説明

ポリハロゲン化ビニル−未架橋エラストマーアロイ

ポリ(ハロゲン化ビニル)と熱可塑性特性を有するオレフィンベースの未架橋エラストマーとを含有する、熱可塑性アロイが開示される。このアロイは、スラッシュ成形技術を使用して、ポリマースキンを作製し得る。本発明により、融解処理可能なゴムと特徴付けられる架橋エラストマーでさえも架橋エラストマーの使用に付随する問題を生じることなく、脆化の問題が解決される。本発明の熱可塑性アロイを作製する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、代理人事件番号12005015を有し、2005年12月27日に出願された、米国仮特許出願番号60/754,078からの優先権を主張する。この米国仮特許出願は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ポリハロゲン化ビニル(特に、ポリ塩化ビニル(PVC))と、架橋していないことに起因して熱可塑性特性を示すエラストマーとの、熱可塑性アロイに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
特許文献1(Tansey)は、エアバッグがその区画から解放されることを可能にする目的で特定の位置で裂けるように設計された計器板のカバーストックを作製する分野における問題を記載する。低温は、計器板のためのこのようなカバーストックとして使用されるPVCまたはPVCアロイを脆化させ得、カバーストックの破片がエアバッグの展開の間に乗客を損傷させる可能性を生じる。
【0004】
Tanseyは、融解処理可能な部分的に架橋したゴムをPVCマトリックスに分散させることによって、脆化の問題を解決しようと試みる。しかし、部分的に架橋したゴムをポリマーに分散させることは、そのアロイの全体的な熱可塑性の性質を補助しない。実際に、架橋エラストマー、すなわち、ゴムは、熱可塑性製品の最終形態の形成の間、そのアロイの融解処理可能性を阻害し得る。また、ゴムは、そのアロイの低温性能を低下させ得、そしてそのポリマーの溶融粘度を上昇させ得る。
【特許文献1】米国特許出願公開第20040054085号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、融解処理可能なゴムと特徴付けられる架橋エラストマーでさえも架橋エラストマーの使用に付随する問題を生じることなく、脆化の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面は、ポリ(ハロゲン化ビニル)、可塑剤、および熱可塑性特性を有するオレフィンベースの未架橋エラストマーを含有する熱可塑性アロイから作製された、スラッシュ成形された物品である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の1つの利点は、熱可塑性アロイが、スラッシュ成形技術を使用してポリマースキンを形成するために処理され得ることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(発明の実施形態)
(ポリ(ハロゲン化ビニル))
ポリハロゲン化ビニルとは、ビニル部分と、そこに結合した1個以上のハロゲンとを含むポリマーである。市場で認容されたポリハロゲン化ビニルは、利用可能性および費用に起因して、ポリ(塩化ビニル)(「PVC」)および塩素化ポリ(塩化ビニル)(「CPVC」)である。
【0009】
PVCまたはCPVCは、本質的に、塩化ビニルのホモポリマーであり、存在する場合、少量の他のコモノマーを含む。CPVCとは、約57%の塩素を含有するPVCが塩素ラジカルとさらに反応してCPVCを生成した、塩素化されたPVCであり、この塩素ラジカルは、水中に分散した塩素ガスを照射して、水中に溶解された塩素ラジカルを発生することにより生成される。CPVCは、より高いTgおよび熱変形温度を有するポリマーである。市販のCPVCは、代表的に、約58重量%〜約70重量%の塩素、そして好ましくは、約63%〜約68%の塩素を含有する。
【0010】
ポリ(塩化ビニル)は、重合した塩化ビニルモノマーを含み、ここで、好ましいポリマーは、共重合したコモノマーをほとんどまたはまったく含まない、本質的に単独重合した塩化ビニルである。所望である場合に有用なコモノマーとしては、付加重合によって塩化ビニルモノマーと共重合可能な、モノ不飽和のエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。有用なコモノマーとしては、他のビニルモノマー(例えば、酢酸ビニル、エーテル、および塩化ビニリデン)が挙げられる。他の有用なコモノマーとしては、モノエチレン性不飽和モノマーが挙げられ、これには、アクリル(例えば、アクリル酸低級アルキルまたはメタクリル酸低級アルキル、アクリル酸およびメタクリル酸)、低級アルケニルオレフィン、ビニル芳香族(例えば、スチレンおよびスチレン誘導体)、ならびにビニルエステルおよびビニルエーテルが挙げられる。代表的な有用な市販のコモノマーとしては、アクリロニトリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、塩化ビニリデン、およびイソブチルエーテルが挙げられる。有用なPVCコポリマーは、約0.1重量%〜約10重量%または15重量%、好ましくは、約0.5重量%〜約5重量%の、共重合したコモノマーを含有し得る。
