説明

マイクロセルラネットワーク内の調整可能な送信電力を用いた位置特定システム

【課題】
【解決手段】 中央コントローラ(FPサーバ)と、調整可能な送信パワーを有する複数のワイヤレスベースステーション(BS1−BS11)を有する施設内の移動ユニット(MU)用ワイヤレス通信のための通信システム及び方法。ベースステーションは、コントローラと移動ユニット(MU)とのワイヤレス通信用に施設全体に分布している。コントローラ(FPサーバ)は、各マイクロセル(MC1−MC6)の少なくとも一のベースステーション(BS1−BS11)が別のマイクロセル(MC1−MC6)メンバであるように、ベースステーション(BS1−BS11)のワイヤレス通信パワーを調整することによって、ベースステーション(BS1−BS11)を各々が少なくとも二つのベースステーション(BS1−BS11)を含む複数のマイクロセル(MC1−MC6)に構成させる。少なくとも一のベースステーションが、中央コントローラ(FPサーバ)と通信可能であり、施設の選択された領域内の全ての移動ユニット(MU)が少なくとも一のベースステーション(BS1−BS11)と通信可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設内での移動ユニット用通信システムに関する。本発明は、特に、位置特定およびメッセージ送信システムに適用される。本発明は、空港などの旅客ターミナル施設への適用に関連して説明するが、人間または物の位置の特定が必要な、あるいは人間または物へのメッセージの送信が必要なその他の施設にも同様に適用することができる。例えば、本発明は、病院施設に適用して、医療スタッフおよび患者の位置のモニタと、スタッフへのメッセージの選択的な配布の効率を大幅に改善することができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
施設内で人または物の位置を特定するシステムは公知である。これらのシステムはしばしば、識別トランスポンダを人間に携帯させることによって機能する。トランスポンダはレシーバセットに一又は複数の信号を送信し、レシーバセットは次に中央処理ユニットに信号を送る。通常、トランスポンダからレシーバへ送られる信号は、識別信号であり、レシーバから中央処理ユニットへ送られる信号はトランスポンダからの識別信号と信号強度を含む。中央処理ユニットは、その結果、トランスポンダの位置、ひいては施設内にいる人間の位置を特定することができる。
【0003】
ショートメッセージングサービスやページングサービスなどのメッセージングシステムが知られている。これらのサービスはしばしば、ベースステーションから、メッセージを表示、もしくはその他の手段で伝達するレシーバへメッセージを送信する。
【0004】
メッセージングシステムと位置特定システムの両方を具えたシステムが、米国特許第5,543,797号から公知である。モニタリングアッセンブリ及びシステムが、構造内の移動対象の位置をモニタする。このアッセンブリは、複数のトランスポンダ手段と、モニタされている構造周辺の間隔をあけた複数の領域に位置するトランシーバと、各トランスポンダの位置をモニタする中央コントローラを具える。トランスポンダは、トランスポンダのIDを含むトランシーバからの信号に応じて信号を送信する。各トランシーバは、コントローラに並列に接続されており、トランスポンダのIDを含む信号を送信し、全トランシーバがトランスポンダからの信号を受信することができる。トランシーバは、信号強度とそのほかのデータを集めて、これを中央コントローラに送る。コントローラはこれらの値をメモリ内に保存して、トランスポンダの位置を知る。このトランスポンダは、その人物と音声通信するためのオーディオ手段を具えている。
【0005】
例えば多層建物(Multi story building)などの大規模システム用には、中央コンピュータをレシーバに接続するのに大量のケーブルが必要である。一つの解決法は、レシーバからの信号を中央コンピュータへワイヤレスで送ることである。しかしながら、大規模なアプリケーションでは、信号の送信に必要な電力が大きく、安全でないこともある。更に、多数のレシーバと同時に通信を行うには、比較的大きな周波数帯域が必要になる。
【0006】
したがって、ワイヤレスでありながら、信号が比較的低いパワーレベルで送信される位置特定及び/又はメッセージングシステムを提供することが望まれている。
【発明の開示】
【0007】
したがって、本発明の一の態様では、中央コントローラと、送信パワーを調整可能な複数のワイヤレスベースステーションとを具える施設内の移動ユニット用通信システムを提供しており、前記ベースステーションは前記コントローラ及び前記移動ユニットと無線通信を行うために前記施設中に分布されており、前記コントローラは、前記ベースステーションの無線送信パワーを調整することによって、前記ベースステーションを各マイクロセルが少なくとも二つのベースステーションを含む複数のマイクロセルに設定し、各マイクロセルの中の少なくとも一のベースステーションが他のマイクロセルの一員であり、少なくとも一のベースステーションが中央コントローラと通信可能であり、施設内の選択されたある領域の全ての移動ユニットが少なくとも一のベースステーションと通信可能であるようにしている。
【0008】
本発明の第2の態様では、中央コントローラ及び移動ユニットとの無線通信用に施設内に分布させた送信パワーを調整可能な複数のベースステーションを介して、施設内で中央コントローラと移動ユニットとの間で無線通信を行う方法が提供されており、この方法は、前記ベースステーションの無線送信パワーを調整することによって、前記ベースステーションを各マイクロセルが少なくとも二つのベースステーションを含む複数のマイクロセルに設定し、各マイクロセルの中の少なくとも一のベースステーションが他のマイクロセルの一員であり、少なくとも一のベースステーションが中央コントローラと通信可能であり、施設内の選択されたある領域の全ての移動ユニットが少なくとも一のベースステーションと通信可能であるようにするステップを含む。
