説明

ポリオールの水蒸気凝集

【解決手段】 本発明はポリオールの水蒸気凝集に関する。代表的な実施態様においては水蒸気凝集したソルビトール粉末を提供する。
水蒸気凝集したソルビトールはタブレットおよびチューインガム・コアに適用できる。タブレット、チューインガム・コアおよび硬質被覆されたチューインガムも同様に開始している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリオールの水蒸気凝集に関する。低品質の製品はタブレットおよびチューインガムで使用できる直接圧縮できる粉末に転換され得る。
【背景技術】
【0002】
ポリオール粉末は種々の技術で製造される。ポリオールは結晶化でき、凍結乾燥でき、押出成形できまたは噴霧乾燥できる。
【0003】
米国特許第4,408,041号明細書、同第6,120,612号明細書および同第5,932,015号明細書の全てがマルチトールを結晶化させる色々な技術に関する。
【0004】
米国特許第5,160,680号明細書は、マンニトール粉末を押出成形処理に付する、直接圧縮可能な顆粒化マンニトールの製造法を開示している。
【0005】
現在、高品質のポリオール固体を得ることを可能としそして低品質の粉末を高品質の固体に変換できる簡単で経済的な方法が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかゝる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ポリオールを凝集するための方法に関し、そして該方法は、
a)ポリオールを固体状態で得、
b)固体の状態のポリオールを水蒸気流および/または熱ガス流、好ましくは水蒸気または熱い湿った空気の流れに通して凝集した固体ポリオールを得、
c)凝集した固体ポリオールを集め、
d)この凝集した固体ポリオールを場合によっては乾燥する
各段階を含む、上記方法に関する。
【0008】
本発明は、凝集した固体ポリオールを集めおよび/または流動床でまたは回転ドラム中で乾燥する方法にも関する。上記回転式ドラムにおいて、凝集した固体ポリオールは熱いガスを用いて乾燥される。
【0009】
本発明は更にポリオールがソルビトールである方法にも関する。(供給物質である)ソルビトールの固体状態はソルビトール結晶、ソルビトールの結晶質物質、ソルビトールダスト、噴霧乾燥されたソルビトールおよびそれらの混合物よりなる群から選択され、好ましくはソルビトールダストである。
【0010】
本発明はソルビトールダストを凝集する方法に関し、そして該方法は
a)ソルビトールダストを得、
b)ソルビトールダストを水蒸気流および/または熱ガス流、好ましくは水蒸気または熱い湿った空気の流れに通して凝集した固体ソルビトールを得、
c)凝集した固体ソルビトールを集め、
d)この凝集した固体ポリオールを場合によっては乾燥する
各段階を含む、上記方法に関する。
【0011】
更に本発明は以下の
a)ソルビトールダストを得、
b)ソルビトールダストを水蒸気流に通して水蒸気凝集したソルビトールを得、
c)水蒸気凝集した固体ソルビトールを集めそして流動床で乾燥し、
d)水蒸気凝集したソルビトールの粒度がチューインガムおよび/またはタブレットに適用するのに適するまで、水蒸気凝集したソルビトールを段階a)に場合によっては再循環する
各段階を含む、上記方法にも関する。
【0012】
別の実施態様においては、上記ソリビトールダストはソルビトールシロップまたはソルビトール溶融物の結晶化および/または固化法の副生成物である。
【0013】
更に、本発明は新規生成物、即ち本発明の方法に従って得ることができる水蒸気凝集したポリオールに関する。更に特別な実施態様においては、本発明はここに開示した方法に従って得ることのできる水蒸気凝集したソルビトール粉末に関する。
【0014】
本発明は、水蒸気凝集したポリオールおよび/または水蒸気凝集したソルビトールを含有するタブレット、または水蒸気凝集したポリオールおよび/または水蒸気凝集したソルビトールを含有するチューインガム・コアに関する。本発明は更に本発明の水蒸気凝集したポリオールを含有する硬質被覆およびチューインガム・コアを含む糖不含の硬質被覆されたチューインガムにも関する。
【0015】
本発明はタブレットを製造するためにまたはチューインガムのコアを製造するために水蒸気凝集したポリオールを用いることに関する。
