説明

マイクロ波計測方法、計測装置、及び発振器

【課題】計測されるべき対象物(210)をマイクロ波放射線を使用して計測する解決策を提供する。
【解決手段】フィードバック結合された能動ユニット(100)によって発振エネルギを発生する。この解決策は、少なくとも一つの発振器で共振を発生することを含む。各発振器は、少なくとも一つの開放共振器(200)を含み、各共振器は、計測されるべき対象物(210)を共振器の機能的部分として使用することによって、少なくとも一つの能動ユニット(100)に連結され、計測されるべき対象物(210)により、計測されるべき対象物(210)の表面(212)の位置に応じた共振周波数を各発振器で発生する。計測部分(420)は、計測されるべき対象物(210)の少なくとも一つの特性を各発振器の共振周波数に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも表面が導体でできた計測されるべき対象物のマイクロ波計測を行うための方法に関する。本発明は、更に、計測装置及び発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性の、通常は平らなピースにおいて、ピースの厚さ及び/又はその厚さと平行なこの他の寸法をマイクロ波計測を使用して計測してもよい。マイクロ波計測では、計測共振器の共振周波数は、計測されるべきピースの厚さ寸法で決まる。例えば、この目的のため、円筒形共振器即ちファブリ−ペロ共振器を使用してもよい。マイクロ波放射線を発生する発振器の周波数を計測帯域に亘って走査することによって、共振周波数を見つけることができる。計測されるべきピースの厚さ寸法は、見つけた共振周波数の関数として決定できる。
【0003】
しかしながら周波数の走査には多くの問題点がある。周波数走査に基づく計測装置は、発振器の周波数を変化する走査電子装置を必要とするため、複雑であり且つ高価である。更に、全ての計測帯域周波数で計測を行わなければならないため、周波数走査には時間がかかり、及びかくして計測結果が得られるまで時間がかかる。移動する振動しているプレートの厚さを周波数走査を適用して計測することには問題がある。これは、プレートの両側で距離を迅速に、同期して、及び完全に同時に行うのが不可能であるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改良したマイクロ波計測方法、計測装置、及び発振器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、フィードバック結合された能動ユニットによって発振器用の発振エネルギを発生する工程を含む、計測されるべき対象物をマイクロ波放射線によって計測するための方法によって達成される。この方法は、少なくとも一つの発振器に対して共振を発生する工程であって、各発振器は、少なくとも一つの開放共振器を備えており、各共振器は、計測されるべき対象物を共振器の機能的部分として使用することによって、少なくとも一つの能動ユニットに連結されており、計測されるべき対象物は、計測されるべき対象物の表面の位置に応じて共振周波数を各発振器で発生する、工程と、計測されるべき対象物の少なくとも一つの特性を、発振器の共振周波数に基づいて、計測部分を使用して決定する工程とを含む、ことを特徴とする
本発明は、更に、マイクロ波周波数で作動する少なくとも一つの発振器を備えており、各発振器は、発振エネルギを発生するためのフィードバック結合された能動ユニットを備えている、マイクロ波周波数で計測を行うための計測装置に関する。発振器は、少なくとも一つの開放共振器を備えており、各共振器は少なくとも一つの能動ユニットに連結されており、各能動ユニットは、計測時に各共振器に発振エネルギを供給し、計測されるべき対象物は共振器の機能的部分として作用し、計測されるべき対象物は発振器で共振を生じるように形成されており、各開放共振器は、計測されるべき対象物の表面の位置に基づいて各発振器の共振周波数を決定するように形成されており、計測装置は、計測されるべき対象物の少なくとも一つの特性を各発振器の共振周波数に基づいて決定するように形成された計測部分を備えている。
【0006】
本発明は、更に、発振エネルギを発生するためのフィードバック結合された能動ユニットを備えた、マイクロ波周波数で計測を行うための発振器に関する。発振器は、能動ユニットに連結された少なくとも一つの開放共振器を備えており、能動ユニットは、発振エネルギを共振器に供給し、計測されるべき対象物は、共振器の機能的部分として役立ち、計測されるべき対象物は、発振器に共振を生じるように形成されており、開放共振器は、発振器の共振周波数を計測されるべき対象物の表面の位置に基づいて決定するように形成されている。