【0011】
塩素化PVCコポリマーは、このようなPVCコポリマーを、従来の方法(例えば、米国特許第2,996,489号に記載される方法)を使用して塩素化することにより、得られ得る。
【0012】
好ましいPVCは、懸濁重合された塩化ビニルであるが、さほど好ましくない塊状重合(バルク重合)されたものが有用であり得る。
【0013】
本発明のPVCは、100mlのシクロヘキサノン中0.2グラムの樹脂を使用して、30℃でASTM D 1243によって測定される場合に、約50〜約90、そして好ましくは、約60〜約80のK値を有する。
【0014】
(可塑剤)
本発明において使用されるポリ(ハロゲン化ビニル)は、可撓性である必要がある。可塑剤が、ポリ(ハロゲン化ビニル)に添加されて、可撓性の熱可塑性ポリマーを形成する。ポリ(ハロゲン化ビニル)のための、当業者に公知である任意の従来の可塑剤が、本発明において使用するために適切である。PVCが使用される場合、最も通常の可塑剤は、フタレート可塑剤である。
【0015】
可塑剤の非限定的な例は、フタレート可塑剤(例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルまたはフタル酸ジヘキシル);直鎖二塩基酸エステル可塑剤(例えば、アジピン酸ジオクチル、またはセバシン酸ジオクチル);トリメリテート可塑剤;ポリエステルポリマー可塑剤;エポキシ可塑剤(例えば、エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油またはエポキシ樹脂);ホスフェート可塑剤(例えば、リン酸トリフェニル、リン酸トリキシリルまたはリン酸トリクレジル)である。これらの可塑剤は、単独で使用されても、これらの2種以上の混合物として組み合わせて使用されてもよい。
【0016】
市販の可塑剤は、とりわけ、BASF Corporation製のPalatinol 11P−E、BASF Corporation製のPalatinol TOTM、Ferro Corporation製のPlas−chek 775、およびPolyOne Corporation製のSynplast NOTMである。
【0017】
(熱可塑性特性を有する未架橋エラストマー)
部分的にかまたは完全に架橋した熱可塑性エラストマーは、熱可塑性加硫物としてもまた公知である。なぜなら、このエラストマーは、熱硬化性ゴムと同様に、部分的にかまたは完全に加硫されているからである。一旦、加硫が起こると、熱可塑性加硫物の形態を処理する際に、可撓性が低くなる。なぜなら、この加硫物は熱硬化性になったからである。
【0018】
米国特許出願公開第20040054085号の教示とは異なり、本発明は、エラストマー中にいかなる架橋も必要としない。従って、このエラストマーは、安全に熱可塑性であるままであり、熱可塑性特性を示し、そしてこの物質の部分的な架橋または完全な架橋に関連する複雑化なしで、複数の熱可塑性物質処理工程が可能である。
【0019】
熱可塑性特性を有する未架橋エラストマーは、熱可塑性物質の産業において公知であり、そして市販により容易に入手可能である。ポリ(ハロゲン化ビニル)と融解ブレンドされてアロイを形成し得る任意のオレフィン性エラストマーが、本発明において使用するために適切である。当業者は、過度の実験を行うことなしに、適切な未架橋エラストマーを選択し得る。未架橋エラストマーは、例えば、塩素化ポリエチレン(CPE)エラストマー、メタロセン触媒されたエチレン−オクテンコポリマー、または未架橋エチレンプロピレンジエンモノマーターポリマー(EPDM)である。また、過度に実験を行うことなく、当業者は、衝撃改質剤と称される種類の添加剤から、このような物質がオレフィン性であり、架橋しておらず、エラストマーであり、依然として熱可塑性物質と同様に処理可能である程度まで、他の適切な未架橋エラストマーを決定し得る。
【0020】
未架橋塩素化オレフィンエラストマーの市販の例は、Wilmington,DelawareのAdvanced Polymer Alloys(Cleveland,Ohio USAのFerro Corporationの一部門)製のDuracryn 7160 NCである。
【0021】
(任意の添加剤)
本発明の化合物は、従来のプラスチック添加剤を、その化合物について望ましい処理特性または性能特性を得るために充分な量で含有し得る。その量は、その添加剤を浪費するべきではなく、その化合物の処理または性能に有害であるべきでもない。熱可塑性物質の合成の当業者は、過度に実験することなく、Plastics Design Library(www.williamandrew.com)によるPlastics Additives Database(2004)などの論文を参照して、本発明の化合物に含めるための多くの異なる型の添加剤を選択し得る。
【0022】
