説明

マイクロリアクター

【課題】スラグ流を再現性良く堅実に形成すること。
【解決手段】互いに混じり合わない複数の流体を、それぞれ個別に複数の流入流路を通して一箇所に合流させると共に、単一の流出流路を通して流出させるマイクロリアクターであって、上記流出流路の中途部に一時滞留空間部を設けて、同一時滞留空間部の内壁表面と各流体との親和性により各流体の一時滞留空間部内での滞留時間に差異が生じるようにした。その結果、一時滞留空間部の出口から流出流路の下流側に、複数の流体が微少な区分で交互に流出されて、微少流体区分いわゆるスラグ流(交互流)を再現性良く堅実に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微少流体区分(スラグ流)の調整を可能としたマイクロリアクターに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロリアクター、すなわち、互いに混じり合わない2種類の流体の微少流体区分(スラグ流)を調整するための装置に関する従来技術として、Y字状やT字状の微少流路を形成した基板を用いた構造のものが知られている(例えば、非特許文献1〜3、特許文献1参照)。
【0003】
これらY字状やT字状のマイクロリアクターでは、二つの流入流路の先端部と、一つの流出流路の基端部とが交差状に接続されて、その接続部分で微少流体区分(スラグ流)が形成される。
【0004】
そして、このようなマイクロリアクターを用いて、例えば、油と水のスラグ流を形成する場合、流路の幅や深さ、あるいは流入液の流速(流量)を調整することで、スラグ流の油相長さと水相長さを調節する。
【非特許文献1】Burns,J.R. ; Ramshaw,C. The intensification of rapid reactions in multiphase systems using slug flow in capillaries, Lab on a Chip, 1, 10-15, 2001
【非特許文献2】Kashid,M.N. ; Gerlach,I. ; Goetz,S. ; Frazke,J. ; Acker,J.F.;Platte,F. ; Agar,D.W.;Turek,S. Internal Circulation within the Liquid Slugs of a Liquid-Liquid Slug-Flow Capillary Microreactor, Ind. Eng. Chem. Res., 44, 5003-5010, 2005
【非特許文献3】Kashid,Madhvanand N. ; Agar,David W. Hydrodynamics of liquid-liquid slug flow capillary microreactor: Flow regimes, slug size and pressure drop, Chem. Eng. J., in press
【特許文献1】特開2007−303659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したようにスラグ流の油相長さと水相長さを様々に調節するためには、上記マイクロリアクターに以下のような課題がある。
(1)流路の幅や深さを様々に変化させる方法では、異なる流路を有するマイクロリアクターを各種準備する必要性がある。
(2)流入液の流速(流量)を調整する方法では、制御できる油相長さと水相長さの範囲が狭い。
(3)油相と水相の両相長さと流量の両方を同時に制御することは困難である。
【0006】
本発明では、以上の課題に鑑みなされたもので、マイクロリアクターに要求される小型化を維持しつつ、構造が単純で、かつ、任意の流量条件において広い範囲でスラグ流の各流体相長さを調節可能なマイクロリアクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明に係るマイクロリアクターは、互いに混じり合わない複数の流体を、それぞれ個別に複数の流入流路を通して一箇所に合流させると共に、単一の流出流路を通して流出させるマイクロリアクターであって、上記流出流路の中途部に一時滞留空間部を設けて、同一時滞留空間部の内壁表面と各流体との親和性により各流体の一時滞留空間部内での滞留時間に差異が生じるようにしている。