【0016】
本発明は更に水蒸気凝集されたポリオールにポリオールダストの品質をグレードアップするための水蒸気凝集の用途、特にポリオールがソルビトールである該用途に関する。
【0017】
図面:
図1: 水蒸気凝集に適する装置および方法の概略的説明図である。
物質流:粉末状生成物をホッパー(1)に落とし、計量供給ブラシュ(4)および交換可能な格子板(5)を経て、デフューザー(2)から来る熱気および水蒸気を通過して流動床(3)上で均一に分配しそして次に選別篩(10)まで乾燥機(8)中を進行する。サイクロン(6)を通して回収された微細生成物の適する粒子をバルブ(7)を経て放出し、次いで回収する。
水蒸気流:主要供給物から水蒸気を熱交換器(9)に、そして水蒸気デフューザー(2)および吸入フードの中空スペ―スに搬送する。
【0018】
図2: ソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールを用いて製造したタブレットの抗張力を示すグラフ。抗張力を圧力の増加との関係で示している。
【0019】
図3: ソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールを用いて製造したタブレットの突出し力を示すグラフ。
【0020】
図4: 水蒸気凝集したソルビトール(MS 0128)、およびソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールとソルビトール結晶との70/30の重量比の混合物(MS 0129)を用いて製造したタブレットの抗張力を示すグラフ。抗張力を圧縮力の増加との関係で示している。
【0021】
図5: 水蒸気凝集したソルビトールとソルビトール結晶との70/30の重量比の混合物を含有するチューインガム・コアの硬度をソルビトール結晶を用いて製造したチューインガム・コアの硬度と比較して示すグラフ。硬度は30分後、24時間後および1週間後に測定した。
【発明の特に有利な実施形態】
【0022】
本発明は、ポリオールの凝集法に関し、該方法は以下の段階を含む:
a)ポリオールを固体状態で得;
b)ポリオールを固体状態で水蒸気流および/または熱気流に通して、好ましくは水蒸気または熱い湿った空気の流れに通して凝集した固体ポリオールを得;
c)凝集した固体ポリオールを集め;
d)場合によっては、凝集した固体ポリオールを乾燥する。
【0023】
このポリオールは次の化学式 C2n+2で表され、そして室温(すなわち、20〜25℃)で固体物質である。この化学式は水素化された炭水化物の代表例であるが、本発明のポリオールは炭水化物の水素化で得られている必要がない。これらのポリオールの幾つか(例えばエリスリトール)は他の化学的方法および/または微生物的方法または発酵によって得ることができる。
【0024】
一般にポリオールはテトリトール類、ペンチトール類、ヘキシトール類、水素化二糖類、水素化三糖類、水素化四糖類、水素化マルトデキストリン類およびそれらの混合物から選択される。
【0025】
更に好ましくは、ポリオールはエリスリトール、トレイトール、アラビニトール、キシリトール、リビトール、アリトール、アルトリトール、グリトール、ガラクチトール、マンニトール、ソルビトール、タリトール、マルチトール、イソマルチトール、イソマルト、ラクチトールおよびそれらの混合物よりなる群から選択できる。
【0026】
水蒸気、湿った熱い空気および/または熱気の流れに通してポリオール粉末を固体物質に凝集する。熱気は空気または何らかの不活性ガス、例えば窒素ガスでもよい。
【0027】
本発明は、上記凝集した固体ポリオールを集めおよび/または流動床で乾燥する方法に関する。ポリオール粉末を例えば不連続供給用ホッパーを用いて供給しそして流動床上のステンレス製網に通して落とす。分配された微細粉末を水蒸気流および/または熱気流に通しそして凝集を行なう。
【0028】
本発明は更に、得られた凝集固体物質を回転式ドラムに集めることを特徴とする。
【0029】
回転式ドラム中で一様な熱気流、好ましくは熱い空気流を用いて乾燥を行なう。
【0030】
更に、乾燥した物質は均一な冷たいガス、好ましくは空気の一様な流れを用いて安定化させることができる。
【0031】