【0007】
本発明の好ましい実施例は、従属項に開示してある。
【0008】
本発明の方法及び構成により、多くの利点が提供される。共振周波数を周波数走査なしで決定できる。これにより、解決策は、迅速に、簡単に、及び対費用効果に優れたものとなる。更に、振動しているプレートの特性を計測するために計測を使用できる。
【0009】
本発明を、好ましい実施例及び添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
開示の解決策は、導電性の表面を備えた対象物の計測に適用できる。その用途には、鋼、銅、又はアルミニウムのプレート等の金属製対象物、導体でコーティングした絶縁プレートが含まれるがこれらに限定されない。
【0011】
図1を参照し、先ず最初に、フィードバック結合された発振器を検討する。発振器1000は、能動ユニット100、フィードバック結合素子102、及び加算器104を含む。能動ユニット100は、一つ又はそれ以上の能動電子部品を含んでいてもよい。能動部品は、作動のために電源(図1には示さず)から端子106に作動電圧及び電流が供給されることを必要とする部品である。例えば、トランジスタは能動部品である。フィードバック結合素子102は、作動する上で作動電圧や電流を必要としない一つ又はそれ以上の受動部品を含んでいてもよい。加算器104は必ずしも必要とされない。これは、フィードバック結合素子102からの信号が、発振器用の入力信号として十分であるためであり、また、加算器104は簡単には、互いに結合されたワイヤで実施されてもよい。
【0012】
発振器フィードバック結合は、通常は、正のフィードバック結合を使用して実施される。図1の結合の伝達関数T(ω)は、以下のフォーマットをとる。
T(ω)=A(ω)/[1−H(ω)A(ω)]・・・(1)
ここで、ωは2πfであり、fは周波数であり、π≒3.1415926であり、A(ω)は、周波数の関数としての能動部品の増幅/伝達関数である。H(ω)は、フィードバック結合素子の周波数の関数としての伝達関数である。図1の結合は、バルクハウゼン基準の2つの条件を満たすならば、発振器を形成する。これらの基準は、所望の全計測帯域で、開ループの位相シフトが2πn(n=0、1、2...)(正のフィードバック結合)でなければならないということ、及び開ループ増幅H(ω)A(ω)が≧1でなければならないということである。能動ユニット100は、かくして、フィードバック結合によって不安定状態をとり、適当な共振器によって、共振周波数で共振するように結合を行うことができる。
【0013】
図2は、マイクロ波計測に適した発振器の解決策を示す。二つのポートを備えたこの2ポート解決策は、二つの並列なフィードバック結合を使用し、開放共振器200が能動ユニット100の出力202と入力204との間に結合されている。能動ユニット100からマイクロ波放射線が共振器200に伝達ライン206で供給され、放射線は、共振器のミラー208によって、計測されるべき対象物210に差し向けられる。マイクロ波放射線は、計測されるべき対象物210から反射されて戻り、これによって、計測されるべき対象物210の上面212と共振器のミラー208との間の距離dに応じて共振器200に共振定常波が提供される。定常波の長さは、半波長の倍数であり、数学的にはd=n(λ/2)と表現される。ここで、nは整数1、2、...であり、λは波長である。ミラーの形状は、湾曲した球面であってもよいが、放物線又はマイクロ波放射線を計測されるべき対象物210に差し向ける何らかの他の形状であってもよい。
【0014】
かくして、例えば計測されるべき対象物210の厚さの変化により共振器ミラー208と計測されるべき対象物210の上面212との間の距離が変化した場合、共振マイクロ波放射線の波長λもまた、外側計測なしで変化する。概括的に述べると、共振マイクロ波放射線の波長は、計測されるべき対象物210の特性又は対象物に影響を及ぼす特性が変化するときに変化する。例えば、対象物を共振器ミラーから引き離す(又は近付ける)力が、計測されるべき対象物に加わってもよい。計測されるべき対象物と共振器ミラーとの間の距離が変化する場合、対象物の物理的特性又は対象物に影響を及ぼす力等の特性を決定できる。この解決策では、走査又は任意の他の方法によって共振周波数を探す必要がないが、共振器200が発振器の発振周波数を直接決定する。かくして、開放共振器200は、ファブリ−ペロ型共振器であってもよい。共振マイクロ波放射線は、例えば伝達ライン214で受信され、おそらくは位相シフタ216で1位相のシフトが行われた後、受信されたマイクロ波放射線を能動ユニット100に連結して戻す。能動ユニット100は、発振器で共振を維持するための発振エネルギを発生する。能動ユニット100の出力202からの共振周波数信号の部分を、計測を行うため、例えば方向性結合器218によって更に伝達できる。
