説明

ポリオール組成物、その製造方法および該ポリオール組成物を用いるポリウレタン樹脂の製造方法

【課題】 不純物としてのアルデヒド化合物の量が比較的少なく、水酸基の態様が十分に調整されるポリオール組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。また、かかるポリオール組成物を用いるポリウレタン樹脂の製造方法を提供することを他の課題とする。
【解決手段】 分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とのエステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させてなるポリオール組成物などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオール組成物およびその製造方法さらには該ポリオール組成物を用いるポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオール組成物は、様々な工業分野で用いられ、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリウレタンエラストマーなどのポリウレタン樹脂の原料として使用されている。
【0003】
従来、この種のポリオール組成物としては、様々な種類のものが知られている。例えば、多価アルコールなどの活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加重合させたポリエーテルポリオールなどのポリオール組成物が、ポリウレタンフォームなどの原料として知られている。かかるポリオール組成物は、得られるポリウレタン樹脂に所望の物性(反発弾性等)を付与するために、分子量を増大すべくアルキレンオキシドが用いられるものである。
【0004】
しかしながら、このような従来のポリオール組成物は、アルキレンオキシドの付加重合の副反応により生成するアルデヒド化合物、例えばアセトアルデヒドなどを比較的多量に含み得るものである。即ち、上記ポリエーテルポリオールは、反応出発物質である活性水素化合物の量に対して比較的多量のアルキレンオキシドを付加重合させてなるものであるため、このようなポリエーテルポリオールを含むポリオール組成物には、上記のごとく生成する不純物としてのアルデヒド化合物が比較的多く残存しやすい。該アルデヒド化合物は、ポリオール組成物がポリイソシアネート化合物と反応したあとであっても、空気中に徐々に放出されて人体の健康に悪影響を及ぼし得るため、ポリウレタン樹脂の原料となり得るポリオール組成物としては、ポリエーテルポリオールの合成によって生成するアルデヒド化合物の含有量ができるだけ少ないものが要望されている。
【0005】
これに対して、上記のような多価アルコールなどより分子量の大きい活性水素化合物、例えば、植物油脂を用いることにより、活性水素化合物の分子量を大きくして、これに付加重合させるアルキレンオキシドの量を相対的に少なくすることによって、生成するアルデヒド化合物の量を低減させたポリオール組成物が提案されている(特許文献1)。かかるポリオール組成物によれば、植物油脂を用いる分だけアルキレンオキシドの使用量を低減することができ、得られる物性のわりにはアルデヒド化合物の少ないポリウレタン樹脂が得られる。
【0006】
また、反応出発物質としての多価アルコール1モルに対して、ヒドロキシカルボン酸を6〜28モル縮合させたポリオールを含むポリオール組成物も提案されている(特許文献2)。
【0007】
特許文献2に記載されているようなポリオール組成物は、ヒドロキシカルボン酸が複数個縮合して分子鎖長が適度に延長され、適当に分子量も増大されていることから、この種のポリオール組成物は、少なくともかかる分子量の増大分に応じて、さらに付加重合させるアルキレンオキシドのモル数を少なくでき、上記のようなアルデヒド化合物をより一層低減できるものとなる。
【0008】
ところが、上記特許文献2に記載されているようなポリオール組成物においては、用いられるヒドロキシカルボン酸が、必ずしも単一化合物ではなく、副反応物などの不純物を含み得るものである。即ち、このポリオール組成物は、含まれているヒドロキシカルボン酸の水酸基が、通常、さまざまな態様をとり、例えば、1級水酸基または2級水酸基等であったり、2級水酸基であってもヒドロキシカルボン酸における部位が異なったりするため、ポリイソシアネート化合物などとの反応性の点で必ずしも同様なものではない。そこで、このようなポリオール組成物に対しては、該ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物などとの反応性を所望のものとすべく、通常、アルキレンオキシドの付加重合がさらに行われ、水酸基のとり得る態様が調整されている。しかしながら、このようにして得られるポリオール組成物では、ヒドロキシカルボン酸由来の水酸基に対してアルキレンオキシドが付加重合する反応速度が比較的低いため、1級、2級等の水酸基のとり得る態様が十分に調整されているとは言い難いものである。
【0009】
【特許文献1】特開2005−320437号公報
【特許文献2】特開2006−002145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点、要望点等に鑑み、不純物としてのアルデヒド化合物の量が比較的少なく、水酸基の態様が十分に調整され得るポリオール組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。また、かかるポリオール組成物を用いるポリウレタン樹脂の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、本発明に係るポリオール組成物は、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とのエステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させてなることを特徴とする。
【0012】
上記構成からなるポリオール組成物によれば、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とがエステル化反応により中間原料としてのエステル化反応物になる。ここで、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に、分子量の比較的大きいヒドロキシカルボン酸の水酸基を、エステル化反応により縮合することで、エステル化反応物の分子量が比較的大きくなり、所望分子量のポリオール組成物になり得る。従って、縮合されたヒドロキシカルボン酸の分子量の増大分に応じて、付加重合させるアルキレンオキシドの量を少なくでき、アルキレンオキシドの付加重合に伴う副反応が少なくなり得る。
【0013】
また、上記構成によれば、前記エステル化反応物が前記炭素数2〜4のアルキレンオキシドの付加重合により前記ポリオール組成物となる。ここで、中間原料である前記エステル化反応物においては、カルボキシル基がアルキレンオキシドとの反応性に優れることから、水酸基に対してアルキレンオキシドが付加重合する場合などと比較して、より確実にアルキレンオキシドの付加重合が進行する。従って、用いるアルキレンオキシドに応じて付加重合の結果生じ得る水酸基の態様が定まることとなる。よって、水酸基のとる態様が十分に調整されたものとなる。