代表的な例においては、ポリオール粉末はソルビトール粉末である。この粉末(=供給物質)はソルビトール結晶、ソルビトールの結晶質塊、ソルビトールダスト、噴霧乾燥したソルビトールおよびそれらの混合物よりなる群から選択され、好ましくはソルビトールダストである。例えばソルビトールはリアドコ(Readco) または ブック・スタンダズ(Buck Sanders)技術の副生成物であってもよい。
【0032】
ソルビトールの結晶質塊は結晶質物質並びに非晶質物質を含有している。
【0033】
本発明は、ソルビトールダストを凝集させる方法に関し、そしてこの方法は
a)ソルビトールダストを得、
b)ソルビトールダストを、凝集した固体ソルビトールを得るために水蒸気流および/または熱気流に通し、好ましくは水蒸気または湿った熱い空気の流れに通し、
c)凝集した固体ソルビトールを集め、
d)場合によっては凝集した固体ポリオールを乾燥する
各段階を含む。
【0034】
本発明はソルビトールダストを凝集させる方法に関し、そしてこの方法は
a)ソルビトールシロップを混合装置中で高温で結晶化させて、結晶化したソルビトールを得、
b)生じた結晶化ソルビトールをソルビトールダストから分離し、
c)ソルビトールダストを取り、そして該ソルビトールダストを、凝集した固体ソルビトールを得るために水蒸気流および/または熱気流に通し、好ましくは水蒸気または湿った熱い空気の流れに通し、
c)凝集した固体ソルビトールを集め、
d)場合によっては凝集した固体ポリオールを乾燥する
各段階を含む。
【0035】
ソルビトールシロップは高品質グルコースを含有しているグルコースシロップの水素化段階から得ることができる。一般にグルコースシロップはグルコースシロップの乾燥固形分含有量を基準として少なくとも92%、好ましくは少なくとも95%、特に好ましくは少なくとも99%のグルコースを含有している。次いで得られるソルビトールシロップを溶融結晶化装置、連続混合装置等において結晶化させることができる。代表的な装置はリアドコ(Readco) 結晶化装置またはブック・スタンダズ(Buck Sanders)である。得られる生成物はソルビトール結晶および/またはソルビトールの結晶質塊および副生成物としてのいわゆるソルビトールダストである。
【0036】
本発明は、
a)ソルビトールダストを得、
b)ソルビトールダストを、水蒸気凝集したソルビトールを得るために水蒸気流に通して供給し、
c)水蒸気凝集したソルビトールを流動床上に集めそして乾燥し、
d)水蒸気凝集したソルビトールを、水蒸気凝集したソルビトールの粒度がチューインガムおよび/またはタブレットで用いるのに適するまで場合によっては、水蒸気凝集したソルビトールを段階a)に再循環する
各段階を含む方法に関する。
【0037】
実は水蒸気凝集法はあらゆる種類のソルビトール粉末、特に低品質のソルビトール粉末をグレードアップするのに使用することができおよび他の種類のグレードアップ法(凝固および/または結晶化)の副生成物として得ることができるソルビトール粉末をグレードアップするのに使用することができる。
【0038】
この方法はソルビトールダストの品質を高品質の水蒸気凝集したソルビトール粉末に一般にグレードアップする。驚くべきことにソルビトールダストから得られた水蒸気凝集した生成物の品質は結晶質ソルビトールから得られる水蒸気凝集したソルビトール粉末の品質よりも優れている。
【0039】
例えばブック・スタンダズ(Buck Sanders)またはリアドコ(Readco) の技術を用いてソルビトールを結晶化させる方法は10%より多いダストをもたらし、30%までのダストさえ生じ得る。本発明は再溶解によって再循環を回避することを許容するが、本発明の方法に従って得ることのできる水蒸気凝集したソルビトール粉末をもたらす方法を提供する。
【0040】
水蒸気凝集したソルビトール粉末は特有のタブレット特性を持つ直接圧縮可能な粉末である。水蒸気凝集したソルビトール粉末はそのままでまたは他のソルビトールの固体および/または結晶と組合せて使用することができる。それらの組合せの場合には、水蒸気凝集したソルビトールとソルビトールの固体および/または結晶との重量比は99:1〜50:50、好ましくは80:20〜60:40、更に好ましくは70:30である。
【0041】
