マッサージ機
【課題】マッサージ動作間のインターバルを変更できるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、前記マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、前記記憶手段は、前記マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶する。
【解決手段】施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、前記マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、前記記憶手段は、前記マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関し、特にマッサージコースを実行可能なマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージ機として、その利用者が腰掛ける座部とその後部に背もたれ部を設けた椅子型のマッサージ機があり、例えば背もたれ部の背もたれ面に、もみ玉などを具備するメカ式施療手段を設けて、被施療者の背中をもみ玉による機械式のマッサージを実行可能としたものが広く知られている。
【0003】
この種のマッサージ機では、一般に予め登録されたプログラムに基づいて複数のマッサージを順次実行するマッサージコースを複数有しており、マッサージ機の利用者は、これら複数のマッサージコースから好みのものをリモコン等の操作手段により選択するようになっている。
【0004】
これらのマッサージコースは、上述のように予め登録されたプログラムにしたがって実行されるために柔軟性に欠け、利用者の好みを十分にマッチさせることができないことから、マッサージ動作の速度を変化させるスイッチやマッサージ動作の強弱度を変更するスイッチを設けて、容易にマッサージコースを利用者の好みのものとするもの提案されている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0005】
また、予め登録されているマッサージコースではなく、利用者が操作手段を用いて好みのマッサージ動作を組み合わせてマッサージコースを登録することができるマッサージ機も提供されるようになってきている。
【0006】
このように、これらのマッサージ機においては、マッサージコースを構成するマッサージ動作の施療位置、種類、強弱、速度を選択又は変更することができるように構成されており、利用者の好みに合わせたマッサージコースを実行することができる。
【特許文献1】特開2001−190620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のマッサージコースにおいては、上述のようにマッサージ動作の選択及び変更のみが可能であり、マッサージ動作とマッサージ動作との間に発生するインターバルを変更するものではなかった。すなわち、マッサージ動作間のインターバルはマッサージコースによらず一定となっていた。
【0008】
したがって、たとえば、マッサージ機の利用者が折角マッサージ動作をゆっくり行うようなマッサージコースを選択或いはこのようなマッサージコースに変更しても、マッサージ動作間のインターバルがマッサージコースに合わせて変更或いは選択されることがないために、利用者の違和感を与えてしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に記載の発明は、施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、前記マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、前記記憶手段は、前記マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記インターバル情報は、前記マッサージ動作間のインターバル時間又は前記施療体の移動速度に関する情報であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明であって、前記記憶手段には、前記マッサージコースが複数記憶されると共に、前記マッサージコースごとに異なるインターバル情報を記憶可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明であって、前記マッサージコース情報を生成するための操作手段を設け、前記制御手段は、前記操作手段により生成されたマッサージコース情報に応じてインターバル情報を生成し、このインターバル情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明であって、被施療者の身体を支持する背もたれ部を備え、前記マッサージコース情報は、前記背もたれ部の移動時間又は移動速度を記憶し、前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記背もたれ部を移動することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明であって、被施療者の脚部を支持する脚載部を備え、前記マッサージコース情報は、前記脚載部の移動時間又は移動速度を記憶し、前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記脚載部を移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、記憶手段は、マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶するようにしているため、マッサージ動作間のインターバルをマッサージコースに合わせて変更或いは選択することが可能となり、マッサージコースや利用者の好みに合わせたインターバルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施形態にかかるマッサージ機は、施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、前記マッサージコース情報(以下、「自動マッサージコース情報」ともいうことがある。)に基づいてマッサージコース(以下、「自動マッサージコース」ということがある。)を実行する制御手段とを備え、記憶手段は、マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶するようにしたものである。なお、本実施形態では、マッサージ機を、リクライニング可能な背もたれ部とオットマンと呼ばれる脚載部とを具備した椅子型マッサージ機として説明する。
【0017】
施療体としては、上下昇降可能及び前後進退可能に配設したもみ玉を具備する機械式施療体とすることができるが、機械式施療体に加え、さらにエアバッグからなるエア式施療体を備えたものとすることができる。
【0018】
そして、これら機械式施療体及びエア式施療体をそれぞれ用いて所定の施療種類(たとえば、もみ、たたき、指圧等のマッサージ方式)により所定の施療領域(たとえば、肩、腰、脚等のマッサージ領域)をマッサージする基本マッサージ動作を単独で行ったり、これら基本マッサージ動作を適宜組合せて、複数の施療箇所及び/又は複数の施療種類を所定の時間(例えば45分)でマッサージするように設定された複数種の自動マッサージコースによるマッサージを行ったりすることができる。すなわち、本実施形態に係るマッサージ機は、ボタン操作で任意の施療箇所を好みに応じた基本マッサージ動作によりマッサージできるほか、予め設定されたマッサージコース情報にしたがってマッサージを実行する複数の自動マッサージコースをボタン操作により選択可能な構成となっている。さらに、後述のようにボタン操作により生成したマッサージコース情報を実行することも可能である。
