説明

マッサージ機

【課題】左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使い勝手と安全性とを考慮した体側施療部を前記背もたれ部に取付けて、使用者の肩を含む体側を心地好く効果的に施療可能とする。
【解決手段】体側施療部6を、前記肘掛部5の上面と対向して下面を位置させるとともに、広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部3の左右両側部に取付け、しかも、前記肘掛部5の上面及び前記体側施療部の下面の各長手方向における仮想中心線同士をオフセットさせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関し、特に、座部と背もたれ部を備える椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージ機として、使用者が腰掛ける座部の後部に背もたれ部を設けた椅子型のマッサージ機があり、例えば、背もたれ部にもみ玉やエアバッグ等の施療手段を設けて、同施療手段により使用者の背中をマッサージする構成のものが広く知られており、使用者が腰掛けて背もたれ部にもたれかかった状態で背中に対して施療手段を前後動させて圧力をかけることにより、使用者の背中にもみやたたきと同様の刺激を与えてマッサージを行っていた。
【0003】
また、かかる椅子式マッサージ機において、前記背もたれ部の両側部に、前方へ突出した左右一対の突起体を設け、これら突起体の内側にエアバッグを設け、背中の両側部を広範囲にマッサージ可能としたものがあった(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2000−325416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的な椅子式マッサージ機は、腰掛け姿勢を楽にするために前記座部の左右両側には肘掛部が設けられ、かつ前記背もたれ部は倒伏自在に取付けられてリクライニング可能となっている。
【0005】
このような椅子式マッサージ機において、背中の両側をマッサージするために、上述したように背もたれ部の両側部に突起体を設けた場合、この突起体と前記肘掛部との位置関係が問題になる。特に、背もたれ部を前後に傾動させた場合に、突起体と肘掛部とが大きく干渉しないことは勿論のこと、肘掛部の上面と突起体の下面との隙間に身体の一部を挟んでしまった場合などでも大事に至らないようにする必要がある。
【0006】
このように、前記突起体はそれ自体の形状をはじめ、前記肘掛部との関係が極めて重要であり、肘掛部の形状、さらには突起体と肘掛部との位置関係などが十分に考慮されなければならないが、上記特許文献1にはこれらについては一切開示されていない。
【0007】
したがって、実際に背中の両側(体側)を施療可能としたマッサージ機においては、その使い勝手や安全性に関して解決すべき課題が未だ残されたままである。
【0008】
本発明は上記課題を解決することのできるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明では、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせた。
【0010】
請求項2記載の本発明では、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差するようにした。
【0011】
請求項3記載の本発明では、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差し、かつ前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせた。
【0012】
請求項4記載の本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機において、前記肘掛部と前記体側施療部とは、それぞれの正面視における各左右横幅が、略同じ領域内に収まるように配設されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の本発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機において、前記肘掛部の上面を柔軟部材により形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の本発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機において、前記体側施療部を上下移動可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の本発明では、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマッサージ機において、前記肘掛部の上面と前記体側施療部の下面とを、それぞれアーチ形状に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
(1)請求項1記載の本発明では、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせたことにより、使用者は手や腕を前記肘掛部に載置しながら体側を両側からしっかりと押圧して施療することができ、しかも、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部は撓み易くかつこの体側施療部の下端部が肘掛部の仮想中心線に対して外側へオフセットされているので、体側背両部は外側に逃げ、使用者は手や腕を即座に離脱させることができる。
【0017】
(2)請求項2記載の本発明では、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差するようにしたことにより、使用者は手や腕を前記肘掛部に載置しながら体側を両側からしっかりと押圧して施療することができ、しかも、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部は撓み易くかつこの体側施療部と肘掛部の仮想中心線同士が平面視で交差しているので、体側背両部は外側に逃げ、使用者は手や腕を即座に離脱させることができる。また、この場合、背もたれ部の幅よりも体側施療部の先端間が広くなるので、背もたれ部にもたれかかる場合も体側施療部が邪魔になることがなく、使い勝手が向上する。
【0018】
(3)請求項3記載の本発明では、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差し、かつ前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせたことにより、使用者は手や腕を前記肘掛部に載置しながら体側を両側からしっかりと押圧して施療することができ、しかも、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部は撓み易く、さらにこの体側施療部と肘掛部の仮想中心線同士が平面視で交差し、かつ前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットしているので、体側背両部が外側に容易に逃げるようになり、使用者は手や腕を即座に離脱させることができる。さらに、背もたれ部の幅よりも体側施療部の先端間が広くなるので、背もたれ部にもたれかかる場合も体側施療部が邪魔になることがなく、使い勝手が向上する。
【0019】
(4)請求項4記載の本発明では、前記肘掛部と前記体側施療部とは、それぞれの正面視における各左右横幅が、略同じ領域内に収まるように配設されているので、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部下面の縁などで手や腕を強く挟むことがないので、上記(1)〜(3)の効果を高めることができる。
【0020】
(5)請求項5記載の本発明では、前記肘掛部の上面を柔軟部材により形成したことにより、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、手や腕が肘掛部上面で沈み込んで挟圧力を逃がすことができ、上記(1)〜(4)の効果をさらに高めることができる。
【0021】
(6)請求項6記載の本発明では、前記体側施療部を上下移動可能としたことにより、使用者の伸長などが大きく異なる場合でも使用者に応じた最適な体側施療が可能となるとともに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部が上方へ移動して挟圧力を逃がすことができ、上記(1)〜(5)の効果をさらに高めることができる。
【0022】
(7)請求項7記載の本発明では、前記肘掛部の上面と前記体側施療部の下面とを、それぞれアーチ形状に形成したことにより、上記(1)〜(6)の効果に加え、前記体側施療部の取付基端部側を可及的に下方まで伸ばすことができ、その分施療体を縦方向に長く配設することができるので、体側を広範囲に施療可能となる。さらに、肘掛部の上面と前記体側施療部の下面とが当接しないように両者を配置したときに、背もたれ部を起立させた場合でも倒した場合でも使用者は肘掛部を利用して楽な姿勢でマッサージを楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差し、かつ前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせたものである。
【0024】
すなわち、前記体側施療部を、その背もたれ部への取付基端部から前方へ向けて拡開状に構成し、この体側施療部を背もたれ部の左右に配設したときに平面視で略ハ字状となるようにするとともに、前記体側施療部の最下端点が前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へずれて位置するようにしている。