本発明は水蒸気凝集したポリオールおよび/または水蒸気凝集したソルビトール、好ましくは水蒸気凝集したソルビトールおよび/または他のソルビトールの固体および/または結晶との組合せを含有するタブレットにも関する。このタブレットは本発明の方法で得ることのできる水蒸気凝集したポリオール粉末を含有している。タブレットは更に他のソルビトールの固体を含有していてもよい。
【0042】
水蒸気凝集したポリオール、好ましくは水蒸気凝集したソルビトール粉末を含有するタブレットは他の種類のソルビトール粉末を用いて製造したタブレットよりも硬質である。更にこの水蒸気凝集したソルビトール粉末を含有するタブレット、好ましくはソルビトールダストから得ることのできる水蒸気凝集したソルビトール粉末を含有するタブレットに、低い圧縮力で非常に高い突出し力が得られる(図3、4参照)。
【0043】
タブレット形成法での滑剤としてはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、サッカロース脂肪酸エステル、タルク等が使用できる。
【0044】
本発明は更に水蒸気凝集したポリオールおよび/または水蒸気凝集したソルビトール粉末、好ましくは水蒸気凝集したソルビトール、および/または他のソルビトールの固体および/または結晶との組合せを含有するチューインガム・コアに関する。チューインガム・コアは本発明の方法で得ることのできる水蒸気凝集したポリオールを含有している。チューインガム・コアは、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、キシリトールおよびそれらの混合物よりなる群から選択される他のポリオールを更に含有していてもよい。該ポリオールはシロップ、固体、結晶またはそれらの混合物として提供されていてもよい。
【0045】
水蒸気凝集したポリオール、好ましくは水蒸気凝集したソルビトールを含有するこれらのコアは粘着性がなく、表面状態は普通のソルビトール粉末と比較した時に被覆に関して改善されている。実は同じ表面状態を有するチューインガム・コアを得るために、普通のソルビトール粉末に比べて水蒸気凝集したソルビトールはあまり必要とされない。
【0046】
本発明は更に、糖不含の硬質被覆および本発明の水蒸気凝集したソルビトール粉末を含有するコアよりなる被覆された糖不含のチューインガムにも関する。糖不含の硬質被覆はエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、キシリトールおよびそれらの混合物よりなる群から選択されるポリオールから造ることができ、該ポリオールはシロップ、固体、結晶またはそれらの混合物として提供することができる。
【0047】
本発明はタブレットを製造するためにおよび/またはチューインガムのコアを製造するために水蒸気凝集したポリオールを用いることにも関する。水蒸気凝集したポリオール、好ましくは水蒸気凝集したソルビトールを含有するチューインガム・コアの表面状態は他の種類のソルビトール粉末を用いて製造されたチューインガム・コアに比べて改善されている。更に、得られるチューインガム・コアは粘着性が低減されている。実は、普通の品質に匹敵する組織を有するチューインガム・コアを得るためには、水蒸気凝集したポリオール、好ましくは水蒸気凝集したソルビトールが少量必要とされる。硬度は同じ量の、水蒸気凝集したソルビトール粉末を使用した時に増大される。
【0048】
本発明は更にポリオールの品質を水蒸気凝集したポリオールにグレードアップするために水蒸気凝集法を用いること、更に好ましくはポリオールがソルビトールである場合に水蒸気凝集法を用いることに関する。
【0049】
本発明は以下の長所を有している:
− 簡単で経済的な方法であり;
− 低品質のダストを特有のタブレット化特性を有する高品質の直接圧縮可能な粉末にグレードアップする;
− タブレットが改善された性質を持つ;
− チューインガム・コアが改善された性質を持ち、組織が改善されそして粘着性がより少ない。
【0050】
本発明を以下の実施例によって更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0051】
ソルビトールの水蒸気凝集:
供給原料(ソルビトールダスト、製造元:Cerestar)
湿気 : 0.45 %
嵩密度 : 0.629kg/L
詰込み密度 : 0.827kg/L
粒度測定平均値 : 72μ
