説明

ポリシラン加工処理方法及び利用方法

本発明は、低分子、中分子、および、高分子ハロゲン化ポリシランの、最終生成物関連の製造、これらのポリシランの選択された分画への蒸留、ポリシラン混合物またはポリシランの気相または液相からのシリコンの直接的堆積、ハロゲン化ポリシランの水素化または誘導化、ならびに、適当なシステムによる最終生成物と成すための加工処理のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン化ポリシランについての、最終生成物に関連しての生成方法、斯かるハロゲン化ポリシランの蒸留方法、水素化方法、誘導化方法、並びに、適当なシステムによる最終生成物と成す加工処理方法とに関する。
【0002】
発明たる方法という意味合いにおいて、ポリシランとしては、少なくとも一つの直接的な結合Si-Siを特徴とする化合物を挙げる。ポリシランには、鎖の枝分 れのほかに、リニアなSin鎖および/またはSin環を含んでいても良い。
【0003】
発明たる方法という意味合いにおいて、ハロゲン化ポリシランは、置換基が、大半のハロゲンX=F、Cl、Br、Iと、水素とにより構成されるポリシランである。発明たる方法という意味合いにおいてハロゲン化ポリシランは、水素が乏しく、比率が、H:X≦1:5である。
【0004】
ポリシランの調製
シリコン生成の役割をも果たすハロゲン化ポリシランの混合物は、SiX4と 、H2からのプラズマ化学手順において作られる。この方法は、ドクトル.オネ ル教授の特許出願PCT/DE2006/00089号「ハロゲンシランからの珪素の製造方法」に記載されている。プラズマ反応は、例えば、連続的な刺激
(連続的な波)により、実施できる。
【0005】
2/SiX4蒸気混合物を、電気的もしくは電磁的交流の場によって刺激し、プラズマ状の状態へ転換させる。反応状態に応じて、ハロゲン化ポリシランの、液体状、半固体状、もしくは、固体状の混合物が生成される。
【0006】
現在の理解により、2〜6個のシリコン原子を備えたポリシランは、低分子ポリシランと呼ばれ、シリコン原子7〜14個のものは、中分子ポリシラン、そして、少なくとも15個のシリコン原子を備えたポリシランは、高分子ポリシランと呼ばれる。選ばれた各グループは、それぞれ、蒸留、水素化、もしくは、誘導化というように更なる加工処理の可能性を異にしている。
【0007】
本発明によれば、ハロゲン化ポリシランの「なんらかの」混合物が生成されるだけでなく、このポリシランの混合物が更なる加工処理にとって最も都合の良いものであるという具合に、プラズマ反応器における反応条件をコントロールすることが、特に有益である。
【0008】
更なる加工処理のために調製される特定のハロゲン化ポリシランは、分子の質量および別の適当な判定方法により、曖昧さ無しに、判別できる。低分子、中分子、高分子のハロゲン化ポリシランが生成可能であり、それらに関する特徴として、周期的構造のポリシランは長鎖ポリシランを得るための重合化にとっても重要であるという点を挙げることができる。
【0009】
幾つかのステージにおいてプラズマ反応器に配置したプラズマ源を備えること、および、反応混合物を可能な限り均質にしておき可能な限り小さい空間容量への所期のエネルギー導入のための可能な手段全てを備えることは有益である。
【0010】
これにより、高い均質性をもった反応条件による、つまりは、均質性の高い反応生成物による反応混合物の高流量が可能になる。
【0011】
可能な限り均質に生じさせなければならない反応プラズマへのエネルギーの導入を形成すること、および、このプラズマに可能な限り均質な反応条件を備えることは、可能な限り均質な反応生成物にとって、決定的である。ここで、後に反応混合物により通過される一つのプラズマ刺激のみならず、複数のプラズマ刺激を備えることは、有益である。
【0012】
可能な限り均等な反応混合物が充填された空間容量へのエネルギー導入を得るためには、プラズマ源にパルスを発生させて、反応混合物の、より均等な刺激を得ることが有益である。
【0013】
「より均質な刺激」という前述の目的は、反応混合物を別途の電子流に曝して、より安定なプラズマ、または、より良好なプラズマ点火を達成することによって得られる。
【0014】
更に、前記の反応混合物は、反応器外部に配置する電磁コイルによって急冷し、これにより、反応プラズマが圧縮部へ暴露され、その結果、膨張する。本発明によれば、反応混合物が、刺激源の波長に同調させた共鳴装置チャンバーを通過するという態様も備わる。
【0015】
プラズマを、別途、可視光もしくは紫外光の放射に曝し、反応混合物に含まれたイオンもしくは分子を選択的に刺激し得るようにすることは有益である。
【0016】
システムの連続的な運転にとって、生成物混合物が液体(粘性)稠度を有することにより反応器から流出して吸蔵を避け得ることは、決定的なことである。
【0017】
ハロゲン化ポリシランの生成混合物の液体稠度は、過剰なSiX4と、出来る 限り低いH2成分によって反応器内で操作すること、および、反応器の温度を室 温以下に保つことにより得られる。
【0018】
従って、用いた気体混合物における水素のモル濃度が、SiX4のモル濃度よ り低ければ、好ましい。
【0019】