任意の添加剤の非限定的な例としては、接着促進剤;殺虫剤(抗菌剤、抗真菌剤、および殺かび剤);くもり止め剤;帯電防止剤;結合剤、発泡剤、泡立て剤;分散剤;充填剤およびエキステンダー;難燃剤および防炎剤および煙抑止剤;衝撃改質剤;開始剤;潤滑剤;雲母;顔料、着色料および色素;可塑剤;加工助剤;離型剤;シラン、チタネートおよびジルコネート;すべり剤および粘着防止剤;安定剤;ステアレート;紫外光吸収剤;粘度調整剤;蝋;ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
表1は、本発明のアロイのために認容可能な好ましい成分を示す。
【0024】
【表1】

(処理)
本発明の化合物の調製は、複雑ではない。本発明の化合物は、バッチ操作または連続操作で作製され得る。
【0025】
連続プロセスにおける混合は、代表的に、ポリマーマトリックスを融解させるために充分な温度まで加熱された押出し成型機中で、この押出し成型機のヘッドまたはこの押出し成型機内の下流の位置のいずれかに任意の添加剤の固体成分添加剤を添加しながら、行われる。押出し成型機の速度は、1分間あたり約50回転〜約500回転(rpm)の範囲であり得、そして好ましくは、約100rpm〜約300rpmの範囲であり得る。代表的に、この押出し成型機からの排出物は、後のポリマー物品への押出し成形または成形のために、ペレット化される。
【0026】
本発明において、PVCと未架橋エラストマーとを押出し成形する前に、PVCと他の非エラストマー成分とを乾燥ブレンドすることが望ましい。
【0027】
バッチプロセスにおける混合は、代表的に、バンバリーミキサーにおいて行われる。このバンバリーミキサーもまた、ポリマーマトリックスを融解するために充分な温度まで加熱されて、任意の添加剤の固体成分添加剤の添加を可能にする。その混合速度は、60rpm〜1000rpmの範囲であり、そして混合温度は、周囲温度であり得る。また、このミキサーからの排出物は、後のポリマー物品への押出し成形または成形のために、より小さいサイズに細かく刻まれる。
【0028】
あるいは、バッチプロセスにおける混合は、代表的に、Henschelミキサーにおいて行われる。このHenschelミキサーは、ポリマーマトリックスを融解温度にするのではなく、機械的作用によって混合する。その混合速度は、60rpm〜1000rpmの範囲であり、そして混合温度は、周囲温度であり得る。
【0029】
本発明のアロイはまた、ポリマー製品へのさらなる押出し成形または成形のために、粉末、立方体、ペレットに形成され得る。
【0030】
引き続く押出し成形技術または成形技術は、熱可塑性ポリマーエンジニアリングの当業者に周知である。過度に実験を行うことなく、「Extrusion,The Definitive Processing Guide and Handbook」;「Handbook of Molded Part Shrinkage and Warpage」;「Specialized Molding Techniques」;「Rotational Molding Technology」;および「Handbook of Mold,Tool and Die Repair Welding」(全て、Plastics Design Library(www.williamandrew.com)により刊行されている)などの参考文献を用いて、本発明のアロイを使用して、任意の好都合な形状および外観の物品を作製し得る。
【0031】
押出し成形または他の混合の後に、好ましくは、スラッシュ成形が使用されて、本発明のアロイから有用な物品を形成し得る。スラッシュ成形は、ポリマースキンなどの物品(例えば、自動車の計器板)を形成するための、開口端鋳型設計を利用する。当業者は、米国特許第6,797,222号(Hausmannら)および米国特許第2,736,925号;米国特許第3,039,146号;欧州特許出願公開第0 339 222号、欧州特許出願公開第0 476 742号ならびに国際公開第0207946号を参照することにより、スラッシュ成形の原理を理解し得る。
【0032】
簡単に言えば、スラッシュ成形は、一般に、以下の工程を包含する:a)屋外タンクに、最初に、充分な量の、代表的には500マイクロメートル未満の粒度を有する適切なポリマー粉末が充填される;b)次いで、通常はニッケルで電気めっきされた鋳型が、所定の温度まで加熱される;c)次いで、このタンクとこの鋳型とが、適切な連結手段を用いて連結され、閉じたシステムにされる;d)タンクが鋳型上に粉末を移動させるように、このシステムが移動させられ、これによって部分的にかまたは完全に融解した粉末の均一な層を得、この層がこの鋳型に接着する;e)次いで、再度初期条件にされた後に、この閉じたシステムが開かれる;この段階で、可能な過剰なポリマー粉末が、タンク内に再度堆積し、従って、再生され得る;f)この時点で、融解を完了させる目的で、鋳型が加熱され得る;g)次いで、この鋳型が適切な冷却手段を用いて冷却される;そしてh)形成されたシートが半仕上げされた製品として剥がされる。次いで、このシートは、車の内装のための、計器板、ドアパネルなどの形態の仕上げられた製品を得る目的で、支持体と共に組み立てられ得る。
【0033】