【0019】
このようなマッサージコース情報は、施療種類、施療領域(施療箇所)及び施療時間等から構成されるマッサージ動作情報が複数組み合わされてなる。そして、このマッサージコース情報は、フラッシュROMやRAMなどの記憶手段に予め記憶され、或いはリモコンなどの操作手段からの入力により記憶される。なお、操作手段からのマッサージコース情報の入力は、マッサージ動作情報を順次入力することにより行われ、このように入力されたマッサージ動作情報は記憶手段に記憶される。
【0020】
また、マッサージコース情報には、上述のマッサージ動作情報のほか、マッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報が含まれている。このインターバル情報として、マッサージ動作間のインターバル時間や前記施療体の移動速度に関する情報などがある。たとえば、一のマッサージ動作が終了して次のマッサージ動作が開始するまでのインターバル時間や一つのマッサージ動作が終了して次のマッサージ動作を行うために施療体が移動する移動速度などがある。
【0021】
また、マッサージ動作間のインターバル時において、施療体を移動させながら簡易的なマッサージ動作(たとえば、被施療者を押圧しながら施療体を移動させるローリング機能)を行うこともこのインターバルに含むことができる。
【0022】
本実施形態においては、このインターバル情報は、マッサージ動作情報と共にマッサージコース情報として記憶手段に記憶されるが、マッサージコース情報とは別にマッサージコース情報と関連付けて記憶手段に記憶されるようにしてもよい。
【0023】
また、このインターバル情報は、マッサージ動作間ごとに異なるものとしてもよく、たとえば、マッサージコースの進行に伴って、10%ずつインターバル時間を増やしたり、施療体の移動速度を遅くしたりするようにしてもよく、その逆にインターバル時間を減らしたり、速度を速めたりするようにしてもよい。このようにする他、施療体の速度を速い⇒遅い⇒速いと変化させたり、遅い⇒速い⇒遅いと変化させるようにもできる。
【0024】
さらに、マッサージコースが複数記憶されているとき、マッサージコースごとに異なるインターバル情報を記憶させるようにすることができる。このようにすれば、マッサージコースごとに適したインターバルを設けることができ、被施療者に対するマッサージをより快適に行うことができる。たとえば、弱くゆっくりマッサージするコースでは、インターバル時間や施療体の移動速度をゆっくりとし、しっかり速くマッサージするコースでは、インターバル時間や施療体の移動速度を早くすることにより、被施療者に対して快適なマッサージを提供することができる。
【0025】
また、本実施形態におけるマッサージ機においては、記憶手段に記憶されたマッサージコース情報を操作手段で変更することができるようにしている。たとえば、操作手段によりマッサージコース情報にマッサージ動作情報を追加することができ、この場合、マッサージ機の制御手段は、マッサージ動作情報を追加に伴って発生するインターバルに関し、マッサージコース情報に応じたインターバル情報を動的に生成してマッサージコース情報に追加する。したがって、マッサージ動作情報を追加に伴って発生するインターバルをマッサージコースに応じて適切なものとすることができる。さらに、マッサージ動作間に異なるようにしたインターバル情報の場合であっても、新たに発生したマッサージ動作間のインターバルをマッサージコース情報に応じたものとすることができる。たとえば、上述のように10%ずつインターバル時間を増やすようにインターバルが設定されている場合であっても、それに応じたインターバルが動的に設定されることになり、マッサージコースに応じた適切なインターバルを有するマッサージを提供することができる。なお、新たに発生したマッサージ動作間にインターバルを設定することによって、他のインターバルと不整合を生じると制御手段が判定すると、不整合が生じるインターバルを動的に変更して記憶手段に記憶する。
【0026】
一方、操作手段によりマッサージコース情報にマッサージ動作情報を削除することもでき、この場合、制御手段は、インターバル情報のうち、削除したマッサージ動作情報の前後のマッサージ動作情報間の情報を削除するとともに、マッサージコース情報に応じた情報をインターバル情報に追加する。したがって、マッサージ動作間に異なるようにしたインターバル情報の場合であっても、不整合が生じるインターバルを動的に変更して記憶手段に記憶することができる。
【0027】
また、操作手段によりマッサージ動作を複数組み合わせてマッサージコース情報を生成することもでき、この場合、制御手段は、操作手段により生成されたマッサージコース情報に応じてインターバル情報を生成し、このインターバル情報を記憶手段に記憶することができる。たとえば、生成されたマッサージコースにおいて、その施療強度が小さく、施療体の移動速度も遅いようなマッサージコースの場合には、インターバル時間や施療体の移動速度をゆっくりとし、その施療強度が強く、施療体の移動速度も速いような場合には、インターバル時間や施療体の移動速度を早くするようにインターバル情報を生成して記憶部に記憶する。このように、生成されたマッサージコース情報に応じて、適切なインターバル情報が設定されるため、被施療者は快適にマッサージを受けることができる。
【0028】
また、本実施形態におけるマッサージ機には、被施療者の身体を支持する背もたれ部や被施療者の脚部を支持する脚載部を有しており、さらに、マッサージコース情報には、背もたれ部のリクライニング角度を変更するときの移動速度又は移動時間、脚載部の脚載角度を変更するときの移動速度又は移動速度などを記憶している。
【0029】
そして、マッサージ動作の実行前又は実行後(マッサージコース開始時や終了時、マッサージ動作間のインターバル時を含む)に、マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により背もたれ部や足載部を移動するようにしている。したがって、被施療者は、設定されたマッサージコースの流れや雰囲気を害されることなく、快適にマッサージを受けることができる。
【0030】
以下、本実施の形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0031】
まず、マッサージ機Aの全体的な構成について、図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施の形態に係るマッサージ機Aを示す斜視図、図2は同マッサージ機Aよりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図、図3は同マッサージ機Aの駆動制御系を示すブロック図、図4はリクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図、図5は同背もたれ部の横断面図である。
【0032】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1〜図5に示すように、被施療者M(図3〜5参照)が着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結され、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6を取付けた背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。
