説明

マイクロ流体回路

本発明は、少なくとも1種類の第2の流体の滴もしくは泡(5)を搬送する第1の流体の流れのための少なくとも1つのマイクロチャンネル(2)を具備するマイクロ流体回路(1)において、前記マイクロチャンネル(2)の高さ(h)が、滴もしくは泡(5)を、滴もしくは泡の移動の間に押し潰すように設定されていることと、前記マイクロチャンネル(2)が、前記第1の流体の流れ(F)の方向に少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの流路(3)、もしくは滴もしくは泡を捕らえるためのトラップ領域(28)を有しており、前記トラップ領域(28)もしくは前記流路(3)は、前記マイクロチャンネル中の前記第2の流体の少なくとも一定の滴もしくは泡(5)が前記流路もしくは前記トラップ領域中に引っ張られて案内されるように、前記マイクロチャンネル(2)の高さ(h)より高い高さ(hc)を有していることとを特徴とする、マイクロ流体回路に関わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種類の第2の流体の滴もしくは泡の動きを与える第1の流体が中を流れている少なくとも1つのマイクロチャンネルを具備する、マイクロ流体回路に関わる。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体回路は、同出願人の名義の特許文献1に開示されている。このマイクロ流体回路は、代表的に約100μmの幅及び約50μmの深さのマイクロチャンネルを具備する、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)のような適切な材料によって形成されている。このようなマイクロチャンネル中には、空気、水、油、試薬などのような流体の非常に低速の流れが、通り得る。
【0003】
回路を構成している材料によって波長が吸収されないレーザービームが、マイクロチャンネル中で第1の流体を流すか流れを停止させるために、もしくは第1の流体を滴へと押し潰すために、もしくは第1の流体を第2の流体に混ぜるために、マイクロチャンネル中を流れる第1の流体と、このマイクロチャンネル中に少なくとも部分的に存在する第2の流体とのインターフェースに、収束される。このレーザービームを前記流体のインターフェースに収束させることによって、このインターフェースに沿って温度勾配が発生され、熱毛管流動伝達による流体の動きが誘起される。
【0004】
同様に同出願人の名義の特許文献2に知られているように、この技術は、滴が通る少なくとも1つのマイクロチャンネルを有するマイクロ流体回路中の滴を処理するために、使用されている。使用されている方法は、滴を分類するために、大きいサイズの滴から超微小の滴を形成するために、もしくは、接触した滴を融合させてこのような滴中に含まれている流体間の反応を誘起するために、レーザービームを、搬送流体中の滴のインターフェースに、もしくは接触した滴のインターフェースに作用させることを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2006/018490
【特許文献2】WO2007/138178
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、前述の従来の処理技術と組み合わせて使用され得る、マイクロ流体回路中の滴を処理する他の方法を提供することである。
【0007】
この趣旨で、本発明は、少なくとも1種類の第2の流体の滴もしくは泡を搬送する第1の流体の流れのための少なくとも1つのマイクロチャンネルを具備するマイクロ流体回路において、前記マイクロチャンネルの高さが、滴もしくは泡を、滴もしくは泡の移動の間に押し潰すように設定されていることと、前記マイクロチャンネルが、前記第1の流体の流れの方向に少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの流路、もしくは滴もしくは泡を捕らえるためのトラップ領域を有しており、前記トラップ領域もしくは前記流路は、前記マイクロチャンネル中の前記第2の流体の少なくとも一定の滴もしくは泡が前記流路もしくは前記トラップ領域中に引っ張られて案内されるように、前記マイクロチャンネルの高さより高い高さを有していることとを特徴とする、マイクロ流体回路を提供する。
【0008】
流体中へ滴が導入された場合、このような滴の表面エネルギーは、外面が小さい場合より一層低い。従って、最小のエネルギーが、球形状の滴によって得られ、滴がこの形状から変化するのに従って、連続的に増加する。この表面エネルギーは、マイクロチャンネル中のいかなる位置に関しても、周知の量の滴のために算出され得る。従って、この滴が所定の流路によって案内されるか否かが、遊びでの力と比較することによって、予測され得る。
【0009】
マイクロチャンネル中に位置され、押し潰された滴は、実質的な外面を有している。このような滴は、自然と滴の外面を減じようとし、このような外面は、滴が前記マイクロチャンネルと流路との間の分岐部分に到達した時に、より高い流路へと移動するように滴を導く。
【0010】
かくして、滴は、前記流路によって引っ張られ、第1の流体によって前記流路に沿って移動される。
