説明

ポリオレフィン系樹脂組成物

【課題】高いメルトフローレート(MFR)を有するポリオレフィン系樹脂であっても、透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20dg/min以上のポリオレフィン系樹脂に対し、特定のジベンジリデンソルビトール化合物(A)及び、特定の有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物(B)を配合してなるものであって、上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、(A)成分と(B)成分の総和が0.01〜1.0質量部で、かつ(A)成分と(B)成分の比率(質量比)が、(A)/(B)=99/1〜80/20の範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物に関し、詳しくは、所定の化合物を添加することにより、透明性の改善されたポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン系樹脂は、その成形加工性、耐熱性、力学的特性及び低比重等に優れている利点があり、フィルム、シート及び各種成形品(構造部品等)に広く利用されている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は成形後の結晶化速度が遅いため、成形サイクル性が低く、また、加熱成形後の結晶化の進行によって大きな結晶が生成し、透明性や強度が不足する欠点があった。
【0003】
これらの欠点は、全て、ポリオレフィン系樹脂の結晶性に由来するものであり、ポリオレフィン系樹脂の結晶化温度を高め、微細な結晶を急速に生成させることができれば解消されることが知られている。
【0004】
この目的のために、結晶核剤あるいは結晶化促進剤を添加することが知られており、従来から、安息香酸ナトリウム、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム及び2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート及びリチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート等のリン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール及びビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体等の化合物等が用いられてきた。
【0005】
これらの化合物の中でも、ポリオレフィン系樹脂の透明性の改善に特に効果が大きい化合物として、
例えば、特許文献1、特許文献2などには、ジベンジリデンソルビトールの化合物が提案されており、特許文献3、特許文献4、特許文献5などにはベンゼン環に置換基を有するジベンジリデンソルビトール化合物が提案されている。また、特許文献6には、置換基されたアリール基を有するアセタール系化合物が提案されている。
【0006】
また、特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献10などには、アルキリデンビスフェノール類の環状リン酸エステルの金属塩が提案されている。
【0007】
さらに、これらの化合物を組み合わせて、その効果の改善を図ろうとする試みも行われており、例えば、特許文献11及び特許文献12には、結晶性プロピレン系重合体にフォスフェート化合物とジベンジリデンソルビトール系化合物を併用して使用することが提案されており、特許文献13には、結晶性合成樹脂に対するジベンジリデンソルビトール誘導体と芳香族有機リン酸エステルの金属塩との併用が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開昭50−139150号公報
【特許文献2】特開昭51−22740号公報
【特許文献3】特開昭53−117044号公報
【特許文献4】特開昭58−17135号公報
【特許文献5】特開平3−102242号公報
【特許文献6】特表2007−534827号公報
【特許文献7】特開昭58−1736号公報
【特許文献8】特開昭59−184252号公報
【特許文献9】特開平5−140466号公報
【特許文献10】特開平5−156078号公報
【特許文献11】特開昭62−209151号公報
【特許文献12】特開平2−102242号公報
【特許文献13】特開平8−3364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの公報に記載された組み合わせによる改善効果は、実用上、未だ満足できるものではなく、特に、メルトフローレート(MFR)が高いポリオレフィン系樹脂の透明性の改善は不十分であり、さらなる改良が求められていた。
そこで、本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、高いメルトフローレート(MFR)を有するポリオレフィン系樹脂であっても、透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等はかかる現状に鑑み、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ジベンジリデンソルビトール化合物及び芳香族有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物を特定の比率でポリオレフィン系樹脂に添加することにより、上記目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20dg/min以上のポリオレフィン系樹脂に対し、下記一般式(1)、

(式中、nは、0乃至2の整数であり、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルケニル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシルアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基及び炭素原子数1〜4のヒドロキシハロゲン化アルキル基からなる群から選択される)で表されるジベンジリデンソルビトール化合物(A)及び、下記一般式(2)、