この供給原料の水蒸気凝集をインスタンタイザー(Instantizer) RC-R3000 中で行いそして以下のパラメータを使用した:
グリッド: 1.6b*mm、 3 x 49 cm
水蒸気圧: 0.5 bar
T型流動床 (内部): 87°C
T型乾燥機 (内部): 80°C
流速: 140 kg/h
* : グリッド全体の自由面積;この場合49cmの長さに対して3cm(〜4)である。
【0052】
出口での生成物は以下の性質を有している:
【0053】
【表1】

【0054】
嵩密度(緩い嵩密度)および詰込み密度(充填嵩密度)は次の様に測定する:
24〜26cmの長さの目盛りを付けた領域を有する250mLの目盛り付きシリンダーを使用しそして水平面に置く。30mmの長さおよび17mmの外径のステムを有する粉末用パイレックス(R)製ロート(Corning No. 6220)を用いる。リング・スタンドのリング状支持体によって該ロートをシリンダーの内部の中心になる胴部に、250mLのマークの上6cmに垂直の状態で吊るす。
【0055】
ネジリバカリで250mLのシリンダーを秤量しそして上記組み立て物に戻す。スプーンまたはスタチュラによって注意深くサンプルを、シリンダーが250mLのマークのレベルまで充填されるまで上記粉末用ロートに加える。0.1gに極めて近い内容物(緩い状態)の量を測定する。
【0056】
(緩い状態)嵩密度および詰込み密度をサンプル重量と容積から算出する。
【0057】
バイブレータの台上に、緩い状態でサンプルを含有するシリンダを中心に置きそしてリング・スタンドの緩い寸法のリング支持体にて真っ直ぐな状態で保持する。バイブレータを始動しそしてシリンダーが、シリンダーと台との間の振動律動を破ることによって一般に現れる多少激しく跳ね上がり始める点に加減抵抗器で調整する。5分振動させ、次いで充填されたサンプルの容積を記録する。

緩い嵩密度( g/mL) = 緩いサンプル重量(g)
250 mL のサンプル
詰込み密度( g/mL) = 緩いサンプル重量(g)
詰込んだサンプル(mL)

粒度測定平均値(または径)は、半分(容積%または重量%の半分)がそれより大きくそして半分がそれより小さい粒子径である。 粒度分布は空気流式篩によって測定する。
【0058】
流動性または 固有の流動性は、重力および他の力の作用のもとで一様に流動する粉末の性質である。これは米国の Chatsworth の Hanson Research Corporationの Flodex Testerで測定しそして0.4〜4cmの任意のスケールでの流動指数として表される。この指数はプレートの穴を通り流れる粉末の能力であり、粉末が通過する最も小さい穴の直径(cm)の逆数として表される。
【実施例2】
【0059】
ソルビトールダストから水蒸気凝集したソルビトール:
実施例1からの(ソルビトールダストから製造された)水蒸気凝集したソルビトールをフェテ(Fette)式タブレット化装置( Perfecta 1000タイプ)でタブレットを製造するために使用した。ソルビトール固体の乾燥固形分含有量を規準として0.5%のステアリン酸マグネシウムを添加する。生成物を低剪断回転式管状ミキサー (Twist PBI 10975) 中で3分間混合しそしてフェテ(Fette)式タブレット化装置に供給する。22回のパンチを使用した。材料は1時間当たり20,000個のタブレット数の速度で圧縮した。タブレットは直径1.1cmでそして350mgの重量を有している。
【0060】
製造されたタブレットの性質は圧縮力を関数としてそれの抗張力を測定することによって評価した。抗張力はフェテ・チェックマスター(Fette Checkmaster)3 を用いて測定した(図2参照)。
【0061】
図2において、水蒸気凝集したソルビトールの抗張力は圧縮力を関数として表現している。
【0062】
抗張力は材料が破断する張力である。これはKニュートン・メインプレッシャー(KNewton main pressure)での圧縮力を関数として硬度(ニュートン)で測定することができる。
【0063】
図3において、突出し力を、ソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールを用いて製造されたタブレットについて示す。
【実施例3】
【0064】