【0025】
なお、前記背もたれ部には、施療体としてもみ玉などを備えた機械式のマッサージユニットを昇降自在に配設するとともに、このマッサージユニットの左右側には、やはり施療体であってエア式マッサージが行える背中用エアバッグを設けたものとしている。さらに、前記背もたれ部の左右両側部に設けた体側施療部に設ける施療体としては、機械式のものであってもよいが、ここではエアバッグとしている。
【0026】
上記構成としたことにより、使用者は手や腕を前記肘掛部に載置しながら体側を両側からしっかりと押圧して施療することができ、しかも、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部は撓み易くかつこの体側施療部の下端部が肘掛部の仮想中心線に対して外側にオフセットされているので、体側背両部は外側に容易に逃げるので、使用者は手や腕を即座に離脱させることができる。
【0027】
また、上記構成では、前記背もたれ部の幅よりも体側施療部の先端間が広いので、背もたれ部にもたれかかる場合も体側施療部が邪魔になることがなく、使い勝手が向上する。
【0028】
さらに、前記肘掛部と前記体側施療部とは、それぞれの正面視における各左右横幅が、略同じ領域内に収まるように配設することが好ましい。
【0029】
すなわち、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部下面の縁などで手や腕を強く挟むことがないので、手や腕を傷めるおそれがなく、手や腕の離脱も容易となる。
【0030】
また、前記肘掛部の上面を柔軟部材により形成するとよい。
【0031】
例えば、肘掛部の上面を、クッション材などを内包したカバー体などで被覆すれば、見栄えも良好となる。そして、上述したように、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、手や腕が肘掛部上面で沈み込んで挟圧力を逃がすことができるので、より安全性が高まる。
【0032】
また、前記体側施療部を上下移動可能とすることができる。
【0033】
すなわち、使用者の身長などが大きく異なる場合でも使用者に応じた最適な体側施療が可能となる。
【0034】
また、上下移動を行わせる場合、手動式でもよいが、別途駆動手段を設けて上下移動可能な構成とすることが可能である。この場合、電気的な制御によって、例えば所定の押圧力を検出すると自動的に押圧力を逃がす方向へ移動するように制御すると、この場合も前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部が上方へ移動して挟圧力を逃がすことができる。
【0035】
また、例えば同じく電気的な制御によって、使用者の体形に応じて自動的に上下移動可能とすることもできる。例えば、前記背もたれ部に配設した昇降自在なマッサージユニットを用いて、マッサージ機を使用開始するに先立って使用者の体形を検出し、この体形検出に連動させて体側施療部を自動的に上下移動させるように制御することが考えられる。ところで、このように体側施療部を上下移動可能とする技術は、必ずしも他の構成要件を必須要件としなくてもよい。
【0036】
また、前記肘掛部の上面と前記体側施療部の下面とを、それぞれアーチ形状に形成することができる。
【0037】
かかる構成とすれば、座部から上方へ突出する肘掛部と、背もたれ部から前方へ突出する体側施療部とが共にアーチ状の形状となって外観的にもバランスがとれ見栄えが良好となる上、前記体側施療部の取付基端部側を可及的に下方まで伸ばすことができるので、その分だけ当該体側施療部に配設される施療体を、縦方向に長く配設することができ、体側の可及的広範囲を施療可能となる。
【0038】
さらに、肘掛部の上面と前記体側施療部の下面とが当接しないように両者を配置したときに、背もたれ部を起立させた場合でも倒した場合でも使用者は肘掛部を利用して楽な姿勢でマッサージを楽しむことができる。
【0039】
また、他の実施形態として、前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせた構成だけであってもよいし、あるいは前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差するようにした構成だけであってもよい。
【0040】
いずれにしても、前述の実施形態と略同様な効果が得られる。すなわち、使用者が手や腕を前記肘掛部に載置しているときに、例えば前記背もたれ部を倒した状態から起こした場合に前記体側施療部の下面が手や腕を肘掛部との間で挟んでしまっても、体側施療部は撓み易いのでこの体側背両部は外側に逃げ、使用者は手や腕を即座に離脱させることができるのである。また、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差するようにした構成の場合は、背もたれ部の幅よりも体側施療部の先端間が広いので、背もたれ部にもたれかかる場合も体側施療部が邪魔になることがなく、使い勝手が向上する。
【0041】
ところで、上述してきた各実施形態では、背もたれ部の前記マッサージユニットの左右側に背中用エアバッグを設けた構成としたが、この背中用エアバッグは、背もたれ部の本体に設けてもよいし、背もたれ部を被覆するカバー内に設けてもよい。
【0042】
そして、いずれに設けるにしても、背中用エアバッグの縦方向の中心は、左右の体側施療部の中心よりも下側に位置させておくことが望ましい。
【0043】
すなわち、体側施療部のエアバッグで使用者の身体を両側から押圧保持した状態で背中用エアバッグを膨出させると、背中が下方からやや上方へ押されるようになり、マッサージ効果を向上させることが可能となる。なお、背中用エアバッグの縦方向の中心を左右の体側施療部の中心よりも下側に位置させる構成は、これも他の構成要件を必ずしも備えている必要はない。
【0044】
また、前記体側施療部に設けるエアバッグは、その配設数や配設位置によって、体側を左右から押圧する機能のみならず、使用者の身体を背もたれ部側に押し付ける機能を付加することもできる。
【0045】
例えば、体側施療部のエアバッグ取付体の中央部を中心として配設する第1のエアバッグと、エアバッグ取付体の先端側に配設する第2のエアバッグとを備える構成とすれば、前記第1のエアバッグで身体を左右から押圧保持し、前記第2のエアバッグでは身体を背もたれ部側へ押し付けることが可能となる。なお、この構成についても、本実施形態における他の構成要件を必ずしも備える必要はない。
【0046】
以下、本発明に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0047】
図1は本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図、図2は同マッサージ機よりカバーなどを取り除いた状態を示す斜視図、図3は同マッサージ機の側面視による説明図、図4はリクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図、図5は背もたれ部を起立させた状態におけるマッサージ機の正面図、図6は同平面図、図7は同背もたれ部の横断面図、図8は機械式のマッサージユニットの説明図、図9は本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【0048】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1〜図6に示すように、使用者M(図3)が着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結され、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6を取付けた背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。
【0049】
また、図1に示すように、前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部2に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けたエアバッグa3(図2参照)を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0050】
前記背もたれ部3は、図3及び図7に示すように、縦に伸延する左右の縦フレーム30,30を具備しており、この縦フレーム30,30の前側に、図2に示すように、略中央に所定幅の長孔31aを形成した背もたれ板31を取付けるとともに、後側には背面カバー体32を取付け、この背面カバー体32と前記背もたれ板31との間にユニット配設空間Qを形成している。そして、このユニット配設空間Qに、左右のもみ玉7,7を備え、このもみ玉7,7を前記長孔31aから臨ませた状態で昇降可能とした機械式のマッサージユニット11を配設している。なお、このマッサージユニット11については後に詳述する。
【0051】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、エアポンプ25(図9参照)から供給されるエアによって背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0052】
また、図1〜図5に示すように、前記座部1には、その左右側に肘掛部5,5を設けている。また、座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0053】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0054】
ここで、マッサージユニット11の構成と、このマッサージユニット11及び前記エアバッグa1〜a8の駆動を制御する制御部Gについて説明する。
【0055】
