説明

マイクロリソグラフィーに使用する光学素子に特に適した材料、およびこの材料からブランクを製造する方法

【課題】250ナノメートルの波長の紫外線に対して吸収が低く、複屈折が低く、化学的抵抗性が高く、放射線抵抗性が高く、それ故マイクロリソグラフイーの光学素子をつくるに適した材料を提供する。
【解決手段】本発明の材料は、多結晶構造を形成し、そして平均の粒子の大きさが500nmと30μmとの間にある合成石英結晶子から成る。この材料からブランクをつくる本発明の方法は、平均の粒子の大きさが500nmと30μmとの間にある合成石英結晶から成る粒子を調製する工程とその粒子を燒結して多結晶石英のブランクを得る工程とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロリソグラフィーに使用する光学素子に特に適した材料、およびこの材料からブランクを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の材料から製造された光学素子は、一般には、高エネルギーの紫外線を透過するのに使用され、特に半導体チップとして大規模集積回路を製作する分野でのマイクロリソグラフィーの露光投影光学素子に使用される。露光もしくは投影レンズの到達可能な分解能は使用波長により決まる。目下のところ、マイクロリソグラフィー・デバイスの大部分には、波長が248nm(KrFレーザー)もしくは193nm(ArFレーザー)のUV放射線を放出するエキシマレーザーが装備されている。
【0003】
石英ガラスは、その機械的抵抗性と化学的抵抗性、およびその低い複屈折から高品質の光学要素をつくる材料として好ましい。しかしながら、石英ガラスからつくられた光学要素においては、短い波長の紫外線を吸収するという欠陥を生じることがある。欠陥形成の形態と程度とは個々の石英ガラスのタイプと品質とによって異なる。石英ガラスのタイプと品質は、構造的な特性、例えば密度、屈折率分布、均質性そして化学組成によって本質的に決まる。それ故、紫外線に対する抵抗性への要求が増大するにつれて、もしくは使用波長が次第に短くなるに従って、物理的限界と材料に起因する限界とが石英ガラスの場合には現れてくる。
【0004】
石英ガラスの代りとして、短い波長の紫外線を透過し、そして高い紫外線抵抗性において際立っている合成的に製造された結晶質材料が、レンズ材料として試験されている。結晶フッ化物、例えばフッ化カルシウム(CaF)もしくはフッ化バリウム(BaF)、結晶アルカリ土類酸化物、特にMgO、並びに単結晶もしくは多結晶スピネル(MgAl)をここでは例として挙げておく。しかしながら、短い波長の紫外線に対しては立方格子構造の単結晶でさえかなりの固有複屈折を呈し、それからつくった光学素子の結像忠実度を損なうことが分かる。
【0005】
紫外線に対する抵抗性と透過性についてマイクロリソグラフィーに使用するに適している多くの結晶質材料の化学的抵抗性はよくない。このことは、その結晶からつくられた光学素子が液体と接触しているとき、例えば「液浸リソグラフィー」と称する技術により作動するマイクロリソグラフイック投影システムの場合に特に欠陥となる。この液浸リソグラフィーでは、レンズ系の最後段の光学素子と露光しようとする基板との間の間隙に空気よりも高い屈折率を有する液体を充填している。
【0006】
ブリッジマン法として知られている標準的な坩堝溶融法により人造結晶を製造することによる別の困難は、その方法が坩堝材料からの不純物を結晶に入れてしまって、それにより使用波長範囲で吸収帯を生じさせてしまうことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、250nm以下の波長の紫外線放射に対して低吸収、低複屈折、高化学抵抗性そして高放射線抵抗性を有し、それ故マイクロリソグラフィーの光学素子を製造するのに特に有用である光学素子材料を提供することである。
【0008】
さらに、本発明の目的は、そのような光学素子材料を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
材料についての本発明の目的は、多結晶構造を形成し、そして平均グレインサイズが500nmと30μmとの間にある合成石英結晶子から成る材料によって達成される。
【0010】
本発明による多結晶材料は、グレインサイズが特定範囲にある合成石英結晶子から成る。
●石英結晶子の合成製造により高純度の材料をつくることができ、250nm以下で約150nmまでの波長範囲で十分な透過率を実現する。
【0011】
●石英結晶子の特定グレインサイズはいくつもの重要な特色を示す。