【0015】
図3は、開放共振器200が能動ユニット100の入力304に結合された直列フィードバック結合を示す。フィードバック結合は、能動ユニット100に組み込まれていてもよく、その場合、能動ユニットは発振器として機能する。この解決策は、単ポート結合とも呼ばれる。マイクロ波放射線は伝達ライン304を介して開放共振器200に通過し、この共振器のミラー208が、放射線を、計測されるべき対象物210に差し向ける。マイクロ波放射線は、計測されるべき対象物210によって反射されて戻り、これによって、共振器のミラー208と計測されるべき対象物210の上面212との間の距離dに応じて変化する共振定常波が形成される。かくして、例えば計測されるべき対象物210の厚さの変化により、共振器のミラー208と計測されるべき対象物210の上面212との間の距離が変化した場合、共振マイクロ波放射線の波長λもまた、図1におけるのと同様に変化する。共振マイクロ波放射線は、この放射線を共振器200に供給するのに使用されたのと同じ伝達ライン304で受け取られる。受け取られたマイクロ波放射線は、能動ユニット100を通過する。このユニットは、かくして形成された発振器での共振を維持するための発振エネルギを発生する。例えば計測を行うため、能動ユニット100の出力202から、更に、共振周波数の信号を搬送できる。
【0016】
図2及び図3に示すように、発振器は、能動ユニット100に連結された開放共振器200を含む。開放共振器200は、マイクロ波放射線を反射する計測されるべき対象物210が、計測の時点で、共振器の機能的部分として使用される、所定の方向にマイクロ波放射線を差し向ける。開放共振器200は、かくして、計測されるべき対象物210の表面212の位置に従って発振器の共振周波数を決定する。一般的には、発振器は、開放共振器を一つ以上備えていてもよい。更に、複数の発振器を備えていてもよい。
【0017】
図4は、マイクロ波に基づいて作動する計測装置のブロックダイヤグラムである。目的は、計測されるべき対象物の少なくとも一つの特性を計測するために計測装置を使用することである。この解決策は、互いに向き合うように差し向けられた二つの開放共振器を使用する。このことは、対象物が、計測の時点で、これらの間で計測されるということを意味する。互いに向き合った二つの共振器は、共振器対を形成する。計測されるべき対象物210を互いに向き合った共振器ミラー400、430間に置いたとき、2つの共振器402、432が形成される。共振器402の共振周波数は、共振器ミラー400と計測されるべき対象物210の上面212との間の距離によって決定される。これと対応して、共振器432の共振周波数は、共振器ミラー430と計測されるべき対象物210の下面213との間の距離によって決定される。非定常状態に調整した能動ユニット100は、共振器402に対してエネルギを発生し、共振器402の共振周波数で共振する発振器を共振器402とともに形成する。これと対応して、非定常状態に調整した能動ユニット101は、共振器432に対してエネルギを発生し、共振器432の共振周波数で共振する発振器を共振器432とともに形成する。
【0018】
能動ユニット100の出力信号を、例えば方向性結合器404によって、デジタル信号演算処理ユニット406を含む計測部分420に結合してもよい。デジタル信号演算処理ユニット406は、共振周波数に基づいて距離d1を決定してもよい。これは、共振周波数fの以下の式からd1を計算することによって行われる。
f=c(q+1+((2p+l+1)/p))arctan((d1/(r0-d1)1/2)) ・・・(2)
ここで、fはマイクロ波放射線の共振周波数であり、cはマイクロ波放射線の速度であり、r0 はミラーの球面の半径であり、p、l、及びqは共振形態の指標であり、q+1は共振器の半波長の数である。
【0019】
能動ユニット101の出力信号を、例えば方向性結合器434によって、デジタル信号演算処理ユニット436を含む計測部分420に結合してもよい。信号演算処理ユニット436は、共振周波数に基づいて距離d2を決定する。これは、距離d1について行われたのと同様に実施できる。信号ユニット406、436の計測データを、計測されるべき対象物210の厚さ寸法を形成するコンピュータ450に入力してもよい。