マッサージユニット11は、図8に示すように、もみ玉駆動ユニット9を収納配設しており、同もみ玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対のもみ玉7,7を前後方向に揺動させることによってたたき作動を行わせるたたき機構70と、前記もみ玉7,7を偏心回動させることによってもみ作動を行わせるもみ機構8とを具備するとともに、背もたれぶ3の表側(使用者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変わるように、すなわちもみ玉7,7による使用者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0056】
かかるもみ玉駆動ユニット9の動きによって、後述する多種のマッサージを実行できるとともに、マッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9内にバイブ用モータm6(図9参照)を配設し、もみ玉ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにするとともに、脚載部4内にもバイブレータ(図示せず)を設け、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0057】
なお、図中、22はユニットケース、m1はマッサージユニット11を昇降させるための昇降用モータ、28は前記昇降用モータm1と連動連結するとともに、前記もみ玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸、29,29は同昇降軸28の両端に取り付けたピニオンギヤであり、前記縦フレーム30,30に設けたラック13,13と噛合している(図7参照)。
【0058】
また、m2は前記もみ玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータであり、同モータm2の駆動により進退軸43を回転させ、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44を前後方向に移動させてもみ玉駆動ユニット9を揺動させて進退可能としている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0059】
また、m3は前記もみ機構8の主構成要素であるもみ用モータであり、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。なお、図3においては省略したが、たたき用モータm4(図7参照)を前記もみ用モータm3と並設しており、たたき用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。なお、前記各モータm1〜m4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE(図9参照)を取付けている。
【0060】
上記構成のマッサージユニット11による上述の多様なマッサージ動作は、エアマッサージ動作などの他の機能を含めて全て制御部Gにより制御されている。なお、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9によるメカ的なマッサージとして、もみ(もみ上げ/もみ下げ)、たたき、さざなみ(もみ下げとたたきの複合動作)、深もみ上げ/深もみ下げ/さすり、指圧、ストレッチなどが行える。
【0061】
本実施例における制御部Gは、前記基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段としての後述するリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及びマッサージ機Aの単機能動作からプログラミングされた自動コースなどの制御動作に至る各動作をコントロールすることができる。また、同制御部Gにより、リモコンRに設けた表示画面Kへの表示についても制御している。
【0062】
すなわち、図9に示すように、制御部GはCPUと後述する各種プログラムなどを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンRとリクライニング角度検出センサG5及び各ロータリーエンコーダEと接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、バイブレータを駆動するバイブ用モータm6、さらには後述するエアバッグ用エアポンプ25及び前記座部1に配設したヒータHとを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
【0063】
前記メモリ部G1には、複数のマッサージプログラムが格納されており、前記リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合わせた複数の自動マッサージコースを実行可能としている。
【0064】
すなわち、指圧、もみ、たたき、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージモードを前記マッサージユニット11を駆動して実行させることができ、これらを適宜組合わせた多様なマッサージを実行する複数の自動コースが予めプログラミングされている。なお、本実施形態では、自動コースとして首・肩コース、全身コース、腰コースがあり、各コースのマッサージ時間は15分に設定されている。
【0065】
また、前記リモコンRは、本マッサージ機1の操作手段として機能するものであるが、後に詳述するように、各種操作ボタンを配した操作部Sと、液晶表示装置からなる表示画面Kとを備えている。なお、このリモコンRは、後述する肘掛部5に例えば収容ポケットを設け、この収納ポケットに収容することもできる。
【0066】
次に、背もたれ部3の左右端部に取付けた体側施療部として機能する側壁部6の構成と、この側壁部6に設けたエアバッグa3を含むエアバッグに関する制御について説明する。
【0067】
本実施形態における左右の側壁部6,6は、図1〜図7に示すように、取付基端部61側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状としており、座部1に着座した使用者Mの上腕側方となる位置に配設している。
【0068】
そして、図5に示すように、前記基端部側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させるとともに、その内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。したがって、かかる2個の体側部用エアバッグa3,a3を同時に膨出させると使用者Mの身体に素早くフィットして身体の体側をマッサージあるいは押圧保持することができる。なお、体側部用エアバッグa3は、前述したようにエアバッグ用カバーC6で被覆されている(図1)。
【0069】
この体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8は、エアポンプ25から給気される(図9)。エアポンプ25には、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を制御部Gにより制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、使用者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、電磁弁B1〜B18の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0070】
このように、エアバッグa1〜a8についても、前記もみ玉7,7などの作動についても前記制御部Gによって制御されており、この制御部Gは、もみ玉7,7の動作やマッサージユニット11の昇降動作を制御して、もみ玉7,7による機械的マッサージを実行させるとともに、エアバッグa1〜a8の膨縮に関わるエアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御して、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させるのである。
【0071】
ところで、背もたれ部3に配設したエアバッグa1,a2は、本実施の形態では背もたれ板31に取付けているが、図10に示すように、背もたれクッションC30に配設することもできる。
【0072】
また、背中部用エアバッグa1,a1は、背もたれ部3に直接配設するにせよ、背もたれクッションC30に配設するにせよ、いずれにしても、図5に示すように、高さ方向のセンターラインCL4が側壁部6に配設した体側部用エアバッグa3の高さ方向のセンターラインCL3よりも下方に位置するように取付けるようにしている。
【0073】
すなわち、このような配置としたときに、背中部用エアバッグa1,a1と体側部用エアバッグa3とに給気して膨張させると、使用者Mの体は前記体側部用エアバッグa3,a3により左右から保持された状態となるとともに、前記背中部用エアバッグa1,a1であたかも下方から突上げるように押圧され、エアマッサージ効果を高めることができる。
【0074】
また、身体を体側部用エアバッグa3,a3により確実に保持するために、図23に示すように、左右の各側壁部6の先端部分に、ホールド用エアバッグa3’を取付けることもできる。
【0075】
このホールド用エアバッグa3’の位置は、背もたれ部3に背中を当接させて座部1に腰掛けた使用者Mの肩を斜め前方から押圧する位置であり、このホールド用エアバッグa3’と前記体側部用エアバッグa3とにより、身体を背もたれ部3側へ押しながらしっかりと保持することができる。
【0076】
そして、その状態で背中部用エアバッグa1を膨出させると、前記エアマッサージの効果がさらに向上する。
【0077】
