説明

ポリヌクレオチドアプタマー系架橋物質体およびその使用

一態様において、本開示により、標的分子に結合する多価ポリヌクレオチドアプタマー;およびコンジュゲート枠組構造に結合された2つ以上の個別の親和性リガンドを含むコンジュゲートを含む架橋物質体であって、該2つ以上の親和性リガンドは、該アプタマーとの結合に関して該標的分子と競合し、異なるコンジュゲート上の親和性リガンドと該アプタマー間の非共有結合性相互作用の結果、該物質体内で該コンジュゲートが架橋される、架橋物質体を提供する。このような物質体は、所望の濃度の標的分子に応答した量のコンジュゲートを放出するように設計される。また、最終適用用途に応じて、種々の実施形態において、該コンジュゲートは、薬物および/または検出可能な標識を含むものであってもよい。薬物、検出可能な標識および親和性リガンドは、コンジュゲート枠組構造に、共有結合されていても、非共有結合で結合されていてもよい。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的分子に結合する多価ポリヌクレオチドアプタマー;および
コンジュゲート枠組構造に結合された2つ以上の個別の親和性リガンドを含むコンジュゲートを含む架橋物質体であって、
該2つ以上の親和性リガンドは、該アプタマーとの結合に関して該標的分子と競合し、異なるコンジュゲート上の親和性リガンドと該アプタマー間の非共有結合性相互作用の結果、該物質体内で該コンジュゲートが架橋される、
架橋物質体。
【請求項2】
該コンジュゲートが、さらに、その枠組構造に結合された薬物を含む、請求項1に記載の物質体。
【請求項3】
該コンジュゲートが、さらに、その枠組構造に結合された検出可能な標識を含む、請求項1に記載の物質体。
【請求項4】
標的分子がグルコースである、請求項1に記載の物質体。
【請求項5】
該コンジュゲートの親和性リガンドが糖質を含む、請求項4に記載の物質体。
【請求項6】
該コンジュゲートの親和性リガンドが、グルコース、マンノース、グルコサミン、マンノサミン、メチルグルコース、メチルマンノース、エチルグルコース、およびエチルマンノースから選択される糖質を含む、請求項5に記載の物質体。
【請求項7】
該コンジュゲートの親和性リガンドがビマンノース(bimmanose)またはトリマンノースを含む、請求項5に記載の物質体。
【請求項8】
該コンジュゲートの親和性リガンドが、アミノエチルグルコース(AEG)、アミノエチルマンノース(AEM)、アミノエチルビマンノース(AEBM)またはアミノエチルトリマンノース(AETM)を含む、請求項5に記載の物質体。
【請求項9】
該コンジュゲートの親和性リガンドが糖質とリンカーを含み、該糖が該リンカーにアノマー炭素を介して共有結合されている、請求項5に記載の物質体。
【請求項10】
アノマー炭素がαアノマーである、請求項9に記載の物質体。
【請求項11】
150mMのNaClを含み、標的分子を含まない37CでpH7の25mMのHEPES緩衝液に入れたとき不溶性である、請求項1に記載の物質体。
【請求項12】
該コンジュゲートが該物質体から、標的分子の濃度に依存性の速度で、または標的分子の濃度に依存性の程度まで放出される、請求項11に記載の物質体。
【請求項13】
標的分子がグルコースである、請求項12に記載の物質体。
【請求項14】
50rpmでUSP溶出試験法IIを使用し、37Cで150mMのNaClおよび100mg/dLのグルコースを含むpH7の25mMのHEPES緩衝液に6時間入れたとき、実質的に不溶性のままである、請求項13に記載の物質体。
【請求項15】
50rpmでUSP溶出試験法IIを使用し、37Cで150mMのNaClおよび100mg/dLのグルコースを含むpH7の25mMのHEPES緩衝液に6時間入れたとき、10%未満の物質体が溶解する、請求項13に記載の物質体。
【請求項16】
50rpmでUSP溶出試験法IIを使用し、37Cで150mMのNaClおよび400mg/dLのグルコースを含むpH7の25mMのHEPES緩衝液に6時間入れたとき、少なくとも50%の物質体が溶解する、請求項13に記載の物質体。
【請求項17】
50rpmでUSP溶出試験法IIを使用し、37Cで150mMのNaClおよび400mg/dLのグルコースを含むpH7の25mMのHEPES緩衝液に6時間入れたとき、100%の物質体が溶解する、請求項13に記載の物質体。
【請求項18】
該コンジュゲートが、さらに、その枠組構造に結合された薬物を含む、請求項13に記載の物質体。