【0014】
また、本発明に係るポリオール組成物は、前記ポリカルボン酸1モルに対して前記ヒドロキシカルボン酸が1〜30モル反応されてなることが好ましい。
前記ポリカルボン酸1モルに対して前記ヒドロキシカルボン酸が1〜30モル反応されてなることにより、アルデヒド含有量が少ないにもかかわらず、軟質ポリウレタンフォームなどのポリウレタン樹脂に、より良好な反発弾性等の物性を付与し得るという利点がある。
【0015】
また、本発明に係るポリオール組成物は、前記ヒドロキシカルボン酸の炭素数が5〜30であることが好ましい。前記ヒドロキシカルボン酸の炭素数が5〜30であることにより、アルデヒド含有量が少ないにもかかわらず、成型したポリウレタン樹脂の反発弾性がより高く保たれるという利点がある。
【0016】
また、本発明に係るポリオール組成物は、ポリウレタン樹脂原料用であることが好ましい。ポリウレタン樹脂原料用であることにより、アルデヒド含有量が少ないにもかかわらず、好適な弾性、硬度を有するポリウレタン樹脂が得られ、特に軟質ポリウレタンフォームにおいては、良好な反発弾性を得ることができるという利点がある。
【0017】
本発明に係るポリオール組成物の製造方法は、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸に、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸をエステル化反応させてエステル化反応物とし、該エステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るポリウレタン樹脂の製造方法は、前記ポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とする。前記ポリオール組成物は、アルキレンオキシドの付加重合の結果生じ得る水酸基が所望の態様に調整されている。従って、本発明に係るポリウレタン樹脂の製造方法は、前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネート化合物との反応を制御しやすく、ポリウレタン樹脂の物性などを所望のものとさせやすい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のポリオール組成物は、不純物としてのアルデヒド化合物の量が比較的少なく、水酸基の態様が十分に調整され得るという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明のポリオール組成物の実施形態について説明する。
【0021】
本実施形態のポリオール組成物は、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とのエステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させてなるものである。
即ち、本実施形態のポリオール組成物は、前記ポリカルボン酸に前記ヒドロキシカルボン酸をエステル化反応させてエステル化反応物とし、該エステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させてなる。
【0022】
本実施形態のポリオール組成物においては、まず、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とがエステル化反応により中間原料としてのエステル化反応物になる。前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に、ヒドロキシカルボン酸の水酸基を、エステル化反応により縮合することで、エステル化反応物の分子量が大きくなる。従って、縮合されたヒドロキシカルボン酸の分子量の増大分に応じて、付加重合させるアルキレンオキシドの量を少なくでき、アルデヒド化合物の含有量が少ないものとなる。
【0023】
また、本実施形態のポリオール組成物においては、前記エステル化反応物に前記炭素数2〜4のアルキレンオキシドが付加重合されてなる。中間原料である前記エステル化反応物のカルボキシル基に対してアルキレンオキシドが付加重合するため、水酸基に対してアルキレンオキシドが付加重合する場合などと比較して、より確実にアルキレンオキシドの付加重合が進行する。従って、該付加重合の結果生じ得る水酸基が1級水酸基または2級水酸基などの所望の態様となる。
【0024】
本実施形態のポリオール組成物は、前記ポリカルボン酸1モルに対して前記ヒドロキシカルボン酸が1〜30モル反応されてなることが好ましく、5〜25モル反応されてなることがより好ましく、6〜12モル反応されてなることがさらに好ましい。
前記ポリカルボン酸1モルに対して前記ヒドロキシカルボン酸が1〜30モル反応されてなることにより、ポリオール組成物に含まれうるアルデヒド化合物の量がさらに少なくなるという利点がある。また、好適な弾性、硬度を有するポリウレタン樹脂が得られ、特に軟質ポリウレタンフォームにおいては、良好な反発弾性を得ることができるという利点がある。
【0025】
本実施形態のポリオール組成物は、前記ポリカルボン酸に含まれるカルボキシル基1モルに対して、前記炭素数2〜4のアルキレンオキシドが1モル以上用いられていることが好ましい。1モル以上用いられていることにより、得られるポリオールにカルボキシル基が残存しにくく、ポリイソシアネート化合物と反応させる際のウレタン化反応における異常反応が起こりにくくなるという利点がある。また、前記ポリカルボン酸に含まれるカルボキシル基1モルに対して、25モル以下用いられていることが好ましく、15モル以下用いられていることがより好ましく、10モル以下用いられていることがさらに好ましく、5モル以下用いられていることが最も好ましい。25モル以下用いられていることにより、ポリオール組成物に含まれうるアルデヒド化合物の量をより少なくできるという利点がある。
【0026】
前記ポリカルボン酸としては、クエン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、トリメリット酸などの分子内に3個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸、ピロメリット酸、ビフタル酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸などの分子内に4つのカルボキシル基を有するポリカルボン酸、ベンゼンペンタカルボン酸などの分子内に5つのカルボキシル基を有するポリカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸などの分子内に6つのカルボキシル基を有するポリカルボン酸、上記分子内に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物とポリアミン化合物との縮合反応により得られるポリカルボン酸、上記分子内に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物とのエステル化反応により得られるポリカルボン酸、およびこれらの酸無水物などが挙げられる。