体側を施療可能とした上述の側壁部6,6は、図7に示すように、その内側部が前記背もたれ部3の左右側端面に当接するように配置されている。
【0078】
かかる構成とするために、本実施の形態では、前記背もたれ板31における前記側壁部6の側をなす端部に立ち上り部35を形成して強度を向上させるとともに、鋼製のアングル材からなる前記左右の縦フレーム30,30に取付け、しかも、各縦フレーム30と背もたれ板31の前記立ち上り部との間には所定の間隔Dを設けている。
【0079】
そして、前記側壁部6と背もたれ板31とを、体側施療部取付部40aと背もたれ部側伸延部40bとからなる略L字状に形成したステイ40を用いて連結している。すなわち、前記側壁部6を前記体側施療部取付部40aに連結する一方、背もたれ部側伸延部40bを前記背もたれ板31の裏面に連結固定している。図7中、41は側壁連結用ボルト、42は背もたれ板連結用ビス、14bはマッサージユニット11の昇降案内用のガイドローラであり、縦フレーム30に沿って転動可能としている。
【0080】
このように、前記背もたれ板31に立ち上り部35を形成したことから強度が向上し、背もたれ部3の全体としても十分な強度を有している。
【0081】
また、上述した構成により、前記側壁部6のエアバッグa3を膨張させて使用者Mの体側を押圧した場合、そのときに側壁部6が受ける反力は、前記ステイ40を介して前記背もたれ板31にかかることになるが、この背もたれ板31には使用者Mの体重がかかるので、結果的には使用者Mが受け止めることになって、樹脂製の背もたれ板31であっても前記側壁部6との連結部分に特に大きな負荷がかかることがない。
【0082】
また、側壁部6が反力を受けた場合のように当該側壁部6が外側へ開く方向に力が加わったとしても、当該側壁部6は広がり方向へ撓み易くなっているので、略L字状とした前記ステイ40が前記間隔D内で撓み、受けた力を逃がすことができる。したがって、前記縦フレーム30,30には力が加わらず、縦フレーム30,30が変形するおそれもないので、この縦フレーム30,30に取付けた前記ラック13を介して昇降自在に配設した前記マッサージユニット11の昇降動作に支障をきたしたり、昇降中に異音が発生したりすることも防止できる。
【0083】
また、上述の構成とすることで、背もたれ板31を樹脂製とすることが可能であり、さらに前記背面カバー体32についても同様な樹脂製とすることによってマッサージ機A全体の軽量化を図るとともに、コストダウンを図ることができる。
【0084】
ところで、前記立ち上り部35には前記ステイ40の背もたれ部側伸延部40bを逃がすための切欠部35aを形成している。したがって、この切欠部35aを介して前記背もたれ部側伸延部40bを前記背もたれ板31の背面に直接当接させることができ、ステイ40を背もたれ板31に対してしっかりと連結固定することができる。
【0085】
また、側壁部6と背もたれ部3との連結構造を上述のようにしたことで、側壁部6の内側部が前記背もたれ部3の左右側端面に当接するように配置されることになり、背もたれ部3の前面、すなわち使用者Mの背中受け面を狭めることなく、面全体を有効に利用することができる。したがって、使用者Mがどのような体格のものであっても、肩部分を含む身体両側部のマッサージをゆったりと行うことができる。特に、肩部分には、「肩ぐう」と呼ばれるツボがあるので、使用者Mは誰でもこのツボを効果的にマッサージすることが可能となる。
【0086】
また、側壁部6の背もたれ部3への取付構造の変形例として、図10に示す矢印Fのように、側壁部6を上下移動可能とすることができる。
【0087】
側壁部6を上下移動可能とするための構造としては、図示しないが前記ステイ40を背もたれ部3の背面にレールなどを設け、このレール上をスライドする連結部材に前記ステイ40の背もたれ部側伸延部40bを連結すればよい。
【0088】
また、上下移動させるための駆動構造としては、手動式であってもよいが電気的な制御によって自動的に上下動可能な駆動構造とすることもできる。
【0089】
上記してきたように、マッサージ機Aは、左右側部に肘掛部5を備えた座部1と、この座部1の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部3とを具備するとともに、前記背もたれ部3の左右側には広がり方向へ撓み自在とした側壁部6を設けた構成としており、かかるマッサージ機Aにおいて、本実施形態において特徴となるのは、前記体側施療部6の下面の前後長手方向における仮想中心線CL1と前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2とが平面視で交差し、かつ前記体側施療部6の下端部6aを、前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2に対して外側へオフセットさせたことにある。
【0090】
以下、背もたれ部3を起立させた状態におけるマッサージ機Aの正面図である図5及び同平面図である図6、さらに肘掛部と側壁部との位置関係を示す説明図である図11〜図13、及び側壁部の変形例を示す説明図である図14、図15を参照しながら、側壁部6と肘掛部5とについて詳述する。
【0091】
図5及び図6に示すように、側壁部6は、その背もたれ部3への取付基端部61から前方へ向けて拡開状に形成しており、この側壁部6を背もたれ部3の左右に配設したときには、平面視で略ハ字状となっている(図6)。したがって、体側施療部6の下面の前後長手方向における仮想中心線CL1と前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2とが平面視で交差することになる。
【0092】
かかる構成により、使用者Mは手や腕を前記肘掛部5に載置しながら、前記側壁部6によって体側を両側からしっかりと押圧して施療することができ、しかも、使用者Mが手や腕を前記肘掛部5に載置しているときに、例えば前記背もたれ部3を倒した状態から起こした場合に前記側壁部6の下面が手や腕を肘掛部5との間で挟んでしまっても、側壁部6は撓み易く、かつこの側壁部6と肘掛部5の仮想中心線CL1,CL2同士が平面視で交差し、しかも、前記体側施療部6の下端部6aが前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2に対して外側へずれているので、側壁部6は外側に逃げやすくなり、手や腕を挟まれた時点で使用者Mは手や腕を即座に離脱させることができ、安全性が向上する。
【0093】
さらに、この場合は、背もたれ部3の横幅よりも左右の側壁部6の先端同士間の幅の方が広いので、使用者Mが背もたれ部3にもたれかかる場合に側壁部6が邪魔になることがなく、使い勝手が向上する。
【0094】
なお、使い勝手を別にすると、左右の側壁部6,6を背もたれ部3に取付けた状態で、特に平面視でハ字状とせずとも、すなわち前記肘掛部5の上面及び前記側壁部6の下面の各長手方向における仮想中心線CL2,CL1同士が必ずしも交差せずとも、図11に示すように、前記側壁部6の下端部6aが前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2よりも外側にオフセットさせておくだけでも構わない。すなわち、前記側壁部6の下端部6aを肘掛部5の仮想中心線CL2よりも外側にずらしておけばよい。かかる構成であっても前述同様の効果を奏することができる。すなわち、側壁部6は撓み易く、かつその下端部6aの中心位置が肘掛部5の仮想中心線CL2よりも外側にずれているので、前記側壁部6の下面が手や腕を肘掛部5との間で挟んでしまった場合でも側壁部6は外側に撓んでいき、挟まれた腕を即座に逃がしてやることができるのである。
【0095】
また、前記側壁部6の下端部6aを前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2よりも外側にオフセットさせることはせずに、前記体側施療部6の下面の前後長手方向における仮想中心線CL1と前記肘掛部5の上面の前後長手方向における仮想中心線CL2とが平面視で交差するだけの構成としてもよい。
【0096】
すなわち、側壁部6を背もたれ部3の左右に配設したときに平面視で略ハ字状とさえしておけば、側壁部6は外側に逃げやすくなり、手や腕を挟まれた時点で使用者Mは手や腕を即座に離脱させることができるのである。
【0097】
また、本発明の特徴をなす構成においては、図11に示したように、肘掛部5の上面は断面視で椀状の山形形状とすることが望ましい。かかる構成とすれば、挟まれた腕に対して、側壁部6はより簡単に外側へ逃げていくことになる。ところで、この山形形状というのは、図11に示したように頂部が中央(仮想中心線CL2上)にあるだけのものには限らない。例えば、図12に及び図13に示すように、側壁部6の下端部6aが肘掛部5の仮想中心線CL2よりも外側に位置するようにずらしておけば、山形の頂部は中央と一致する必要はない。図12は頂部が仮想中心線CL2よりもやや外側に位置させた例であり、図13は頂部が最も外側に位置した例である。
【0098】
さらに、本実施形態では、前記肘掛部5の上面を柔軟部材により形成している。すなわち、内部にクッション材などを備えた手摺体50を取付けている。このように、使用者Mの手や腕が直接当接する部分を、柔軟な手摺体50により構成しているので、使用者Mが手や腕を前記肘掛部5(手摺体50)に載置しているときに、前述してきたように例えば前記背もたれ部3を倒した状態から起こした場合に前記側壁部6の下面が手や腕を手摺体50との間で挟んでしまっても、手や腕が柔軟な手摺体50の上面で沈み込んで挟圧力を逃がすことができ、より安全になる。
【0099】
上述してきた構成において、本実施形態では、図4示すように、両肘掛部5に設けた前記手摺体50の少なくとも後半部50aについては、前記背もたれ部3の倒伏動作に伴う側壁部6の下端部6aの軌跡と略同一の弧状に形成し、しかも、前記手摺体50と側壁部6とが当接しないように構成している。
【0100】
