高結晶化度によって、前記PET未延伸糸から製造されたPET延伸糸およびタイヤコードが高い収縮応力およびモジュラスを示す。
これと同時に、前記PET未延伸糸は、従来のPET未延伸糸に比べて非常に低い0.15以下、好ましくは0.08ないし0.15のAOFを示す。この時、AOFとは、未延伸糸内の非結晶領域に含まれている鎖の配向程度をいい、前記非結晶領域の鎖の縺れが増加するほど値が低くなる。つまり、一般には、前記AOFが低くなると無秩序度が増加して、非結晶領域の鎖が緊張した構造でない弛緩した構造からなるので、未延伸糸から製造された延伸糸およびタイヤコードが低い収縮率と共に低い収縮応力を示すようになる。しかし、調節された溶融紡糸条件下で得られた前記PET未延伸糸は、これを構成する分子鎖が紡糸工程中に滑ることによって微細ネットワーク構造を形成して、単位体積当り多くの架橋結合を含む。そのため、前記PET未延伸糸は、AOFが非常に低くなっても、非結晶領域の鎖が緊張した構造になるので、発達した結晶構造および優れた配向特性を示す。
したがって、このような高い結晶化度および低いAOFを示すPET未延伸糸を利用して低い収縮率および高い収縮応力を同時に示すPET延伸糸およびタイヤコードを製造することが可能になり、さらには、発明の一態様による優れた物性、例えば低いクリープ率およびこれによって優れた形態安定性を有するPET延伸糸およびタイヤコードを提供することができるようになることが明らかになった。
このような発明の一態様によるPET延伸糸の製造方法を各段階別に説明すると、次のとおりである。
前記PET延伸糸の製造方法では、まず、PETを溶融紡糸して前述した高い結晶化度および低いAOFを示すPET未延伸糸を製造する。
この時、このような結晶化度およびAOFを満たすPET未延伸糸を得るために、より高い紡糸張力下で前記溶融紡糸工程を行うことができる。例えば、前記溶融紡糸工程は、0.80g/d以上、好ましくは0.85ないし1.2g/dの紡糸張力下で行うことができる。また、このような高い紡糸張力を得るために、例えば、前記PETを溶融紡糸する速度を3800ないし5000m/minに調節することができ、好ましくは4000ないし4500m/minに調節することができる。
実験の結果、このような高い紡糸張力および選択的に高い紡糸速度下でPETの溶融紡糸工程を行うことによって、PETの配向結晶化現象が現れて結晶化度が高くなり、PETを形成する分子鎖が紡糸工程中に滑って微細ネットワーク構造を形成して、前述した結晶化度およびAOFを満たすPET未延伸糸が得られることが明らかになった。しかし、前記紡糸速度を5000m/min以上に調節するのは現実的に実現が容易でなく、過度な紡糸速度によって前記冷却工程を行うのも難しい。
また、このようなPET未延伸糸の製造工程では、固有粘度が0.8ないし1.3で90モル%以上のPETを含むPETチップを前記PETとして溶融紡糸することができる。
前述のように、前記PET未延伸糸の製造工程では、より高い紡糸速度および高い紡糸張力の条件を付与することができるが、このような条件下で前記紡糸段階を望ましく行うためには、前記チップの固有粘度が0.8以上であるのが好ましい。しかし、前記チップの溶融温度の上昇に応じた分子鎖の切断および紡糸パックからの吐出量による圧力の増加を防止するためには、固有粘度が1.3以下であるのが好ましい。
そして、前記チップは、モノフィラメントの繊度が2.0ないし5.0デニール、好ましくは2.0ないし3.0デニールになるように設計された口金から紡糸されるのが望ましい。つまり、紡糸中の糸切の発生および冷却時の相互干渉によって糸切が発生する可能性を低くするためには、モノフィラメントの繊度が2.0デニール以上になる必要があり、紡糸ドラフトを高くして十分に高い紡糸張力を付与するためには、モノフィラメントの繊度が5.0デニール以下であるのが好ましい。
そして、前記PETを溶融紡糸した後には、冷却工程を付加して、前記PET未延伸糸を製造することができる。このような冷却工程は、15ないし60℃の冷却風を加える方法で行うのが望ましく、それぞれの冷却風温度条件において冷却風量を0.4ないし1.5m/sに調節するのが望ましい。これにより、発明の一態様による諸般の物性を現わすPET延伸糸をより容易に製造することができる。