【0033】
また、図1に示すように、前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部1に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3(図2参照)を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0034】
前記背もたれ部3は、図3に示すように、縦に伸延する左右の縦フレーム30,30を具備しており、この縦フレーム30,30の前側に、図2に示すように、略中央に所定幅の長孔31aを形成した背もたれ板31を取付けるとともに、後側には背面カバー体32を取付け、この背面カバー体32と前記背もたれ板31との間にユニット配設空間Qを形成している。そして、このユニット配設空間Qに、被施療者Mを押圧によってマッサージするための左右一対のもみ玉7a,7bを備え、このもみ玉7a,7bを前記長孔31aに臨ませた状態で昇降可能とした機械式のマッサージユニット11を配設している。なお、このマッサージユニット11については後に詳述する。
【0035】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、エアポンプ25(図9参照)から供給されるエアによって背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0036】
また、図1〜図3に示すように、前記座部1には、その左右側に肘掛部5,5を設けている。また、座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0037】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0038】
ここで、背もたれ部3の左右端部に取付けた側壁部6の構成と、この側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3、及び他のエアバッグに関する動作について説明する。
【0039】
本実施形態における左右の側壁部6,6は、図1〜図3に示すように、取付基端部側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状としており、座部1に着座した被施療者Mの上腕側方となる位置に配設している。
【0040】
そして、前記基端部側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させるとともに、その内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。したがって、かかる2個の体側部用エアバッグa3,a3を同時に膨出させると被施療者Mの身体に素早くフィットして身体の体側をマッサージあるいは押圧保持することができる。なお、体側部用エアバッグa3は、前述したようにエアバッグ用カバーC6で被覆されている(図1参照)。
【0041】
この体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8には、後述するエアポンプ25から給気される。エアポンプ25には、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を後述する制御手段としての制御部Gにより制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、被施療者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、前記電磁弁の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0042】
このように、エアバッグa1〜a8の動作は制御部Gによって制御されており、制御部Gは、エアバッグa1〜a8の膨縮に関わるエアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御して、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させるのである。
【0043】
次に、マッサージ機Aにおける機械式のマッサージユニット11について図面を参照して以下具体的に説明する。図6は機械式のマッサージユニット11の斜視図、図7はマッサージユニット11の分解斜視図、図8はマッサージユニット11を構成するもみ玉駆動ユニット9の側面図である。
【0044】
図6〜図8に示すように、マッサージユニット11は、もみ玉駆動ユニット9を収納配設しており、同もみ玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対のもみ玉7a,7bをたたき方向に揺動させることによってたたき作動を行わせるたたき機構70と、前記もみ玉7a,7bを偏心回動させることによってもみ作動を行わせるもみ機構8とを具備するとともに、背もたれ部3の表側(被施療者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変わるように、すなわち、もみ玉7a,7bによる被施療者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0045】
図6〜図8中、m1はマッサージユニット11を昇降させるための昇降用モータ、28は前記昇降用モータm1と連動連結するとともに、前記もみ玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸、29,29は同昇降軸28の両端に取り付けたピニオンギヤであり、前記縦フレーム30,30に設けたラック(図5参照)と噛合している。
【0046】
また、m2は前記もみ玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータであり、同モータm2の駆動により進退軸43を回転させ、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44を前後方向に移動させてもみ玉駆動ユニット9を揺動させて進退可能としている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0047】
前述した一方の円弧状ラック46の側部には、扇形板材の周縁に複数の貫通孔を所定の間隔で開設してなる進退位置検出用基板81が取付けてあり、この進退位置検出用基板81の貫通孔の位置に光線を出射して通過光の検出回数によってもみ玉駆動ユニット9の進退位置を検出する進退位置検出センサG6が、進退位置検出用基板81の一部を挟持するように配設してある。
【0048】
このようにもみ玉駆動ユニット9の前後方向へ進退移動を行なうことによって、背もたれ部の前面3aから前方の位置にもみ玉7a,7bを突出及び収納することができる。また、もみ玉駆動ユニット9の前後ストローク長は0〜110mm程度に構成されており、後述の制御部G(図9参照)によってその進退移動が制御される。
【0049】
また、m3は前記もみ機構8の主構成要素であるもみ用モータであり、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7a,7bと連動連結している。このもみ用モータm3にたたき用モータm4が並設してあり、たたき用回動軸を介してもみ玉7a,7bと連動連結している。