【0011】
前記流路の方向が、マイクロチャンネル中の前記第1の流体(搬送流体)の流れの方向と平行でない場合、前記流路の部分的な方向に直交する方向に前記第1の流体によって滴に与えられる粘性の牽引力(viscous drag force)が、滴を変形させて押し潰された形状に戻すために必要な牽引力よりも弱い限り、滴は、前記流路中に位置される。
【0012】
この現象は、種々のパラメータ、例えば、搬送流体の粘性、滴の流体の粘性、滴の大きさ、搬送流体の速度、表面張力、流路の形状、マイクロチャンネルの厚さなどによって、影響される。
【0013】
当然、本発明の動作を変更しないで、滴もしくは泡を普通に使用することが可能である。
【0014】
本発明の特徴に従えば、マイクロチャンネルは、2つの平行な壁によって規定されており、前記流路は、前記マイクロチャンネルの少なくとも一方の前記壁の溝によって、もしくは、前記マイクロチャンネルの前記一方の壁の2つの平行なリブの間に、形成されている。
【0015】
少なくとも2つの異なる種類の泡もしくは滴が、前記第1の流体によって搬送され、前記流路が、第1の種類の泡もしくは滴のみが前記流路中に案内されるように、泡もしくは滴を分別即ち分類するための手段を構成していることが、有効である。
【0016】
前述のように、前記流路によって引っ張られる滴は、前記第1の流体によって各滴に与えられる粘性の力が、滴を変形させて押し潰された形状に戻すために必要な力よりも弱い滴である。
【0017】
逆に、前記流路を通らないで搬送流体の方向に流れる滴は、前記第1の流体によって滴に与えられる粘性の力が、滴を変形させて押し潰された形状に戻すために必要な力よりも強い滴である。
【0018】
この結果として、大きな滴もしくは非常に粘性の強い滴は、小さい滴もしくはほとんど粘性のない滴より、流路の軌道を通る傾向がない。
【0019】
本発明の可能性に従えば、異なる種類の泡もしくは滴は、異なる大きさ、もしくは粘性、もしくは表面張力を有しており、このことによって、これら泡もしくは滴を互いに分別することが、可能となる。
【0020】
一実施形態では、流路が、異なる高さ及び/もしくは幅の少なくとも2つの連続した部分を有しており、これら部分のうち、大きい幅及び/もしくは高さの部分が、小さい幅及び/もしくは高さの部分より、第1の流体の流れの方向で、前に配置されている。
【0021】
この種類の流路は、2種類の泡もしくは滴を容易に分別することが可能である。例によると、強い粘性を有するもしくは大きな泡は、搬送流体によって流路から排出される前に、流路の高い部分のみに沿って流れ、一方で、弱い粘性を有するもしくは小さい泡は、より流路の高い部分のみに沿ってではなく、低い部分にも沿って流れる。
【0022】
本発明の他の特徴に従えば、回路は、第1の流体の流れに対して異なる傾斜、及び/もしくは異なる幅を備えた複数の流路を有しており、このことによって、異なる種類の泡もしくは滴を区別することが可能である。
【0023】
前記回路は、滴もしくは泡を捕らえるための複数のトラップ領域を有しており、このような領域は、前記マイクロチャンネルもしくは前記流路中の、滴もしくは泡の通路の断面を拡大することによって、又は、前記マイクロチャンネル及び/もしくは前記流路の表面エネルギーを部分的に変更することによって、形成されていることが、有効である。
【0024】
前記回路は、流路がない場合でも、マイクロチャンネル中にトラップ領域を有し得る。そして、搬送流体によって搬送される滴もしくは泡は、これらの軌道に位置されている前記トラップ領域中に捕らえられる。
【0025】
更に、このようなトラップ領域は、捕らえられる滴もしくは泡の大きさより小さくても良い。
【0026】
このようなトラップ領域は、単一の種類の泡に適合され得、及び/もしくは、所定数の泡、例えば1つもしくは2つの泡のみを収容し得る。
【0027】
前記トラップ領域は、単一のもしくは複数の滴を移動不可能にすることが可能であり、このことによって、例えば顕微鏡によってこれら滴を調べること、及び/もしくは、一定の時間の間に、領域内での反応の展開を追跡することが、可能となる。
【0028】
前記トラップ領域の少なくともいくつかは、互いに独立し得る。
【0029】
もしくは、前記トラップ領域の少なくともいくつかは、前記マイクロチャンネルもしくは前記流路によって、直列に、もしくは並列に接続されている。
【0030】
前記トラップは、前記トラップ領域中の滴の存在によって後続の滴の搬送を強制的に継続させ、下流に位置されているトラップを充填するように、製造され得る。
【0031】
捕らえられた滴は静止しているが、滴の含有物は、前記搬送流体の流れによって運動状態に位置され続ける。このようにして、前記滴の含有物は、滴が静止している時でも、混ぜられ得る。このような現象は、生物学的な培養(biological incubation)の分野で、もしくは化学反応のセットアップ(setting up of a chemical reaction)のために、特に重要な役割を果たし得る。
【0032】
かくして、滴を互いに近接させるか互いに接触させ、滴を融合させて化学反応を生じさせること、もしくは、これらの含有物を比較することが、可能である。
【0033】
