説明

ポリ(アセタール−ポリエーテル)の水性分散液、および保護塗料におけるその使用

水性分散液は、疎水化修飾されたポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(HM-PAPE)に基づく会合型増粘剤、並びにエトキシル化アルコール、エトキシル化アセチレンジオール、燐酸エステル、ジアルキルスルホスクシネートおよびそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの粘度降下剤を含む。この水性分散液はHM-PAPEの水性系保護塗料中への混和性を改善する。この分散液は、また、随意にラテックスを含有する水系塗料組成物も改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年12月9日に出願された米国仮特許出願第60/634,500号および2004年12月15日に出願された米国仮特許出願第60/636,268号の利益を請求するものである。
【0002】
発明の分野
この発明は、会合型増粘剤と少なくとも1種の界面活性剤の水性分散液に関する。さらに詳しくは、この発明は、ポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(PAPE)に基づく会合型増粘剤と、アルコールエトキシレート、エトキシル化アセチレンジオール、燐酸エステルおよびジアルキルスルホスクシネートから選ばれる少なくとも1種の界面活性剤との水性分散液に関する。この発明は、さらに、これら水性分散液の水系塗料組成物における使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
会合型増粘剤は、一般に、少量の疎水性基(hydrophobic group)を有する水溶性または水分散性の重合体である。それらは様々な水性系のレオロジーおよび塗布性を制御するために広く用いられている。会合型増粘剤の1つの主要な応用領域は水系塗料(water-borne coating)の中にある。水系塗料においてレオロジー調整剤として使用される会合型増粘剤を、水系保護塗料のような水性系の中への流し込み、ポンプ注入および混ぜ込みを容易にできるようするために、そのような低粘度を持つ高濃厚水溶液の形で製造することが困難であることは周知である。会合型増粘剤が水性相を増粘する機構は、増粘剤分子中の疎水性基間の疎水性会合および/または会合型増粘剤と水系塗料組成物(water-borne coating composition)中に存在する疎水性成分との相互作用を含むだろう。会合型増粘剤の各種タイプは、疎水化修飾されたセルロースエーテルのような修飾された天然重合体、疎水化修飾されたエトキシル化ポリウレタン(hydrophobically modified ethoxylated polyurethanes:HEUR)、疎水化修飾されたアルカリ可溶性エマルジョン(HASE)および疎水化修飾されたポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル(HM-PAPE)のような合成重合体に基づく。会合型増粘剤を用いて調合された水系塗料のペイント性能特性は、増粘効率、垂れ、均展性および塗膜塗り厚(ICI粘度)のような最も基本的な性質において変化する。
【0004】
合成会合型増粘剤は、近年、特に水系塗料およびラテックスペイントのレオロジーを制御するに当たって重要性が高まってきた。合成会合型増粘剤は基本的な化学薬品から製造されるから、それらはある特定の性質を考えに入れて製造することができる。言い換えると、それらは初めから所望とされる性質について注文通りに製造することができる。合成会合型増粘剤は水性系で幾つかの役割を果たす。例えばラテックスペイントおよび水系塗料においては、増粘剤は改善された安定性と顔料分散性、および改善されたレオロジー特性と塗布性を与える。個人向けケア製品では、増粘剤はその製品の改善された腰(body)、触感、平滑性および色濃度(richness)を与え、このことがその製品をして審美的にさらに満足なものとする。他の工業では、合成会合型増粘剤は他の所望とされる性質を改善するために用いられる。
【0005】
製造および塗布の立場からは、重合体の溶液粘度の制御、および重合体を溶液中に高いパーセントの固形分含有量において比較的低い粘度で混和できる可能性が重要な要件である。これらの要件は、製品使用の総原価のバランスを取り、そして塗布調合物中への製品混和の適正な手順を達成することを可能にする。水系塗料中でレオロジー調整剤として用いられるこれらの合成会合型増粘剤の例に、疎水化修飾エトキシル化ウレタン(HEUR)、疎水化修飾アルカリ可溶性エマルジョン(HASE)、疎水化修飾ポリエチレングリコール(HM-PEG)および疎水化修飾ポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(HM-PAPE)がある。
【0006】
疎水性部分(hydrophobe)による分子間会合の故に、会合型増粘剤の水溶液はより低い濃度においても高い粘度を示す。いろいろなタイプの会合型増粘剤の溶液粘度を抑えるために、ポリプロピレングリコール、ブチルカルビトール、シクロデキストリンおよび界面活性剤のような粘度抑制助剤(viscosity suppressing aid)が使用される(米国特許第6,063,857号;米国特許第5,137,571号;米国特許第5,425,806号;米国特許第6,150,445号;米国特許第5,378,756号;米国特許第5,959,013号;米国特許第5,574,127号;米国特許第6,162,877号明細書を参照されたい)。これらの、増粘剤と添加剤との水性の組み合わせに有用な典型的な粘度範囲は約1000〜5000cpである。典型的な望ましい重合体固形分濃度は約15〜30重量%の範囲内にある。
【0007】
