説明

マイクロミキサ

【課題】小型でありながら混合効率を有利に高めることができるマイクロミキサを提供する。
【解決手段】マイクロミキサは、流体が供給される複数の供給口を有するベースプレート、各供給口から流体が通る、各流体宛少なくとも1本、合計で少なくとも2本の分配流路を有する分配プレート、各分配流路からの流体を合流、混合させる少なくとも1本の混合流路を有する合流プレート、及び混合された流体を貯留する貯留部を有するトッププレートを積み重ねてなる。かかる分配流路は、隣接する分配流路間にて並列に延在する本流路と、本流路から分岐し、対向する本流路に向かって延在する複数本の支流路とを具え、支流路は、隣接する一方の分配流路の支流路の少なくとも先端部と他方の分配流路の支流路の少なくとも先端部とが交互に並ぶ配置となる。また、混合流路は、隣接する分配流路間にある全ての支流路を横切る方向に延在し、各支流路との交点から流体を導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、欧州ではμ−TAS(Micro Total Analysis Systemの略)、米国ではLab−on−A−chipと称されるマイクロリアクターに代表される微細構造をもつマイクロ流体素子を用いて行う、複数種類の微量流体の混合・撹拌を可能にする新規なマイクロミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロミキサの構造に関する従来技術としては、例えば特許文献1に記載されているように、Y字状に微小流路を形成した基板を用いたマイクロミキサや、特許文献2に記載されているように、T字状に微小流路を形成した基板を用いたマイクロミキサが知られている。
【特許文献1】特開2006−205080号公報
【特許文献2】特開2006−7063号公報
【0003】
これらY字状やT字状の微小流路を形成したマイクロミキサ内では、流れは層流状態である。よって、2つの供給口から供給された溶液は、微小流路では2層の流れとなり、これら2層の撹拌・混合は拡散に支配されるため、完全混合を短時間で行うことは難しく、ある程度の時間が必要であるという問題がある。
【0004】
また、混合時間の短縮を目的として、2液の界面の面積を大きくするための手段としては、例えば2層の流れを平面上で多数に分割して、多数の層流を形成し、混合・撹拌効率を向上させる方法が挙げられる。しかしながら、かかる方法は、流れを多数に分割するため、精密加工技術を用いて複雑なマルチ流路の形成が必要であり、これは、加工コストの高騰を招くため好ましくない。また、マルチ流路を用いた場合であっても、やはり平面的に形成された微小流路であるので、流体は依然として層流であり、撹拌・混合は拡散で支配されるため、混合効率に関して改良の余地があった。加えて、マルチ流路を平面上に形成するには、ある程度、大きな基板面積が必要となり、これは、マイクロミキサ全体を小型化する用途には使用できないという問題もあった。
【0005】
さらに、他のマイクロミキサの従来技術としては、多孔フィルターを用いたミキサー、多層ミキサー、流体のらせん流れを利用したカオス混合によって混合を行うミキサー、流路壁に衝突させることで発生する擬似乱流を利用するミキサー、超音波、電場、磁場、微小な撹拌子を利用したマイクロミキサ(例えば特許文献3)等の多種多様なマイクロミキサが報告されているが、これらのマイクロミキサはいずれも、流路パターンや装置構成が複雑であるため、高価となり、大量生産には適さないという問題がある。
【特許文献3】特開2006−320877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を鑑みなされたものであり、小型でありながらも混合効率を有利に高めることができるマイクロミキサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に従うマイクロミキサは、流体が供給される複数の供給口を有するベースプレート、各供給口からの流体が通る、各流体宛少なくとも1本、合計で少なくとも2本の分配流路を有する分配プレート、各分配流路から流体を合流、混合させる少なくとも1本の混合流路を有する合流プレート、及び混合された流体を導き、貯留する貯留部を有するトッププレートを積み重ねてなり、かかる分配流路は、隣接する分配流路間にて並列に延在する本流路と、本流路から分岐し、対向する本流路に向かって延在する複数本の支流路とを具え、支流路は、隣接する一方の分配流路の支流路の少なくとも先端部と他方の分配流路の支流路の少なくとも先端部とが交互に並ぶ配置となり、混合流路は、隣接する分配流路間にある全ての支流路を横切る方向に延在し、各支流路との交点から流体を導くことを特徴とする。