【0009】
好ましくは、各マイクロセルが、他のマイクロセルのメンバである少なくとも二つのベースステーションを具える。
【0010】
好ましくは、マイクロセルは2乃至6つのベースステーションを具える。ベースステーションは、その一意の識別番号と送信パワーを含むメッセージを定期的に送信することが好ましい。各ベースステーションは、他のベースステーションから受信した信号と、送信パワーの分数で表示される信号強度のリストを保持することが好ましい。これらは、やはり、一意の識別番号と送信パワーと共に送信される。ベースステーションの送信パワーは、マイクロセル間でのベースステーションのオーバーラップが最小になるように変更されることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、ベースステーションが、そのベースステーションの属しているマイクロセル内の全てのベースステーションにメッセージを送信し、そのマイクロセル内の少なくとも一の別のベースステーションが、自分の属するもう一つのマイクロセル内のベースステーションにそのメッセージを送信することによって、通信システム内でメッセージが送信される。
【0012】
本発明の一形態では、通信システムは施設内の移動ユニットの位置特定及びメッセージング用である。ベースステーションは、各々が既知の位置を有し、マイクロセルは、施設に比較して比較的小さな領域内にあるベースステーションでできた小規模システムであることが好ましい。
【0013】
移動ユニットは、信号を送受信するトランシーバと、メッセージを表示するディスプレイデバイスと、電源と、人間からの入力を受け取るための少なくとも一のユーザインターフェースを具えることが好ましい。
【0014】
中央コントローラは、ベースステーションの位置に関するデータベースと、どのベースステーションが移動ユニットからの応答信号を受信したかに関するデータベースを具えることが好ましい。
【0015】
便宜上、この出願書において、本発明の技術を記載するために、ローカルエリア無線セキュリティ(LAWS)という一般名称を使用する。
【0016】
添付の図面を参照して、本発明を、空港旅客ターミナル施設における旅客の位置特定と、メッセージの提供に関連させて説明する。
【0017】
発明を実施するためのベストモード
システムの概観
空港の旅客施設に適用した本発明の通信システムは、その空港から出発するようにスケジュールされたフライトにチェックインする際に各旅客に発行される高周波追跡デバイスあるいは移動ユニット(MU)の使用を含む。一意に発行された各MUは、関連する旅客を認識するものである。本発明の通信システムによれば、ターミナル施設のすみずみまでMUの位置を追跡することが可能であり、フライトの詳細に関するメッセージを旅客情報としてMUに送ることができる。図1は、これに関連するステップと、旅客が航空機の旅行を予約するときあるいはチケットを購入するときと、その後空港に到着するまでの間の情報の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの最初の部分は、予約またはチケットを購入している旅客が行う標準的なステップを示す。旅客は、予約を行い、旅行会社またはセールス代理人がその飛行機のデータを回収して、国際航空運送協会(International Aviation Transport Association:IATA)ネットワークを介して航空会社の予約システムに送信する。空港でのチェックインの手順は、航空会社の現存の設備を用いて通常の方法で行われる。旅客データが航空会社のオペレータターミナルに表示され、旅客によって認証される。航空会社のコンピュータシステムは、公知の方法で、フライト情報データベースから取り出して、確認したフライトデータによって事前に更新されているであろう。
【0018】
チェックインの際に旅客のアイデンティティが確認され、通常の荷物データが記録され、座席の割当てステップが行われる。この情報は、公知のタイプのインターフェースを介して、旅客に発行されるMUと通信システムサーバ(FPサーバ)の双方にダウンロードされる。航空会社のコンピュータからのデータ転送が、旅客に与えられるMUを始動し、FPサーバにリクエストを送信して、このMUに対応する新しい旅客認識をシステムに許可する。FPサーバは、このシステムを介してMUと通信するネットワークを通じて動作する。
【0019】
図2は、チェックインからMUを返却する搭乗ゲートへ、通信システムを通る符号MU1をつけたMUの経路を示す。MUユニットは、オンボードメモリ、RFIDチップ、LCDディスプレイ、IR送受信ダイオードをカバーする赤外線ポート、表示されているメッセージとデータをスクロールするボタン形式のユーザインターフェースとを具える、再充電可能なバッテリ電源のトランシーバである。使用しないときは、MUは保管され、MU用のいくつものクレードルを入れた安全搬送ケースで搬送される。これらのクレードル内に置かれているときに、MUバッテリが誘導的に再充電され、IRポートはデータ接続として、および診断プロセスに使用することができる。多数の発光ダイオードが診断および通信目的に設けられている。通信システムは、図2に示されている符号BS0からBS11が付された一連のベースステーションで構成されている。システムの個々の部分の動作を以下に詳しく述べる。各ベースステーションの概観は、低電力に制限されたレンジのトランシーバである。各ベースステーションは、特に近接したベースステーションとの送受信のみが可能である。これによって、より小さい重複したネットワークまたはマイクロセルのシステムができあがる。少なくとも一つのベースステーションがFPサーバと通信する状態にある。このサーバは、少なくとも一のベースステーションから受信した全ての情報をログに記録する。
【0020】