(式中、R〜Rは各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で表される有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物(B)を配合してなるものであって、上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、(A)成分と(B)成分の総和が0.01〜1.0質量部で、かつ(A)成分と(B)成分の比率(質量比)が、(A)/(B)=99/1〜80/20の範囲内であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、上記ポリオレフィン系樹脂が、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20〜100dg/minのポリプロピレン系樹脂であるものが好ましく、また上記一般式(1)におけるR〜Rは各々独立して、水素原子および炭素原子数1〜4のアルキル基の群から選択され、Rは水素原子であるものも好ましい。さらに、本発明は前記一般式(2)におけるMがリチウムであり、R〜Rが第三ブチル基であるものが好ましく用いられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂に、ジベンジリデンソルビトール化合物及び芳香族有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物を特定の比率で調製したものを配合することにより、高いメルトフローレート(MFR)を有するポリオレフィン系樹脂であっても、透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物について、以下に詳述する。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ステレオブロックポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン/プロピレンブロック又はランダム共重合体等のα−オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0015】
上記のポリオレフィン系樹脂の中では、本発明に係る結晶核剤の使用効果が顕著であるポリプロピレン樹脂が好適であり、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンブロック又はランダム共重合体、エチレン以外のα−オレフィン/プロピレンブロック又はランダム共重合体及びこれらのプロピレン系重合体と他のα−オレフィン重合体との混合物等が、特に好適に用いられる。
【0016】
上記のポリオレフィン系樹脂は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20dg/min以上であるものが顕著な発明の効果を得られ、実成形上、メルトフローレート(MFR)が20〜100dg/minのものがより好ましい。20dg/min以下の場合、本発明の効果が得られないことがある。ただし、メルトフローレート(MFR)が100dg/min以上のポリオレフィン系樹脂組成物は押出成形加工が困難となるものの、ポリオレフィン系樹脂組成物の透明性改善効果という本発明の効果を否定するものではない。
【0017】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物においては、結晶核剤として上記一般式(1)で表されるジベンジリデンソルビトール化合物及び上記一般式(2)で表される芳香族有機リン酸エステルのアルカリ金属塩が配合される。
【0018】
前記一般式(1)中のR、R、R、R及びRで表される、炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
【0019】
前記一般式(1)中のR、R、R、R及びRで表される、炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0020】
前記一般式(1)中のR、R、R、R及びRで表される、炭素原子数2〜4のアルケニル基としては、例えば、アリル基、3−メチルアリル基等が挙げられる。
【0021】
前記一般式(1)中のR、R、R、R及びRで表される、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、例えば、1−ヒドロキシプロピル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
【0022】
前記一般式(1)中のR、R、R、R及びRで表される、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基としては、例えば、1,2−ジブロモプロピル基等が挙げられる。
【0023】
前記一般式(1)中のR、R、R、R及びRで表される、炭素原子数1〜4のヒドロキシハロゲン化アルキル基としては、1−ヒドロキシ−2−ブロモプロピル基等が挙げられる。
【0024】
本発明で用いられるジベンジリデンソルビトール化合物としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
【0025】

【0026】
前記一般式(2)中のR乃至Rで表される、炭素原子数1〜9のアルキル基としては、上記例示のアルキル基に加え、アミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル等が挙げられるが、これらの中でも特に第三ブチル基であるものが好ましい。
【0027】
本発明で用いられる芳香族有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
【0028】