一方、このような紡糸段階によって前述した結晶化度およびAOFを満たすPET未延伸糸を製造した後には、このような未延伸糸を延伸して延伸糸を製造するが、このような延伸段階は、1.70以下の延伸比条件下で行うことができ、好ましくは1.2〜1.6の延伸比条件下で行うことができる。前記PET未延伸糸は、結晶領域が発達していて、非結晶領域の鎖も、配向程度が低くて、微細ネットワークを形成している。したがって、1.70を超える高い延伸比条件下で前記延伸工程を行うと、前記延伸糸に切糸または毛羽などが発生し、前記製造方法によって製造されたPET延伸糸も、特に、延伸されても過度な非結晶型鎖の配向によって発明の一態様による優れた物性を発現するのが難しい。そして、比較的低い延伸比下で延伸工程を行うと、これから製造されたPET延伸糸およびタイヤコードの強度が一部低くなる。ただし、1.0、好ましくは1.2以上の延伸比下では、例えばキャッププライ用コードなどに適用されるのに適した6g/d以上の強度を示すPETタイヤコードの製造が可能なので、前記延伸工程は、1.0〜1.70、好ましくは1.2〜1.6の延伸比条件下で望ましく行うことができる。
前述した製造方法で製造されたPET延伸糸は、発明の一態様による優れた諸般の物性、例えば所定の範囲のクリープ率を示し、それによって形態安定性が優れたタイヤコードの提供を可能にする。
【0009】
一方、発明の他の態様により前述したPET延伸糸を含むPETタイヤコードが提供される。このようなPETタイヤコードは、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、下記の計算式1で定義されるクリープ率が4.0%以下になる。
[計算式1]
クリープ率=(L−L)/L×100
上記の式で、Lは24時間放置した後のタイヤコードの長さであり、Lは 初期荷重を掛けて固定した時のタイヤコードの長さである。
このような発明の他の態様によるPETタイヤコードは、前記クリープ率が4.0%以下、例えば0ないし4.0%の小さい値を有することによって、荷重の変化に応じた変形が小さくて、形態安定性が優れている。したがって、このようなPETタイヤコードは、車両の走行速度が速くなってそれ自体に掛かる荷重などが急激に上昇しても、外形の形態変形がほとんど発生しない。したがって、このようなPETタイヤコードは、形態安定性が優れているだけでなく、タイヤ内でスチールベルトをしっかり固定して、キャッププライ用コードなどに望ましく使用することができる。したがって、タイヤの高速走行性能と共に車両の調整性および乗車感をより向上させることができる。
前記発明の他の態様によるPETタイヤコードは、180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が7.0%以下、例えば0ないし7.0%になる。したがって、前記PETタイヤコードがタイヤの高速走行条件に対応する100℃近くの高温下でも形態安定性が優れていて、タイヤの高速走行性能と共に車両の調整性および乗車感をより向上させることができる。
また、前記PETタイヤコードは、180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、20℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が4.0%以下、例えば0ないし4.0%になる。したがって、前記PETタイヤコードが高温下に維持された後に急激に温度が低くなっても、形態安定性が優れている。したがって、車両が高速走行後に突然駐停車されるなどの条件でも、前記タイヤコードが形態安定性が優れているので、タイヤの高速走行性能と共に車両の調整性および乗車感をより向上させることができる。
一方、前述のような発明の他の態様によるPETタイヤコードは、その形態が特に限定されず、通常のキャッププライ用コードと同等な形態からなる。より具体的に、このようなPETタイヤコードは、通常のキャッププライ用コードの形態によりコード当りの総繊度が1000ないし5000デニール(d)、好ましくは1500ないし3500デニールであり、プライの数が1ないし3であり、撚り数が200ないし500TPMのディップコードの形態からなる。
また、前記PETタイヤコードは、5ないし8g/d、好ましくは5.5ないし8g/dの強度、2.0ないし5.0%、好ましくは2.5ないし5.0%の伸率(4.5kg荷重での中間伸率(Intermediate elongation)、10ないし25%の伸張破断率(Elongation at Break)、および2.0ないし5.0%の収縮率(177℃、30g、2min)を示す。前記タイヤコードがこのような範囲の強度または伸率などの諸般の物性を現わすことによって、キャッププライ用コードとして望ましく適用される。
