説明

ポリマーの熱伝導性および電気伝導性を増大させる製造方法

ポリマーの熱伝導性および電気伝導性を増大させる製造方法が、充填ポリマーおよび無充填ポリマーの交互層の多層システムを生成するために、充填ポリマーおよび無充填ポリマーを層化することを含む。充填剤材料は、熱および/または電気伝導性材料を備える。好ましいポリマーは、形状記憶ポリマーである。磁気多層ポリマーシステムを製造する方法が記述される。そのような多層システムから形成される物品も、開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、多層化プロセスによりポリマーの熱伝導性および/または電気伝導性を増大させる方法、より具体的には、形状記憶ポリマーの熱伝導性および/または電気伝導性を増大させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
形状記憶ポリマー(SMP)は、当技術分野において既知であり、一般に、適切な熱刺激を受けるとき、ある以前に画定された形状に戻る能力を提示する1群のポリマー材料を指す。形状記憶ポリマーは、その形状配向が温度の関数として変化する相転移を経験することができる。一般に、SMPは、ハードセグメントおよびソフトセグメントの2つの主要なセグメントを有する。以前に画定された、または永続的な形状は、最高熱転移より高い温度においてポリマーを溶融させ、または処理し、次いで、熱転移温度より低く冷却することによって設定することができる。最高熱転移は、通常、ハードセグメントのガラス遷移温度(Tg)または融点である。ソフトセグメントのTgまたは遷移温度より高い温度であるが、ハードセグメントのTgまたは融点より低い温度に材料を加熱することによって、一時的な形状を設定することができる。一時的な形状は、ソフトセグメントの遷移温度において材料を処理し、次いで形状を固定するために冷却する間、設定される。材料は、ソフトセグメントの遷移温度より高く材料を加熱することによって、永続的な形状に戻すことができる。形状の回復は、−63℃と120℃以上との間の任意の温度において設定することができる。ポリマーの構造および組成を変化させることによって、SMPの遷移温度および機械的特性を特定の応用分野について最適化することができる。
【0003】
熱および/または電気伝導性充填剤をポリマー基質に追加することが既知である。伝導性充填剤は、粒子性または繊維性とすることが可能であり、金属、金属合金、および導電性カーボンブラックなど、様々な材料から作成されることが可能である。一般に、無充填ポリマーは、電気および熱絶縁体である。導電性充填剤を追加することによって、混合物の熱伝導性を増大させることによって、熱散逸を改善することができる。電気伝導性充填剤を追加することにより、ポリマー混合物を通る導電性経路が可能になり、それにより、ポリマーの抵抗が減少する。
【0004】
多層構成要素を形成する微細層押出しが既知である。たとえば、プルフォード(Pulford)らへのWO01/21688は、多層ゴム構成要素を生成するために多層化ダイを有する2重押出し機の使用を全般的に開示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、第1形状記憶ポリマーを第2形状記憶ポリマーと交互層において層化することを備える多層形状記憶ポリマーシステムを生成する方法が開示され、第1形状記憶ポリマーは、電気および/または熱伝導性充填剤を備える。
【0006】
第2実施形態では、多層磁気ポリマーシステムを生成する方法が、多層システムを形成するために、第1ポリマーを第2ポリマーと交互層において層化し、第1ポリマーが、磁気充填剤を備えることと、多層システムを押し出すことと、ポリマーを冷却または架橋する前に、磁場充填剤の磁極を誘起するために、押し出された多層システムに磁場を加えることとを備える。
【0007】
多層システムから形成される物品も記述される。
上述された特徴および他の特徴は、以下の図および詳細な記述によって例示される。
ここで、例示的な実施形態であり、同じ要素が同様の参照符号である図を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1に示されるように、全体を10と示される2重押出し機が、第1押出し装置12および第2押出し機14を備える。無充填ポリマー28が、第1押出し機12を経て供給され、充填ポリマー30が、第2押出し機14を経て供給される。無充填ポリマー28および充填ポリマー30は、押出し機ダイ16において2層に形成される。次いで、2層は、それぞれが押出し物の層の数を2倍にする一連の多層化ダイインサート18を経て供給され、次いで、成形ダイ20を経て供給される。図2は、多層システム40を形成するために、多層化ダイインサート18を通過するポリマー2層の概略図を示す。結果的な多層システム40は、充填ポリマー層および無充填ポリマー層の交互層を備える。充填剤は、結果的な多層システムの熱伝導性および/または電気伝導性を改善し、これは、システムのより迅速な加熱および冷却を見込む。充填ポリマーは、両方の押出し機において使用することもできる。この場合、多層押出しは、層内における充填剤粒子の位置合わせを補助する。示される2重押出し機システムは、単なる例示であり、あらゆる具体的な第1押出し機12および第2押出し機14の形状、サイズ、構成、多層化ダイインサート18の数、成形ダイ20のタイプ、多層システムにおける層の数などに限定されることを意図しない。「第1」および「第2」という用語は、単なる識別子であり、位置、シーケンス、順序などを示すことを意図していない。