【0027】
これらポリカルボン酸のうち、容易に入手可能であり、且つ、ポリウレタン樹脂に好適な硬度および機械強度を付与できるという点で、分子内に3〜6個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸が好ましく、3〜4個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸がより好ましい。なかでも、より入手しやすいという点で、分子内に3個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸が好ましい。
【0028】
また、これらポリカルボン酸のうち、石油などの化石由来資源を代替するという点で、天然由来原料またはこれを用いて合成された化合物が好ましく、このような化合物としては、具体的には、天然由来原料であるクエン酸が好ましい。さらには、大気中に排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素とが同じとなり得るというカーボンニュートラルの観点から、植物由来原料またはこれを用いて合成された化合物がより好ましい。
【0029】
前記ヒドロキシカルボン酸としては、分子内に1個のカルボキシル基を有するヒドロキシモノカルボン酸、分子内に2個のカルボキシル基を有するヒドロキシジカルボン酸が挙げられる。前記ヒドロキシカルボン酸としては、ポリオール組成物の平均水酸基数を制御することが容易であるという点で、前記ヒドロキシモノカルボン酸が好ましい。また、前記ヒドロキシモノカルボン酸は、ポリオール組成物の平均水酸基数を制御することが容易であるという点で、分子内に1個の水酸基を有するものが好ましい。
【0030】
また、前記ヒドロキシカルボン酸としては、炭素数が5〜30であるものが好ましく、炭素数が10〜22であるものがさらに好ましい。炭素数が5〜30であることにより、弾性を有する低硬度のポリウレタン樹脂が得られ、特に軟質ポリウレタンフォームにおいては、良好な反発弾性を得ることができるという利点がある。なお、前記ヒドロキシカルボン酸の炭素数とは、ヒドロキシカルボン酸分子にある炭素の個数を意味し、複数のヒドロキシカルボン酸が混合される場合は、混合されたものの平均炭素数を意味する。
より詳しくは、前記ヒドロキシカルボン酸としては、ポリオール組成物の平均水酸基数を制御することが容易であり、且つ弾性を有する低硬度のポリウレタン樹脂が得られるという点で、炭素数が5〜30であるヒドロキシモノカルボン酸が好ましい。また、平均水酸基数を制御することも容易であるという点で、分子内に1個の水酸基を有し且つ炭素数が5〜30であるヒドロキシモノカルボン酸が好ましい。
【0031】
前記ヒドロキシモノカルボン酸としては、例えば、脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸、および、ヒドロキシル基を有していない不飽和カルボン酸のアルキルエステルを、ギ酸法、ヒドロオキシホルミル化、エポキシ基の開環などの公知の方法によってヒドロキシル化し、アルキルエステルを除去したヒドロキシル化カルボン酸などが挙げられる。
【0032】
前記脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、リシノール酸、グリセリン酸、酒石酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸などが挙げられる。なかでも、前記脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸としては、グリコール酸、リシノール酸などが好ましい。
【0033】
前記リシノール酸を用いる場合、該リシノール酸を含む混合物としては、ヒマシ油を加水分解することにより得られるヒマシ油脂肪酸混合物が挙げられる。該ヒマシ油脂肪酸混合物は、リシノール酸だけでなくリシノール酸以外のヒドロキシカルボン酸や水酸基を有しない脂肪酸などを含み得るものであるが、前記ポリカルボン酸とエステル化させるものとしては、植物由来原料であり、比較的入手しやすいという点で好ましい。
【0034】
なお、前記ヒマシ油脂肪酸混合物を用いる場合であっても、本実施形態のポリオール組成物は、前記ヒマシ油脂肪酸混合物中にあるリシノール酸およびリシノール酸以外のヒドロキシカルボン酸の水酸基が前記ポリカルボン酸のカルボキシル基にエステル化反応するため、前記ヒマシ油脂肪酸混合物中に存在し得る水酸基を有しない脂肪酸は、エステル化反応に寄与しにくい。従って、水酸基を有しない脂肪酸を含んでいる混合物を用いるにもかかわらず、得られるポリオール組成物には、水酸基を有しない脂肪酸が分子中に導入されにくい。このように、本実施形態のポリオール組成物には、水酸基の態様が調整されているポリオール組成物が得られやすいという利点がある。
【0035】
前記芳香族ヒドロキシモノカルボン酸としては、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸などのモノヒドロキシ安息香酸誘導体、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸などのジヒドロキシ安息香酸誘導体、没食子酸などのトリヒドロキシ安息香酸誘導体、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸などのフェニル酢酸誘導体、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸などのケイヒ酸・ヒドロケイヒ酸誘導体、および、これらに水素添加したものが挙げられる。
【0036】
前記ヒドロキシル化カルボン酸としては、例えば、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸などのモノ不飽和脂肪酸、リノール酸などのジ不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸などのトリ不飽和脂肪酸、ステアリドン酸、アラキドン酸などのテトラ不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸などのペンタ不飽和脂肪酸、ドコサヘキサエン酸などのヘキサ不飽和脂肪酸などの二重結合部分をヒドロキシル化したものが挙げられる。なかでも前記ヒドロキシル化カルボン酸としては、水酸基を分子内に1個有するヒドロキシカルボン酸を選択的に得られるという点で、モノ不飽和脂肪酸から得られるヒドロキシカルボン酸が好ましく、入手が容易であるという点で、オレイン酸から得られるモノヒドロキシステアリン酸がより好ましい。
【0037】
前記ヒドロキシジカルボン酸としては、例えば、リンゴ酸、タルトロン酸、シトラマル酸などが挙げられる。
【0038】
前記ヒドロキシカルボン酸は、1種が単独で用いられ得る。または、2種以上が併用され得る。
【0039】
前記エステル化反応物としては、容易に入手可能であり、且つポリウレタン樹脂に好適な硬度及び機械強度を付与できるという点で、分子内に3個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と前記ヒドロキシモノカルボン酸とのエステル化反応物が好ましい。