トラップ領域が互いに直列に接続されている場合、1つもしくは複数の滴を一方のトラップ領域から他のトラップ領域へとジャンプさせることによって、カスケード効果により、下流に位置されている領域に捕らえられた滴の移動を生じさせ得る。
【0034】
本発明の他の特徴に従えば、障害物が、トラップ領域中に引き込まれた泡もしくは滴を前記トラップ領域中に保持するように、一定のトラップ領域の下流に形成されている。
【0035】
少なくとも1つの流路は、前記流路中に存在する泡もしくは滴を減速もしくは加速させるための手段を有していることが、有効である。このような減速もしくは加速させるための手段は、前記流路の幅もしくは高さの変形によって、もしくは、減速もしくは加速のための所定の領域に沿って形成された、対応したマイクロチャンネルの壁のレールもしくはリブによって、形成されている。
【0036】
本発明の他の特徴に従えば、回路は、異なる性質の滴もしくは泡の平行した流れをマイクロチャンネル中に供給するための手段と、異なる性質の滴もしくは泡を前記マイクロチャンネル中に導入するための平行手段と、前記導入するための手段の各々から出た滴もしくは泡を、前記導入するための手段によって前記マイクロチャンネルの所定の領域まで案内するように、このマイクロチャンネル中に形成されている流路と、を有している。
【0037】
かくして、各種類の滴が、前記マイクロチャンネルの所定の位置に移動される。そして、周知の性質の一連の滴を前記マイクロチャンネルの種々のレベルに配置することが、可能である。
【0038】
添付の図面を参照して、非制限的な例によって為される以下の説明を読むことによって、本発明は、より良く理解され得、他の詳細部、特徴、本発明の他の効果が、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、マイクロチャンネルの断面を示している概略図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施形態を示している、図1に対応した図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施形態を示している、図1に対応した図である。
【図4】図4は、流路が設けられているマイクロチャンネルを示す上面図である。
【図5】図5は、流路のネットワークが設けられているマイクロチャンネルを示す上面図である。
【図6】図6は、異なる性質の滴を分別するための、本発明の実施形態に係るマイクロチャンネルの上面図である。
【図7】図7は、異なる性質の滴を分別するための、本発明の実施形態に係るマイクロチャンネルの上面図である。
【図8】図8は、異なる性質の滴を分別するための、本発明の実施形態に係るマイクロチャンネルの上面図である。
【図9】図9は、異なる性質の滴を分別するための、本発明の実施形態に係るマイクロチャンネルの上面図である。
【図10】図10は、滴を減速させるための手段を備えた流路が設けられているマイクロチャンネルの上面図である。
【図11】図11は、滴を加速させるための手段を備えた流路が設けられているマイクロチャンネルの上面図である。
【図12】図12は、主要な流路の滴を減速させるように主要な流路と分岐された流路とが設けられているマイクロチャンネルの上面図である。
【図13】図13は、流路がなく、泡を捕らえるためのトラップ領域が設けられているマイクロチャンネルの上面図である。
【図14】図14は、泡を捕らえるためのトラップ領域が設けられている流路の上面図である。
【図15】図15は、泡を捕らえるためのトラップ領域が設けられている流路の上面図である。
【図16】図16は、障害物を有する流路のネットワークの上面図である。
【図17】図17は、濡れ領域を有する流路のネットワークの上面図である。
【図18】図18は、マイクロ反応装置を形成している流路の上面図である。
【図19】図19は、直列に配置されているトラップ領域が設けられている流路を有するマイクロチャンネルの上面図である。
【図20】図20は、トラップ領域のマトリックス配列の上面図である。
【図21】図21は、異なる性質の滴の平行な流れを供給するための手段を有するマイクロチャンネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明に係るマイクロ回路1の第1の実施形態を概略的に示している。
【0041】
前記マイクロ回路1は、前述の従来技術で知られているように、順応性のあるリソグラフィの一般的な技術を使用して、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)のような適切な材料によって、プレートに形成されている。
【0042】
1つもしくは複数のマイクロチャンネル2は、例えばガラス製の顕微鏡用スライドが上に接着されている前記プレートの一面に、形成され得る。
【0043】
図1から判るように、前記マイクロチャンネル2は、矩形の断面を有しており、この断面の幅Lは、水平な横方向のディメンションによって、即ちマイクロ回路1の平面に、規定されており、前記断面の高さhは、垂直方向のディメンションによって、即ちマイクロ回路1の前記平面に直交する方向に、規定されている。
【0044】
当然、前述の条件は、図面の参照によってのみ使用され、マイクロ回路の方向付けに関わらず、有効である。