Hercules Incorporated社が商標名Aquaflow(登録商標)で製造、販売するHM-PAPEは、現在、顧客に液体の形で売られている。現在のところ、これら製品の一部は水とブチルカルビトールとの混合物中25%活性分の重合体溶液として売られている。
【0008】
既存のAquaflow製品はスチレン−アクリルバインダーを有する高光沢ペイント配合物中に混和させる難易は中程度乃至困難である。この問題は、70%の顔料体積濃度(pigment volume concentration:PVC)を持つ、酢酸ビニル/エチレン(VAc/E)ラテックスを含有する溶媒不含水系塗料にも当てはまる。
【0009】
顧客調査から、殆どのラテックスペイントメーカーは合成会合型増粘剤をペイントコンパウンド中に混和する間に困難に遭遇したことが見いだされた。理想的には、増粘剤がベースペイントに加えられた後、結果として得られるペイント混合物は攪拌が容易でなければならないし、また増粘剤はその増粘能力を非常に速やかに、好ましくは数分以内に示さなければならない。このように、ペイントの全粘度(full viscosity)は全く速やかに達成され、しかも貯蔵中にさらなる粘度増加は起こらない。
【0010】
増粘剤をラテックスペイント中に混和させる容易さは、増粘剤がペイント配合物(paint formulation)を効果的に増粘し始める時間を記録することによって測定されるが、その時間まではさらなる粘度変化は観察されない。増粘剤をベースペイント中に混和させた後、ペイントの外観は滑らかでなければならないが、これは後に残される塊はないことを意味する。この結果得られるペイントの粘度が次に測定される。ペイント工業では、この粘度はストーマー粘度と称され、Kreb単位(KU)で測定される。
【0011】
会合型増粘剤は疎水性基を含んでいるから、それら増粘剤はそれらの疎水性部分を通して分子間会合を形成する能力を有する。それらは、また、ラテックスや顔料のような分散した粒子の疎水性表面の上に吸着することもできる。その結果、会合型増粘剤は、同じ分子量を有するが、疎水性基は持たない対応する重合体よりもはるかに大きい増粘効果を有する。高粘度という問題を解決する1つの方法がこの技術分野で知られている。この方法は会合性増粘剤を水に溶解し、次いでその溶液を水性配合物に加えることを含む。しかし、このアプローチは、非常に高い粘度に遭遇しないで所定量の水に溶解させ得る重合体の量を制限する。高粘度の発生を妨げるもう1つのアプローチは、普通は有機溶媒を用いて会合型増粘剤の分散液を調製することである。このアプローチは、しかし、有機溶媒は揮発性であって、それらの多くは環境被害を引き起こし得るから、回避されるべきである。会合型増粘剤の水溶液の粘度を下げるさらに他のアプローチは、会合型増粘剤の水溶液にノニオン性界面活性剤を加えることである。
【0012】
界面活性剤を用いて会合型増粘剤の流し込み可能な水溶液または分散液を製造することを開示する幾つかの特許が知られている。米国特許第5,425,806号明細書は、低揮発性有機化合物(VOC)を有する、25℃で流し込み可能な会合型増粘剤の水性分散液について記載している。この分散液は15−40重量パーセントの会合型増粘剤(即ち、ポリウレタン、ポリエステル、修飾セルロース、ポリエステルウレタン、ポリエーテルアルファ−オレフィンおよびポリエーテルポリオール)、30−85重量パーセントの水、および1−30重量パーセントの1種または2種以上のアニオン性またはノニオン性界面活性剤を含む。米国特許第5,378,756号明細書は、ポリウレタン重合体、ノニオン性乳化剤、および中間にアセチレン基(三重結合)を含んでいる化合物の増粘剤組成物を開示している。米国特許第6,150,445号明細書は、10−50重量パーセントのポリウレタン会合型増粘剤、および1−25パーセントの、エチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基を含んでいるノニオン性界面活性剤の水性コンセントレートを開示している。米国特許第6,063,857号明細書は、水、少なくとも5.0重量パーセントの中和済み疎水化修飾アルカリ可溶性エマルジョン重合体、および0.5重量パーセント未満の界面活性剤の組成物を開示している。これらの従来技術に本発明を開示しているものはない。
【発明の開示】
【0013】
発明の簡潔な要約
本発明は、疎水化修飾されたポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(HM-PAPE)、水、およびC9−12アルコール成分を有するアルコールエトキシレート、エトキシル化アセチレンジオール界面活性剤、燐酸エステル界面活性剤、エトキシル化されたアルコールとアニオン性ジアルキルスルホスクシネート界面活性剤との組み合わせまたはエトキシル化されたアルコールとアニオン性燐酸エステル界面活性剤との組み合わせのの内の少なくとも1つの界面活性剤の粘度降下剤の水性分散液に関する。
【0014】
この発明は、また、上記の分散液、および随意にラテックスを含んでいる水性保護塗料に関する。
この発明は、さらに、HM-PAPE増粘剤を保護塗料配合物中に混和させる改善された方法であって、HM-PAPEの溶解時間が水を単独でまたはブチルカルビトールのような有機溶媒と共に用いて造られた高固形分溶液として送り込まれたHM-PAPEの溶解時間と比較して有意に短縮されている上記の方法を包含する。
【0015】
発明の詳しい説明
疎水化修飾ポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(HM-PAPE)は、これを水中に40重量%、好ましくは30重量%ほどの高固形分濃度で効果的に分散させることができ、しかもなお0.5−3.0重量%ほどの少量のノニオン性および/またはアニオン性粘度降下剤の添加により許容できる低粘度を有することが今や発見された。
【0016】
会合型増粘剤
