説明

ポリマー微粒子を調製する方法

本発明は、薬配送分野において特に興味がある、単分散ポリマー微粒子の母集団を調製するための方法及びツールを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に薬送出に適している単分散微粒子母集団を生じる方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの薬送出アプリケーションにおいて、粒径及び粒径分布の厳密な制御が必要とされる。例は、カテーテルから薬をリリースする粒子の送出、特に肝腫瘍のような腫瘍の毛管の層への送出が必要とされるところの例である。この薬送出アプリケーションにおいて、粒子は、最も小さな毛細管内で塞栓形成すると想定され、これら毛細管が細胞増殖抑止剤のような薬をリリースし、又は局所的β若しくはγ放射線を供給できる。これは、ホルミウムのアセチル―アセトネートでロードされる粒子に対する場合である。粒子のサイズは、処理の効力に重要な役割を果たす。粒子があまりに小さい場合、これらは循環して、他のエリア、例えば肺にたまるだろう。これらがあまりに大きい場合、これらは最も小さな毛細管に到達しないだろう。従って、最も効率的な治療は、正確且つ一様に調製された粒子で達成されることになるだろう。
【0003】
生分解性ポリマーから得られる非常に良く規定された粒子に達するための1つの態様は、溶かされたポリマー及び薬を持つ液体が毛細管を通って、例えば圧素子又は同様のデバイスからの振動数の付与により押され、これにより液体ジェットが液滴にされる技術を使用することである。斯様なシステムは、米国特許US6,669,916、US6,998,074、国際出願公開公報WO2006/003581、及びバークランドらによる(2001)J.Control Release 73の59頁―74頁に記載されている。US6,669,916では、射出することは、ノズル直径より小さい液滴を生じることを可能にするために、付加的な下方への力又は加速がつきものである。斯様な下方への力の例は、ポリビニルアルコールの溶液の共の流れストリームである。US6,669,961に注記された課題は、容易に詰まりやすい直径30μmより小さいノズルからの粒子の生成である。US6,669,961に開示される技術は、所望のサイズ範囲の粒子の生産のため、かなり濃縮な溶液(5%のポリマー)の使用を可能にする。しかしながら、必要である付加的な力のため、生産システムは、より複雑になる。さらに、50μmより著しく小さな粒子のためのサイズ分布は、50μmを上回る粒子のサイズ分布に対してよりも、より広い。より小さな液滴のストリームを分けるよりはむしろ例えば水性相を封入することを意図する類似のキャリア・ストリームが、US6,599,627で開示されている。この技術は、比較的大きなカプセル、すなわち100μmより大きなカプセルを生成する。
【0004】
65μmのサイズを持つ粒子は、ラデュレシュ等(2003、Proc.11thInt.Symp.Control.Rel.Soc)により説明されたように、65μmのドロップオンデマンド・ノズルを使用して作られた。本願明細書において、補助の圧力が、生産速度を強化するために付与できる。同じリサーチグループからのUS6,998,074は、ポリマー微小球体を作るためにノズルを液体に沈めて、補助の圧力がないドロップオンデマンド・インクジェット方法の使用を説明している。
【0005】
WO2006/003581は、当業者に知られているものより小さな粒子が、好ましくは補助の圧力と組み合わせて、振動数が付与される浸けられたノズルを使用して、生産できることを説明する。噴出された乳濁液滴の注意深い収縮は、2μmと同程度の小さな粒子を得た。ボーマー等による(2006)(Colloids and Surfaces 289, 96頁-104頁)にも説明されているように、単分散くぼみカプセルが得られる。説明されているシステムにおいて、補助の圧力は、より高い噴出率を可能にするだけでなく、デバイスのノズルの詰まりも妨げる。付加的な圧力が使われない場合、ポリ乳酸のようなポリマーは噴出されるべき流体と連続相との間のインターフェースで沈殿してしまうだろう。US6,669,961又はUS6,767,637に説明されたプロセスより低いポリマー濃度を使用するプロセスがWO2006/003581に説明されていて、乳濁液滴のより小さなサイズへの収縮となる。
【0006】
前述の従来技術の文書に記載されているすべての方法は、乳濁液滴及び結果として生じる粒子を安定させるために、ポリビニルアルコールのような添加物を利用する。ポリビニルアルコールの追加は、生分解性ポリマーからポリマー粒子の調製に2つの効果を持つ。乳濁液滴及びそこから形成される粒子の両方を安定させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サイズ及び均一性の論点の他に、粒子をインクジェットする際の他の課題は、受ける流体内での乳濁液滴の脆性である。溶媒抽出の間、かき混ぜは、非常に穏やかに起こさなければならず、さもなければ容易に液滴が崩壊してしまう。ボーマー等の(2006) Colloids & Surfaces, Physicochem. Eng.Aspects289,96頁-104頁では、微粒子が、ノズルからリリースの後、かき混ぜられないシステムを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特に好適な態様は、添付の独立請求項及び従属請求項において述べられる。従属クレームの特徴は、明確に請求項に単に述べられるだけでなく、適切に独立クレームの特徴及び他の従属クレームの特徴と組み合わされてもよい。
【0009】
本発明の一つの態様は、ポリマー粒子の生産のためのデバイスに関し、当該デバイスは、乳濁(3)を保持するための第1のリザーバ(2)と、受ける流体(5)を保持するための第2のリザーバ(4)と、第2のリザーバ(4)が満たされているとき、前記受ける流体(5)に浸され、液滴を前記受ける流体(5)へ直接噴出可能にする少なくとも一つのノズル(6)を持つ噴出モジュールと、前記ノズル(6)から第2のリザーバ(4)内の前記受ける流体(5)へ噴出されるとき、液滴が斜面(7)に沿って移動するように、第2のリザーバ(4)へリンクされ又は位置づけられる当該斜面(7)とを有し、前記斜面(7)は、垂直的に始まり10度から45度の間の角度で終わる段階的に変化する傾斜を持つ。
【0010】
他の態様において、本発明は、このデバイスを利用して、ポリマー粒子を調製するための方法に関する。
【0011】
特定の態様において、本発明は、1μmと100μmとの間の範囲のサイズを持つ単分散ヒドロゲルポリマー微粒子を調製するための方法に関し、前記微粒子は生物活性剤を有し、本発明によるデバイスが利用され、当該方法は、a)前記生物活性剤を有するポリマーを形成するヒドロゲルの乳濁を調製するステップと、b)補助の圧力を使用し、振動を付与して、水溶性の受ける流体に浸されたノズル(6)からステップa)の前記乳濁の液滴を噴出(吐出)するステップと、c)溶媒の除去と、前記液滴の水での飽和とを確実にする期間で、前記受ける流体内に前記液滴を移動可能にすることにより、前記液滴を膨らませて硬化するステップとを有し、当該ステップc)における膨らませて硬化するステップは、前記受ける流体内で粒子が少なくとも10度の傾斜を持つ斜面を移動できることにより実施される。
【0012】
本発明の本態様による方法の一つの実施例において、ポリマーの濃度は1―3%の間にあり、ノズルの直径は1―50μmの間にあり、液滴が受ける流体内で移動する時間は2〜60秒である。
【0013】
これらの方法の具体例において、受ける流体内の微粒子の撹拌なしにステップ(c)は確実にされる。
【0014】
これらの方法の他の具体例において、ステップ(c)の膨らませて硬化するステップは、受ける流体内で粒子が少なくとも10度の傾斜を持つ斜面を移動できることにより実行される。
【0015】
これらの方法のさらに他の実施例において、斜面は、段階的に変化する傾斜を持つ。
【0016】
本発明の別の態様は、1μmと100μmとの間、特に1μmと50μmとの間の範囲のサイズを持つ単分散ポリマー微粒子を調製する方法であって、これらの微粒子が生物活性剤を有し、当該方法は、生物活性剤の乳濁及びポリマーの溶液を調製するステップ(a)と、補助の圧力を使用し振動を付与して、受ける流体に浸けられたノズルからステップ(a)の乳濁の液滴又は粒子を注入するステップ(b)と、粒子が斜面上の受ける流体内で移動できることにより、これらの粒子又は液滴を微粒子に硬化するステップ(c)とを有し、前記斜面の傾斜は段階的な変更傾斜であり、各ポイントの傾斜が少なくとも10度、特に少なくとも20度の角度を持つ方法に関する。
【0017】
これらの方法の具体例において、ポリマーは、ヒドロゲル・ポリマーである。これらの実施例において、使用されるポリマーがヒドロゲル・ポリマーである本発明の本態様による方法の更に特定の実施例において、ステップ(c)が、溶媒の除去及び水との飽和を確実にする時間の間、受ける流体内で粒子が斜面上を移動できるステップを有すると想定される。
【0018】
上記の方法の具体例において、乳濁のヒドロゲル・ポリマーの濃度は、ノズル直径の直径の40%、特に65%を超える直径を持つヒドロゲル粒子を得るために調節される。
【0019】
上記した方法の他の具体例において、乳濁のヒドロゲル・ポリマーの濃度は、3%より下である。
【0020】
本発明の方法の他の実施例において、乳濁のヒドロゲル・ポリマーの濃度は0.5〜1.5%の間にあり、ノズルは10μmと40μmとの間の直径を持つ。
【0021】
本発明の方法の全ての具体例において、生物活性剤は、疎水性である。
【0022】
