マッサージ機
【課題】簡単な構成で弁の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴って発生する異音を抑制する。
【解決手段】エアポンプ1と、エアポンプ1からエアが供給されるエア袋2と、エアポンプ1とエア袋2との間のエア流路の途中に設けられエア袋2へのエアの給気とエア袋2からのエアの排気とを制御するための弁3と、エアポンプ1と弁3とを制御するための制御回路4とを備え、エア袋2へのエアの給排気によってエア袋2で直接又はエア袋2で施療子5を駆動することでマッサージするようにしたマッサージ機である。エア袋2と弁3との間のエア流路6にエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設ける。
【解決手段】エアポンプ1と、エアポンプ1からエアが供給されるエア袋2と、エアポンプ1とエア袋2との間のエア流路の途中に設けられエア袋2へのエアの給気とエア袋2からのエアの排気とを制御するための弁3と、エアポンプ1と弁3とを制御するための制御回路4とを備え、エア袋2へのエアの給排気によってエア袋2で直接又はエア袋2で施療子5を駆動することでマッサージするようにしたマッサージ機である。エア袋2と弁3との間のエア流路6にエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機における静音の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からエアマッサージ機において、ポンプ音やエア音の静音化のために膨張型マフラーを設けたものが特許文献1により知られている。この従来例は、図16に示すように、エアポンプ1と、エアポンプ1からエアが供給されるエア袋2と、エアポンプ1とエア袋2との間のエア流路6の途中に設けられエア袋2へのエアの給気とエア袋2からのエアの排気とを制御するための弁3と、エアポンプ1と弁3とを制御するための制御回路4を備え、エア袋2へのエアの給排気によってマッサージするようにしたマッサージ機において、弁3とエア袋2との間のエア流路6に膨張型マフラー70を設けたものである。なお図中80は弁3に設けた排気部である。
【0003】
また、消音タンクを設けたものも特許文献2により知られている。
【0004】
ところが、上記膨張型マフラー70や消音タンクを設けたものにおいては、エアポンプ1の振動音や、脈動音などには一定の効果があるが、下記のような弁3の切換え動作時に瞬間的に発生する異音の抑制は十分ではなかった。
【0005】
すなわち、エアポンプ1をオンしてエア袋に給気するためにエアポンプ1とエア袋2とが連通するように弁3を切換えた時、及び、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換えた時に「プシュー」という異音が発生するが、この弁3の切換え時に発生する異音は、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴う急激なエアの流れにより生じるため、従来のように膨張型マフラー70や消音タンクを設けることでは、上記「プシュー」という異音を抑制する効果があまりなかった。
【0006】
また、この弁3の切換え動作時に瞬間的に発生する「プシュー」という異音は、かなり耳障りする音質であり、ユーザに不快感を与えるという問題があった。
【特許文献1】特開2004−195114号公報
【特許文献2】特開2002−58718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成で弁の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴って発生する異音を抑制できるマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るマッサージ機は、エアポンプ1と、エアポンプ1からエアが供給されるエア袋2と、エアポンプ1とエア袋2との間のエア流路6の途中に設けられエア袋2へのエアの給気とエア袋2からのエアの排気とを制御するための弁3と、エアポンプ1と弁3とを制御するための制御回路4とを備え、エア袋2へのエアの給排気によってエア袋2で直接又はエア袋2で施療子5を駆動することでマッサージするようにしたマッサージ機において、エア袋2と弁3との間のエア流路6にエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設けて成ることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成とすることで、エアポンプ1をオンしてエア袋2に給気するためにエアポンプ1とエア袋2とが連通するように弁3を切換えた際、及び、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換えた際に、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化をエア袋2と弁3との間のエア流路6に設けた多孔質の圧損用物体7により抑制でき、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音が抑制される。
【0010】
また、エア流路6の弁3の近傍の部分に多孔質の圧損用物体7を設けることが好ましい。
【0011】
このような構成とすることで、弁3と多孔質の圧損用物体7との間に流路の空間が小さくなり、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化がより確実に抑制され、エアの急激な流れが抑制され、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音の抑制効果がより向上する。
【0012】