【0050】
このもみ用モータm3の動作を制御することによって、もみ玉7a,7bの間の距離を拡縮させることができ、もみ玉7a,7bの間の距離を例えば「幅広」、「普通」、「幅狭」の内のいずれかの状態に設定して、たたきマッサージを実行することができるようになっている。
【0051】
一方、前述した各モータm1、m3及びm4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE1,E3,E4(図9参照)をそれぞれ取付けており、ロータリーエンコーダE1,E3,E4の検出結果は、制御部Gに与えられる。
【0052】
このように、本実施の形態のマッサージ機Aにおいては、かかるもみ玉駆動ユニット9の動きによって、多種のマッサージを実行するようにしており、さらにマッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。なお、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9内にバイブ用モータ(図示せず)を配設し、もみ玉駆動ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにするとともに、脚載部4内にもバイブレータ(図示せず)を設け、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0053】
次に、上記構成のマッサージ機Aにおける本実施形態の要部となるメモリ部G1及び制御部Gについて説明する。
【0054】
本実施形態におけるメモリ部G1は、マッサージコースを実行するためのマッサージ動作情報やインターバル情報を含むマッサージコース情報等を記憶する記憶手段として機能するものである。そして、制御部Gは、このマッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段として機能するものである。
【0055】
以下、制御部G及びメモリ部G1について図面を参照して詳述する。図9は本実施の形態に係るマッサージ機Aの駆動制御系を示すブロック図である。
【0056】
制御部Gは、図9に示すように、CPUと、各種プログラムや上述のマッサージコース情報などを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンR、背もたれ部3のリクライニング角度を検出するリクライニング角度検出センサG5、並びに前述した進退位置検出センサG6及び各ロータリーエンコーダE1,E3,E4と接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、さらにはエアバッグ用エアポンプ25やヒータHを接続している。また、図示しないがバイブレータを駆動するバイブ用モータをも接続している。
【0057】
この制御部Gは基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段としての後述するリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及び自動コースマッサージなどの制御動作等をコントロールすることができる。また、同制御部Gは、リモコンRに設けた表示部Kへの表示についても制御している。
【0058】
また、メモリ部G1には、メカ的なマッサージを実行する際のもみ玉7a,7bの基準位置(たとえば、肩位置など)の情報、「もみ」、「たたき」、「指圧」などの基本マッサージに関する情報及び複数のマッサージコース情報の他、種々の情報が格納されており、リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、制御部Gがこのメモリ部G1から情報を取り出し、「もみ」や「たたき」などの単独種類の各基本マッサージ動作や、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々な基本マッサージ動作を組合わせた複数の自動マッサージコースを実行可能としている。
【0059】
すなわち、指圧、もみ、たたき、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ動作、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージ動作を前記マッサージユニット11を駆動して実行させることができ、これらを適宜組合わせた多様なマッサージ動作を実行する複数の自動マッサージコースが予めメモリ部G1に記憶されている。本実施形態においては、マッサージコース情報として、施療体の強さは弱く、速度もゆっくりなマッサージコース情報(以下、「第1のマッサージコース情報」とする)や施療体の強さが比較的強く、速度も速いマッサージコース情報(以下、「第2のマッサージコース情報」とする。)がメモリ部G1に予め記憶され、さらに被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成するマッサージコース情報(以下、「第3のマッサージコース情報」とする。)がメモリ部G1に記憶可能な構成となっている。
【0060】
ここで、マッサージコース情報には、上述のようにマッサージ動作情報と共にインターバル情報が記憶されており、制御部Gは、複数のマッサージ動作が組み合わされたマッサージコースを実行するとき、このインターバル情報に応じた時間或いは施療体速度で、一の基本マッサージ動作が終了してから次のマッサージ動作を行うための施療体の移動を行う。すなわち、制御部Gは、前記インターバル情報をメモリ部G1から取り出し、一の基本マッサージ動作が終了したとき、その後施療体をそのインターバル情報に基づいた速度で移動させるのである。この速度は、施療体がもみ玉7a,7bであるときには各モータm1〜m3によりもみ玉7a,7bを移動させる速度であり、エアバッグa1〜a8であるときには電磁弁(図示せず)の開閉動作によって膨張(膨出)或いは収縮させる速度である。
【0061】
ここで、表1にマッサージコースの種類とインターバル情報との関係を示す。また、本実施形態においては、n>1の関係となっている。
【表1】
【0062】
この表1に示すように、第1のマッサージコースはマッサージ動作間のもみ玉7a,7bの移動速度が上下昇降でX1(mm/s)、前後進退でX2(mm/s)、広狭移動でX3(mm/s)に、エアバック1〜a8の膨張速度がX4(mm/s)、その収縮速度X5(mm/s)に設定されており、施療体の移動速度が遅く施療強度が弱いマッサージコースに合せてインターバルが長く設定され、全体的にゆったりとしたマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0063】
また、第2のマッサージコースはマッサージ動作間のもみ玉7a,7b移動速度が上下昇降でn×X1(mm/s)、前後進退でn×X2(mm/s)、広狭移動でn×X3(mm/s)に、エアバック1〜a8の膨張速度がn×X4(mm/s)、その収縮速度n×X5(mm/s)に設定されており、施療体の移動速度が比較的速く、施療強度が強いマッサージコースに合せてインターバルが短くなるように設定され、施療体の強さや速さに応じてもみ玉7a,7bの移動速度やエアバック1〜a8の膨張・収縮速度を速くすることにより被施療者Mに違和感を与えることを回避できる。
【0064】