本発明のアロイは、スラッシュ成形処理技術において使用するために特に適切である。なぜなら、未架橋エラストマーは、アロイの改善されたメルトフローを可能にし、ポリマースキンの形成の間、ピンホールまたは他の処理欠陥部の可能性を低下させるからである。
【実施例1】
【0034】
表2に示されるような本発明のアロイの処方物を、スラッシュ成形によって、表3に示される処理パラメータを使用して作製し、表4に示されるような性能特性を有するポリマースキンを得た。
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

本発明は、上記実施形態に限定されない。特許請求の範囲は、添付のとおりである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
(本発明の有用性)
本発明のアロイは、模造皮革、模造布、ならびに住宅用および自動車用の内装において使用されるための他の品物のための薄いポリマーフィルム製品を作製するための、スラッシュ成形技術において使用するために特に適切である。例えば、「ポリマースキン」が、スラッシュ成形を使用して、本発明のアロイから形成され得る。このポリマースキンは、長さまたは幅対厚さの非常に大きいアスペクト比を有し、そして鋳型の形状を模倣し得、皮革、木材、または他の天然に存在する物品におけるランダムなパターンまたは繰り返しパターンの外観の顆粒を作製し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性アロイから作製されたスラッシュ成形された物品であって、該熱可塑性アロイが、ポリ(ハロゲン化ビニル)、可塑剤、および熱可塑性特性を有するオレフィンベースの未架橋エラストマーを含有する、物品。
【請求項2】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、ポリ(塩化ビニル)または塩素化ポリ(塩化ビニル)を含有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、約0.1重量%〜15重量%の範囲の量で存在するコモノマーと共重合され、該コモノマーが、アクリロニトリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、塩化ビニリデン、およびイソブチルエーテルからなる群より選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、100mlのシクロヘキサノン中0.2グラムのポリ(ハロゲン化ビニル)を使用して30℃で測定される場合に、約50〜約90のK値を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記可塑剤が、
(a)フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル、およびフタル酸ジヘキシルからなる群より選択されるフタレート可塑剤;
(b)アジピン酸ジオクチルおよびセバシン酸ジオクチルからなる群より選択される直鎖二塩基酸エステル可塑剤;
(c)トリメリテート可塑剤;
(d)ポリエステルポリマー可塑剤;
(e)エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、およびエポキシ樹脂からなる群より選択されるエポキシ可塑剤;
(f)リン酸トリフェニル、リン酸トリキシリルまたはリン酸トリクレジルからなる群より選択されるホスフェート可塑剤;ならびに
(g)これらの混合物
を含有する、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記エラストマーが、完全に熱可塑性であるままであり、熱可塑性特性を示し、そして該エラストマーの部分架橋または完全架橋に関連する複雑化なしで複数の熱可塑性物質処理工程が可能である、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記エラストマーが、塩素化ポリエチレンエラストマー、メタロセン触媒されたエチレン−オクテンコポリマー、および未架橋エチレンプロピレンジエンモノマーターポリマーからなる群より選択される、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
接着促進剤;殺虫剤(抗菌剤、抗真菌剤、および殺かび剤);くもり止め剤;帯電防止剤;結合剤、発泡剤、泡立て剤;分散剤;充填剤およびエキステンダー;難燃剤および防炎剤および煙抑止剤;衝撃改質剤;開始剤;潤滑剤;雲母;顔料、着色料および色素;加工助剤;離型剤;シラン、チタネートおよびジルコネート;すべり剤および粘着防止剤;安定剤;ステアレート;紫外光吸収剤;粘度調整剤;蝋;またはこれらの組み合わせをさらに含有する、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、前記物品の約25重量%〜約50重量%の範囲の量で存在し;
前記可塑剤が、該物品の約20重量%〜約45重量%の範囲の量で存在し;そして
前記未架橋エラストマーが、該物品の約5重量%〜約50重量%の範囲の量で存在する、
請求項1に記載の物品。
【請求項10】
請求項1に記載の物品を作製する方法であって、該方法は、