【0045】
長方形もしくは正方形の断面を有する溝3が、前記マイクロチャンネル2を規定する2つの水平の壁4の一方に、配置されている。本発明の他の実施形態に従えば、第2の溝が、前記一方の壁4の向かいの、反対側の水平の壁に、配置され得る。
【0046】
前記溝3は、前記マイクロチャンネル2の残りの部分より大きい断面の流路を形成している。
【0047】
搬送流体と称される第1の流体が、この第1の流体とは異なる性質の第2の流体の滴5を第1の流体と共に引っ張ることにより、前記マイクロチャンネル2中を、矢印Fによって示されている方向に、循環する。
【0048】
以下では、第2の流体が、本発明の動作を変更しないで、滴もしくは泡の形態となり得る。
【0049】
前記マイクロチャンネルの狭い領域中に流れた滴5は、押し潰される。前記滴5が流路3中に到達した時、滴5は、あまり押し潰されていない形態、例えば球形状、もしくはほぼ球形状であり、押し潰された形態より低い表面エネルギーを必要とする。前記滴は、前記流路によって案内されている間にも押し潰され続け得ることに、注意されたい。判断基準は、前記流路中の滴の表面エネルギーが、前記流路の外より、即ち、このエネルギーの最低値に対応する範囲より低いことである。
【0050】
そして、前記流路3に到達した滴5は、この流路3に沿って、この流路3から搬送流体によって運び出されるように、循環する。
【0051】
前記滴は、前記流路3より大きくとも小さくとも良い。
【0052】
図2は、本発明の他の実施形態を示しており、流路3を規定している溝が、凹んだ、もしくは曲線的な形状を有している。
【0053】
更なる他の実施形態が、図3に示されており、水平の壁4の一方には、2つの平行なリブ6が設けられている。これらリブ6は、互いに離間されており、マイクロチャンネル2の内部へと延びており、これらリブ6の間に流路3を規定している。
【0054】
このようにして、前記リブ6の上部と、反対側の壁8との間で押し潰された滴5は、流路3中に、もしくは前記リブ6の両側に位置するマイクロチャンネル2の他の領域に、導かれる。このような領域で、前記滴5は、球形状もしくはほぼ球形状に戻り、従って表面エネルギーが低くなる。このようにして、前記リブは、一定の滴を他の滴と分別することを可能にするバリアを形成している。
【0055】
図4は、流路3の形態を上面図に示している。この例では、前記流路3は、マイクロチャンネルの軸Aに従って、即ち搬送流体の流れFの軸に従って延びている少なくとも1つの部分9、前述の軸Aに対して斜めに延びている少なくとも1つの部分10、及び/もしくは正弦曲線形状の少なくとも1つの部分11を、有している。
【0056】
前述の部分の各々には、前記流路3に沿って循環する滴5の軌道が、前記滴5が搬送流体によって前記流路3、即ちマイクロチャンネル2の上流から下流へと常に引っ張られるように、前記搬送流体の流れの方向に従って構成部材を有している。
【0057】
斜めに延びている部分10、もしくは、正弦曲線形状の部分11の場合、特に、前記滴5のマイクロチャンネル2中の移動時間が、より長い。かくして、前記滴5の含有物は、観察領域が長い時間に渡って変更される必要なく、長い時間に渡って顕微鏡によって観察され得る。
【0058】
図5は、マイクロチャンネル2の方向に延びている中央の流路12を有する流路のネットワークを示している。この中央の流路12の両側には、複数の補助の流路13が、延びている。これら補助の流路13の各々は、前記中央の流路12から延びており、分岐された流路のように、この中央の流路12に再度合流している。
【0059】
図5の場合、前記滴5は、例えば水を含んでおり、搬送流体は、パラフィンである。前記マイクロチャンネル2の幅は、3mmであり、前記流路12、13の幅は、70μmである。前記マイクロチャンネルの高さは、50μmであり、前記流路12、13の高さは、35μmである。前記滴は、矢印Fの方向に、左から右へと流れる。
【0060】
図6は、第1の種類及び第2の種類の滴のための搬送流体を為している第1の流体が中を循環しているマイクロチャンネル2を、示している。第1の種類の滴14は、第2の種類の滴15より大きい。
【0061】
前記マイクロチャンネル2には、矢印Fによって示されている搬送流体の循環の方向に対して、上流から下流へと斜めに延びている流路3が、設けられている。前記流路3の高さ及び/もしくは幅は、大きい滴14が前記矢印Fの方向に搬送流体と共に搬送されるように、また、小さい滴15が流路3中に引っ張られて、前記流路に沿って上流から下流へと進み、前記搬送流体によって前記流路から引っ張られるように、調整されている。
【0062】
前記流路3の下流端部16には、搬送流体によって与えられる粘性の力が前記滴15を押し潰すために必要な力より大きくなるように、高さもしくは幅が減じられている部分が設けられており、かくして、搬送流体は、前記滴を前記マイクロチャンネル2中に再度引っ張る。前記滴14、15は、前記流路3の下流で、前記搬送流体の流れと平行であり互いに離間されている2つの軸B、Cに沿って、循環する。
【0063】
このようなマイクロチャンネルは、異なる性質を有する2種類の滴を分類することを可能にする。
【0064】