また、第3のマッサージコースはマッサージ動作間のもみ玉7a,7b移動速度が上下昇降でX1´(mm/s)、前後進退でX2´(mm/s)、広狭移動でX3´(mm/s)に、エアバック1〜a8の膨張速度がX4´(mm/s)、その収縮速度X5´(mm/s)に設定されている。このインターバル速度の設定は、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれにあわせてインターバル情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切なインターバル情報を生成するのである。たとえば、マッサージ動作における施療体の速度が速いときには、マッサージ動作間における施療体の移動速度を速めるようなインターバル情報を生成する。なお、第3のマッサージコースにおけるインターバル情報は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0065】
本実施形態においてはもみ玉7a,7bの移動方向(上下、前後或いは広狭)によってその速度を異なるようにしているが、もみ玉7a,7bの移動方向によらずにその移動速度を同じ速度(例えば、X1或いはX1´)とするようにしてもよい。
【0066】
ここで、制御部Gは、もみ玉7a,7bを移動させるために、各モータm1〜m3を駆動しており、制御部Gからもみ玉7a,7bの移動速度に応じたパルス信号を出力する。このように制御部Gから出力されるパルス信号の例を図10に示す。なお、本実施形態における各モータm1〜m3は、ステッピングモータにより構成されており、ステッピングモータの複数の入力端子(第1〜第4の入力端子)にそれぞれ位相を変えたパルス信号が制御部Gから入力されることによりステッピングモータが回転する。そして、制御部Gは、第1〜第4の入力端子へ入力する複数のパルス信号の位相を順次遅らせるか進ませるかによってこれらのモータm1〜m3の回転方向を正転方向にするか反転方向にするかを制御する。ここでは、位相についての説明は省略し、パルス周期とパルス幅についてのみ説明する。
【0067】
図10(a)は、昇降用モータm1を駆動し、もみ玉7a,7bをX1(mm/s)の速度で下降方向に移動させるために、制御部Gから昇降用モータm1へ出力されるパルス信号の例を、図10(b)は、もみ玉7a,7bをX1(mm/s)の速度で上昇方向に移動させるために、制御部Gから昇降用モータm1へ出力されるパルス信号の例を示している。
【0068】
ここで、もみ玉7a,7bの上下昇降は、上述のように昇降用モータm1を駆動させ、マッサージユニット11を上下昇降させることにより行なうものであるが、制御部Gから昇降用モータm1を駆動させるためのパルス信号を同一周期でかつ同一幅にした場合、上下昇降の速度が異なるものとなる。これは、マッサージユニット11の自重の影響によるものである。したがって、本実施形態における制御部Gは、このマッサージユニット11の自重の影響を吸収するために、もみ玉7a,7bを下降させるときに比べ上昇させるときのパルス信号の幅を大きくして(t5>t2)、同一パルス周期t1でのもみ玉7a,7bの上昇速度と下降速度とを同一のものとしている。
【0069】
すなわち、もみ玉7a,7bを下降させるときに比べ上昇させるときのパルス信号のONディーティ比を大きくするのである。このようにディーティ比を変えるようにしているため、パルス周期を変えることによりマッサージユニット11の自重の影響を吸収するのに比べ、その調節が容易となる。
【0070】
このように、本実施形態におけるマッサージ機Aによれば、被施療者をマッサージするための施療体(たとえば、もみ玉7a,7b)と、この施療体を駆動させる駆動ユニット(たとえば、マッサージユニット11)と、この駆動ユニットを上下昇降させる昇降用モータ(たとえば、昇降用モータm1)と、この昇降用モータを駆動するためのパルス信号を前記昇降用モータへ出力する制御部(たとえば、制御部G)とを有するマッサージ機において、前記制御部は、前記駆動ユニットを上昇させるときのパルス信号のパルス幅を、前記駆動ユニットを下降させるときのパルス信号のパルス幅よりも大きくしたので、同一周期のパルス信号を駆動ユニットへ入力した場合であっても、上昇速度と下降速度とを同一にすることができ、駆動ユニットの自重による影響を補正することができる。また、パルス信号のパルス周期を変えることにより駆動ユニットの自重の影響を補正するのに比べ、その調節が容易となる。
【0071】
なお、表1においては、このもみ玉7a,7bの移動量をmmの単位としているが、各モータm1〜m3を駆動するために制御部Gから出力されるパルス数(pulse)を単位とするようにしてもよく、最終的に移動量を設定するものであればどのような単位であっても良い。
【0072】
また、表1においては、もみ玉7a,7bの移動速度のみをメモリ部G1に記憶するようにしたが、表2に示すように、もみ玉7a,7bの移動速度に加え、背もたれ部3のリクライニング角度を変更するときの移動速度や脚載部4の脚載角度を変更するときの移動速度をマッサージコースごとにマッサージコース情報としてメモリ部G1に記憶するようにしてもよい。なお、本実施形態においては、n>1の関係となっている。また、この背もたれ部3や脚載部4の移動速度は、各マッサージ動作の実行前や実行後(マッサージコース開始時や終了時、マッサージ動作間のインターバル時を含む)に適用することができ、マッサージ動作間のインターバル時に加え、或いはマッサージコース開始時や終了時に背もたれ部3や脚載部4の移動がある場合にはマッサージコース開始時や終了時にも、その移動速度をマッサージコース毎に異なるものとすることにより、マッサージコース開始時から終了時にかけてマッサージコースに適した背もたれ部3や脚載部4の移動を行うことができる。
【表2】
【0073】
この表2に示すように、第1のマッサージコースは各マッサージ動作の実行前や実行後にいて移動させる背もたれ部3及び脚載部4の移動速度がそれぞれX6,X7(mm/s)と設定されており、施療強度が弱いマッサージコースに合せて背もたれ部3及び脚載部4の移動速度が遅く設定され、全体的にゆったりとしたマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0074】
また、第2のマッサージコースは各マッサージ動作の実行前や実行後において移動させる背もたれ部3及び脚載部4の移動速度がn×X6,n×X7(mm/s)と設定されており、施療体の移動速度が比較的速く、施療強度が強いマッサージコースに合せて背もたれ部3及びオットマンの移動速度が速く設定され、全体的に速いマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0075】
また、第3のマッサージコースは各マッサージ動作の実行前や実行後において移動させる背もたれ部3及び脚載部4の移動速度がX6´,X7´(mm/s)に設定されている。この移動速度の設定は、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれにあわせてこれらの移動速度情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切な移動速度を生成するのである。たとえば、マッサージ動作における施療体の速度が全般的に速いときには、マッサージ動作間における背もたれ部3及び脚載部4を速く移動する移動速度を生成する。なお、第3のマッサージコースにおける移動速度は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0076】