【0020】
実際には、別の信号演算処理ユニット406、436は、通常は、計測部分420では必要とされず、信号の演算処理は共通の信号演算処理ユニットで行われる。実際には、多くの場合、別々の信号演算処理ユニット406、436及び別体のコンピュータ450を使用することは必ずしも必要とされず、方向性結合器404、434から来入する信号を、例えば計測部分420として機能し且つ必要な計測結果を形成するデジタル信号演算処理装置で演算処理してもよい。
【0021】
通常は可能な限り変化しないように保持される共振器ミラー400、430間の距離Dが計測時に知られている場合には、計測されるべき対象物の厚さdxは、例えば以下の等式を適用することによってコンピュータ450で決定できる。
dx=D−(d1+d2)・・・(3)
ここで、d1は計測されるべき対象物210の上面212からのミラー400の距離であり、d2は計測されるべき対象物210の下面213からのミラー430の距離である。共振器ミラー間の距離Dが、例えば熱膨張により変化した場合には、共振周波数fは、互いに向き合った二つのミラーが形成する共振器から、以下の式を適用することによって計算できる。
f=c(q+1+((2p+l+1)/p)arccos(1-D/R0))/2D ・・・(4)
以上に基づく計測装置の自動較正を以下に更に詳細に説明する。
【0022】
図5は、計測されるべき対象物210の両側で共振器対を機械的に移動できる解決策を例示する。計測フレーム500はホイール504、506を備えていてもよく、例えばこれらのホイールでフロア上に載止する。また、これらのホイールにより計測フレーム500を移動できる。制御された伝達では、ホイール504を回すモータ502が設けられていてもよく、これにより共振器402、432を所望の計測開始位置に置く。この場合、コンピュータ450がモータ502を制御し、共振器402、432を計測されるべき対象物の表面に亘って移動し、即ち計測されるべき対象物210を走査し、デジタル信号演算処理装置508が複数の計測点で距離d1及びd2を計測する。デジタル信号演算処理装置508は、計測データから、例えば計測されるべき対象物の厚さdxを幅の関数として計算する。即ち、dx(i)=D[d1(i)+d2(i)]。ここで、iは、幅方向での計測点指標である。
【0023】
図6は、計測フレームが計測されるべき対象物210の両側に複数の共振器を備えた解決策を例示する。計測されるべき対象物の異なる側に配置された共振器は、図6におけるように、互いに向き合った対をなして配置されていてもよい。計測されるべき対象物210の計測は、共振器600−610の位置に従って行われてもよい。かくして、例えば、厚さの値を以下のように次々に決定できる。即ち、dx(i)=D-[d1(i)+d2(i)] 、即ちdx(1)=D-[d1(1)+d2(1)] 、dx(2)=D-[d1(2)+d2(2)] 、及びdx(3)=D-[d1(3)+d2(3)] である。この解決策は、計測されるべき対象物の表面を共振器で走査する代わりに使用できるが、走査とともに使用することもできる。
【0024】
厚さの代わりに、又は厚さに加えて、対象物の輪郭を計測してもよい。この場合、計測されるべき対象物は、幾つかの点で所定の直線に従って、厚さの計測におけるのと同様に計測される。各輪郭は、寸法d1及びd2を考慮して計測され、これによって、厚さ及び計測線上の表面の形状の変化が得られる。
【0025】
対象物をその平坦度に関して計測してもよい。平坦度は、計測されるべき対象物の後部の線の長さ方向での変化として決定される。
【0026】
更に、図6の実施例のように並列の共振器を備えた計測装置を、計測フレームの撓みの計測に使用することができる。その場合、補正により、計測されるべき対象物の計測値から計測フレームの撓みをなくすことができる。例えば、図6の計測装置によって対象物を計測することにより、計測装置をその製造直後に使用して厚さが均等な直線状の基準プレートを計測する場合、図7に示す一方の厚さ曲線が得られる。これに対し、長期間(例えば1年)使用した後、計測装置による計測結果は曲線702が示すようになる。曲線700及び702が示す直線の角度係数の変化は、計測フレームが撓んで小さな角度が形成されることによる。即ち共振器604と610との間の距離の多くが短くなるという悪影響を被るのである。計測されるべき対象物が変化していないため、計測対象に関する計測結果をコンピュータ又は信号演算処理装置で補正してもよい。