【0008】
また、分配流路の本流路及び支流路は、直線状に延在してなることが好ましい。
【0009】
更に、混合流路は、直線状に延在してなることが好ましい。
【0010】
更にまた、分配流路が3本以上であり、分配流路のうち、2本の分配流路間に挟まれている分配流路の本流路の幅が、その他の分配流路の本流路の幅よりも大きいことが好ましい。
【0011】
加えて、分配流路間に挟まれている分配流路の本流路の幅は、その他の分配流路の本流路の幅の120〜300%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、150〜200%の範囲にある。なお、ここでいう「本流路の幅」は、本流路にて、その延在方向に対し直交する方向に測定した距離をいうものとする。
【0012】
加えてまた、ベースプレート、分配プレート、合流プレート及びトッププレートを積層してなる積層体を、複数積層してなることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、混合効率を格段に高めることができるマイクロミキサを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1〜3は、本発明に従うマイクロミキサの要部構成を示したものである。図1は、本発明に従う代表的なマイクロミキサの上面図であり、図2は、図1に示すマイクロミキサの側方断面図であり、図3は、図1に示すマクロミキサの分解図である。図4〜6は、図1〜3に示すマイクロミキサの、ベースプレート、分配プレート及び合流プレートを夫々に示した拡大図である。図7(a)〜(c)は、本発明のマイクロプレートにより、流体を分配プレートから合流プレートへと導いたときの流体の混合パターンを概略的に説明した図である。図8は、図1〜3に示すマイクロミキサの、トッププレートの拡大図である。
【0015】
図示のマイクロミキサ1は、複数の流体、この例では2種の流体A及びBを当該装置に導入するための供給口1a及び1bを個別に有するベースプレート2を基盤とする。ここで、供給口1a及び1bには、例えば口金10を装着し、該口金10に流体A及びBの供給管(図示せず)を接続して流体A及びBをそれぞれの供給口に供給する。
【0016】
このベースプレート2の上に、各供給口1a及び1bからの流体A及びBを案内する、各流体宛1本または複数本、図示例で各2本の分配流路30、すなわち流体Aを通す分配流路30Aと、同様に流体Bを通す分配流路30Bを有する分配プレート3を、載置する。ここで、前記の供給口1a及び1bからの流体は、供給孔11a及び11b(図4参照)を介して、図5に示すように、分配プレート3に形成した貯留部11に導かれ、ここから各流体宛2本の分配流路30Aまたは30Bに導入される。
【0017】
なお、分配流路30は、隣接する分配流路30A、30B間にて並列に延在する本流路33と、かかる本流路33から分岐し、対向する本流路33に向かって延在する複数本の支流路34とを具える。本流部33は、離間した流体Aの貯留部11から対向する流体Bの貯留部11側へとほぼ直線状に延び、かつ2本の同種分配流路間に異種分配流路が入り込む配置を採ることによって、4本の分配流路は異種流体の流路が交互に並ぶ配列となる。このとき、支流路34は、隣接する一方の分配流路30の支流路34の少なくとも先端部35と、他方の分配流路30の支流路34の少なくとも先端部35とが本流路33の延在方向へ交互に並ぶ配置となる。図示例では、隣接する一方の分配流路30Aの支流路34の全体と、他方の分配流路30Bの支流路34の全体とが交互に並ぶ配置となる。また、分配流路30のうち、2本の分配流路間に挟みまれている分配流路30である中央分配流路36は、それを挟む2本の分配流路30の双方に対し支流路34を有するのに対し、挟まれていない外側の分配流路30である外側分配流路37では、中央分配流路36と対向する側にのみ支流路34を有する。また、図示は省略したが、分配プレートに設けられた分配流路30が2本の場合には、2本の分配流路30は、互いに対向する側にのみ支流路34を有する。
