説明

マスク兼用ティッシュペーパー及びティッシュペーパー型マスク

【課題】掛け紐を取り付けてマスク本体としても使用でき、ティッシュペーパーとしても使用できるマスク兼用ティッシュペーパー及びティッシュペーパー型マスクを提供する。
【解決手段】少なくとも2本の相対する平行な折り目2a、3aから形成される立体的なプリーツ部2,3を有する矩形状のティッシュペーパーから構成され、折り目に直交する両辺4の端部が該折り目を含んでそれぞれヒートシール6され、端部側に耳掛け用の掛け紐20を着脱自在に取り付けてマスク本体として使用されるマスク兼用ティッシュペーパー10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、掛け紐によって使用者に装着されるマスクの本体部分、及びマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から周期的にインフルエンザは流行していたが、近年、鳥や豚インフルエンザ等新種のインフルエンザが世界的に大流行し、一時的にマスク等ウィルス対策用品が品切れになる事態が生じている。又、春先になると花粉症への対策としてマスクや高級ティシュペーパーの需要が増大している。
通常、マスクは当て布となる矩形状のマスク本体と、マスク本体の両端にそれぞれ取り付けられた掛け紐とからなり、掛け紐を使用者の耳に掛けて使用される。このマスク本体の素材としては、1)ガーゼ(布)、2)不織布、3)紙の3種類が挙げられるが、使い捨てで耐久性を有し、大量生産可能な不織布製マスクが主流となっている。又、マスク本体の形状として、顔面に合せた立体形状に成型したものの他、シート状であるがプリーツを設けて顔面に密着するようにしたものがある(特許文献1参照)。
又、急にマスクが必要な状況になった場合、マスクが販売されていなかったり品切れとなることがある。そこで、手持ちのハンカチ等の布の両端に鰐口付きのゴム紐を挟んで耳掛けとし、緊急的にマスクを作ることができる技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−061536号公報
【特許文献2】特開2006−167389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インフルエンザや花粉症等に罹患した場合、マスクを装着していても鼻をかむ必要が度々生じ、ティシュペーパーの携帯が必須となっている。従って、このような場合には、外出時等に常にマスクとティシュペーパーの携帯の有無を確認する必要が生じていた。
一方、ティシュペーパー自身は柔らかいため、特許文献2記載のゴムを単にティシュペーパーの両端に取り付けてもティシュペーパーが破れてしまうので、ティシュペーパーからマスクを作るのは難しい。
従って本発明は、掛け紐を取り付けてマスク本体としても使用でき、ティッシュペーパーとしても使用できるマスク兼用ティッシュペーパー及びティッシュペーパー型マスクの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明のマスク兼用ティッシュペーパーは、少なくとも2本の相対する平行な折り目から形成される立体的なプリーツ部を有する矩形状のティッシュペーパーから構成され、前記折り目に直交する両辺の端部が該折り目を含んでそれぞれヒートシールされ、前記端部側に耳掛け用の掛け紐を着脱自在に取り付けてマスク本体として使用される。
このようにすると、両辺の端部が折り目を含んでそれぞれヒートシールされるため、ヒートシール部のうち、少なくとも各プリーツ部に相当する位置では、3枚以上のティッシュペーパーが重ねられて強度が高くなっている。従って、これら複数枚のティッシュペーパーが重ねられて強度が向上したヒートシール部を掛け紐の挟持部で挟持すれば、ティッシュペーパーが破れることなく保持され、マスクとして使用することができる。又、マスクとティシュペーパーを別個に携帯せずとも、マスク兼用ティッシュペーパーで両者を兼用できる。
【0006】
前記ヒートシール部の幅が2〜6mmであってもよい。
【0007】
前記マスク兼用ティッシュペーパーにおいて、JIS−S3104に規定するMD方向の湿潤時の引張強さが1.4〜4.1N/25mm、CD方向の湿潤時の引張強さが0.5〜2.1N/25mmであり、JIS−S3104に規定するMD方向の乾燥時の引張強さが5.2〜10.3N/25mm、CD方向の乾燥時の引張強さが1.8〜5.2N/25mmであり、JIS−S3104に規定する吸水度が8秒以下/0.1mlであり、JIS−L1096に規定する通気度が21〜52cm/cm/Sであってもよい。