この発明の範囲内である会合型増粘剤のタイプは、主鎖がポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)に基づくものである。この増粘剤のタイプには、米国特許第5,574,127号および同第6,162,877号明細書にそれぞれ記載される疎水化末端キャップ基付き(hydrophobically end-capped)ポリ(アセタール−ケタール−ポリエーテル)および疎水化修飾櫛形重合体がある。もう1つの部類のPAPE系会合型増粘剤―これも本発明の範囲内である―に、アルキルアリールグリシドールエーテル修飾PAPE(疎水化修飾櫛形(またはブロック)PAPE(X-33487-45;X-33445-70)について、2005年1月7日出願の「ペイント用の着色剤相溶性合成増粘剤(Colorant Compatible Synthetic Thickener For Paint)」と題される米国非仮特許出願第11/031,187号明細書に開示される)がある。加えて、分散液は、また、上記のPAPE系重合体と、HEUR、HASE、HM-PEGおよび疎水化修飾セルロースエーテルのような商業的に入手できる他の会合型増粘剤との混合物も含むことができる。
【0017】
本発明の組成物は、線状であるか、または分枝しているかのいずれかであるが、線状のものが好ましいポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(PAPE)主鎖を有する。この発明において使用することができる(最終重合体の前駆体としての)これらポリエーテルは、全ての水溶性ポリアルキレンオキシドまたはポリアルキレンオキシドの共重合体を包含する;好ましいポリエーテル主鎖はポリエチレンオキシドまたはエチレンオキシドと他の共単量体、例えばプロピレンオキシドおよびブチレンオキシドとの水溶性共重合体である。
【0018】
本発明によれば、HM-PAPEの水性分散液は疎水化末端キャップ基付きポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である。HM-PAPEは末端疎水性部分を有し、また中にペンダントの疎水性部分を有することもできる。疎水性部分は3〜30個の炭素原子を有するアルキル部分またはメチルフェニル基のようなアルキルアリール部分であることができる。疎水性部分は線状であることもできるし、或いは分枝していることもできる。ペンダント疎水性部分は主鎖から一様なパターンで、不規則パターンで、または房状でぶら下がっていることができる。
【0019】
HM-PAPE重合体の重量平均分子量は100,000、好ましくは50,000、さらに好ましくは40,000の上限値を有する。この重合体の分子量の下限は3,000、好ましくは4,000、さらに好ましくは8,000である。
【0020】
これらの会合性重合体およびそれらを製造する方法のさらに詳細な説明について、HM-PAPEについては米国特許第5,574,127号および米国特許第6,162,877号明細書を、また疎水化修飾櫛形(またはブロック)PAPEについては2005年1月7日出願の「ペイント用の着色剤相溶性合成増粘剤(Colorant Compatible Synthetic Thickener For Paint)」と題される米国非仮特許出願第11/031,187号明細書を参照されたい;ここで両特許および特許出願の主題は参照することによってここに含められる。これらの特許および特許出願全3件の主題を本明細書では“HM-PAPE”と称するものとする。
【0021】
粘度降下剤
本発明によれば、典型的な粘度降下剤にノニオン性およびアニオン性の界面活性剤がある。ノニオン性界面活性剤としては、アルコールエトキシレート(C10-(EO)6−Iconol DA-6(EO=エチレンオキシド単位)、Ethal DA-6およびHuntsman DA-8;C10-(EO)9−Ethal DA-9;C9-11-(EO)6−Rhodasurf 91-6)、エトキシル化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールまたはSurfynol 645(Air Products社);Cアルキルグルコシド(AG 6206、Akzo-Nobel社);Cアルキルグルコシド(AG 6206、Akzo-Nobel社);C−C10アルキルグルコシド(AG 6210、Akzo-Nobel社);C10−アルコールエトキシレートPEG(7EO)、Biodac 710(Sasol社);C10−アルコールエトキシレートPEG(8EO)、Biodac 810(Sasol社);第一アルコールエトキシレート、C−C12、PEO(6)、Synperonic 91/6(ICI社);デシルグルコシド、Plantacare 200 UP(Henkel社)が挙げられる。
【0022】
典型的なアニオン性界面活性剤としては、ジアルキルスルホスクシネート(ジアミルスルホスクシネート−Aerosol AY-100;ジイソブチルスルホスクシネート−Aerosol IB-45;ジオクチルスルホスクシネート−Aerosol OT;ジヘキシルスルホスクシネート、Disponil SUS IC 680、Henkel社;燐酸エステル−Strodex LFK-70が挙げられる。関心のある揮発性がより小さい溶媒には、Dow Chemical社製のEcosoft PBまたはEPB(VOC10.5重量%)製品、即ちテトラエチレングリコールモノブチルエーテルがあり、揮発性がより小さい他の溶媒にブチルトリグリコール(VOC53重量%)(DOW社)がある。この工業において用いられる標準的な高VOC溶媒は、100重量%のVOCを有するブチルカルビトール(BC)である。溶媒のVOC含有率はEPA-24試験法に従って計算される。
【0023】
本発明では、粘度降下剤は20重量%、好ましくは10重量%の上限値を有する。下限値は0.5重量%、好ましくは1.0重量%、さらに好ましくは3.0重量%ほどの低い値であることができる。ある特定の溶媒も粘度降下剤として使用できることにも留意されるべきである。