本発明の方法の他の実施例において、生物活性剤は親水性生物活性剤であり、上記方法のステップ(a)は、親水性生物活性剤の水溶液及びポリマーの溶液の油中水乳剤を調製するステップを有する。
【0023】
本発明の方法の具体例において、微粒子は、10μmと20μmとの間の範囲のサイズを持つ。
【0024】
本発明の方法の具体例において、ポリマーは、ポリ(酸化エチレン)テレフタル酸塩及びポリ(1、4―ブチレン)テレフタル酸塩(PEGT/PBT)共重合体である。
【0025】
斜面が使用される本発明の方法の具体例において、ノズルから噴出される粒子が2〜60秒の間の時間、斜面に沿って移動するように、斜面の長さ及び傾斜が構成される。
【0026】
本発明の方法の他の具体例において、方法は、ステップ(c)の後、かき混ぜることにより粒子が更に堅くされる追加ステップ(d)を有する。
【0027】
本発明の方法の具体例において、ノズルは、30μmより小さな直径を持つ。
【0028】
本発明の方法の具体例において、ポリマーはヒドロゲル・ポリマーであり、当該方法は受ける流体内に安定剤がない場合に実施される。
【0029】
本発明の別の態様は、1μmと100μmとの間、特に1μmと50μmとの間にサイズを持つ単分散ポリマー微粒子の母集団を供給し、これらの粒子が一つ以上の生物活性剤を有する。これらの母集団は、上記の方法により入手できる。
【0030】
本発明の単分散ポリマー微粒子の母集団の具体例において、ポリマーはヒドロゲル・ポリマーであり、90%を超える微粒子は、母集団の平均値の0.5μm内に入る直径を持つ。
【0031】
単分散ポリマー微粒子の母集団の具体例において、ヒドロゲル・ポリマーは、PEGT/PBT共重合体である。
【0032】
本発明の単分散ポリマー微粒子の母集団の他の具体例において、90%を超える微粒子は、数平均直径の4%以内に入る。
【0033】
本発明により供給される単分散ポリマー微粒子の母集団の具体例において、これらの微粒子は、親水性生物活性剤を有するか、又は疎水性生物活性剤を有する。
【0034】
本発明はまた、薬送出のため上述のような単分散微粒子母集団の使用を含む。本発明はまた、上述のような単分散微粒子母集団を有する、医薬品組成物を供給する。
【0035】
本発明のデバイスの具体例において、段階的に変化する傾斜は、20度と30度との間の角度で終わる。
【0036】
本発明の上記及び他の特性、特徴及び効果は、例えば、本発明の原理を例示する添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。この説明は、本発明の範囲を制限することなく、例示のためにだけ与えられる。下記に引用される図は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、第1のリザーバ(2)と、収集槽(8)に接続された斜面(7)を有するか又は当該斜面(7)に接続された第2のリザーバ(4)とを有する、本発明の一つの実施例によるデバイス(1)の概略図を示す。当該デバイスは、ノズル(6)を更に有し、乳濁液滴がノズル(6)から押し出されるとき、斜面(7)に着き、乳濁液滴が前記収集槽に到達するまで、スライドして/面を転がるように構成される。本発明の方法において、第1の容器(2)に導入される乳濁(3)は、ノズル(6)を使用して、受ける流体(5)への第2の容器(4)に注入される。オプションとしては、第2の容器(4)の垂直壁(9)は、液滴が収集槽(8)に到達することなく、振動数、パルス振幅及び圧力をセットするために、最初にノズルを第一区分室内の位置に/上の位置へシフトさせることを可能にする。パラメータがセットされるとき、斜面(7)に接続されるか/斜面(7)を有する第二区分室内の位置に/より上の位置にノズルは、浸けられたままシフトできる。本発明の方法の具体例において、ノズル(6)から放出される乳濁液滴は、斜面(7)上へ落下し、乳濁液滴は、流体(10)で満たされる収集槽(8)に到達する前に斜面(7)上を約2秒間スライドする。斜面上をスライドする乳濁液滴が、例示される。
【図2】図2は、第1のリザーバ(2)と、収集槽(8)に接続された(例えば管の形で)段階的に変更傾斜を持つ斜面(7)を有するか又は斜面(7)に接続された第2のリザーバ(4)とを有する、斯様なデバイス(1)の具体例の概略図を示す。デバイスは、ノズル(6)を更に有する。本発明の方法の具体例において、ノズル(6)により乳濁(3)を有する第1のリザーバ(2)から放出される乳濁液滴は、収集槽の方へ段階的に変更傾斜を持つ斜面によりガイドされる。斜面(曲率を持った管として描かれる)の傾斜は、垂直から始まって、水平線と約20度の角度でもって収集槽(8)で終わる。
【図3】図3は、4つの異なる振動数(白丸:10kHz;三角形:12kHz;黒丸:17kHz;四角形:27.6kHz)で20μmのノズルからジクロロエタンの1%のPEG―PBT(ポリ(酸化エチレン)テレフタル酸塩/(1,4―ブチレン)テレフタル酸塩)溶液から浸けられてインクジェットする具体例に従って調製された粒子のサイズ分布を示す。
【図4】図4は、ジクロロメタン(黒い四角形)の1%のPEG―PBTから浸けられてインクジェットする具体例に従って調製される粒子のサイズ分布と、1%のPEG―PBT溶液、1%の水及び98%のジクロロメタン(白丸)を含む主要な乳濁を浸けられてインクジェットすることにより得られたサイズ分布とを示す。
【図5】図5は、ジクロロメタン(左パネル)の1%のPEG―PBT溶液から浸けられてインクジェットの具体例により調製された粒子と、1%のPEG―PBT、1%の水及び98%のジクロロメタン(右側のパネル)を含む主要な乳濁を浸けられてインクジェットすることにより得られたサイズ分布とのSEM画像を示す。右下のバーは、50μmを表す。
【図6】図6は、添加安定剤なしに、ジクロロメタンの1%のPEG―PBT溶液から浸けられてインクジェットする具体例に従って調製された粒子のSEM画像を示す。右下のバーは、50μmを表す。
【図7】図7は、10%及び50%の拡大で蛍光タンパク質を組み込んだ乳状の水を持ってジクロロメタンの1%のPEG―PBT溶液から調製された、噴出微粒子の蛍光顕微鏡検査画像を示す。
【図8】図8は、0.45%のPLGA、及び0.35%のPLA―PEOを含むジクロロエタンの浸けられてインクジェットすることにより調製された粒子のサイズ分布(黒丸)と、ジクロロエタンに0.5%の水、0.45%のPLGA及び0.35%のPLA―PEOを含む主要な乳濁の浸けられてインクジェットすることにより得られたサイズ分布(グレイの三角形)とを示す。
【図9】図9は、ジクロロエタン溶液からの浸けられてインクジェットプリントにより得られる、ヨード化されたオイル、オクタン―2―yl2,3,5―トリ・ヨード・ベンゾアートを含むPLGAポリマー粒子のサイズ分布を示す。上のパネルはサイズ分布を示し、下のパネルは代表的な粒子の全体の形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
異なる図において、同じ参照符号は、同じであるか類似した要素を指す。
【0039】
本発明は、特定の図面を参照して具体的実施例に関して説明されるが、本発明はこれら実施例に制限されず、請求項によってのみ制限される。請求項の何れの参照符号も、範囲を制限するものとして解釈されない。説明される図面は、模式的で非限定的である。図において、要素のいくつかのサイズは、誇張されて、説明の便宜上スケールどおりに描かれていない。用語「を有する」が本説明及び請求項で使用される場合、これは他の要素又はステップを除外しない。例えば「a」又は「an」、「the」を単数名詞に指して、定冠詞又は不定冠詞が使用されるところでは、何か他の特定の文言がなされていないならば、その名詞の複数形を含む。
【0040】
更に、明細書及び請求項における用語「第1の」、「第2の」、「第3の」等は、同様の要素間を区別するために使用されるのであって、必ずしもシーケンシャル又は経時的順番を説明するためというわけではない。よく使用される用語が適当な状況の下で交換可能であり、本願明細書において説明される本発明の実施例は、明細書で説明され又は例示される以外の別のシーケンスの動作が可能であることを理解すべきである。
【0041】
以下の用語又は定義は、単に、本発明を理解する際の援助のために提供される。これらの定義は、当業者により理解されるより狭い範囲を持つとされるべきではない。
【0042】
本明細書で使用される用語「微粒子」は、1μmと100μmとの間の直径を持つ粒子をいう。
【0043】
用語「生物活性剤」は、概して、生理的若しくは薬理的な活性物質、又は生理的環境の生物製剤から取り出される又は生物製剤内で検出に適している物質を指す。
【0044】
用語「親水性である」は、「水溶性の」と同義語として本願明細書で使用され、水分子及び増大された水溶性を引き寄せる傾向を説明するために、本願明細書で使用される。0.2グラム以上の薬剤が、大気圧の下で25℃でリットル水(=0.2mg/ml)当たり溶ける場合、生物活性剤は水溶性であると考慮される。複数の微粒子を指すとき本願明細書で使用される用語「単分散」は、サイズ分布の標準偏差が10%未満であることを示す。
【0045】
本明細書で使用される用語「ヒドロゲル」は、ポリマー・チェーンの物理化学的な特性が、ネットワーク内の共有結合又は非共有結合の結合ドメインのため、更なる膨張を防止するポイントまで、ネットワークが水とコンタクトすると膨張するような自然又は合成ポリマー・チェーンのネットワークをいう。ポリマーの水和可能なグループの量に依存して、脱水ヒドロゲルは、ファクタ3〜10で、通常は約3から約4の間のファクタ(本明細書において、水和程度と呼ばれる)で水和の際、ボリューム的に膨張する。
【0046】
本発明は、薬送出に適している新規及び改良された微粒子及びこれらを生産する方法を提供する。