【0008】
前記プリーツ部は前記両辺に沿う方向の中央部の2箇所に平行に設けられ、かつ各プリーツ部の折り目同士が間隔を開けて対向していてもよい。
前記プリーツ部における前記ティッシュペーパーの重ね枚数が他の部分の前記ティッシュペーパー重ね枚数より多くなっていてもよい。
【0009】
本発明のティッシュペーパー型マスクは、前記マスク兼用ティッシュペーパーからなるマスク本体と、前記マスク兼用ティッシュペーパーの前記端部側を着脱自在に挟み込む挟持部を両端に備えた耳掛け用の掛け紐とを備えている。
このようにすると、掛け紐は何回も使用できるので、廃棄物の減少とコスト削減が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、掛け紐を取り付けてマスク本体としても使用でき、ティッシュペーパーとしても使用できるマスク兼用ティッシュペーパー及びティッシュペーパー型マスクが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るマスク兼用ティッシュペーパーの外観を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】掛け紐を取り付けてマスクとして使用したときの、マスク兼用ティッシュペーパーの断面図である。
【図4】マスク兼用ティッシュペーパーに掛け紐を取り付けたティッシュペーパー型マスクの平面図である。
【図5】掛け紐の挟持部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るマスク兼用ティッシュペーパーについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマスク兼用ティッシュペーパー10の外観を示す平面図である。なお、図1はマスク兼用ティッシュペーパー10の顔側の面を示している。
マスク兼用ティッシュペーパー10は、2本の相対する平行な折り目2a(1本のみ図示)から形成される立体的なプリーツ部2と、2本の相対する平行な折り目3a(1本のみ図示)から形成される立体的なプリーツ部3とを有する矩形状のティッシュペーパーから構成されている。各折り目2a、3aは、マスク兼用ティッシュペーパー10の長辺(図1の左右方向)に沿って延びている。そして、折り目2a、3aに直交する両短辺(図1の上下方向)4の端部が該折り目を含んでそれぞれヒートシールされ、幅wのヒートシール部6を形成している。
又、各プリーツ部2,3は短辺4に沿う方向の中央線Cの上下に、それぞれ平行に設けられ、かつ各プリーツ部の折り目2a、3a同士が間隔Gを開けて対向している。
なお、この実施形態では、マスク兼用ティッシュペーパー10は、針葉樹の晒しクラフトパルプ(NBKP)を60%以上含む6プライのティシュペーパーであり、折り上がり寸法は長辺の長さが170〜200mm、短辺4の長さが80〜120mmである。
【0013】
ここで、後述する掛け紐を取り付けてマスクとして使用するため、マスク兼用ティッシュペーパー10は、
JIS−S3104に規定するMD方向の湿潤時の引張強さ(MDWET強度)が1.4〜4.1N/25mm、CD方向の湿潤時の引張強さ(CDWET強度)が0.5〜2.1N/25mmであり、
JIS−S3104に規定するMD方向の乾燥時の引張強さ(MDDRY強度)が5.2〜10.3N/25mm、CD方向の乾燥時の引張強さ(CDDRY強度)が1.8〜5.2N/25mmであり、
JIS−S3104に規定する吸水度が8秒以下/0.1mlであり、
JIS−L1096に規定する通気度が21〜52cm/cm/s(秒)、であることが好ましい。
【0014】
MDWET強度及びCDWET強度が上記した下限値未満の場合、マスクとしての使用時に咳やくしゃみによる唾液等でマスク兼用ティッシュペーパー10の破れが生じやすくなり、上限値を超えるとマスク兼用ティッシュペーパー10が硬くなり、ティシュペーパーとしての使用感や、マスクとしてのフィット性が損なわれる場合がある。
MD乾燥強度及びCD乾燥強度が上記した下限値未満の場合は、後述する掛け紐を取り付けた際にマスク兼用ティッシュペーパー10が破れやすくなり、上限値を超えるとマスク兼用ティッシュペーパー10が硬くなり、ティシュペーパーとしての使用感や、マスクとしてのフィット性が損なわれる。