a)屋外タンクに、ポリ(ハロゲン化ビニル)と、可塑剤と、オレフィンベースの未架橋エラストマーとの粉末混合物を充填する工程;
b)190℃〜240℃の温度まで鋳型を加熱する工程;
c)該タンクと該鋳型とを適切な連結手段で連結する工程;
d)該タンクが該粉末混合物を該鋳型上に移動させるようにシステムを移動させる工程であって、これにより、部分的にかまたは完全に融解した粉末の層が得られ、該層は、該鋳型に接着する、工程;
e)閉じたシステムを開く工程;
f)該粉末混合物の融解を完了させるために該鋳型を加熱して、該鋳型上にポリマースキンを形成する工程;
g)適切な冷却手段を用いて該鋳型を冷却する工程;および
h)該形成されたポリマースキンを該鋳型から取り外す工程、
を包含する、方法。
【請求項11】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、ポリ(塩化ビニル)または塩素化ポリ(塩化ビニル)を含有する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、約0.1重量%〜15重量%の範囲の量で存在するコモノマーと共重合され、該コモノマーが、アクリロニトリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、塩化ビニリデン、およびイソブチルエーテルからなる群より選択される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、100mlのシクロヘキサノン中0.2グラムのポリ(ハロゲン化ビニル)を使用して30℃で測定される場合に、約50〜約90のK値を有する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記可塑剤が、
(a)フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル、およびフタル酸ジヘキシルからなる群より選択されるフタレート可塑剤;
(b)アジピン酸ジオクチルおよびセバシン酸ジオクチルからなる群より選択される直鎖二塩基酸エステル可塑剤;
(c)トリメリテート可塑剤;
(d)ポリエステルポリマー可塑剤;
(e)エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、およびエポキシ樹脂からなる群より選択されるエポキシ可塑剤;
(f)リン酸トリフェニル、リン酸トリキシリルまたはリン酸トリクレジルからなる群より選択されるホスフェート可塑剤;ならびに
(g)これらの混合物
を含有する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
前記エラストマーが、完全に熱可塑性であるままであり、熱可塑性特性を示し、そして該エラストマーの部分架橋または完全架橋に関連する複雑化なしで複数の熱可塑性物質処理工程が可能である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項16】
前記エラストマーが、塩素化ポリエチレンエラストマー、メタロセン触媒されたエチレン−オクテンコポリマー、および未架橋エチレンプロピレンジエンモノマーターポリマーからなる群より選択される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項17】
接着促進剤;殺虫剤(抗菌剤、抗真菌剤、および殺かび剤);くもり止め剤;帯電防止剤;結合剤、発泡剤、泡立て剤;分散剤;充填剤およびエキステンダー;難燃剤および防炎剤および煙抑止剤;衝撃改質剤;開始剤;潤滑剤;雲母;顔料、着色料および色素;加工助剤;離型剤;シラン、チタネートおよびジルコネート;すべり剤および粘着防止剤;安定剤;ステアレート;紫外光吸収剤;粘度調整剤;蝋;またはこれらの組み合わせをさらに含有する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項18】
前記ポリ(ハロゲン化ビニル)が、前記物品の約25重量%〜約50重量%の範囲の量で存在し;
前記可塑剤が、該物品の約20重量%〜約45重量%の範囲の量で存在し;そして
前記未架橋エラストマーが、該物品の約5重量%〜約50重量%の範囲の量で存在する、
請求項10に記載のプロセス。
【請求項19】
請求項10に記載のプロセスにより製造されたポリマースキン。
【請求項20】
請求項1に記載の物品を含有するポリマースキン。

【公表番号】特表2009−520108(P2009−520108A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547766(P2008−547766)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/062462
【国際公開番号】WO2007/076429
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(502387566)ポリワン コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】