【0047】
本発明の一態様は、一つ以上の生物活性剤を有する複数の単分散ポリマー微粒子を調製する方法を提供する。より詳しくは、微粒子は、1μmから100μm、特に2μmから50μm、特に15μmから30μmの間の平均サイズを持つ。より多くの具体例において、微粒子は、10μmから20μmの平均サイズを持つ。
【0048】
本発明の方法によると、親水性生物活性剤を有するポリマー微粒子は、インクジェット技術を使用して形成される。US6,669,961に説明されているようなインクジェットの既知の方法の不利な点は、インクジェットされた乳濁液滴の脆性である。溶媒抽出の間の撹拌は、非常に穏やかに起こさなければならず、さもなければ液滴が容易に崩壊する。
【0049】
本発明によると、インクジェットする技術が使用され、これによりポリマー微粒子が液体(受ける流体)内に滴下できることにより、当該ポリマー微粒子が堅く(硬化)される。前記受ける流体は、緩衝可能であって、塩類、界面活性剤スタビライザ、2、10若しくは20%までの有機化合物又は他の添加物のような添加合成物を含むことができる水溶液である。この最初の膨張及び/又は硬化の間、受ける流体は、例えば粒子同士の衝突により生じる機械的損傷を回避するために通常撹拌されない。容器の適当な高さを選択することにより、乳濁液滴が重力により特定の距離落下し、このことによりある程度堅くなることが確実にされ、この後、乳濁液滴は容器から除去され、更なる硬化のために撹拌できる。
【0050】
本発明の一態様によると、微粒子のインクジェットの方法及びデバイスは、この技術により、ノズルから放出される乳濁液滴は、下方に傾斜した面を持つ受ける流体内で接触して、この面に転がり落ちるか又はスライドしながら、膨張及び/又は堅くなり始める。更に特に、斜面は、段階的な変更傾斜を持つ。実際、重力下で落下する代わりに、乳濁液滴が受ける流体内で段階的な変更傾斜を転がるか又はスライドできることにより、乳濁液滴は、特定の時間の間、受ける流体内で熟成し、増大された均一性を持つ単分散粒子が得られることがわかった。
【0051】
前記斜面の長さは変化でき、とりわけ、液滴のサイズにより決定されるだろう。等しく、傾斜の構造及び傾斜のために使用される物質は、膨張及び/又は硬化剤粒子の反応(たとえば粗さ)に影響し、その物質の疎水性は、効果を持ち、液滴が斜面へ移動するために必要な時間を更に制御するために当業者により調整できる。具体例において、表面の長さ及びその傾斜は、傾斜に沿って乳濁液滴の転がり又はスライドによる運動が約2秒と60秒との間で取れるように、乳濁液滴の漸進的な減速を確実にするために設計される。具体例において、傾斜に沿った粒子の動きが10秒未満又は5秒未満でさえあるという条件が選択される。具体例において、斜面の長さが1cmと2cm又はそれ以上との間にあることが想定される。
【0052】
具体例において、斜面の傾斜は固定される。より詳しくは、面の傾斜は、10〜45度、10〜30度又は20〜40度の間である。斜面は、リニア、例えば直線の管でありえる。通常は、斜面は、(液滴が斜面と接触されるか又は斜面へ落ちることを可能にする)ノズル下の位置から収集のための第2の容器まで延在し、オプションで更に、得られた微粒子の処理を行う。ノズルの開口部と斜面との間の距離(又は、液滴がノズルから斜面に到達するために必要な時間)は、本発明の方法のために想定される最適硬化/膨張距離(膨張時間)の範囲内に含まれる。少なくともノズルの特定位置において、(例えば重力の結果として、又はノズルと斜面との間の直結により)ノズルから放出される乳濁液滴が自動的に斜面と接触するような態様で、斜面は、容器内に完全に又は部分的に配置でき、放出ノズルが浸けられるか又は容器に連結ができる。
【0053】
具体例において、段階的な変更傾斜を持つ斜面が想定される。特に、段階的に変化する間、傾斜は少なくとも10度の傾斜、特に傾斜の各ポイントで少なくとも20°の傾斜を維持すると想定される。通常、斜面の傾斜は、90°(ノズルからの垂直落下に対応する)から少なくとも10°、特に斜面の終わり(微粒子が収集される所、例えば収集槽(8))で少なくとも20°まで段階的に変化する。
【0054】
具体例において、特に拡張した長さの表面が想定される所では、斜面は、カーブするか又は小さなボリュームでも必要な長さをつくるために螺旋形である。
【0055】
斜面は、平坦であるか、又は液滴が表面から落ちるのを防止するために、カーブした縁を有する。具体例において、表面は、受ける流体のような流体(10)を含む収集槽(8)に接続する管又は溝である。
【0056】
斜面を転がるか又はスライドした後に、乳濁液滴は、十分に硬化されて/膨張され、オプションで規則的に撹拌することにより更に処理される。従って、液滴は、収集槽(8)に収集できる。加えて、又はあるいは、液滴は、受ける流体から取り出され、回復できる。
【0057】
本発明の受動的な処理ステップは、噴出された液滴への損傷を回避する効果を持ち、特定の実施例において、乳濁液滴又は形成された微粒子を安定させるために通常用いられるポリビニルアルコールのような添加物がない場合に実施される。
【0058】
本発明の方法及びツールは、生物活性剤の送出のための微粒子の生成において特に興味があり、よって、オプションで一つ以上の生物活性剤を有する。
【0059】
本発明の一つの実施例によると、本発明のツール及び方法が、疎水性生物活性剤を有する微粒子の生成のために使用される。この実施例によると、疎水性生物活性剤は、乳濁を調製するために有機溶剤へポリマーと共に混合され、その後本発明の方法に従ってインクジェットされる。ポリマー及び疎水的な薬剤の乳濁を調製する方法は、当業者に良く知られている。
【0060】
本発明の他の実施例によると、本発明の方法及びツールは、親水性又は水溶性生物活性剤を有する微粒子の生成のために使用される。親水性生物活性剤を有するポリマー微粒子は、二重乳化技術を使用して形成される。第1のステップにおいて、親水性生物活性剤が水溶液に溶かされて、1.3%の水の可溶性を持つジクロロメタンのような、水と混ざらないか又は水(5又は2%未満)の限られた可溶性を持つ第1の溶媒に封入しているポリマーの溶液と混合され、主要な油中水型乳濁(乳剤)を形成する。主要な乳剤は第2の乳剤を形成するために水性第2の溶媒に加えられ、均質化が継続される。第1及び第2の溶媒は、第1の溶媒が第2の水性溶媒と混ざらないか部分的に混ざるように選択されるが、ポリマーは第2の溶媒とは混ざらない。油中水型乳剤の導入の後、第1の溶媒は、第2の溶媒へ移動する。このようにして、水溶性生物活性剤を有する複数のクレ槽を含むポリマー微粒子が得られる。これは、溶媒の蒸発又は抽出によりフォローされる。本発明によると、増大された均一性の微粒子が得られるためのツール及び方法が供給される。本発明の方法及びツールにおいて、水性相の微粒子は、水性受ける流体(4)の中でノズル(1)から斜面(6)に落とされる。より詳しくは、上述のように、傾いた傾斜が段階的な変更傾斜を持つ。
【0061】
従って、本発明の方法は、親水性又は疎水性生物活性剤を有する微粒子の生産が想定される。上述のように、核酸、炭水化物、及び一般にタンパク質及びペプチドは、水溶性又は親水性であり、二重乳剤技術を使用して、微粒子に概して最適に組み込まれる。しかしながら、いくらかのペプチドを含む疎水的な薬(例えばペプチド内のアミノ酸のかなりの割合が疎水的な側鎖を担持するとき)は、本発明の方法にしたがってインクジェットするための乳剤を調製するために、直接、有機溶剤のポリマーと共に分解できる。従って、本発明は、本発明により取得できる微粒子を含む医薬品組成物を含む。
【0062】
タンパク質及びペプチドの繊細さからみて、本発明の方法及びツールがポリマーにタンパク質及びペプチドをロードさせるのに特に有効であるにもかかわらず、タンパク質又はペプチド以外の物質とポリマーをロードさせることも、もちろん想定される。例えば、小さな分子、脂質、リポ多糖類、ポリヌクレオチド及びアンチセンス・ヌクレオチド(遺伝子治療薬剤)である生物活性剤も想定される。よって、組み込まれてもよい斯様な生物学的に活性な薬剤は、非ペプチド、非タンパク薬を含む。重合性質の薬を組み込むことは本発明の範囲内で可能であるが、また、1500未満又はさらに500未満の比較的小さな分子量の薬を組み込むことも本発明の範囲内で可能である。
【0063】
従って、本発明の状況の中で生物活性剤としての使用のために想定される合成物は、治療的又は予防効果を持つ合成物を含む。前記合成物は、組織の成長、細胞成長、細胞分化に影響する、又は参加する合成物でもよいし、免疫反応のような生物学的アクションを引き起こせる合成物でもよいし、又は一つ以上の生物学的プロセスにおいて何らかの他の役割を果たせる合成物でもよい。非限定的なリストの例は、抗菌薬(抗菌剤、抗ウイルス薬及び抗真菌薬を含む)、抗ウイルス薬、制癌薬、トロンビン抑制剤、反血栓形成薬剤、血栓溶解剤、線維素溶解薬剤、血管攣縮抑制剤、カルシウムチャネル遮断抗体、血管拡張薬、抗高血圧症薬剤、抗菌薬、抗生物質、表面グリコプロテイン受容体の抑制剤、抗血小板薬剤、細胞分裂阻止性物質、微小管抑制剤、反分泌薬剤、アクチン抑制剤(抑制剤、反代謝物質、抗増殖剤(反脈管形成薬剤を含む)、制癌化学療法薬、抗炎症ステロイド又は非ステロイド性の抗炎症剤を改造する免疫抑制薬剤、成長ホルモン拮抗物質、成長因子、ドーパミン作用薬、ラジオ治療薬剤、細胞外マトリックス部品、ACE阻害薬、遊離ラジカルスカベンジャ、キレート化剤、酸化防止剤、反ポリメラーゼ及び光力学性治療薬剤を含む。
【0064】