【0029】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物においては、前記芳香族リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物に脂肪酸金属塩石鹸、特に、脂肪酸リチウム塩石鹸を併用したものを用いると、本発明の効果が顕著に得られるので好ましい。
【0030】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、前記ジベンジリデンソルビトール化合物と前記有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物との総和は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、好ましくは0.03〜0.7質量部、より好ましくは、0.03〜0.6質量部配合される。0.01質量部より少ないと、添加効果が不充分であり、1.0質量部より多いと、ポリオレフィン系樹脂組成物を成形加工して得られる成形品の表面にブリードするおそれがある。
【0031】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、前記ジベンジリデンソルビトール化合物(A)及び前記有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物(B)の比率(質量比)が、(A)/(B)=99/1〜80/20の範囲内であるものが本発明の効果を得ることができる。その範囲を超えたものは、透明性が低下する場合がある。より好ましくは、99/1〜90/10の比率(質量比)の範囲内が挙げられる。有機リン酸エステルのアルカリ金属塩に対してジビンジリデンソルビトール化合物が90/10〜99/1の範囲内であるものが、本発明の効果が顕著である。その範囲を超えたものは、透明性改善の効果が低下することがある。
【0032】
また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、通常一般に用いられる従来公知の他の添加剤をポリエステル樹脂組成物に加えてもよい。
【0033】
他の添加剤としては、ネオペンチルグリコール誘導体、ポリアルキレングリコール並びにその誘導体、多価アルコール並びにその誘導体のエポキシ化合物等の可塑剤;フェノール系、リン系、硫黄系等からなる抗酸化剤;ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等からなる光安定剤;炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族エステル系化合物、脂肪族アミド系化合物、脂肪族カルボン酸金属塩化合物、又は其の他の金属石けん等の滑剤;重金属不活性化剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系化合物;リン酸エステル系化合物;リン酸アミド系化合物;メラミン系化合物;フッ素樹脂、又は金属酸化物;(ポリ)リン酸メラミン、(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等の充填剤;ハイドロタルサイト、フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等の珪酸系無機添加剤;安息香酸ナトリウム塩、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等の造核剤;着色剤;顔料;防曇剤;各種フィラー;離型剤;香料;発泡剤;抗菌剤;抗カビ剤等を使用することができる。特に、フェノール系及びリン系からなる抗酸化剤は、ポリオレフィン系樹脂組成物の着色防止としての効果があるので好ましく使用される。
【0034】
前記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
【0035】
上記フェノール系抗酸化剤の使用量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜5質量部である。
【0036】
前記リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール−2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0037】
上記リン系抗酸化剤の使用量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜5質量部である。
【0038】
前記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0039】
上記硫黄系抗酸化剤の使用量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜5質量部である。
【0040】
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物等が挙げられる。
【0041】
上記ヒンダードアミン化合物の使用量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜5質量部である。
【0042】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩、又は金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、又はキレート類等が挙げられる。
【0043】
上記紫外線吸収剤の使用量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜5質量部である。
【0044】
前記滑剤として用いられる脂肪族アミド化合物としては、例えば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のモノ脂肪酸アミド類;N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド等のN,N’−ビス脂肪酸アミド類;ステアリン酸モノメチロールアミド、やし油脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド類;N−オレイルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド類;N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等のN,N’−置換ジカルボン酸アミド類が挙げられる。これらは、1種類、又は2種類以上の混合物で用いてもよい。
【0045】
上記滑剤の使用量は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.1〜20質量部が用いられる。
【0046】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、前記ポリオレフィン系樹脂に、前記一般式(1)で表わされるジベンジリデンソルビード化合物及び前記一般式(2)で表される有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂粉末あるいはペレットと添加剤とをドライブレンドで混合してもよく、添加剤の一部をプレブレンドした後、残りの成分とドライブレンドしてもよい。ドライブレンドの後に、例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合し、単軸あるいは二軸押出機等を用いて混練してもよい。この混合混練は、通常120〜220℃程度の温度で行われる。合成樹脂の重合段階で添加剤を添加する方法、バインダー、ワックス、溶剤、シリカ等の造粒助剤等と共に予め所望の割合で混合した後、造粒してワンパック複合添加剤とし、該ワンパック複合添加剤を前記ポリオレフィン系樹脂に添加する方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作成し、該マスターバッチを前記ポリオレフィン系樹脂に添加する方法等を用いることができる。
【0047】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形するに際しては、一般のプラスチックと同様に、押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の成形を行うことができ、シート、棒、ビン、容器等の各種成形品を容易に得ることができる。また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ガラス繊維、カーボン繊維等を配合して繊維強化プラスチックとしてもよい。
【実施例】
【0048】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
【0049】
下記の表1〜3に記載のポリオレフィン系樹脂;エチレン/プロピレンランダム共重合体100質量部に対し、フェノール系抗酸化剤;テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.1質量部、リン系抗酸化剤:トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト0.1質量部、ステアリン酸カルシウム0.05質量部、及び下記の表1〜3に記載の結晶核剤の混合物0.2質量部(ただし、比較例4は結晶核剤未配合)を、ヘンシェルミキサー(FM200;三井鉱山(株)製)で1000rpm、1分間混合し、単軸押出機(OEX3024;(株)ディ・ディ・エム製)で、240℃、30rpmのスクリュー速度の加工条件で押出加工してペレットを製造した。得られたペレットについて、下記の評価を実施した。
【0050】
(霞度)
前記の得られたペレットを、射出成型機(EC100−2A;東芝機械(株)製)にて、200℃の射出温度及び70〜80MPaの射出圧力で金型に40秒間充填し、40℃の金型内で20秒間冷却後、金型からシートを取り出す条件で射出成形を行って、一辺が60mm四方の正方形で厚みが1mmのシートを得た。該シートは射出成形後ただちに槽内温度が23℃である恒温槽で48時間以上静置した後、ヘイズ・ガード2〔(株)東洋精機製作所製〕にて、試験片の霞度(Haze)を求めた。
尚、この数値が低いほど試験片の透明性は良好であることを示す。これらの結果について下記の表1〜3に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

