説明

ポータブルメモリデバイスを使用して保護されたメディアを配信する方法

【課題】コンテンツを悪用しようとするユーザから、正当なユーザを保護しうるポータブルメモリデバイスを提供する。
【解決手段】ポータブルメモリデバイス100のインターフェース104は、ポータブルメモリデバイスの隠しメモリ領域112に、コンテンツ情報を保存するのに使用される。インターフェース106は、また、ポータブルメモリデバイス100の可視メモリ領域114に、情報を保存するのにも使用される。可視メモリ領域に保存された情報により、隠しメモリ領域に保存されたコンテンツ情報へのアクセスが許可される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ポータブルメモリデバイスを使用して保護されたメディアを配信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリーカードのようなフラッシュメモリデバイスは、通常、相対的に低速度である1つのインターフェースを持つ。また、フラッシュメモリデバイス上の全てのコンテンツをインターフェースを通じて見ることが可能である。しかしながら、コンテンツを悪用しようとするユーザーから守られている及び/又は保護されているユーザーに、例えば、エンターテイメントコンテンツを提供するためのコンテンツ保護をサポートする機能が存在していない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明は、以下に記載する本発明の実施形態の詳細な説明及び添付の図面により、より良く理解されるであろう。しかしながら、これら詳細な説明及び添付の図面は、本発明を説明し理解するためのものであり、本発明を特定の実施形態に限定するものではない。
【0004】
【図1】本発明のある実施形態に係るメモリデバイスを示した図である。
【図2】本発明のある実施形態に係るフローを示した図である。
【図3】本発明のある実施形態に係るフローを示した図である。
【図4】本発明のある実施形態に係るフローを示した図である。
【図5】本発明のある実施形態に係るフローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明のある実施形態は、ポータブルメモリデバイスを使用して保護された媒体を配信する方法に関する。
【0006】
本発明のある実施形態では、ポータブルメモリデバイスのインターフェースは、ポータブルメモリデバイスの隠しメモリ領域に、コンテンツ情報を保存するのに使用される。インターフェースは、また、ポータブルメモリデバイスの可視メモリ領域に、情報を保存するのにも使用される。可視メモリ領域に保存された情報は、隠しメモリ領域に保存されたコンテンツ情報へのアクセスを許可する。
【0007】
本発明のある実施形態では、ポータブルメモリデバイスは、隠しメモリ領域及び可視メモリ領域を有する。ポータブルメモリデバイスのインターフェースは、ポータブルメモリデバイスの隠しメモリ領域に、(ある実施形態では、「書き込み専用」に)コンテンツ情報を保存する。インターフェースは、また、可視メモリ領域に情報を保存する。可視メモリ領域に保存された情報は、隠しメモリ領域のコンテンツ情報にアクセスするのに利用される。
【0008】
ある実施形態では、製品は、実行された場合に、コンピュータにポータブルメモリデバイスのインターフェースを使用して、ポータブルメモリデバイスの隠しメモリ領域にコンテンツ情報を保存させ、インターフェースを使用して、ポータブルメモリデバイスの可視メモリ領域に情報を保存させる命令を有するコンピュータ可読媒体を含む。可視メモリ領域に保存された情報により、隠しメモリ領域に保存されたコンテンツ情報にアクセス可能となる。
【0009】
本発明のある実施形態に係るメモリデバイス100を示した図である。ある実施形態では、メモリデバイス100は、フラッシュメモリデバイス、メモリーカード、及び/又はフラッシュカードである。ある実施形態では、メモリデバイス100は、ポータブルメモリデバイス(ポータブルメモリデバイス)である。メモリデバイス100は、メモリマップ102(例えば、フラッシュメモリマップ)、第1のインターフェース104、および第2のインターフェース106を含む。ある実施形態では、第1のインターフェース104は、第2のインターフェース106よりも高速のインターフェースである。例えば、ある実施形態では、インターフェース106は、USBインターフェース及び/又はUSB2インターフェースである。ある実施形態では、第2のインターフェース104は、高速のインターフェース(例えば、高速フラッシュインターフェース、シリアル・アドバンスト・テクノロジー・アタッチメント(SATA)インターフェース、及び/又は、USB3インターフェースのような高速USBインターフェース等)である。ある実施形態では、インターフェース104は、非常に速い読み出し速度及び/又は書き込み速度(例えば、300MBps以上の速度)で動作する高速インターフェースであり、例えば、約2時間分のハイビジョン(HD)コンテンツを、1分でロード可能である。メモリマップ102は、隠しメモリ領域112と可視メモリ領域114とを含む。隠しメモリ領域112を、例えば、媒体(例えば、暗号化された並びに/もしくは圧縮された媒体、及び/又は、映画のようなエンターテーメント媒体等)を保存するのに使用してもよい。また、隠しメモリ領域112を、例えば、キー、クロック、カウンタ等を保存するのに使用してもよい。可視メモリ領域114は、例えば、メディア・アクセス・コード(MAC)、及び/又はメディアプレーヤー、ウェブページ、プラグイン等を保存するのに使用されてもよい。
