説明

マイナスイオン添加式エアーポンプユニット

【課題】浄化槽等、分解槽のばっ気に用いる、ポンプ、隔壁、及びエアー溜まりから成るエアーポンプユニットにおいて、その内部に組み入れて、分解槽のばっ気により処理する汚水中の有機性混濁物をマイナスイオン添加空気を効率よく供給するマイナスイオン添加式エアーポンプユニットを提供する。
【解決手段】エアーポンプユニットの内部にマイナスイオン発生高圧電源装置14を設置し、ベース内のエアー溜まり17の区分にコロナ放電室18を設けて、その内部のコロナ放電に適した位置に放電電極16を設け、高圧電源装置と放電電極の間は高圧用電線15で結合し、エアーポンプの吐出空気をダクト管9で空気溜まりに導き、エアーポンプの吐出空気が放電室内通過する過程において、コロナ放電によりエアーポンプの吐出空気中にマイナスイオンを添加しつつ、排気口13から供給空気を送気する形式のマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浄化槽や油水分離槽(以下合わせて分解槽)に流入する汚水中に存在する有機性混濁物の分解を、槽内に滞留する汚水中でエアーレーションする技術分野に関する。
【0002】
およびコロナ放電等によって生成されたマイナスイオンをエヤーレーション用の送気中に混在させ、分解槽のエヤーレーション用供給空気を送気し、汚水中に存在する有機質混濁物の分解を、効率よく分解する技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
従来は個別のエアーポンプユニットとコロナ放電用高圧電源、独立したコロナ放電ボックス、及び放電電極を有する高圧コードから成るマイナスイオン発生装置を連結した構成で、エアーポンプの送気口とコロナ放電ボックスの間を適宜な配管でつないでエアーポンプからの送気をコロナ放電ボックスに貫流させ、その貫流過程でコロナ放電をさせ、そこで発生したマイナスイオンを貫流空気に添加させ、目的の分解槽にマイナスイオン添加空気を供給する方式であった。
【0004】
従来の構成においては、エアーポンプユニットは風雨等水の侵入を防ぐ防滴構造になっていたが、マイナスイオン発生装置の区分は雨滴を避ける程度のカバーを備えただけの構造であり、風雨による水の侵入に抗する構成ではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分解槽内部の汚水をばっ気する装置の設置位置は、屋外や飲食店の厨房内等の水回りであることが多い。従ってエアーポンプユニットやマイナスイオン発生装置内に汚水や雨水が浸入することを考慮する必要がある。
また、飲食店の厨房内に存在する油水分離としての分解槽周りは毎日水道水を掛けつつ清掃することが常で有るので、その付近に設置されるエアーポンプユニットやマイナスイオン発生装置は充分な遮水性と防水性が要求される。
【0006】
従来通常に用いられるエアーポンプユニットの筐体中にマイナスイオン発生装置をコンパクトに組み込んで設け、エアーポンプユニットと同じレベルの遮水性と防水性を確保すること。加えてエアーポンプユニットの筐体の形状ど容積は変化しないことを目標とする。
【0007】
従来通常に用いられるエアーポンプユニットの密閉された筐体中をエアーポンプの吐出圧力が掛かるように構成して、マイナスイオン発生装置をコンパクトに組み込んで設け、エアーポンプユニット以上の遮水性と防水性を確保すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(図面 図2参照)
従来通常に用いられるエアーポンプユニットの、筐体中のエアー溜め内にコロナ放電ボックスを設け、エアーポンプ室またはエアー溜まりの内にコロナ放電用高圧電源と、放電電極を有する高圧コードから成るマイナスイオン発生装置設置して電気系統を接続し、その全体を筐体の中に組込む構想のマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。
【0009】
(図面 図1参照)