1):比較例4は結晶核剤未配合のポリオレフィン系樹脂組成物
【0053】
【表3】

【0054】
また、参考例として230℃におけるメルトフローレート(MFR)が8dg/minであるポリオレフィン系樹脂で評価した結果を下記表4に示す。
【0055】
【表4】

【0056】
表2の比較例2及び3より、ジベンジリデンソルビトール化合物と有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物の比率が99/1〜80/20の範囲内ではないポリオレフィン系樹脂組成物は、満足できる透明性が得られなかったのに対し、表2の実施例3〜5より、ジベンジリデンソルビトール化合物と有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物の比率が99/1〜80/20の範囲内である本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は透明性に優れていた。
【0057】
また、表4の参考例2及び3より、ジベンジリデンソルビトール化合物と芳香族有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物の比率が99/1〜80/20の範囲内であっても、ポリオレフィン系樹脂の230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20dg/min未満の場合、本発明の効果は得られなかった。
【0058】
以上より、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂の230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20dg/min以上で、かつジベンジリデンソルビトール化合物と芳香族有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物の比率が99/1〜80/20の範囲内の本願発明の構成をとることにより、優れた透明性改善効果を得ることが確かめられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
230℃におけるメルトフローレート(MFR)が20dg/min以上のポリオレフィン系樹脂に対し、下記一般式(1)、

(式中、nは、0乃至2の整数であり、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルケニル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシルアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基及び炭素原子数1〜4のヒドロキシハロゲン化アルキル基からなる群から選択される)で表されるジベンジリデンソルビトール化合物(A)及び、下記一般式(2)、

(式中、R〜Rは各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で表される有機リン酸エステルのアルカリ金属塩化合物(B)を配合してなるものであって、上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、(A)成分と(B)成分の総和が0.01〜1.0質量部で、かつ(A)成分と(B)成分の比率(質量比)が、(A)/(B)=99/1〜80/20の範囲内であることに特徴を有するポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項2】
上記ポリオレフィン系樹脂が、230℃におけるメルトフローレートが20〜100dg/minのポリプロピレン系樹脂である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項3】
上記一般式(1)におけるR〜Rは各々独立して、水素原子および炭素原子数1〜4のアルキル基の群から選択され、Rは水素原子である請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項4】
上記一般式(2)におけるMがリチウムであり、R〜Rが第三ブチル基である請求項1〜3の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。

【公開番号】特開2009−275188(P2009−275188A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130100(P2008−130100)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】