【0008】
請求項2記載の本発明に係るマイクロリアクターは、請求項1記載のマイクロリアクターであって、一時滞留空間部と、同一時滞留空間部の下流側に位置する下流側流出流路の基端開口部との連通位置を調節して、一時滞留空間部の体積を調整可能となしている。
【0009】
請求項3記載の本発明に係るマイクロリアクターは、請求項1記載のマイクロリアクターであって、一時滞留空間部の体積は、出し入れ自在に収容した体積調整体の数を増大・減少させることにより調整可能となしている。
【発明の効果】
【0010】
(1)請求項1記載の本発明では、互いに混じり合わない複数の流体を、それぞれ個別に複数の流入流路を通して一箇所に合流させると共に、単一の流出流路を通して流出させるマイクロリアクターであって、上記流出流路の中途部に一時滞留空間部を設けて、同一時滞留空間部の内壁表面と各流体との親和性により各流体の一時滞留空間部内での滞留時間に差異が生じるようにしている。
【0011】
このように、流出流路の中途部に設けた一時滞留空間部の内壁表面と各流体との親和性により、各流体の一時滞留空間部内での一時的な滞留時間に差異が生じるようにしているため、換言すれば、一時滞留空間部内における各流体の一時的な占有率(体積率)に大きな差異が生じるようにしているため、一時滞留空間部の出口から流出流路の下流側に、複数の流体が微少な区分で交互に流出されて、微少流体区分いわゆるスラグ流(交互流)を再現性良く堅実に形成することができる。
【0012】
しかも、各流体の相幅(相長さ)は、一時滞留空間部の大きさや形状等を任意に設定することにより、幅広い範囲で任意に制御することができると共に、相幅(相長さ)と流量の両方を同時に制御することができる。
【0013】
従って、複数の流体を、それぞれ個別に微少な単位(0.1μm〜1μmのサブミクロンレベルの相幅)で精度良く短時間にスラグ流となして、所望の流体を上記した微少な単位で分離・注出することができる。
【0014】
例えば、水性流体と油性流体を合流させて、流出流路を一時滞留空間部を介して流出させるようにすると共に、流入流路を通して流入される各流体の流入速度(流入量)を適宜調整することにより、形成されるスラグ流の水相幅(水相長さ)と油相幅(油相長さ)を所望の微少単位幅に調整することができる。従って、水性流体ないしは油性流体を、微少な単位で精度良く短時間にスラグ流となして、いずれか一方の所望の流体を上記した微少な単位で分離・注出することができる。
【0015】
また、流出流路の中途部に設ける一時滞留空間部は、その形状や材質に制限を受けることがないため、簡単に形成することができる。その結果、マイクロリアクターを、マイクロ化及び量産化に好適なシンプルな構造となすことができる。
【0016】
(2)請求項2記載の本発明では、一時滞留空間部と、同一時滞留空間部の下流側に位置する下流側流出流路の基端開口部との連通位置を調節して、一時滞留空間部の体積を調整可能となしている。
【0017】
このようにして、一時滞留空間部の体積を調整することにより、スラグ流となって流出される各流体の相幅を、幅広い範囲でかつ微少な単位で任意に制御することができる。従って、各流体の流入速度(流入量)の調整に代えて、ないしは、その調整に加えて一時滞留空間部の体積の調整を行うことにより、各流体の相幅を効率良くかつ精度良く微少な単位で制御することができる。
【0018】
(3)請求項3記載の本発明では、一時滞留空間部の体積は、出し入れ自在に収容した体積調整体の数を増大・減少させることにより調整可能となしている。
【0019】
このように、体積調整体の数を増大・減少させることにより、一時滞留空間部の体積を調整することができるようにしているため、その調整作業を容易にかつ堅実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の最良形態としてのマイクロリアクターは、互いに混じり合わない複数の流体を、それぞれ個別に複数の流入流路を通して一箇所に合流させると共に、単一の流出流路を通して流出させるように構成すると共に、上記流出流路の中途部に膨出状の一時滞留空間部を設けて、同一時滞留空間部の内壁表面と各流体との親和性により各流体の一時滞留空間部内での滞留時間に差異が生じるようにして、一滞留空間部の出口から流出流路の下流側に、複数の流体が交互に流出されて、微少流体区分いわゆるスラグ流を堅実に形成することができるようにしている。