【0040】
前記エステル化反応物としては、具体的には、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としてのクエン酸や1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸と、水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸としてのモノヒドロキシステアリン酸、グリコール酸、ヒマシ油脂肪酸とを反応させてなるエステル化反応物が挙げられる。より具体的には、クエン酸とモノヒドロキシステアリン酸とのエステル化反応物、クエン酸とグリコール酸とのエステル化反応物、クエン酸とヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸とモノヒドロキシステアリン酸とのエステル化反応物などが挙げられる。
【0041】
また、前記エステル化反応においては、水酸基を有していないモノカルボン酸が用いられていてもよい。このような化合物としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸など、ヒドロキシル基を有していない前記不飽和モノカルボン酸が挙げられる。
【0042】
前記炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、グリシドールおよびこれらの混合物などが挙げられる。これらのうち、後述する他のポリオールおよびその他の添加剤との相溶性に優れるという点で、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびこれらの混合物が好ましい。
なお、通常、エチレンオキシドが付加重合されて生じる水酸基は1級水酸基に、プロピレンオキシドが付加重合されて生じる水酸基は2級水酸基になるため、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物を用いる場合、この2種のアルキレンオキシドの混合比を変化させることによって、前記ポリオール組成物にある1級水酸基と2級水酸基との比を適宜調整することができる。
【0043】
前記炭素数2〜4のアルキレンオキシドが付加重合されてなるポリオール組成物は、例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのどちらか一方が付加重合されてなるものでもよく、また例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとが別々に付加重合されてなるものでもよく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを混合したオキシド化合物が付加重合されてなるものでもよい。
【0044】
本実施形態のポリオール組成物は、ポリウレタン樹脂原料として用いられることが好ましく、ポリウレタンフォーム用原料として用いられることがより好ましい。ポリウレタン樹脂原料として用いられることにより、弾性を有する低硬度のポリウレタン樹脂が得られるという利点がある。また、軟質ポリウレタンフォーム用原料として用いられることが特に好ましく、軟質ポリウレタンフォーム用原料として用いられることにより、良好な反発弾性を得ることができるという利点がある。
【0045】
本実施形態のポリオール組成物の平均水酸基価は、15〜800mgKOH/gの範囲であることが好ましく、20〜600mgKOH/gであることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、ポリウレタン樹脂に好適な硬度及び機械強度を付与できるという利点がある。なお、前記平均水酸基価は、実施例に記載した方法により求めることができる。
【0046】
本実施形態のポリオール組成物を軟質ポリウレタンフォームに使用する場合、平均水酸基価は15〜180mgKOH/gの範囲であることが好ましく、20〜150mgKOH/gであることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、好適な硬度または反発弾性を有する軟質ポリウレタンフォームにすることができる。
【0047】
なお、本実施形態のポリオール組成物は、ポリオール化合物を主成分とするものであるが、前記エステル化反応やアルキレンオキシド付加重合に伴って生じる副反応物などを含み得る。また、例えば、前記ポリカルボン酸を含む混合物と前記ヒドロキシカルボン酸を含む混合物とを前記エステル化反応に用いる場合には、それら混合物に含まれている不純物などが本実施形態のポリオール組成物に含まれ得る。
【0048】
次に、ポリオール組成物の製造方法の一実施形態について説明する。
【0049】
本実施形態のポリオール組成物の製造方法は、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸に、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸をエステル化反応させてエステル化反応物とし、該エステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させることを特徴とする。
【0050】
前記ポリカルボン酸、前記ヒドロキシカルボン酸、前記エステル化反応物、前記アルキレンオキシドは、上述のポリオール組成物の実施形態で述べたものと同様のものを用いることができる。
【0051】
本実施形態のポリオール組成物の製造方法では、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基にヒドロキシカルボン酸をエステル化反応により縮合させる。前記ヒドロキシカルボン酸として、ヒドロキシカルボン酸以外のカルボン酸(例えば、ヒドロキシル基を有さない非ヒドロキシカルボン酸)を比較的多く含むヒマシ油脂肪酸などを用いる場合であっても、前記非ヒドロキシカルボン酸は、通常、前記ポリカルボン酸と反応しないため、前記非ヒドロキシカルボン酸は、ポリオール組成物の主成分として導入されにくい。従って、前記ヒマシ油脂肪酸などを用いる場合であっても、該ヒマシ油脂肪酸に含まれるヒドロキシカルボン酸の水酸基が前記ポリカルボン酸と反応することにより、ヒドロキシカルボン酸がポリオール組成物の主成分として選択的に導入されやすい。
即ち、本実施形態のポリオール組成物の製造方法は、純度の比較的低いヒドロキシカルボン酸を用いても、比較的容易に所望のポリオール組成物を製造できる。なお、該所望のポリオール組成物とは、上述したような、不純物としてのアルデヒド化合物の量が比較的少なく、水酸基の態様が十分に調整されているポリオール組成物を意味する。
【0052】
前記ポリカルボン酸と、前記ヒドロキシカルボン酸との前記エステル化反応は、常圧下または真空条件下で行なうことができ、触媒を用いて行なう従来公知のエステル化技術を採用して行なうことができる。そのうちでも代表的なものとしては、例えば常圧下でエステル化反応を行なう方法、真空下でエステル化反応を行なう方法、トルエンなどの不活性溶剤の存在下にエステル化反応を行ったのち、縮合水と溶剤とを共沸させて反応系外に除去する方法などが例示される。
