説明

マッサージパック洗顔料組成物

【課題】マッサージパック洗顔料に関して、泡の伸びや洗い流しやすい使用感が良好で、低温時でも良好な泡質のマッサージパック洗顔料を提供することである。
【解決手段】ベヘニルアルコール及びセチルアルコールからなる高級アルコール1〜5重量%、ベヘン酸及びステアリン酸からなる高級脂肪酸3〜8重量%、ポリオキシエチレンステロール及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる非イオン界面活性剤1〜4重量%からなる水溶性エアゾール原液92〜97重量%と液化石油ガス3〜8重量%及び炭酸ガスで25℃において0.4〜0.7MPaに加圧されたマッサージパック洗顔料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ洗顔料組成物に関し、更に詳細には泡状に吐出されるマッサージパック洗顔料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
泡状洗顔料のとしては、特許文献1のようにアニオン系界面活性剤を含む水溶液、液化石油ガス、炭酸ガスの組み合わせできめ細かい泡質の洗顔料が提案されている。特許文献2、3のようにポリエチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールを多く含んだ泡状のパック料が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特願2010−94476号
【特許文献2】特開昭61−158909号
【特許文献3】特開2005−2030号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1はきめ細かい泡で伸びが良く、洗顔フォームとして適しているが、泡質が柔らかいのでマッサージ料としては好ましくない。特許文献2及び3の技術はポリエチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールを50%以上含むため、肌への密着性に優れているが、反面洗い流しが困難で、大量の水を使用する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ベヘニルアルコール及びセチルアルコールからなる高級アルコール1〜5重量%、ベヘン酸及びステアリン酸からなる高級脂肪酸3〜8重量%、ポリオキシエチレンステロール及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる非イオン界面活性剤1〜4重量%からなる水溶性エアゾール原液92〜97重量%と液化石油ガス3〜8重量%及び炭酸ガスで25℃において0.4〜0.7MPaに加圧されたマッサージパック洗顔料組成物を見出し、このマッサージパック洗顔料は泡状に吐出され肌への伸びが良好であり、また、洗い流しが簡単であるマッサージパック洗顔料の本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0006】
即ち、本発明は、下記のマッサージパック洗顔料組成物を提供するものである。
1.ベヘニルアルコール及びセチルアルコールからなる高級アルコール1〜5重量%、ベヘン酸及びステアリン酸からなる高級脂肪酸3〜8重量%、ポリオキシエチレンステロール及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる非イオン界面活性剤1〜4重量%からなる水溶性エアゾール原液92〜97重量%と液化石油ガス3〜8重量%及び炭酸ガスで25℃において0.4〜0.7MPaに加圧されたマッサージパック洗顔料組成物。
2.前記ベヘニルアルコールとセチルアルコールの配合比率が80:20〜60:40であるマッサージパック洗顔料組成物。
3.前記ベヘン酸とステアリン酸の配合比率が80:20〜60:40であるマッサージパック洗顔料組成物。
4.前記ポリオキシエチレンステロールとポリエチレングリコール脂肪酸エステルの配合比率が20:80〜40:60である請求項1記載のマッサージパック洗顔料組成物。
以下、本発明のマッサージパック洗顔料組成物について具体的に説明する。
【0007】
本発明に用いる高級アルコールはベヘニルアルコールとセチルアルコールが挙げられる。これらは2種が混合して用いられ、配合量としては水溶性エアゾール溶液中に1〜5重量%、更に好ましくは2〜4重量%である。割合としては80:20〜60:40、更に好ましくは70:30〜65:35である。セチルアルコールの割合が20%未満であると泡が柔らかすぎでマッサージ効果が得られにくくなり、また40%を超えると泡が硬すぎてマッサージパック料としては好ましくない。
【0008】
本発明に用いる高級脂肪酸はベヘン酸とステアリン酸が挙げられる。これらは2種が混合して用いられ、水溶性エアゾール溶液中に配合量としては3〜8重量%、更に好ましくは4〜6重量%である。割合としては80:20〜60:40、更に好ましくは70:30〜65:35である。ステアリン酸の割合が20%未満であると泡が柔らかすぎでマッサージ効果が得られにくくなり、また40%を超えると泡が硬すぎてマッサージパック料としては好ましくない。
【0009】
本発明に用いる非イオン性界面活性剤はポリオキシエチレンステロール及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルが挙げられる。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンステロールとしてはPEG−5ダイズステロール、PEG−10ダイズステロール、PEG−20ダイズステロール、PEG−30ダイズステロールが挙げられ、特にPEG−10ダイズステロールが好ましい。また、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、ポリエチレングリコールラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジイソステアリン酸エステルが挙げられ、特にポリオキシエチレンステアリン酸エステルが好ましい。これらは2種が混合して用いられ、配合量としては水溶性エアゾール溶液中に1〜4重量%が好ましく、更に好ましくは2〜3重量%である。割合としては20:80〜40:60、更に好ましくは30:70〜35:65である。ポリオキシエチレンステロールの割合が20%未満であると発泡が大きくなりマッサージパック料としては好ましくなく、また40%を超えると泡が硬すぎてマッサージパック料としては好ましくない。
【0010】
本発明における液化石油ガスは、例えばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタンなどが挙げられ、中でもプロパン、ノルマルブタン、イソブタンの混合物が好ましい。含有量は3〜8重量%が好ましく、更に好ましくは4〜6重量%である。含有量が3重量%未満だと泡質が悪く、また、8重量%を超えると発泡が大きく、きめの細かな泡にならない。
【0011】
本発明における炭酸ガスは、低温時でも内容液を吐出する助剤的な目的で配合されており、水性原液への溶解性が優れている点から好ましい。含有量は25℃で0.4〜0.7MPaになるまで加圧することが好ましく、更に好ましくは0.5〜0.6MPaになるまで加圧することである。25℃で0.4MPa未満であると低温時に最後まで吐出できない場合があり、また、0.7MPaを超えると吐出する勢いが強くて、使用上好ましくない。
【0012】
本発明の水性原液のpHは4.0〜7.0が好ましく、更に好ましくは5.0〜6.5である。pHが4.0未満であるとエアゾールの金属容器を腐食する恐れがあり、7.0を越えるとpHがアルカリ性に近くなるため、肌に刺激を与えることがある。
【0013】
本発明のマッサージパック洗顔料組成物には、上記の必須構成成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で化粧料に使用される一般的なその他の成分、例えば保湿剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、清涼剤、殺菌剤、香料、色素等を適宜配合することができる。
【実施例及び比較例】
【0014】
以下、本発明のマッサージパック洗顔料組成物の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
実施例1〜2及び比較例1〜5
下記表1に示す組成に従って、マッサージパック洗顔料組成物の成分を調整し、それぞれアルミ製エアゾール容器内に充填した。下記評価方法により(イ)泡の硬さ、(ロ)泡の伸び、(ハ)洗い流しやすさ、(ニ)低温時での泡硬さについて評価を行った。その評価結果を併せて表1に示す。実施例及び比較例中の単位は重量%を示す。
【0016】
【表1】