上記に示したように、本発明にしたがってポリマーをロードするために使用できる合成物の特定のグループは、ペプチド及びタンパク質により形成され、原則として、本発明によって、これらの如何なる種類も組み込まれる。比較的小さなペプチドは、アミノ酸の数により(例えば2(ジ)、3(トリ)、4(テトラ)ペプチド)と呼ばれる。アミド結合の比較的小さな数を持つペプチドは、オリゴペプチド(最大50のアミノ酸)とも呼ばれる一方、比較的高い数(50を超えるアミノ酸)を持つペプチドはポリペプチド又はタンパク質と呼ばれる。アミノ酸残基鎖のポリマーであることに加えて、特定のタンパク質は、いわゆる四元構造により更に特徴付けられ、アミド結合により必ずしも化学的に結合されるというわけではなくて、静電力及びファンデルワールス力のような当業者に概して知られている力による結合である多くのポリペプチドの集合体により特徴付けられてもよい。本明細書で用いられる用語ペプチド、タンパク質又はこれらの混合物は、上述した可能性をすべて含むべきである。
【0065】
通常、タンパク質及び/又はペプチドは、その生物活性に基づいて選択される。選択されるポリマーのタイプに依存して、本プロセスにより取得できる生産物は、タンパク質及びペプチドの徐放に非常に適している。特定の実施例では、タンパク質又はペプチドは、成長因子である。
【0066】
ペプチド、タンパク質、又はロードされたポリマーに好適に含まれるタンパク質又はペプチドを有する実在物の他の例は、これに限定されるものではないが、下記のものを含む、免疫原性ペプチド又は免疫原性タンパク質を含む。
【0067】
ジフテリア毒素及び破傷風毒素のような毒素。
【0068】
アデノウイルス、イプシュタイン―バーウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV―I、HIV−2、HTLV―III、インフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルス、麻疹ウイルス、パピローマウイルス、パラミクソウイルス属、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、風疹ウイルス、ワクシニア(天然痘)ウイルス及び黄熱病ウイルスのようなウイルスの一部又はウイルス表面抗原。
【0069】
百日咳菌、ヘリコバクターピロリ、破傷風菌、コリネバクテリアジフテリア、大腸菌、ヘモフィルス属インフルエンザ、クレブシエラ属種、レジオネラ・ニューモフィラ菌、マイコバクテリウム‐ボビス、らい菌、マイコバクテリウム結核、淋菌、髄膜炎菌、プロテウス種、緑膿菌、サルモネラ属種、赤痢菌種、黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌、ビブリオ属コレラ及びペスト菌のような細菌の一部又は細菌表面抗原。
【0070】
三日熱マラリア原虫(マラリア)、熱帯熱マラリア原虫(マラリア)、卵型マラリア原虫(マラリア)、四日熱マラリア原虫(マラリア)、熱帯リーシュマニア(リーシュマニア症)、ドノバァンリーシュマニア(リーシュマニア症)、ブラジルリーシュマニア(リーシュマニア症)、トリパノソーマロードセンス(眠り病)、ガンビアトリパノソーマ(眠り病)、クルーズトリパノソーマ(シャガス病)、マンソン住血吸虫(住血吸虫症)、ビルハルツ住血吸虫(住血吸虫症)、日本住血吸虫(住血吸虫症)、センモウチュウ(旋毛虫病)、ストロンギロイデス鉤虫(鉤虫)、十二指腸鉤虫(鉤虫)、アメリカ鉤虫(鉤虫)、バンクロフト糸状虫(フィラリア症)、マレー糸状虫(フィラリア症)、ロア糸状虫(フィラリア症)、ディペタロネマ糸状虫(フィラリア症)、メジナ虫(フィラリア症)及び回旋糸状虫(フィラリア症)のような寄生虫の一部又は疾患を引き起こしている寄生虫のうち表面抗原。
【0071】
IgG、IgA、IgM、抗狂犬病免疫グロブリン及び抗ワクシニア免疫グロブリンのような免疫グロブリン。
【0072】
ボツリヌス菌抗毒素、ジフテリア抗毒素、ガス壊疽抗毒素、破傷風抗毒素のような抗毒素。
【0073】
口蹄疫に対して免疫反応を誘発する抗原。
【0074】
卵胞刺激ホルモン、プロラクチン、アンジオゲニン、上皮細胞増殖因子、カルシトニン、エリトロポイエチン、甲状腺刺激性放出ホルモン、インシュリン、成長ホルモン、インシュリン様成長因子1及び2、骨格の成長因子、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、黄体形成ホルモン、神経成長因子、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、バソプレッシン、コレシストキニン及び副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンのようなホルモン類及び成長因子;インターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子及び腫瘍壊死因子のようなサイトカイン:ウロキナーゼ、腎臓プラスミノゲン活性剤のような線維素溶解酵素;及びプロテインC、第VII因子、第IX因子、第VII因子及びアンチトロンビンIIIのような凝固因子。
【0075】
他のタンパク質又はペプチドの例は、アルブミン、心房性ナトリウム利尿因子、レニン、過酸化物ジスムターゼ、α1である―抗トリプシン、肺界面活性剤タンパク質、バシトラシン、ベスタチン、シクロスポリン、δ睡眠誘発ペプチド(DSIP)、エンドルフィン、グルカゴン、グラミシジン、メラニン形成細胞抑制因子、ニューロテンシン、オキシトシン、ソマスタチン、テプロチド、血清胸腺因子、チモシン、DDAVP、デルモルフィン、メトエンケファリン、ペプチドグリカン、サタエティン、サイモポエチン、フィブリン分解生成物、非エンケファリン―α―エンドルフィン、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン、ロイプロリド、α―MSH及びメトケファミド。
【0076】
アルトレタミン、フルオロウラシル、アムサクリン、ヒドロキシカルバミド、アスパラギナーゼ、イホスファミド、ブレオマイシン、ロムスチン、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、メルカプトプリン、クロル・メタ・ヒン、メトトレキサート、シスプラチン、マイトマイシン、シクロホスファミド、プロカルバジン、シタラビン、テニポシド、ダカルバジン、チオテパ、ダクチノマイシン、チオグアニン、ダウノルビシン、トレオスルファン、ドキソルビシン、チオフォスファミド、エストラムスチン、ビンブラスチン、エトグルシド、ビンクリスチン、エトポシド、ビンデシン及びパクリタキセルのような制癌薬。
【0077】
抗菌薬は以下を有する。
アンピシリン、ナフシリン、アモキシシリン、オキサシリン、アズロシリン、ペニシリンG、カルベニシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、フェネチシリン、フロキサシリン、ピペラシリン、メシリナム、スルベニシリン、メチシリン、チカルシリン、メズロシリン、セファロスポリン:セファクロール、セファロチン、セファドロキシル、セファピリン、セファマンドール、セフラジン、セファトリジン、セフスロジン、セファゾリン、セフタジジム、セフォラニド、セフトリアキソン、セフォキシチン、セフロキシム、セファセトリル、ラタモキセフ及びセファレキシンのような抗生物質。アミカシン、ネオマイシン、ジベカシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、硫酸ネチルマイシン、カナマイシン、トブラマイシンのようなアミノグリコシド。アンホテリシンB、ノボビオシン、バシトラシン、ナイスタチン、クリンダマイシン、ポリミキシン、コリスチン、ロバマイシン、エリスロマイシン、スペクチノマイシン、リンコマイシン、バンコマイシンのようなマクロライド。クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン及びミノサイクリンテトラサイクリン。クロラムフェニコール、リファマイシン、リファンビシン及びチアンフェニコールのような他の抗生物質。
【0078】
スルフォンアミド・サルファダイアジン、スルファメチゾール、スルファジメトキシン、スルファメトキサゾール、スルファジミジン、スルファメトキシピリダジン、スルファフラゾール、スルファフェナゾール、スルファレン、スルフィソミジン、スルファメラジン、スルファメトキサゾール又はスルファメトロールを持つトリメトプリム及びスルフィソキサゾールのような化学療法治療薬。
【0079】
メタンアミン、キノロン類(ノルフロキサシン、シノキサシン)、ナリジキシン酸、ニトロ化合物(ニトロフラントイン、ニフルトイノール)及びオキソリン酸のような尿路消毒剤。
【0080】
メトロニダゾールのような嫌気性感染症のための薬。
【0081】
アミノサルチル酸、イソニアジド、シクロセリン、リファンピシン、エタンブトール、チオカルリド、エチオナミド及びバイオマイシンのような結核のための薬。
【0082】
アミチオゾン、リファンピシン、クロファジミン、ナトリウム・スルホキソン及びジアミノジフェニルスルホン(DDS、ダプソン)のようなハンセン病のための薬。
【0083】
アンホテリシンB、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、ナタマイシン、フルシトシン、ナイスタチン及びグリセオフルビンのような抗真菌薬。
【0084】
アシクロビル、イドクスウリジン、アマンチジン、メチサゾン、シタラビン、ビダラビン及びガンシクロビルのような抗ウイルス薬。
【0085】
クロロキン、ヨード・キノール、クリオキノール、メトロニダゾール、デヒドロエメチン、パロモマイシン、ジロキサニド、フロエートチニダゾール及びエメチンのようなアメーバ症の化学療法。
【0086】
クロロキン、ピリメタミン、ヒドロキシクロロキン、キニーネ、メフロキン、スルファドキシン/ピリメタミン、ペンタミジン、ナトリウム・スラミン、プリマキン、トリメトプリム及びプログアニルのような抗マラリア薬剤。