そして、前述したPETタイヤコードは、空気注入式タイヤのキャッププライ用コードとして適用される。このようなPETタイヤコードが適用されたタイヤは、前記キャッププライ用コードの優れた形態安定性により外形の形態があまり変形されず、タイヤ自体も容易に変形されない。したがって、前記タイヤは、高速走行性能が優れていて、車両の調整性または乗車感を向上させることができる。また、前記PETタイヤコードは、スチールベルトの動きを効果的に抑制して、キャッププライ用コードとして望ましく使用することができる諸般の物性を現わす。
【0010】
単に、前述した発明の他の態様によるPETタイヤコードがキャッププライ用コードに使用されることを主に説明したが、このようなPETタイヤコードの用途がこれに制限されるわけではなく、ボディープライ用コードなどの他の用途にも使用することができるのはもちろんである。
【0011】
一方、前記発明の他の態様のタイヤコードは、PETを溶融紡糸して未延伸糸を製造し、前記未延伸糸を延伸して延伸糸を製造し、前記延伸糸を撚糸した後、接着剤に浸漬してディップコード形態のタイヤコードを製造する方法で製造される。これらの各段階の具体的な条件や進行方法が最終製造されたタイヤコードの物性に直/間接的に反映されて、前述した物性を有するPETタイヤコードが製造される。
例えば、より高い紡糸張力および選択的に高い紡糸速度の条件下でPETを溶融紡糸して、25%以上の高い結晶化度および0.15以下の低いAOFを示すPET未延伸糸を製造し、これを利用してPET延伸糸およびタイヤコードを製造することによって、前述した諸般の物性を有する発明の他の態様のPETタイヤコードが提供されることが明らかになった。したがって、前記発明の他の態様のPETタイヤコードは、発明の一態様によるPET延伸糸、例えば高い結晶化度および低いAOFを示すPET未延伸糸から得られた延伸糸を使用して製造される。
つまり、前記PET未延伸糸の高い結晶化度および低いAOFによって、高い収縮応力と共に低い収縮率を示すPET延伸糸の製造が可能になるので、これを利用してより低いクリープ率およびこれによって優れた形態安定性などの優れた諸般の物性を現わすPETタイヤコードが製造される。
したがって、前記発明の他の態様のPETタイヤコードは、高い結晶化度および低いAOFを示すPET未延伸糸を製造し、これから発明の一態様によるPET延伸糸を製造した後、このようなPET延伸糸を利用して製造される。前記PET延伸糸を撚糸した後、接着剤に浸漬してディップコード形態に前記PETタイヤコードを製造するようになり、このような撚糸工程および浸漬工程は通常のPETタイヤコードの製造工程条件および方法による。
このように製造されたPETタイヤコードは、総繊度が1000ないし5000デニールであり、プライが1ないし3であり、撚り数が200ないし500TPMの形態からなり、前述のような優れた諸般の物性、例えばより低いクリープ率または優れた形態安定性などを示すことができる。
【実施例】
【0012】
以下、発明の望ましい実施例を通して、発明の構成および作用をより詳しく説明する。しかし、このような実施例によって発明の権利範囲が限定されるのではなく、これは例示として提示されるものに過ぎない。
【0013】
実施例1
固有粘度が1.05であるPET重合体を利用し、0.86g/dの紡糸張力下で3800m/minの紡糸速度で通常の製造方法によりPET重合体を溶融紡糸して冷却して未延伸糸を製造し、このような未延伸糸を1.53の延伸比に延伸し、熱固定して巻き取って、実施例1のPET延伸糸を製造した。
前記のように製造された総繊度1,000デニールのPET延伸糸を430TPMでZ撚されたZ撚糸2束を同一な撚り数のS撚で撚糸して、RFL接着剤溶液に浸漬させて通過させた後、乾燥および熱処理して、実施例1のPETタイヤコードを製造した。
前記RFL接着剤溶液の組成と乾燥および熱処理条件とは、通常のPETコードの処理条件と同一であった。
【0014】
実施例2−7
PET延伸糸の製造工程中に、紡糸速度、紡糸張力、延伸比、または固有粘度条件を下記の表1に示されているように変更したことを除いては、実施例1と同様な方法でPET延伸糸をそれぞれ製造し、このように製造されたPET延伸糸を実施例1と同様な方法で撚糸して接着剤溶液に浸漬した後、乾燥および熱処理して、PETタイヤコードをそれぞれ製造した。
[表1]

【0015】
比較例1(一般のPET繊維を利用したPET延伸糸およびPETタイヤコードの製造)