【0010】
ある実施形態では、メモリマップ102の隠しメモリ領域112へのアクセスは、第1のインターフェース104及び第2のインターフェース106とは異なる方法で実行される。ある実施形態では、第1の(高速)インターフェース104は、例えば、メディアコンテンツ及びメディア・アクセス・コードをメモリマップ102に提供するコンテンツ提供者によって制御される。ある実施形態では、第2のインターフェース106は、標準的なストレージデバイスインターフェース(例えば、標準的なUSB2トレージデバイスインターフェース)である。ある実施形態では、第2のインターフェース106は、可視メモリ領域114に対する読み取りアクセス権のみを持ち、隠しメモリ領域112へのアクセス権は持たない。可視メモリ領域114に収容されたコードは、隠しメモリ領域112に含まれる隠しメディアコンテンツへのアクセスを厳重に管理するのに使用される又は実行される。
【0011】
上述したように、ある実施形態では、メモリーカード100は、2つのインターフェースを含む。ある実施形態では、メモリーカードは、メモリデバイスのメモリマップ102に高速にデータの書き込みが行えるように最適化された非常に高速であるインターフェース104を含み、また、ある実施形態では、メモリデバイス100からメディアプレーヤーに媒体を提供するそれよりも低速なインターフェース106(例えば、USB2インターフェース)を含む。ある実施形態では、メモリデバイス100は、フラッシュ・コントローラのような(図1に図示しない)コントローラを含む。ある実施形態では、メモリデバイス100上のあらゆる媒体(例えば、映画のような媒体を含む)が、例えば、盗用または改ざんから保護されることを確かにする幾つかのポリシーを実行するのに、メモリデバイス100のコントローラが使用される。
【0012】
ある実施形態では、メモリデバイス100のコントローラは、以下に記載するように、インターフェース104、106を制御する、又は/及びメモリマップ102の一部を制御する幾つかの異なる機能を実行する。ある実施形態では、高速インターフェース104(ある実施形態では、書き込み専用インターフェースであってもよいし、他の実施形態では、読み出しインターフェースおよび書き込みインターフェースであってもよい)を、メモリデバイス100のメモリマップ102をロードするのに使用する(例えば、1本分の映画を1分でロードする)。ある実施形態では、隠しメモリ領域112へのインターフェース104は、書き込み専用アクセス権を持ったインターフェースである。ある実施形態では、メモリデバイス100のほとんどの又は全てのメモリマップ・ロケーション102は、新しいデータがそこに書き込まれる前に、再書き込み(スクラブ)される。ある実施形態では、ほとんどの又は全ての隠しメモリ領域・ロケーション112は、新しいデータがそこに書き込まれる前に、再書き込みされる。ある実施形態では、ほとんどの又は全ての可視メモリ領域・ロケーション112は、新しいデータがそこに書き込まれる前に、再書き込みされる。ある実施形態では、1つの不可分な書き込みシーケンスが、メモリマップ102の隠し部分112及び可視部分114の両方を満たす。ある実施形態では、1つの不可分な書き込みシーケンスが、メモリマップ102の隠し部分112を満たす。ある実施形態では、1つの不可分な書き込みシーケンスが、メモリマップ102の隠し部分112を満たす。ある実施形態では、1つの自動書き込みシーケンスが、メモリマップ102の隠し部分112を満たし、別の自動書き込みシーケンスが、メモリマップ104の可視部分114を満たす。ある実施形態では、これら2つの不可分な書き込みシーケンスが、連続的に実行される。ある実施形態では、これら2つの不可分な書き込みシーケンスが、間隔をおいて実行される。
【0013】
ある実施形態では、第2のインターフェース106は、メモリマップ102のプログラム可能な可視領域114にのみアクセスすることが許される。ある実施形態では、このアクセスは、読み出し、又は、読み出し及び書き込みであってもよく、また、ある実施形態では、コンテンツ提供者のデジタル著作権管理(DRM)ポリシーに応じてこのアクセスを行ってもよい。ある実施形態では、隠しメモリ領域112と可視メモリ領域114との間の境界を越え、セキュリティ機能(例えば、隠しメモリからコンテンツを取り戻す機能、コンテンツの有効期限を管理するクロック機能、使用回数及び有効期限をカウントする単調カウンタ、及び/又は様々なキー)を管理するためのアプリケーション・プログラム・インターフェース(API)が、アプリケーションコードと共に提供される。ある実施形態では、他の暗号機能、及び/又はセキュリティ基本命令、または他の機能が、メモリマップ102に含まれており、これらの機能としては、例えば、ハードウェアによるデータの一部または全ての解凍及び/又は復号が含まれる。