【0024】
水含有量
本発明によれば、85重量%、好ましくは75重量%、さらに好ましくは65重量%の上限値を有する水が存在することができる。分散液中の水の量の下限値は30重量%、好ましくは40重量%、さらに好ましくは50重量%である。水は分散液中の他の成分に対するものであって、存在する他のいろいろな成分に依存して多少は変わり得ることが理解されるべきである。
【0025】
水性保護塗料
本発明によれば、HMPAPEまたはHM櫛形若しくはブロックPAPE組成物は、水系塗料(即ち、ラッカー、ラテックスペイント等々)のような膜形成性塗料組成物において使用することができる。ラテックスペイントでは、例えば顔料は水和酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、二酸化チタンまたは酸化亜鉛であることができる。顔料は所望とされる結果およびメーカーによって決められる。一般に、ペイント中に存在する顔料の体積−対−総不揮発性物質の体積の比が、普通はパーセントで表される顔料体積濃度(pigment volume concentration:PVC)と称される。ラテックスペイントは85、好ましくは75、さらに好ましくは65のPVC上限値を有する。これらのラテックスペイントは10、好ましくは20のPVC下限値を有する。さらに詳しくは、ラテックスペイントが高光沢ペイントであるとき、そのPVCは約15〜約30であり;そのペイントが半光沢ペイントであるとき、そのPVCは約20〜約35であり;そしてそれが艶なしペイントであるとき、そのPVCは約40〜約85である。また、ラテックスペイントについて、良好な性能にはそのICI粘度は25℃において約1.0Pa.s超、好ましくは1.5Pa.s超でなければならない。
【0026】
本発明のHM-PAPEの水性分散液を保護塗料配合物に混和する改善された方法は、この重合体分散液を攪拌下で塗料配合物に単に加えることである。HM-PAPE重合体の溶解時間が、HM-PAPEの水単独の中での溶解時間と比較して、それが水性分散液として周囲温度で送り込まれたときに有意に減少したことが見いだされることは驚くべきことであった。この故に、本発明の水性分散液の使用はこの増粘剤をペイント配合物中に混和させることに関してより容易に、かつより速くする。本発明の水性分散液の使用は、重合体の溶解時間を、HM-PAPEの水溶液が塗料配合物を増粘するために使用されるときに必要とされる時間に比較して約30%、ある場合には約50%までさえも低下させることが見いだされた。
【0027】
本発明によれば、HM-PAPE重合体をペイント配合物中にこの発明の分散液を用いて混和させることで幾つかの利点が達成される。1)HM-PAPEの水/BTG(BTG=ブチルトリグリコール)/本発明のHM-PAPE分散液の中における活性分含有量を25%から17.5%に低下させると、この増粘剤のペイント中溶解時間が、高光沢ペイント配合物中に適用されたときに50%短縮された。同じ分散液を艶なしペイント配合物中に適用したときは、溶解時間は30%短縮された。2)BTGと粘度降下剤としての界面活性剤(例えば、Surfynol(登録商標)465製品)の分散液を用いることによって、溶解時間をさらに60%短縮させるさらなる改善が得られる。その上、高光沢ペイント配合物では、現に存する市販のAquaflow NLSシリーズ重合体に対するSurfynol 465界面活性剤の添加は、混和の容易さを有意に改善する。1%のSurfynol 465界面活性剤の添加は、高光沢ペイント中におけるAquaflow NLS 210重合体の完全溶解時間を40%短縮する。また、70のPVCを有するラテックスペイントでは、Aquaflow NLS 210重合体の完全溶解時間は、1重量%のSurfynol 465界面活性剤をAquaflow NLS 210重合体分散液に対して添加すると、35%短縮される。
【0028】
ペイント中に一般に見いだされる他の成分は、バインダー(例えば、100%アクリル樹脂、ビニル−アクリル樹脂およびスチレン−アクリル樹脂)、分散剤(例えば、ポリ燐酸塩、アミノアルコールおよびアクリル共重合体)、脱泡剤(例えば、非シリコーンタイプおよびシリコーンタイプ)、ウエット−エッジ剤(wet-edge agent)(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコール)、防腐剤(例えば、水銀を含まないタイプ)、融合助剤(例えば、グリコールエーテル/エステルおよび表面活性剤)、殺生物剤、保湿剤、pH調整剤および着色剤である。
【0029】
本発明のさらに詳しい理解のために次の実施例を参照することができるが、これらの実施例は本発明のさらなる例示説明として意図されるもので、限定の意味で解されるべきではない。部および百分率は特に述べられなければ全て重量による。
【実施例】
【0030】
標準の手順
A.次の手順が、調べられたキャリヤー溶媒中における重合体の水性分散液を造るために用いられた(以下の図1−3および表1−2):
1.固体重合体、水、および界面活性剤/溶媒を容器中で合わせ、そしてその混合物が溶融するまで70−75℃で1−2時間加熱した。
【0031】
2.上記のホットメルト/分散液を1分間振盪し、そして回転輪の上に室温で2−3時間置いた。
3.2−3時間後に試料が完全に溶解されなかったならば、その試料をスパチュラにより手で混合し、次いで工程1および2を繰り返した。その分散液に2−3滴の氷酢酸を加えてpHを〜7.1にした。
【0032】
4.分散重合体のレオロジーを表1の脚注に記載されるように測定した。
B.実施例23〜27で使用される試料を調製するのに用いられた第二の方法は、実験用HM-PAPEを溶解に先立って0.5メッシュのスクリーンが装着されたRetch篩を用いて粉砕することであった。その粉末をスクリーンサイズ番号30により篩にかけ、そしてスクリーン上に含まれる番号30のスクリーンサイズより大きい粒子を捨てた。成分を秤量し、そして錨形状攪拌機を用いて一晩混合することによって溶液を調製した。商業的に入手できるHM-PAPE(即ち、Aquaflow NLS 200およびAquaflow NLS 210製品)を用いる場合、添加剤を秤量し、そして攪拌を錨形状攪拌機により最高速度で15分間行った。試料を、調製後に、25℃の水浴中で平衡させた。