ベースステーションは、定期的にそのアイデンティティと他の情報を送信する。MUデバイスは、常に受信するが、最初に特定のベースステーションを「聞いた」とき、あるいは特定のベースステーションを聞くことをやめたときにのみ送信を行う。これらのレポートは、以下に述べる態様でシステムサーバに送信される。
【0021】
例えば、空港を離れるなどでMUがシステムの範囲の外に移動した場合、境界ベースステーションからシステムサーバへ境界アラートが送信される。MUがシステムを離れた時間と場所が、その旅客が搭乗するよう予定されていた航空機に通信されるであろう。
【0022】
このシステムを通じて、適宜のメッセージをMUを介して旅客に提供できることが明らかであろう。例えば、遅延フライトに関するメッセージを送信することができるし、あるいは、ゲートに急いで行くようにとの指示を発することもできる。更に、このシステムは、建物内の物理的特徴と標識に言及して、旅客をある場所まで案内するメッセージを発することができる。
【0023】
航空会社のスタッフは、FPサーバにアクセスして、特定のフライトに関して発行された全てのMUを同定することができる。このことによって、航空会社のスタッフが、個々の旅客または旅客グループにメッセージを送ることが可能となる。FPサーバは、特定のフライトについて発行されたMUの位置を示す空港のフロア地図のディスプレイを提供することもできる。フライトの呼び出し、旅客へのメッセージの送信、及び旅客がいる特定の場所の距離とそこから移動するための時間の特定といった様々なメニューが提供されている。旅客が航空機に搭乗しそこなった場合は、その旅客の位置を決定して、適宜の対応を取ることができる。
【0024】
搭乗ゲートにおいて、MUが航空会社のスタッフに返却され、その返却がFPサーバに記録される。
【0025】
通信システムの動作の詳細とベースステーションと移動MUユニットの動作を以下に述べる。
【0026】
ベースステーション
ベースステーションは全て構成が同じであり、各々がソフトウエア内にエンコードされた一意のIDを保存しているという以外は、同じソフトウエアを稼動している。
【0027】
ベースステーションは、囲まれた空間(部屋)の中に配置され、施設内の動作領域全体に無線受信域を提供している。ベースステーション(物理的に静的である)の正確な位置は、配置時に、東距/北距座標対(Easting/Northing coordinate pair)によって知られる。(これは、X/Y距離グリッドで取り付け配置図から取り出される)。
【0028】
あるアプリケーションにおいてベースステーションが配置されているのが複雑なトポロジィであるとすると、無線通信の特性と性能は、配置に先立ってあるレベルの確実性で予測することができない。しかしながら、囲まれた空間内、および囲まれた空間同士の間では、典型的な操作環境内で、高レベルの無線透過度が実験で確認されている。
【0029】
ベースステーションは、その環境の物理的なレイアウトに応じて約50−100メータの最大送信レンジを有する。送信レンジは、明らかにユニットによって変動し(電子部品の製造におけるわずかな変動のため)、一日の内の時間によっても異なる(大気および電磁気の変動のため)。
【0030】
ベースステーションの送信パワー(及び、従って送信レンジ)は、ソフトウエアのコントロールの下で動的に変化させることができる。ベースステーションは、別のベースステーションあるいは移動ユニット(MU)の双方から受信した信号強度の測定を行うこともできる。
【0031】
このデバイスは、比較的低い帯域を有する(72,000ビット/sec)。このことによって、システム中の同期しているベースステーションセットを効率よく動作させるために最小プロトコルオーバーヘッドでショートメッセージの処理が可能であり、最大の情報フローを可能とする。
【0032】
ベースステーションは、互いに通信できる局地的に配置したグループ、すなわち、「マイクロセル」内で動作する。マイクロセルは、行き当たりばったりではなく、論理的に、ソフトウエアプロトコルで管理されている。この管理されたマイクロセルのフォーメーションによって、環境ファクタがマイクロセル内で一定であり、ベースステーションの総数が小さな大部分独立したネットワークに区切られているので、帯域の制約は各ローカルネットワークに個々に適用するのみであると、仮定することができる。マイクロセルは、マイクロセルに出入りする移動ユニットの位置を特定するためのベースを提供する。
【0033】
ベースステーションは、重なりあうマイクロセルセットを作るように制御され、情報を一連の「ホップ(hops)」によってネットワーク全体に中継することができる。マイクロセルは、互いに通信することができる2−6個程度のベースステーションでできる。マイクロセルのサイズは、マイクロセルが位置している領域の物理的トポロジィに依存する。少数のマイクロセルメンバは、隣接するマイクロセルに属するベースステーションと通信することができる。マイクロセルは、オーバーラップの広がりを確実に、しかし最小にするように管理され、これによって、マイクロセルができる限り局地化される。二つ以上のマイクロセルにまたがるベースステーションは、帯域の制約を提供し、ネットワーク全体を通じて可能なトータルの情報フローを決定する。少なくとも一のマイクロセル(可能であれば、いくつかの)は中央ホストサーバと通信が可能であり、これによって中央との通信及び制御が可能である。
【0034】
マイクロセルの構成はあらかじめ決められていない。ベースステーションは、部屋および建物の物理的レイアウトを反映するように配置される(例えば、各部屋に一つ、あるいはより大きなスペースには2またはそれ以上)。次にベースステーションは、マイクロセルを形成するべく互いに協議を行う。この協議は、送信特性が動的に変化するので、動作中続けられる。
【0035】