また、図示例のように、分配流路30の本流路33及び支流路34を直線状とすることで、本流路33及び支流路34をジグザグ状や波状とする場合に比べ、流体を円滑に流すことができ、流体の迅速な混合を有利に達成することができるとともに、分配プレート3上にて分配流路30が設けられている部分の面積を小さくして、マイクロミキサ1の小型化を図ることができる。なお、図示例では、支流路34は本流路33の延在方向に対し直交する方向に延在しているが、支流路34の本流路33に対する延在方向はその他の角度範囲とすることができる。また、図示例では支流路34の先端部35は、一定の曲率を有する形状となっているが、角部を有するような、その他の形状とすることもできる。
【0018】
さらに、図3及び6に示すように、分配プレート3の上には、隣接する分配流路30A、30B間にある全ての支流路34を横切る方向に延在し、支流路34との交点41から流体を導く、混合流路40を有する合流プレート4を、載置する。各混合流路40は、隣接する分配流路30A及び30B間の全ての支流路34と直交する直線状であり、隣接する分配流路30A、30B間の各支流路34と各々交点41をもって交わることになる。そして、各混合流路40には、全ての支流路34との交点41を介して、流体A及びBが長手方向に交互に導入される。すなわち、流体A及びBは、多数の交点41を介して微小な区分に分割されて、各混合流路40内に供給され、ここで流体A及びBの各々が微小な流体区分間での分子の拡散により隣接区分間で相互に混合される。この分割された流体区分は、マイクロメートルからナノメートルオーダーと非常に小さいため、分子の拡散距離が短縮され、迅速な混合が行われる。また、混合流路40を直線状とすることで、混合流路40をジグザグ状や波状とする場合よりも、合流プレート4上にて混合流路40が設けられている部分の面積が小さくなるので、分配流路30の本流路33を直線状とすることと組み合わせると、マイクロミキサ1の小型化を更に図ることができる。
【0019】
かような混合原理によれば、上記した分配流路30及び混合流路40の幅や深さを調整することによって、上記の流体区分の大きさを制御でき、その結果、流体の混合特性を制御することができる。また、混合流路40における流体区分の混合パターンは、例えば、図7(a)に示すような分配流路30と混合流路40の組合せを採用し、流体Aと流体Bを供給した場合に、隣接する混合流路40A及び40B(図7(b)参照)だけを抜き出し、それらを全て組み合わせて、交点41毎に導かれる流体を流体区分毎に概略的に示すと、図7(c)のような混合パターンとなる。すなわち、交点41毎に導かれる流体の微小な流体区分の周囲を異種の流体区分で囲むような混合パターンとなる。かような流体区分の混合パターンが実現されれば、流体の混合はより加速されることになる。
【0020】
以上の流体A及びBの効果的な混合は、混合流路40毎に行われ、混合後の混合流体は、図8に示すようなトッププレート5に形成した貯留部50に集合、一旦貯められ、出口流路51から排出される。
【0021】
また、分配流路30は3本以上であり、分配流路30のうち、2本の分配流路間に挟まれている分配流路30である中央分配流路36の本流路33の幅W1が、その他の分配流路30、すなわち挟まれていない外側の分配流路30である外側分配流路37の本流路33の幅W2よりも大きいことが好ましい。
外側分配流路37からは1本の混合流路40へと流体が導かれるのに対し、中央分配流路36からは2本の混合流路40へと流体が導かれる。そのことから、分配流路30の本流路33の幅が全て同一の場合には、外側分配流路37から1本の混合流路40に導かれる流体量が、中央分配流路36から1本の混合流路40に導かれる流体量よりも大きくなり、混合流路間における流体の混合比に大きな差が生じる。その結果、かかる混合比の差に起因して、流体同士を迅速に混合することができない可能性がある。
その対策として、中央分配流路36の本流路33の幅W1を、外側分配流路37の本流路33の幅W2よりも大きくすることで、中央分配流路36の本流路33の容積を、外側分配流路37の本流路33の容積よりも大きくして、中央分配流路36に供給される流体の総量を、外側分配流路37に供給される流体の総量よりも大きくすることができる。そうすることで、中央分配流路36から混合流路401本当たりに導かれる流体量を大きくすることができるので、混合流路間における流体の混合比の差が小さくなる。その結果、上記したような流体の迅速な混合を抑制することなく、迅速な混合が可能となる。