【0033】
上記手順Bを用いて作られた本発明の水性分散液のブルックフィールド粘度を測定し、以下に記されるグラフまたは表に記録した。
HM−ブロック(または櫛形)− PAPE重合体の製造:
X33487-45(PAPE、グリシジル2−メチルフェニルエーテル8.6%)
ポリエチレングリコール(分子量〜8000)(600g)と水酸化ナトリウムペレット(12g)との混合物を80℃で1時間加熱した。ジブロモメタン(8.8g)を加え、その結果得られた反応混合物を1時間攪拌した。グリシジル2−メチルフェニルエーテル(87g)を加え、そしてその反応温度を120℃に4時間保った。反応混合物を室温まで冷却した後生成物を採集した。SEC分析は、生成物は21,000の数平均分子量(Mn)を持つ重合体であることを示した。1H NMR分析は8.6重量%という組み込み疎水性部分の量を与えた。
【0034】
X33445-70(PAPE、グリシジル2−メチルフェニルエーテル10.8%)
同様に、X33487-45についての方法を用いて、Mn8000のPEG600g、NaOH12g、ジブロモ−メタン6.2gおよびグリシジル2−メチルフェニルエーテル107gにより試料X33445-70を製造した。生成物は12,600の分子量(Mn)および10.8重量%の疎水性部分含有量を有する。
【0035】
HM-PAPE重合体(NLS-200およびNLS-300)はHercules Incorporated社が商標名Aquaflow NLS-200およびAquaflow NLS-300で販売する市販製品である。
n−ブチル−(EO)7.5-Me新分子の製造
100グラムのCarbowax 350製品(Me-(EO)7.5)を15グラムのNaOHと一緒に80℃で1時間加熱した。次に、この混合物に50グラム(0.36モル)のブチルブロミドを加え、そして80℃で2時間、次いで100℃で4時間保った。冷却後、その混合物を2回濾過して塩を除去した。合計量として130グラムの生成物を採集し、これをさらにX-33564-8Aと指定した。
【0036】
実施例で用いられる典型的な界面活性剤に、アルコールエトキシレート(C10-(EO)6−Iconol DA-6、Ethal DA-6およびHuntsman DA-6;C10-(EO)9−Ethal DA-9;C9-11-(EO)6−Rhodasurf 91-6)、ジアルキルスルホスクシネート(ジアミルスルホスクシネート−Aerosol AY-100;ジイソブチルスルホスクシネート−Aerosol IB-45;ジオクチルスルホスクシネート−Aerosol OT)、エトキシル化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールまたはSurfynol 465、燐酸エステル−Strodex LFK-70がある。関心のある低VOC溶媒に、Dow Chemical社が販売するEcosoft PBまたはEPB製品(テトラエチレングリコールモノブチルエーテル)がある。
【0037】
実施例1〜22
標準手順Aを用いてこれらの実施例のための試験試料を調製し、そして図1〜2並びに表1および2に報告した。
【0038】
以下の図1および2は、この発明の一部であるいろいろな混合物の粘度を示す。これらの実施例においては、20%のNLS-200(C16PAPE)、図1か、または20%の、NHS-300(C12-PAPE)/X-33487-45に基づく2:1重量/重量ブレンド(以下を参照されたい)のいずれかが用いられた。
【0039】
図1において、20%NLS-200活性分の水中混合物はゲル/ペースト配合物をもたらした。添加剤として選ばれた界面活性剤のわずか(5−8)重量%レベルでの使用は、20%NLS-200分散液の粘度を1,000−6,000cpレベルまで低下させることを可能にした。
【0040】
図2において、NHS-300(C12-PAPE)/X-33487-45に基づく20%の2:1重量/重量ブレンドは水中ゲル/ペーストを生成させた。添加剤として選ばれた界面活性剤のわずか5−8重量%レベルでの使用は、20%ブレンド分散液の粘度を2,000−4,000cpレベルまで低下させることを可能にした。
【0041】
以下の図3は、対照としての水−ブチルカルビトール混合物中NLS-200(固体−C16-PAPE)の粘度、並びにこの発明の一部としての水−Ecosoft PB混合物中、水−Ecosoft PB−Aerosol OT混合物中および水−AOT混合物中におけるHM−ブロック−PAPE(X-33445-70)重合体の粘度を示す。
【0042】
水中25%活性分HM−ブロック−PAPEの、15%の添加AOT界面活性剤を有する混合物はゲル配合物をもたらした。水中25%活性分HM−ブロック−PAPEの、15%の添加EPB溶媒を有する混合物は、剪断速度に依存して14,000−10,000cpの範囲内の高粘度を招来した。
【0043】
しかし、全く思いがけないことであったが、水中25%活性分HM−ブロック−PAPEの、10%の添加EPB(低VOC)溶媒と5%の添加AOT界面活性剤を有する混合物は、非常に低い2000cpの粘度を生んだ。この溶液粘度は高揮発性有機溶媒のブチルカルビトールを15%添加して作られている市販NLS-200製品の粘度よりもさらに低い(図3を参照されたい)。
【0044】
かくして、Ecosoft PB(テトラエチレングリコールモノブチルエーテル)とAerosol OT(AOT)との組み合わせについてHM−ブロック−PAPEの粘度低下の共同作用が観察された。
【0045】