調製したポリシランの特長は、下記のごとく、塩素化ポリシランの混合物の例により示される。
【0020】
灰汁の水溶液に溶かした試料の塩素成分(モール法による塩化物)の滴定の結果、ポリシランの混合物の実験式SiCl2+xが得られ、(この場合、xは、平 均の鎖長さに従い0〜1の間の可変値であり、)これにより、環(x=0)および鎖(0<x≦1)から成りこの場合鎖の終端が−SiCl3基であるジクロロ シリレンポリマーのことも語ることができる。環の構造式は、SinCl2nであ り、鎖の構造式は、SinCl2n+2である。
【0021】
EDX(エネルギー分散X線分光法)測定値は、前記化合物における原子比率を、おおよそ、Si:Cl=1:2と証している。29Si−NMR(核磁気共鳴)測定値は、生成の条件に応じて生成物が、相異なる塩素化ポリシランの錯体混合物であり得ることを、示している。望ましくは、第三(Cl−Si/SiR33)シリコン原子および第四(Si(SiR34)シリコン原子の印の欠損に よって確認されるリニアな化合物が存在することである。1H−NMR測定値は 、この生成物には水素が微量だけ含まれていること(Si−Hリンク)を示している。
【0022】
こうして得られた、ハロゲン化ポリシランの混合物は、低分子、中分子、高分子ポリシランと呼ばれる。低分子ポリシランの混合物は、大半の、ヘキサクロロジシラン(Si:Cl=1:3)と、オクタクロロトリシランSi3Cl8(Si:Cl=1:2.67)とから成る。これら2つの成分は、蒸留により分離させることができる。
【0023】
ポリシランの混合物の分離:
個々の成分もしくは分画は、生成物混合物から、例えば、蒸留により得られる。
【0024】
1.ヘキサクロロジシランが、まず、温度約144℃/圧力1013hPaで離脱し、この場合、ヘキサクロロジシランは、ポリシランの合成時に蒸気状状態の混合物中ですでに分離されていて、凝縮される(例えば0℃)。
2.次の分画は、例えば、オクタクロロトリシラン、デカクロロトリシラン、デカクロロイソテトラシランなどの、低塩素化オリゴシランにより形成される。
3.通常の圧力の下で、分解温度が沸点以下であるポリシランは、残滓として残る。
【0025】
真空蒸留、昇華、クロマトグラフィー、選択的な結晶化、選択的な溶解および遠心分離などの、別の分離方法も、互いに相異なる分子量のポリシランどおしを分離させるために適当である。
【0026】
ポリシリランの水素化
ハロゲン化ポリシランの水素化により、部分的に水素化された化合物、および、過水素化された化合物が、得られる。すなわち、ハロゲン原子が部分的にもしくは完全に、水素原子と交代される。水素化は、エーテル、トルエンなどの不活性の溶剤中で行える。この場合、水素化剤として望ましくは、水素化金属と、水素化メタロイドが、ふさわしい。この関係において、水素化ナトリウムアルミニウム、および、例えば水素化ナトリウム硼素などの幾つかの水素化硼素を、特に述べておかなければならない。水素化時、形成されるポリシランの分解を抑制するために、(室温若しくはそれ以下の)可能な限り低い温度で操作しなければならない。好ましくは、所望の分画だけを水素化することにより、可能な限り均等な生成物/生成物混合物が得られる。
【0027】
調製したポリシランの潜在的利用方法:
1.(ハロゲン化ポリシランの)生成物混合物の、もしくは、個々の成分の、完全なる熱分解は結果として、例えば、ポリシランの生成に相応の純粋な出発化合物が使われている場合、光起電性の、もしくは、マイクロ電子的な目的に利用可能なシリコンの形成が生じる。
【0028】
2.生成物混合物の蒸留による分離後、高い蒸気圧を持つ各成分は、(加熱処理は、誘導的に、もしくは、キャリヤーの材料に応じて赤外線放射により行う)加熱した基材上の気体相からのシリコン層(例えば、a−Si、単結晶、もしくは、多結晶質のシリコン)の分離に利用できる。
【0029】
3.このためには、例えば、ヘキサクロロジシラン並びに低位のオリゴシランがふさわしく、この場合、シリコン層は、H2が存在しているケースだけでなく、 H2が存在しない場合も、400〜500℃の温度から既に堆積させることがで きる。このために、各物質を、蒸気状状態で、また、(例えばH2など)キャリ ヤーガスとの混合物として、前述の加熱した基材上を通過させる。
【0030】
4.低蒸気圧の各成分は更に、生成物混合物からのシリコンの層堆積のために、もしくは、高いめの蒸気圧の分画の分離後、実質により若しくは溶解して加熱可能な基材へ前記低蒸気圧成分が適用されて熱分解される場合には、利用できる。
【0031】
5.基材表面へのシリコンの堆積、もしくは、基材上に形成されたシリコン層の「加熱による後処理」は、その基材による化合物の形成に用いることが出来る。従って、例えば、金属基材の表面を金属珪化物層の生成により改変して、これにより、高い摩滅抵抗、高硬度、もしくは、別の表面処理が得られる。
【0032】
6.生成物混合物もしくは個々の成分の水素化により、例えば、(SiH2n−nSi+nH2など、低温でのシリコン層または基材の堆積のために特に適した 、完全にまたは部分的に水素化したポリシランが得られる。従って、揮発性を有する水素化オリゴシランが、気相からの堆積に利用できる。そして、揮発性の低い水素化ポリシランは、非希釈状で、もしくは、不活性の溶剤(例えばトルエン)に溶解させてキャリヤーに適用可能であり、適当な手段(例えば、加熱、紫外線光等)により分解されて、これにより、シリコン層が形成される。