また、弁3に直結したエア流路6のジョイント部8に圧損用物体7を設けることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、弁3と多孔質の圧損用物体7との間に流路の空間が小さくなり、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化がより確実に抑制され、エアの急激な流れが抑制され、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音の抑制効果がより向上し、また、ジョイント部8に圧損用物体7を弁3に直結したジョイント部8に設けるので構造が簡略化する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡単な構成で弁の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴って発生する異音を抑制できてユーザに不快感を与えず、快適なマッサージができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0016】
添付図面に示す実施形態では人体をマッサージする施療子5の駆動源の一つとしてエア袋2の膨張・収縮を用いたマッサージ機を例として説明する。
図3に示すものはマッサージ機における機構ユニットである。この機構ユニットは例えば図8に示すように椅子9の背もたれ90内に配されて背もたれ90内を上下に自走するものであり、フレームを構成する左右の側板91,91間には上下駆動軸51と強弱駆動軸61が架設されており、図4に示すところの可動ユニットが両側板91、91間に配設されている。
【0017】
上記の上下駆動軸51は図5にも示すように一方の側板91に固定された上下駆動用モータ50の出力がギアボックス52内のギア群を介して伝達されることで回転駆動されるものであり、その両端にはピニオン53ところ54がそれぞれ取り付けられている。ころ54は図3に示すころ55と共に上記背もたれ90に配されたレール内を転動し、ピニオン53はレールに付設されたラック85と噛合する(図9参照)。
【0018】
上記の強弱駆動軸61は図6にも示すように他方の側板91に固定された強弱駆動用モータ60の出力がギアボックス62内のギア群を介して伝達されることで回転駆動されるものであり、その両端部には夫々上記可動ユニットを回転させるためのギア63,63が取り付けられている。
【0019】
可動ユニットは、左右一対のギアプレート30,30間に幅駆動軸31と2本のスライドガイド軸32,32及びたたき駆動軸41を架設すると共に、左右一対の施療子アームブロック11,11(図4では一方の施療子アームブロック11のみを示している)を取り付けたものである。両ギアプレート30,30に対して軸回りの回転が自在となっている幅駆動軸31の両端が上記一対の側板91,91で支持されることで上記両側板91,91間に配設され、ギアプレート30,30の外周面の歯部300,300を上記のギア63,63に噛合させてある。なお、幅駆動軸31の一端は、一方の側板91に取り付けた幅駆動用のモータ35の出力がプーリ36及びベルト37を介して伝達されるプーリ38に連結されるものであり、このため幅駆動軸31は幅駆動用モータ35の出力で軸回りの回転を行うようになっている。
【0020】
また可動ユニットにおける一方のギアプレート30上にはたたき駆動用のモータ40が取り付けられている。このモータ40の出力はプーリとベルト43によって上記たたき駆動軸41に伝達されるようになっている。なお、たたき駆動軸41は左右で偏心方向が異なるクランク軸として形成されている。
【0021】
施療子アームブロック11は図7に示すように施療子支持部材としてのアームベースプレート10、第1アーム13、第2アーム14、ローラ型の施療子5(第1施療子5a、第2施療子5b)等からなるもので、アームベースプレート10は上記幅駆動軸31のねじ部に螺合する送りナット33と、上記スライドガイド軸32にスライド自在に嵌合するスライダー34,34を備えており、幅駆動軸31の回転によって幅駆動軸31及びスライドガイド軸32の軸方向の位置を変化させるものであり、また幅駆動軸31に形成されたねじ部は、片側が逆ねじで形成されていることから、左右一対の施療子アームブロック11におけるアームベースプレート10,10は、幅駆動軸31の回転によって互いに近接したり、離れたりするものである。
【0022】
また第1施療子5aを備えた第1アーム13と第2施療子5bを備えた第2アーム14は同じ軸100にて直接アームベースプレート10に軸着してある。またたたき駆動軸41の一端を連結したリンク45はその他端は第1アーム13に連結しているのであるが、他端の軸は第1アーム13に設けた長孔48に係合させることで上記揺動を妨げることがないようにしてある。
【0023】
図2(a)(b)に示すように、第1施療子5aと第2施療子5bとはエア袋2(2a,2b)の作動により近接したり、離間したりできるようになっている。すなわち、実施形態においては、第1アーム13の受け板20aと第2アーム14の受け板20bとの間にはエア袋2aが介装されており、第1施療子5aと第2施療子5bとを近接させる方向に駆動できるようになっている。また第2アーム14の受け板20bと第1アーム13の支持部20cとの間にはエア袋2bが介装されており、第1施療子5aと第2施療子5bが離間するように付勢するようになっている。またフロート手段23がリンク45とアーム14との間に介装してあり、このフロート手段23により第1施療子5aと第2施療子5bが体に接触するようにばね付勢してある。このフロート手段23としてはばね材やエア袋等が採用できる。なお、図中95は上記エア袋2(2a,2b)を作動させる(なお、フロート手段23がエアバックの場合にはフロート手段23を構成するエアバックも作動させる)ためのエアポンプ1や弁3を納めたエア駆動ユニットである。
【0024】
上記のように左右一対の施療子アームブロック11,11にそれぞれ第1施療子5aと第2施療子5bを設けることで、各施療子アームブロック11にはそれぞれ上下に対となった第1施療子5aと第2施療子5bの組が設けられ、更に、左右の上側においては左右の施療子アームブロック11にそれぞれ設けた第1施療子5aが対となると共に、左右の下側においては左右の第2施療子5bが対となる。