【請求項19】
薬物が抗糖尿病薬である、請求項18に記載の物質体。
【請求項20】
薬物がインスリン分子である、請求項18に記載の物質体。
【請求項21】
薬物がインスリン感受性改善薬である、請求項18に記載の物質体。
【請求項22】
薬物がインスリン分泌促進薬(secretatogue)である、請求項18に記載の物質体。
【請求項23】
コンジュゲート枠組構造がポリマー系である、請求項1に記載の物質体。
【請求項24】
コンジュゲート枠組構造がポリマー系でない、請求項1に記載の物質体。
【請求項25】
コンジュゲート枠組構造が分岐型または超分岐型である、請求項1に記載の物質体。
【請求項26】
コンジュゲートの枠組構造が多糖を含む、請求項1に記載の物質体。
【請求項27】
該コンジュゲートが、式:
【化1】

(式中、
は、水素または任意選択で置換されているC1〜6アルキルであり;
は、任意選択で置換されている二価のC1〜10炭化水素鎖であり、ここで、Zの1、2、3、4または5個のメチレン単位は、任意選択で独立して、−S−、−O−、−NR−、−(C=NR)−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(=O)−、−(CR=CR)−、−(N=N)−、任意選択で置換されているアリーレン部分または任意選択で置換されているヘテロアリーレン部分から選択される1つ以上の基で置き換えられており、式中、Rは、水素、任意選択で置換されている脂肪族、任意選択で置換されているヘテロ脂肪族、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、または適当なアミノ保護基であり、Rは、水素、任意選択で置換されている脂肪族、任意選択で置換されているヘテロ脂肪族、任意選択で置換されているアリール、または任意選択で置換されているヘテロアリールであり;
存在するXは各々、独立して、−ORまたは−N(Rであり、式中、Rは、水素、任意選択で置換されている脂肪族、任意選択で置換されているヘテロ脂肪族、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、適当なヒドロキシル保護基、カチオン基、または親和性リガンドであり、各Rは、独立して、水素、任意選択で置換されている脂肪族、任意選択で置換されているヘテロ脂肪族、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、適当なアミノ保護基、または親和性リガンドであるが、存在するXの少なくとも2つは親和性リガンドを含むものとし;
は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されている脂肪族、任意選択で置換されているヘテロ脂肪族、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、−ORまたは−SRであり、式中、Rは、水素、任意選択で置換されている脂肪族、任意選択で置換されているヘテロ脂肪族、任意選択で置換されているアリール、または任意選択で置換されているヘテロアリールであり;
rは、5〜25(両端を含む)の整数であり;
は、薬物または検出可能な標識であり;
【化2】

は、共有結合性の単結合または二重結合に相当する)
の構造を含む、請求項1に記載の物質体。
【請求項28】
該コンジュゲートが、式:
【化3】

(式中:
存在する[(A−T)]は各々、該コンジュゲート内の存在し得る分岐部を表し;
存在する(A−T)は各々、該コンジュゲートの分岐内の存在し得る反復部を表し;
存在するA−T
は各々、独立して、共有結合、炭素原子、ヘテロ原子、またはアシル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群より選択される任意選択で置換されている基であり;
存在するTは各々、独立して、共有結合であるか、または二価の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の任意選択で置換されているC1〜30炭化水素鎖であり、ここで、Tの1つ以上のメチレン単位は、任意選択で独立して、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、複素環式基、アリール基またはヘテロアリール基で置き換えられており;
存在するRは各々、独立して、水素、適当な保護基、またはアシル部分、アリールアルキル部分、脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分もしくはヘテロ脂肪族部分であり;