【0087】
酒石酸アンチモンカリウム、ニリダゾール、アンチモン・ナトリウム・ジメルカプトコハク酸、オキサムニキン、ベフェニウム、ピペラジン、ジクロロフェン、プラジカンテル、ジエチルカルバマジン、ピランテルパモエート、ヒカントン、ピリビウムパモエート、レバミゾール、スティボフェン、メベンダゾール、テトラミゾール、メトリホナート、チアベンダゾール及びニクロサミドのような反蠕虫病薬剤。
【0088】
アスピリン酸、メフェナム酸、アクロフェナク、ナプロキセン、アゾプロパノン、ニフルミン酸、ベンジダミン、オキシフェンブタゾン、ジクロフェナク、ピロキシカム、フェノプロフェン、ピルプロフェン、フルルビプロフェン、サリチル酸ナトリウム、イブプロフェンスリンダック、インドメタシン、チアプロフェン酸、ケトプロフェン及びトルメチンのような反炎症性薬剤。
【0089】
コルヒチン及びアロプリノールのような反痛風薬剤。
【0090】
アルフェンタニル、メタドン、ベジトラミド、モルヒネ、ブプレノルフィン、ニコモルフィン、ブトルフェノール、ペンタゾシン、コデイン、ペチジン、デキストロモラミド、ピリトラミド、デキストロプロポキシフェン、スフェンタニル及びフェンタニルのような中枢作用(オピオイド)鎮痛薬。
【0091】
アルチカイン、メピバカイン、ブピバカイン、プリロカイン、エチドカイン、プロカイン、リドカイン及びテトラカインのような局所的麻酔薬。
【0092】
アマンチジン、ジフェンヒドラミン、アポモルヒネ、エトプロパジン、メタンスルホン酸ベンズトロピン、レルゴトリル、ビペリデン、レボドパ、ブロモクリプチン、リスリド、カルビドパ、メチキセン、クロルフェノキサミン、オルフェナドリン、シクリミン、プロシクリジン、デキセチミド及びトリヘキシフェニジルのようなパーキンソン病のための薬。
【0093】
バクロフェン、カリソプロドール、クロルメザノン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、フェバルバメート、メフェノキサロン、メフェネシン、メタキサロン、メトカルバモール及びトルペリゾンのような中枢性筋弛緩薬。
【0094】
副腎皮質ステロイドは以下を有する。
コルチゾール、デオキシコルチコステロン及びフルオロヒドロコルチゾンのような無機質コルチコステロイド。
【0095】
ベクロメタゾン、ベタメタゾン、コーチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルプレドニソロン、フルランドレノリド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロン(アセトニド)のような副腎皮質ステロイド。
【0096】
アンドロゲンは以下を有する
ダナゾール、フルオキシメステロン、メステロロン、メチルテストステロン、テストステロン及びその塩類のような治療で使用されるアンドロゲニックステロイド。
【0097】
カルステロン、ナンドロロン及びその塩類、ドロモスタノロン、オキサンドロロン、エチルエストレノール、オキシメトロン、メタンドリオール、スタノゾロール・メタアンドロステノロン及びテストラクトンのような治療で使用される筋肉増強剤。
【0098】
シプロテロン酢酸塩のような抗アンドロゲン。
【0099】
ジエチルスチルベストロール、エストラジオール、エストリオール、エチニルエストラジオール、メストラノール及びキネストロールのような治療で使用されるエストロゲン・ステロイドを有するエストロゲン。
【0100】
クロロトリアニセン、クロミフェン、エタモキシトリフェトール、ナフォキシジン及びタモキシフェンのような抗エストロゲン。
【0101】
アリルエストレノール、デソゲストレル、ジメチステロン、ジドロゲステロン、エチニルエストレノール、エチステロン、エチノジオールジアセテート、エチノジオール、ヒドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール酢酸塩、ノルエチンドロン、ノルエチステロン、ノルエチノドレル、ノルゲストレル及びプロゲステロンのようなプロゲスチン。
【0102】
甲状腺薬は以下を有する。
左旋サイロニン及びリオチロニンのような治療で使用される甲状腺薬。カルビマゾール、メチマゾール、メチルチオウラシル及びプロピルチオウラシルのような治療で使用される抗甲状腺薬。
【0103】
具体例によると、生物活性剤は、造影剤又はラベルのようなマーカー物質である。好ましくは、造影剤又はラベルは、疎水性、又は微粒子特性である。これらのタイプの薬剤は非常に効率的に組み込め、大部分が分解されるまで、ポリマーマトリックスからリリースされないだろう。特に適している薬剤は、液体の形式のヨード化されたX線造影剤である。この目的のために製品エチオドールが例えば使用でき、これはヨード化されたケシ油である。より高いヨウ素装填のために、ヨード化された油は、合成された、例えばオクタン―2―イル2,3,5―トリ・ヨード・ベンゾアートであり、1000mg/mlより多いヨウ素コンテンツを持つ。
【0104】
ポリマー微粒子は、一つ以上の生物活性剤を有し、又は治療薬及び造影剤の組み合わせを有する。水溶性である生物活性剤は別として、抗オキシダント、イオン、キレート剤、染料、イメージング合成物のような他の水溶性合成物が組み込まれ得る。また、疎水性生理活性合成物に加えて、他の合成物が、ポリマーを溶かすために用いられる溶媒に加えられてもよい。これらの疎水性合成物は、抗酸化剤、イオン、キレート剤、染料又はイメージング合成物でありえる。上記のように、本発明の方法及びツールは、疎水性及び親水性薬剤含有ポリマー微粒子両方を生成するために使用できる。疎水的な薬剤は、直接ポリマー溶液に組み込まれ、親水性薬剤は二重乳剤技術を介して組み込まれる。
【0105】
本発明の本態様による方法のために、何れかのタイプの生物学的適合性のポリマーが使用できる。特定の実施例において、生物学的適合性のポリマーも、生分解性である。生分解性の生体適合性ポリマーの例は、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド―co―グリコリド)、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアステルアミド、ポリ酸無水物、ポリ(アミノ酸)、ポリ・オルト・エステル類、ポリ(ジ・オキサ3、5、7、10月の7日)、ポリ(アルキレン・アルキレート)、ポリアセタール、ポリ・シアノアクリレート、生物分解可能なポリウレタン類、混合及びその共重合体である。通常は、ポリ(ラクチド)を有するポリマー、ラクチド及びグリコリドの共重合体、それらのブレンド又はそれらの混合物が使用される。斯様なポリマーは、単一の異性体タイプのモノマー又は異性体の混合物から形成できる。
【0106】
生分解性でない生体適合性ポリマーの例は、ポリアクリレート、エチレン酢酸ビニル及び他のアシル置換された酢酸セルロースのポリマー、難分解性ポリウレタン類、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フッ化ポリビニル、ポリ(ビニル・イミダゾール)、クロロ・スルホン酸塩ポリオレフィン、酸化(PEO)ポリエチレン、混合及びその共重合体である。
【0107】
特定の実施例では、ポリマーは、PLA―PEO(ポリ乳酸―酸化ポリエチレン)共重合体である。
【0108】
本発明の別の態様は、生物活性剤を有する1μmから100μm、特に2μmから50μmの間のサイズを持つ単分散ポリマー微粒子を、インクジェットを使用して調製する方法及びツールに関し、ここでポリマーはヒドロゲルである。ヒドロゲルポリマーの使用が、ポリマーの低い濃度から30μm未満の粒子の生成を許容することが分かっていて、これは前に開示された技術(例えばUS6,669,961)が持つ課題であった。液体内のインクジェットされたポリマー粒子の膨張及び/又は硬化の際、有機溶剤は粒子から拡散する一方で、微粒子への水の反拡散がある。ヒドロゲル粒子の形成におけるこの反拡散の有利な結果は、まだ認められていなかった。水性受ける流体へのヒドロゲル液滴の注入の後、大量の水が、重要な膨張へ至るヒドロゲル粒子により吸収される。この膨張は、液滴が水性受ける流体と接触している時間から独立している。平衡値が、ほぼ即座に得られる。ノズルから離れると、滴は、印加圧力及び噴出されたポリマーの量に依存して、ノズルの直径よりわずかに大きい直径を持つ。実際には、例えば30ミクロンの直径を持つノズルから噴出することは、約45μmの直径を持つ液滴を生成する。ヒドロゲル粒子の最終直径は、ポリマー上の水和可能なグループの数により決定されるヒドロゲルの水和の程度とポリマー濃度との組合せに依存するだろう。水による脱水ヒドロゲル粒子のボリュームの補償膨張は、概してファクタ3〜4であるが、5、6、8又は10の値まで上がることができる。
【0109】
概して、溶媒の除去の結果として、1〜3%のポリマー濃度を持つ50μmの直径を持つ噴出されたヒドロゲル液滴は、最初に、ファクタ100〜33でボリュームが縮小し、約11μm〜16μmの直径を持つ粒子まで直径が縮小する。水和して、ファクタ3でボリュームが増大するとき、斯様な粒子は、約15μm〜22μmの直径を持つ粒子にふくらむ。水和するとき、ファクタ4でボリュームが増大する粒子は、それぞれ約17μm及び25μmの直径を持つ粒子にふくらむ。結果として生じる水和するヒドロゲル・ポリマー粒子のための所望のサイズに従ってポリマーのタイプ(すなわち水和の程度)及びポリマー濃度を選択することは、当業者の範囲内である。
【0110】