すなわち、前記手摺体50を湾曲したアーチ状に形成するとともに、側壁部6の下端部6aについても湾曲形成して、前記手摺体50の後半部50aと側壁部6の下端部6aとが最接近しても干渉することがないようにしている。
【0101】
したがって、背もたれ部3を立てた場合、倒した場合のいずれであっても手摺体50と側壁部6とが干渉することはなく、また、手摺体50の後半部50aは湾曲形状でなだらかに後方へ伸延した形状となっているので、背もたれ部3を倒した場合でも使用者Mは前記肘掛部5を無理なく利用できることから、常に楽な姿勢を維持しながらマッサージを行うことができる。すなわち、使用者Mは座している場合でも寝ている状態でも、腕を肘掛部5に乗せたり、手を手摺部50上に置いてゆったりとマッサージが行えるのである。
【0102】
より具体的にいえば、前記背もたれ部3の倒伏動作に伴う側壁部6の下端部6aの軌跡Lと前記手摺体50との間に、所定の範囲を超すことがない程度の間隔dを保持できるようにして、決して両者が当接しないようにしている。
【0103】
また、当接しないばかりでなく、背もたれ部3を起立させたときが最接近するが、この最接近したときの間隔d1=18mmとする一方、背もたれ部3を倒したときに最も広がるときの間隔d2=30mmとしている。ここで、間隔としての18〜30mmという範囲は、標準的な成人の手の厚みに相当するものであり、背もたれ部3をリクライニング動作したときに、前記手摺体50と側壁部6の下端部6aとの間隔dが、手の厚みに相当する範囲内でのみ変移するようにしているのである。
【0104】
したがって、前記間隔dが狭すぎて手を挟んでしまい、手を傷めるおそれを防止するとともに、間隔dが広すぎて、例えば子供などが誤って首などを挟んでしまうおそれを未然に防止している。
【0105】
また、前記側壁部6の変形例として、図14や図15に示す形状とすることもできる。
【0106】
図14に示したものは、側壁部6の外観形状についてもアーチ形状としたものである。すなわち、前記肘掛部5の上面(手摺部50)と前記側壁部6の下面とを、それぞれアーチ形状に形成したものである。かかる構成とすれば、マッサージ機Aとして外観的にもバランスがとれて見栄えが良好になる上、前記側壁部6の取付基端部側を可及的に下方まで伸ばすことができるので、その分だけ側壁部6を背もたれ部3に取付けるための前記ステイ40の体側施療部取付部40aを縦長に形成でき、側壁部6のステイ40への取付けをしっかりとしたものにすることができる。また、側壁部6にエアバッグa3を縦方向に長く配設することもできるので、可及的に広範囲の体側を施療することが可能となる。
【0107】
また、図15に示したものは、側壁部6の下面全体を、上方に凸状のアーチ形状とした手摺体50に沿って凹状に湾曲形成したものである。かかる構成では、前記間隔dを適宜の値に設定しておけば、背もたれ部3を倒伏動作させたときに間隔dはどの位置でも略同じとなり、使用者Mの手や腕などを強く挟圧するおそれがない。
【0108】
ところで、本実施の形態では、図5に示すように、前記側壁部6の底面部の横幅と前記手摺体50の横幅とが、略同じ領域E内に収まるように前記側壁部6と前記手摺体50とを対向して配設している。
【0109】
これは、前記手摺体50と側壁部6の下端部6aとの前記間隔d(d1,d2)を、前述したように標準的な手の厚みよりも狭くなることがないようにしているとはいえ、あくまでも標準的な手の厚みであるので、使用者Mによってはある程度の挟圧力を受けることも考えられる。そのときに、例えば前記側壁部6の底面部や前記手摺体50の一方が前記領域E外へはみ出していた場合、前記側壁部6の底面部や前記手摺体50の端縁による押圧を受け、挟まれた手にせん断方向の力まで作用するおそれがあり、これは極めて不快な痛みとなってしまうことがありうるが、上記したように同じ領域E内に収まる構成とすれば、使用者Mの手は側壁部6の底面部と手摺体50の表面との間でサンドイッチ状態になるだけであり、面同士による押圧力のみを受けるだけで済む(場合によっては押圧力によるマッサージを受ける程度)。
【0110】
しかも、前述したように、本実施形態では、肘掛部5の上面の長手方向における仮想中心線CL2と前記側壁部6の下面の長手方向における仮想中心線CL1とが平面視で交差するようにしたり、前記仮想中心線CL2,CL1同士を左右方向にオフセットしてずらしたりすることで手や腕を即座に逃がせるようにしているので、幾重にも安全な構成となすことができる。
【0111】
さらに、側壁部6の背もたれ部3への取付構造の変形例で説明したように、側壁部6を電気的に上下移動可能な構成とすることができ、この場合、所定の押圧力を検知したときに自動的に押圧力が低下する方向(通常は上方向)に側壁部6を移動するように電気的制御することもできる。かかる制御を行えば、さらに安全性が向上する。
【0112】
このように、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、使用者Mは座している場合でも寝ている状態でも、手を肘掛部5に乗せてゆったりと楽な姿勢でマッサージが行えるのみならず、安全面においても優れた構成となっており、椅子式マッサージ機としての価値を著しく高めることができる。
【0113】
図16に本実施形態に係るマッサージ機Aに付設したリモコンRを示す。マッサージの種類や強度の選択機能を備えるこのリモコンRより、前記制御部Gにマッサージ実行指令が与えられるようになっている。
【0114】
リモコンRは、上側部に液晶表示装置からなる表示画面Kが設けられ、その下側に複数のボタン群からなる操作部Sが設けられている。また、操作部Sの一部は開閉式になっており、蓋部R1には、機械的マッサージとエアマッサージとを複合させた自動コースなどを選択し得るようになっており、蓋部R1を開いた図17に示す本体部R2では、機械的マッサージやエアマッサージを個別にマニュアル操作で選択できるようになっている。そして、かかるマッサージ動作以外にも、背もたれ部3のリクライニングや脚載部4の上げ下げなどを行えるようにしている。
【0115】
ここで、リモコンRに設けた各種操作ボタンについて簡単に説明する。図16中、S3はスタート/収納ボタンであり、マッサージを開始させるとき、又はマッサージを終了してもみ玉7,7を収納するときに使用する。S4は停止ボタンであり、マッサージを中途で停止させることができる。S5は上下ボタンであり、もみ玉7,7を上下に移動させることができる。S6は自動コースボタン群であり、首・肩、全身、腰のコースから選択できる。S7は強さボタンであり、前記自動コースでのマッサージ強さを5段階で設定できる。S8は短縮ボタンであり、短縮された自動コースを選択できる。
【0116】
また、S9〜S13はエアマッサージ用の操作ボタンであって、S9は肩ボタンであり、自動コース中の側壁部6に設けたエアバッグa3へのエアの供給を入/切する。エアの圧力としては5段階の強度を選択できる。S10はフットストレッチボタンであり、自動コース中にフットストレッチの入/切ができる。S11はパルスボタンであり、自動コース中にパルスを入/切できる。S12は脚エアーボタンであり、脚、脚同時、脚切を切り換えることができる。S13はエア強さボタンであり、自動コース中のエア圧の強さを5段階で切り換えることができる。S14はバイブボタンであり、バイブマッサージの入/切を行う。S15はヒータボタンであり、座部1や背もたれ部3に設けたヒータ(図示せず)の入/切を行う。S16はオットマンボタンであり、脚載部4を上げ/下げする。なお、ボタン操作中はエアの給気を停止るようにしている。S17はリクライニングボタンであり、背もたれ部3の角度を変えることができる。ボタン操作中はエアの給気を停止するようにしている。
【0117】
また、図17に示す本体部R2には、個別機能を操作可能な操作ボタンが配置されている。S20は機能選択ボタンであり、10種類のマッサージの中から機能を選択することができる。S21はストレッチボタンであり、ストレッチ動作に、もみやたたきを加えた複合動作を選択することができる。S22は3Dボタンであり、3D動作にもみやたたきを加えた複合動作を選択することができる。なお、ここで3D動作とは、「もみ上げ」「もみ下げ」「たたき」「さざなみ」のマッサージに、前記もみ玉7,7の前後移動動作を加えたマッサージ機能である。S23は全体/部分ボタンであり、マッサージユニット11を上下に移動しながらマッサージする範囲をセットすることができる。S24は速さ調節ボタン、S25は幅調節ボタン、S26は強さ調節ボタンであり、マッサージの強さを7段階で調節することができる。
【0118】
S27は肩ボタンであり、側壁部6のエアバッグa3へのエアの給気及び停止を行う。この肩ボタンS27により、肩ぐうと呼ばれるツボを含め、肩、体側の効果的なエアマッサージが行える。この肩ボタンS27の操作による肩を含めた体側の施療については後に詳述する。
【0119】
また、S28は部位ボタンであり、エアマッサージを行う個所を選択することができる。S29はフットストレッチボタンであり、フットストレッチの入/切を行う。S30はパルスボタンであり、エアパルスを入/切する。S31は脚同時ボタンであり、他の個所をエアマッサージしているときにボタン操作すると脚も同時にエアマッサージが行える。S32はエア強さボタンであり、エア圧を5段階に切り換えることができる。
【0120】
かかるリモコンRを操作することにより、所定のマッサージあるいはマッサージコースを実施する指令が与えられた場合、制御部Gは与えられた指令に基づいて前記マッサージユニット11やエアバッグa1〜a8を制御する。
【0121】
ここで、前記肩ボタンS27を操作した場合の制御について説明する。
【0122】
本実施形態では、前記肩ボタンS27を操作すると、エアポンプ25が駆動して、図24に示すように、体側部用エアバッグa3に所定圧となるように給気され、次いでやや遅れて背中用エアバッグa1に所定圧となるように給気される。そして、図25に示すように、リモコンRの表示画面Kには、先ず、肩エア強さの設定画面が表示される。
【0123】