以下の表1は、この発明の一部としての単一界面活性剤または界面活性剤のブレンドを有する混合物中のNHS-300(C12-PAPE)/X-33487-45に基づく2:1重量/重量ブレンド(以下を参照されたい)についての粘度データを示す。
【0046】
ブレンドの粘度を低下させる添加剤として使用された全3種のノニオン性界面活性剤の場合、この界面活性剤とAOT界面活性剤とを組み合わせたときに追加の利益が観察された。界面活性剤/添加剤−AOTの組み合わせでのブレンドの粘度は、個々の成分各々、即ち総(AOT+添加剤)濃度と同じ濃度において単独で使用されたAOTまたは添加剤についての粘度よりも低かった。
【0047】
かくして、上記ブレンドも粘度低下における共同作用がノニオン性のアルコールエトキシル化界面活性剤とAerosol OTとの組み合わせについて観察される。
以下の表2は、低EPB−水溶媒混合物中、Strodex LFK-70−水混合物中、EPB−Strodex LFK-70−水混合物中、EPB−Iconol DA-6−水混合物中の20%NLS-200(C16-PAPE;市販のロット#F-05178-AT 02、以下を参照されたい)についての粘度データ、並びに水中およびStrodex LFK-70−水混合物中の20%NHS-300だけについての粘度データを示す。
【0048】
対照試料―20%HM-PAPE(NLS-200)は、水に溶解せず、ペースト/ゲルを形成する。
界面活性剤単独(ノニオン性アルコールエトキシレート−Iconol DA-6またはアニオン性燐酸エステルStrodex LFK-70)か、またはそれらの低VOC溶媒−EPBとの組み合わせのいずれかの添加が、最終混合物を分散させ、かつその粘度を劇的に低下させ、結果として1,000−3,000cpの範囲内の粘度を持つ重合体コンセントレートを形成させた。
【0049】
上に与えた追加の実施例は、HM-PAPEレオロジー調整剤の粘度を抑えるための、選ばれた界面活性剤および精選された界面活性剤−EPBの組み合わせの効率をさらに例証するものである。
【0050】
重合体の特性は次の通りである:
−NLS-200(固体−C12-PAPE:合成は米国特許第6,809,132 B2号明細書に記載;2004年10月26日)−Mn=18,000;Mw=33,000;ロット#F-04063-B;Mn=18.7K;Mw=33,800;ロット#F-05178-AT 02−両者共Mwが通例バッチよりも僅かに低い。
【0051】
−NHS-300(固体−C12-PAPE:合成は米国特許第6,809,132 B2号明細書に記載;2004年10月26日)−Mn=15,400;Mw=27,000−Mwがより低い;ロット#F-04061-A;およびMw=35,000−38,000;ロット#P-01016A 02。
【0052】
−HM−ブロック−PAPE X-33487-45;Mn=21,100;Mw=38,000−標準Mw;MePhGlyエーテル−「塊から成る(blocky)」疎水性部分;8.2重量%または−OH1モル当たり5.3モル;
−HM−ブロック−PAPE 33445-70;MePhGlyエーテル−「塊から成る」疎水性部分;10.8重量%または−OH1モル当たり4.1モル;Mn=12,600;Mw=18,400−Mwがより低い。
【0053】
上記の実施例における溶媒および界面活性剤は、Dow社(Ecosoft PB)、Cytec社(Aerosol OT−75%活性分およびAerosol AY-100)、BASF社(Iconol DA-6;Plurafac B-26)Huntsman社(DA-6)、Air Products社(Surfynol 465)、Ethox社(Ethal DA-9)、Rhodia社(Rhodasurf 91-6およびRhodasurf LA-2)、Dexter Chemical社(Strodex LFK-70;70%活性分)によって販売され、そしてまた社内合成された(新しい分子)。
【0054】
【表1】

【0055】
ここで、CPは曇り点を表す。
剪断掃引モードでの制御された応力レオメーターAR-1000をコーンおよびプレート配置で25℃において用いて粘度特性図表(図1−3、表1−2)を作った。粘度は約8−10秒−1で与えられる(図1−2および表1−2)。
【0056】
【表2】

【0057】
溶解速度は、増粘効率と、滑らかなペイント外観(塊なし)を有する適切な粘度を達成するのに掛かった時間によってモニターすることができる。
以下の実施例23〜27のための試験試料を調製および評価するのに標準の手順Bを用いた。
【0058】
実施例23
【0059】
【表3】

【0060】
かくして、混和の容易さにおける改善は、本発明の分散液は市販NLS 200と同じ増粘効率を与えるが、ペイント配合物中に溶解させるには有意に少ない時間を必要とすることを示している試料TK57およびTK58で認められる。
【0061】
TK52をTK54と比較するとき、増粘剤の活性分含有量の効果があって、混合物中でより少ない量のHM PAPEを用いるときに混和の容易さはより容易である。
しかし、実施例23において証明されるように、単一粘度降下剤としてのBTGの代わりにBTG/Surfynol 465の混合物を用いると、なおもさらなる改善が可能である;TK54をTK57およびTK58と比較されたい。
【0062】
実施例24
【0063】
【表4】

【0064】
実施例25
【0065】
【表5】

【0066】
本発明は、また、実施例25に示されるように、Aquaflow NLS 200中のHMPAPEよりも長いアルキル鎖を持つHMPAPEにも適用可能である。再び、スチレン/アクリルバインダーを有する高光沢ペイントで増粘剤を評価した。混和の容易さは、粘度降下剤としてのSurfynol 465とBTGとの混合物を用いると有意に改善される(TK55をTK62と比較されたい)。
【0067】
本発明は、また、市販のNLSタイプのものにも適用可能である:1重量%Surfynol 465のAquaflow NLS 210に対する添加は、増粘剤の完全溶解時間を40%短縮させる。