【0017】
(評価方法)
マッサージパック洗顔料としての基本性能の評価を10名の試験者を用いて、実際にマッサージパック洗顔を行って泡の硬さ、顔全体に伸ばした時の泡の伸び、洗い流しやすさの満足度を評価した。評価は下記のそれぞれの採点表から換算される平均点が2.1以上を○、1.1〜2.0を△、1.0以下を×として評価した。試験温度は25±2℃の部屋で実施した。また、5℃の低温時の泡の状態(見た目)も評価した。
【0018】
(イ)泡の硬さ
3:良好
2:普通
1:好ましくない(柔らかすぎるor硬すぎる)
【0019】
(ロ)泡の伸び
3:良好
2:普通
1:好ましくない
【0020】
(ハ)洗い流しやすさ
3:良好
2:普通
1:好ましくない
【0021】
(ニ)試験室の温度5℃での泡の硬さ
3:良好
2:普通
1:好ましくない
【発明の効果】
【0022】
本発明のマッサージパック洗顔料組成物は、泡の伸びや洗い流しやすい使用感が良好で、低温時でも良好な泡質のマッサージパック洗顔料である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベヘニルアルコール及びセチルアルコールからなる高級アルコール1〜5重量%、ベヘン酸及びステアリン酸からなる高級脂肪酸3〜8重量%、ポリオキシエチレンステロール及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる非イオン界面活性剤1〜4重量%からなる水溶性エアゾール原液92〜97重量%と液化石油ガス3〜8重量%及び炭酸ガスで25℃において0.4〜0.7MPaに加圧されたマッサージパック洗顔料組成物。
【請求項2】
前記ベヘニルアルコールとセチルアルコールの配合比率が80:20〜60:40である請求項1記載のマッサージパック洗顔料組成物。
【請求項3】
前記ベヘン酸とステアリン酸の配合比率が80:20〜60:40である請求項1〜2記載のマッサージパック洗顔料組成物。
【請求項4】
前記ポリオキシエチレンステロールとポリエチレングリコール脂肪酸エステルの配合比率が20:80〜40:60である請求項1〜3記載のマッサージパック洗顔料組成物。

【公開番号】特開2013−23493(P2013−23493A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169634(P2011−169634)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(393008821)日進化学株式会社 (16)
【Fターム(参考)】