【0014】
ある実施形態では、メモリマップ102の可視メモリ領域114は、メモリマップ102の隠しメモリ領域112に保存されたコンテンツ情報にアクセスするために可視メモリ領域114と隠しメモリ領域112との間の境界を越えることが可能なファイル、アプリケーション、メディアプレーヤー、API、及び/又は、他のコードを含む。ある実施形態では、メモリマップ102の可視メモリ領域114は、メモリマップ102の隠しメモリ領域112に保存された媒体にアクセスするために使用されるコードを含むファイルシステムを有する。ある実施形態では、可視領域114は、例えば、広告、クーポン、特集記事等の公衆が閲覧可能なコンテンツを保存する。また、ある実施形態では、可視領域114は、メモリ102の隠し領域112からコンテンツを抽出し、インターフェース106を通じてそのコンテンツをメディアプレーヤーに表示可能とする一以上の特定の機構を含む。ある実施形態では、可視領域114は、また、様々な形態で提供されるメディア・レンダラー(renderer)を含む。そのようなメディア・レンダラーの例としては、メディアプレーヤー実行可能コード、ウィンドウズ(登録商標)・メディアプレーヤー、RealPlayer(登録商標)、QuickTime(登録商標)、及び/又は、独自仕様のプレーヤーにメディアストリームを提供するウェブページ、及び/又はウィンドウズ(登録商標)・メディアプレーヤー・プラグインのようなメディアプレーヤー・プラグインが含まれる。
【0015】
ある実施形態では、隠しメモリ領域112は、インターフェース106によって露出される制限付きファイルシステムにおいては閲覧することができない媒体を含む。フォーマット、暗号化、圧縮、及び/又はデジタル著作権管理等は、メディアの提供者によって要求される程度に応じて強化されており、可視領域114のメディア・レンダラーは、これらを解くのに必要な秘密情報を有する。ある実施形態では、隠しメモリ部分112は、また、キー、シリアルナンバー、及び/又はPOS(point of sales)のような他の識別マークを含む。
【0016】
図1では、2つのインターフェース104、106が記載されているが、ある実施形態では、1つのインターフェースのみが必要となる場合もある。また、ある実施形態では、インターフェース104、106は、2つの異なる物理的インターフェースであってもよい。また、ある実施形態では、インターフェース104、106は、2つの異なる論理的インターフェースであってもよい(例えば、ある実施形態では、インターフェース104、106は、1つの物理的インターフェース内に位置する異なる2つの論理的インターフェースである)。
【0017】
また、ある実施形態では、メモリデバイス100は、メディアコンテンツのレンタル方法及び/又は販売方法で利用可能な機能を持った新しい階層のメモリデバイスである。従来のメモリデバイスは、1つの相対的に遅いインターフェースを持ち、デバイス上の全てのコンテンツは閲覧可能であったが、コンテンツ保護をサポートするサポート機能を備えていなかったのに対して、メモリデバイス100は、例えば、高速フラッシュメモリーカードのようなメモリデバイスを使用した新たな使用法を可能とする。ある実施形態では、メモリデバイス100の特徴は、高品質のコンテンツ保護を提供するだけでなく、コンテンツ提供者に、デジタル著作権管理をアップグレードし、コンテンツの知的所有権を保護し続けるための柔軟なプラットフォームの提供に十分な柔軟性を持つ。
【0018】
図2は、ある実施形態に係るフロー200を示している。フロー200は、メモリデバイスが、高速インターフェースにおいて悪意のある攻撃を防ぐのに使用可能なフローを示している。例えば、ある実施形態では、インターフェースを書き込み専用とし、1つの不可分オペレーションでメモリデバイスからロードする前にコンテンツをゼロ設定する又は再書き込みすることにより、攻撃を防ぐ。202では、メモリデバイスのロードがリクエストされる。204では、ロードリクエストが高速インターフェース(例えば、インターフェース106というよりもインターフェース104のようなインターフェース)を通じて行われたか否かが判断される。高速インターフェースを通じたリクエストではなかった場合、フローは204に留まる。高速インターフェースを通じたリクエストであった場合、メモリデバイス(例えば、ある実施形態では、フラッシュメモリデバイス)は、206で、ゼロ化、消去、再書き込み等が行われる。208では、メモリデバイスが、完全にゼロ化されたか否か判断される。完全にゼロ化されていなかった場合、ゼロ化が完全になされるまで、フローは208に留まる。メモリデバイスが完全にゼロ化されると、210でメモリデバイス(ある実施形態では、フラッシュメモリデバイス)のロードが行われる。
【0019】