このとき、中央分配流路36の本流路33の幅W1は、外側分配流路37の本流路33の幅W2の120〜300%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、150〜200%の範囲にある。中央分配流路36の本流路33の幅W1が、外側分配流路37の本流路33の幅W2の120%未満の場合には、中央分配流路36の本流路33の幅W1が小さくなり過ぎることから、中央分配流路36の本流路33の容積を充分に確保することができずに、中央分配流路36から混合流路40へと導かれる流体量を有効に確保することができない。そのことから、混合流路間における流体の混合比の差を充分に小さくすることができずに、流体を迅速に混合することができない可能性がある。一方、中央分配流路36の本流路33の幅W1が、外側分配流路37の本流路33の幅W2の300%を超える場合には、中央分配流路36の本流路33の幅W2が大きくなり過ぎて、中央分配流路36の本流路33の容積が大きくなり過ぎることから、外側分配流路37から混合流路40に導かれる流体量に対し、中央分配流路36から混合流路40に導かれる流体量が大きくなり過ぎる。その結果、混合流路間における流体の混合比に大きな差が生じ、かかる混合比の差に起因して、流体同士を迅速に混合することができない可能性がある。
【0022】
さらにまた、前記ベースプレート2、分配プレート3、合流プレート4及びトッププレート5の積層体を1つのエレメントとして、該エレメントを複数積み重ねて使用することによって、混合を複数回繰り返して更なる混合効率の向上を図ることも可能である。あるいは、上記エレメントを並列に使用し、3種以上の流体の混合を行うことも可能である。勿論、エレメント内で導入する流体数を上述の2種から3種以上にすることも可能である。
【0023】
なお、上述したところは本発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
【実施例】
【0024】
次に、本発明に従うマイクロミキサ(実施例マイクロミキサ)、及び比較のため従来技術のマイクロミキサ(従来例マイクロミキサ)を夫々試作し、それらの性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0025】
実施例マイクロミキサ1は、図3に示すように、ベースプレート2の各供給口1a及び1bからの流体が通る、本流路(長さ:15.32mm、幅:0.18mm、深さ:5mm)及び支流路(長さ:0.3mm、幅:0.08mm、深さ:5mm、)からなる4本の分配流路30A及び30Bを有する分配プレート3と、隣接する分配流路間にある全ての支流路を横切る方向に延在する3本の混合流路40(各流路サイズ:長さ13.5mm、幅0.1mm、深さ3mm)を有する合流プレート4と、各分配流路40にて合流、混合した混合流体の貯留部50を有するトッププレート5と、の積み重ねに成る。また、出口流路51からの混合流体は、紫外可視分光光度計に混合水溶液が直接流入するように構成した。
【0026】
従来技術マイクロミキサ201は、図12に示すように、第1管状部材202と第2管状部材203とを対向させて設け、第1管状部材202内を通る第1流体7と、第2管状部材203内を通る第2流体8とを対流で衝突させて混合流体とした後、この混合流体9は、第3管状部材206を通って排出される構成の有する。第1管状部材202及び第2管状部材203のサイズはともに、長さ35mm、外径1.6mm及び内径0.48mmとし、第3管状部材206のサイズは、長さ50mm、外径1.6mm及び内径0.48mmとした。また、実施例マイクロミキサと同様に、出口流路からの混合流体は、紫外可視分光光度計に混合水溶液が直接流入するように構成した。
【0027】
これらマイクミキサを用いて、2種類の流体の混合特性を評価した。混合させた2種類の流体は、KI:KIO:HBO:2%の硫酸水溶液(流体A)、並びに1.60%KI水溶液、0.41%KIO水溶液、3.34%HBO水溶液及び0.80%NaOH水溶液を、体積比で、1:1:1:1の割合で混合した4種混合水溶液(流体B)である。これら流体を、実施例マイクロミキサ及び従来例マイクロミキサの夫々の供給口から0.5〜7.5mL/minの流量にて供給した。そして、流体Aと流体Bの混合特性を、Villermaux/Dushman反応を利用して評価した。すなわち、2種の流体を混合するとき、混合特性が良い場合には速い反応が優先的に進み、逆に混合特性が悪い場合には遅い反応も進む現象を利用して、遅い反応により生成される物質の濃度を測定することで混合特性を評価することができる。具体的には、上記流体Aと流体Bとを混合すると、酸−アルカリ中和反応あるいは混合特性が悪い場合の反応であるI生成反応が起こり、このI生成反応が起こった場合、生成したIは一部Iとなるが、このIは353nmの波長で吸収ピークを持つため、その吸光度を測定することで混合特性を評価した。なお、353nmの波長での吸収ピークが小さいほど、混合特性が優れていることを示している。