【0027】
図4、図5、及び図6におけるように互いに向き合った二つの共振器を使用する場合、計測装置は、この装置自体が、以下に述べる方法で、自動的に較正を行ってもよい。共振器間に実際の計測対象がない場合、計測装置は、共振器ミラーを計測されるべき対象物として使用してもよい。この場合、計測装置は、共振器ミラー間の距離Dを計測する。この距離は変化してはならず、即ち前もって決定される。ミラーに塵埃が付着している場合、ミラーの形状が変化した場合、又は共振器内の空気の湿度又は密度が変化した場合には、計測結果が変化してしまう。これらの作用は全て、計測対象を実際に計測することにより補正でき、かくして計測精度を向上できる。例えば製造を中断した場合、計測フレームを計測軌道から引き離した場合、又は金属シートを製造する場合にローラーに新たなバンドを設けた場合、計測されるべき対象物は共振器間にない。両方向で行われるこの較正計測は、混乱を避けるため、交差分極(crosswise polarizations) に基づいて行われる。
【0028】
次に、図8のフローダイヤグラムを参照して開示の解決策を更に詳細に検討する。工程800では、フィードバック結合された能動ユニットが発生した発振エネルギを発振器に提供する。工程802では、少なくとも一つの発振器で共振を発生する。各発振器は、少なくとも一つの開放共振器200を含み、各共振器は、計測されるべき対象物210を共振器の機能的部分として使用することによって少なくとも一つの能動ユニット100に連結されており、これによって、計測されるべき対象物210により、各発振器の共振周波数を、計測されるべき対象物210の表面212の位置に応じて変化する。工程804では、計測部分420を使用し、計測されるべき対象物210の少なくとも一つの特性を各発振器の共振周波数に基づいて決定する。工程804は、例えば、方法の工程を実施するためのルーチンを含むコンピュータプログラムによって実施できる。販売の目的のため、例えば、コンピュータプログラムは、CD−ROM(読み取り専用コンパクトディスクメモリ)等のコンピュータで読み取ることができるメモリに記憶されていてもよい。コンピュータプログラムは、サーバーから(例えばインターネットを介して)計測装置にダウンロードできる通信信号に含まれていてもよい。
【0029】
計測部分420は、コンピュータプログラムの代わりに、例えば一つ又はそれ以上のASIC回路(特定用途用集積回路)の形態、又は専用の部品を含む作動論理等のハードウェア解決策を使用して実施してもよい。
【0030】
以上、本発明を添付図面の例を参照して説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲の範囲内で様々に変化してもよいということは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、フィードバック結合された増幅器に基づく発振器の図である。
【図2】図2は、開放共振器及び2ポートカップリングを備えた発振器の図である。
【図3】図3は、開放共振器及び単ポートカップリングを備えた発振器の図である。
【図4】図4は、共振器対による計測を示す図である。
【図5】図5は、走査計測フレームを示す図である。
【図6】図6は、複数の共振器対を備えた計測フレームを示す図である。
【図7】図7は、計測フレームの撓みを示す図である。
【図8】図8は、方法のフローダイヤグラムである。
【符号の説明】
【0032】
1000 発振器
100 能動ユニット
102 フィードバック結合素子
104 加算器
106 端子
200 開放共振器
202 出力
204 入力
206 伝達ライン
208 ミラー
210 計測されるべき対象物
212 上面212
216 位相シフタ
218 方向性結合器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィードバック結合された能動ユニット(100)によって発振器用の発振エネルギを発生する工程を含む、計測されるべき対象物をマイクロ波放射線によって計測するための方法において、更に、
少なくとも一つの発振器に対して共振を発生する工程であって、各発振器は、少なくとも一つの開放共振器(200)を備えており、各共振器は、計測されるべき対象物(210)を前記共振器の機能的部分として使用することによって、少なくとも一つの能動ユニット(100)に連結されており、前記計測されるべき対象物(210)は、前記計測されるべき対象物(210)の表面(212)の位置に応じて共振周波数を各発振器で発生する、工程と、