図3は、ある実施形態に係るフロー300を示している。ある実施形態に係るフロー300は、メモリデバイスのロードプロセス(例えば、フラッシュメモリデバイスのロードのプロセス)を示している。例えば、ある実施形態に係るフロー300は、図2の210で実行されるようなメモリデバイスのロードプロセスを示している。302では、メモリデバイス(及び/又はメモリーカード、及び/又はフラッシュメモリデバイス)の確認が行われる。次いで、304では、メモリデバイスがOKか否かが判断される。例えば、ある実施形態による304では、メモリデバイスが改ざんされていないか、許可されたメモリデバイスか否か等が判断される。304においてメモリデバイスがOKでない場合、フロー300は、306で停止する。304においてメモリデバイスがOKである場合、308でメモリデバイスは割り当てられる。例えば、ある実施形態では、308において、隠しメモリ領域および可視メモリ領域が、メモリデバイス内に確立される。そして、310において、メモリデバイスのセキュリティレジスタがロードされる。例えば、ある実施形態では、セキュリティレジスタは、メモリデバイスの隠しメモリ領域に配置され、及び/又は、キー、カウント、クロック情報、ID情報等の情報を格納するセキュリティレジスタである。312で、媒体は、メモリデバイスの隠しメモリ領域にロードされる。そして、314において、可視メモリ領域にファイルシステムがロードされる。
【0020】
図4は、ある実施形態に係るフロー400を示している。402では、ユーザーが、メモリデバイスを、他のデバイスのインターフェースを通じて、他のデバイス(コンピュータや他の形態のメディアプレーヤーデバイス)に差し込む。例えば、メディアカードを、メモリデバイスのUSBインターフェースを通じて、USBソケットに差し込む場合が考えられる。404では、オペレイティングシステム(OS)若しくは他のソフトウェア、または、他のデバイスのハードウェアが、インターフェース及び/又はソケットにおけるメモリデバイスの存在を検出する。メモリデバイスが他のデバイスに結合された後、406では、ユーザーが、自動実行(オートラン)をおこなうプログラムを承認したか否かが判断される。406で、ユーザーが自動実行を承認していない場合、フロー400は、408でユーザーが手動でメディアプレーヤーを開始するのを待つ。406で、ユーザーが自動実行を承認した場合、メディアプレーヤーがロードされる、及び/又はインストールされて、410で実行が開始される。412では、メディアプレーヤーは、メモリデバイスと交信して、メモリデバイスから、(例えば、メモリデバイスの隠しメモリ領域から)確実にコンテンツを再生する及び表示する。
【0021】
ある実施形態では、フロー400は、ある実施形態による媒体を再生する(例えば、パーソナルコンピュータのようなコンピュータで媒体を再生する)のに使用してもよい1つ又は複数の可能なオペレーションを示している。実施形態によっては、メディアプレーヤーの形態、及びどのようにメモリデバイスからデータを確実に再生するかは、大きく異なり、例えば、使用される特定のプレーヤーモデル及び特定のセキュリティモデルに応じて異なる。また、ある実施形態では、各種実施形態に応じた幅広い種類のソリューションを実装するために、様々なソフトウェアフック及びメカニズムが提供される。
【0022】
図5は、ある実施形態に係るフロー500を示している。図5では、フロー200は、メモリデバイスが、高速インターフェースにおいて悪意のある攻撃を防ぐのに使用できる機構を示している(例えば、ある実施形態では、インターフェースを書き込み専用とする、及び/又は1つの不可分オペレーションでメモリデバイスをロードする前に、コンテンツをゼロ化または再書き込みすることにより攻撃を防ぐ)。特に、USB3.0のような高速インターフェースへ方向へと向かっている状況では、ある実施形態では、この高速インターフェースとして、1つの高速インターフェースのみが使用される。例えば、API又は他の情報、アプリケーション、コード等が、隠しメモリ領域にアクセスするのに使用され、アクセスは書き込みのみの形で行われ、コンテンツ情報の書き込みの前にオプション的に消去オペレーションを行ってもよい。このようにすることにより、例えば、ポータルを通じて書き込み専用アクセスを許可することで隠しメモリ領域を守りながら、1つの高速インターフェースの使用を可能とする。ある実施形態では、このようなポータルは、可視メモリ領域に現れるファイルであってもよく、「ポータル」と称されているが、典型的に定義されているポータルとは異なる。いずれの場合であっても、ある実施形態におけるオープンオペレーションは、隠しメモリ領域を消去し、書き込みオペレーションは、ブロック/セクターオペレーションを無視して、書き込みデータをストリームとして扱い、データを隠し領域にロードする。
【0023】
いずれの場合も、図5に示すフロー500の502においては、メモリデバイスのロードがリクエストされる。504では、ロードリクエストが、書き込み専用ロードリクエストか否かを判断する。書き込み専用ロードリクエストでない場合、フローは504に留まる。書き込み専用ロードリクエストである場合、メモリデバイス(例えば、ある実施形態では、フラッシュメモリデバイス)は、506において、ゼロ化、消去、再書き込み等が行われる。508では、メモリデバイスが、完全にゼロ化されたか否か判断される。完全にゼロ化されていなかった場合、ゼロ化が完全になされるまで、フローは508に留まる。メモリデバイスが完全にゼロ化されると、510で、メモリデバイス(ある実施形態では、フラッシュメモリデバイス)のロードが行われる。
【0024】