【0053】
また、前記エステル化反応の触媒としては、従来公知のものが挙げられ、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等の有機酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどの有機酸塩、塩化リチウム、塩化カリウムなどの金属塩化物、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、アルミニウムトリイソプロポキサイド、イソプロピルチタネート、ブチルチタネートなどの金属アルコラート化合物、ナトリウムフェノラートなどの金属フェノラート化合物、スルホン酸型イオン交換樹脂などが挙げられる。
【0054】
前記エステル化反応物へのアルキレンオキシドの付加重合反応は、従来知られている公知の方法に準じて行うことができる。
【0055】
次に、前記ポリオール組成物を用いるポリウレタン樹脂の製造方法の一実施形態について説明する。
【0056】
本実施形態のポリウレタン樹脂の製造方法は、前記ポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させるものである。なお、前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネート化合物との反応は、前記ポリオール組成物の水酸基と前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基とが主に反応することにより進行する。
【0057】
本実施形態のポリウレタン樹脂の製造方法は、前記ポリオール組成物の水酸基が所望の態様に調整されているため、ポリウレタン樹脂の物性などが所望のものとなりやすい。従って、ポリウレタン樹脂に所望の物性を付与し得る。
【0058】
前記ポリイソシアネート化合物は、分子内に複数のイソシアネート基を有する化合物である。前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート化合物を挙げることができる。また、該ポリイソシアネート化合物の変性物として、ポリエーテルポリオール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールなどで変性したプレポリマー変性物、二量化変性物、三量化変性物、ウレア変性物、カルボジイミド変性物を用いてもよい。これらのポリイソシアネート化合物は、2種類以上併用することも可能である。これらのうち、得られるポリウレタン樹脂の成型性が良好であるという点で、TDI、MDI単独および、その併用が好ましい。軟質ポリウレタンフォームを製造する際には、成型性、反発弾性が良好なポリウレタン樹脂を得ることができるという点で、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートをポリエーテルポリオールで変性したものを用いることがさらに好ましい。なお、前記ポリイソシアネート化合物としては、少なくとも1種が用いられ得る。
【0059】
前記ポリオール組成物は、他のポリオール化合物と混合されてポリオール成分となり得る。この場合、本実施形態のポリウレタン樹脂の製造方法では、前記ポリオール組成物を含む前記ポリオール成分と、前記ポリイソシアネート化合物とを反応させる。
【0060】
前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオール成分との配合比は、ポリウレタン樹脂の成型性を考慮し、前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の総モル数と、前記ポリオール成分の水酸基の総モル数との比(NCO/OH比)が0.8以上であることが好ましく、1.5以下であることが好ましい。特に、軟質ポリウレタンフォームに用いる場合には、良好な反発弾性を付与し得るという点で、0.9以上1.2以下であることがより好ましい。
【0061】
前記他のポリオール化合物としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン樹脂の原料となり得るポリオールであり、通常、アルキレンオキシドを付加重合して得られるものが挙げられる。アルキレンオキシドを付加重合して得られた他のポリオール化合物の割合を少なくして、得られるポリウレタン樹脂に含まれるアルデヒド化合物をより少なくできるという点で、前記ポリオール成分に占める前記ポリオール組成物の割合は、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。
【0062】
前記他のポリオール化合物は、平均水酸基数が2.0以上であり、且つ、平均水酸基価が20mgKOH/g以上であることが好ましい。
【0063】
前記他のポリオール化合物の平均水酸基数が2.0以上であることにより、ポリウレタン樹脂が十分な機械強度を有するという利点がある。また、前記他のポリオール化合物が軟質ポリウレタンフォームの原料として用いられる場合は、前記他のポリオール化合物の平均水酸基数が6.0以下であることにより、弾性を有する低硬度のポリウレタン樹脂が得られ、特に軟質ポリウレタンフォームにおいては、良好な反発弾性を得ることができるという利点がある。
【0064】
前記他のポリオール化合物の平均水酸基価は、20〜800mgKOH/g以上であることが好ましい。平均水酸基価が20〜800mgKOH/g以上であることにより、十分な機械強度を有するポリウレタン樹脂を製造し得るという利点がある。特に、軟質ポリウレタンフォームに用いる場合には、前記他のポリオール化合物の平均水酸基価が20〜90mgKOH/gであることが好ましい。
【0065】
前記他のポリオール化合物を複数種用いる場合、その混合物の平均水酸基数が2.0以上であり、かつ、平均水酸基価が20mgKOH/g以上であることが好ましい。即ち、個々のポリオール化合物すべてにおいて、水酸基の平均水酸基数が2.0以上、かつ、平均水酸基価が20mgKOH/g以上である場合だけでなく、個々のポリオール化合物は、平均水酸基数2.0以上、かつ、平均水酸基価20mgKOH/g以上の範囲内あるいは範囲外であっても、混合物全体として平均水酸基数2.0以上、かつ、平均水酸基価20mgKOH/g以上を満たす場合であっても好ましい範囲内である。
【0066】
前記他のポリオール化合物としては、たとえば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、これらのコポリオール、またはこれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、耐加水分解性等に優れるという点で、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、またはこれらの混合物が好ましい。
【0067】