【0021】
この際、各流体の相幅は、一時滞留空間部の大きさや形状等を任意に設定することにより、幅広い範囲で任意に制御することができると共に、相幅(相長さ)と流量の両方を同時に制御することができるようにしている。
【0022】
そして、一時滞留空間部と、同一時滞留空間部の下流側に位置する下流側流出流路の基端開口部との連通位置を調節して、一時滞留空間部の体積を調整可能となして、スラグ流となって流出される各流体の相幅を任意に制御することができるようにしている。
【0023】
また、一時滞留空間部の体積は、出し入れ自在に収容した体積調整体の数を増大・減少させることにより調整可能となして、一時滞留空間部の体積の調整作業を容易にかつ堅実に行うことができるようにしている。
【0024】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るマイクロリアクターAの概略説明図であり、同マイクロリアクターAは、基板1内に、互いに混じり合わない複数の流体が一箇所に合流する複数(本実施形態では二つ)の流入流路2,3と、それらの合流箇所4に基端部を接続した単一の流出流路5の基板内側流出流路5aとを設けており、各流入流路2,3の基端部にそれぞれ流体供給部6,7を、供給量がそれぞれ調節できるように制御装置(パソコン等)を介して接続している。ここで、基板1は、金属、プラスチック、ガラス、セラミック等の材質によって成形することができる。
【0026】
そして、流体供給部6は、ヘプタン溶液等の油性流体を流入流路2に供給するようにしている。また、流体供給部7は、超純水等の水性溶液を流入流路3に供給するようにしている。
【0027】
また、単一の流出流路5は、基板1内に設けた上流側流出流路である基板内側流出流路5aと、同基板内側流出流路5aの先端部に接続部8を介して着脱自在に接続した下流側流出流路である基板外側流出流路5bとを具備している。
【0028】
接続部8は、図2の拡大断面説明図に示すように、基板内側流出流路5aの先端部が位置する基板1の側端部1aに、円柱状の接続空間9を形成すると共に、同接続空間9は、一側開口部9aを基板内側流出流路5aの先端部に連通連結する一方、他側端部9bを基板1の側端部1aから外方に開口させている。
【0029】
そして、接続部8は、図2に示すように、接続空間9の他側端部9b側を形成する内周壁に、接続用雌ネジ部10を形成している。
【0030】
基板外側流出流路5bは、図2に示すように、流路形成パイプ11の基端部に、前記接続用雌ネジ部10に基板1の外方から着脱自在に螺着可能とした接続用雄ネジ部12を設けている。13は鍔状の係止体である。
【0031】
しかも、接続用雄ネジ部12の先端には、筒状スペーサ14を突設し、同筒状スペーサ14の先端外周壁にOリング15を嵌合状態に取り付けている。
【0032】
このようにして、接続用雌ネジ部10に接続用雄ネジ部12を、係止体13が基板1の端面に当接するまでネジ込むと、筒状スペーサ14が接続空間9内に配置されると共に、同筒状スペーサ14の先端外周壁に取り付けたOリング15が接続部8の内周壁に密着状態に圧接されるようにしている。なお、接続用雄ネジ部12の進出位置調節に係止体13が支障となる場合には、同係止体13を設けない。
【0033】
その結果、接続空間9の一側開口部9aと筒状スペーサ14の先端開口部14aとの間に、微少な一時滞留空間部9cが形成される。この際、一時滞留空間部9cは、基板内側流出流路5aの先端から膨出状、具体的には段付き拡径状に形成される。ここで、例えば、基板内側流出流路5aは、100μm×100μmの正方形断面となし、一時滞留空間部9cの内径r1は、900μm〜1600μmの円柱状空間となし、基板外側流出流路5bを形成する流路形成パイプ11の内径r2は、500μmとなして、r1>r2となしている。r3は筒状スペーサ14の内径である。
【0034】
そして、本実施形態では、前記流出流路5の中途部に一時滞留空間部9cを設けて、図3の概念図に示すように、一時滞留空間部9cを形成する内壁表面と各流体16,17との親和性により、油性流体16と水性流体17の一時滞留空間部9c内での一時的な滞留時間に差異が生じるようにしている。
【0035】