未延伸糸の製造のために固有粘度が1.05であるPET重合体を紡糸張力0.06g/d下で紡糸速度800m/minで溶融紡糸し、PET延伸糸の製造のために未延伸糸を延伸比6.0に延伸したことを除いては、実施例1と同様な方法で比較例1のPET延伸糸およびPETタイヤコードを製造した。
【0016】
比較例2(高弾性低収縮(HMLS)繊維を利用した延伸糸およびタイヤコードの製造)
未延伸糸の製造のために固有粘度が1.05であるPET重合体を紡糸張力0.52g/d下で紡糸速度3000m/minで溶融紡糸し、延伸糸の製造のために未延伸糸を延伸比1.8に延伸したことを除いては、実施例1と同一な方法で比較例2の延伸糸およびタイヤコードを製造した。
【0017】
比較例3(ナイロン66繊維を利用した延伸糸およびタイヤコードの製造)
相対粘度が3.3のナイロン66重合体を紡糸張力0.15g/d下で紡糸速度600m/minで溶融紡糸して冷却して未延伸糸を製造し、このような未延伸糸を延伸比5.5に延伸し、熱固定して巻き取って、ナイロン66繊維を利用した比較例3の延伸糸を製造した。
上記のように製造された総繊度840デニールおよび1,000デニールの延伸糸を310および430TPMでZ撚されたZ撚糸2束を同一な撚り数のS撚で撚糸して、RFL接着剤溶液に浸漬させて通過させた後、乾燥および熱処理して、ナイロン66繊維を利用した比較例3のタイヤコードを製造した。
前記RFL接着剤溶液の組成と乾燥および熱処理条件とは、通常のナイロン66コードの処理条件と同一であった。
【0018】
まず、実施例1ないし7、比較例1および2で得られたPET未延伸糸の結晶化度および非結晶配向指数(AOF)を次の方法で測定し、測定結果を下記の表2に整理した。
−結晶化度:CI、n−ヘプタンを使用して密度勾配管を製造した後、密度を測定し、測定密度から、下記の計算式で結晶化度を計算した。


(この時、PETの場合にはρ=1.336およびρ=1.457の定数である。)
−AOF:偏光顕微鏡を使用して測定された複屈折率およびXRDから測定された結晶配向指数(COF)を使用して下記の式でAOFを算出した。
AOF=(複屈折率−結晶化度(%)*0.01*結晶配向指数(COF)*0.275)/((1−結晶化度(%)*0.01)*0.22)
[表2]

【0019】
次に、前記実施例1ないし7および比較例1ないし3により製造された延伸糸およびタイヤコードに対して、次のような方法でクリープ率を測定した。
前記クリープ率の測定には、図2に示されたクリープテスター器(Toyoseiki社製造)を使用した。このようなクリープテスター器を使用して前記実施例1ないし7および比較例1ないし3の延伸糸およびタイヤコード(初期試料の長さL=195mm)に0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、次に100℃の温度で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した。24時間放置後に、実施例1ないし7および比較例1ないし3の延伸糸およびタイヤコードの長さLを測定し、前記LおよびLの長さから下記の計算式1により各延伸糸およびタイヤコードのクリープ率を測定した。このようなクリープ率の測定結果を下記の表3および4に示した。
[表3]



[表4]

【0020】
次に、前記実施例1ないし7および比較例1ないし3により製造された延伸糸およびタイヤコード(初期試料の長さL=195mm)を180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後に、同様な方法で20℃および100℃で各延伸糸およびタイヤコードのクリープ率を測定した。
つまり、前記熱処理した後の延伸糸およびタイヤコードに0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、次に100℃の温度で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した。24時間放置後に実施例1ないし7および比較例1ないし3の延伸糸およびタイヤコードの長さLを測定し、前記LおよびLの長さから前記計算式1により各延伸糸およびタイヤコードのクリープ率を測定した(100℃でのクリープ率測定)。