前記ポリエステルポリオールとしては、たとえば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸などのポリカルボン酸、その酸エステル、またはその酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミンなどの低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、例えば、低分子アルコール類、低分子アミノアルコールなどを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル(ラクトン)モノマー開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0068】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、或いは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
【0069】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類や、フェノール類を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールなどが挙げられる。さらに、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤とするポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。好ましくは、アルキレンオキシドを開環重合により付加させたものが挙げられる。これらを用いると、反応性が良好で、成型性が良好なポリウレタンフォームが得られる。なお、アルキレンオキシドの付加は、ランダム付加、ブロック付加など、いずれの形態であってもよい。
【0070】
前記ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール中でエチレン性不飽和モノマーを重合させる方法、別途製造した重合体微粒子をポリエーテルポリオールに混合する方法、エチレン性不飽和基を有するマクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーをポリエーテルポリオール中で重合させる方法などで調製され得る。前記エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、アクリロニトリルなどのモノマー、これらの混合物が挙げられる。これらのうち、ポリエーテルポリオール中でエチレン性不飽和モノマーを重合させたものが好ましく、ポリオキシプロピレントリオール中でエチレン性不飽和モノマーを重合させたものが更に好ましい。重合体微粒子の含有量が50重量%を越えると、ポリマーポリオールの粘度が高くなり、成型時に作業性が悪化し得る。
【0071】
本実施形態のポリウレタン樹脂の製造方法では、スラブ法、ワンショット法、セミプレポリマー法およびプレポリマー法等の一般的な方法を採用できる。この方法の採用により、硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォームなどのポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマーなどを製造することができる。
【0072】
本実施形態のポリウレタン樹脂の製造方法では、さらに、触媒、発泡剤、整泡剤、架橋剤等を用いることができる。
【0073】
前記触媒としては、ポリウレタン樹脂の製造で一般的に用いられる、例えば、3級アミン、ジアザビシクロアルケン類や、その塩類、有機金属化合物などが挙げられる。前記3級アミンの例としては、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。
前記有機金属化合物としては、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄などの金属とオクテン酸、ナフテン酸などの有機酸との金属塩、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン亜鉛などの金属キレート化合物などが挙げられる。
これらは、いずれも1種を単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。ポリウレタンフォームの製造においては、3級アミンを用いることが好ましい。なお、添加量は、適宜調整できる。
【0074】
前記発泡剤としては、水、水素原子含有炭化水素、塩化メチレン、低沸点炭化水素、液化炭酸ガスを単独でまたは組み合わせて用いることができる。前記水素原子含有ハロゲン化炭化水素としては、HFC(ハイドロフルオロカーボン類)例えば、HFC−134a、HFC−152a、HFC356mff、HFC236ea、HFC−245ca、HFC365−mfc等が挙げられる。また、前記低沸点炭化水素としては、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素、例えば、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよび、これらの混合物などが挙げられる。前記発泡剤としては、水が、特に好適に用いられる。
【0075】
前記整泡剤としては、通常ポリウレタン樹脂の製造に用いられるもの、例えば、ポリアルキルシロキサン-ポリオキシアルキレンブロックコポリマーなどが挙げられる。これらは、いずれも単独であるいは2種以上混合して用いることができる。前記整泡剤は、ポリオール成分100重量部に対して、5.0重量部以下、好ましくは3.0重量部以下用いることが望ましい。5重量部を超えて用いると、成型性が悪化する。
【0076】
前記架橋剤としては、好適には、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類などの、分子量500未満の低分子活性水素化合物が用いられる。
前記架橋剤は、いずれも単独でまたは2種以上混合して用いることができる。前記架橋剤は、軟質ポリウレタンフォームの調製で用いる場合は、ポリオール成分100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下用いることが好ましい。5重量部を超えて用いると、ポリウレタンフォームの圧縮永久歪が悪化し得る。
【0077】
本実施形態のポリウレタン樹脂の製造方法では、上述した触媒、発泡剤、整泡剤、架橋剤以外に所望の添加剤を用いることができる。前記添加剤としては、炭酸カリウム、硫酸バリウム等の充填剤;ポリウレタンフォーム安定化剤等の界面活性剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、着色剤、抗カビ剤、消臭剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤、可塑剤、溶剤、造膜助剤、分散剤、香料等の慣用の添加剤を挙げることができる。
【実施例】
【0078】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明する。
【0079】
まず、ポリオール組成物の製造に用いた化合物について以下に示す。
【0080】
<(A)分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸>