−Bは、−T−L−Xであり;
存在するXは各々、独立して、親和性リガンドであり;
存在するLは各々、独立して、共有結合であるか、またはTとXとの共有結合性コンジュゲーションに由来する基であり;
−Dは、−T−L−Wであり;
存在するWは各々、独立して、薬物または検出可能な標識であり;
存在するLは各々、独立して、共有結合であるか、またはTとWとの共有結合性コンジュゲーションに由来する基であり;
kは、2〜11(両端を含む)の整数であり、該コンジュゲート内にk−分岐部が少なくとも2つあることを規定し;
qは、1〜4(両端を含む)の整数であり;
k+qは、3〜12(両端を含む)の整数であり;
存在するpは各々、独立して、1〜5(両端を含む)の整数であり;
存在するnは各々、独立して、0〜5(両端を含む)の整数であり;
存在するmは各々、独立して、1〜5(両端を含む)の整数であり;
存在するvは各々、独立して、0〜5(両端を含む)の整数であるが、各k−分岐部において、存在する少なくとも1つのnは≧1であり、存在する少なくとも1つのvは≧1であるものとする)
の構造を含む、請求項1に記載の物質体。
【請求項29】
XおよびWがそれぞれ存在しない該コンジュゲートの分子量が10,000Da未満である、請求項27または28に記載の物質体。
【請求項30】
XおよびWがそれぞれ存在しない該コンジュゲートの分子量が約300〜約5,000Daの範囲である、請求項29に記載の物質体。
【請求項31】
XおよびWがそれぞれ存在しない該コンジュゲートの分子量が約300〜約800Daの範囲である、請求項29に記載の物質体。
【請求項32】
存在するXの少なくとも2つが糖質を含む親和性リガンドを含む、請求項29に記載の物質体。
【請求項33】
存在するXの少なくとも2つが、グルコース、マンノース、グルコサミン、マンノサミン、メチルグルコース、メチルマンノース、エチルグルコース、およびエチルマンノースからなる群より選択される糖質を含む親和性リガンドを含む、請求項29に記載の物質体。
【請求項34】
存在するXの少なくとも2つが、ビマンノース(bimmanose)またはトリマンノースを含む親和性リガンドを含む、請求項29に記載の物質体。
【請求項35】
存在するXの少なくとも2つが、アミノエチルグルコース(AEG)、アミノエチルマンノース(AEM)、アミノエチルビマンノース(AEBM)およびアミノエチルトリマンノース(AETM)から選択される親和性リガンドを含む、請求項29に記載の物質体。
【請求項36】
存在するXの少なくとも2つが、糖質とリンカーを含む親和性リガンドを含み、該糖が該リンカーにアノマー炭素を介して共有結合されている、請求項29に記載の物質体。
【請求項37】
アノマー炭素がαアノマーである、請求項36に記載の物質体。
【請求項38】
多価アプタマーが、配列番号1、2、3、4、5、6または7の少なくとも40個の連続するヌクレオチドを含む、請求項4に記載の物質体。
【請求項39】
多価アプタマーが、配列番号1、2、3、4、5、6または7の少なくとも40個の連続するヌクレオチドと少なくとも70%の相同性を有する1つ以上の領域を含む、請求項4に記載の物質体。
【請求項40】
多価アプタマーが、配列番号8、9または10のヌクレオチド配列を含む、請求項4に記載の物質体。
【請求項41】
多価アプタマーが、配列番号8、9または10の少なくとも30個の連続するヌクレオチドと少なくとも70%の相同性を有する1つ以上の領域を含む、請求項4に記載の物質体。
【請求項42】
多価アプタマーが、配列番号8、9または10と少なくとも70%の相同性を有する1つ以上の領域を含む、請求項4に記載の物質体。
【請求項43】
請求項1〜42のいずれか一項に記載の物質体を患者に投与することを含む方法。
【請求項44】
該物質体が皮下注射によって投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
該コンジュゲートが、該枠組構造に結合されたインスリン分子を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
患者が糖尿病である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
該物質体が、インスリン分子の平均日用量が10〜200Uの範囲となるように投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