【0025】
図1にはエア配管構成図が示してある。エアポンプ1とエア袋2とをエア流路6で連通接続してある。ここで、図1の実施形態では、エア袋2として左右一対のエア袋2a,2aと、左右一対のエア袋2b,2bの合計4つのエア袋2が設けてあり、また、弁3として左右一対のエア袋2a,2aへのエアの給排気の切換えを行なうための第1の弁3aと第2の弁3bとの合計2つの弁3(3a,3b)を有する2連3方電磁弁3Aが設けてある。そして、エアポンプ1側を上流側、エア袋2側を下流側とし場合、エア流路6は途中(2連3方電磁弁3Aよりも上流側)で第1エア流路6aと第2エア流路6bとに分岐しており、第1エア流路6aは途中に第1の弁3aを設けると共に下流側端部に左右一対のエア袋2a,2aが接続してあり、また、第2エア流路6bは途中に第2の弁3bを設けると共に下流側端部に左右一対のエア袋2b,2bが接続してある。
【0026】
第1の弁3aと第2の弁3bはいずれも排気部80を有しており、エアポンプ1を駆動してエア袋2にエアを供給するためにエアポンプ1とエア袋2とを連通する場合と、エア袋2からの排気をするためにエア袋2と排気部80とを連通する場合とを切換えることができるような3方電磁弁である。
【0027】
第1の弁3aと左右一対のエア袋2aとの間の第1エア流路6aにはエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設けてあり、また、第2の弁3bと左右一対のエア袋2bとの間の第2エア流路6bにはエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設けてある。エアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7は、例えば発泡ウレタンのような連続気泡の発泡合成樹脂やフェルトなどにより形成してある。
【0028】
そして、エアポンプ1をオンしてエア袋2へのエアの供給時には弁3からエア袋2側に向けてエアが通気性を有する多孔質の圧損用物体7を通過して流れ、また、エア袋2からのエアの排気時にはエアが通気性を有する多孔質の圧損用物体7を通過して弁3側に流れるようになっている。このため、上記エアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7により、エアポンプ1をオンしてエア袋2に給気するためにエアポンプ1とエア袋2とが連通するように弁3を切換えた際、及び、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換えた際に、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を通気性を有する多孔質の圧損用物体7により抑制することができる。このように圧損用物体7は弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を抑制するものであるから、通気性を有する多孔質の圧損用物体7は弁3の近傍の部分に設けるのが好ましい。この場合、図11、図12に示す実施形態のように、弁3に直結したエア流路6のジョイント部8に圧損用物体7を設けると、弁3、圧損用物体7、ジョイント部8を一つのユニットとしてコンパクトに纏めることができるだけでなく、簡単な構成で弁3の近傍に圧損用物体7を設けることができる。図11乃至図13は第1の弁3aと第2の弁3bとの合計2つの弁3(3a,3b)を有する2連3方電磁弁3Aのジョイント部8に圧損用物体7を設けた例であり、弁3a,3bは内部に切換え弁体を備え且つコイル81、ヨーク82、端子83等を備えた三方電磁弁により構成してあり、各弁3a,3bのエア袋2a,2b側の出口にそれぞれジョイント部8が設けてあり、各ジョイント部8内に図11、図12ように圧損用物体7を内装してある。
【0029】
なお、図15のように弁3の近傍に圧損用物体7を設けるに当たって排気部80側に設けることが考えられるが、このものにおいては、エアポンプ1をオンして弁3を介してエア袋2に給気する場合における弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を抑制することはできない。また、エアポンプ1と弁3との間に設けた場合は、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換える場合における弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を抑制することはできない。したがって、圧損用物体7はエア流路6の弁3とエア袋2との間の部分に設けるのである。
【0030】
以上のように構成されたマッサージ機の動作について説明すると、まず、上下駆動用モータ50で上下駆動軸51を駆動する時、図9に示すように上下駆動軸51に設けたピニオン53が回動してラック85に沿って上下方向に移動することで可動ユニットは前述の椅子の背もたれ内を上下に自走して第1施療子5a、第2施療子5bの位置を上下に変更する。また強弱駆動用モータ60で強弱駆動軸61を駆動すれば、強弱駆動軸61が備えるギア63がギアプレート30を幅駆動軸31の軸回りに回転させるために、ギアプレート30と一緒にアームベースプレート10が回転するものであり、第1施療子5aの背もたれ前方への突出量が小さい状態と、第1施療子5aの前方突出量が大きい状態とを得ることができる。つまり、第1施療子5aの前方突出量を変化させることによる強弱調整を行うことができる。また幅駆動用モータ35によって幅駆動軸31を回転させる時、前述のように左右一対の施療子アームブロック11,11は幅方向(左右方向)において近接・離間し、左右の第1施療子5a,5a、左右の第2施療子5b,5bの間隔を変更する。
【0031】
ちなみにこのマッサージ機は、上記3つのモータ50,60,35による各動作を組み合わせることで、いわゆる揉みマッサージを実現している。なお、このような揉みマッサージを行う駆動制御を可能にするために、上下位置センサーS2や幅位置センサーS1などのほか、図10に示すように、強弱位置、各モータの回転速度(回転角度)等を検出するセンサを設けてフィードバック制御を行っている。図10中の4はマイクロコンピュータからなる制御回路である。