通気度が上記した下限値未満では通気性が悪く、マスクとして長時間使用すると息苦しく感じる恐れがあり、上限値を超えると通気性が良くなりすぎて、マスク本来の機能である外部からの花粉やウィルスの侵入を十分に阻止できない恐れがある。
吸水度が8秒を超えると、ティシュペーパーとして鼻をかんだときや、マスクとして使用して咳等をしたときに、鼻水や唾液がシートにすぐに吸収されず、使用者に不快感を与える恐れがある。
【0015】
図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。マスク兼用ティッシュペーパー10の両長辺の端部がそれぞれ顔側Fに向かって折り返されている。又、プリーツ部2は、マスク兼用ティッシュペーパー10の上部から中央線C付近で顔側Fの反対側に折り返される第1の折り目2a1と、第1の折り目2a1で折り返された部分が途中で顔側Fに折り返される第2の折り目2a2から形成される。同様に、プリーツ部3は、マスク兼用ティッシュペーパー10の下部から中央線C付近で顔側Fの反対側に折り返される第1の折り目3a1と、第1の折り目3a1で折り返された部分が途中で顔側Fに折り返される第2の折り目3a2から形成される。第2の折り目2a2及び第2の折り目3a2で折り返された部分は繋がっている。
なお、プリーツ部2、3以外のマスク兼用ティッシュペーパー10が折り返されている必要はないが、プリーツ部2、3以外の部分をも折り返すことで、後述するヒートシール部6の強度が向上し、マスクとして使用するために掛け紐20を取り付けた際、マスク兼用ティッシュペーパー10が破れ難くなる。
【0016】
ここで、折り目2a、3a同士の間隔Gとは、各プリーツ部2,3が有する2本以上の折り目2a、3aのうち、同じ面に対向している第1の折り目2a1、3a1同士、及び第2の折り目2a2、3a2同士の間隔をいう。この実施形態では、第1の折り目2a1、3a1同士の間隔が最も狭く、この間隔をGとする。このように、同じ面に対向している折り目同士に間隔を設けることで、後述するヒートシールの際に折り目同士が接触してヒートシールを妨げることが無く、ヒートシール部の強度が向上する。間隔Gは1〜5mmであることが好ましくより好ましくは、2〜3mmである。
又、プリーツ部2,3におけるティッシュペーパーの重ね枚数は3枚であり、マスク兼用ティッシュペーパー10の両長辺の端部のティッシュペーパーの重ね枚数は2枚であり、プリーツ部2,3においてより多くのティッシュペーパーが重ねられている。これにより、使用者の口が当りやすいマスク兼用ティッシュペーパー10の中央部付近で、プリーツ部2,3が使用者のくしゃみや咳等による飛沫成分をしっかりと吸収すると共に、飛沫等で濡れることによるマスク兼用ティッシュペーパー10の強度低下を抑制する。
【0017】
図3は、後述する掛け紐を取り付けてマスクとして使用したときの、マスク兼用ティッシュペーパー10の断面図を示す。図3は、図2に相当する断面図である。
マスク兼用ティッシュペーパー10をマスクとして装着し、プリーツ部2,3を広げると、マスク兼用ティッシュペーパー10が円弧状に広がり、使用者の顔面に合った形状になるため、口元に空間ができ、より着用感が向上する。
【0018】
次に、図4を参照し、マスク兼用ティッシュペーパー10に掛け紐20を取り付けたティッシュペーパー型マスク100の構成について説明する。図4は、ティッシュペーパー型マスク100の顔側の面を示している。
ティッシュペーパー型マスク100は、マスク兼用ティッシュペーパー10と、マスク兼用ティッシュペーパー10の両短辺4の端部側を着脱自在に挟み込む挟持部22を両端に備えた耳掛け用の掛け紐20とを有している。掛け紐20は、ゴム紐からなる紐部21の両端に後述する挟持部22が接続されて構成されている。
【0019】
本発明においては、マスク兼用ティッシュペーパー10の両短辺4の端部が折り目2a、3aを含んでそれぞれヒートシールされ、ヒートシール部6を形成している。このため、ヒートシール部6のうち、少なくとも各プリーツ部2,3に相当する位置では、3枚のティッシュペーパーが重ねられて強度が高くなっている。又、この例では、ヒートシール部6のうち各プリーツ部2,3以外の位置(つまり、マスク兼用ティッシュペーパー10の両長辺の端部)においても、2枚のティッシュペーパーが重ねられて強度が高くなっている。従って、これら複数枚のティッシュペーパーが重ねられて強度が向上したヒートシール部6を掛け紐20の挟持部22で挟持すれば、ティッシュペーパーが破れることなく保持され、マスクとして使用することができる。