ソフトウエアプロトコルが、ベースステーションを稼動し、マイクロセルのフォーメーションを管理する。各ベースステーションは、定期的に(数秒ごとに)その一意のIDを含むメッセージを、そのメッセージの送信強度とともに送信する。各ベースステーションは、「聞く」ことができるその他のベースステーションのリストを維持する。
【0036】
各ベースステーションは、その一意のIDを送信するときに、聞くことができるベースステーションのリストも送信する。したがって、各ベースステーションは、そのローカルマイクロセルのメンバーシップを動的に決定することができる。
【0037】
最初に、起動させると、ベースステーションは最小パワー(レンジ)で送信し、次第にパワーをあげる。隣接するベースステーションからメッセージを受信すると、各ベースステーションは、ローカルマイクロセルの特性が要求される動作(最小オーバーラップの)に合致するまでそのパワーを下げる。ついで、要求されたマイクロセル特性を維持するべくパワーが変化する。
【0038】
マイクロセルは、必ずしもメンバーシップを固定にする必要はない。操作状態の変更によって一時的な変化があることがある。また、全体パターンをセルフヒーリングにして、個々のベースステーションのハードウエアの障害によってできた「ホール」が動的に調整されうる。
【0039】
移動ユニット(MU)
MUsは、一意のIDを有する再チャージ可能なバッテリ電源のトランシーバである。各移動ユニットのIDは、旅客名、フライトの詳細、およびその他の情報に対して、移動ユニットの発行時にシステムサーバに登録される。MUは、オンボードメモリとプロセッサを具え、その動作に関連するソフトウエアを稼動する。MUは、ベースステーションの通信を検出し、あらかじめ決められた時間インターバル内にそのベースステーションをすでに聞いたかどうかを決定する。移動ユニットは、マイクロセルを出入りする。移動ユニットは、そのIDをマイクロセル管理サイクルの一部として宣言しているベースステーションの通信を聞く。移動ユニットは、「目に見える」ベースステーションのリストを、その通信強度(TS)と受信した信号強度(RSS)と共に保持する。移動ユニットが新しいベースステーションを聞いたことを検出すると、あるいは目に見えていたベースステーションを見失ったとき、あるいは、特定のベースステーションについてのTS/RSSの関係に有意な変化が観察されたときに、移動ユニットは、目に見えるベースステーションに、そのイベントが発生したベースステーションの一意のIDや、関連するTSおよびRSSを伴うメッセージを送ることによって、そのイベントを目に見えるベースステーションに通知する。ベースステーションは、そのメッセージをマイクロセル間を渡ってホストサーバへ「リップル」する(リップルプロトコルに関する別の記載を参照)。マイクロセルの位置によって、セントラルサーバは、各移動ユニットが見ることのできるベースステーションの現行のリストを、それらステーションから移動ユニットまでの推測した距離と共に保持しているので、移動ユニットの物理的な位置を推定することができる。
【0040】
TS/RSSの関係に有意な変化、すなわち、位置の変化があったかどうかを決定するために、移動ユニットは、各ベースステーションについてのTS/RSSに関する現在の長期移動加重平均(long term moving weighted average:LTMWA)と、短期移動加重平均(short term moving weighted average:STMWA)を計算する。移動加重平均を計算する目的は、信号の一時的またはランダムなあらゆる変動を平滑化するためのものである。STMWAがLTMWAとある臨界量以上異なる場合、位置の変更が行われたと見なされ、この変更が報告されて、現行計算を続ける前に現在のSTMWA値に新しいLTMWAの値がセットされる。STMWAに寄与しているエントリ数と、何を臨界的変化と成すかは、経験的な観察によって決定される。
【0041】
距離の決定
典型的な環境(例えば、アウトドア、インドア、閉鎖された空間内のインドア)のレンジ内で動作するデバイスを経験によって学習することで、異なる送信信号強度について、ユニット間の距離に対する受信した信号強度の表を作成することができる。したがって、あるユニットが、別のユニットから既知の強度で送信された信号を受信する場合に、そのメッセージの受信信号強度に基づいてそのユニットからの距離を推測することができる。ESS、送信信号強度、受信信号強度および離間距離の関係は、開発されたデバイスの実際の電子性能に基づいた、全く経験的なものである。FPサーバは、移動ユニットの位置を単純な三角測量によって、各ベースステーションの位置(東距/北距)および移動ユニットからの見積もった距離を参考にして推測することができる。
【0042】
システムを横断するメッセージ中継用リップルプロトコル
上述したとおり、ベースステーションは自らを、動作状態に応じて動的に変化できる、管理され相互接続された「マイクロセル」セットの形式にする。
【0043】
このシステムでは、ベースステーションの大多数は、FPサーバのレンジ外にある。FPサーバは、フライト/旅客についての全中央データを保持しており、チェックインと出発のアプリケーションにおけるクライアントユーザと、システムおよび移動個体群間のインターフェースである。
【0044】
帯域を節約して、比較的低い送信パワーで動作させるためには、メッセージは各ベースステーションへ個々に送信されない。なぜなら、定義によって、マイクロセル内のどのベースステーションも、そのマイクロセルの他のいずれかのメンバによって送信された全てのメッセージを受信してしまうからである。そうではなく、メッセージは、最小数の再伝達(hops)で、相互接続されたマイクロセルセットを横切ってその着信地へ向けて送信される。
【0045】