また、前記熱処理した後の延伸糸およびタイヤコードに0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、次に20℃の温度で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した。24時間放置後に実施例1ないし7および比較例1ないし3の延伸糸およびタイヤコードの長さLを測定し、前記LおよびLの長さから前記計算式1により各延伸糸およびタイヤコードのクリープ率を測定した(20℃でのクリープ率測定)。
このような20℃および100℃でのクリープ率の測定結果を下記の表5および6に示した。
[表5]


[表6]


前記表3乃至6を参照すれば、高い結晶化度および低いAOFを示すPET未延伸糸から製造された実施例1ないし7の延伸糸およびタイヤコードは、比較例1ないし3に比べてクリープ率が非常に低く、特に、タイヤの高速走行条件に対応する180℃で熱処理された後にも比較例1ないし3に比べてクリープ率が非常に低いことが分かる。
実施例1〜7に比べて、比較例1の一般的なPET延伸糸およびタイヤコードは、クリープ率が高く、180℃に露出された後には高温でのクリープ率がより高くなることが分かる。
また、比較例3のナイロン66延伸糸およびタイヤコードも、高温でのクリープ率が非常に大きくなることが分かる。
そして、比較例2のPET HMLS延伸糸およびタイヤコードも、比較例1および3に比べるとクリープ率が低いが、クリープ率が比較的大きく、特に、高温で熱処理した後にはクリープ率が急激に大きくなることが分かる。
これから、実施例1ないし7の延伸糸およびタイヤコードは、変形の恐れが少なく、特に、タイヤの高速走行条件に該当する高温熱処理後や、高速走行後の駐停車条件に該当する高温熱処理後に冷却した場合にも、変形の恐れが殆どないことが分かる。
【0021】
一方、前記実施例1ないし7および比較例1ないし3のタイヤコードの物性を下記のように測定し、その測定結果を表7に示した。
−収縮率:英国Testrite社のTestrite MK−V装備を使用して180℃の温度および初張力(30g)で各タイヤコードの乾熱収縮率を2分間測定した。
−3%伸張時のLASE値:ASTM D885基準に基づいて万能引張試験器を使用して3%伸張時のLASE値(3%伸張時の荷重値)を測定した。また、このようなLASE値に基づいて下記の式によりL/S値を算出した。
L/S=LASE/収縮率(%)
[表7]タイヤコードの物性


前記表7を参照すれば、実施例1ないし7のタイヤコードは、収縮率が相対的に小さく、LASE値およびL/S値が大きくて、形態安定性が優れていることが分かる。これに比べて、比較例1ないし3のタイヤコードは、実施例1ないし7に比べて形態安定性が低いことが分かる。
したがって、このような実施例1ないし7のタイヤコードが形態安定性が優れていることが確認され、このようなタイヤコードをキャッププライ用コードなどに使用して、タイヤの高速走行性能を大きく向上させることができ、車両の調整性や乗車感も大きく向上させることができることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンテレフタレート(PET)を90モル%以上含み、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、下記の計算式1で定義されるクリープ率が5.5%以下になる、PET延伸糸。
[計算式1]
クリープ率=(L−L)/L×100
上記の式で、Lは24時間放置した後の延伸糸の長さであり、Lは初期荷重を掛けて固定した時の延伸糸の長さである。
【請求項2】
180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が7.5%以下になる、請求項1に記載のPET延伸糸。
【請求項3】
180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、20℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が5.0%以下になる、請求項1に記載のPET延伸糸。
【請求項4】
PETを90モル%以上含む重合体を溶融紡糸して、結晶化度が25%以上であり、非結晶配向指数(AOF)が0.15以下であるPET未延伸糸を製造する段階;および
延伸比1.70以下の条件下で前記PET未延伸糸を延伸してPET延伸糸を製造する段階
を含む、PET延伸糸の製造方法。
【請求項5】
前記重合体は、固有粘度が0.8ないし1.3である、請求項4に記載のPET延伸糸の製造方法。
【請求項6】