図7は、図6のマイクロチャンネルに類似したマイクロチャンネル2を示しており、このマイクロチャンネル2では、第1の種類の滴14が、非常に粘性が強く、第2の種類の滴15は、ほぼ粘性がない。
【0065】
前記流路3の高さ及び/もしくは幅は、粘性の強い滴14が搬送流体と共に搬送されるように、また、粘性の弱い滴15が前記流路中に引っ張られて、前記搬送流体によって引っ張られることによって前記流路3に沿って上流から下流へと進み、流路3の下流端部のところで前記流路3から出るように、調整されている。
【0066】
滴の粘性が強いほどに、この力が滴を前記流路から排出させるように前記搬送流体によって滴に与えられる力が強くなることに、注意されたい。
【0067】
また、このようなマイクロチャンネル2は、異なる表面張力を有する滴を分類するために、使用され得る。
【0068】
図8は、図6及び図7のマイクロチャンネルと同じ種類のマイクロチャンネルを示している。このマイクロチャンネルでは、流路が、上流から下流に、高さ及び/もしくは幅が徐々に縮小されている領域17、18、19、20を有している。
【0069】
各領域は、特定の種類の滴を分類することが可能であるように、大きさが設定されている。
【0070】
図8に示されている場合では、搬送流体が、異なる大きさもしくは異なる粘性の4つの種類の滴を、第1の領域17、即ち最も幅が広く深いところに位置する領域から引っ張る。
【0071】
第1の種類の滴21、即ち最も大きく最も粘性の強い滴が、搬送流体によってこの領域17から引っ張られる。このような滴21の軌道は、流路3の存在によってほとんど影響を受けない。
【0072】
第1の種類の滴21より小さいかもしくは粘性が弱い第2の種類の滴22、第3の種類の滴23、第4の種類の滴24は、前記流路3の前記第1の領域17によって引っ張られ、搬送流体によって搬送されるようにこの領域を上流から下流へと通り、そして、より狭い及び/もしくは低い第2の領域18に到達する。
【0073】
前記第2の領域18は、第2の種類の滴22がこの領域を通過し得ないように、大きさが設定されている。従って、このような滴22は、前記流路3から排出され、そして、最初の循環の軸とは別の、搬送流体の流れに平行な軸に沿って、マイクロチャンネル2中を循環する。
【0074】
前述と同じ方法で、前記流路3の他の領域19及び20は、第3の種類の滴23が、前記流路3から出る前に前記第1、第2、第3の領域中を連続して循環するように、また、第4の種類の滴24が、前記流路3の下流端部16のところから出る前に前記流路3の各領域17、18、19、20中を循環するように、大きさを設定されている。
【0075】
このようにして、各種類の滴21、22、23、24は、前記流路3の下流を、互いに平行であり且つ互いに離間した循環の軸にそれぞれ沿って、循環する。
【0076】
従って、このようなマイクロチャンネルは、異なる性質の4種類の滴を分類することを、可能にする。
【0077】
当然、前記流路の異なる領域の数は、必要に応じて調整され得る。
【0078】
また、図9に示されているように、搬送流体の流れFの方向に対して異なるディメンション及び/もしくは傾斜を有する異なる流路3をマイクロチャンネル中に配置することによって、種々の種類の滴を分別することが、可能である。
【0079】
この図では、前記マイクロチャンネル2には、4つの連続した流路3a、3b、3c、3dが形成されており、第1の流体の流れに対するこれら流路の傾斜は、徐々に小さくなっている。最も急な傾斜を有している第1の流路3aは、最も小さい滴24を分別し、第2の流路3bは、やや大きい滴23を分別し、第3の流路3cは、更に大きい滴22を分別し、第4の流路3dは、最も大きい滴21を分別する。
【0080】
前記マイクロチャンネル2には、例えば搬送流体の循環の軸に従って延びている流路3が設けられ得、また、幅及び/もしくは高さが減じられている部分(縮小部分)25が設けられ得る。この縮小部分25は、段、もしくは不連続の段、もしくは、図10から判るような連続した形状を有し得る。
【0081】
このようにして、前記流路中を流れて搬送流体によってこの流路から搬送される滴5は、前記縮小部分25を通る時に、減速される。
【0082】
搬送流体の速度が0である場合、前記流路の幾何学的性質は、滴を搬送するためのエンジンとして、使用され得る。このようにして、本発明は、搬送流体の流れがない場合でも、二次元の領域で滴を移動させることが可能である。本発明は、搬送流体の流れに関連して流れ(current)に逆らって滴を移動させるように、使用され得る。
【0083】
逆に、図11に示されているように、徐々に即ち段階的に拡大している領域26が、流路3中を循環する滴5がこの領域を通る時に加速されるように、前記流路3に設けられている。
【0084】
滴5の減速が、滴が中を循環している前記流路3の両側に第2の流路27を配置することによって、果たされ得る(図12)。第2の流路27は、前記マイクロチャンネル2の断面を部分的に拡大する機能を有している。これは、搬送流体の循環の速度と、従って、滴5の循環の速度とを、部分的に減速する効果を有する。
【0085】