前項のエアーポンプユニットの形態において、エアーポンプ室上部の吸気口とエアーポンプの吸入口の間を可撓性のゴム配管で接続し、エアーポンプの吐出口をエアーポンプ室内で解放し、エアーポンプ室、エアー溜まり及びエアー溜まりの一部に設けたコロナ放電ボックスから成るエアーポンプユニットの筐体内を、エアーポンプの吐出圧力を掛けて維持する構造としたマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。
【発明の効果】
【0010】
マイナスイオン添加式エアーポンプユニットの筐体中にマイナスイオン発生装置設置を組み入れて構成することによって、従来のエアーポンプユニットと同等の遮水性と防水性を有する、マイナスイオン添加式エアーポンプユニットを得る。このことで分解槽内部の汚水をばっ気する装置の設置位置は屋外や飲食店の厨房内等の水回りであることに対応するための遮水性と防水性がエアーポンプユニットと同等に向上する。
【0011】
マイナスイオン添加式エアーポンプユニットの筐体内部に、エアーポンプの吐出圧力を掛け維持することによって、筐体内部への外部からの汚水や外気の侵入は、より強力に阻止される。このことで分解槽内部の汚水をばっ気する装置の設置位置は屋外や飲食店の厨房内等の水回りであることに対応する遮水性と防水性は飛躍的に向上する。
【0012】
マイナスイオン添加式エアーポンプユニットの筐体の大きさが、縦・横・高さにおいて僅少であるので、分解槽内の汚水ばっ気を従来のエアーポンプユニットで行ってきた方式のエアーポンプユニット本体に替えて本発明のマイナスイオン添加式エアーポンプユニットを置き換えることが可能である。
【0013】
このことは、分解槽の補修点検や分解槽の更新時においてエアーポンプユニット本体に替えて本発明のマイナスイオン添加式エアーポンプユニットを置き換えることにより、従来以上に分解槽内での有機性混濁物の分解が活発に行われて、分解槽からの排水はその浄化が著しく向上する。
【0014】
エアーポンプユニット本体に替えて本発明のマイナスイオン添加式エアーポンプユニットを置き換えることが可能であるので、分解槽のばっ気システム装置の設置空間の設計上の自由度は何ら影響を受けない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下請求項1関わる。浄化槽等、分解槽のばっ気に用いる筐体が、ポンプ室▲1▼、ベース▲2▼、隔壁▲3▼、シールパッキン▲4▼及びエアー溜まり▲18▼から成るエアーポンプユニットの内、エアーポンプ▲8▼がエアーポンプユニットのポンプ室▲1▼内に導かれる空気中の水分等の侵入を抑止する蓋▲5▼で覆われるフィルター▲6▼を通して外気を吸入する形式において、
【0016】
ポンプ室▲1▼又はベース▲2▼内のエアー溜まり▲18▼の区分にマイナスイオン発生するための高圧電源装置▲14▼を設置し、隔壁▲3▼で仕切られたエアー溜まり▲18▼の区分にエアー溜まり▲18▼と連通する形に放電室▲17▼を設ける。
【0017】
その内部のコロナ放電に適した位置に放電電極▲16▼を設け、高圧電源装置▲14▼と放電電極▲16▼の間は高圧用電線▲15▼で結合する。
【0018】
エアーポンプ▲8▼の駆動による振動を吸収するための防振材▲10▼で隔壁▲3▼に据え付けたエアーポンプ▲8▼の吐出口▲12▼からの吐出空気を、エアーポンプ▲8▼の駆動による振動を吸収するため、可撓性を持つダクト管▲9▼で空気溜まり▲18▼に導き、該空気溜まり▲18▼に連通して設けた放電室▲17▼内をエアーポンプ▲8▼の吐出空気が通過する過程において、エアーポンプ▲8▼の吐出空気中にコロナ放電によりマイナスイオンを添加しつつ、送気口▲13▼からばっ気に用いるエアーポンプ▲8▼の吐出空気を送気口▲13▼から送気する形式のマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。
【0019】
以下請求項2関わる。浄化槽等、分解槽のばっ気に用いる筐体が、ポンプ室▲1▼、ベース▲2▼、隔壁▲3▼、シールパッキン▲4▼及びエアー溜まり▲18▼から成るエアーポンプユニットの構成の内、エアーポンプ▲8▼の吸入口▲11▼と給気口▲7▼との間をエアーポンプ▲8▼の駆動による振動を吸収するためのゴム等の可撓性を持つ給気管▲19▼で接続する。