【0020】
なお、ヒートシールが確実に行われるよう、ヒートシール部6の幅w(折り目2a、3aに平行な方向)が2〜6mmであるのがよい。幅wが2mm未満であるとヒートシールが不完全となり、6mmを超えるとプリーツ部2,3を広げ難くなる場合がある。
又、ヒートシール温度は230〜280℃が好ましく、より好ましくは250±10℃である。従来、ティッシュペーパーをヒートシールすることは無く、単なるエンボス加工が行われていたが、上記した高温であればティッシュペーパーをヒートシールできることが本発明者らの検討により判明している。
【0021】
図5は、挟持部22の構成を示す。挟持部22は、ほぼ同一な台形状の樹脂製の片部22A、22Bを底辺で接続してなり、該底辺を折り返し線Rとして折り返すことで、各片部22A、22Bの間にマスク兼用ティッシュペーパー10を挟持するようになっている。各片部22A、22Bはそれぞれ180度対称の位置で、折り返し線Rで接続されている。
片部22Aの中央膨出部22A2に紐部21の一端が係止し、片部22Aの中央はくり貫かれて開口22Hを形成している。そして、各片部22A、22Bを折り返した際に中央膨出部22A2が開口22Hに収容されるようになっている。
片部22Aの先端には片部22Aの内面(片部22Bと対向する面)から突出する突部22A1が形成され、突部22A1の内側側壁には凹部22A4が設けられている。一方、片部22Bの一片には外側に突出する係止片22B3が設けられ、各片部22A、22Bを折り返した際に係止片22B3が突部22A1を乗り越え、凹部22A4に収容されるようになっている。
同様に、片部22Bの先端には片部22Bの内面(片部22Aと対向する面)から突出する突部22B1が形成され、突部22B1の内側側壁には凹部22B4が設けられている。一方、片部22Aの一片には外側に突出する係止片22A3が設けられ、各片部22A、22Bを折り返した際に係止片22A3が突部22B1を乗り越え、凹部22B4に収容されるようになっている。このようにして、各片部22A、22Bが折り返された状態で保持され、各片部22A、22B間にマスク兼用ティッシュペーパー10を確実に挟持する。
【0022】
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、マスク兼用ティッシュペーパーのプリーツ部の折り目は2本以上であればよく3本以上であってもよい。又、掛け紐や挟持部の構造も限定されず、挟持部はマスク兼用ティッシュペーパーの端部を着脱自在に挟み込むものであればよい。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。
【0024】
針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)75質量%、及び広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)25質量%を原料パルプとし、坪量13g/mのシート(ティッシュペーパー)を抄紙した。このシートを3プライに重ねたものを用い、図1、図2に示すティッシュペーパー型マスク10を作成した。
このティッシュペーパー型マスク10に対し、JIS−S3104「ティシュペーパー」の試験方法に準じて湿潤時の引張強さ、乾燥時の引張強さ、吸水度を測定した。同様に、JIS−L1096「一般織物試験方法」の「8.27章 通気性のフラジール形法」に準じ、ティッシュペーパー型マスク10の通気度を測定した。
なお、原料パルプに加える湿潤紙力増強剤(荒川化学製CAM−6)の添加量を、対パルプ0.2〜0.4質量%(固形分換算)の範囲で変えて、ティッシュペーパー型マスク10の湿潤時の引張強さを変化させた。原料パルプに加える湿潤紙力増強剤の添加量が多いほど、湿潤時の引張強さは高くなる。又、各原料パルプの叩解度を、ワイヤパート手前の原料パルプの濾水度が400〜500mlとなる範囲で変えて、ティッシュペーパー型マスク10の乾燥時の引張強さ及び通気度を変化させた。
【0025】
次に、このティッシュペーパー型マスク10に対し、図4、図5に示す掛け紐20を取り付けてティッシュペーパー型マスク100を得た。
このティッシュペーパー型マスク100を、モニター20人に装着し、使用感を調査した。