実施例2のタブレット化法を、水蒸気凝集したソルビトール粉末(MS0128)についておよび水蒸気凝集されたソルビトール粉末が水蒸気凝集されたソルビトール粉末とソルビトール結晶(C☆Sorbidex S 16656) (製造元:Cerestar) との70:30の重量比の混合物に交換されているMS0129について繰り返した。結果を表4に示す。
【実施例4】
【0065】
チューインガム
装置をウオーターバスを用いて49℃の温度に加熱し、21gのガム生地を導入しそして2分間混合する。42.5gのソルビトール粉末(水蒸気凝集したソルビトール粉末とソルビトール結晶との70/30の混合物)を添加しそして全体を12分間混合する。最後に1.43gのマルチトールシロップ(C☆ Maltidex、74% 固形分含有量)を添加しそしてミキサー中で25分間混合する。
【0066】
この物質を4mmに積層しそして25℃、65%の相対湿度で30分、24時間および1週間それぞれ保存する。
【0067】
硬度は以下のパラメータを適用して組織分析器で測定した:
- 浸透深さ:2mm
- スピンドル:2mm
- 前試験速度:1mm/秒
- 試験速度:0.5mm/秒
- 後試験速度:5mm/秒。
【0068】
測定は30分、24時間および1週間保存したチューインガムで行った。
【0069】
比較試験は、チューインガムおよびそれの相応する測定を、水蒸気凝集したソルビトールを含有する混合物をソルビトール粉末C☆Sorbidex S 16602(製造元:Cerestar)またはソルビトール粉末C☆ Sorbidex S 16603(製造元:Cerestar)に交換して行った。
【0070】
硬度を測定しそして結果を図5に示した。
【0071】
水蒸気凝集したソルビトールを用いて製造したチューインガムは他のチューインガムよりも硬かった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】は水蒸気凝集に適する装置および方法の概略的説明図である。
【図2】はソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールを用いて製造したタブレットの抗張力を示すグラフである。
【図3】はソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールを用いて製造したタブレットの突出し力を示すグラフである。
【図4】は水蒸気凝集したソルビトール(MS 0128)、およびソルビトールダストから得られる水蒸気凝集したソルビトールとソルビトール結晶との70/30の重量比の混合物(MS 0129)を用いて製造したタブレットの抗張力を示すグラフである。
【図5】は水蒸気凝集したソルビトールとソルビトール結晶との70/30の重量比の混合物を含有するチューインガム・コアの硬度をソルビトール結晶を用いて製造したチューインガム・コアの硬度と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
【0073】
1・・・ホッパー
2・・・水蒸気デフューザー
3・・・流動床
4・・・計量供給ブラシュ
5・・・格子板
6・・・サイクロン
7・・・バルブ
8・・・乾燥機
9・・・熱交換器
10・・選別篩

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールを凝集するための方法において、該方法が
a)ポリオールを固体状態で得、
b)固体の状態のポリオールを水蒸気流および/または熱ガス流、好ましくは水蒸気または熱い湿った空気の流れに通して凝集した固体ポリオールを得、
c)凝集した固体ポリオールを集め、
d)この凝集した固体ポリオールを場合によっては乾燥する
各段階を含む、上記方法
【請求項2】
凝集した固体ポリオールを集めおよび/または流動床で乾燥する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凝集した固体ポリオールを回転式ドラムに集めおよび/またはそこで乾燥する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
回転式ドラムにおいて、凝集した固体ポリオールを熱気の供給によって乾燥する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ポリオールがソルビトールである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
