説明

マスコット袋

【課題】 マスコットの内部に袋を収納することができると共に、その袋とマスコットとを紐状体で連結して、使い勝手のよいものとすること。
【解決手段】 紐状体6の一端側をマスコット3の挿通孔に挿通すると共に、その紐状体6の他端側を袋4に係止し、袋4をマスコット3の開口2から中空内に挿脱自在に挿入できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外形が動物等を模したマスコット内に袋を挿脱自在に挿入することができるマスコット袋に関する。
【背景技術】
【0002】
動物の外形を模したぬいぐるみの一部に開口を設け、そこにぬいぐるみと一体にした袋を挿脱自在に挿入したものが下記特許文献に知られている。そして袋を使用しない時はその袋をぬいぐるみの開口に折りたたんで挿入し、ぬいぐるみおもちゃとして使用する。また、必要時には内部の袋を取り出し、そこに物品を収納することができるものである。
【特許文献1】実用新案登録第3006008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のぬいぐるみおもちゃは、ぬいぐるみと袋とが一体に取り付けられ、両者が分離できないように形成されているので、袋の使用時にぬいぐるみが邪魔になり、その開口を開けて袋内部に物品を収納することが面倒である欠点があった。即ち通常の袋の使い勝手をそのまま利用することができないものであった。
そこで本発明は、袋の使用時にその使い勝手がよいと共に、マスコットと袋とが不用意に分離しないようにしたマスコット袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の本発明は、内部に袋挿入用の中空(1)が形成されると共に、その中空(1)に通じる開口(2)が外周の一部に設けられたマスコット(3)と、
前記中空(1)に前記開口(2)から挿脱自在に挿入され、前記マスコット(3)とは独立に分離した袋(4)と、
前記マスコット(3)の外周に設けられ前記中空(1)に通ずる挿通孔(5)と、
前記中空(1)から前記挿通孔(5)を通して一端側がマスコット(3)の外部に導かれ、その挿通孔(5)内を移動自在に挿通される紐または鎖、線材等の細長い可撓性の紐状体(6)と、を具備し、
その紐状体(6)の他端側と前記袋(4)とが係止されて、互いに分離できないように構成されたマスコット袋である。
【0005】
請求項2に記載の本発明は、請求項 1において、
前記紐状体(6)と前記挿通孔(5)との間に抜け止め手段(6a)が設けられ、紐状体(6)がマスコット(3)の挿通孔(5)から抜け出ないように構成されたマスコット袋である。
請求項3に記載の本発明は、請求項2において、
前記抜け止め手段(6a)が、紐状体(6)の端の外周を挿通孔(5)の孔径より大としたマスコット袋である。
請求項4に記載の本発明は、請求項2において、
前記抜け止め手段(6a)は、前記紐状体(6)が環状に形成され、前記マスコット(3)の外周に二つの前記挿通孔(5)が設けられ、その環状の紐状体(6)が前記二つの挿通孔(5)にエンドレスに挿通されたマスコット袋である。
【0006】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記袋(4)の開口の紐挿通部(4a)に前記紐状体(6)が挿通されて巾着型袋を構成し、その紐状体(6)が前記中空(1)から前記挿通孔(5)を通してマスコット(3)の外部に導かれたマスコット袋である。
請求項6に記載の本発明は、請求項5において、
前記紐状体(6)を絞って前記巾着型袋の開口が閉塞状態にされたとき、その閉塞部近傍のみが前記マスコット(3)の前記中空(1)内に出入自在に収まるように構成されたマスコット袋である。
【0007】
請求項7に記載の本発明は、請求項6において、
前記抜け止め手段(6a)は、前記紐状体(6)が環状に形成され、前記マスコット(3)の外周に互いに離間して二つの前記挿通孔(5)が設けられ、その環状の紐状体(6)が二つの挿通孔(5)にエンドレスに挿通され、前記マスコット(3)と前記袋(4)とにまたがり一体性のある意匠が施されたマスコット袋である。