【0068】
【表6】

【0069】
【表7】

【0070】
この発明は、また、艶なしペイント配合物にも適用可能である。これは、艶なしペイント中での会合型増粘剤の相互作用は光沢のあるペイント中のそれとは全く異なるから、かなり意外なことである。
【0071】
実施例26
【0072】
【表8】

【0073】
実施例27
【0074】
【表9】

【0075】
【表10】

【0076】
【表11】

【0077】
本発明を特定の態様に関して説明したが、本発明はそれらに限定されるべきではないこと、および本発明の精神および範囲から逸脱することなしに多くの変更および修正が可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の分散液の混合物の粘度の棒グラフを示す。
【図2】本発明の分散液のブレンドの粘度の棒グラフを示す。
【図3】重合体と界面活性剤との組み合わせの粘度−対−剪断速度の線グラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性重合体分散液であって、
a)疎水化修飾されたポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)(HM-PAPE)、
b)水、および
c)i)C9−12炭化水素部分の成分を有するエトキシル化アルコール、
ii)エトキシル化アセチレンジオール、
iii)燐酸エステル、
iv)エトキシル化アルコールとアニオン性ジアルキルスルホスクシネートとの組み
み合わせ、および
v)エトキシル化アルコールとアニオン性燐酸エステルとの組み合わせ
より成る群から選ばれる粘度降下剤
を含む上記の水性重合体分散液。
【請求項2】
HM-PAPEが100,000の重量平均分子量(Mw)上限値を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項3】
HM-PAPEが50,000の重量平均分子量(Mw)上限値を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項4】
HM-PAPEが40,000の重量平均分子量(Mw)上限値を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項5】
HM-PAPEが3,000の重量平均分子量(Mw)下限値を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項6】
HM-PAPEが4,000の重量平均分子量(Mw)下限値を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項7】
HM-PAPEが8,000の重量平均分子量(Mw)下限値を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項8】
HM-PAPEが疎水化末端キャップ基付きポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項9】
HM-PAPEがペンダント疎水性部分のみならず末端キャップ基も中に有する疎水化末端キャップ基付きポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項10】
HM-PAPEがC−C30アルキル疎水性部分を中に有する疎水化修飾されたポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項11】
HM-PAPEがC12−C18アルキル疎水性部分を中に有する疎水化末端キャップ基付きポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項12】
HM-PAPEがアルキルアリール疎水性部分を中に有する疎水化末端キャップ基付きポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である請求項1に記載の水性分散液。
【請求項13】
HM-PAPEがメチルフェニル疎水性部分を房状で中に有する疎水化末端キャップ基付きポリ(アセタール−またはケタール−ポリエーテル)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項14】
HM-PAPEが40重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項15】
HM-PAPEが30重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項16】
HM-PAPEが20重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項17】
HM-PAPEが10重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項18】
HM-PAPEが15重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項19】
粘度降下化学薬品が30重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項20】
粘度降下化学薬品が20重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項21】
粘度降下化学薬品が10重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項22】
粘度降下化学薬品が0.5重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項23】
粘度降下化学薬品が1.0重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項24】