また、インターバル情報として、マッサージコースの進行に伴って、10%ずつ施療体の移動速度等を遅くしたり早くしたりする情報を含ませるようにしてもよく、このようにする他、施療体の速度を速い⇒遅い⇒速いと変化させたり、遅い⇒速い⇒遅いと変化させるようにもできる。このようにマッサージコースの進行に伴って施療体の動作速度を変更するためのインターバル情報の例を表3に示す。なお、背もたれ部3及び脚載部4の移動がマッサージ動作間のインターバル時にある場合においても、このインターバル情報と同様にマッサージコースの進行に伴った移動速度の変更が可能である。
【0077】
【表3】
【0078】
表3においては、前半、中盤、後半の3つに分けて、施療体の動作速度を変えるようにしており、たとえば、第1のマッサージコースの場合においてもみ玉7a,7bの上下昇降速度は前半X1(mm/s)で、中盤がX1×1.1(mm/s)で、後半がX1×1.2(mm/s)で動作するように制御部Gが制御することになる。
【0079】
また、このようにマッサージコースの進行に伴ってインターバル動作を変化させる場合に、インターバル情報や背もたれ部3及び脚載部4の移動速度(以下、総称して「インターバル情報」ともいう)は、第1及び第2のマッサージコースの場合には予めメモリ部G1に記憶されているが、第3のマッサージコースにおいては、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれに合わせてインターバル情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切なインターバル情報を生成するのである。たとえば、前後のマッサージ動作における施療体の速度に応じて、そのマッサージ間のインターバルに違和感を与えないようなインターバル情報を生成する。なお、第3のマッサージコースにおけるインターバル情報は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0080】
以上のように本実施形態においては、インターバル情報として、マッサージ動作間の施療体の移動又は膨張・圧縮速度或いは背もたれ部及び脚載部の移動速度をメモリ部G1に記憶することとしたが、これに代えて、マッサージ動作間のインターバル時間をメモリ部G1に記憶し、制御部Gはこのインターバル時間に応じて施療体の移動又は膨張・圧縮を行うようにしてもよい。すなわち、制御部Gは、一の基本マッサージ動作が終了して次の基本マッサージ動作が開始するまでの時間間隔をそのインターバル情報に基づいた時間間隔分だけ空けるよう制御するのである。
【0081】
ここで、第1〜第3マッサージコースにおける各マッサージ動作の施療強度、施療箇所、施療体の移動速度等、及びマッサージ動作間の施療体の移動速度等をそれぞれ図11〜図13に示す。
【0082】
図11に示すように、第1のマッサージコースはマッサージ動作間のインターバル時間(図11中の移動動作)が30秒と設定されており、施療体の移動速度が遅く施療強度が弱いマッサージコースに合せてインターバル時間が長く設定され、全体的にゆったりとしたマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0083】
また、第2のマッサージコースは、図12に示すように、マッサージ動作間のインターバル時間(図12中の移動動作)が15秒と設定されており、施療体の移動速度が比較的速く、施療強度が強いマッサージコースに合せてインターバル時間が短く設定され、施療体の強さや速さに応じてインターバル時間を速くすることにより被施療者Mに違和感を与えることを回避できる。
【0084】
また、第3のマッサージコースは、図13に示すように、マッサージ動作間のインターバル時間(図13中の移動動作)が15秒に設定されている。このインターバル時間の設定は、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれにあわせてインターバル情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切なインターバル情報を生成するのである。たとえば、マッサージ動作における施療体の速度が速いときには、マッサージ動作間における施療体の移動速度を速めるようなインターバル情報を生成する。なお、第3のマッサージコースにおけるインターバル情報は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0085】
以上のように、インターバル情報をインターバル時間とするようにしてもよく、この場合、制御部Gは、マッサージ動作が終了して次のマッサージ動作を開始するまでにもみ玉7a,7bを移動すべき距離とインターバル時間とからもみ玉7a,7bの移動速度を、エアバック1〜a8の収縮率とインターバル時間とからエアバック1〜a8の収縮時間を演算し、その演算結果に基づいて、もみ玉7a,7bやエアバッグa1〜a8を動作させる。
【0086】
また、施療体の動作と同様に、背もたれ部3や脚載部4をインターバル時に移動させる場合には、その移動についてもその速度ではなく移動時間をインターバル情報に含ませ、この移動時間に基づいて背もたれ部3や脚載部4を移動するようにしてもよい。
【0087】
次に、上記構成のマッサージ機におけるリモコンRについて具体的に説明する。図14は、図14に示したリモコンRを示す拡大正面図である。
【0088】
リモコンRは、前記制御部Gを介して本マッサージ機Aの動作全体をコントロールする操作手段として機能するものであるが、後述する十字キー及び決定キーを含む各種操作ボタンを配した操作部Sと、液晶表示装置からなる表示部Kとを備えており、操作部S及び表示部Kを用いることにより、所要のマッサージモードを選択すると共に、後述するように、メカ的なマッサージを実行するに際し、もみ玉7a,7bの基準位置を被施療者Mに応じて調整し得るようになっている。
【0089】
リモコンRは、正面視が略しゃもじ形状の本体の上側部に液晶表示機を構成する表示部Kが設けられ、その下側に複数のボタン群からなる操作部Sが設けられており、表示部Kの面積を広くして視認性を向上させると共に、操作部Sの幅寸法を表示部Kの幅寸法より狭くして、操作部Sの把持操作性を向上させてある。
【0090】
操作部Sの略中央位置には、環状体の表面に4つの矢印を互いに直交する4方向の位置に付すと共に各矢印に対応する上下ボタンS11u,S11d及び左右ボタンS12L,S12Rを設けてなる十字キーS1が配置してあり、十字キーS1の上下ボタン11u,S11d又は左右ボタンS12L,S12Rを操作することによって、例えば表示部K上に表示されたカーソルを当該方向へ移動させることができるようになっている。即ち、十字キーS1は、移動方向を指定する移動方向指定キーとして機能する。この十字キーS1の中央には、決定キーS2が配置してあり、例えば、十字キーS1を操作することによって、表示部K上に表示された種々の指令から所要の指令を選択した後に決定キーS2を操作することによって、指令の選択を決定し、当該指令を前述した制御部G(図9参照)に実行させるようになっている。従って、十字キーS1は、指令選択キーとしても機能する。
【0091】
十字キーS1の下方には、前述した脚載部4(図1参照)を昇降揺動させる一対の脚部用上下ボタンS14,S15、及び背もたれ部3をリクライニングさせる一対のリクライニング用上下ボタンS16,S17が互いに本体の幅方向へ距離を隔てて配置してあり、これら脚部用上下ボタンS14,S15及びリクライニング用上下ボタンS16,S17の下方には、前述したバイブレータを入/切させるバイブ用ボタンS19及びヒータを入/切させるヒータ用ボタンS18が互いに本体の幅方向へ距離を隔てて配置してある。
【0092】