a)多結晶石英構造を通る光は、細孔で分散散乱し、結晶構造の一つの結晶子からその次の結晶子への光ビームの通過毎に複屈折によりさらに光が分散することによってその通過は減少する。
通常、結晶構造の石英は、573℃の温度まで常圧で安定している三方晶系のα‐クオーツフェーズとなっている。この多結晶質石英材料における複屈折に基づく散乱量は、構造粒子のサイズが小さいことで減少する。このことから石英結晶子の最大平均サイズは30μmとなる。
b)他方、多結晶石英構造を光が通過する際、粒子境界での散乱による損失部分が認められる。それ故、光分散は粒子限界の数が増加するにつれて増加し、従って単位体積当たりの石英結晶子の数が増大するにつれて増加する。このことから石英結晶子の最小平均サイズは0.5μmとなる。
c)さらに、個別の石英結晶子の複屈折の効果は、多結晶構造における個々の結晶子の配向の統計的分布により相殺され、その材料からつくられた光学素子の複屈折は小さくなって、概して1nm/cmよりも小さい
●さらに、特に重要であることは、多結晶SiO材料は、結晶構造であるので、石英ガラスに比しても短波長の紫外線に対し明確に高い抵抗性を有していることである。
【0012】
石英結晶子の平均グレインサイズの決定は、主として標準のソフトウェア制御によるイメージ評価により行われ、また所謂サークル・メソッドによっても行われる。
【0013】
本発明の結晶質のSiO材料は、紫外線の短かい波長範囲において透過率が高く、紫外線に対して抵抗性があり、そして化学的にも抵抗性があるので、光学素子、特に液浸リソグラフィーを含むマイクロリソグラフィーの光学素子の製造に適している。
【0014】
短波長の紫外線波長範囲内での放射線に使用する光学素子を製造するのに本発明の材料を使うことについては、石英結晶子の平均グレインサイズが750nmと20μmとの間、好ましくは平均グレインサイズが1μmと15μmとの間、特に好ましくは平均グレインサイズが2μmと10μmとの間にあると有用であることが判明している。
【0015】
これらのグレインサイズの範囲の上限と下限とは、複屈折に起因する散乱量に関して上に説明したところに従って、粒子境界での散乱による伝播損失、結晶配向の統計的分布による複屈折の効果の低減によって決まる。
【0016】
散乱が少ないということでは、材料の全気孔率が1ppmよりも小さいときに有利であることが判明している。
【0017】
このことでは、材料中に存在しうる細孔のサイズも中心的な役割を果たしている。存在する細孔の大きさが1μmよりも小さいのが有利であり、0.5μmよりも小さいのが好ましい。
【0018】
そのような材料からブランクを製造する方法については、上記の目的は、
(A)平均グレインサイズが500nmと30μmとの間にある合成石英結晶から成る粒子を調整し、そして
(B)それらの粒子を燒結して多結晶石英のブランクを得る
方法によって達成できる。
【0019】
本発明により光学素子の材料を製造するには、グレインサイズが特定範囲にある合成石英結晶の粒子を燒結すればよい。
●石英結晶子の合成製造により高純度の材料をつくることができ、250nm以下で約150nmまでの波長範囲で十分な透過率を実現する。
●多結晶石英のブランクを得るための石英結晶の燒結中は、それらのグレインサイズは変化しないか、もしくは極僅か変化するだけである。こうして燒結多結晶ブランクは、平均グレインサイズが500nmから30μmの範囲の石英結晶子から成り、それによって本発明の材料について上に述べた効果と、光散乱と複屈折の低減とは達成される。
●こうしてつくられた材料の結晶構造によって、その材料は、短波長の紫外線に対する抵抗性が石英ガラスに比してはるかに大きく顕著となる。
【0020】
本発明による多結晶SiO材料は、短波長紫外線範囲における透過率が高く、紫外線に対する抵抗性そして化学的な抵抗性により、光学素子、特に液浸リソグラフィーを含むマイクロリソグラフィーの光学素子の製作に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の製造方法の好ましい実施例において、工程(A)による石英結晶粒子の調整が、
(a)500℃までの温度範囲において気化するシリコン化合物の加水分解もしくは酸化により非晶質のSiOを形成する工程と、
(b)この非晶質のSiOを、合成石英種結晶をつくる原料として使う工程と、
(c)この石英種結晶を使って石英結晶粒子を形成する工程と
を備えている。
【0022】
第一の工程において、非晶質のSiO粒子は、既知のプラズマもしくはCVD堆積法(OVD、VAD、MCVD、PCVDなど)により形成され、該堆積法では、500℃までに気化する合成シリコン化合物がガラス出発材料として使われ、そして非晶質のSiO粒子が該出発材料から形成される。