請求項8に記載の本発明は、請求項1において、
前記袋(4)が取手(4b)を有するものからなり、その取手(4b)に前記紐状体(6)が係止されたマスコット袋である。
請求項9に記載の本発明は、請求項1〜請求項8のいずれかにおいて、
前記マスコット(3)はその外周が、動植物等の自然物や商品の形態、建築物等の人工的な意匠の外形を模したもの、あるいは球形、多角形等の幾何学体に形成されたマスコット袋である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマスコット袋は、マスコット3の開口2からその内部の中空1に独立した袋4が挿脱自在に挿入され、その袋4に係止された紐状体6がマスコット3の中空1から挿通孔5を通して外部に導かれるように構成したから、搬送時にはコンパクトに袋4をマスコット3内に収納して持ち歩くことができる。それと共に、袋4の使用時にはマスコット3から分離して袋4を開放し内部に物を収納することが容易となる。その際、紐状体6をマスコット3と挿通孔5に挿通したままにすることができ、両者が分離することなく、取り扱いやすいものとなる。
上記構成において、紐状体6とマスコット3の挿通孔5との間に抜け止め手段6aを設けた場合には、袋4使用時に不用意に紐状体6がマスコット3から分離することを防止し、より取り扱い性のよいものとなる。
【0009】
上記構成において、紐状体6の端の外周を挿通孔5の口径より大とずる抜け止め手段6aとしたものにおいては、構造が簡単で、マスコット3と袋4とが分離することを効果的に防止できる。
上記構成において、マスコット3の外周に二つの挿通孔5を設け、そこに環状の紐状体6をエンドレスに形成してものにおいては、マスコット3と袋4との分離を確実に防止できる。
上記いずれかの構成において、袋4を巾着型のものとし、その開口を閉塞する紐状体6をマスコット3の挿通孔5に挿通したものにおいては、紐状体6が袋4の開閉手段を兼用し、より取り扱いやすいコンパクトなマスコット袋となりうる。
上記構成において、紐状体6を絞って巾着型袋の開口を閉塞状態にしたとき、その閉塞部近傍のみがマスコット3の中空1内に出入自在に収まるように構成したものにおいては、袋4内に物を収納した状態で袋4の開口をマスコット3によって閉塞することができ体裁のよいものとなる。
【0010】
上記構成において、マスコット3の外周に二つの挿通孔5を設け、紐状体6がその二つの挿通孔5にエンドレスに挿通され、マスコット3と袋4とにまたがり一体性のある意匠が施された巾着型の袋においては、袋内に物を収納し、開口を絞ってマスコット3内にその開口部を挿通したとき、マスコット3と袋4との意匠の整合性を確保できる。
上記構成において、袋4が取手4bを有し、その取手4bに紐状体6が係止されたものにおいては、袋4を使用するときには、その取手4bにマスコット3がぶら下がることになり、使用状態において面白みのあるマスコット袋となる。
上記いずれかの構成において、マスコット3としてその外周を、動植物等の自然物や商品の形態、建築物等の人工的な意匠の外形を模したもの、あるいは球形または多角形の幾何学的に形成されたものとした場合には、内部に袋4を挿入した状態で、体裁の良いものとなりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、図面に基づいて本発明の各実施の形態につき説明する。図1〜図5は本発明の第1の実施の形態を示すマスコット袋であり、図1はそのマスコット3内に袋を収納した状態を示し、図2は同底面図、図3は図1のIII−III矢視断面図、図4はそのマスコット3から袋4を取り出した状態を示す説明図、図5は図4の開口を絞ってその上端部をマスコット3に収納したものである。図5(B)はペットボトルホルダとした袋4にペットボトル7を収納した状態を示す。
【0012】
このマスコット袋は図3〜図5に示すごとく、マスコット3と袋4と、その両者を連結する紐状体6とを有する。この例では袋4は巾着型の袋であり、その開口に紐挿通部4aが図4の如く形成される。その紐挿通部4aに環状の紐状体6が挿通されている。そして、その紐状体6の端部側がマスコット3の口縁2aから開口2を通し、図3の如く、その挿通孔5に挿通され、外部に導かれる。そして紐状体6の一端には図1に示す如く結び付目が設けられ、それにより抜け止め手段6aを形成する。この抜け止め手段6aである結び目の外径は挿通孔5の内径よりも大である。