一方、表示部Kの少し下方の位置には、前述した基準位置等を登録するための複数(図14sでは4つ)の登録ボタンS5(S5a,S5b,S5c,S5d)が本体の幅方向へ適宜の間隔で設けてある。そして、これら登録ボタンS5の下方には、スタート/収納ボタンS3が配設してあり、マッサージを開始させるとき、又はマッサージを終了してもみ玉7a,7bを収納するときに使用するようになっている。また、スタート/収納ボタンS3の近傍には停止ボタンS4が配設してあり、該停止ボタンS4を操作することによってマッサージを中途で停止させることができる。
【0093】
前記スタート/収納ボタンS3の下方には、自動コースを選択してマッサージを実行するための自動ボタンS6、複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するための機能ボタンS7が配設してあり、更に、自動コースを実施している間に、自分の好みに合わないマッサージ動作であればこれをスキップするスキップボタンS8及びリピートしたいマッサージ動作であればリピートするリピートボタンS9、肩位置を微調整するための肩位置調整ボタンS20の他、エアーボタンS10,メニューボタンS31,肩ボタンS32,腕ボタンS33等が設けてある。
【0094】
以上のように構成されたマッサージ機Aのマッサージコース動作について、図15を用いて説明する。図15は、マッサージコース動作のフローチャートである。
【0095】
被施療者MがリモコンRに配置された自動ボタンS6を押下すると、制御部GはリモコンRの表示部Kに複数のマッサージコースを表示する。被施療者MがリモコンRの十字キーS1の上下ボタン11u,S11d又は左右ボタンS12L,S12Rを操作すると、この操作を制御部Gが検出し、その操作に応じて表示部Kに表示するカーソル(図示せず)を移動させる。その後被施療者Mが十字キーS1の決定キーS2を押下すると、制御部Gはカーソル位置に対応するマッサージコースの情報をメモリ部G1から取り出す。そして、このように取り出したマッサージコースの実行を開始する(ステップST10)。
【0096】
そして、被施療者Mの操作によりマッサージコースが開始されると、ステップST10で取り出したマッサージコース情報に含まれる背もたれ部3及び脚載部4(オットマン)の移動速度に基づいて、背もたれ部3及び脚載部4を移動する(ステップST11)。たとえば、マッサージコースが第2のマッサージコースの場合には、n×X6(mm/s)の速度で背もたれ部3を所定のリクライニング角度まで移動させると共に、n×X7(mm/s)の速度で脚載部4を所定の脚載角度まで移動させる。
【0097】
次に、制御部Gは、ステップST10で取り出したマッサージコース情報に含まれる最初のマッサージ動作情報に基づいてマッサージ動作を開始する(ステップST12)。
【0098】
その後、制御部Gは、マッサージコースのマッサージ動作が終了したかの判定を行い(ステップST13)、マッサージ動作が終了したと判定する(ステップST13:Y)と、マッサージコース情報に次のマッサージ動作情報があるか否かの判定を行う(ステップST14)。制御部Gは、次のマッサージ動作情報があると判定する(ステップST14:Y)と、ステップST10で取り出したマッサージコース情報のインターバル情報に含まれる施療体(もみ玉、エアバック)速度に基づいて施療体を移動、膨張・収縮する(ステップST15)。たとえば、マッサージコースが第2のマッサージコースの場合には、もみ玉の上下昇降はn×X1、前後進退はn×X2、広狭移動はn×X3で、エアバックの膨張はn×X4、収縮はn×X5で動作させる。また、背もたれ部3の角度変更はn×X6の速度で、脚載部4の角度変更はn×X7の速度で動作させる。
【0099】
次いで、制御部Gは、マッサージコース情報に含まれる次のマッサージ動作情報に基づいて、マッサージ動作を開始する(ステップST16)。以降、制御部Gは、マッサージコース情報に次のマッサージ動作情報がなくなる(すなわち、マッサージコース情報に含まれる全てのマッサージ動作が終了する)まで、ステップST13〜ST16の動作を繰り返す。
【0100】
このように本実施形態におけるマッサージ機Aは、マッサージコースに応じたインターバル情報に基づいて、マッサージ動作間のインターバルを異なるものとしているため、マッサージ動作間のインターバルがマッサージコースに合わせて変更することが可能となり、マッサージコースや利用者の好みに合わせたインターバルを提供することが可能となる。
【0101】
次に、被施療者Mの操作により第3のマッサージコースを生成する際の制御部Gの動作について、図16を用いて説明する。図16は、第3のマッサージコース生成動作のフローチャートである。
【0102】
被施療者MがリモコンRに配置された自動ボタンS6を所定時間長い押し(たとえば、2秒間)すると、制御部GはリモコンRの表示部Kにマッサージコース生成動作を開始するか否かを被施療者Mに選択させる画面を表示部Kに表示する。
【0103】
被施療者MがリモコンRを操作して、マッサージコース生成動作の開始を選択すると、制御部Gは、マッサージコースの最初のマッサージ動作種別(もみ、たたきなどの施療種類)を選択させるために、複数のマッサージ動作名を表示部Kに表示する。被施療者Mが十字キーS1及び決定キーS2を操作して最初のマッサージ動作を選択すると、制御部Gは、その最初のマッサージ動作の施療強度(たとえば、もみやたたきの強さ)、施療速度(たとえば、もみやたたきの速さ)、施療時間(たとえば、10分間)などを入力するための画面を表示部Kに表示し、被施療者Mによるリモコン操作を待つ。
【0104】
被施療者Mによる十字キーS1及び決定キーS2の操作により、最初のマッサージ動作の施療強度、施療速度、施療時間等が入力される(ステップST20)と、制御部Gはこれらの情報をマッサージ動作種別に関連付けてメモリ部G1に第3のマッサージコース情報として記憶する(ステップST21)。
【0105】
次に、制御部Gは、次のマッサージ動作種別を選択させるために、複数のマッサージ動作名を表示部Kに表示する。被施療者Mが十字キーS1及び決定キーS2を操作して次のマッサージ動作を選択すると、制御部Gは、次のマッサージ動作の施療強度、施療速度、施療時間などを入力するための画面を表示部Kに表示し、被施療者Mによるリモコン操作を待つ。
【0106】
被施療者Mによる十字キーS1及び決定キーS2の操作により、次のマッサージ動作の施療強度、施療速度、施療時間等が入力される(ステップST22)と、制御部Gはこれらの情報をマッサージ動作種別に関連付けてメモリ部G1の第3のマッサージコース情報に記憶する(ステップST23)。
【0107】
さらに、制御部Gは、最初のマッサージ動作と次のマッサージ動作とからインターバル情報を演算する。すなわち、これらのマッサージ動作の施療種別、施療強度、施療速度、施療時間などからこれらのマッサージ動作間のインターバルにふさわしい動作を行うようなインターバル情報を生成する。たとえば、これらのマッサージ動作の施施療体の移動速度が遅く施療強度が弱い場合には、施療体の移動速度が遅く或いはインターバル時間が長いインターバル情報が生成され、メモリ部G1の第3のマッサージコースに記憶される(ステップST24)。
【0108】
そして、被施療者Mによる十字キーS1及び決定キーS2の操作により、マッサージコース生成動作終了の操作が行われたか否かを判定し(ステップST25)、マッサージコース生成動作終了の操作が行われたとき(ステップST25:Y)、制御部Gは、マッサージコース情報としてメモリ部G1に記憶されたマッサージ動作の施療種別、施療強度、施療速度、施療時間などから背もたれ部3及びオットマンの移動速度を生成し、マッサージコース生成動作を終了する。
