説明

ポリペプチド等と反応し得る官能基を含むリビングラジカル重合開始剤、それを用いて得られる櫛形ポリマー、それから得られるポリペプチド複合体及び薬剤

本出願は、櫛形ポリマーの製造方法であって、(a)(i)線状、分枝状又は星形の、置換又は非置換の、且つオレフィン性不飽和部分を有する、モノマーであって、該オレフィン性不飽和部分が付加重合を受け得る複数のモノマー;(ii)開始剤化合物であって、均等開裂可能な結合を含む化合物;及び上記(iii)モノマーの重合を触媒し得る触媒を準備する工程、及び(b)上記開始剤と組合せて、上記触媒に上記複数のモノマーの重合を触媒させる工程を含む方法を提供する。該製法により得られる触媒及びポリマーも提供される。好ましくはタンパク質と結合することができる櫛形ポリマーであり、且つアルコキシポリエーテル、例えばポリ(アルキレングリコール)又はポリテトラヒドロフランであるモノマーから生成され得る櫛形ポリマーである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
櫛形ポリマーの製造方法であって、
(a)
(i)線状、分枝状又は星形の、置換又は非置換の、且つ付加重合を受け得るオレフィン性不飽和部分を有する複数のモノマー、
(ii)均等開裂可能な結合を含む開始剤化合物、
(iii)前記モノマーの重合を触媒し得る触媒、
を準備する工程と、
(b)前記櫛形ポリマーを生成するために、前記開始剤と組合せて、前記触媒に前記複数のモノマーの重合を触媒させる工程と、を含み、
前記開始剤化合物(ii)が、前記櫛形ポリマーに結合したときに、生物学的物質と結合し得る部分を含むことを特徴とする、櫛形ポリマーの製造方法。
【請求項2】
(i)における前記モノマーがアルコキシポリエーテルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルコキシポリエーテルがポリ(アルキレングリコール)又はポリテトラヒドロフランであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生物学的物質がタンパク質又はポリペプチドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒がリビングラジカル重合又はリビングフリーラジカル重合による前記モノマーの重合を触媒し得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
遷移金属と成長中のポリマーラジカルとの間に直接結合が形成されないよう、δ−結合で前記遷移金属と配位結合し得る任意のN−、O−、P−又はS−含有化合物、又はπ−結合で前記遷移金属と配位結合し得る任意の炭素含有化合物であるリガンドを、前記触媒が含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が
Mが一形式酸化状態により酸化され得る遷移金属、特にCu+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Ru2+、Ru3+、Cr2+、Cr3+、Mo2+、Mo3+、W2+、W3+、Mn3+、Mn4+、Rh3+、Rh4+、Re2+、Re3+、Co-、Co2+、V2+、V3+、Zn+、Zn2+、Au+、Au2+、Ag+及びAg2+であり、Yは一価又は二価の対イオンである、第一化合物MYと、
窒素のうちの少なくとも1つが芳香族環の一部にないオルガノジイミンとを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒が次式で表される化合物:
[MLmn+n-
(式中、Mは一形式酸化状態により酸化され得る遷移金属、特にCu+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Ru2+、Ru3+、Cr2+、Cr3+、Mo2+、Mo3+、W2+、W3+、Mn3+、Mn4+、Rh3+、Rh4+、Re2+、Re3+、Co+、Co2+、V2+、V3+、Zn+、Zn2+、Au+、Au2+、Ag+及びAg2+
Aは陰イオン、
nは1〜3の整数、
mは1〜2の整数、
Lは窒素のうちの少なくとも1つが芳香族環の一部にないオルガノジイミン)
を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記オレフィン性不飽和部分がアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、メチルアクリレート又はブタジエンのようなジエンであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリ(アルキレングリコール)がポリ(エチレングリコール)(PEG)又はポリ(プロピレングリコール)であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記モノマーのPEG部分の分子量が450〜20,000であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
チオエステル含有化合物又はキサンテートである開始剤を用いることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記開始剤がハロゲン原子との均等開裂可能な結合を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記開始剤化合物(ii)が
A−S−C(O)−R、A−S−C(S)−O−R、R−S−C(O)−A、R−S−C(S)−O−A(ここで、RはC1〜C20の置換又は非置換の、直鎖、分枝鎖、環状、複素環式又は芳香族のアルキルである);
A−B−X;
【化1】