該物質体が毎日投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
該物質体が毎月投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
該物質体が毎月投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
患者がインスリン感受性改善薬も受けている、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
患者がインスリン分泌促進薬も受けている、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
(I)(a)グルコースに対する結合部位を少なくとも2つ有する多価ポリヌクレオチドアプタマーであって、第1の標識を含む多価ポリヌクレオチドアプタマーと、
(b)親和性リガンドおよび第2の標識を含むコンジュゲートと、
を混合する工程
ここで、第1の標識は、第2の標識に近接していると、測定可能な応答をもたらす;
(II)試料を、該多価ポリヌクレオチドアプタマーと該コンジュゲートの混合物に曝露する工程、ここで、
(a)グルコースが試料中に存在しない場合、該コンジュゲートは該ポリヌクレオチドアプタマーと、該ポリヌクレオチドアプタマーに対する親和性結合によって架橋物質体を形成し、測定可能な応答をもたらし、
(b)グルコースが試料中に存在する場合、試料由来のグルコースが該コンジュゲートと、該ポリヌクレオチドアプタマー上の結合部位に関して競合する結果、該架橋物質体の形成が抑止されるため応答が低減される;ならびに
(III)試料中のグルコースの存在および任意選択で量を測定するセンサーにより該応答を検出し、任意選択で該応答を測定する工程
を含む方法。
【請求項54】
(I)(a)グルコースに対する結合部位を少なくとも2つ有する多価ポリヌクレオチドアプタマーと、
(b)親和性リガンドおよび第1の標識を含む第1の分子群と、
(c)親和性リガンドおよび第2の標識を含む第2の分子群と、
を混合する工程、
ここで、第1の標識は、第2の標識に近接していると測定可能な応答をもたらす、
(II)試料を、該多価ポリヌクレオチドアプタマーと第1の分子群および第2の分子群との混合物に曝露する工程、ここで、
(a)グルコースが試料中に存在しない場合、第1の分子群および第2の分子群の構成員は、該多価ポリヌクレオチドアプタマーに対する親和性結合によって近接し、結合複合体および測定可能な応答をもたらし、
(b)グルコースが試料中に存在する場合、試料由来のグルコースが、第1および第2の分子と、該多価ポリヌクレオチドアプタマー上の結合部位に関して競合する結果、前記結合複合体の形成が少なくなるため応答が低減される;ならびに
(III)試料中のグルコースの存在および任意選択で量を測定するセンサーにより該応答を検出し、任意選択で該応答を測定する工程
を含む方法。
【請求項55】
(I)(a)複数の親和性リガンドを含むコンジュゲートと、
(b)グルコースに対する結合部位を少なくとも2つ有する多価ポリヌクレオチドアプタマー
を準備する工程;
(II)該コンジュゲートと該ポリヌクレオチドアプタマーを混合する工程、
ここで、得られた混合物の粘性は、該コンジュゲートと該ポリヌクレオチドアプタマー間の結合によるものである;
(III)該混合物を、グルコースを含む試料と接触させる工程、
これにより、該コンジュゲートが該ポリヌクレオチドアプタマーから外れ、濃度依存性の粘性の低下が引き起こされる;ならびに
(IV)生じた粘性の変化を検出し、任意選択で該変化を測定し、試料中のグルコースの存在および任意選択で量を測定する工程
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−516156(P2012−516156A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548253(P2011−548253)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/022237
【国際公開番号】WO2010/088276
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(511181289)スマートセルズ・インコーポレイテツド (7)
【Fターム(参考)】