【0023】
容易に扱える500℃以下の温度で合成シリコン化合物が気化するため、その化合物について比較的容易に究極的な純度を達成できる。このことは非晶質のSiO粒子の純度に特に有用な効果をもたらしている。
【0024】
このようにして作製された粒子状もしくは塊状のSiO原料を使って合成石英種結晶をつくる。ここで非晶質のSiO粒子の原料を結晶質材料に変換するのであるが、それには溶融体からの成長、溶液からの成長そしてセラミック成長による既知の結晶合成法が適している。合成されたガラス出発材料は、それからつくられた非晶質のSiO粒子とSiO原料の両方で、そしてまた合成石英種結晶でも高い純度を保障している。こうしてつくられた合成石英種結晶は、単結晶として、または多結晶として、もしくは多数の結晶(単結晶もしくは多結晶)として存在する。
【0025】
石英種結晶は、グレインサイズがそのままで適しているという条件で石英結晶果粒として直接使用されるか、もしくは処理して石英結晶粒にする。
【0026】
工程(a)による非晶質のSiOの形成が、非晶質のSiOの塊状のプリフォームを形成伴ってのSiO粒子の堆積を備えるとき特に有利である。
【0027】
これは、光学技術でもしくは遠隔通信技術で使用する素子をつくる合成石英ガラスのブランクをつくる一般に知られ、証明されてもいる方法工程である。
【0028】
続いて、ガラス様の塊状の合成SiOプリフォームが、合成石英種結晶をつくる原料として使用される。
【0029】
このことは、通常、プリフォームの機械的もしくは化学的裂開を必要とする。工程(b)により合成石英種結晶をつくる原料として非晶質のSiOを使用することは、非晶質のSiOのプリフォームを裂開してそのサイズを小さくし、もしくはそれを溶解することを含む。
【0030】
プリフォームが多孔性のSiOから形成されているときは、特に容易にプリフォームを裂開できる。
【0031】
そのような多孔性のSiOのプリフォームは「スートボディ」とも称される。プリフォームをスートボディとして形成することは、その後の処理、所望されるクリーニングもしくはドーピングを可能にするかもしくは単純化する。水酸基の含有量を少なくするための脱水処理を特にここで挙げておく。
【0032】
他方で、多孔性であるスートボディは周囲からの物質を吸収する傾向があるので、それらを貯蔵しておいたり、取り扱うことが困難となる。それ故、プリフォームは、密度が少なくとも2.1g/cmである透明もしくは半透明な石英ガラスからできていると、有用であることも判明している。
【0033】
密度が高いと、結晶成長のための出発材料としてプリフォームを使用する前でのSiOの汚染の危険性を少なくすることができる。
【0034】
工程(b)による合成石英種結晶の形成は熱水法により行われるのが有用であることが判明している。
【0035】
本発明による熱水法での石英結晶の成長中、圧力容器の高温区域で非晶質のSiOの溶液がつくられ、この溶液は合成非晶質のSiOにより供給される。圧力容器の低温区域では一つもしくはそれ以上の結晶化種が配列され、その種の上に圧力容器内の温度勾配のため合成石英結晶が結晶化する。溶成物から引出した結晶とそれに伴う坩堝材料により生じる汚染の危険とを回避できる。高純度の出発材料であるためその結果としての石英種結晶は高純度という点で卓越している。
【0036】
概して、その意図している使用にとってはグレインサイズが大きすぎる石英種結晶が得られる。この場合、工程(c)により石英種結晶を石英結晶粒にする処理は石英種結晶の破砕を含むのが好ましい。
【0037】
石英種結晶の破砕は、摩砕、シェイキング、超音波などの機械的手段によって最も簡単に行え、そしてその破砕効果は熱処理(急冷)もしくは化学的手段(エッチング剤)により高められる。
【0038】
短波長の紫外線波長範囲において使用する光学素子を製造する本発明の材料の使用に関して、合成石英結晶の平均グレインサイズは750nmと20μmの間、好ましくは1μmと15μmの間、特に好ましくは2μmと10μmの間にあると有用であることが判明している。
【0039】
好ましい方法の変更態様において、処理(B)によりブランクを得るための石英結晶粒子の燒結はガス圧燒結を含んでいる。
【0040】
ガス圧燒結中、燒結されるべき石英結晶粒子を、加圧下で、そしてこのプロセス中石英の溶融温度以下の温度で加熱する。過圧が燒結プロセスを加速し、そして細孔の形成を少なくする。このことにより、全気孔率が1ppm以下の結晶材料を再現性よく生産できる。残留細孔のサイズは1μm以下であり、好ましくは0.5μm以下である。