【0028】
その結果、実施例マイクロミキサは、従来例マイクロミキサに比べ、いずれの流速においても、353nmの波長での吸収ピークが小さく、混合特性に優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、小型でありながら混合効率を格段に高めることができるマイクロミキサを提供することが可能になった。かような極めて高い効率の下に混合を行うことができることから、μ−TASやマイクロ化学プラント,高速液体クロマトグラフィー用グラジエントミキサーなどの分野に有利に適合する技術である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従うマイクロミキサの上面図である。
【図2】図1に示すマイクロミキサの側断面図である。
【図3】図1に示すマイクロミキサの分解図である。
【図4】図1に示すマイクロミキサのベースプレートの上面図である。
【図5】図1に示すマイクロミキサの分配プレートの上面図である。
【図6】図1に示すマイクロミキサの合流プレートの上面図である。
【図7】分配流路及び混合流路の組み合わせを示す概略図である。
【図8】図1に示すマイクロミキサのトッププレートの上面図である。
【図9】従来例マイクロミキサを説明する概念図である。
【符号の説明】
【0031】
1 マイクロミキサ
A、B 流体
1a、1b 供給口
2 ベースプレート
10 口金
3 分配プレート
30、30A、30B 分配流路
33 本流路
34 支流路
35 支流部の先端部
36 中央分配流路
37 外側分配流路
11 貯留部
40、40A、40B 混合流路
4 合流プレート
41 交点
5 トッププレート
50 貯留部
51 出口流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が供給される複数の供給口を有するベースプレート、各供給口からの流体が通る、各流体宛少なくとも1本、合計で少なくとも2本の分配流路を有する分配プレート、各分配流路からの流体を合流、混合させる少なくとも1本の混合流路を有する合流プレート、及び混合された流体を貯留する貯留部を有するトッププレートを積み重ねてなるマイクロミキサにおいて、
前記分配流路は、隣接する分配流路間にて並列に延在する本流路と、該本流路から分岐し、対向する本流路に向かって延在する複数本の支流路とを具え、該支流路は、隣接する一方の分配流路の支流路の少なくとも先端部と他方の分配流路の支流路の少なくとも先端部とが交互に並ぶ配置となり、
前記混合流路は、前記隣接する分配流路間にある全ての支流路を横切る方向に延在し、各支流路との交点から流体を導くことを特徴とするマイクロミキサ。
【請求項2】
前記分配流路の本流路及び支流路は、直線状に延在してなる、請求項1に記載のマイクロミキサ。
【請求項3】
前記混合流路は、直線状に延在してなる、請求項1又は2に記載のマイクロミキサ。
【請求項4】
前記分配流路が3本以上であり、該分配流路のうち、2本の分配流路間に挟まれている分配流路の本流路の幅が、その他の分配流路の本流路の幅よりも大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロミキサ。
【請求項5】
前記分配流路間に挟まれている分配流路の本流路の幅は、その他の分配流路の本流路の幅の120〜300%の範囲にある、請求項4に記載のマイクロミキサ。
【請求項6】
前記ベースプレート、分配プレート、合流プレート及びトッププレートを積層してなる積層体を、複数積層してなる、請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロミキサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−233561(P2009−233561A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82469(P2008−82469)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【特許番号】特許第4286895号(P4286895)
【特許公報発行日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(502089693)財団法人 岡山県産業振興財団 (14)
【Fターム(参考)】