システムを横切って中継されているメッセージの進行は、池を横切って進行するリップルの波に例えることができる。各ベースステーションは、ローカル「マイクロセル」を形成している「見ることができる」ベースステーションのリストを維持している。マイクロセルの「見ることができる」メンバの各IDに付されているのは、そのIDが見ることのできるその他の全てのベースステーションのリストである。したがって、図2に示す構成では、BS0は、1と3を見ることができる。BS3は、0、1、2、4、5および6を見ることができる。BS1にあるBS3のIDの記録には、3が、更に2、4、5および6を見ることができると示されている。
【0046】
メッセージがマイクロセルの一メンバによって受信された時、そのメンバが、そのメッセージをそのマイクロセルの中の他のメンバのどれが受信するかを決定する(送信しているベースステーションと重なっている)。従って、受信しているベースステーションは、他のベースステーションのうちのどれが、隣接するマイクロセルにメッセージを中継するのに最適な候補であるかを導き出すことができる。選択したベースステーションにメッセージを中継する場合に、現在のマイクロセルの全てのメンバがメッセージを受信すると共に、再伝達に関する同様の決定がなされる。
【0047】
メッセージが、ローカルMUに向けられた、現マイクロセルの一員である独立のベースステーションにアドレスされている場合、メッセージは中継されずに、その特定のベースステーションに送られる。メッセージが全てのMUs(例えば、特定のフライトの全旅客に対して)に放送されている場合は、受信しているベースステーションが、隣接するマイクロセルにメッセージを中継することによって、確実に自動的にそのマイクロセル内の全てのベースステーション(および隣接するMUs)がメッセージを受信するようにさせる。
【0048】
従って、ホストサーバが遠隔のMUにメッセージを送信したい場合は、FPサーバに「最も近い」ベースステーションにメッセージを送信する必要があるだけであり、このベースステーションが、メッセージの中継手順を開始する。ベースステーションがそのメッセージを聞いたら、MUも聞くことになるため、メッセージは目的のMUに最も近いベースステーションに中継される。MUがメッセージをFPサーバに送りたい場合は、そのメッセージを最も近いベースステーションに送らなければならないだけであり、そのベースステーションは、システムを横切ってそのメッセージを最終的にFPサーバに中継する。
【0049】
従って、メッセージはMUsに直接的には送信されず、ベースステーションの集合体全体がメッセージを受信し、このベースステーション集合体で規定されるシステム内の全MUがメッセージを受信する。個々のMUのソフトウエアのロジックが、所定のメッセージに対して個々のMUがどのようなアクションを、もし必要であれば、取るかを決定する。
【0050】
いくつかのベースステーションは、ホストサーバへの直接のイーサネット接続を有するであろう(ケーブルあるいは無線イーサネットを介して接続されている)。これらのベースステーションの場合、ベースステーションはメッセージを中継せず、ホストサーバに直接そのメッセージを送信し、また、ホストサーバから直接メッセージを受信する。直接のイーサネット接続の存在/不存在は、その所定のアプリケーションが展開される大きさと物理的環境による。
【0051】
メッセージの構造
使用可能な帯域を最もよく使用するためには、最小長さのメッセージを送信する必要がある。従って、このシステムを介して最大情報フローを確実なものにするためには、各メッセージは、その送信とデリバリを可能とするのに必要な最小のプロトコルオーバーヘッドを持たなければならない。また、帯域の使用の効率的な制御を可能とするために、プロトコルは確実にこの多数の移動ユニットが最小限の不要メッセージを送信し、帯域使用中に無制限なピークを起さないようにデザインされるべきである。
【0052】
以下の用語が定義される:
メッセージタイプ(1文字)メッセージのタイプ(以下を参照)
センダID(4[8−ビット]文字−全デバイスが製造時に生成した一意の32ビットのIDを有する−約4ビリオンの順列)
イニシエータID(4文字)メッセージを作るデバイス
アドレッシィID(6文字)−個々のMUまたはフライト番号
指定ベースID(4文字)−メッセージが意図されているMUに最も近いベースステーション
メッセージ番号(1文字)各移動ユニットによって個々に維持されている0−15の連続カウント;このカウントは、そのユニットが開始した各連続メッセージごとに増える−以下を参照
ホップカウント(1文字)−以下を参照。NBはAメッセージに不要である。
【0053】
ホップカウントは、メッセージが無効となる前に中継される回数である。これによって、メッセージが永久に巡回し続けないようにするものである。ホップカウントの値は、初期システムを展開するときに、経験的に決定される。メッセージは、より多くのマイクロセルを介して、システムの他端から一端へ届くようにメッセージが中継されなくてはならないので、ベースステーションのシステムが大きいほど、より大きい値が求められる。メッセージが中継されるたびに、ホップカウントは減少し、ゼロに到達するとそれ以上中継は行われなくなる。
【0054】
更に、各ベースステーションは、イニシエータIDsと、受信したメッセージのメッセージ番号の一時的リストを保持する。受信したメッセージが、そのリストのエントリに一致する場合、そのメッセージは中継されない。このリストは、現在「生きて」いるメッセージをモニタするだけの目的であるので、可能性のあるMUs全てをカバーするものではない。これと、上述のホップカウントは、再伝送数を最小にするものである。
【0055】
プロトコル−メッセージの内容
メッセージの語彙は、以下のものを含む:
A−一のベースステーションからのピン
全てのベースステーションは定期的にピンを出力する

ピンメッセージは、直近のマイクロセルを越えては中継されない。
【0056】
B−移動ユニットがベースの変更についてベースステーションに知らせる
移動ユニットが目に見えるセットが変更したのを検出した場合にのみ送信する

ベースステーションの詳細は、全モバイルの現在目に見えているベースについて繰り返される。