粘度降下化学薬品が3.0重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項25】
水が85重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項26】
水が75重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項27】
水が65重量%の上限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項28】
水が30重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項29】
水が40重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項30】
水が50重量%の下限量で存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項31】
粘度降下剤がエトキシル化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(Surfynol(登録商標)465製品)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項32】
粘度降下剤が燐酸エステル(Strodex(登録商標)LFK-70製品)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項33】
粘度降下化学薬品がアルコールエトキシレート(C10−(EO)(Iconol(登録商標)DA-6製品)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項34】
粘度降下化学薬品がテトラエチレングリコールモノブチルエーテル(Ecosoft(登録商標)PBまたはEPB製品)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項35】
粘度降下化学薬品がC9-11−(EO)(Rhodasurf(登録商標)91-6)である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項36】
ブチルトリグリコールも存在する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項37】
請求項1に記載の分散液を含む水性保護塗料組成物。
【請求項38】
ラテックスをさらに含む、請求項37に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項39】
ラテックスが100%アクリル樹脂、ビニル−アクリル樹脂およびスチレン−アクリル樹脂の群から選ばれる、請求項38に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項40】
水性保護塗料が顔料をさらに含む、請求項38に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項41】
顔料が水和酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛およびそれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項40に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項42】
水性保護塗料が85%の顔料体積濃度(PVC)上限値を有する、請求項40に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項43】
水性保護塗料が75%の顔料体積濃度(PVC)上限値を有する、請求項40に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項44】
水性保護塗料が65%の顔料体積濃度(PVC)上限値を有する、請求項40に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項45】
水性保護塗料が10%の顔料体積濃度(PVC)下限値を有する、請求項40に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項46】
水性保護塗料が20%の顔料体積濃度(PVC)下限値を有する、請求項40に記載の水性保護塗料組成物。
【請求項47】
請求項1に記載の水性分散液を、保護塗料配合物に、その配合物を同時に攪拌しながら加えることを含む、重合体の溶解時間がHM-PAPE単独の水中への添入に比較して有意に短縮されている、HM-PAPE重合体を保護塗料配合物の中に混和させる改善された方法。
【請求項48】
重合体溶解時間が30%短縮される、請求項47に記載の改善された方法。
【請求項49】
重合体溶解時間が50%短縮される、請求項47に記載の改善された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−523206(P2008−523206A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545487(P2007−545487)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/040821
【国際公開番号】WO2006/062678
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(591020249)ハーキュリーズ・インコーポレーテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】HERCULES INCORPORATED
【Fターム(参考)】