(A1)クエン酸無水物
(ナカライテスク株式会社製、商品名:クエン酸無水物)
(A2)1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸 和光純薬工業社製)
【0081】
<(B)分子内に1個または2個のカルボキシル基と水酸基とを有する
ヒドロキシカルボン酸>
(B1)モノヒドロキシステアリン酸
モノヒドロキシステアリン酸の製造方法を以下に示す。
撹拌機、温度計、窒素導入管および還流コンデンサを備えた反応器に高純度オレイン酸(日油株式会社製、商品名:EXTRA OLEINTM 99)1000g(3.5モル)、2000mLのギ酸(ナカライテスク株式会社製、商品名:ギ酸)、10mLの70%過塩素酸水溶液(オレイン酸に対して1重量%)の混合物を、5−15分間窒素雰囲気中で加熱還流、その後、過剰のギ酸を減圧で除去することで、粗製のホルムオキシステアリン酸1100g(ヨウ素価13.5gI2/100g、ケン化価298mgKOH/g、酸価170mgKOH/g)を得た。
この粗ホルムオキシステアリン酸を100%過剰(2倍当量)の6N−NaOHと15分間沸騰させ、その後、過剰の6N−HCl中に撹拌しながら注入した。油層(上層)硬化後、水相を除去し、油層(固層)を熱水中にかき混ぜながら投入して再び溶解させた。固体生成物を空気乾燥して粗製のモノヒドロキシステアリン酸1050g(ヨウ素価15.0gI2/100g、酸価184mgKOH/g、平均水酸基価184)を得た。
さらに、石油ナフサ、ヘキサンから再結晶することでモノヒドロキシステアリン酸740g(収率65%、ヨウ素価2gI2/100g、酸価187mgKOH/g、平均水酸基価195mgKOH/g)を得た。
なお、ヨウ素価はJIS K3331に準じて測定し、ケン化価は、JIS K0070に準じて測定し、酸価は、JIS K0070に準じて測定した。なお、平均水酸基価は、後に示す方法で測定した。
(B2)グリコール酸(ナカライテスク株式会社製、商品名:グリコール酸)
(B3)ヒマシ油脂肪酸(伊藤製油社製、商品名「CO−FA」 リシノール酸含有)
【0082】
<(C)炭素数2〜4のアルキレンオキシド>
(C1)エチレンオキシド
(C2)プロピレンオキシド
【0083】
上記のポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アルキレンオキシドを用いてポリオール組成物1〜11を製造した。
【0084】
(ポリオール組成物1)
撹拌機、温度計、窒素導入管および還流コンデンサを備えた反応器に、クエン酸57.6g(0.3モル)とモノヒドロキシテスアリン酸487g(1.8モル)を投入し、温度160℃で、副生する水を反応系内から除去しながら8時間反応を行なった。続いて、反応液をオートクレーブに移し、48%水酸化カリウム水溶液3.4g(KOHとして反応液100重量部に対して0.3重量部)を添加し、温度130℃、圧力0.2MPaを維持しながら、エチレンオキシド38.4g(0.9モル)を導入し、さらに1時間熟成反応を行うことによりポリオール組成物1(平均水酸基価83mgKOH/g)を製造した。
【0085】
(ポリオール組成物2〜9)
「(A)分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸」の種類および使用量と、「(B)分子内に1個または2個のカルボキシル基と水酸基とを有するヒドロキシカルボン酸」の種類および使用量と、「(C)炭素数2〜4のアルキレンオキシド」の種類、使用量および付加形態とを表1に記載の通り変更した点以外は、ポリオール組成物1と同様の方法でポリオール組成物2〜9を製造した。なお、ポリオール組成物6の製造では、温度130℃、圧力0.2MPaに維持しながら、プロピレンオキシドを導入後1時間熟成反応を行い、続いて、温度130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキシドを導入後1時間熟成反応を行った。また、ポリオール組成物7の製造では、「分子内に1個または2個のカルボキシル基と水酸基とを有するヒドロキシカルボン酸」としてモノヒドロキシテスアリン酸とグリコール酸との混合物を使用した。
【0086】
(ポリオール組成物10)
オートクレーブに、クエン酸384.0g(2.0モル)と48%水酸化カリウム水溶液4.0gを仕込み、温度130℃、圧力0.2MPaに維持しながら、エチレンオキシド256.0g(6.0モル)を導入し、さらに1時間熟成反応を行うことによりポリオール組成物10(平均水酸基価482mgKOH/g)を製造した。
【0087】
(ポリオール組成物11)
撹拌機、温度計、窒素導入管および還流コンデンサを備えた反応器に、クエン酸115.2g(0.6モル)とモノヒドロキシテスアリン酸487g(1.8モル)を投入し、温度160℃で、副生する水を反応系内から除去しながら8時間反応を行うことによりポリオール組成物11(平均水酸基価168mgKOH/g)を製造した。
【0088】
(ポリオール組成物12)
撹拌機、温度計、窒素導入管および還流コンデンサを備えた反応器に、グリセリン27.6g(0.3モル)とモノヒドロキシテスアリン酸487g(1.8モル)を投入し、温度160℃で、副生する水を反応系内から除去しながら8時間反応を行うことによりポリオール組成物12(平均水酸基価87mgKOH/g)を製造した。
【0089】
(ポリオール組成物13)
撹拌機、温度計、窒素導入管及び環流コンデンサを備えた反応器に、グリセリン27.6g(0.3モル)とモノヒドロキシステアリン酸487g(1.8モル)とを投入し、温度160℃で、副生する水を反応系内から除去しながら8時間反応を行った。
続いて、反応液をオートクレーブに移し、48%水酸化カリウム水溶液3.2g(KOHとして反応液100重量部に対して0.3重量部)を添加し、温度130℃、圧力0.2MPaを維持しながら、エチレンオキシド38.4g(0.9モル)を導入し、さらに1時間熟成反応を行うことによりポリオール組成物13(平均水酸基価89mgKOH/g)を得た。
【0090】
(ポリオール組成物14)
モノヒドロキシステアリン酸を730g(2.7モル)とした点以外は、ポリオール組成物13と同様な方法でポリオール組成物14(平均水酸基価64mgKOH/g)を得た。
【0091】
<アルデヒド化合物の含有量>
ポリオール組成物に含まれるアルデヒド化合物の含有量は、液体クロマトグラフィー(測定機器「HP−1050」 ヒューレッドパッカート社製)にて以下の方法により測定した。
まず、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの標準サンプルを用いて検量線を作成した。続いて、合成したポリオール組成物を用いて下記条件で測定し、上記検量線から各アルデヒド量を測定し、その合計量をアルデヒド含量とした。
<液体クロマトグラフィーの測定条件>
カラム:Inerstsil ODS−2(4.6mmφ×150mm、粒子径5μm)
溶離液:アセトニトリル/Buffer(45/55(容量比))、
(Buffer:0.025mol/Lのリン酸二水素ナトリウム水溶液を1mol/Lのリン酸を用いてpH4.0に調整したもの)
流速 :1.0mL/min.