【0057】
移動ユニットは、ESSがある臨界値によって変わる時点を報告して、そのモバイルの追跡を補助するようにプログラムされていても良い。さらに、ホストサーバからMUへのメッセージによって、この臨界報告の値を動的にセットできるようにして、監視下の一またはそれ以上のモバイルからより頻繁にレポートできるようにすることが望ましい。ホストサーバは移動ユニット個体群への様々なその他のクエリーを有し、移動個体群セットもしくは個々のユニットから情報を得て移動行動を変更したり、それらから情報を抽出したりする。
【0058】
C−モバイルLCDへのメッセージ
クライアント/ホストサーバ(PCアプリケーション)によって開始され、必要に応じてシステムを横切って中継される。

【0059】
D−旅客の詳細の設定

Dメッセージは、移動ユニットがすぐに制御下におかれるチェックインの時に送信されることに留意されたい。このメッセージは、システムを横切ってリップルされる必要がない。これは、移動ユニット用のパワーボックスの構成に依存している。
【0060】
詳細が移動ユニットに保存されると、ユーザはローカルMU上で単純なキーで駆動するメニューを介して詳細を閲覧することができる。これは、システムトラフィックになんら影響しない。
【0061】
E−フライト時間とゲートの設定

フライト情報の更新に使用される。
【0062】
F−モバイル内の動作パラメータの設定

【0063】
メッセージの語彙を最小に維持することが要求される一方で、追加メッセージタイプは、機能性を高めるために疑いなく加えられる。上述のリストは、追跡とメッセージシステムの機能用の最小限度を表している。
【0064】
G−Wifiベースが詳細を送信
これによって、その他のユニットがWifiレンジ内のローカルユニットのリストを維持することができる。

見ることができる数に応じてパケット内で繰り返されるベースステーションのデータ。このメッセージは、直近のマイクロセルを越えて中継されない。
【0065】
H−RFベースが詳細を送信
これによって、その他のユニットがRFレンジ内のローカルユニットのリストを維持することができる。

見ることができる数に応じてパケット内で繰り返されるベースステーションのデータ。このメッセージは、直近のマイクロセルを越えて中継されない。
【0066】
動作
図3を参照すると、通信システムと関連する位置及びメッセージングシステムとは、互いにリンクしており重なり量が最小である複数のマイクロセルを有するという主コンセプトを中心に形成されている。これは、第一のマイクロセル内の一のベースステーションのみを第二のマイクロセル内にも存在させることによって実現することができる。このことは、マイクロセル間に複数の接続がないことを意味する。ベースステーション1−10は、施設中に位置しており、調整可能なパワーレベルを有する。マイクロセルMC1、MC2、MC3、MC4、MC5およびMC6を形成して、システムを通じて迅速な通信を可能としている。
【0067】
例えば、メッセージをベースステーション0からMC6内のベースステーション10に送信する場合、ベースステーション0は自分のマイクロセル1(MC1)にメッセージを送信するであろう。次にベースステーション3が、そのメッセージを自分の別のマイクロセルMC2とMC3に送信するであろう。
【0068】
MC3、MC4、およびMC5のメンバであるベースステーション6は、次にMC4とMC5のすべてのベースステーションにメッセージをリップルする。この段階で、ベースステーション10と11のみが、メッセージを受信していない。MC4とMC6のメンバであるベースステーション9が、ついで、ベースステーション10を含むMC6の他のメンバにメッセージを送信する。
【0069】
ベースステーションのシステムは、それ自身を、ソフトウエアの制御下で、管理された相互に接続したマイクロセルのセットに構成し、このセットは、操作状態に応じて動的に変化しうる。
【0070】
本発明の一の実施例では、通信システムがベースステーション中のソフトウエアプロトコルによって稼動している。このプロトコルは一方で、マイクロセルのフォーメーションを管理している。各ベースステーションは、数秒ごとといった定期的に、一意のIDとその送信パワーを含むメッセージを送信する。各ベースステーションは、「聞く」ことができるその他のベースステーションリストを、これらのベースステーションの観察した信号強度と共に保持する。このことは、送信パワーの分数で表示される。例えばベースステーションAが75%で送信し、ベースステーションBが50%でその信号を受信する、従って有効信号強度(ESS)は0.5/0.75=0.66である。
【0071】
各ベースステーションはその一意のIDを送信するときに、そのステーションが見ることができるベースステーションのリストも送信する。従って、各ベースステーションは、自分のローカルマイクロセルのメンバーシップを、隣接するマイクロセルと重なりあう範囲と共に、動的に推定することができる。つまり、もし、あるベースステーションがもう一つのベースステーションを見ることができ、そのもう一つのベースステーションが最初のベースステーションから「見えない」第3のベースステーションを見ることができると、それによって最初のベースステーションは第3のベースステーションがメンバとなっている近接したマイクロセルが一つあることを知る。この認識は、「リップルプロトコル」に必須である。もし、あるベースステーションが別のベースステーションからのメッセージを受信し、両方のベースステーションが同じベースステーションセットを見ることができる場合には、そのメッセージを更に伝播する必要がない。しかし、受信ベースステーションが、第1のセンダによって見られないベースステーションを見ることができる場合、メッセージは中継されなくてはならない。
【0072】