側壁部6に配設した体側部用エアバッグa3による身体への押圧力は、同じエア圧であっても使用者Mの体形によって使用者Mが受けるマッサージ力としては変わってしまうので、使用者Mに見合った基準強さを先ず設定する必要があるからである。すなわち、施療部が面であって、この面を押圧するのとは異なり、幅を有する施療体を両側から挟圧する場合は、前記幅の大小によってマッサージ力、すなわち挟圧力が異なってくる。このように、体形に依存する強さに関しては、体形に応じた基準となる強さを予め設定しておく必要があるのである。
【0124】
本実施形態では、設定可能な強さを5段階としおており、初期設定としては、図示するように中間の強度3となっている。
【0125】
使用者Mは、この初期設定された強度3による押圧力を感じながら前記肩ボタンS27を押し、強度の変化を身体で感じながら自分の好みに応じて基準となる強さを設定する。ここでは、初期設定の状態から肩ボタンS27を一回押すたびに1段階ずつ強さが上がるようにしており、図示した画面では、左端が最も強い5で、右端が最も弱い1となる5つのブロックで強さが表示されている。そして、左端の最強位置の次は「切り」状態となるようにしている。但し、マッサージ機Aを起動して、最初にエアマッサージを行う場合で初めて基準強さを設定する場合であれば、肩ボタンS27を操作して初期設定の強度3が表示されているときにもう一度肩ボタンS27を押すと、強度4ではなく「切り」状態となり、三回目の押しボタン操作から強度が1〜5へと段階的に上がるようにしている。これは、最初の設定時の場合は、強度の一段階のレベル差が分からないことが多いので、初期設定の値の後は、最弱から段階的に体感できるようにしている。
【0126】
このように、マッサージ力が体形に依存する所定施療体(この場合は体側部用エアバッグa3)の強度制御は、他の施療体(この場合は例えば背中用エアバッグa1や腰用エアバッグa2)とは別に独立して制御するようにして、所定施療体の基準となる強さを独立して設定可能としているので、どのような体形の使用者Mでも自分に合った強さ設定で施療を行うことができる。
【0127】
なお、前記挟圧力を発生させる施療体としては、前記体側部用エアバッグa3,a3や脚上部用エアバッグa7,a7、あるいは脚下部用エアバッグa8,a8などのように、左右若しくは前後から挟圧可能に配設されたものばかりではなく、本実施の形態のように、一側の体側部用エアバッグa3と背中用エアバッグa1のように、体側の一側を斜め方向から挟圧する場合も含んでいる。
【0128】
本実施の形態におけるマッサージ機Aは、上述したように、前記リモコンRから自動コースを選択してマッサージすることができ、しかも、自動コースを実施している最中に、自分の好みに合わないマッサージモードであればこれをスキップしたり、あるいは気に入ったマッサージモードであればこれをリピートしたりするこことができる。
【0129】
そのために、図16に示すように、前記リモコンRには、リピートスイッチとなるリピートボタンS1及びスキップスイッチとなるスキップボタンS2を設けている。しかも、これらボタンS1,S2を、操作部Sの略中央位置に所定の間隔をあけて左右に配置している。したがって、選択的にボタン操作することが容易であり、不要なマッサージ態様をスキップしたり、気に入ったマッサージ態様であればこれを繰り返して実行させたりすることを、思い立ったときにいつでも手元操作で容易に行うことができる。
【0130】
前述したように、本実施の形態に係るマッサージ機Aは、前記各エアバッグa1〜a8の膨収縮及びマッサージユニット11に設けたもみ玉7,7の動作、またこのもみ玉7,7に設けたバイブレータの動作によって、エアマッサージや指圧、もみ、たたき、バイブレーションによる複数種類のマッサージを実行できるとともに、前記マッサージユニット11を上下に適宜の速度で移動させたり、前後に移動させてマッサージの強弱を変えたりすることによって、多様なマッサージ態様を創出することができる。
【0131】
そして、これら各マッサージ態様を実行させるためのショートプログラムを作成し、かかるショートプログラムを適宜組合わせたマッサージプログラムによって複数種類の自動コースが設定されており、このマッサージプログラムが前記制御部Gのメモリ部G1に予め格納されている。なお、各自動コースは、最長でも15分で終了するようにプログラムされている。
【0132】
そして、これら複数の自動コースの中から使用者Mが好みに応じて適宜選択し、選択した自動コースをマッサージプログラムに沿って実施している途中で、使用者Mは前記リモコンRに設けたリピートボタンS1、あるいはスキップボタンS2を操作することによって、各マッサージ態様を適宜飛ばして次のマッサージモードに移行させたり、気に入ったマッサージ態様であればこれを一定時間(例えば60秒の間)繰り返し実行させたりすることができるのである。
【0133】
したがって、使用者Mは、自分の好みに合わないマッサージを嫌々ながら行う必要もなく、好みに合ったマッサージであれば予め設定された時間よりも長い時間で施療することが可能となり、より快適なマッサージを受けることが可能となる。
【0134】
また、前述したように前記ショートプログラムは、例えば各エアバッグa1〜a8の膨収縮動作、及びもみ玉7,7の動作種類、動作速度、動作時間、上下・前後位置などをマッサージ態様の構成要素としており、このショートプログラムを集合して一つのマッサージプログラムが構成されている。
【0135】
例えば、腰から肩にかけての所定強さによるもみマッサージを実行するもみモード用のショートプログラムや、肩から背中にかけての所定強さのたたきマッサージを実行するたたきモード用のショートプログラム、あるいは、腰のみについて所定強さの指圧マッサージを実行する指圧モード用のショートプログラムといった多数の異なったショートプログラムが組合わされて自動コースが構成されている。
【0136】
したがって、本実施の形態におけるマッサージ態様のスキップやリピートは、前記ショートプログラムをスキップさせたりリピートさせたりすることで容易に実現できるのである。
【0137】
また、マッサージ態様の中には、もみ玉7,7が使用者Mの背中に当接した状態で上下移動しながらたたきなどを行う「ローリングたたき」などのようにローリングを伴うものがある。
【0138】
この場合、本実施の形態では、前記スキップ操作が行われると、前記たたきによるマッサージ動作は行わず、マッサージユニット11は「弱」の位置、あるいは前記「さすりモード」の位置、あるいはもみ玉7,7が背中に接することのない位置までに後退して移動して次のマッサージに備えるようにしている。
【0139】
もともとマッサージユニット11は上下移動のローリングをしているので、次のマッサージ態様で指定される施療個所への移動もスムーズに行われ、しかも、もみ玉7,7による使用者への押圧力は弱くなっているので、使用者Mは、少なくとも「ローリングたたき」というマッサージを強く体感することなく、次のマッサージモードを楽しむことができる。特に、前記もみ玉7,7が少なくとも背中に接する状態でローリングさせた場合、使用者Mはスキップ中であってももみ玉7,7の位置が分かるので安心感があり、違和感なく次のマッサージを受けることができる。
【0140】
なお、スキップ中におけるマッサージユニット11の制御として、上述した形態ばかりでなく、マッサージユニット11の位置がもみ玉7,7が後退し、背中との当たりが弱くなる場合であれば、前記もみ玉7,7はそれまでの動きを続けていても構わない。この場合は移動スピードを増速することが望ましい。また、前記リモコンRのスキップボタンS2は、現在スキップ動作中であれば、使用者Mからのボタン操作を受け付けないようにすることもできる。
【0141】
このようなローリングを伴うマッサージ態様のスキップ動作やリピート動作を実現するために、本実施の形態では、具体的には以下に説明するような制御を行うようにしている。
【0142】
すなわち、スキップ動作の場合であれば、図18(a)に示すように、例えば、首位置におけるたたきマッサージを30秒行うショートプログラム(B)→首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを30秒行うショートプログラム(C)→肩甲骨近傍から首位置までのローリングもみ上げを30秒行うショートプログラム(D)と続く部分を有する自動コースのマッサージプログラムがあって、その中でローリングたたきのショートプログラム(C)が実行開始されて5秒ほど経ってスキップボタンS2を操作した場合(矢印gで示す)、もみ玉7,7(マッサージユニット11)は、図18(b)の破線で示すように、スキップすべきローリングたたきのショートプログラム(C)で設定された速度よりも比較的高速で肩甲骨近傍まで移動する。ここでは5秒程度で移動完了するような速度設定としている。そして、このときに、マッサージユニット11としての強度は「弱」の位置、あるいはもみ玉7,7が背中に軽く接する程度の「さすりモード」の位置、あるいはもみ玉7,7が背中に接することのない位置まで後退させて、使用者Mにマッサージを受けている感触を与えないようにして、ローリング動作のみが行われるようにしている。かかる動作は、図示するように、あたかもスキップ用の仮のショートプログラム(C’)が自動的に生成されて挿入されるかのようになっており、マッサージプログラムの進行も円滑に行われる。
【0143】
このように、首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを望まない場合、使用者MはリモコンRのスキップボタンS2を随時操作すればよく、その操作時点からもみ玉7,7は使用者Mがマッサージ動作を意識しない程度に後退するとともに、次のショートプログラムで設定されている施療位置まで迅速移動し、次のマッサージ態様でマッサージが開始される。すなわち、肩甲骨近傍から首までのローリングもみ上げ(D)のショートプログラムに従ってマッサージが開始されるのである。
【0144】