【0041】
ブランクを光学素子を製造するために処理するとき、その処理がブランクの縁部分の除去を含んでいると有利であることが判明している。
【0042】
ブランクの縁部分は、その熱特性において、そしてその化学組成において内側部分とは異なっていることがあり、ブランクにおける望ましくない弾性応力を生じることがある。好ましくは、多結晶ブランクから、製造しようとしている素子の殆ど最終寸法になるだけの縁分量をブランクから除去するのがよい。そのために、ブランクの最終寸法に比して、ブランクは(除去分を除去する前の寸法に基づいて)少なくとも10%の余裕を持っている。残留応力の除去のためにはブランクをアニールすることが有利である。アニールは縁部分の除去前に行うのが好ましい。
【0043】
本発明を以下にその実施例について更に詳細に説明する。ここでは液浸マイクロリソグラフィーの投影系のレンズを製造する。
【実施例】
【0044】
1. 合成石英結晶からの粒子の調整
1.1 SiClの火炎加水分解による非晶質のSiOの形成
SiOのスートボディはOVD法と呼ばれる方法によってつくられ、それ以外は合成SiOから石英ガラスボディを製造する際の標準通りである。この目的のため、一組の堆積バーナーを往復運動させることにより、SiOの粒子を、長手方向軸の周りに回転するキャリヤーに層状に堆積させる。堆積バーナーにSiClをガラス出発材料として供給する。この材料は酸素の存在下でバーナー火炎内で加水分解されてSiOになる。
【0045】
沈着プロセスを完了し、キャリヤーを取除くと、中空円筒状のスートボディが得られる。製造プロセス中入りこんだ水酸基を取除くためスートボディを脱水処理する。このためスートチューブを垂直にして脱水炉に入れ、そして真空中で約1200℃程度の温度で処理する。
【0046】
その処理期間は約3時間であり、これにより水酸基濃度が約20wtppmとなる。
【0047】
このようにして処理されたSiOスートボディを溶固炉で約1600℃の温度でガラス化して透明な石英ガラスボディとし、そして続いてこのボディを石英ガラスで内張りしたミル内で粉砕する。ここでは広いサイズ範囲の破砕片が得られる。
【0048】
1.2 種結晶の合成のための石英ガラス破砕片の挿入
「熱水法」により合成石英結晶をつくるための原料として石英ガラス破砕片を使う。
【0049】
垂直に配置したオートクレーブに120barの圧力と350℃(上部)と400℃(下部)との間の温度勾配をつくる。下部において、石英ガラス破砕片は溶けてややアルカリ性の溶液となる。オートクレーブの上部において、向きを揃えて切断された石英ガラスプレートが種として配列されている。底部から頂部への温度勾配ができているので、下部で溶けた石英ガラスは石英プレートの上で凝縮し、1日約1.5mmの結晶成長速度で合成石英種結晶を形成する。
【0050】
このようにしてつくった石英種結晶は特に高純度であり卓越している。以下の典型的な不純物が測定される(括弧内の数値はwtppbである):Li(100)、Na(15)、K(<20)、Mg(<20)、Ca(<30)、Fe(70)、Cu(<10)、Ti(<10)、Al(20)。
【0051】
1.3 石英結晶粒の形成のための石英種結晶の使用
このようにして調製した石英種結晶を、石英ガラスを内張りしたミル内で乾式摩砕法で摩砕して、合成石英結晶の微粉粒子を得る。得られた粒子から、グレインサイズが100nm以下の微粒子を分離する。こうしてできた石英粒子の平均直径は5μm、そして実質的に丸い粒子である。
【0052】
2. 多結晶石英を得るための石英結晶粒の燒結
そのできた合成石英結晶粒を出発材料とし、ガス圧燒結により多結晶石英からブランクをつくる。
【0053】
合成粒子をグラファイトモールドに入れて、1600℃の温度で処理する。1mbar以下の負圧を保ちながらグラファイトモールドを先ず1600℃の燒結温度に加熱する。この燒結温度に到達した後、10barの過圧を炉内に設定し、そしてモールドを約3時間その温度に保つ。次いで、2℃/分の冷却速度で400℃の温度に冷却する。過圧は保っている。その後、室温まで放冷する。
【0054】
これにより、均質で内部応力のない中実円柱の多結晶透明石英を生じ、その気孔率は0.5ppmであって、石英結晶子の平均グレインサイズは約5μmである。
【0055】
この中実円柱の直径は300mmであり、高さは80mmである。それを処理して投影対物レンズのブランクを得るのであるが、その際5mmの縁層を両面から磨り落し、そして厚み20mmの縁層を円筒外面から磨り落す。
【0056】