【0009】
第1押出し機12および第2押出し機14について2重押出し機システム10において使用されるのに適切な押出し機は、特定のポリマーを溶融状態において準備することを可能にする任意の構築を有する。適切な押出し機の例には、単一ねじ、ツインねじ、発振単一ねじなどがある。押出し機のサイズ、回転速度、温度などは、多層システムに使用されるポリマーおよび/またはポリマー混合物に基づいて選択され、当技術分野では周知である。
【0010】
多層化ダイ18の数は、多層システムの層の数を決定する。多層化ダイは、微細層化ダイとすることができる。充填ポリマーおよび無充填ポリマーの交互層の数は、結果的な多層システムの応用分野に依拠する。多層システムを作成する個々の層の厚さは、使用されるポリマーおよび採用される充填剤のタイプに依拠する。多層システムにおける各層の好ましい厚さは、約0.001ミリメートル以上であり、約0.01ミリメートル以上であることが好ましく、約0.1ミリメートル以上であることがより好ましい。また、約5.0ミリメートル以下の層の厚さが好ましく、約2.0ミリメートル以下であることがより好ましく、約1.0ミリメートル以下であることが最も好ましい。
【0011】
一実施形態では、無充填ポリマー28および充填ポリマー30の特定のポリマーは、形状記憶ポリマーであることが好ましい。SMPの永続的な形状を設定するために、ポリマーは、ポリマーのハードセグメントのTgまたは融点付近もしくはそれ以上でなければならない。「セグメント」は、SMPの一部を形成するポリマーのブロックまたはシーケンスを指す。SMPは、永続的な形状を設定するために、加えられた力でこの温度において成形され、その後冷却される。永続的な形状を設定するために必要な温度は、約100℃から約300℃の間である。SMPの一時的な形状の設定は、SMP材料を、ソフトセグメントのTgまたは遷移温度以上であるが、ハードセグメントのTgまたは融点より低い温度にすることを必要とする。ソフトセグメントの遷移温度(「第1遷移温度」とも呼ばれる)において、SMPの一時的な形状は設定され、次いで、一時的な形状を固定するために、SMPを冷却する。一時的な形状は、SMPがソフトセグメントの遷移温度より低くある限り、維持される。永続的な形状は、SMPがソフトセグメントの遷移温度以上に再びされるとき、再び得られる。一時的な形状は、加熱、成形、および冷却ステップを反復することによって再度設定することができる。ソフトセグメントの遷移温度は、ポリマーの構造および組成を修正することによって、特定の応用分野について選択することができる。ソフトセグメントの遷移温度は、約−63℃から約120℃を超える範囲である。
【0012】
形状記憶ポリマーは、2つ以上の遷移温度を含むことが可能である。ハードセグメントおよび2つのソフトセグメントを備えるSMP組成は、ハードセグメントの最高遷移温度、および各ソフトセグメントの2つの遷移温度の3つの遷移温度を有することができる。第2ソフトセグメントの存在は、SMP組成が2つの永続的な形状を提示することを見込む。
【0013】
形状記憶ポリマーは、熱可塑性物質、熱硬化性物質、相互浸透網目構造、半相互浸透網目構造、または混合網目構造とすることができる。ポリマーは、単一ポリマー、またはポリマーの混合物とすることができる。ポリマーは、側鎖または樹状の構成要素を有する線形または分岐熱可塑性エラストマとすることができる。形状記憶ポリマーを形成する適切なポリマー構成要素には、ポリフォスファゼン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアルキレン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレン酸化物、ポリアルキレンテレフタレート、ポリオルソエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハロゲン化物、ポリエステル、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、およびそのコポリマーがあるが、これに限定されるものではない。適切なポリアクリレートの例には、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、およびポリ(オクタデシルアクリレート)がある。他の適切なポリマーの例には、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリビニルフェノール、ポリビニルピロリドン、塩素化ポリブチレン、ポリ(オクタデシルビニルエーテル)、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、ポリ(エチレン酸化物)−ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエチレン/ナイロン(グラフトコポリマー)、ポリカプロラクトン−ポリアミド(ブロックコポリマー)、ポリ(カプロラクトン)ジメタクリレート−n−ブチルアクリレート、ポリ(ノルボルニルポリヘドラルオリゴマーシルセキオキサン)、ポリ塩化ビニル、ウレタン/ブタジエンコポリマー、ポリウレタンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーなどがある。