当然、前記第2の流路27の数と、形と、位置とが、必要に応じて変更され得る。重要な点は、前記マイクロチャンネルの断面が部分的に拡大していることである。この逆の効果は、前記第2の流路27を、前記マイクロチャンネル2の断面を部分的に縮小しているリブに置き換えることによって、得られる。
【0086】
図13は、マイクロチャンネル2の壁に形成されているポケットもしくはキャビティ29によって形成されている、滴を捕らえるためのトラップ領域28を有するマイクロチャンネル2を示している。この実施形態では、マイクロチャンネルに、流路が設けられておらず、トラップ領域が滴の軌道に位置されている場合、搬送流体の流れFによって搬送される滴が、1つもしくは複数のトラップ領域で捕らえられる。前記トラップ領域28は、適用に応じて、滴もしくは泡の性質に応じて、捕らえられる滴もしくは泡より小さくとも大きくとも良い。
【0087】
図14は、流路3の一方の側に形成されたポケットもしくはキャビティによってマイクロチャンネル2の壁4に形成されている滴を捕らえるためのトラップ領域28が設けられている流路3を示している。
【0088】
このポケット29は、口部分30によって前記流路3に接続されており、所定の数の滴を捕らえ得る。図13の場合、この領域は、単一の滴5のみを収容することを可能にする。
【0089】
前記口部分30の断面は、適用に応じて構成され得る。前記口部分30が前記流路3より大きい断面を有している場合、1つもしくは複数の滴5が、前記トラップ領域28中に自動的に引っ張られ得る。
【0090】
前記口部分30が前記流路3の断面より小さい断面を有しているか、前記流路3の断面とほぼ同じ断面を有している場合、滴5を前記トラップ領域28中に強制的に入らせることが必要となり得る。このことは、特許文献1と特許文献2とに開示されている方法を特に使用して、いかなる適切な手段によっても果たされ得る。このような方法は、滴の移動に影響を与えるように、滴と搬送流体との間の、もしくは、2つの滴の間のインターフェースに導かれるレーザービームを使用する。
【0091】
滴5は、搬送流体の流れを増加させることによって、もしくは、滴5を前述の方法を使用して排出させることによって、前記トラップ領域28から引き出され得る。
【0092】
図15は、互いに離間されており交互に配置されている複数のトラップ領域28、29が両側に形成されている流路3を示している。各トラップ領域28、29は、所定の数の滴5を捕らえるように、例えば、トラップ領域28の場合は1つの滴を、トラップ領域31の場合は2つの滴を捕らえるように、及び/もしくは特定の性質の滴を捕らえるように、大きさを設定され得る。
【0093】
図16から判るように、前記マイクロチャンネル2には、主要の流路3によって形成されている流路のネットワークが設けられ得る。このネットワークを通って、滴が到達し、このネットワークから、1つもしくは複数の分岐された流路31が延びており、前記分岐流路31には、滴5を対応した分岐流路31中に少なくとも一時的に保持することを可能にする障害物32が、配置されている。そして、前記障害物32は、トラップ領域を形成している。前記分岐流路31は、前記障害物32の下流に延びていても、延びていなくとも良い。
【0094】
本発明の更なる他の実施形態に従えば、図17から判るように、分岐流路31には、濡れ領域33が設けられ得る。濡れ領域は、壁4の濡れ性が変更された領域によって、形成されている。
【0095】
このことは、例えば、親水性の領域中で停止もしくは減速される水の滴によって、果たされ得る。濡れ性の変更は、化学的な方法、例えばシラン処理(silanisation)もしくはプラズマエッチングによって、もしくは、物理的な方法、例えば親水性のラグを導入し、滴がこれに定着すること(ファキア効果(fakir effect))によって、果たされ得る。
【0096】
また、トラップ領域は、マイクロ反応装置を形成するように、もしくは化学的及び/もしくは生物学的分子の存在を、当該の1つもしくは複数の滴中で検出するように、滴の含有物と反応することを目的とした要素を有し得る。例によると、相補的な配列が対応したトラップ領域の壁に部分的に位置されている場合、DNA配列が、検出され得る。
【0097】
いくつかの滴は、図18に示されているように、互いに近接され得、もしくは互いに接触され得る。このために、マイクロチャンネルは、例えば2つの平行な流路34、35を有している。これら流路34、35の各々は、特定の種類の滴36、37の循環のためのものであり、これら流路34、35から、分岐された流路31が延びており、前記分岐流路31の下流端部が、トラップ領域28を形成している。
【0098】
前記トラップ領域28は、第1の種類の滴36が第2の種類の滴37と近接するか接触するように、互いに対して近接するか当接して配置されている。
【0099】
かくして、前記2種類の滴36、37を融合することと、これらの含有物を反応させること、もしくはこれらの含有物を相互に比較することとが、可能である。
【0100】
図19は、直列に配置されている複数の連続したトラップ領域28が設けられている流路3を有するマイクロチャンネル2を示している。
【0101】
滴5が前記トラップ領域28の各々の中に捕らえられ、更なる滴が前記流路3から到達すると、この更なる滴は、上流のトラップから滴を退出させ、この退出させられた滴は、この上流のトラップより下流に直接に位置されているトラップから、滴を退出させる。この結果、カスケード効果によって、すべての滴5の、一方のトラップ領域28から他方のトラップ領域への移動が、もたらされる。