【0032】
またエアポンプ1を駆動すると共に第1の弁3aをエアポンプ1とエア袋2aとが連通するように切換える(この場合第1の弁3aの排気部80側は閉である)と共に、第2の弁3bをエア袋2bと排気部80とが連通するように切換える(この場合第2の弁3bのエアポンプ1側は閉である)ように制御することで、エア袋2aにエアを供給してエア袋2aを伸張させると共にエア袋2bからエアを抜いて排気部80から排気することで収縮させるものであり、このエア袋2aの膨張、エア袋2bの収縮により第1施療子5aと第2施療子5bを近接させることができる。
【0033】
また、エアポンプ1を駆動すると共に第2の弁3bをエアポンプ1とエア袋2bとが連通するように切換える(この場合第2の弁3bの排気部80側は閉である)と共に、第1の弁3aをエア袋2aと排気部80とが連通するように切換える(この場合第1の弁3aのエアポンプ1側は閉である)ように制御することで、エア袋2aからエアを抜いて収縮させると共にエア袋2bにエアを供給して伸張させるものであり、このエア袋2bの膨張、エア袋2aの収縮により、第1施療子5aと第2施療子5bを離間させることができる。このように軸100を中心として第1アーム13に対して第2アーム14が回動して施療子5と第2施療子5bが近接したり離間したりして移動して施療子5と第2施療子5b間で肩等を掴む揉みマッサージができる。
【0034】
ここで、上記のようにエア袋2(2a,2b)の膨張、収縮のために弁3(第1、第2の弁3a,3b)を切換えると、弁3(第1、第2の弁3a,3b)の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴う急激なエアの流れによって「プシュー」という異音が発生しようとするが、本発明においては、上記のように、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化をエア袋2と弁3との間のエア流路6に設けた通気性を有する多孔質の圧損用物体7により抑制するようになっており、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音を抑制することができる。
【0035】
特に、圧損用物体7を弁3の近傍に設けることで、弁3と多孔質の圧損用物体7との間の流路の空間が小さくなり、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化がより確実に抑制され、エアの急激な流れが抑制され、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音の抑制効果がより向上する。この場合、図11、図12に示すように、ジョイント部8に圧損用物体7を弁3に直結したジョイント部8に設けるものにおいては、簡単な構成で弁3の近傍に圧損用物体7を設けることができて、簡単な構成で弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる異音の発生を確実に抑制することができる。
【0036】
上記実施形態においては、1つのエアポンプ1により複数のエア袋2(2a、2b)を膨張、収縮する実施形態につき説明したが、図14のように、1つのエアポンプ1により1つのエア袋2を膨張、収縮するようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態ではエア袋2へのエアの給排気によってエア袋2で施療子5を駆動することでマッサージするようにした例で説明したが、エア袋2への空気の給排気により膨張・収縮するエア袋2により直接マッサージをする(例えばエア袋の膨張・収縮で脚部、臀部等を直接マッサージする)ものであってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のマッサージ機における一実施形態のエア配管構成図である。
【図2】同上のマッサージ機の一実施形態の施療子アームブロック部分の側面図であって、(a)は上下一対の施療子が離間した状態を示す側面図であり、(b)は上下一対の施療子が近接した状態の側面図である。
【図3】同上の背面側から見た一部省略斜視図である。
【図4】同上の可動ユニットの斜視図である。
【図5】同上の上下駆動部の斜視図である。
【図6】同上の強弱駆動部の斜視図である。
【図7】(a)は同上の施療子アームブロックの分解斜視図であり、(b)は更に分解して他の方向から見た分解斜視図である。
【図8】同上の機構ユニットを背凭れに内蔵した椅子の斜視図である。
【図9】同上の機構ブロックをラックに沿って上下移動することを説明する説明図である。
【図10】同上のブロック回路図である。
【図11】同上の2連3方電磁弁に直結したジョイント部に圧損用物体を内装した例を示す一部破断した斜視図である。
【図12】同上の断面図である。
【図13】同上の2連3方電磁弁の断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態のエア配管構成図である。
【図15】比較例のエア配管構成図である。
【図16】従来例のエア配管構成図である。
【符号の説明】
【0039】
1 エアポンプ
2 エア袋
3 弁
4 制御回路
5 施療子
6 エア流路
7 圧損用物体
8 ジョイント部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機における静音の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からエアマッサージ機において、ポンプ音やエア音の静音化のために膨張型マフラーを設けたものが特許文献1により知られている。この従来例は、図16に示すように、エアポンプ1と、エアポンプ1からエアが供給されるエア袋2と、エアポンプ1とエア袋2との間のエア流路6の途中に設けられエア袋2へのエアの給気とエア袋2からのエアの排気とを制御するための弁3と、エアポンプ1と弁3とを制御するための制御回路4を備え、エア袋2へのエアの給排気によってマッサージするようにしたマッサージ機において、弁3とエア袋2との間のエア流路6に膨張型マフラー70を設けたものである。なお図中80は弁3に設けた排気部である。
