説明

マスティック含有シャンプー及びトリートメント

【課題】従来のシャンプー及びトリートメントから、化学薬品による人体の悪影響を排除し、従来品の洗浄能力に、人体に安全な天然成分の薬効とマスティックの抗菌性、殺菌性を加えて、地肌の改善機能を向上させる。
【解決手段】シャンプー及びトリートメントはマスティックを含有する天然物抽出エキスを含んでいる。一方で人体に害を与える可能性をもつ化学薬品を一切使用しない。マスティックとこれらの成分の相乗効果と化学薬品を排除する事によって、既存品にくらべ地肌を痛めることなく、抗菌効果による地肌の改善機能を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー及びトリートメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
pistacia lentiscusの木から抽出される天然の樹液エキスであるマスティックは西欧の方で古来から、健康促進や消化器疾患に対する薬品として知られていた。また最近の研究により、ピロリ菌に対する殺菌効果が認められており、ヨーロッパやアメリカをはじめとして、実際に医薬品としての価値が認められ、軟膏や、手術の糸として幅広く使用されている。
【0003】
また、その殺菌効果に着目し歯周病予防の歯磨き剤も開発されている。日焼け止め効果もあるためオイルは化粧品の原料としても利用されている。
【0004】
このマスティックの効果に関しては非特許文献1である「多機能食品としてのマスティックの生物学的作用」の中で、抗菌作用、抗酸化作用、抗腫傷作用、抗HIV作用もマスティックの効果としてあげられている。
【先行技術文献】
【非特許文献1】
【0005】
ニューフードインダストリー 49(4) pp.1 08 2007/4、「多機能食品としてのマスティックの生物学的作用」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、マスティックの人体へ無害な事と、古来から現在に至るまで、薬品として使用されてきたマスティックの高い抗菌性、生体・皮膚への保護機能に着目し、各種の実験、研究を行った結果、頭皮、頭髪の改善機能を向上させる作用効果が得られることを見出し、本発明をなすにいたった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明ははマスティックを含む、植物抽出エキスなどの天然物抽出エキスからシャンプー及びトリートメントを精製することを特徴としている。
【0008】
マスティック以外の天然物抽出エキスは、野菜、果物、海草、穀物、野生植物、菌類などの天然物から、熱水抽出法やろ過・精製する方法によって抽出する事ができる。
【0009】
天然抽出物エキスとしては、例としてラベンダー油やクエン酸、その他ハーブとして有名なセージ、タイムや野菜であるセロリから得られるエキスがあげられる。
【0010】
ラベンダー油にはその香りが気分を安定させるアロマテラピー効果を有し、クエン酸は柑橘類から抽出可能で、PH調整効果があり、肌のキメを整え、健康な状態に維持することができる。セージから抽出されるエキスには血行促進、消炎効果、殺菌効果があり、セロリから抽出されるエキスには保湿効果がある。
【0011】
これらの天然抽出物エキスは以上のように古来より薬物としての効能が認められている。この天然抽出物エキスマスティックとあわせて使用することにより、マスティックの高い抗菌性、生体・皮膚への保護機能と合わさって、高いシナジー効果をあげる事ができる。
【0012】
マスティックは他の成分と非常に混ざりにくい性質を持っている。そのためマスティックを含む天然物抽出エキスは50度から65度の温度で半日以上煮詰め、その後数日間熟成させることにより、アミノ酸を破壊することなく、シャンプー及びトリートメントに相応しいゲル状に混ざりあった状態を、従来品に使用したような安定剤を使用することなく、維持させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により製造されるシャンプー及びトリートメントは、マスティックの働きによる高い抗菌作用、抗酸化作用、抗腫傷作用をもつ。これと従来より薬品や健康食品として使用されてきた天然抽出物エキスを配合することにより、その相乗効果によりシャンプー及びトリートメントとしての機能を一層増すことができる。
【0014】
また人体に有害と予測される従来品に使用されていた化学薬品による安定剤は一切使用しないので、低刺激、弱酸性という効果をもたらす事ができる。
【0015】
したがって、従来では得られなかった、ふけ防止、ぬ抜け毛対策、日焼け止め等の生体・皮膚の保護機能に対して優れた効果を得ることができ、また従来品より生体・皮膚に対して低刺激という効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を適用した実施例を説明する。
【0017】
実施例1:シャンプー
以下の成分を含むシャンプーを調製した。
配合成分:水、オレフィン(14−16)スルホン酸Na、コカミドDEA、コカミドプロピルベタイン、ココイルグルタミン酸TEA、PEG−15ココポリアミン、PEG−7グリセリンエート、クエン酸、ポリクオタニウム−10、ジステアリン酸PEG−150、アルテアエキス、オノニスエキス、カミツレエキス、スギナエキス、フキタンポポエキス、メリッサエキス、ベタイン、セイヨウアカマツ葉油、マスティック樹脂
【0018】
本例のシャンプーは、低刺激、弱酸性タイプのシャンプーである。
【0019】
オレフィン(14−16)スルホン酸Na、コカミドDEA、コカミドプロピルベタイン、ココイルグルタミン酸TEA、PEG−15ココポリアミン、PEG−7グリセリンエート、に関しては天然のヤシを由来として精製される成分であり、洗浄能力にすぐれた成分として、従来より天然成分を使用した洗剤にも使用されている。
【0020】
ポリクオタニウム−10はトウモロコシなどの繊維より作られ、皮膚の保護効果を持つ。
【0021】
ジステアリン酸PEG−150は植物由来の脂肪酸から作られる安全性に優れた界面活性剤である。
【0022】
アルテアエキスはアルテアから採れたエキスで鎮静や保湿成分として使用される。
【0023】
オノニスエキスはオニノスの根及び根茎から抽出されるエキスである。
【0024】
カミツレエキスはカミツレから採ることができるエキスで毛穴の当廃物を除去し、抗アレルギー、鎮静作用を持つ
【0025】
スギナエキスはスギナから取れるエキスで抗炎症作用を持つ。
【0026】
フキタンポポエキスはフキタンポポの花、葉から取れるエキスで柔軟効果を持つ。
【0027】
メリッサエキスはメリッサより取れるエキスで収斂や保湿、抗菌作用を持つ。
【0028】
ベタインはサトウダイコン、綿実そのほか多くの植物中に存在する植物より取れる天然アミノ酸系保湿剤である。
【0029】
上記の説明のとおり、全ての成分が天然成分由来のものであるため、刺激などの人体への悪影響はなく、マスティックの高い抗菌性、生体・皮膚への保護機能との相乗効果により、天然成分だけで、従来のシャンプーと同等以上洗浄力に加え、従来品よりはるかに高品質の低刺激性と生体・皮膚への保護機能が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスティックを含む天然物抽出エキスから構成される事を特徴とするシャンプー及びトリートメント。

【公開番号】特開2011−84545(P2011−84545A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255478(P2009−255478)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(509307521)
【Fターム(参考)】