【0102】
前記トラップ領域28は、マイクロチャンネルの拡大された部分によって規定されている緩衝領域Tを形成しており、この緩衝領域T内では、前記滴5は、化学反応もしくは生物学的反応を生じさせ、及び/もしくはこれらの観察を可能にするために必要な所定の所要期間の間、この領域内に位置する。
【0103】
また、前記トラップ領域28は、図20に示されているように、主要な流路3と、各々所定の数のトラップ領域28に接続されており互いに平行な分岐された複数の流路31との組み合わせによって、マトリックスのレイアウトを有し得る。
【0104】
図21は、異なる性質の滴21、22、23、24の平行な流れを供給する手段38と、異なる性質の滴をマイクロチャンネル2に導入するための平行手段39と、前記導入するための手段の各々から出た前記滴21、22、23、24を前記導入するための手段39によってマイクロチャンネル2の所定の領域まで案内するように、前記マイクロチャンネル2中に形成されている複数の流路3とを有している、マイクロチャンネル2を示している。かくして、異なる滴の平行な流れが、前記マイクロチャンネル中に形成される。
【0105】
搬送流体中の滴の処理のための前述のマイクロチャンネルは、泡の処理のために使用されても良い。
【0106】
本発明は、特に、試料のプレパラート(preparation)をマイクロ流体チップ中に組み込むことと、単純且つ確実な方法で試料を観察点に与えることとを、可能にする。
【0107】
本発明に係るマイクロ流体回路は、生物工学もしくは「化学技術(chimietech)」の分野に適用され得るが、流体ディスプレイの分野、及び極小の滴中での反応の観察の分野にも適用され得る。
【0108】
このようなマイクロ流体回路は、「マイクロアレイ」もしくはバイオチップ、例えば、蛋白質チップもしくはDNAチップ、もしくは細胞培養チップ(cell culture chips)のような、今日標準となった形態を有し得る。
【0109】
このようなバイオチップは、表面が生体分子によって機能化されているマトリックス領域によって構成されており、このような領域間の大きさ及び距離は、マイクロ流体の滴及び流路の大きさとほぼ同じである。本発明は、周知の含有物を有する特定の滴を、機能化された場所に持っていくことと、生物学的な測定を可能にする交配(hybridization)を生じさせるために、前記滴を前記表面に接触させることとを、可能にする。このようにして、本発明は、バイオチップの技術をマイクロ流体中の流体の取り扱いの効果と合わせることを可能にする。
【0110】
前述のように、滴の軌道は、滴をトラップ中に、もしくはマイクロチャンネルの所定の領域中に持っていくように、レーザーによって活発に変更され得る。
【0111】
複数の流路を有するマイクロチャンネルの場合、このような方法は、滴を一方の流路から他方の流路に導き、例えば滴が通り得る軌道を種々の軌道から選択するように、使用され得る。
【0112】
このために、流体が通常の熱毛管流動を有する場合、レーザーの波長が、波長が搬送流体によって吸収されるように、選択されなければならない。搬送流体は、必要である場合、レーザーの波長を吸収する着色材(例えば黒のインク)を含み得る。この場合、流路中で、もしくは流路の付近で、搬送流体をレーザーによって部分的に加熱することによって、滴をこの流路中に誘導する。加熱は、滴を所定の流路中に誘導するように、滴と搬送流体との間のインターフェースのところで、果たされ得る。
【0113】
流体が異常な熱毛管流動を有する場合、レーザーは、滴の進行をブロックし、滴を他の流路中に迂回させるように、位置づけされ得る。
【0114】
また、加熱は、電気加熱部材によって、部分的にもしくは全体的に与えられ得る。
【0115】
更に、使用される流体がレーザーを吸収しない場合、このような吸収は、マイクロチャンネルを構成している材料によって直接に果たされ得るか、レーザー放射を吸収する材料の層もしくは粒子をマイクロチャンネルもしくは流路中に堆積させることによって、果たされ得る。
【0116】
また、誘電泳動力(dielectrophoretic forces)が、滴の軌道に影響を与えるように、もしくは滴を捕らえるように、使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の第2の流体の滴もしくは泡(5)を搬送する第1の流体の流れのための少なくとも1つマイクロチャンネル(2)を具備するマイクロ流体回路(1)において、
前記マイクロチャンネル(2)の高さ(h)が、前記滴もしくは泡(5)を、滴もしくは泡(5)の移動の間に押し潰すように設定されていることと、前記マイクロチャンネル(2)は、前記第1の流体の流れ(F)の方向に少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの流路、もしくは、滴もしくは泡を捕らえるためのトラップ領域を有しており、前記トラップ領域(28)もしくは前記流路(3)は、前記マイクロチャンネル(2)中の前記第2の流体の少なくとも一定の滴もしくは泡が前記流路(3)もしくは前記トラップ領域中に引っ張られて案内されるように、前記マイクロチャンネル(2)の高さより高い高さ(hc)を有していることとを特徴とする、マイクロ流体回路。