【0003】
また、消音タンクを設けたものも特許文献2により知られている。
【0004】
ところが、上記膨張型マフラー70や消音タンクを設けたものにおいては、エアポンプ1の振動音や、脈動音などには一定の効果があるが、下記のような弁3の切換え動作時に瞬間的に発生する異音の抑制は十分ではなかった。
【0005】
すなわち、エアポンプ1をオンしてエア袋に給気するためにエアポンプ1とエア袋2とが連通するように弁3を切換えた時、及び、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換えた時に「プシュー」という異音が発生するが、この弁3の切換え時に発生する異音は、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴う急激なエアの流れにより生じるため、従来のように膨張型マフラー70や消音タンクを設けることでは、上記「プシュー」という異音を抑制する効果があまりなかった。
【0006】
また、この弁3の切換え動作時に瞬間的に発生する「プシュー」という異音は、かなり耳障りする音質であり、ユーザに不快感を与えるという問題があった。
【特許文献1】特開2004−195114号公報
【特許文献2】特開2002−58718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成で弁の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴って発生する異音を抑制できるマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るマッサージ機は、エアポンプ1と、エアポンプ1からエアが供給されるエア袋2と、エアポンプ1とエア袋2との間のエア流路6の途中に設けられエア袋2へのエアの給気とエア袋2からのエアの排気とを制御するための弁3と、エアポンプ1と弁3とを制御するための制御回路4とを備え、エア袋2へのエアの給排気によってエア袋2で直接又はエア袋2で施療子5を駆動することでマッサージするようにしたマッサージ機において、エア袋2と弁3との間のエア流路6にエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設けて成ることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成とすることで、エアポンプ1をオンしてエア袋2に給気するためにエアポンプ1とエア袋2とが連通するように弁3を切換えた際、及び、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換えた際に、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化をエア袋2と弁3との間のエア流路6に設けた多孔質の圧損用物体7により抑制でき、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音が抑制される。
【0010】
また、エア流路6の弁3の近傍の部分に多孔質の圧損用物体7を設けることが好ましい。
【0011】
このような構成とすることで、弁3と多孔質の圧損用物体7との間に流路の空間が小さくなり、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化がより確実に抑制され、エアの急激な流れが抑制され、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音の抑制効果がより向上する。
【0012】
また、弁3に直結したエア流路6のジョイント部8に圧損用物体7を設けることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、弁3と多孔質の圧損用物体7との間に流路の空間が小さくなり、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化がより確実に抑制され、エアの急激な流れが抑制され、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音の抑制効果がより向上し、また、ジョイント部8に圧損用物体7を弁3に直結したジョイント部8に設けるので構造が簡略化する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡単な構成で弁の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴って発生する異音を抑制できてユーザに不快感を与えず、快適なマッサージができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0016】
添付図面に示す実施形態では人体をマッサージする施療子5の駆動源の一つとしてエア袋2の膨張・収縮を用いたマッサージ機を例として説明する。
図3に示すものはマッサージ機における機構ユニットである。この機構ユニットは例えば図8に示すように椅子9の背もたれ90内に配されて背もたれ90内を上下に自走するものであり、フレームを構成する左右の側板91,91間には上下駆動軸51と強弱駆動軸61が架設されており、図4に示すところの可動ユニットが両側板91、91間に配設されている。
【0017】
上記の上下駆動軸51は図5にも示すように一方の側板91に固定された上下駆動用モータ50の出力がギアボックス52内のギア群を介して伝達されることで回転駆動されるものであり、その両端にはピニオン53ところ54がそれぞれ取り付けられている。ころ54は図3に示すころ55と共に上記背もたれ90に配されたレール内を転動し、ピニオン53はレールに付設されたラック85と噛合する(図9参照)。