【0033】
7.生成物混合物もしくは個々の成分の誘導化により、例えば、SinaMeb (a+b=2n)および SincMed(c+d=2n+2)という一般式を 持つ部分的にメチル化したまたは過メチル化した化合物オルガノポリシランが得られる。そして、オルガノポリシランを例えばカップリング反応(例えば、ウルツ−カップリング)により、ポリマーに導入する、もしくは、既存のポリマーに「継ぎ木」する。これにより、ポリシラン鎖の特別な光学特性、電子特性が利用できる。無機合成化学においては、別々に置換されたポリシランの化学的転換のために、鎖の分裂や、環の開放、並びに、例えばハロゲンによる置換基の部分的交代などの、異なる各方法が知られている。これらの方法は、主たるポリシラン混合物に対し、もしくは、分離後の個々の分画に対し、もしくは、分離された純粋な化合物に対し、もしくは、対応のポリシランにおけるハロゲン原子の部分的または完全なる置換による「娘」生成物に対して適用できる。従って、例えば、完全に有機置換された環状シランは、環の開放により、端部にのみハロゲン置換基を持った鎖に転換できるし、また、完全に有機置換されたシクロシランにおいては、適合した条件のもとで、一つまたは二つの置換基のみが、ハロゲンに交代でき、これにより、環のシステムが維持される。例えば、適当な基材上の薄い層という形態での、適宜誘導化されたポリシランの直接的な使用は可能である。LEDの製造は、有機ポリシランの可能な利用方法である。
【0034】
8.個別若しくは複数の水素置換基を持ったポリシランは、ヒドロシリル化によりC−C多重結合に付加され、これにより、反応パートナーおよび反応条件に応じて、水素が、有機置換基または有機化合物を持ったコポリマーに交換され、そして、有機ポリマーにおけるポリシラン側鎖が形成される。
【0035】
9.適当なC−置換されたポリシランは、先駆物質として用いられる場合、炭化珪素を生じる。また、適当な窒素置換されたポリシランは、先駆物質として用いられる場合、窒化珪素を生じる。このようにして、炭化珪素または窒化珪素の層が、先駆物質についての適合する加工処理後、得られる。
【0036】
10.(例えば、蒸留による)分離後、ハロゲン化ポリシランは、合成のためのファインケミカルとしても利用できる。従って、例えば、プラズマプロセスに応じて本発明の生成物混合物における主要成分であるヘキサクロロジシランは、合成化学における脱酸素化反応に用いることが出来る。
ポリシラン利用のための本発明方法は図面に示している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、加工処理のための完全な方法の概略を示す。
【図2】図2は、例えば、ヘキサクロロジシランなど、小さな分子量のハロゲン化ポリシランからの大量シリコンの堆積のための方法概略の利用方法を示す。
【図3】図3は、例えば、ジシランなど、小さな分子量の水素化ポリシランからの薄層シリコンの水素化及び堆積のための方法概略の利用方法を示す。
【図4】図4は、例えば、デカクロロテトラシランなど、中間の分子量のハロゲン化ポリシランの部分的メチル化のための方法概略の利用方法、並びに、低分子および高分子ハロゲン化ポリシランが蒸留部から低分子/高分子ポリシラン用貯蔵タンクへ再誘導され、且つ、高分子蒸留残渣がシリコンの直接分離部へ案内されるとき、長鎖ポリマーへの前記有機ポリシランのウルツカップリングによる前記オルガノクロロポリシランの更なる加工処理のための方法概略の利用方法を示す。
【図5】図5は、低分子および中分子の蒸留物が各貯蔵タンクへ再誘導されるとき、高分子ハロゲン化ポリシランについて、分離、メチル化、並びに、それらに引き続く加工処理を行ってオルガノポリシランを得るための方法の利用方法を示す。
【0038】
参照番号リスト
1.プラズマ反応器
2.電磁無線周波数発生器I
3.電磁無線周波数発生器II
4.電磁無線周波数発生器III
5.主として低分子ハロゲン化ポリシランの除去
6.主として中分子ハロゲン化ポリシランの除去
7.主として高分子ハロゲン化ポリシランの除去
8.主として低分子ハロゲン化ポリシランの蒸留
9.主として中分子ハロゲン化ポリシランの蒸留
10.主として高分子ハロゲン化ポリシランの蒸留
11.非蒸留低分子ハロゲン化ポリシランの除去
12.蒸留残渣の除去
13.蒸留残渣の除去
14.蒸留残渣の除去
15.低分子蒸留物の除去
16.非蒸留中分子ハロゲン化ポリシランの除去
17.蒸留残渣の除去
18.蒸留残渣の除去
19.蒸留残渣の除去
20.蒸留残渣の除去
21.蒸留残渣の除去
22.中分子蒸留物の除去
23.非蒸留高分子ハロゲン化ポリシランの除去
24.蒸留残渣の除去
25.蒸留残渣の除去
26.蒸留残渣の除去
27.蒸留残渣の除去
28.蒸留残渣の除去
29.高分子蒸留物の除去
30.低分子ハロゲン化ポリシランの貯蔵タンク
31.中分子ハロゲン化ポリシランの貯蔵タンク
32.高分子ハロゲン化ポリシランの貯蔵タンク
33.主として低分子ハロゲン化ポリシラン混合物の貯蔵タンク
34.低分子ポリシラン混合物からのシリコンのための堆積装置