前記計測されるべき対象物(210)の少なくとも一つの特性を、前記発振器の共振周波数に基づいて、計測部分(420)を使用して決定する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記計測装置は、計測時に、前記計測されるべき対象物(210)が間に置かれるように互いに向き合うように差し向けられた少なくとも一つの共振器対(402、432、600−610)を備えている、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記計測されるべき対象物(210)と共振器(402、432、600−610)との間の距離に基づいて前記発振器に対して共振周波数を発生し、前記計測されるべき対象物(210)の厚さを前記計測部分(420)での共振周波数に基づいて決定する、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記計測装置が複数の共振器対を備えており、前記計測されるべき対象物(210)を複数の点で計測する場合、前記発振器の共振周波数を、前記計測されるべき対象物(210)と共振器(402、432、600−610)との間の距離に基づいて発生し、前記計測されるべき対象物(210)の輪郭を、前記計測部分(420)での共振周波数に基づいて決定する、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記計測装置が複数の共振器対を備えており、前記計測されるべき対象物(210)を複数の点で計測する場合、前記発振器の共振周波数を、前記計測されるべき対象物(210)と共振器(402、432、600−610)との間の距離に基づいて発生し、前記計測されるべき対象物(210)の平坦度を、前記計測部分(420)での共振周波数に基づいて決定する、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記計測装置が複数の共振器対を備えている場合、所定の基準点を計測し、計測フレーム(500)の撓みを、前記計測部分(420)で、計測した特性と所定の特性との間の差として決定する、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記計測フレーム(500)の撓みを、前記計測されるべき対象物(210)の計測値から、前記計測部分(420)で補正する、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記計測装置が複数の共振器対を備えており、これらの共振器のミラー(400、430)が互いから所定距離のところにある場合、各共振器は向き合った共振器ミラー(400、430)を前記計測されるべき対象物として適用するように配置され、前記共振器対の前記ミラー(400、430)間の距離は、前記計測部分(420)で決定され、計測した距離と所定の距離との間の差に従って計測結果を補正する、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
マイクロ波周波数で作動する少なくとも一つの発振器を備えており、各発振器は、発振エネルギを発生するためのフィードバック結合された能動ユニット(100)を備えている、マイクロ波周波数で計測を行うための計測装置において、
前記発振器は、少なくとも一つの開放共振器(200、232、402、432、600−610)を備えており、各共振器は少なくとも一つの能動ユニット(100)に連結されており、
各能動ユニット(100)は、計測時に各共振器(200)に発振エネルギを供給し、計測されるべき対象物(210)は前記共振器の機能的部分として作用し、前記計測されるべき対象物は発振器で共振を生じるように形成されており、
各開放共振器(200、232、402、432、600−610)は、前記計測されるべき対象物(210)の表面(212、213)の位置に基づいて各発振器の共振周波数を決定するように形成されており、
前記計測装置は、前記計測されるべき対象物(210)の少なくとも一つの特性を各発振器の共振周波数に基づいて決定するように形成された計測部分(420)を備えている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項10】
請求項9に記載の計測装置において、
前記計測装置は、互いに向き合うように差し向けられた少なくとも一つの共振器対(402、432、600−610)を備えており、前記共振器対間には、計測時に、前記計測されるべき対象物(210)が配置される、ことを特徴とする計測装置。