【0014】
好ましい実施形態では、無充填ポリマー28および充填ポリマー30に使用されるポリマーは、同じ形状記憶ポリマーを備える。
充填ポリマー30において使用される充填剤は、高い熱伝導性および/または電気伝導性を有する充填剤であることが好ましい。適切な充填剤には、粒子、粉末、フレーク、あるいは金属、金属酸化物、金属合金、および/または導電性炭素、ならびにガラス、セラミックのファイバ、または金属もしくは金属合金でコーティングされたグラファイトファイバがある。適切な繊維性充填剤には、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、炭素、グラファイト、マグネシウム、クロミウム、錫、チタニウム、および以上の金属の少なくとも1つを備える混合物から作成されたファイバがある。また、ステンレス鋼などの鉄の合金、ニッケル合金、および銅合金から作成されたファイバも適切である。変動材料のコアを有する金属コーティングファイバも有用である。金属コーティングファイバの適切なコア材料は、ガラス、アルミニウムのケイ酸塩、マグネシウムのケイ酸塩、カルシウムのケイ酸塩などのガラス質鉱物、グラファイト、炭素ファイバなどの無機炭素材料を含むことが可能である。適切な粒子材料には、炭素、鉄、アルミニウム、銅、マグネシウム、クロニウム、錫、ニッケル、銀、鉄、チタニウム、ステンレス鋼、および以上の少なくとも1つを備える混合物の粉末または粒子がある。
【0015】
ファイバ、粉末、およびフレークは、それらのアスペクト比に基づいて互いから区別されることが可能である。ファイバは、約4より大きい数平均アスペクト比を有すると確定されることが可能であり、アスペクト比は、長さ対等価な円直径の比として確定される。対照的に、フレークは、約0.25未満の数平均アスペクト比を有すると確定されることが可能であり、粉末は、約0.25から約4の数平均アスペクト比を有すると確定されることが可能である。
【0016】
多層システムの熱抵抗値および電気抵抗値は、ポリマーシステムの充填剤のタイプおよび量に依拠する。多層システムは、1メートルケルビンあたり約0.1ワット(W/mK)以上、好ましくは0.5W/mK以上、より好ましくは約1W/mK以上の熱伝導性を有することができる。また、多層システムは、約30W/mK以下、好ましくは約20W/mK以下、より好ましくは約10W/mK以下の熱伝導性を有することができる。多層システムは、約10−4オーム−センチメートル(ohm−cm)以上、好ましくは約10−3ohm−cm以上、より好ましくは約10−2ohm−cm以上の電気伝導性を有することができる。また、多層システムは、約10ohm−cm以下、好ましくは10ohm−cm以下、より好ましくは約1ohm−cm以下の電気伝導性を有することができる。
【0017】
充填剤の適切な量は、充填ポリマー30の全重量に基づいて、約1重量パーセント以上であり、約2重量パーセント以上であることが好ましく、約5重量パーセント以上であることがより好ましい。また、充填ポリマー30の全重量に基づいて、約70重量パーセント以下の充填剤の量が好ましく、約60重量パーセント以下であることがより好ましく、約50重量パーセント以下であることが最も好ましい。充填ポリマー30における充填剤は、ポリマー基質に一様に分布されることが好ましい。
【0018】
一実施形態では、充填ポリマーは、2つ以上のタイプの充填剤を備える。
SMPにおいて導電性充填剤を組み込むことにより、ポリマー基質にわたって熱を迅速に分散させることによって、形状変化率が増大する。電気伝導性充填剤を備える多層システムは、充填剤自体の抵抗により加熱することができる。多層システム、またはそれから製作される物品は、熱、光、抵抗、誘導、または高周波数によって加熱することができる。
【0019】
多層システムは、ロッド、ワイヤ、シート、フック、ファイバ、管、球、ペレットなど、任意の幾何学的形状の物品または構造に形成されることが可能である。特に好ましい物品は、図3および4に示されるように、フックおよびループ取外し可能固定具システム50において使用されるのに適切なフックである。フックは、反転J形配向、きのこの形状、ノブの形状、多歯アンカ、T形、L形、U形、らせん、または分離可能フックおよびループ固定具に使用されるフック状要素の任意の他の機械的形態を有することができる。そのような要素は、本明細書では、それらがフックの形状にあるか否かにかかわらず、「フック状」、「フックタイプ」、または「フック」要素と呼ばれる。
【0020】