この例ではマスコット3として動物を模した外形を有し、一例として亀を模したものである。これに代えて、図7の如く熊や図8の如くイルカとすることができる。更にはマスコット3の外形は植物の花や葉っぱ等の自然物であっても、あるいは瓶ややかん等の商品形態であっても、更には著名な建築物や車等の人工的な意匠の外形を模したものでもよい。更にはマスコット3を球形または多角形の幾何学的形態とすることもできる。
【0013】
この例ではマスコット3は、その腹部に開閉することができる口縁2aが図2、図3の如く形成されている。即ち口縁2aを押し広げて袋4を挿脱することができる。なお、これに変えて、図11の如くマスコット3の腹部にスカート状の蓋をし、その裾をゴム等により開閉自在に絞る構造とすることもできる。また挿通孔5にはこの例では一つのハトメが設けられている。これに代えて、図6の如く二つのハトメを互いに離間してマスコット3外周に設けてもよい。マスコット3は布材やプラスチック材、金属材、その他適宜なものが使用できる。
(使用方法)
【0014】
マスコット3の内部に袋4を収納するには、図3に示す如く、袋4を折りたたんで口縁2aからマスコット3の開口2内に収納する。そして、図1の状態にして持ち歩くことができる。次に、マスコット3内の袋4を使用するには、図4に示す如く、マスコット3の開口2から袋4を引き出し、次いで袋4内に物を収納し、図5の如くその開口部絞ってその開口部周辺のみをマスコット3内に収納することができる。このとき、紐状体6は持ち手となる。袋4内にペットボトルホルダを収納する場合には、そのキャップ部および上端部をマスコット3内に図5(B)の如く挿入することができる。
【0015】
次に、図7は本発明の他の実施の形態を示し、この例では、(D)の如くマスコット3に二つの挿通孔5が挿通され、紐状体6がそれらにエンドレスに挿通され、且つ、それが袋4の孔縁部に設けられた紐挿通部4aに挿通されている。そしてマスコット3と袋4とは一体として意匠が形成される。つまりマスコット3に動物の頭部が形成され、袋4にその首から下の意匠が施されている。そして、紐状体6が紐挿通部4aから引き出される位置およびマスコット3の挿通孔5の相対関係が一定されているため、図7(C)の如く、袋に物を収納状態で、その上部をマスコット3に挿入すると、マスコット3の頭部意匠と袋4の胴部意匠とがつながって一体化し、全体としてまとまりのあるデザインとなる。この例では、袋4の下端につまみ8が設けられ、図7(A)の如くマスコット3内に袋4が収納されたとき、そのつまみ8が外部に露出する。そしてつまみ8を引っ張り出すことにより袋4の内部に物を収納することができる。
【0016】
図8〜図10は本発明の更に他の例であり、マスコット3に一対の挿通孔5形成されている。そして、袋4として図10に示す如く、手提げ袋が用いられている。そして袋4の取手4bに紐状体6が係止されている。この紐状体6は環状に形成され、その一端側が取手4bに係止されると共に、他端側が図10(B)の如く一対の挿通孔5にエンドレスに挿通されている。袋4をマスコット3に収納するには、図8の如く、取手ごと袋4を折り畳めばよい。袋4を使用するには図9の如くマスコット3から袋4を引き出し、次いで図10の如く袋4を広げる。このとき紐状体6は取手4bに保持されている。それ故、マスコット3と袋4とが分離することがない。この状態で袋4内に物を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1のマスコット袋であって、マスコット3内部に袋を収納した状態の斜視図。
【図2】同底面図。
【図3】図1のIII−III矢視断面図。
【図4】同袋4をマスコット3から引き出した状態を示す説明図。
【図5】同袋4の頭部を絞ってそれをマスコット3内部に収納した状態を示す説明図、及び同袋4をペットボトルホルダ型とした説明図。
【図6】図3における他の例を示す断面図。
【0018】