【請求項11】
請求項10に記載の計測装置において、
各開放共振器(402、432、600−610)は、前記計測されるべき対象物(210)と各共振器(402、432、600−610)との間の距離に従って共振周波数を同時に決定するように形成されており、前記計測部分(420)は、前記計測されるべき対象物(210)の厚さを共振周波数に基づいて決定するように形成されている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項12】
請求項10に記載の計測装置において、
前記計測装置が、前記計測されるべき対象物(210)を複数の点で計測する複数の共振器対を備えている場合、各開放共振器(402、432、600−610)は、前記計測されるべき対象物(210)と各共振器(402、432、600−610)との間の距離に従って共振周波数を決定するように形成されており、前記計測部分(420)は、前記計測されるべき対象物(210)の輪郭を前記共振周波数に基づいて決定するように形成されている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項13】
請求項9に記載の計測装置において、
前記計測装置が、前記計測されるべき対象物(210)を複数の点で計測する複数の共振器対を備えている場合、各開放共振器(402、432、600−610)は、前記計測されるべき対象物(210)と各共振器(402、432、600−610)との間の距離に従って共振周波数を決定するように形成されており、前記計測部分(420)は、前記計測されるべき対象物(210)の平坦度を前記共振周波数に基づいて決定するように形成されている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項14】
請求項9に記載の計測装置において、
前記計測装置が複数の共振器対を備えている場合、前記計測装置は、所定の基準点を計測するように形成されており、前記計測部分(420)は、計測フレーム(500)の撓みを、計測した特性と所定の特性との間の差として決定するように形成されている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項15】
請求項14に記載の計測装置において、
前記計測部分(420)は、前記計測フレーム(500)の撓みを、前記計測されるべき対象物(210)の計測値から補正するように形成されている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項16】
請求項9に記載の計測装置において、
前記計測装置が複数の共振器対を備えており、これらの共振器のミラー(400、430)が互いから所定距離のところにある場合、前記計測装置は、各共振器について補正を行う目的で、向き合った共振器ミラー(400、430)を前記計測されるべき対象物(210)として使用するように形成されており、前記計測部分(420)は、前記共振器対の前記ミラー(400、430)間の所定の距離を決定するように形成されている、ことを特徴とする計測装置。
【請求項17】
発振エネルギを発生するためのフィードバック結合された能動ユニット(100)を備えた、
マイクロ波周波数で計測を行うための発振器において、
前記発振器は、前記能動ユニット(100)に連結された少なくとも一つの開放共振器(200)を備えており、
前記能動ユニット(100)は、発振エネルギを前記共振器(200)に供給し、前記計測されるべき対象物(210)は、前記共振器(200)の機能的部分として役立ち、前記計測されるべき対象物(210)は、前記発振器に共振を生じるように形成されており、
前記開放共振器(200)は、発振器の共振周波数を前記計測されるべき対象物(210)の表面(212)の位置に基づいて決定するように形成されている、ことを特徴とする発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−513757(P2008−513757A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531784(P2007−531784)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/FI2005/050321
【国際公開番号】WO2006/032730
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(507090993)
【Fターム(参考)】