従って、流入流路2を通して油性流体16を流入させると共に、流入流路3を通して水性流体17を流入させると、それらの合流箇所4から流出流路5の基板内側流出流路5aにて二層流が形成される。
【0036】
そして、かかる二層流を一時滞留空間部9c内に流入させることにより、一時滞留空間部9cの内壁表面と油性流体16との親和性、及び、一時滞留空間部9cと水性流体17との親和性により、図3(a)(b)に示すように、油性流体16と水性流体17の一時滞留空間部9c内での一時的な占有率に大きな差異を持たせることができる。
【0037】
そのため、一方の流体(例えば油性流体16)が一時滞留空間部9c内を一時的に大きく占有すると、その流体は一滞留空間部9cの出口から一定の相幅で流出され(図3(a))、次に、他の流体(例えば、水性流体17)が一時滞留空間部9c内を一時的に大きく占有すると、その流体は一時滞留空間部9cの出口から一定の相幅で流出される(図3(b))。
【0038】
その結果、一滞留空間部9cの出口から油性流体16と水性流体17とが交互に流出されることになり(図3(a)→(b)→(a)→(b))、油性流体16/水性流体17/油性流体16/水性流体17・・・の交互流、すなわち、微少流体区分いわゆるスラグ流が堅実に形成されて、筒状スペーサ14内→流路形成パイプ11内に流出される。
【0039】
この際、各流体16,17の相幅は、一時滞留空間部9cの大きさ等を任意に設定することにより、幅広い範囲で任意に制御することができると共に、相幅(相長さ)と流量の両方を同時に制御することができる。
【0040】
そして、接続用雄ネジ部12を適宜進退位置調節することにより、一時滞留空間部9cと、この一時滞留空間部9cの下流側に位置して下流側流出流路である基板外側流出流路5bの一部を形成する筒状スペーサ14の先端開口部14aとの連通位置を進退調節して、接続空間9内に形成される一時滞留空間部9cの体積を調整することができる。その結果、スラグ流となって流出される油性流体16と水性流体17の相幅を任意に制御することができる。なお、筒状スペーサ14は、接続用雄ネジ部12の先端に着脱自在に取り付けて、所要の伸延長さを有する筒状スペーサ14に付け替えることにより、一時滞留空間部9cの体積を調整することもできる。
【0041】
図4は、他の実施形態としての接続部8の拡大断面説明図であり、同図4に示すように、接続部8は、前記した実施形態の接続部8と基本的構造を同じくするが、接続空間9内に、体積調整体として、同一形状に形成した複数(本実施形態では四個)のリング状パッキン18を積層状態に配置して、これらリング状パッキン18により形成される筒状空間を一時滞留空間部9cとなした点で異なる。
【0042】
すなわち、接続部8は、内周壁の全長にわたって接続用雌ネジ部10を形成して、同接続用雌ネジ部10に接続用雄ネジ部12を進退位置調節自在に螺着すると共に、同接続用雄ネジ部12の先端面と接続空間9の一側開口部9aとの間に形成される接続空間9内に、四個の一時滞留空間部形成用のリング状パッキン18と一個の流出流路形成用のリング状パッキン19とを出し入れ自在に収容して、連通する四個のリング状パッキン18の内部に形成される筒状空間を一時滞留空間部9cとなしている。
【0043】
ここで、例えば、リング状パッキン18,19の外径は、それぞれ接続用雌ネジ部10の内径と略同一となし、図4(c)に示すように、リング状パッキン18の内径r4は、900μm〜1600μmとなし、図4(b)に示すように、流路形成パイプ11と直接連通するリング状パッキン19の内径r5は、500μmとなして、r4>r5となしている。
【0044】
このように、本実施形態では、前記した実施形態の接続部8と同様にスラグ流を形成することができる。しかも、接続空間9内のリング状パッキン18の個数を増大・減少させる一方、リング状パッキン19の個数を減少・増大させることにより、また、必要に応じて接続用雄ネジ部12を適宜進退位置調節することにより、一時滞留空間部9cの体積を適宜調整することができる。その結果、一時滞留空間部9cの体積の調整作業を容易にかつ堅実に行うことができる。
【実施例】
【0045】
本発明に係る他実施形態のマイクロリアクターAを用いてスラグ流の調整を検証した。
【0046】