よって、ヒドロゲルポリマーは、膨張した後には比較的大きな微粒子を得る一方で、比較的小さなボリュームを持つポリマー液滴が噴出できるという効果を持つ。より小さな液滴を使用することにより、液滴からのヒドロゲルにある溶媒の拡散が著しく増大される。結果として、ポリマー粒子の膨張及び/又は硬化のために必要とされる全体の時間は、劇的に減少される。さらに、受ける流体が溶媒で汚染されないので、粒子と受ける流体との間の溶媒のより急な勾配が、ポリマー粒子の膨張及び/又は硬化を促進して再び維持される。
【0111】
従って、本発明の具体例では、ヒドロゲル・ポリマーの低い濃度、例えば0.5〜3%、特に1.5%のような乳剤のヒドロゲル・ポリマーの0.5〜2%を持つ乳剤の使用が想定される。他の具体例において、斯様な乳剤は、1μmと100μmとの間、特に10μmと50μmとの間、更に特に20μmと30μmとの間の直径を持つノズルから射出される。ヒドロゲル乳剤のインクジェットされた液滴の制御された膨張は、ノズル直径を調節することにより、ノズル直径の40と120%との間の直径、特にインクジェットするために使用されるノズルの直径の70〜85%を超える(特に75%、80%又は85%を超える)直径を持つ微粒子の生成を許容する。具体例では、膨張の後得られたヒドロゲル粒子の直径が、ノズルの直径と同じかより大きくできる。
【0112】
実施例のセクションは、20μmの直径を持つノズルから噴出した約1%のヒドロゲル・ポリマー濃度が、ノズル直径の85%に対応する約17μmの直径を持つポリマー粒子を得るために使用できることを実証する。
【0113】
上記のように、微粒子の生産のためヒドロゲル形成ポリマーの使用は、3%未満、又は更に2%未満のポリマー濃度を持つ乳剤の使用を許容し、これは伝統的に使用されるポリマー濃度より著しく低い。斯様な乳剤は、より低い粘性を持ち、これにより、より低い圧力が乳剤をインクジェットデバイスに通すのに必要なだけなので、インクジェットを促進する。加えて、ヒドロゲル形成ポリマーの使用は、インクジェットの間にノズル汚染が減少する効果を持つ。
【0114】
このように、本発明は、生物活性剤を有する1μmと50μmとの間の範囲にあるサイズを持つヒドロゲル・ポリマー微粒子を生産する方法を供給する。本発明の方法は、通常、生物活性剤を有する、上記のようなヒドロゲル形成ポリマーの乳剤を調製するステップと、補助の圧力を使用し、振動を付与して、水性受ける流体に浸けられたノズルから乳剤の液滴を放出するステップとを有する。液滴が溶媒の除去及び前記滴の水との飽和を確実にする時間の間、受ける流体内で前記液滴が移動できることにより、前記液滴は微粒子に硬化される。通常は、30%、特に40%、更に特に50%を超える、最も特に60と98%以上との間の溶媒が、除去され、水によって全て又は部分的に置き換えられる。本発明の方法の具体例において、粒子は、撹拌なしに受ける流体内を移動される。最も特に、粒子は、本願明細書に記載されているように粒子が斜面にスライドできることにより、受ける流体内を移動される。
【0115】
従って、本発明は、1μmと100μmとの間の直径、更に特に10μmと30μmとの間の範囲の直径、最も特に10μmと20μmとの間の直径を持つ、ヒドロゲルポリマー粒子の単分散母集団を供給する。10μmと20μmとの間のサイズを持つ粒子は、最も小さな血管の塞栓の作成のような医療用途に特に適している。
【0116】
具体例によると、ヒドロゲル・ポリマー微粒子は、一つ以上の生物活性剤を有する。具体例において、ヒドロゲル粒子は、親水性生物活性剤を有する。あるいは、生物活性剤は疎水性であり、二重乳剤技術が上記の通りに使用される。生物活性剤の性質はクリティカルでなく、想定される生物活性剤の適切な例は上記のように開示される。
【0117】
他の具体例によると、ヒドロゲル微粒子は、溶媒へのインクジェットにより作られ、これにより、ヒドロゲル微粒子は、上記のように、段階的な変更傾斜を持つ斜面上に落とされる。
【0118】
ポリマーの水溶性の領域はポリマー内に混入される物質への水のアクセスを可能にするので、ヒドロゲル、特に親水性物質のヒドロゲルは、制御送出のために特に有効である。リリースは、ポリマー内の特性孔サイズに依存して、分解前のポリマーからの物質の拡散により、及び/又は分解するにつれてポリマーからの物質の拡散により発生し、当該特性孔サイズは架橋間の分子量及び架橋密度により制御される。混入された物質の非活性化は、ゲルの固定及び保護効果のため低減され、他の徐放性のシステムと関連した破局的な爆発効果が回避される。ポリマーの分解は、終端のエステル結合の漸進的な加水分解により、生体内の遊離マクロ分子の最終的な徐放を容易にする。概して、ヒドロゲルは、生分解性の重合可能な、核、核の各先端上の伸展及び各伸展上のエンドキャップを含むマクロ構造単位から形成される。核は、親水性ポリマー又はオリゴマであり、各伸展は、生分解性のオリゴマであり、各エンドキャップは、オリゴマである二量体、又はマクロな構造単位と架橋結合ができるモノマーである。他の具体例において、核は約400と30,000Daとの間の分子量の親水性ポリ(エチレングリコール)オリゴマを含み、各伸展は約200と1200Daとの間の分子量の生分解性のポリ(αーヒドロキシ酸)オリゴマを含み、各エンドキャップは、架橋結合でき、共重合体間の重合である約50と200Daとの間の分子量のアクリル酸塩タイプ・モノマー又はオリゴマ(すなわち、炭素―炭素二重結合を含む)を含む。他の実施例では、約10,000Daの分子量のポリ(エチレングリコール)オリゴマからなる核、約250Daの分子量のポリ(グリコール酸)オリゴマからなる伸展、及び約100Daの分子量のアクリル酸塩部分からなるエンドキャップを取りこんでいる。
【0119】
核水溶性の領域として用いられる適切な物質の例は、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(酸化エチレン)コポリ(プロピレンオキシド)ブロックコポリマー、多糖類又はヒアルロン酸、デキストラン、硫酸ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン又はアルギン酸塩のような炭水化物、又はゼラチン、コラーゲン、アルブミン又はオバルブミンのようなタンパク質である。
【0120】
生分解性の領域は、エステル、ペプチド、無水物、オルト・エステル及びリン酸エステル結合のような生物分解性に影響されやすい結合を使用しているモノマー又はポリマーから構成できる。
【0121】
加水分解性である生分解性の構成要素の例は、グリコリド、ラクチド、ε―カプロラクトン、他のαーヒドロキシ酸、及び無毒又は体内の通常の代謝物質として存在する物質を作る他の生物学的に分解可能なポリマーのオリゴマ及びポリマーである。適切なポリ(αーヒドロキシ酸)は、ポリ(グリコール酸)、ポリ(DL―乳酸)及びポリ(L―乳酸)である。他の有用な物質は、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(オルト・エステル類)及びポリ(リン酸エステル)を含む。ポリ(ε―カプロラクトン)、ポリ(ε(3カプロラクトン)、ポリ(δ―バレロラクトン)及びポリ(γ―ブチロラクトン)のようなポリラクトンも有効である。
【0122】
この例は、PEG―オリゴラクチル―アクリル酸塩である。本願明細書において、ポリ(エチレングリコール)又はPEG中心構造単位(核)は、優れた生体適合性を伴って、その高い親水性及び水溶性に基づいて有効である。ポリグリコール酸のような短いポリ(α―ヒドロキシ酸)は、エステル結合の加水分解により急速にグリコール酸、無害な代謝物質へ分解するので、適切な連鎖延長である。斯様なネットワークは、水溶性の薬及び酵素を混入して、均一に分散させて、これらを制御されたレートで届けるために使用できる。他の適切な連鎖延長は、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ・オルト・エステル類及びポリ無水物である。ポリペプチドも使用される。
【0123】
具体例において、ヒドロゲル微粒子は、ポリ・アルキレン・グリコール及び芳香族のポリエステルの共重合体から調製される。この共重合体は、共重合体の重みに基づいて、約30重量%から約99重量%、特に30重量%〜90重量%までの第一成分を有し、当該第一成分は、ポリ・アルキレン・グリコールを有し、式―OLO―CO―Q―CO―のユニットを持ち、ここで、Lはポリ(オキシ・アルキレン)グリコールからの末端ヒドロキシル基の除去の後、残っている二価有機基であり、Qは二価有機基であり、共重合体の重みに基づいて、約1重量%から約70重量%までの第2の成分を有し、当該第2の成分は、芳香族のポリエステルであり、式―0―E―O―CO―R―CO―のユニットを持ち、ここで、Eは2つから8つまでの炭素原子を持つ置換若しくは非置換アルキレン又はオキシ・ジアルキレン基であり、Rは置換又は非置換二価芳香族の基である。
【0124】
一つの実施例において、ポリ・アルキレン・グリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレン・グリコール及びポロキサマーのようなこれらの共重合体から選択される。一つの実施例において、ポリ・アルキレン・グリコールは、ポリエチレングリコールである。用語アルキレン及びポリ・アルキレンは、概して異性体構造体を指し、すなわち、プロピレンは1,2―プロピレン及び1,3―プロピレン両方を有し、ブチレンは1,2―ブチレン、1,3―ブチレン、2,3―ブチレン、1,2―イソブチレン、1,3―イソブチレン及び1,4―ブチレン(テトラメチレン)を有し、より高いアルキレン相同物に対しても同様である。ポリ・アルキレン・グリコール成分は、必要ならば結合をポリエステル成分に供給するために、ジカルボン酸残基―CO―Q―CO−で終了される。グループQは、Rと同じ定義を持つ芳香族基でよいし、又はエチレン、プロピレン、ブチレンなどのような脂肪族基でもよい。