得られた結果を表1〜表3に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

【0029】
【表4】

【0030】
表1〜表4から明らかなように、マスク兼用ティッシュペーパー10において、JIS−S3104に規定するMD方向の湿潤時の引張強さ(MDWET強度)が1.4〜4.1/25mm、CD方向の湿潤時の引張強さ(CDWET強度)が0.5〜2.1N/25mmであり、
JIS−S3104に規定するMD方向の乾燥時の引張強さ(MDDRY強度)が5.2〜10.3N/25mm、CD方向の乾燥時の引張強さ(CDDRY強度)が1.8〜5.2N/25mmであり、
JIS−S3104に規定する吸水度が8秒以下/0.1mlであり、
JIS−L1096に規定する通気度が21〜52cm/cm/sである発明品1〜9の場合、マスクとしての使用時に破れが生じず、ティシュペーパーとしての使用感や、マスクとしてのフィット性が損なわれなかった。又、マスクとして長時間使用しても息苦しく感じず、マスク本来の機能である外部からの花粉やウィルスの侵入を十分に阻止できた。
【0031】
一方、マスク兼用ティッシュペーパー10のMDWET強度、CDWET強度、MDDRY強度、CDDRY強度、吸水度、及び通気度のうち、いずれか1つでも上記範囲を外れた場合、マスクとしての使用時に破れが生じたり、ティシュペーパーとしての使用感や、マスクとしてのフィット性が損なわれた。又、マスクとして長時間使用するとなかった。
【符号の説明】
【0032】
2、3 プリーツ部
2a、3a 折り目
4 折り目に直交する辺
6 ヒートシール(部)
8 接着体
9 バックシート
10 マスク兼用ティッシュペーパー
20 掛け紐
21 紐部
22 挟持部
100 ティッシュペーパー型マスク
C 短辺に沿う方向の中央線
F 使用者の顔側
G 各プリーツ部の折り目同士の間隔
w ヒートシール部の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本の相対する平行な折り目から形成される立体的なプリーツ部を有する矩形状のティッシュペーパーから構成され、前記折り目に直交する両辺の端部が該折り目を含んでそれぞれヒートシールされ、前記端部側に耳掛け用の掛け紐を着脱自在に取り付けてマスク本体として使用されるマスク兼用ティッシュペーパー。
【請求項2】
前記ヒートシール部の幅が2〜6mmである請求項1記載のマスク兼用ティッシュペーパー。
【請求項3】
JIS−S3104に規定するMD方向の湿潤時の引張強さが1.4〜4.1N/25mm、CD方向の湿潤時の引張強さが0.5〜2.1N/25mmであり、
JIS−S3104に規定するMD方向の乾燥時の引張強さが5.2〜10.3N/25mm、CD方向の乾燥時の引張強さが1.8〜5.2N/25mmであり、
JIS−S3104に規定する吸水度が8秒以下/0.1mlであり、
JIS−L1096に規定する通気度が21〜52cm/cm/sである請求項1又は2記載のマスク兼用ティッシュペーパー。
【請求項4】
前記プリーツ部は前記両辺に沿う方向の中央部の2箇所に平行に設けられ、かつ各プリーツ部の折り目同士が間隔を開けて対向している請求項1〜3のいずれか記載のマスク兼用ティッシュペーパー。
【請求項5】
前記プリーツ部における前記ティッシュペーパーの重ね枚数が他の部分の前記ティッシュペーパー重ね枚数より多くなっている請求項1〜4のいずれか記載のマスク兼用ティッシュペーパー。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載のマスク兼用ティッシュペーパーからなるマスク本体と、前記マスク兼用ティッシュペーパーの前記端部側を着脱自在に挟み込む挟持部を両端に備えた耳掛け用の掛け紐とを備えたティッシュペーパー型マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−62269(P2011−62269A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213963(P2009−213963)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000183462)日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Fターム(参考)】