【0018】
上記の強弱駆動軸61は図6にも示すように他方の側板91に固定された強弱駆動用モータ60の出力がギアボックス62内のギア群を介して伝達されることで回転駆動されるものであり、その両端部には夫々上記可動ユニットを回転させるためのギア63,63が取り付けられている。
【0019】
可動ユニットは、左右一対のギアプレート30,30間に幅駆動軸31と2本のスライドガイド軸32,32及びたたき駆動軸41を架設すると共に、左右一対の施療子アームブロック11,11(図4では一方の施療子アームブロック11のみを示している)を取り付けたものである。両ギアプレート30,30に対して軸回りの回転が自在となっている幅駆動軸31の両端が上記一対の側板91,91で支持されることで上記両側板91,91間に配設され、ギアプレート30,30の外周面の歯部300,300を上記のギア63,63に噛合させてある。なお、幅駆動軸31の一端は、一方の側板91に取り付けた幅駆動用のモータ35の出力がプーリ36及びベルト37を介して伝達されるプーリ38に連結されるものであり、このため幅駆動軸31は幅駆動用モータ35の出力で軸回りの回転を行うようになっている。
【0020】
また可動ユニットにおける一方のギアプレート30上にはたたき駆動用のモータ40が取り付けられている。このモータ40の出力はプーリとベルト43によって上記たたき駆動軸41に伝達されるようになっている。なお、たたき駆動軸41は左右で偏心方向が異なるクランク軸として形成されている。
【0021】
施療子アームブロック11は図7に示すように施療子支持部材としてのアームベースプレート10、第1アーム13、第2アーム14、ローラ型の施療子5(第1施療子5a、第2施療子5b)等からなるもので、アームベースプレート10は上記幅駆動軸31のねじ部に螺合する送りナット33と、上記スライドガイド軸32にスライド自在に嵌合するスライダー34,34を備えており、幅駆動軸31の回転によって幅駆動軸31及びスライドガイド軸32の軸方向の位置を変化させるものであり、また幅駆動軸31に形成されたねじ部は、片側が逆ねじで形成されていることから、左右一対の施療子アームブロック11におけるアームベースプレート10,10は、幅駆動軸31の回転によって互いに近接したり、離れたりするものである。
【0022】
また第1施療子5aを備えた第1アーム13と第2施療子5bを備えた第2アーム14は同じ軸100にて直接アームベースプレート10に軸着してある。またたたき駆動軸41の一端を連結したリンク45はその他端は第1アーム13に連結しているのであるが、他端の軸は第1アーム13に設けた長孔48に係合させることで上記揺動を妨げることがないようにしてある。
【0023】
図2(a)(b)に示すように、第1施療子5aと第2施療子5bとはエア袋2(2a,2b)の作動により近接したり、離間したりできるようになっている。すなわち、実施形態においては、第1アーム13の受け板20aと第2アーム14の受け板20bとの間にはエア袋2aが介装されており、第1施療子5aと第2施療子5bとを近接させる方向に駆動できるようになっている。また第2アーム14の受け板20bと第1アーム13の支持部20cとの間にはエア袋2bが介装されており、第1施療子5aと第2施療子5bが離間するように付勢するようになっている。またフロート手段23がリンク45とアーム14との間に介装してあり、このフロート手段23により第1施療子5aと第2施療子5bが体に接触するようにばね付勢してある。このフロート手段23としてはばね材やエア袋等が採用できる。なお、図中95は上記エア袋2(2a,2b)を作動させる(なお、フロート手段23がエアバックの場合にはフロート手段23を構成するエアバックも作動させる)ためのエアポンプ1や弁3を納めたエア駆動ユニットである。
【0024】
上記のように左右一対の施療子アームブロック11,11にそれぞれ第1施療子5aと第2施療子5bを設けることで、各施療子アームブロック11にはそれぞれ上下に対となった第1施療子5aと第2施療子5bの組が設けられ、更に、左右の上側においては左右の施療子アームブロック11にそれぞれ設けた第1施療子5aが対となると共に、左右の下側においては左右の第2施療子5bが対となる。
【0025】
図1にはエア配管構成図が示してある。エアポンプ1とエア袋2とをエア流路6で連通接続してある。ここで、図1の実施形態では、エア袋2として左右一対のエア袋2a,2aと、左右一対のエア袋2b,2bの合計4つのエア袋2が設けてあり、また、弁3として左右一対のエア袋2a,2aへのエアの給排気の切換えを行なうための第1の弁3aと第2の弁3bとの合計2つの弁3(3a,3b)を有する2連3方電磁弁3Aが設けてある。そして、エアポンプ1側を上流側、エア袋2側を下流側とし場合、エア流路6は途中(2連3方電磁弁3Aよりも上流側)で第1エア流路6aと第2エア流路6bとに分岐しており、第1エア流路6aは途中に第1の弁3aを設けると共に下流側端部に左右一対のエア袋2a,2aが接続してあり、また、第2エア流路6bは途中に第2の弁3bを設けると共に下流側端部に左右一対のエア袋2b,2bが接続してある。
【0026】
第1の弁3aと第2の弁3bはいずれも排気部80を有しており、エアポンプ1を駆動してエア袋2にエアを供給するためにエアポンプ1とエア袋2とを連通する場合と、エア袋2からの排気をするためにエア袋2と排気部80とを連通する場合とを切換えることができるような3方電磁弁である。
【0027】
第1の弁3aと左右一対のエア袋2aとの間の第1エア流路6aにはエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設けてあり、また、第2の弁3bと左右一対のエア袋2bとの間の第2エア流路6bにはエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7を設けてある。エアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7は、例えば発泡ウレタンのような連続気泡の発泡合成樹脂やフェルトなどにより形成してある。