検出波長:UV355nm
注入量:10μL
検出限界:0.1ppm
【0092】
<平均水酸基価>
製造されたポリオール組成物の平均水酸基価をJIS K1557に準じて測定した。
【0093】
各ポリオール組成物の製造における組成比、各ポリオール組成物のアルデヒド化合物の含有量、および、平均水酸基価の測定結果を表1に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
表1から認識できるように、本発明のポリオール組成物のアルデヒド化合物の含有量は、比較的少ないといえる。一般的なポリエーテルポリオールのアルデヒド化合物の含有量が3ppm程度、ヒマシ油にアルキレンオキシドを付加させたポリオール組成物のアルデヒド化合物含有量が2ppm程度であることからも比較的少ないといえる。
【0096】
<ポリオール組成物の1級水酸基の割合>
ポリオール組成物1,2,5,13,14の全末端水酸基に占める1級水酸基の割合を1H−NMR法によって下記の方法で測定した。
具体的には、各ポリオール組成物のCDCl3溶液に、無水トリフルオロ酢酸を添加し、末端水酸基をエステル化した後、1H−NMRを測定した。
より具体的には、トリフルオロ酢酸でエステル化された炭素原子に結合している水素原子であるメチレン水素原子(即ち1級水酸基:δ=5.2ppm付近のピーク)とメチン水素原子(即ち1級水酸基:δ=4.3ppm付近のピーク)のピーク積分値を測定し、下記式より1級水酸基の割合を算出した。
1級水酸基の割合(モル%)=[R/(R+2S)]×100
R=メチレン水素原子のピークの積分値
S=メチン水素原子のピークの積分値
【0097】
各ポリオール組成物の原料の組成比、各ポリオール組成物の1級水酸基の割合を表2に示す。
【0098】
【表2】

【0099】
表2から認識できるように、本発明のポリオール組成物は、水酸基の態様が十分に調整されている。即ち、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを用いた場合は、水酸基のほとんどが1級水酸基となり得る。また、プロピレンオキシドを用いた場合は、水酸基のほとんどが2級水酸基となり得る。一方、分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸を用いなかった場合は、水酸基の態様が十分に調整されているとはいえない。
【0100】
続いて、上記各ポリオール組成物を用いて、ポリウレタンフォームを製造した。なお、ポリオール組成物以外に、下記の原料を用いた。これら各原料の配合量を表3に示した。
【0101】
<他のポリオール>
(D−1)
グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させ、さらに、末端にエチレンオキシドをブロック付加重合させたポリエーテルポリオール(平均水酸基数3、平均水酸基価34mgKOH/g、商品名「DKSプロピラン353」(第一工業製薬社製))
(D−2)
グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させ、更にスチレンモノマーを重合させたポリマーポリオール(平均水酸基数3、平均水酸基価28mgKOH/g、商品名「ハイフレックスND825C」(第一工業製薬社製))
<触媒1>
N,N−ジメチルエタノールアミン
商品名:プロパミンA(第一工業製薬社製)
<触媒2>
トリエチレンジアミンの33%DPG溶液
商品名:TOYOCAT TEDA L33(東ソー株式会社製)
<整泡剤>
シリコン系整泡剤
商品名:SZ−1313(東レ・ダウコーニング株式会社製)
<発泡剤>

<ポリイソシアネート化合物>
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートに、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールを反応させて得たイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(遊離 NCO=29.0%、商品名「DKシステムB−73E」(第一工業製薬社製))
【0102】
表3に示した重量比になるように、ポリオール組成物1〜14、他のポリオール、発砲剤としての水、触媒および整泡剤を混合し、プレミックスを製造した。得られたプレミックスを22℃に温度調節し、表2に示した重量比になるように、同じく22℃に温度調節したポリイソシアネート化合物をさらに混合し(ハンドミキシング)、ポリオール−イソシアネート混合物を得た。この混合物を用いて、ポリウレタンフォームを製造し、その際、ポリウレタンフォームの物性評価を行った。
【0103】
【表3】

【0104】
<反応性の評価>
上記ポリオール−イソシアネート混合物を、ポリカップに注入し、反応性(クリームタイム、ゲルタイム、ライズタイム)を測定した。なお、クリームタイムは、発泡が始まる時間、ゲルタイムは糸引きが終わる時間、ライズタイムは発泡が終了する時間とした。
【0105】
<フォーム物性の評価>
上記ポリオール−イソシアネート混合物を、55℃に調整した30×30×10cmの金型に入れ、モールド発泡を実施した。15分後脱型し、成型性(コラップス発生の有無、表面スキン剥がれの有無、ボイドの有無を指標として評価)を評価した。
その後、得られたポリウレタンフォームのコア密度(JIS K−6400準拠)、硬度、反発弾性、永久歪を、JIS K−6400に準拠して測定した。
【0106】
表3において、実施例1〜11と比較例1〜5との比較からわかるように、各実施例のポリオール組成物を使用したポリウレタンフォームは、良好な物性を得ることができる。
1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシ酸を用いずに合成したポリオール組成物10を使用したポリウレタンフォーム(比較例1)は、成型性と永久歪が悪く、硬度が非常に高くなることがわかる。
炭素数2〜4のアルキレンオキシドを用いずに合成したポリオール組成物11を使用した場合(比較例2)は、反応性が非常に遅く、通常のフォーム形状になる前に潰れ(コラップス)が発生し、ポリウレタンフォームが得られなかった。
3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸に代えて3個のヒドロキシル基を有するグリセリンを用い、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを用いなかったポリオール組成物12を使用したポリウレタンフォーム(比較例3)は、成型性と永久歪が悪く、さらに反発弾性も低いことがわかる。
3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸に代えてグリセリンを用いて合成したポリオール組成物13,14を使用したポリウレタンフォーム(比較例4,5)は、永久歪が悪く、反発弾性が低いことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明のポリオール組成物は、ポリウレタンフォームなどのポリウレタン樹脂成型物の原料として好適に用いられ得る。また、本発明のポリウレタン樹脂の製造方法により得られるポリウレタン樹脂は、例えば、ポリウレタンフォームなどとして好適に用いられ得る。より詳しくは、通常ポリウレタンフォームが用いられる用途、例えば、家具、自動車用シート、ヘッドレストなどの用途に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸と、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸とのエステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させてなることを特徴とするポリオール組成物。
【請求項2】
前記ポリカルボン酸1モルに対して前記ヒドロキシカルボン酸が1〜30モル反応されてなる請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項3】
前記ヒドロキシカルボン酸の炭素数が5〜30である請求項1または2に記載のポリオール組成物。
【請求項4】
ポリウレタン樹脂原料用である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
【請求項5】
分子内に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸に、分子内に水酸基および1個または2個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸をエステル化反応させてエステル化反応物とし、該エステル化反応物に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させることを特徴とするポリオール組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。

【公開番号】特開2009−275072(P2009−275072A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125481(P2008−125481)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000003506)第一工業製薬株式会社 (491)
【Fターム(参考)】