【0125】
ポリエステル成分において、二価の芳香族基Rはフェニレン、ピリジル・エン、ナフチル・エン、ビフェニル、オキシ・ジフェニル、スルホ・ジフェニル、メチレンジフェニルであり、最高4までオプションで置換され、特に最高2つまで置換基がクロロ、ニトロ、C1―C4アルコキシ、他のフルオロ、ヒドロキシ、C1―C4アルキルから選択される。通常は、芳香族の基のRは未置換であり、特に、Rは1、4―フェニレンである。ポリエステル―O―E―O―CO―R―CO―の例は、ポリ(エチレン・テレフタル酸塩)、ポリ(プロピレン・テレフタル酸塩)、ポリ(ブチレン・テレフタル酸塩)、ポリ(ブチレン・イソフタル酸塩)、ポリ(エチレン4,4´―メチレン・ジフェニル・ジカルボン酸塩)、ポリ(ブチレン5,6,7,8―テトラヒドロナフタレン―1,4―ジカルボン酸塩)などを有する。
【0126】
特定の実施例では、ポリエステルは、ポリエチレン・テレフタル酸塩、ポリプロピレン・テレフタル酸塩及びポリブチレンテレフタレートから選択される。より詳しくは、ポリエステルは、ポリブチレンテレフタレートである。
【0127】
非常に特定の実施例において、共重合体は、ポリエチレングリコール/ポリブチレンテレフタレート・ブロックコポリマーである。ポリ・アルキレングリコールは、約200乃至約20,000の分子量を持つ。ポリ(オキシ・エチレン)グリコールの正確な分子量は、マトリックスにより封入された生物学的に活性な薬剤のタイプを含む様々な要因に依存する。
【0128】
具体例において、ヒドロゲル・ポリマーは、ポリ(酸化エチレン)テレフタル酸塩及びポリ(1,4―ブチレン)テレフタル酸塩(PEGT/PBT)の共重合体である。ここでPEGT/PBTの重量比率は、70/30を超えて80/20から60/40までの範囲である。具体例において、70/30の及び60/40の共重合体のポリエチレン・グリコール成分は、1,000の分子量を持つ。他の具体例において、80/20の共重合体は、1,000、2,000及び4,000のそれぞれ分子量を持つポリエチレングリコール構成要素を持つ。
【0129】
ヒドロゲル形成ポリマーがインクジェットする際に使用される本発明の方法は、安定させる添加物が必要でないという付加的な効果を持つ。生分解性のポリマーの微粒子の調製において概して、添加物が必要である。使用される最も一般の添加物は、ポリビニルアルコール(PVA)であり、これは異なる分子量及び異なる加水分解の程度で商業的に利用可能である。PVAは、有機溶剤内の生分解性のポリマーの溶液を水と混合することから微粒子を調製する際の3つの機能を持つ。第1に、PVAは、インクジェットした後に形成される乳剤液滴のための優れた安定剤である。第2に、PVAは、硬化した微粒子のための安定剤として作用し、第3に、PVAは、乳剤液滴の間の剪断力に対する影響を持つ。
【0130】
本発明の具体例のヒドロゲル形成ポリマーの使用は、乳剤液滴安定性及び微粒子安定性についてのPVAの安定させる作用の必要性を取り除く。同様に、粘性を強化している薬剤は、もはや微粒子サイズを制御するために必要ではない。本発明による水溶液中の浸けられて噴出し制御された膨張で、剪断力を使用した乳剤液滴の分解が起きず、従って、プロセスは、連続相に付加のPVAがない場合でも行える。従って、少ない洗浄ステップが必要なだけであり、後続の速い処理が、より効率的な封入につながり得る。
【0131】
本発明の方法は、更に、ヒドロゲルポリマが使用されるとき、プルロニックのような界面活性剤が第1の乳剤ステップから省略できる二重乳剤技術の使用を可能にする。
【0132】
本発明のインクジェットする方法及びツールにおいて、ポリマー乳剤の生物活性剤は、インクジェット・ヘッドのような圧電素子と組み合わせたノズルを使用した補助の圧力で流体(受ける流体とも呼ばれる)に導入される。ノズルは、浸けられてインクジェットする既知の方法にしたがって受ける流体に浸水される。
【0133】
微粒子の浸けられたインクジェットのためのデバイスは、例えばWO2006003581及びUS6599627に記載されている。
【0134】
斯様なデバイスは、ポリマー及び生物活性剤の乳剤(3)を保持するための第1のリザーバ(2)と、受ける流体(5)を保持するための第2のリザーバ(4)と、受ける流体に乳剤を射出するための少なくとも一つのノズル(6)を持つ噴出モジュールとを通常有する。
【0135】
本発明のデバイスにおいて、受ける流体のための第2のリザーバ(4)及びノズル(6)は、第2のリザーバ(4)を受ける流体で満たす際、ノズル(6)が受ける流体に浸けられるように配される。
【0136】
ノズルの直径は、得られるべき粒子のサイズ及び/又は用いられるポリマーの濃度に依存して調整でき、通常は1μmから100μmの間にある。具体例において、本発明のデバイスは、20μmから50μmの間の直径を持つノズルを有する。
【0137】
一つの実施例において、デバイスは、0.1kHz−1から100kHz−1の範囲の射出レートで射出を制御するための制御システムを有する。他の実施例では、制御システムは、パルス化された様式での射出を動作するように調整され、特に制御システムは、ブロック形式の励起パルスを噴出モジュールに付与するように設けられる。他の実施例では、噴出システムは幾つかのノズルを含み、制御システムは個別のノズルに対する液滴サイズを調整するように設けられる。他の実施例では、リザーバは、温度制御システムを具備する。
【0138】
本発明の方法で適用できる浸けられてインクジェットする具体例は、(前述した)ボーマー等(2006)に記載されている。ここで、50μm、30μm及び20μmの直径を持つピエゾ駆動マイクロドロップインクジェット・ノズル(MK―140H)を使用して、実験が行われる。外部パルスジェネレータ(FlukePM5139)が、20kHzの範囲の周波数を得るために使用される。オプショナルのマイクロドロップドライバ(MD―E201H)も、パルストリガーされた画像を撮ることを可能にし、ドロップ形成プロセスをフォローする。ノズルは、リザーバの液体内に置かれる。インクリザーバの静的流体圧が充分でなかったので、一定圧力が、ノズルの閉塞を防止して高い液滴形成率を可能にするために付与される。典型的圧力は、50μmノズルで0.3バール、30μmノズルで0.8バール、及び20μmノズルで1.6バールである。一つの実施例(図1に図示される)において、リザーバは垂直壁(「9」)により分離された2つの区画を含み、これによって、一方の区画は、乳剤液滴の明確なアレイを得るため、振動数及び圧力をセットするために用いられる。これが達成されるとき、ノズルは乳剤の生産のための区画である第2の区画に置かれ、ノズルを噴出し及び浸し続ける。15分後に、ノズルは移され、パルスジェネレータがオフにされる。ノズルは溶液から取り外される一方、圧力はまだ印加されている。ノズルが十分な空気にある後にだけ、補助圧がオフにされる。これは、水溶液がノズル内に流入しないことを確実にするためになされるが、当該流入の場合は目詰まりを引き起こす。インクジェットのデバイスで、上述のように、液滴は、約5000〜100.000の液滴/秒のレートで噴出される。通常は、生産率は、秒当たり約25000である。
【0139】
本発明の一つの態様によると、インクジェットした後、微粒子の特定の後処理を可能にするデバイスが供給される。本発明の本態様によるデバイスは、受ける流体(5)を保持するための第1のリザーバ(4)内又は連結されて置かれた斜面(7)を有する。ノズル(6)から放出される液滴が斜面(7)の傾斜の始まりに接触又は着陸するように、斜面(7)は配される。上記のように、形成された微粒子は、極めて壊れやすく、活性後処理により、例えば受ける流体に前記微粒子を入れて撹拌することにより損傷を受ける。本発明によると、活性後処理が延期又は省略されるデバイスが供給される。より詳しくは、デバイスは、受動的な後処理ステップを確実にするように、すなわち放出された液滴が斜面(7)上の受ける流体内でスライドできることにより、設計されている。最も特に、本発明のデバイスは斜面を有し、当該斜面は、10〜45度、特に20から45度の傾斜を持つ。他の実施例によると、本発明のデバイスは、垂直に始まって、10〜45度の間の角度で終わる段階的な変更傾斜を有する。本発明の具体例によるデバイスの例は、図1及び図2に提供される。
【0140】
本発明の方法及びデバイスは、単分散である、すなわち非常に狭いサイズ分布を持つ微粒子の母集団の生成を可能にする。このように、本発明の他の態様は、1μmから100μm、特に2μmから50μm、特に10μmから30μm、さらに特に10μmから20μmの直径を持つ単分散微粒子の母集団に関する。斯様な母集団内では、90%を超える微粒子は、前記母集団の平均値の0.7μmに入る直径を持つ。具体例において、最も特にヒドロゲル・ポリマーが用いられる所で、母集団は、90%を超える微粒子が母集団の平均値の0.5μmに入る直径を持つという事実により特徴づけられる。具体例において、斯様な母集団内では、90%を超える微粒子は、平均直径の4%に入る直径を持つ。具体例によると、微粒子は、ヒドロゲル・ポリマー微粒子である。他の実施例によると、微粒子は、生物活性剤を含む。他の実施例によると、微粒子は、親水性生物活性剤を含む。
【0141】
初期の膨張及び/又は硬化の間、微粒子が斜面を転がるか又はスライドする本発明の方法は、撹拌する際、柔らかい微粒子の衝突中に起こるような粒子への損傷を防止する。この微妙な処理は、本発明の方法により得られるような微粒子の全体の形状上の有益な効果を持ち、特に当該方法は、粒子の全体の球状形状及び/又は滑らかな(へこんでいない)表面を得るために有利である。従って、本発明は、母集団の粒子の5%未満、特に2%未満又は最も特に1%未満だけが、全体の球状形状から逸脱し(10%を超え、特に5%を超えて逸脱)及び/又はくぼみを持ち、及び/又は他のタイプの損傷面を持つ形状を持つ微粒子母集団の生産を可能にする。