【0028】
そして、エアポンプ1をオンしてエア袋2へのエアの供給時には弁3からエア袋2側に向けてエアが通気性を有する多孔質の圧損用物体7を通過して流れ、また、エア袋2からのエアの排気時にはエアが通気性を有する多孔質の圧損用物体7を通過して弁3側に流れるようになっている。このため、上記エアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体7により、エアポンプ1をオンしてエア袋2に給気するためにエアポンプ1とエア袋2とが連通するように弁3を切換えた際、及び、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換えた際に、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を通気性を有する多孔質の圧損用物体7により抑制することができる。このように圧損用物体7は弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を抑制するものであるから、通気性を有する多孔質の圧損用物体7は弁3の近傍の部分に設けるのが好ましい。この場合、図11、図12に示す実施形態のように、弁3に直結したエア流路6のジョイント部8に圧損用物体7を設けると、弁3、圧損用物体7、ジョイント部8を一つのユニットとしてコンパクトに纏めることができるだけでなく、簡単な構成で弁3の近傍に圧損用物体7を設けることができる。図11乃至図13は第1の弁3aと第2の弁3bとの合計2つの弁3(3a,3b)を有する2連3方電磁弁3Aのジョイント部8に圧損用物体7を設けた例であり、弁3a,3bは内部に切換え弁体を備え且つコイル81、ヨーク82、端子83等を備えた三方電磁弁により構成してあり、各弁3a,3bのエア袋2a,2b側の出口にそれぞれジョイント部8が設けてあり、各ジョイント部8内に図11、図12ように圧損用物体7を内装してある。
【0029】
なお、図15のように弁3の近傍に圧損用物体7を設けるに当たって排気部80側に設けることが考えられるが、このものにおいては、エアポンプ1をオンして弁3を介してエア袋2に給気する場合における弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を抑制することはできない。また、エアポンプ1と弁3との間に設けた場合は、給気されたエア袋2からエアを排気するために弁3を排気側に切換える場合における弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化を抑制することはできない。したがって、圧損用物体7はエア流路6の弁3とエア袋2との間の部分に設けるのである。
【0030】
以上のように構成されたマッサージ機の動作について説明すると、まず、上下駆動用モータ50で上下駆動軸51を駆動する時、図9に示すように上下駆動軸51に設けたピニオン53が回動してラック85に沿って上下方向に移動することで可動ユニットは前述の椅子の背もたれ内を上下に自走して第1施療子5a、第2施療子5bの位置を上下に変更する。また強弱駆動用モータ60で強弱駆動軸61を駆動すれば、強弱駆動軸61が備えるギア63がギアプレート30を幅駆動軸31の軸回りに回転させるために、ギアプレート30と一緒にアームベースプレート10が回転するものであり、第1施療子5aの背もたれ前方への突出量が小さい状態と、第1施療子5aの前方突出量が大きい状態とを得ることができる。つまり、第1施療子5aの前方突出量を変化させることによる強弱調整を行うことができる。また幅駆動用モータ35によって幅駆動軸31を回転させる時、前述のように左右一対の施療子アームブロック11,11は幅方向(左右方向)において近接・離間し、左右の第1施療子5a,5a、左右の第2施療子5b,5bの間隔を変更する。
【0031】
ちなみにこのマッサージ機は、上記3つのモータ50,60,35による各動作を組み合わせることで、いわゆる揉みマッサージを実現している。なお、このような揉みマッサージを行う駆動制御を可能にするために、上下位置センサーS2や幅位置センサーS1などのほか、図10に示すように、強弱位置、各モータの回転速度(回転角度)等を検出するセンサを設けてフィードバック制御を行っている。図10中の4はマイクロコンピュータからなる制御回路である。
【0032】
またエアポンプ1を駆動すると共に第1の弁3aをエアポンプ1とエア袋2aとが連通するように切換える(この場合第1の弁3aの排気部80側は閉である)と共に、第2の弁3bをエア袋2bと排気部80とが連通するように切換える(この場合第2の弁3bのエアポンプ1側は閉である)ように制御することで、エア袋2aにエアを供給してエア袋2aを伸張させると共にエア袋2bからエアを抜いて排気部80から排気することで収縮させるものであり、このエア袋2aの膨張、エア袋2bの収縮により第1施療子5aと第2施療子5bを近接させることができる。
【0033】
また、エアポンプ1を駆動すると共に第2の弁3bをエアポンプ1とエア袋2bとが連通するように切換える(この場合第2の弁3bの排気部80側は閉である)と共に、第1の弁3aをエア袋2aと排気部80とが連通するように切換える(この場合第1の弁3aのエアポンプ1側は閉である)ように制御することで、エア袋2aからエアを抜いて収縮させると共にエア袋2bにエアを供給して伸張させるものであり、このエア袋2bの膨張、エア袋2aの収縮により、第1施療子5aと第2施療子5bを離間させることができる。このように軸100を中心として第1アーム13に対して第2アーム14が回動して施療子5と第2施療子5bが近接したり離間したりして移動して施療子5と第2施療子5b間で肩等を掴む揉みマッサージができる。
【0034】