また、このローリングもみ上げ(D)についても気に入らない場合、上述同様にいつでもスキップすることが可能である。
【0145】
また、スキップがなされたことについてはリモコンRの表示画面K上で表示可能としている。
【0146】
すなわち、図19に示すように、この表示画面Kにおいては、自動コース実行中は実行されているマッサージ態様の種類や施療位置などが視覚的に分かりやすく文字表示あるいは図柄を用いて表示されている。すなわち、表示画面Kには、コース表示(例えば「全身」、「肩」、「腰」、「脚」など)、現在行われているマッサージ態様、現在実行している自動コースのマッサージ残り時間、現在行われているマッサージ態様の次に行われるマッサージ態様、マッサージ強度、エアマッサージやバイブマッサージに関する項目などが文字表示されるとともに、人体をかたどってエアバッグa1〜a8の動作状態やマッサージユニット11の現在位置を画像表示可能としている。特に、次に行われるマッサージモードが視認できるので、次のマッサージモードが使用者Mの好みである場合などに現在実行中のマッサージ態様をスキップするか否かの判断を下しやすい。なお、表示画面Kとしては、リモコンR上に設けるのみならず、別途大型の表示画面を設けてもよい。また、表示画面Kは必ずしも液晶表示装置で構成される必要はない。
【0147】
前述したように、所定の自動コースを実行している際に、「ローリングたたき」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「ローリングたたき」をスキップするためにリモコンRのスキップボタンS2を操作すると、図19(a)に示す「ローリングたたき」のマッサージ態様を示す定常表示画面から、図19(b)に示すように、前記定常表示画面で「ローリングたたき」が表示されていた位置に「スキップ中」の表示がなされるのである。そして、この間にマッサージユニット11は次のショートプログラム(ここでは「ローリングもみ上げ」)に備える。ところで、本実施の形態では、スキップ中に前記表示画面Kに表示されるマッサージ強度として、現在スキップ実行中の「ローリングたたき」の強度(ここでは「3」)がそのまま表示されるようにしており、スキップされたマッサージ態様の内容をある程度把握できるようにしているが、例えばスキップ中のもみ玉7,7の前後方向における実際の位置を、「マッサージ強さ」に換算して数値で表示することもできる。この場合、もみ玉7,7がどの程度後退しているのか、あるいは後退していないのかなども視覚的に確認できるメリットがある。
【0148】
一方、リピートボタンS1が操作された場合、現在実行されているマッサージ態様を一定時間繰り返す。本実施の形態では、繰り返し時間を60秒に設定している。
【0149】
例えば所定の自動コースを実行している際に、図20(a)に示すように、「肩の指圧15秒」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「肩の指圧」を気に入って、リモコンRのリピートボタンS1を操作すると、制御部Gはその操作タイミングから60秒間再度「肩の指圧」を行うように制御する(図20(b))。つまり、使用者Mは「肩の指圧」によるマッサージを70秒間受けることができるようになる。そして、先のリピート操作から40秒後、すなわち、最初に「肩の指圧」によるマッサージが開始されてから50秒後に再度リピートボタンS1を操作すると、その時点から60秒間の「肩の指圧」が始まる(図20(c))。つまり、使用者Mは110秒間の「肩の指圧」によるマッサージを楽しむことができるのである。なお、必ずしも110秒間の「肩の指圧」を実行させる必要はなく、いつでも前述したスキップボタンS2によるスキップ操作を行って、次のマッサージモードへ移行させることも可能である。
【0150】
ところで、この「肩の指圧」をさらに繰り返したい場合は、この「肩の指圧」を実行中に使用者Mは再度リピートボタン52を操作すればよい。その時点から再度60秒の「たたき」が実行されるので、使用者Mはこころゆくまで自分の好みのマッサージモードを楽しむことができる。
【0151】
なお、リピート操作により、一つの自動コース中において、所定のマッサージ態様の実行時間が実質的に延長されることになるが、自動コース全体として設定された15分のマッサージ時間は変わることはない。この場合、例えば自動コースのプログラム中、最後あるいは最後近くに設定されていたショートプログラムが省略されることになる。
【0152】
また、このリピート操作が前述したローリングを伴うマッサージを実行しているときに行われた場合でもリピート機能は有効であり、この場合は少なくとも60秒間繰り返すようにしている。そして、60秒経過したときのマッサージユニット11の位置が、次のショートプログラムで指定される位置とは異なっている場合、リピート中のローリングを伴うマッサージを継続して所定位置までローリングしながら移動するようにしている。つまり、リピート操作においては、マッサージを実行させるショートプログラムを途中で止めることはない。すなわち、リピート操作を要求するほど現在のマッサージを使用者Mは気に入っていると判断されるので、少々マッサージ時間が延長方向にずれたとしても問題はないからである。
【0153】
このようなローリングを伴うマッサージ態様のリピート動作を実現するために、本実施の形態では、具体的には以下に説明するような制御を行うようにしている。
【0154】
図21(a)に示すように、例えば、首位置におけるたたきマッサージを30秒実行するショートプログラム(B)→首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを30秒実行するショートプログラム(C)→肩甲骨近傍から首位置までのローリングもみ上げを30秒実行するショートプログラム(D)と続く部分を有する自動コースのマッサージプログラムがあって、その中でローリングたたきのショートプログラム(C)が実行開始されて25秒ほど経ってリピートボタンS1を操作した場合(矢印hで示す)、図21(b)に示すように、残り5秒のショートプログラムを終えた後、もみ玉7,7(マッサージユニット11)は破線で示すように、当該ローリングたたきのショートプログラム(C)で設定された速度よりも比較的高速で当該プログラムの初期位置(首位置)まで移動し(ここでは5秒程度で移動完了するようにしている)、再度肩甲骨近傍までのローリングたたきを実行する。
【0155】
そして、このショートプログラムの実行時間である30秒が経過しても、60秒以内であることから、当該ローリングたたきのショートプログラム(C)が改めて繰り返され、もみ玉7,7(マッサージユニット11)は再度首位置へ移動してローリングたたきによるマッサージが繰り返される。なお、この2回目の繰り返し(リピート)においては、ローリング中途で60秒が経過することになるが、図示するように、30秒に設定されたショートプログラムは最後まで実行される。したがって、この場合、リピートボタンS1を操作すると、ローリングたたきのショートプログラム(C)は実質的に75秒延長されることになる。
【0156】
なお、このときにも、ショートプログラムが繰り返されてマッサージユニット11が肩甲骨近傍から首位置まで戻る際には、マッサージユニット11としての強度は「弱」の位置、あるいはもみ玉7,7が背中に軽く接する程度の「さすりモード」の位置、あるいはもみ玉7,7が背中に接することのない位置まで後退させるようにしている。
【0157】
このように、首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを気に入った場合、使用者MはリモコンRのリピートボタンS1を随時操作すればよく、その操作時点から少なくとも60秒の間は当該肩甲骨近傍までのローリングたたきが繰り返される。
【0158】
また、このようにリピートがなされたことについても前記リモコンRの表示画面K上で表示される。
【0159】
すなわち、図22に示すように、「ローリングたたき」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「ローリングたたき」をリピートするためにリモコンRのリピートボタンS1を操作すると、図22(a)に示す「ローリングたたき」のマッサージ態様を示す定常表示画面から、図22(b)に示すように、前記定常表示画面で「ローリングたたき」が表示されていた位置に「リピート中」の表示がなされ、この操作したときから少なくとも60秒間「ローリングたたき」が延長される。
【0160】
なお、ローリングを伴うマッサージのリピートでは、上述したように、リピート後も当該マッサージを終了させてから再度繰り返すようにするだけでなく、例えば、リピートボタンS1の操作が行われると、もみ玉7,7を即座にローリングの初期位置に戻し、その初期位置から終了位置までの往復動作を所定回数繰り返すようにしてもよい。
【0161】
以上説明してきたように、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、自動コース実施中に所定のマッサージ態様をスキップしたり、リピートしたりすることができ、使用者Mのその日の体調や気分に応じたマッサージが実行できるが、さらに、かかるスキップしたり、リピートしたりした結果を自動コースのマッサージプログラムに反映させることも可能である。すなわち、次に同じ自動コースを実施した場合、前回スキップされたマッサージ態様を実行するショートプログラムはマッサージプログラムから消去され、前回リピートされたマッサージ態様は所定時間繰り返して実行するようにショートプログラムが更新されるようにしてもよい。
【0162】
あるいは、予め設定された自動コースはそのまま保存し、前述したようにスキップやリピートがなされた内容を新たな自動コースとして前記制御部G内に登録するようにしておくこともできる。
【0163】
また、本マッサージ機Aは、上述した自動コースを使用者Mが選択した場合に、最適なマッサージを実行できるように、使用者Mが自分の肩位置を調節できるようにした肩位置調節機能を備えている。