フックおよびループ固定具システム50の係合中、ループ部分52およびフック部分54は、せん断および/または引離し方向において比較的強く、剥離方向において弱い接合部を創出するように、共にプレスされる。ループ部分52は、サポート58の上に付着されたループ材料56を含む。フック部分54は、サポート60に添付された多層フック要素62を含む。
【0021】
解放中、活動化信号が、フック要素62に結合された活動化装置64から、フック要素62に提供される。活動化信号は、係合接合部の遠隔取外し機構を提供するために、フック要素62の形状配向および/または曲げ率を変化させることによって、係合の結果であるせん断および引出し力を低減する。すなわち、フック要素62の形状配向および/または曲げ率の変化は、係合面におけるせん断力を低減し、および/または係合面に垂直な引離し力を低減する。しかし、フックの幾何学的形状およびせん断方向に応じて、引離し力の低減は、せん断力の低減より大きくなることが予期される。たとえば、図3および4に示されるように、複数のフック要素62は、活動化装置64から熱活動化信号を受信するとすぐに、ほぼ直線の形状配向に要求時に変化する反転J形配向を有することができる。J形配向に対するほぼ直線の形状配向は、せん断力および/または引離し力が劇的に低減された接合部を提供する。
【0022】
射出成形、工具加工、切断、クリンピング、機械加工など、多層システムから物品または構造を形成する任意の方法が使用されることが可能である。
第2実施形態では、ポリマー28および30は、任意のタイプのポリマーおよび充填剤、磁気充填剤とすることが可能である。適切な磁気充填剤材料には、赤鉄鉱;磁鉄鉱;ニッケル、およびコバルトに基づく磁気材料、以上の合金、または以上の少なくとも1つを備える組合わせなどがあるが、これに限定されるものではない。鉄、ニッケル、および/またはコバルトの合金は、アルミニウム、シリコン、コバルト、ニッケル、バナジウム、モリブデン、クロミウム、タングステン、マンガン、および/または銅を備えることができる。充填剤は、ファイバ、フレーク、粒子、または粉末の形態とすることができる。
【0023】
充填ポリマー30システムにおける充填剤の適切な量は、充填ポリマー30の全重量に基づいて、約20重量パーセント以上であり、約25重量パーセント以上であることが好ましく、約30重量パーセント以上であることがより好ましい。また、充填ポリマー30の全重量に基づいて、約70重量パーセント以下の充填剤の量が好ましく、約60重量パーセント以下であることがより好ましく、約50重量パーセント以下であることが最も好ましい。
【0024】
第2実施形態において使用されるのに適切なポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアルキレン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレン酸化物、ポリアルキレンテレフタレート、ポリオルソエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハロゲン化物、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ(アリレンエーテル)、ポリウレタン、ポリスルホン、そのコポリマーなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0025】
特に好ましい実施形態では、押出し中、磁気充填剤材料は、充填剤の磁極を位置合わせさせる強い磁場にさらされ、その後、ポリマーが成形ダイ20を通って流れる、またはそれから流れ出る際に、ポリマーは冷却および/または架橋される。
【0026】
物品は、SMPシステムについて以前に記述された磁気多層ポリマーシステムで形成することができる。
さらに、ポリマーは、抗酸化剤、難燃焼剤、滴下抑制剤、染料、顔料、着色剤、安定剤、粘土、雲母、および滑石などの小粒子鉱物、静電防止剤、可塑剤、潤滑剤、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤の有効な量をも含むことが可能である。これらの添加剤は、それらの有効なレベルおよび組込み方法など、当技術分野において既知である。添加剤の有効な量は、大きく変化するが、全組成の重量に基づいて、通常、重量で最高50%以上の量が存在する。
【0027】
本開示は、例示的な実施形態に関して記述されたが、当業者なら、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な変更を実施することが可能であり、また、等価物を要素の代用とすることが可能であることを理解するであろう。さらに、多くの修正は、本質的な範囲から逸脱せずに、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるようにすることが可能である。したがって、本開示は、本開示を実施するために考慮される最適モードとして開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、添付の請求項の範囲内にあるすべての実施形態を含むことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】微細層化ダイインサートを装備した2重押出し機の概略図である。