ある実施形態によれば、メモリデバイスは、異なる性能特性を可能とする2つの異なるインターフェースを含む。また、ある実施形態によれば、2つの異なるインターフェースは、メモリデバイスに同時にアクセスするのには、使用されない。
【0025】
ある実施形態では、消費者は、販売場所、又はその他の場所にメモリデバイスを持ち込み、返却する必要なく(例えば、カウンタ及び/又はタイマーをメモリデバイス内に実装することにより)、メディアコンテンツを借りる及び/又は購入するのに、メモリデバイスを使用する。ある実施形態によれば、これは、確実で、コンテンツが保護される方法で、実行される。
【0026】
上記に記載された実施形態は、フラッシュメモリ及び/又はメディアカードに関連するものとして記載されたが、例えば、ある実施形態では、これらの実装を特に必要とせず、また、どのようなメモリデバイスを使用してもよい。
【0027】
特定の実装方法を参照して実施形態が説明されたが、ある実施形態では、他の実装方法が可能である。また、図に示された及び/又は上述された回路素子の順番及び/又は配置、または他の構成は、必ずしも図示されたおよび上述されたように配置されている必要はない。実施形態に応じて、様々な配置が可能である。
【0028】
図に示した各システムにおいて、あるケースでは、要素のそれぞれに、同じ参照番号または異なる参照番号が付されているが、これは、要素が異なる及び/又は同一であってもよいことを示してる。しかしながら、ある要素は、様々な方法で実装可能であるよう十分な柔軟性を持ち、本明細書で記載した若しくは示されたシステムの全て又は一部で実行可能である。図に示された様々な要素は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、どの要素を第1の要素および第2の要素と呼ぶかは、任意である。
【0029】
以下に記載の説明及び特許請求の範囲において、「連結」及び「接続」という言葉、並びにこれらの派生語が使用されることがある。この2つの言葉は、同義語として使用されているのではない。特定の実施例において、「接続」は、2つ又は2つ以上の要素が物理的に或いは電気的に直接互いに接触していることを示すのに使用され、「連結」も、2つ又は2つ以上の要素が、物理的に或いは電気的に直接互いに接触していることを示すが、「連結」は、2つ又は2つ以上の要素が、協動又は相互作用しているが、直接接していない場合も示す。
【0030】
本明細書のアルゴリズムは、概して、所望の結果に導く作用またはオペレーションの首尾一貫したシーケンスと考えられ、物理量の物理的操作が含まれる。必ずしも常にではないが、通常、これらの量は、電子信号または磁気信号の形態をもっており、保存、変換、合成、比較およびその他の操作が可能である。主に共通の用法として、これらの信号を、時に簡便のため、ビット、値、要素、シンボル、文字、言葉、数字等として称している。しかしながら、これら全ての言葉および同様な言葉は、適切な物理量と結びつけられており、これらの物理量に適用された単なる便利な標号ではない。
【0031】
本発明の様々な実施形態が、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及びこれらの組み合わせにより実施可能である。また、本発明は、機械可読媒体に含まれる命令として実施可能であり、命令は、明細書に記載のオペレーションを実行する計算プラットフォームによって、読み出され、実行されてもよい。機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)が読み出し可能な形態で情報を格納または送信するためのあらゆる機構をふくむ。そのような機械可読メディアとしては、これらに限定されないが、例えば、ROM、RAM、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、フラッシュメモリ装置、電気的、光学的、尾音波的、あるいは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号、信号を送受信するインターフェース等)が含まれる。
【0032】
実施形態は、発明の実施例または実装例である。また、「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施例」、「他の実施形態」等は、少なくとも本発明の実施形態が、実施形態に関連した特定の特徴、構造及び特性を含むことを示唆するが、必ずしもすべての実施形態が、これら特定の特徴、構造及び特性を含むことを意味しない。したがって、本明細書中の様々な箇所で使用されている「一実施形態」、「ある実施形態」またはいくつかの実施例」という表現は、必ずしも同一の実施形態を示していない。
【0033】
また、明細書に記載された及び説明された構成要素、特徴、構造、特性等の全てが、ある特定の実施形態または複数の実施形態に含まれている必要はない。明細書で、ある構成要素、特徴、構造、または特性を、例えば、「含んでもよい(may)」、「含まれる場合がある(might)」、「含むことができる(can)」、または「含まれる可能性がある(could)」と記載されている場合には、その構成要素、特徴、構造、または特性が必ずしも含まれている必要がないことを示している。明細書または特許請求の範囲において、「一つの」または「一の」との記載は、要素が一つのみ存在していることを意味するのではない。また、明細書または特許請求の範囲において、「さらなる一つの」要素との記載は、追加要素が複数存在することを除外していない。