本検証では、四個のリング状パッキン18の内径r4=1600μm、一個のリング状パッキン19の内径r5=500μmとした。流入流路2に染料を溶解したヘプタン溶液を流入させる一方、流入流路3に超純水を流入させた。それらの合流箇所4から流出流路5の基板内側流出流路5aにて二層流が形成されて、かかる二層流は一滞留空間部9c内に流入して、同一滞留空間部9cの出口から油性流体16と水性流体17とが交互に流出され、微少流体区分いわゆるスラグ流が形成されて、四個のリング状パッキン18内→一個のリング状パッキン19内→流路形成パイプ11内に流出された。
【0047】
図5は、流路形成パイプ11内を通過していたスラグ流の説明写真である。かかる図5の説明写真から、本発明に係るマイクロリアクターAにより調整されたスラグ流では、油相幅と水相幅が均一に揃っていることが分かる。特に、図5(e)に示すように、油性流体16と水性流体17をそれぞれ1分間に50μl流入させて調整したスラグ流、ないしは、図5(f)に示すように、油性流体16と水性流体17をそれぞれ1分間に100μl流入させて調整したスラグ流では、油相幅と水相幅が微少区分で均一に揃っていることが分かる。
【0048】
図6は、種々の流量比にて形成されたスラグ流の油相幅及び水相幅と、水相/油相流量比の関係を示す。かかる図6から、マイクロリアクターAにより油相幅と水相幅が比較的均一なスラグ流を再現性良く調整することができること、さらには、水相/油相流量比を制御することで、油相幅及び水相幅を任意に制御することができることが見いだされた。
【産業上の利用可能性】
【0049】
比較的均一なスラグ流を再現性良く調整することができるマイクロリアクターを提供することができると共に、同マイクロリアクターは、シンプルな構造でマイクロ化、量産化に適している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るマイクロリアクターの概略説明図。
【図2】接続部の拡大断面説明図。
【図3】スラグ流形成概念図。
【図4】他の実施形態としての接続部の拡大断面説明図。
【図5】検証で得られたスラグ流の説明写真。
【図6】検証で得られたスラグ流の油相幅及び水相幅と、水相/油相流量比の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0051】
A マイクロリアクター
1 基板
1a 側端部
2,3 流入流路
4 合流箇所
5 流出流路
5a 基板内側流出流路
5b 基板外側流出流路
6,7 流体供給部
8 接続部
9 接続空間
9a 一側開口部
9b 他側端部
9c 一時滞留空間部
10 接続用雌ネジ部
11 流路形成パイプ
12 接続用雄ネジ部
13 鍔状の係止体
14 筒状スペーサ
14a 先端開口部
15 Oリング
16 油性流体
17 水性流体
18,19 リング状パッキン
r1〜r5 内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに混じり合わない複数の流体を、それぞれ個別に複数の流入流路を通して一箇所に合流させると共に、単一の流出流路を通して流出させるマイクロリアクターであって、
上記流出流路の中途部に一時滞留空間部を設けて、同一時滞留空間部の内壁表面と各流体との親和性により各流体の一時滞留空間部内での滞留時間に差異が生じるようにしたことを特徴とするマイクロリアクター。
【請求項2】
一時滞留空間部と、同一時滞留空間部の下流側に位置する下流側流出流路の基端開口部との連通位置を調節して、一時滞留空間部の体積を調整可能となしたことを特徴とする請求項1記載のマイクロリアクター。
【請求項3】
一時滞留空間部の体積は、出し入れ自在に収容した体積調整体の数を増大・減少させることにより調整可能となしたことを特徴とする請求項1記載のマイクロリアクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−220041(P2009−220041A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68290(P2008−68290)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【出願人】(502089693)財団法人 岡山県産業振興財団 (14)
【Fターム(参考)】