まず、起動時に、ベースステーションは最小パワーを送信し、徐々にパワーを上げる。隣接するベースステーションからメッセージが受信されるときに、各ベースステーションは、ローカルマイクロセルの特性が必要な最小のオーバーラップ動作に合致するまでそのパワーを下げる。それ以降、必要なマイクロセル特性を維持するようにパワーは変化する。
【0073】
本実施例では、マイクロセルは必ずしも固定したメンバーシップを有していない。湿度や、環境の変化による信号の吸収量など、動作状態の変化のために、一時的な変化が期待されるであろう。システムの全体的なカバレージは、自己訂正を行い、ハードウエアの障害によってできるホールを動的に調整することができる。
【0074】
このシステムでは、ほとんどのベースステーションが、中央コントロールから遠隔、あるいは中央コントロールのレンジ外にありがちである。中央コントローラは、フライト/旅客に関する全ての中央データを保持しており、チェックインと出発のアプリケーションにおけるクライアントユーザと、通信システムおよび移動ユニット間のインターフェースである。遠隔ベースステーションとメッセージを送受信する必要があろう。
【0075】
メッセージは、各マイクロセルが隣接したマイクロセルにメッセージを送ることにより、リップル効果を引き起こしてシステムを渡って搬送される。そのマイクロセル内の各ベースステーションが、メッセージが送信されるとそれを受信し、そのメッセージは図3に示すように再送信される。
【0076】
位置特定及びメッセージングシステムとして動作する時に、MUsは、マイクロセルに出入りする。このMUは、マイクロセル管理サイクルの一環として自分のIDを宣言しているベースステーションの送信を聞く。MUは、「見ることができる」ベースステーションのリストを維持する。MUが、新しいベースステーションを聞いた、あるいは、以前に見ることができたベースステーションを見失ったことを検出すると、そのイベントを発生させたベースステーションの一意のID(およびその推定距離−見失われたベースステーションの場合はゼロ)を伴うメッセージを渡すことで、見ることができるベースステーションにそのイベントを通知する。そのベースステーションは、このメッセージを中央コントローラ(FPサーバ)に送る。そのマイクロセルの位置によって、中央サーバは、そのMUへの距離の推定と共に、そのMUの物理的な位置を推定することができる。
【0077】
いつでも、中央コントローラ(FPサーバ)は、全てのMUについてどのベースステーションが見えているか、また、そのMUからステーションまでの推定距離を知ることができる。従って、中央コントローラ(FPサーバ)は、各ベースステーションの位置と、MUからの推定距離を参照して、単純な三角測定によって、MUの位置を推定することができる。
【0078】
ベースステーションの大半は、ホストサーバ(FPサーバ)の範囲外にありがちである。すなわち、「遠隔」である。ホストサーバは、フライト/旅客に関する全ての中央データを保持しており、チェックインと出発のアプリケーションにおけるクライアントユーザと、システム及びMU間とのインターフェースである。ホストサーバが「遠隔」のベースステーションへメッセージを送信して、「遠隔」のベースステーションからメッセージを受信することが必要になるであろう。
【0079】
帯域を節約するために、個別に各ベースステーションにメッセージが送信される必要はない。なぜなら、マイクロセル内の全てのベースステーションがそのマイクロセル内のその他の全てのメンバによって送信される全てのメッセージを受信するからである。メッセージは、最小の再送信数(hops)で、相互接続しているマイクロセルセットを横切って、その目的地へ運ばれる。
【0080】
コンテキストが要求しない限り、この明細書と以下の請求の範囲を通して、「具える」という語、及びそのバリエーションは、記載されている値、ステップ、値群、ステップ群の含有を示唆するが、それ以外の値、ステップ、値群、ステップ群を排除するものではない。
【0081】
本明細書におけるあらゆる従来技術の引用は、その従来技術がオーストラリアにおける共通の一般的な知識の一部を形成していると承認するものであったり、いかなる形態においてもそう示唆したりするものではなく、またそのように理解するべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明の通信システムを用いた、空港から出発する航空会社旅客についてのチケットの予約からチェックインまでの間に使用される、ステップ、情報の流れ、およびいくつかの部材を示すフローチャートである。
【図2】図2は、チェックインから飛行機へ搭乗する間に使用されるステップ、情報の流れ、およびいくつかの部材を示す図1と同様のフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の通信システムを用いた施設内のベースステーションと、受信可能エリアを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の移動ユニット用通信システムにおいて、中央コントローラと、送信パワーを調整可能な複数のワイヤレスベースステーションとを具え、前記ベースステーションが前記コントローラと前記移動ユニットとワイヤレス通信を行うために前記施設内に分布しており、前記コントローラが前記ベースステーションを、前記ベースステーションのワイヤレス送信パワーを各マイクロセル内の少なくとも一のベースステーションが別のマイクロセルのメンバであるように調整することにより各々が少なくとも二つのベースステーションを含む複数のマイクロセルとしており、少なくとも一のベースステーションが前記中央コントローラと通信可能であり、前記施設の選択された領域内における全ての移動ユニットが少なくとも一のベースステーションと通信可能であることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、各マイクロセルが他のマイクロセルのメンバである少なくとも二つのベースステーションを具えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムにおいて、各マイクロセルが3ないし6つのベースステーションを具えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記ベースステーションが一意の識別コードを含むメッセージを定期的に送信することを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の通信システムにおいて、前記メッセージがベースステーションの通信パワーの尺度を具えることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の通信システムにおいて、各ベースステーションが他のベースステーションから受信した信号リストを保持していることを特徴とする通信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記ベースステーションの通信パワーを調整して、マイクロセル間のベースステーションのオーバーラップを最小にすることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記ベースステーションの各々が既知の位置を有し、前記マイクロセルが前記施設の選択された領域に比べて比較的小さい領域を有することを特徴とする通信システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載された通信システムを具える施設内の移動ユニット用位置特定及びメッセージングシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の位置特定及びメッセージングシステムにおいて、前記移動ユニットが信号を送受信するトランシーバと、メッセージを表示するディスプレイデバイスと、電源と、入力を受け入れる少なくとも一のユーザインターフェースを具えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
施設内における中央コントローラと移動ユニット間のワイヤレス通信方法であって、前記コントローラ及び前記移動ユニットとのワイヤレス通信のために前記施設内に分布された調整可能な送信パワーを有する複数のベースステーションを介すワイヤレス通信方法において、前記ベースステーションのワイヤレス送信パワーを調整することによって、前記ベースステーションを、各マイクロセルが少なくとも二つのベースステーションを有し、各マイクロセルの中の少なくとも一のベースステーションが別のマイクロセルのメンバであるような、複数のマイクロセルに構成することを具え、少なくとも一のベースステーションが前記中央コントローラと通信可能であり、前記施設の選択された領域内の全ての移動ユニットが少なくとも一のベースステーションと通信可能であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、各マイクロセルが他のマイクロセルのメンバである少なくとも二つのベースステーションを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、各マイクロセルが3乃至6つのベースステーションを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれかに記載にされた方法において、前記ベースステーションが一意の識別コードを含むメッセージを定期的に送信することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記メッセージが前記ベースステーションの送信パワーの尺度を具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11乃至15のいずれかに記載の方法において、各ベースステーションが他のベースステーションから受信した信号のリストを保持することを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11乃至16のいずれかに記載の方法において、前記ベースステーションの送信パワーを調整して、マイクロセル間のベースステーションのオーバーラップを最小にすることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11乃至17のいずれかに記載の方法において、前記ベースステーションの各々が既知の位置を有し、前記マイクロセルが前記施設の選択された領域に比べて比較的小さい領域を有することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項11乃至18のいずれかに記載された方法を具える施設内の移動ユニット用位置特定及びメッセージング方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記移動ユニットが信号を送受信するトランシーバと、メッセージを表示するディスプレイデバイスと、電源と、入力を受け入れる少なくとも一のユーザインターフェースを具えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506308(P2007−506308A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526485(P2006−526485)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001273
【国際公開番号】WO2005/027553
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(506088768)アイシーティー システムズ ピーティーワイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】