ここで、上記のようにエア袋2(2a,2b)の膨張、収縮のために弁3(第1、第2の弁3a,3b)を切換えると、弁3(第1、第2の弁3a,3b)の切換え動作時の瞬間的な圧力変化に伴う急激なエアの流れによって「プシュー」という異音が発生しようとするが、本発明においては、上記のように、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化をエア袋2と弁3との間のエア流路6に設けた通気性を有する多孔質の圧損用物体7により抑制するようになっており、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音を抑制することができる。
【0035】
特に、圧損用物体7を弁3の近傍に設けることで、弁3と多孔質の圧損用物体7との間の流路の空間が小さくなり、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化がより確実に抑制され、エアの急激な流れが抑制され、これにより、弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる「プシュー」という異音の抑制効果がより向上する。この場合、図11、図12に示すように、ジョイント部8に圧損用物体7を弁3に直結したジョイント部8に設けるものにおいては、簡単な構成で弁3の近傍に圧損用物体7を設けることができて、簡単な構成で弁3の切換え動作時の瞬間的な圧力変化によって生じる異音の発生を確実に抑制することができる。
【0036】
上記実施形態においては、1つのエアポンプ1により複数のエア袋2(2a、2b)を膨張、収縮する実施形態につき説明したが、図14のように、1つのエアポンプ1により1つのエア袋2を膨張、収縮するようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態ではエア袋2へのエアの給排気によってエア袋2で施療子5を駆動することでマッサージするようにした例で説明したが、エア袋2への空気の給排気により膨張・収縮するエア袋2により直接マッサージをする(例えばエア袋の膨張・収縮で脚部、臀部等を直接マッサージする)ものであってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のマッサージ機における一実施形態のエア配管構成図である。
【図2】同上のマッサージ機の一実施形態の施療子アームブロック部分の側面図であって、(a)は上下一対の施療子が離間した状態を示す側面図であり、(b)は上下一対の施療子が近接した状態の側面図である。
【図3】同上の背面側から見た一部省略斜視図である。
【図4】同上の可動ユニットの斜視図である。
【図5】同上の上下駆動部の斜視図である。
【図6】同上の強弱駆動部の斜視図である。
【図7】(a)は同上の施療子アームブロックの分解斜視図であり、(b)は更に分解して他の方向から見た分解斜視図である。
【図8】同上の機構ユニットを背凭れに内蔵した椅子の斜視図である。
【図9】同上の機構ブロックをラックに沿って上下移動することを説明する説明図である。
【図10】同上のブロック回路図である。
【図11】同上の2連3方電磁弁に直結したジョイント部に圧損用物体を内装した例を示す一部破断した斜視図である。
【図12】同上の断面図である。
【図13】同上の2連3方電磁弁の断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態のエア配管構成図である。
【図15】比較例のエア配管構成図である。
【図16】従来例のエア配管構成図である。
【符号の説明】
【0039】
1 エアポンプ
2 エア袋
3 弁
4 制御回路
5 施療子
6 エア流路
7 圧損用物体
8 ジョイント部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアポンプと、エアポンプからエアが供給されるエア袋と、エアポンプとエア袋との間のエア流路の途中に設けられエア袋へのエアの給気とエア袋からのエアの排気とを制御するための弁と、エアポンプと弁とを制御するための制御回路とを備え、エア袋へのエアの給排気によってエア袋で直接又はエア袋で施療子を駆動することでマッサージするようにしたマッサージ機において、エア袋と弁との間のエア流路にエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体を設けて成ることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
エア流路の弁の近傍の部分に多孔質の圧損用物体を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
弁に直結したエア流路のジョイント部に圧損用物体を設けて成ることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【請求項1】
エアポンプと、エアポンプからエアが供給されるエア袋と、エアポンプとエア袋との間のエア流路の途中に設けられエア袋へのエアの給気とエア袋からのエアの排気とを制御するための弁と、エアポンプと弁とを制御するための制御回路とを備え、エア袋へのエアの給排気によってエア袋で直接又はエア袋で施療子を駆動することでマッサージするようにしたマッサージ機において、エア袋と弁との間のエア流路にエアの圧損となる通気性を有する多孔質の圧損用物体を設けて成ることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
エア流路の弁の近傍の部分に多孔質の圧損用物体を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
弁に直結したエア流路のジョイント部に圧損用物体を設けて成ることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−209702(P2007−209702A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35693(P2006−35693)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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