から選択されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記Aが、スクシンイミジルスクシネート、N−ヒドロキシスクシンイミド、スクシンイミジルプロピオネート、スクシンイミジルブタノエート、トリアジン、ビニルスルホン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、トレシレート(tresylate)、ベンゾトリアゾールカルボネート、マレイミド、ピリジルスルフィド、ヨードアセトアミド及びスクシンイミジルカルボネートから選択されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リンカーが、存在する場合、C1〜C20の置換又は非置換の、直鎖、分枝鎖、環状、複素環式又は芳香族のアルキル基;−(CH2Z)aCH2−、−CH2ZCH2−、−(CH2CH2Z)nR、−(CH2CH(CH3)Z)nR、−(CH2b−C(O)−NH−(CH2c−、−(CH2a−NH−C(O)−(CH2y−、−N(R)2−;−S−;−N−R;又は−O−R(ここで、RはC1〜C20の置換又は非置換の、直鎖、分枝鎖、環状、複素環式又は芳香族のアルキル、ZはO又はSであり、n、a、b及びcは独立して選択可能な1〜10の整数である)から選択されることを特徴とする、請求項14又
は15に記載の方法。
【請求項17】
タンパク質又はポリペプチドと反応し得る前記部分が次式を有することを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【化2】

【請求項18】
前記開始剤(ii)が、次式を有することを特徴とする、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【化3】

【請求項19】
前記開始剤が、次式を有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【化4】

【請求項20】
前記オルガノジイミンが、
【化5】

(式中、R1、R2、R10、R11、R12及びR13は独立して選択可能であり、H、直鎖、分枝鎖又は環状の飽和アルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アリール、CH2Ar(ここで、Arはアリール又は置換アリールである)又はハロゲンから選択されてよく;
3〜R9は独立して選択可能であり、H、直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アリール、CH2Ar、ハロゲン、OCH2n+1(ここで、nは1〜20の整数である)、NO2、CN、O=CR(ここで、R=アルキル、アリール、置換アリール、ベンジルPhCH2又は置換ベンジル)から選択されてよい)
から選択されることを特徴とする、請求項7〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記オルガノジイミンが、N−(n−プロピル)−2−ピリジルメタンイミン(NMP
I)、N−(n−エチル)−2−ピリジルメタンイミン又はN−エチル−2−ピリジルメタンイミンであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記触媒がビピリジン基を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記触媒が4,4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジル(dNbpy)であることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1のパート(i)に記載された複数の異なるモノマーの使用を含むことを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1のパート(i)に記載されたモノマーと、1つ又は複数の異なるオレフィン性不飽和モノマーとのブロックコポリマーを生成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ又は複数の異なるオレフィン性不飽和モノマーの付加の前に、前記請求項1のパート(i)に記載されたモノマーを含む前記櫛形ポリマーが、前記開始剤(ii)及び前記触媒(iii)で重合されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1のパート(i)に記載されたモノマーの重合の前に、前記1つ又は複数の異なるオレフィン性不飽和モノマーが前記開始剤(ii)及び前記触媒(iii)で重合されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ又は複数の異なるオレフィン性不飽和モノマーが、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アクリレート、メタクリレート及びスチレンから選択されることを特徴とする、請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記反応体が疎水性又は親水性溶媒中で反応されることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒が水、プロピオニトリル、ヘキサン、ヘプタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、アニソール、アセトニトリル、ジフェニルエーテル、メチルイソブチレート、ブタン−2−オン、トルエン及びキシレンから選択されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記重合反応が−20℃〜200℃で行なわれることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記触媒が担持触媒であることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
付加的重合を受け得る少なくとも1つの蛍光標識モノマーと共重合又はブロック重合する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記蛍光標識がクマリンであることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ポリマーに結合したとき、タンパク質又はポリペプチドと結合し得る部分を含む、リビングラジカル重合反応に用いられ得る開始剤化合物。
【請求項36】
A−S−C(O)−R、A−S−C(S)−O−R、R−S−C(O)−A、R−S−C(S)−O−A(ここで、RはC1〜C20の置換又は非置換の、直鎖、分枝鎖、環状、複素環式又は芳香族のアルキルである);
A−B−X;
【化6】