35.気体状低分子水素化ポリシランからのシリコン層のための堆積装置
36.水素化反応器
37.液体低分子水素化ポリシランの貯蔵タンク
38.メチル化反応器
39.低分子オルガノポリシランの貯蔵タンク
40.主として中分子ハロゲン化ポリシラン混合物の貯蔵タンク
41.中分子ポリシラン混合物からのシリコンのための堆積装置
42.水素化反応器
43.気体状中分子水素化ポリシランからのシリコン層のための堆積装置
44.中分子オルガノポリシランの貯蔵タンク
45.メチル化反応器
46.高分子ポリシラン混合物からのシリコンのための堆積装置
47.主として高分子ハロゲン化ポリシラン混合物の貯蔵タンク
48.気体状高分子水素化ポリシランからのシリコン層のための堆積装置
49.水素化反応器
50.液体高分子水素化ポリシランの貯蔵タンク
51.気体状高分子オルガノポリシランの貯蔵タンク
52.メチル化反応器
53.液体高分子オルガノポリシランの貯蔵タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンまたはシリコンに基づく生成物の生成のためのハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、
生成される低、中、もしくは、高分子量のポリシラン混合物と、望まれる最終生成物および/または中間生成物とに応じて、
‐気体相または液相のこのハロゲン化ポリシランの混合物を、直接に更なる加工処理へ導くかもしくは、
‐個々の分画ごとに一つの蒸留塔または複数の蒸留塔で分離させ、そして、蒸留物を、直接に加工処理し、例えば、
‐ハロゲン化ポリシランの水素化、もしくは、
‐オルガノポリシランを得るためのメチル化などの
更なる加工処理段階へ導き、
‐この加工処理に至るポリシラン混合物の配合を、生成プロセスと、各物質の流れを規制することにより制御すること
を特徴とする前記シリコンまたはシリコンに基づく生成物の生成のためのハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシリコンおよび/またはシリコンに基づく生成物の生成のためのハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、ハロゲン化ポリシランの混合物が、化学的に、もしくは、プラズマ化学的に、生成されることを特徴とする前記シリコンおよび/またはシリコンに基づく生成物の生成のためのハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、ポリシラン混合物の配合の制御のために、一つ乃至それ以上のプラズマ反応器が供給されるハロゲンシラン及びH2の反応混合物により後に通過され、各プラズマ反応器の通過後ポリシランの 混合物の平均分子量が増加することを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマ反応器におけるポリシラン混合物の配合を制御するために、複数のプラズマ源を設け、この複数のプラズマ源へ反応混合物を通過させ、プラズマ反応器における各プラズマ源の後、ポリシラン混合物の平均分子量が増加することを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマ反応器またはプラズマ源の数に応じて、プラズマ反応器において、主として低、中、高分子量のポリシラン混合物が得られ、更なる加工処理へ導かれることを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項6】
請求項1〜5のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマ反応器または個別の成分の温度が周囲温度以下に維持され、かつ、得られるポリシラン混合物の粘度が気体混合物における水素含有量とハロゲン含有量との、混合比率によって制御されることを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項7】
請求項1〜6のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマ反応器に用いられるプラズマ源に、パルスを発生させることを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項8】
請求項1〜7のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマ反応器におけるプラズマは、定期的に別途の電磁的交流の場により急冷させる、もしくは、マイクロ波源に同調させた共鳴装置チャンバーを通過することを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項9】
請求項1〜8のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマのパルス発生および/または追加的な放電および/またはプラズマ急冷が、プラズマ反応器において交互に起こることを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項10】