投影対物レンズは、短波紫外線範囲で透過率が高く、紫外線抵抗性が高く、化学的抵抗性も殆どすべての媒体に対して優れており、それゆえマイクロリソグラフィーに使用するのに適し、特に液浸リソグラフィーにおける浸漬液体と接触する最後段の光学素子として使用するに適している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶構造を形成し、そして平均グレインサイズが500nmと30μmとの間にある合成石英結晶子から成ることを特徴とする、特にマイクロリソグラフィーに使用する光学素子に適した材料。
【請求項2】
石英結晶子の平均グレインサイズが750nmと20μmとの間にある請求項1に記載の材料。
【請求項3】
石英結晶子の平均グレインサイズが1μmと15μmとの間にある請求項1に記載の材料。
【請求項4】
石英結晶子の平均グレインサイズが2μmと10μmとの間にある請求項1に記載の材料。
【請求項5】
全気孔率が1ppmよりも小さい請求項1〜4のいずれかに記載の材料。
【請求項6】
存在する細孔の大きさが1μmよりも小さい請求項1〜5のいずれかに記載の材料。
【請求項7】
存在する細孔の大きさが0.5μmよりも小さい請求項1〜5のいずれかに記載の材料。
【請求項8】
特にマイクロリソグラフィーに使用するのに適した光学素子の材料の製造方法において、
(A)平均グレインサイズが500nmと30μmとの間にある合成石英結晶から成る粒子を調整し、そして
(B)それらの粒子を燒結して多結晶石英のブランクを得る
ことを特徴とする製造方法。
【請求項9】
工程(A)による石英結晶粒子の調整が、
(a)500℃までの温度範囲において気化するシリコン化合物の加水分解もしくは酸化により非晶質のSiOを形成する工程と、
(b)この非晶質のSiOを、合成石英種結晶をつくる原料として使う工程と、
(c)この石英種結晶を使って石英結晶粒子を形成する工程と
を備えている請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
工程(a)による非晶質のSiOの形成が、非晶質のSiOの塊状のプリフォームの形成を伴ってのSiO粒子の堆積を備える請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
工程(b)による合成石英種結晶をつくる原料としての非晶質のSiOの使用が、非晶質のSiOのプリフォームの裂開を備える請求項9に記載の製造方法。
【請求項12】
プリフォームが多孔性のSiOから形成される請求項10または11に記載の製造方法。
【請求項13】
工程(b)により合成石英種結晶をつくることが熱水法により行われる請求項9〜12のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
工程(c)による石英種結晶を処理しての石英結晶粒子の形成が、石英種結晶の破砕を備えている請求項9〜13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
石英結晶子の平均グレインサイズが750nmと20μmとの間にある合成石英結晶を製造することを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の製造方法。
【請求項16】
石英結晶子の平均グレインサイズが1μmと15μmとの間にある合成石英結晶を製造することを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の製造方法。
【請求項17】
石英結晶子の平均グレインサイズが2μmと10μmとの間にある合成石英結晶を製造することを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の製造方法。
【請求項18】
処理(B)によりブランクを得るための石英結晶粒子の燒結がガス圧燒結を備えている請求項9〜17のいずれかに記載の製造方法。
【請求項19】
光学素子のブランクとするための素材処理がブランクの縁部分の除去を備えている請求項9ないし18のいずれかに記載の製造方法。


【公開番号】特開2007−290950(P2007−290950A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45132(P2007−45132)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(503342524)ヘレウス クワルツグラス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (13)
【出願人】(000190138)信越石英株式会社 (183)
【Fターム(参考)】