【図7】本発明の他の例であって、(A)はそのマスコット3に袋4を収納した正面図、(B)は底面図、(C)はマスコット3から袋4を引き出し、その上端をマスコット3に収納した状態を示す正面図、(D)は袋4をマスコット3から引き出した状態を示す背面側斜視図。
【図8】本発明の更に他の例を示し、袋4をマスコット3内に収納した状態を示す斜視図。
【図9】同マスコット3から袋4を引き出そうとする状態を示す説明図。
【図10】同袋4を引き出して広げた状態を示すもの、およびB部拡大図。
【図11】図2における口縁2aの他の例を示す底面図。
【符号の説明】
【0019】
1 中空
2 開口
2a 口縁
3 マスコット
4 袋
4a 紐挿通部
4b 取手
5 挿通孔
6 紐状体
6a 抜け止め手段
7 ペットボトル
8 つまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に袋挿入用の中空(1)が形成されると共に、その中空(1)に通じる開口(2)が外周の一部に設けられたマスコット(3)と、
前記中空(1)に前記開口(2)から挿脱自在に挿入され、前記マスコット(3)とは独立に分離した袋(4)と、
前記マスコット(3)の外周に設けられ前記中空(1)に通ずる挿通孔(5)と、
前記中空(1)から前記挿通孔(5)を通して一端側がマスコット(3)の外部に導かれ、その挿通孔(5)内を移動自在に挿通される紐または鎖、線材等の細長い可撓性の紐状体(6)と、を具備し、
その紐状体(6)の他端側と前記袋(4)とが係止されて、互いに分離できないように構成されたマスコット袋。
【請求項2】
請求項 1において、
前記紐状体(6)と前記挿通孔(5)との間に抜け止め手段(6a)が設けられ、紐状体(6)がマスコット(3)の挿通孔(5)から抜け出ないように構成されたマスコット袋。
【請求項3】
請求項2において、
前記抜け止め手段(6a)が、紐状体(6)の端の外周を挿通孔(5)の孔径より大としたマスコット袋。
【請求項4】
請求項2において、
前記抜け止め手段(6a)は、前記紐状体(6)が環状に形成され、前記マスコット(3)の外周に二つの前記挿通孔(5)が設けられ、その環状の紐状体(6)が前記二つの挿通孔(5)にエンドレスに挿通されたマスコット袋。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記袋(4)の開口の紐挿通部(4a)に前記紐状体(6)が挿通されて巾着型袋を構成し、その紐状体(6)が前記中空(1)から前記挿通孔(5)を通してマスコット(3)の外部に導かれたマスコット袋。
【請求項6】
請求項5において、
前記紐状体(6)を絞って前記巾着型袋の開口が閉塞状態にされたとき、その閉塞部近傍のみが前記マスコット(3)の前記中空(1)内に出入自在に収まるように構成されたマスコット袋。
【請求項7】
請求項6において、
前記抜け止め手段(6a)は、前記紐状体(6)が環状に形成され、前記マスコット(3)の外周に互いに離間して二つの前記挿通孔(5)が設けられ、その環状の紐状体(6)が二つの挿通孔(5)にエンドレスに挿通され、前記マスコット(3)と前記袋(4)とにまたがり一体性のある意匠が施されたマスコット袋。
【請求項8】
請求項1において、
前記袋(4)が取手(4b)を有するものからなり、その取手(4b)に前記紐状体(6)が係止されたマスコット袋。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかにおいて、
前記マスコット(3)はその外周が、動植物等の自然物や商品の形態、建築物等の人工的な意匠の外形を模したもの、あるいは球形、多角形等の幾何学体に形成されたマスコット袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−105272(P2007−105272A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299685(P2005−299685)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(505384760)
【Fターム(参考)】