【0142】
本発明の他の態様は、生理活性の薬剤の哺乳類への投与に対する本発明の微粒子の使用に関する。
【0143】
本発明の微粒子は、多種多様な医療用途に適用できる。微粒子は、皮下管理、静脈内投与、動脈内管理、腹膜内管理筋肉内管理、膣内投与及び直腸管理のような非経口及び粘膜管理(例えば経口投与)のための医薬品組成物に組み込まれ得る。
【0144】
本発明の微粒子の優れた特性は、アプリケーションによっては微粒子のサイズがクリティカルである当該アプリケーションに微粒子を、望ましくない効果を回避するために、特に適しているようにする。これは、例えば、子宮フィブロイドの治療において、例えば塞栓形成療法の場合である。他の応用は、生物活性剤の徐放を有し、微粒子が封入される微粒子のサイズがより均一であるという事実の結果としてより正確に送出される。
【0145】
よって、本発明は、そのニーズの患者に対する治療的な合成物である生物活性剤を有する本発明の微粒子を投与するステップを有する処理の方法に関する。加えて、本発明は、診断されるべき患者に対する造影剤又はマーカーである生物活性剤を有する本発明の微粒子を投与するステップを有する診断の方法に関する。
【0146】
本発明を実施するシステム及び方法の他の装置は、当業者にとって明らかだろう。
【0147】
好ましい実施例、特定の構成及び物質だけでなく配置構成が本発明によるデバイスのために本願明細書において述べられたにもかかわらず、形状のさまざまな変化又は修正及び細部が本発明の範囲及び趣旨を逸脱しない範囲でなされてもよいことを理解すべきである。
【実施例1】
【0148】
例1:変動振動数を持つ20μmのノズルからのPEGT/PBT共重合体乳剤の注入
1%のPEGT―PBT溶液は、浸けられたマイクロドロップノズルで0.3%のpva8/88を有する水溶液にインクジェットされた。20μmのノズルが、用いられた。1.5バールの圧力並びに27.6、17、12及び10kHzの振動数で10分間、インクジェットが実行された。前記水溶液において斜面は浸けられ、液滴は、この浸けられた面を介して他の容器へ転がるか又はスライドすることにより移動できた。ここで、微粒子は定着するために残り、上澄みが取り除かれ、容器は水で再び満たされた。水性相への溶解によりジクロロエタンを取り除くために1―2時間撹拌した後に、微粒子は、50μmの開口部を使用してクールター・マルチサイザーIIIで測定された。ボリューム加重及び数加重両方の様式の直径は、12.47μm、14.39μm、16.09μm及び17.10μmであった。ボリューム加重平均直径は、12.40μm、14.32μm、15.60μm及び17.05μmであった。サイズ分布は、図3で与えられる。ピークの幅は、90%を超える粒子(10―20ミクロンの間でクールター・カウンタのすべてのカウントを考慮する)が、平均値の0.5μm以内にあることを示す。
【実施例2】
【0149】
例2:PEGT/PBT共重合体倍乳剤の注入
1%の水が、ジクロロメタンの1%のPEG―PBTの溶液に加えられた。混合物は60秒間のUltraturrax(登録商標)を使用して乳状にされ、強く散在する乳剤を生じた。この乳剤は、20.7kHzの振動数及び0.45バールの補助圧力で、第1の容器の0.05%pvaを有する水溶液へ浸けられた30μmのノズルを使用して、インクジェットされた。例1で説明したように、液滴は、第1の容器の浸けられた斜面上へ水溶液に噴出された。液滴は、定着するために残る第2の容器へ傾斜を徐々に転がるかスライドした。上澄みは取り除かれ、第2の容器は水で再び満たされた。水性相への溶解によりジクロロメタンを除去するために1―2時間撹拌した後、微粒子は、50μmの開口部を使用してクールター・マルチサイザーIIIで測定された。基準サンプルが、同じ圧力、振動数及び受ける流体を使用して1%のPEG―PBT溶液から調製された。両方のサンプルのサイズ分布は、図4で与えられ、結果として生じる粒子のSEM画像は図5で与えられる。倍乳剤及び基準粒子両方に対して、90%を超える粒子が、数の平均化された直径の4%以内にある。
【実施例3】
【0150】
例3:PEGT―PBTのダブル乳剤のインクジェット:蛍光タンパク質の組込み
例2の調製は、蛍光タンパク質の組込みで繰り返された。タンパク質(シグマ―オールドリッチの蛍光分子量標準F3526)のFITC変更された混合物が用いられた。タンパク質混合物を含む1%の水が、ジクロロメタンの1%のPEGT―PBT溶液に加えられた。インクジェットの直後に、粒子を縮小することが、顕微鏡下でフォローされ、図6に示されるように、最終的なサイズに到達されたあと、画像が撮られた。
【実施例4】
【0151】
例4:付加の安定剤がないインクジェット
付加の安定剤なしのインクジェットジクロロメタンの1%のPEGT―PBT溶液が、20.7kHzの振動数及び0.45バールの補助圧力で他の添加物なしに水へ浸けられた30μmのノズルを使用してインクジェットされた。洗浄後、サンプルは、図7に示されるようにSEM写真で撮られた。
【実施例5】
【0152】
例5:plga及びpla―peoをインクジェット
0.35%のpla―peo及び0.45%のplgaを含む溶液(A)は、10分間に15kHzの振動数で水性0.2%pva溶液に20ミクロン・ノズルを使用してインクジェットされた。インクジェット後、生産物は2度洗浄され、残留溶媒を蒸発させるために撹拌されて残した。サイズ分布が、図8に示される。
【0153】
溶液(A)に3%の界面活性剤プルロニックF127を含む0.5%の水が加えられ、乳剤は超音波を付与することにより調製された。これは、ポリマー溶液の水滴の強く散在する乳剤に至った。前記乳剤は、10分間、15kHzの振動数で水性0.2%pva溶液の20ミクロン・ノズルを使用してインクジェットされた。インクジェット後、生産物は2度洗浄され、残留溶媒を蒸発させるために撹拌して残された。サイズ分布が、図8に示される。
【実施例6】
【0154】
例6:カプセルを含むヨード化された液体の調製。
14ミクロン球体を含むオクタン―2―イル2,3,5―トリ・ヨード・ベンゾアートは、15kHzの速度で0.2%のpva溶液へジクロロエタンのヨード化された油及びplgaの溶液をインクジェットすることにより調製された。粒径分布が、図9に示され、顕微鏡検査画像が図9bで与えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー粒子の生産のためのデバイスであって、乳濁を保持するための第1のリザーバと、受ける流体を保持するための第2のリザーバと、第2のリザーバが満たされているとき、前記受ける流体に浸され、液滴を前記受ける流体へ直接噴出可能にする少なくとも一つのノズルを持つ噴出モジュールと、前記ノズルから第2のリザーバ内の前記受ける流体へ噴出されるとき、液滴が斜面に沿って移動するように、第2のリザーバへリンクされ又は位置づけられる当該斜面とを有し、前記斜面は、垂直的に始まり10度から45度の間の角度で終わる段階的に変化する傾斜を持つ、デバイス。
【請求項2】
段階的に変化する傾斜は、20度と30度との間の角度で終わる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ノズルは、30μmより小さな直径を持つ、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
1μmと100μmとの間の範囲のサイズを持つ単分散ヒドロゲルポリマー微粒子を調製するための方法であって、前記微粒子は生物活性剤を有し、請求項1に記載のデバイスが利用され、当該方法は、a)前記生物活性剤を有するポリマーを形成するヒドロゲルの乳濁を調製するステップと、b)補助の圧力を使用し、振動を付与して、水溶受ける流体に浸される、前記ノズル(6)からステップa)の前記乳濁の液滴を噴出するステップと、c)溶媒の除去と、前記液滴の水での飽和とを確実にする期間で、前記受ける流体内に前記液滴を移動可能にすることにより、前記液滴を膨らませて硬化するステップとを有し、当該ステップc)における膨らませて硬化するステップは、前記受ける流体内で粒子が少なくとも10度の傾斜を持つ斜面を移動できることにより実施される、方法。
【請求項5】
前記ポリマーは、ヒドロゲル・ポリマーである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(c)が、溶媒の除去及び水との飽和を確実にする時間の間、前記受ける流体内で前記粒子が前記斜面上を移動できるステップを有する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記ノズルから噴出される液滴が2〜60秒の間の時間、前記斜面に沿って移動するように、前記斜面の長さ及び傾斜が構成される、請求項4乃至6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)の後、かき混ぜることにより粒子が更に堅くされる追加ステップ(d)を有する、請求項4乃至7の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−506271(P2011−506271A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530598(P2010−530598)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054300
【国際公開番号】WO2009/053885
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】