【図2】微細層化ダイインサートおよび多層ポリマーシステムの近接概略図である。
【図3】取外し可能固定システムが係合されている、図1の取外し可能固定システムの断面図である。
【図4】取外し可能固定システムが解放されている、図1の取外し可能固定システムの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層形状記憶ポリマーシステムを生成する方法であって、
第1形状記憶ポリマーを第2形状記憶ポリマーと交互層において層化するステップを備え、
前記第1形状記憶ポリマーおよび/または前記第2形状記憶ポリマーが、電気および/または熱伝導性充填剤を備える、方法。
【請求項2】
前記多層システムが、微細層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1形状記憶ポリマーおよび前記第2形状記憶ポリマーが、同じ形状記憶ポリマーを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1形状記憶ポリマーおよび前記第2形状記憶ポリマーが、約−63℃から約120℃のソフトセグメント遷移温度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記充填剤が、金属、金属酸化物、金属合金、炭素、または以上の充填剤の少なくとも1つを備える混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記充填剤が、炭素、鉄、鉄酸化物、鉄合金、アルミニウム、銅、マグネシウム、クロミウム、錫、ニッケル、銀、チタニウム、ステンレス鋼、および以上の充填剤の少なくとも1つを備える混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記充填剤が、銅、銅合金、銀、アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金、炭素、グラファイト、マグネシウム、クロミウム、錫、鉄、鉄合金、チタニウム、および以上の充填剤の少なくとも1つを備える混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記充填剤が、金属コーティングファイバコア材料を備えるファイバであり、前記コア材料が、ガラス、アルミニウムのケイ酸塩、マグネシウムのケイ酸塩、カルシウムのケイ酸塩、グラファイト、炭素ファイバ、または雲母である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1メモリポリマーが、2つの電気および/または熱伝導性充填剤を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記多層システムが、約1から20W/mKの熱伝導性、および約0.01から1.0ohm−cmの電気伝導性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1の前記多層システムから形成される物品。
【請求項12】
前記物品が、フックおよびループ固定具システムにおいて使用されるフックの形態にある、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
多層磁気ポリマーシステムを生成する方法であって、
多層システムを形成するために、第1ポリマーを第2ポリマーと交互層において層化し、前記第1ポリマーが磁気充填剤を備えるステップと、
前記多層システムを押し出すステップと、
前記ポリマーを冷却または架橋する前に整列するように、前記磁気充填剤の磁極を誘起するために、前記押し出された多層システムに磁場を加えるステップとを備える、方法。
【請求項14】
前記多層システムが、微細層を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記磁気材料が、赤鉄鉱;磁鉄鉱;鉄、ニッケル、およびコバルトに基づく磁気材料、または赤鉄鉱;磁鉄鉱;鉄、ニッケルあるいはコバルトに基づく磁気材料の合金、またはこれらの少なくとも1つを備える組合わせである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
請求項13の前記多層システムから形成される物品。
【請求項17】
前記物品が、フックおよびループ取外し可能な固定具システムにおいて使用されるフックの形態であり、前記物品が、活動化信号に応答して、形状配向、曲げ率特性、またはその組合わせを変化させるように適合される、請求項16に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−514422(P2006−514422A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512849(P2005−512849)
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/038846
【国際公開番号】WO2005/062735
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【Fターム(参考)】