【0020】
隔壁の連通孔▲20▼を通して、空気中の水分等の侵入を抑止する蓋▲5▼で覆われるフィルター▲6▼から外気を吸入するエアーポンプ▲8▼の吐出口▲12▼をポンプ室▲1▼内に解放し、ポンプ室▲1▼とエアー溜まり▲18▼を連通させ、隔壁▲3▼の連通孔▲20▼を通して、エアーポンプ▲8▼の吐出空気をエアー溜まり▲18▼から放電室▲17▼内に導き、ポンプ室▲1▼内とエアー溜まり▲18▼、及び放電室▲17▼内の全体を、エアーポンプ▲8▼の吐出圧力と同じ圧力を掛けて、その状態をエアーポンプ▲8▼の駆動中は維持した状態を保たせることで、外部からエアーポンプユニット内への外気や水分等が侵入しない状態にする。
【0021】
放電室▲17▼内のコロナ放電に適した位置に放電電極▲16▼を設け、高圧電源装置▲14▼と放電電極▲16▼の間は高圧用電線▲15▼で結合する。
【0022】
エアーポンプユニットの構成の内部空間をエアーポンプ▲8▼の吐出圧力と同じ圧力を掛けた状態を維持しながら、空気溜まり▲18▼に連通して設けた放電室▲17▼内において、コロナ放電によりエアーポンプ▲8▼の吐出空気中にマイナスイオンを添加しつつ、送気口▲13▼からばっ気に用いるエアーポンプ▲8▼の吐出空気を送気口▲13▼から送気する形式のマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の〔請求項2〕の実施例を示す正面断面図。
【図2】本発明の〔請求項1〕の実施例を示す正面断面図。
【図3】従来形式の実施例を示す正面断面図。
【符号の説明】
【0024】
▲1▼ エアーポンプ室 ▲11▼ 吸入口
▲2▼ ベース ▲12▼ 吐出口
▲3▼ 隔壁 ▲13▼ 送気口
▲4▼ シールパッキン ▲14▼ 高圧電源装置
▲5▼ 蓋 ▲15▼ 高圧電線
▲6▼ フィルター ▲16▼ 放電電極
▲7▼ 吸気口 ▲17▼ エアー溜まり
▲8▼ エアーポンプ ▲18▼ 放電室
▲9▼ ダクト管 ▲19▼ 吸気管
▲10▼ 防振材 ▲20▼ 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化槽等、分解槽のばっ気に用いる、ポンプ室、隔壁、及びエアー溜まりから成るエアーポンプユニットの内、エアーポンプがポンプ室内に導かれた空気を吸入する形式において、エアーポンプ室又はエアー溜まりの区分にマイナスイオン発生高圧電源装置を設置し、隔壁で仕切られたエアー溜まりの区分にコロナ放電室を設けて、その内部のコロナ放電に適した位置に放電電極を設け、高圧電源装置と放電電極の間は高圧用電線で結合し、エアーポンプの吐出空気をダクト管で空気溜まりに導き、該空気溜まりに連通して設けた放電室内通過する過程において、コロナ放電によりエアーポンプの吐出空気中にマイナスイオンを添加しつつ、排気口から供給空気を送気する形式のマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。
【請求項2】
請求項1と同様の構成において、エアーポンプの吸入口と給気口(外気)とを給気管で接続し、エアーポンプの吐出口をポンプ室内に解放してポンプ室とエアー溜まりを連通し、エアーポンプの吐出空気をエアー溜まりから放電室内に導き、ポンプ室内とエアー溜まり、及び放電室内全体を、エアーポンプの吐出圧力と同じ圧力に維持した状態を維持し、外部からエアーポンプユニット内への外気や水分等が侵入しにくい状況を現出し、空気溜まりに連通して設けた放電室内において、コロナ放電によりエアーポンプの吐出空気中にマイナスイオンを添加しつつ、排気口から供給空気を送気する形式のマイナスイオン添加式エアーポンプユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−25093(P2010−25093A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208223(P2008−208223)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(597024094)
【Fターム(参考)】