から選択される式を有し、リビングラジカル重合反応に用いるための開始剤。
【請求項37】
前記Aがスクシンイミジルスクシネート、N−ヒドロキシスクシンイミド、スクシンイミジルプロピオネート、スクシンイミジルブタノエート、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、トレシレート(tresylate)、ベンゾトリアゾールカルボネート、マレイミド、トリアジン、ビニルスルホン、ピリジルスルフィド、ヨードアセトアミド及びスクシンイミジルカルボネートから選択されることを特徴とする、請求項35又は36に記載の開始剤。
【請求項38】
リンカーが、存在する場合、C1〜C20の置換又は非置換の、直鎖、分枝鎖、環状、複素環式又は芳香族のアルキル基;−(CH2Z)aCH2−、−CH2ZCH2−、−(CH2
CH2Z)n−R、−(CH2CH(CH3)Z)n−R、−(CH2b−C(O)−NH−(CH2c−、−(CH2a−NH−C(O)−(CH2y−、−N(R)2−;−S−;−N−R;又は−O−R(ここで、R=C1〜C20の置換又は非置換の、直鎖、分枝鎖、環状、複素環式又は芳香族のアルキル、ZはO又はSであり、n、a、b及びcは独立して選択可能な1〜10の整数である)から選択されることを特徴とする、請求項35〜37のいずれか一項に記載の開始剤。
【請求項39】
タンパク質又はポリペプチドと反応し得る前記部分が次式を有することを特徴とする、請求項35〜38のいずれか一項に記載の開始剤。
【化7】

【請求項40】
前記開始剤が、次式を有することを特徴とする、請求項34〜39のいずれか一項に記載の開始剤。
【化8】

【請求項41】
前記開始剤が、次式を有することを特徴とする、請求項34〜40のいずれか一項に記載の開始剤。
【化9】

【請求項42】
請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法により得られる、タンパク質又はポリペプチドと結合し得る櫛形ポリマー。
【請求項43】
一般式:
A−(D)d−(E)e−(F)f
(式中、Aは、存在しても存在しなくてもよく、タンパク質又はポリペプチドと結合し得る部分であり;
Dは、存在する場合、Eに記載されない1つ又は複数のオレフィン性不飽和モノマーの付加的重合により得られ;
Eは、線状、分枝状又は星形の置換又は非置換であり、且つオレフィン性不飽和部分を有する複数のモノマーの付加的重合により得られ;
Fは、存在する場合、Eに記載されない1つ又は複数のオレフィン性不飽和モノマーの付加的重合により得られ;
d及びfは0〜500の整数であり;
eは0〜1,000の整数)
を有する櫛形ポリマーであって、Aが存在する場合、D、E及びFのうちの少なくとも1つが存在することを特徴とする、櫛形ポリマー。
【請求項44】
前記Eがポリ(アルキレン)グリコール又はポリテトラヒドロフランであることを特徴とする、請求項43に記載の櫛形ポリマー。
【請求項45】
2,000〜80,000の平均分子量を有することを特徴とする、請求項42又は43に記載の櫛形ポリマー。
【請求項46】
蛍光標識されることを特徴とする、請求項42〜45のいずれか一項に記載の櫛形ポリマー。
【請求項47】
クマリンで蛍光標識されることを特徴とする、請求項46に記載の櫛形ポリマー。
【請求項48】
ポリマーを化合物に結合させる方法であって、請求項42〜47のいずれか一項に記載の櫛形ポリマーを前記化合物と反応させることを包含する方法。
【請求項49】
前記櫛形ポリマーに共有結合されたタンパク質、ポリペプチド、チオール、アミン及び/又はベンジルアミン含有化合物を生成するために、請求項42〜47のいずれか一項に記載の櫛形ポリマーとタンパク質、ポリペプチド、チオール、炭水化物、ジアミン及び/又はベンジルアミン含有化合物とを反応させて得られる化合物。
【請求項50】
タンパク質又はポリペプチド、チオール及び/又はベンジルアミン含有化合物であることを特徴とする、請求項48又は49に記載の化合物。
【請求項51】
生物学的に活性であることを特徴とする請求項48〜50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
薬剤であることを特徴とする請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
薬学的に許容可能な担体と組合せた請求項49〜52のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項54】
癌化学療法薬、抗生物質、抗真菌剤及び/又は免疫抑制剤であることを特徴とする、請求項49〜53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項55】
化学療法剤、抗生物質、抗真菌剤及び/又は免疫抑制剤として使用するための、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
化学療法剤、抗生物質、抗真菌剤及び/又は免疫抑制剤としての、請求項54に記載の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2008−505999(P2008−505999A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519858(P2007−519858)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002894
【国際公開番号】WO2006/003352
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(505469182)ワーウィック イフェクト ポリマーズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】