ソルビトールの固体状態がソルビトール結晶、ソルビトールの結晶質塊、ソルビトールダスト、噴霧乾燥されたソルビトールおよびそれらの混合物よりなる群から選択され、好ましくはソルビトールダストである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ソルビトールダストを凝集する方法において、該方法が、
a)ソルビトールダストを得、
b)ソルビトールダストを水蒸気流および/または熱ガス流、好ましくは水蒸気または熱い湿った空気の流れに通して凝集した固体ソルビトールを得、
c)凝集した固体ソルビトールを集め、
d)この凝集した固体ポリオールを場合によっては乾燥する
各段階を含む、上記方法。
【請求項8】
ソルビトールダストを凝集させる方法において、該方法が、
a)ソルビトールシロップを混合装置中で高温で結晶化させて、結晶化したソルビトールを得、
b)結晶化したソルビトールを生じたソルビトールダストから分離し、
c)ソルビトールダストを採取し、そして該ソルビトールダストを、凝集した固体ソルビトールを得るために水蒸気流および/または熱気流に通し、好ましくは水蒸気または湿った熱い空気の流れに通し、
d)凝集した固体ソルビトールを集め、
e)場合によっては凝集した固体ポリオールを乾燥する
各段階を含む上記方法。
【請求項9】
ソルビトールダストを凝集する方法において、該方法が、
a)ソルビトールダストを得、
b)ソルビトールダストを水蒸気流に通して水蒸気凝集したソルビトールを得、
c)水蒸気凝集した固体ソルビトールを流動床に集めそしてそこで乾燥し、
d)水蒸気凝集したソルビトールの粒度がチューインガムおよび/またはタブレットに適用するのに適合するまで、水蒸気凝集したソルビトールを段階a)に場合によっては再循環する
各段階を含む、上記方法。
【請求項10】
ソルビトールダストが、ソルビトールシロップまたはソルビトール溶融物の結晶化および/または固体化の副生成物である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法で得られる水蒸気凝集したポリオール。
【請求項12】
請求項5〜10のいずれか一つに記載の方法で得られる水蒸気凝集したソルビトール粉末。
【請求項13】
請求項11に従う水蒸気凝集したポリオールおよび/または請求項12に従う水蒸気凝集したソルビトール粉末を含むタブレット。
【請求項14】
更にソルビトール結晶を含む請求項13に記載のタブレット。
【請求項15】
請求項11に従う水蒸気凝集したポリオールおよび/または請求項12に従う水蒸気凝集したソルビトール粉末を含むチューインガム・コア。
【請求項16】
更にソルビトール結晶を含む請求項15に記載のチューインガム・コア。
【請求項17】
硬質被覆および請求項15または16に従うチューインガム・コアを含む硬質被覆された糖不含のチューインガム。
【請求項18】
タブレットを製造するために、水蒸気凝集したポリオールを用いる方法。
【請求項19】
タブレットが良好な圧縮性を有する請求項18の方法。
【請求項20】
チュウーインガムのコアを製造するために、水蒸気凝集したポリオールを用いる方法。
【請求項21】
ポリオールダストの品質を水蒸気凝集したポリオールにグレードアップするために水蒸気凝集を用いる方法。
【請求項22】
ポリオールがソルビトールである請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2008−502611(P2008−502611A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515805(P2007−515805)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005544
【国際公開番号】WO2005/123640
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(397058666)カーギル インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】