【0034】
上記実施形態を説明するのに、フローチャート及び/又は状態図が使用されたが、本発明は、対応する記載またはこれらの図に限定されるものではない。例えば、図に示されるように及び明細書の記載と全く同じ順番で、フローチャートの囲み部分または状態のそれぞれを遷移する必要はない。
【0035】
本発明は、明細書に記載された特定の詳細事項に制限されない。本開示の利益を享受する当業者は、上記の記載および添付の図面から、本発明の範囲内で様々な変更が可能であることを理解できる。したがって、本発明の範囲は、そのような変更を含む下記の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隠しメモリ領域と
可視メモリ領域と
前記隠しメモリ領域にコンテンツ情報を保存し、前記可視メモリ領域に情報を保存する第1のインターフェースと
を備え、
前記可視メモリ領域に保存された前記情報により、前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報へのアクセスが許可されるポータブルメモリデバイス。
【請求項2】
前記第1のインターフェースは、さらに前記可視メモリ領域から前記情報を読み出すことにより、前記隠しメモリ領域から前記コンテンツ情報を前記第1のインターフェースを通じて前記ポータブルメモリデバイスと連結されたメディアプレーヤーに提供し、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護が維持される請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項3】
前記可視メモリ領域から前記情報を読み出す第2のインターフェースを更に備え、前記隠しメモリ領域から前記コンテンツ情報が前記第2のインターフェースを通じて前記ポータブルメモリデバイスと連結されたメディアプレーヤーに提供され、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護が維持される請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1のインターフェースは、前記ポータブルメモリデバイスの前記隠しメモリ領域に保存される前記コンテンツ情報の提供者によってのみ使用されるインターフェースである請求項3に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1のインターフェースは、前記ポータブルメモリデバイスの前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報を再生するユーザーによって使用され、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護が維持されるインターフェースである請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項6】
前記ポータブルメモリデバイスは、フラッシュメモリデバイスである請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項7】
前記第1のインターフェースは、高速フラッシュインターフェース、SATAインターフェース、またはUSBインターフェースのうちの少なくとも1つである請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1のインターフェースおよび前記第2のインターフェースは、前記ポータブルメモリデバイスへの同時アクセスを許可しない請求項3に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項9】
前記第1のインターフェースは、前記隠しメモリ領域に前記コンテンツ情報を保存する前に、前記隠しメモリ領域をスクラブする請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項10】
前記第1のインターフェースは、1つの不可分オペレーションを使用して、前記隠しメモリ領域に前記コンテンツ情報を保存する請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1のインターフェースは、前記隠しメモリ領域に対して、書き込み専用アクセス権を持つ請求項1に記載のポータブルメモリデバイス。
【請求項12】
ポータブルメモリデバイスの第1のインターフェースを使用して、コンテンツ情報を前記ポータブルメモリデバイスの隠しメモリ領域に保存する段階と、
前記第1のインターフェースを使用して前記ポータブルメモリデバイスの可視メモリ領域に情報を保存する段階と
を備え、
前記可視メモリ領域に保存された前記情報により前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報へのアクセスを許可する方法。