請求項1〜9のうちひとつに記載のプラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、プラズマ反応器におけるプラズマが、追加的に、赤外線光、可視光、もしくは、紫外線光を放射されることを特徴とする前記プラズマ化学的に生成されるハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項11】
請求項1〜10のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、主として低分子ポリシラン混合物が、蒸留部へ導かれ、純粋な状態のたとえばSi2Cl6およびSi3Cl8などの低分子ハロゲン化ポリシランを得ることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項12】
請求項1〜11のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、たとえばSi512またはSi510などの主として中分子量の蒸留残渣が、直接的な更なる加工処理へ導かれること、もしくは、別の蒸留塔内へ導かれることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項13】
請求項1〜11のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、主として分解されていない蒸留可能な中分子量の成分をともなったポリシラン混合物が、蒸留部へ導かれ、純粋な状態の個別の成分および/または定義された沸騰領域の分画を得ることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項14】
請求項1〜10および13のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、主として低または高分子量の蒸留物または蒸留残渣が、直接的な更なる加工処理へ導かれること、もしくは、別の蒸留塔内へ導かれることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項15】
請求項1〜10のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、主として高分子量のポリシラン混合物が、サイズ選択的なクロマトグラフィーによる分離方法へ曝され、高中分子量のポリシラン分画を得ることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項16】
請求項1〜10および15のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、主として低または中分子量の分離分画が、直接的な更なる加工処理へ導かれること、もしくは、別の蒸留塔内へ導かれることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項17】
請求項1〜13および16のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、蒸留または他の分離方法の後に得られる低、中、もしくは、高分子量のポリシランが、水素化され、部分的に水素化されたもしくは「過」水素化された化合物が得られることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項18】
請求項1〜17のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、水素化が、エーテルおよび/または芳香族溶剤中で行われることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項19】
請求項1〜18のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、水素化金属と、水素化メタロイド、そして、望ましくは、水素化ナトリウムアルミニウム、もしくは、水素化ナトリウム硼素が、水素化剤として使用されることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項20】
請求項1〜19のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、水素化が、望ましくは、20℃以下の温度で実施されることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項21】
請求項1〜15のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、蒸留後に得られる低、中、高分子量のポリシランが、メチル化され、そして、SinaMeb(a +b=2n)および SincMed(c+d=2n+2)という一般式を持っ た、部分的メチル化もしくは過メチル化された有機ポリシランが得られること
を特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項22】