【請求項2】
前記マイクロチャンネル(2)は、2つの平行した壁(4、8)によって規定されており、前記流路は、前記マイクロチャンネル(2)の少なくとも一方の前記壁(4)の流路(3)によって、もしくは前記マイクロチャンネル(2)の前記一方の壁の2つの平行なリブ(6)間に、形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
少なくとも2つの異なる種類の泡もしくは滴(14、15)が、前記第1の流体によって搬送されることと、
前記流路(3)は、第1の種類の泡もしくは滴(15)のみが前記流路(3)中に案内されるように、泡もしくは滴を分別即ち分類するための手段を構成していることとを特徴とする、請求項1又は2に記載の回路。
【請求項4】
前記異なる種類の泡もしくは滴(5)は、異なる大きさ、もしくは粘性、もしくは表面張力を有することを特徴とする、請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記流路(3)は、異なる高さ及び/もしくは幅の少なくとも2つの連続した部分(17、18、19、20)を有しており、これらの部分のうち、大きい高さ及び/幅の部分が、小さい高さ及び/もしくは幅の部分より、前記第1の流体の流れの方向で、前に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1に記載の回路。
【請求項6】
前記第1の流体の流れに対して異なる幅、及び/もしくは異なる傾斜の複数の流路(3)を具備することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1に記載の回路。
【請求項7】
前記マイクロチャンネル(2)もしくは前記流路(3)中の滴もしくは泡(5)の通路の断面の拡大によって、又は、前記マイクロチャンネル(2)及び/もしくは前記流路(3)の表面エネルギーの部分的な変更によって、形成されている、滴もしくは泡(5)を捕らえるための複数のトラップ領域(28)を具備することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1に記載の回路。
【請求項8】
前記トラップ領域(28)の少なくともいくつかは、互いに独立していることを特徴とする、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
前記トラップ領域(28)の少なくともいくつかは、前記マイクロチャンネル(2)によって、もしくは前記流路(3)によって、直列に、もしくは並列に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の回路。
【請求項10】
障害物(32)が、前記トラップ領域中に引き込まれた泡もしくは滴を前記トラップ領域中に保持するように、一定のトラップ領域の下流に形成されていることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1に記載の回路。
【請求項11】
前記少なくとも1つの流路(3)は、前記流路(3)中に存在する泡もしくは滴(5)を減速させるための手段(25)、もしくは加速させるための手段(26)を有しており、前記減速させるための手段(25)、もしくは前記加速させるための手段(26)は、前記流路(3)の幅もしくは高さの変形によって、もしくは、減速もしくは加速のための所定の領域に沿って形成された、対応した前記マイクロチャンネルの壁のレールもしくはリブによって、形成されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1に記載の回路。
【請求項12】
異なる性質の滴もしくは泡(21、22、23、24)の平行な流れをマイクロチャンネル(2)中に供給するための手段(38)と、異なる性質の滴もしくは泡を前記マイクロチャンネル(2)中に導入するための平行手段(39)と、
前記導入するための手段(39)の各々から出た滴もしくは泡を、前記導入するための手段(39)によって前記マイクロチャンネル(2)の所定の領域まで案内するように、このマイクロチャンネル中に形成されている流路(3)と、
を具備することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載の回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2013−505827(P2013−505827A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531479(P2012−531479)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052051
【国際公開番号】WO2011/039475
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(503378028)エコール・ポリテクニク (12)
【Fターム(参考)】