【請求項13】
前記可視メモリ領域に保存された前記情報にアクセスして、前記隠しメモリ領域の前記コンテンツ情報の再生を許可し、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護を維持する段階をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記隠しメモリ領域に前記コンテンツ情報を保存する段階、および前記可視メモリ領域に前記情報を保存する段階は、前記コンテンツ情報の提供者によってのみ実行される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記可視メモリ領域に前記情報を保存する段階は、前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報にアクセスするのに使用されるコード情報を、前記可視メモリ領域に保存する段階を含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記可視メモリ領域に保存された前記情報を使用して、前記ポータブルメモリデバイスの前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報を再生し、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護を維持する段階をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記可視メモリ領域からの前記情報にアクセスし、第2のインターフェースを通じて、前記隠しメモリ領域から前記コンテンツ情報を再生し、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護をが維持する段階をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のインターフェースおよび前記第2のインターフェースが、前記ポータブルメモリデバイスへ同時にアクセスすることを許可しない請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンテンツ情報を前記隠しメモリ領域に保存する段階の前に、前記隠しメモリ領域を再書き込みする段階をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項20】
1つの不可分オペレーションを使用して、前記コンテンツ情報を前記隠しメモリ領域に保存する段階をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のインターフェースは、前記隠しメモリ領域に対して、書き込み専用アクセス権を持つ請求項12に記載の方法。
【請求項22】
命令を有するコンピュータ可読な媒体を備える製品であって、前記命令が実行された場合、コンピュータは、
ポータブルメモリデバイスの高速インターフェースを使用して、前記ポータブルメモリデバイスの隠しメモリ領域にコンテンツ情報を保存し、
前記高速インターフェースを使用して、前記ポータブルメモリデバイスの可視メモリ領域に情報を保存し、
前記可視メモリ領域に保存された情報により、前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報へのアクセスが許可される製品。
【請求項23】
前記コンピュータ可読な媒体は、実行された場合にコンピュータに、
前記隠しメモリ領域に保存された前記コンテンツ情報にアクセスするのに使用されるコード情報を前記可視メモリ領域に保存させる命令をさらに含む請求項22に記載の製品。
【請求項24】
前記コンピュータ可読な媒体は、実行された場合にコンピュータに、
前記コンテンツ情報を前記隠しメモリ領域に保存する前に、前記隠しメモリ領域を再書き込みさせる命令をさらに含む請求項22に記載の製品。
【請求項25】
前記コンピュータ可読な媒体は、実行された場合にコンピュータに、
1つの不可分オペレーションを使用して、前記隠しメモリ領域に前記コンテンツ情報を保存させる命令をさらに含む請求項22に記載の製品。
【請求項26】
前記コンピュータ可読な媒体は、実行された場合にコンピュータに、
前記可視メモリ領域に保存された前記情報にアクセスさせ、前記隠しメモリ領域の前記コンテンツ情報を再生させ、且つ、前記コンテンツ情報のコンテンツ保護が維持される命令をさらに含む請求項22に記載の製品。
【請求項27】
前記高速インターフェースは、前記隠しメモリ領域に対して、書き込み専用アクセス権を持つ請求項22に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37715(P2013−37715A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−214939(P2012−214939)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−540705(P2010−540705)の分割
【原出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】