前記重合体の溶融紡糸は、0.80g/d以上の紡糸張力および3800ないし5000m/minの紡糸速度で行われる、請求項4に記載のPET延伸糸の製造方法。
【請求項7】
前記重合体は、モノフィラメントの繊度が2.0ないし5.0デニールになるように設計された口金から紡糸される、請求項4に記載のPET延伸糸の製造方法。
【請求項8】
前記未延伸糸の製造段階では、前記重合体を溶融紡糸した後に、その結果物を15ないし60℃の冷却風で冷却する、請求項4に記載のPET延伸糸の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の延伸糸を含む、PETタイヤコード。
【請求項10】
0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時に、下記の計算式1で定義されるクリープ率が4.0%以下になる、PETタイヤコード。
[計算式1]
クリープ率=(L−L)/L×100
上記の式で、Lは24時間放置した後のタイヤコードの長さであり、Lは初期荷重を掛けて固定した時のタイヤコードの長さである。
【請求項11】
180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、100℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が7.0%以下になる、請求項10に記載のPETタイヤコード。
【請求項12】
180℃で0.01g/dの張力で15分間熱処理した後の、0.01g/dの初期荷重を掛けて固定し、20℃で0.791g/dの荷重を掛けて24時間放置した時の前記クリープ率が4.0%以下になる、請求項10に記載のPETタイヤコード。
【請求項13】
5ないし8g/dの強度、2.0ないし5.0%の中間伸率(Intermediate elongation)(@4.5kg)、10ないし25%の伸張破断率(Elongation at Break)、および2.0ないし5.0%の収縮率(177℃、30g、2min)を示す、請求項9または請求項10に記載のPETタイヤコード。
【請求項14】
総繊度が1,000ないし5,000デニール、1ないし3プライ、および200ないし500TPMである、請求項9または請求項10に記載のPETタイヤコード。
【請求項15】
キャッププライ用コードである、 請求項9または請求項10に記載のPETタイヤコード。
【請求項16】
PETを90モル%以上含む重合体を溶融紡糸して、結晶化度が25%以上であり、非結晶配向指数(AOF)が0.15以下であるPET未延伸糸を製造する段階;
延伸比1.70以下の条件下で前記PET未延伸糸を延伸してPET延伸糸を製造する段階;および
前記PET延伸糸を撚糸して接着剤に浸漬する段階
を含む、PETタイヤコードの製造方法。
【請求項17】
前記重合体は、固有粘度が0.8ないし1.3である、請求項16に記載のPETタイヤコードの製造方法。
【請求項18】
前記重合体の溶融紡糸は、0.80g/d以上の紡糸張力および3800ないし5000m/minの紡糸速度で行われる、請求項16に記載のPETタイヤコードの製造方法。
【請求項19】
前記重合体は、モノフィラメントの繊度が2.0ないし5.0デニールになるように設計された口金から紡糸される、請求項16に記載のPETタイヤコードの製造方法。
【請求項20】
前記未延伸糸の製造段階では、前記重合体を溶融紡糸した後に、その結果物を15ないし60℃の冷却風で冷却する、請求項16に記載のPETタイヤコードの製造方法。
【請求項21】
請求項9または請求項10に記載のタイヤコードを含む、空気注入式タイヤ。
【請求項22】
前記コードをキャッププライに適用した、請求項21に記載の空気注入式タイヤ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−530481(P2010−530481A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513125(P2010−513125)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003528
【国際公開番号】WO2008/156334
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(507190961)コーロン インダストリーズ,インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】