請求項1〜14のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、例えば、メチルリチウム、メチルマグネシウムハリド、ジメチル亜鉛、テトラメチルシランなどのメタロイド化合物および/または金属有機化合物が、メチル化剤として使われることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項23】
請求項1〜14および21〜22のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、得られたオルガノポリシランがポリマーへ導入されるか、もしくは、ポリマーに継ぎ木されることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項24】
請求項1〜20のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、低分子ハロゲン化ポリシランの混合物が、シリコンの堆積のために、気体状相から直接に,被加熱表面へ導かれ、そして、そこで熱分解的に分解されることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項25】
請求項1〜19のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、液体ハロゲン化ポリシラン混合物またはその溶液が、適当な溶剤に溶かして堆積表面へ適用され、そして、そこで熱分解により分解され、そこにシリコンが堆積させられることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項26】
請求項1〜20のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、選択された分子量をもった高純度の水素化ポリシランが、気体状相の被加熱表面へ導かれ、シリコンが、それらの被加熱表面へ熱分解により堆積させられることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項27】
請求項1〜20のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、選択された分子量をもった水素化ポリシランが、液相のまたは溶液中の適当な表面に適用され、そして、加熱により分解され、これにより、シリコンがそれらの表面に堆積させられることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項28】
請求項1〜20および24〜27のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、
なんらかのキャリヤー表面上のアモルファスシリコン薄層が、最終生成物として得られることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項29】
請求項1〜28のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、多結晶質のシリコン薄層が、なんらかのキャリヤー表面上に得られることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項30】
請求項1〜27のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、なんらかのキャリヤー表面上の単結晶質シリコン薄層が得られることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項31】
請求項1〜27のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、シリコンが、400℃以上のハロゲン化ポリシランまたは200℃以上の水素化ポリシランの混合物からなんらかの厚さをもった層として堆積させられることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。
【請求項32】
請求項1〜19および23〜26のうちひとつに記載のハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法であって、
堆積させられたシリコン層が加熱による後処理に曝されることを特徴とする前記ハロゲン化ポリシランの混合物についての、最終生成物関連の生成および加工処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−543828(P2009−543828A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519878(P2009−519878)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006487
【国際公開番号】WO2008/009473
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509132509)レヴ・リニューワブル・エナージー・ヴェンチャーズ・インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】