【0164】
従来、肩位置調節機能を備えているマッサージ機は存在するが、これらはもみ玉7,7をそれぞれ円運動させる「もみ」マッサージを行いながら行うようになっているのに対して、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、指圧マッサージを行いながら肩位置調節を可能としている。
【0165】
本実施の形態では、使用者Mは、先ずマッサージユニット11を肩近傍の適宜位置に移動させ、リモコンRに設けた肩位置調節用の上下ボタンS5を操作する。この操作によってマッサージユニット11が駆動し、図3に示すように、もみ玉7,7自体は円弧を描くような動作は行わず、直進動作だけの「指圧」マッサージを行いながら操作に応じて昇降する。
【0166】
上述したように肩位置調節するために、本実施の形態では、前記制御部Gに、マッサージ中におけるもみ玉7,7の上下位置座標を検出し、検出したデータを記憶する機能を持たせている。
【0167】
すなわち、使用者Mがマッサージユニット11を所定位置に移動させるようにリモコンRの上下ボタンS5を操作すると、マッサージユニット11に設けられた昇降駆動機構12が備える昇降用モータm1が駆動して、マッサージユニット11を移動させる。そして、使用者Mが前記肩位置調節用の上下ボタンS5を操作すると、前記昇降用モータm1が駆動してマッサージユニット11を所定範囲で昇降(矢印f1)させるとともに、進退用モータm2が駆動してもみ玉7,7を前後に進退させて(矢印f2)指圧マッサージを行う(図3参照)。
【0168】
このとき、もみ玉7,7が背中に当たったときの感触から、使用者Mは自分にとって最適と思われる肩位置にもみ玉7,7がきたときにリモコンRによりマッサージユニット11の駆動をストップする。
【0169】
このストップ時において座標換算したデータをメモリ部G1のRAMに記憶し、マッサージ機Aは、この位置を使用者Mの最適肩位置として基準となし、この基準位置に基づいて、その後の自動コースにより各マッサージモードが行われるようにしている。
【0170】
また、本マッサージ機に、使用者Mの体形を検出する体形検出機能を付与しておくことができる。
【0171】
これは、体形検出手段として、例えばマッサージ中における負荷電流を検出する負荷電流検出手段を設けておくもので、前記昇降用モータm1を駆動して、マッサージユニット11を先ず使用者Mの腰位置である最下端位置に降下させるとともに、進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を最後方位置に後退させる。そして、その位置で前記進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を使用者Mの背中に向けて突出させていき、背中に当たったときの前記進退用モータm2の負荷電流の増加を前記負荷電流検出手段により検出して前記RAMに記憶する。具体的には、進退用駆動量検出手段としてマッサージユニット11に設けたロータリーエンコーダEの検出出力を、制御部Gを介して座標換算し、腰位置としてRAMに記憶するのである。
【0172】
その後、さらに前記進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を最後方位置まで後方に向けて移動するとともに、前記昇降用モータm1を駆動して、これも前記マッサージユニット11内に設けたロータリーエンコーダEの検出に基づいて所定距離だけマッサージユニット11を上昇させ、上述同様に、その位置で進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を前方に向けて移動する。このような動作を使用者Mの肩位置まで繰り返し行うことによって、使用者Mの肩の高さや幅、背中の形状等といった使用者Mの体形を検出することができる。
【0173】
このような体形検出機能を有している場合、前述した肩位置調整を行う際に、前記体形検出結果からもみ玉7,7を自動的に最適な位置にセットしておくことができるため、もみ玉7,7が昇降してももみ玉7,7の使用者Mへの当接力が強すぎたりすることがなく、肩位置調整を快適に行うことができる。
【0174】
また、上述したように、最適肩位置を指圧マッサージを行いながら決定するようにしているので、指圧マッサージを行う場合は使用者Mにとって確かに最適肩位置とみなすことができるが、例えばもみマッサージのように、マッサージユニット11の昇降は停止していてももみ玉7,7が回転駆動するような場合は、同じ使用者Mであっても最適肩位置が異なる場合が考えられる。
【0175】
そこで、各種のマッサージモードごとに予め補正値を定めておき、使用者Mがマッサージモードを選択するたびに最適肩位置を補正できるようにしておくことができる。すなわち、使用者Mが肩位置調整を行ったときに記憶されたもみ玉7,7の上下位置座標データに対して、選択されるマッサージモードに応じて所定値分自動補正するのである。
【0176】
かかる補正機能を備えたマッサージ機Aであれば、いかなるマッサージモードを使用者Mが選択しようとも、常に使用者Mにとって快適なマッサージが可能となる。
【0177】
また、上述した体形検出手段を備えている場合、前記側壁部6を電気的に上下移動可能とした制御とを組合せ、体形検出に連動させて側壁部6を使用者Mにとって最適な位置に自動的に上下移動させるように制御することができる。このように、マッサージを開始するに先立って体形検出を行い、その結果に基づいて側壁部6を自動的に最適位置に上下移動させるようにすれば、どのような身長、体形の者であってもただ座部1に腰掛けで背もたれ部3にもたれかかるだけで、「肩ぐう」と呼ばれるツボをはじめとして、効果的な体側施療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の側面視による説明図である。
【図4】リクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図である。
【図5】同正面図である。
【図6】同平面図である。
【図7】同背もたれ部の横断面図である。
【図8】機械式のマッサージユニットの説明図である。
【図9】本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図10】マッサージ機の変形例を示す説明図である。
【図11】肘掛部と側壁部との位置関係を示す説明図である。
【図12】肘掛部と側壁部との位置関係を示す説明図である。
【図13】肘掛部と側壁部との位置関係を示す説明図である。
【図14】側壁部の変形例を示す説明図である。
【図15】側壁部の変形例を示す説明図である。
【図16】リモコンの説明図である。
【図17】リモコンの説明図である。
【図18】スキップ動作の説明図である。
【図19】リモコンの表示画面を示す説明図である。
【図20】リピート動作中のマッサージ時間の変化を示す説明図である。
【図21】リピート動作の説明図である。
【図22】リモコンの表示画面を示す説明図である。
【図23】体側部用エアバッグの変形例を示す説明図である。
【図24】エアポンプの給気タイミングを示す説明図である。
【図25】リモコンの表示画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0179】
A マッサージ機
M 使用者
R リモコン
S1 リピートボタン
S2 スキップボタン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部
4 脚載部
5 肘掛部
6 側壁部
7 もみ玉
11 マッサージユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、
使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、
使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差するようにしたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
左右側部に肘掛部を備えた座部と、この座部の後部に倒伏自在に取付けた背もたれ部とを具備するマッサージ機において、
使用者の肩を含む体側を施療する体側施療部を広がり方向へ撓み自在となるように前記背もたれ部の左右両側部に取付け、当該体側施療部の下面を前記肘掛部の上面と対向して位置させるとともに、前記体側施療部の下面の前後長手方向における仮想中心線と前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線とが平面視で交差し、かつ前記体側施療部の下端部を、前記肘掛部の上面の前後長手方向における仮想中心線に対して外側へオフセットさせたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
前記肘掛部と前記体側施療部とは、それぞれの正面視における各左右横幅が、略同じ領域内に収まるように配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記肘掛部の上面を柔軟部材により形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記体側施療部を上下移動可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記肘掛部の上面と前記体側施療部の下面とを、それぞれアーチ形状に形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−20882(P2006−20882A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202499(P2004−202499)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】