【0109】
なお、本実施形態においては、第3のマッサージコース生成時のインターバル情報の生成を、そのインターバル情報を用いられる前後のマッサージ動作に基づいて行うこととしたが、第3のマッサージコースにおけるマッサージ動作全体に基づいて行うようにすることもできる。
【0110】
また、本実施形態においては、インターバル情報と背もたれ部3及び脚載部4の移動速度の情報とを分けて記憶手段に記憶することとして説明したが、もたれ部3及び脚載部4の移動速度の情報をインターバル情報に含ませる場合もあるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図4】リクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図である。
【図5】同背もたれ部の横断面図である。
【図6】機械式のマッサージユニットの斜視図である。
【図7】同マッサージユニットの分解斜視図である。
【図8】同マッサージユニットを構成するもみ玉ユニットの側面図である。
【図9】本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図10】制御部Gから出力されるパルス信号を説明するための図である。
【図11】第1マッサージコースの構成を示す図である。
【図12】第2マッサージコースの構成を示す図である。
【図13】第3マッサージコースの構成を示す図である。
【図14】リモコンを示す拡大正面図である。
【図15】マッサージコース動作のフローチャートである。
【図16】マッサージコース生成動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
A マッサージ機
M 被施療者
K 表示部
R リモコン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部
4 脚載部
5 肘掛部
6 側壁部
7 もみ玉
9 もみ玉駆動ユニット
11 マッサージユニット
E1,E3,E4 ロータリーエンコーダ
G 制御部
G1 メモリ部
G6 進退用モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関し、特にマッサージコースを実行可能なマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージ機として、その利用者が腰掛ける座部とその後部に背もたれ部を設けた椅子型のマッサージ機があり、例えば背もたれ部の背もたれ面に、もみ玉などを具備するメカ式施療手段を設けて、被施療者の背中をもみ玉による機械式のマッサージを実行可能としたものが広く知られている。
【0003】
この種のマッサージ機では、一般に予め登録されたプログラムに基づいて複数のマッサージを順次実行するマッサージコースを複数有しており、マッサージ機の利用者は、これら複数のマッサージコースから好みのものをリモコン等の操作手段により選択するようになっている。
【0004】
これらのマッサージコースは、上述のように予め登録されたプログラムにしたがって実行されるために柔軟性に欠け、利用者の好みを十分にマッチさせることができないことから、マッサージ動作の速度を変化させるスイッチやマッサージ動作の強弱度を変更するスイッチを設けて、容易にマッサージコースを利用者の好みのものとするもの提案されている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0005】
また、予め登録されているマッサージコースではなく、利用者が操作手段を用いて好みのマッサージ動作を組み合わせてマッサージコースを登録することができるマッサージ機も提供されるようになってきている。
【0006】
このように、これらのマッサージ機においては、マッサージコースを構成するマッサージ動作の施療位置、種類、強弱、速度を選択又は変更することができるように構成されており、利用者の好みに合わせたマッサージコースを実行することができる。
【特許文献1】特開2001−190620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のマッサージコースにおいては、上述のようにマッサージ動作の選択及び変更のみが可能であり、マッサージ動作とマッサージ動作との間に発生するインターバルを変更するものではなかった。すなわち、マッサージ動作間のインターバルはマッサージコースによらず一定となっていた。
【0008】
したがって、たとえば、マッサージ機の利用者が折角マッサージ動作をゆっくり行うようなマッサージコースを選択或いはこのようなマッサージコースに変更しても、マッサージ動作間のインターバルがマッサージコースに合わせて変更或いは選択されることがないために、利用者の違和感を与えてしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に記載の発明は、施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、前記マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、前記記憶手段は、前記マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記インターバル情報は、前記マッサージ動作間のインターバル時間又は前記施療体の移動速度に関する情報であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明であって、前記記憶手段には、前記マッサージコースが複数記憶されると共に、前記マッサージコースごとに異なるインターバル情報を記憶可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明であって、前記マッサージコース情報を生成するための操作手段を設け、前記制御手段は、前記操作手段により生成されたマッサージコース情報に応じてインターバル情報を生成し、このインターバル情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明であって、被施療者の身体を支持する背もたれ部を備え、前記マッサージコース情報は、前記背もたれ部の移動時間又は移動速度を記憶し、前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記背もたれ部を移動することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明であって、被施療者の脚部を支持する脚載部を備え、前記マッサージコース情報は、前記脚載部の移動時間又は移動速度を記憶し、前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記脚載部を移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、記憶手段は、マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶するようにしているため、マッサージ動作間のインターバルをマッサージコースに合わせて変更或いは選択することが可能となり、マッサージコースや利用者の好みに合わせたインターバルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施形態にかかるマッサージ機は、施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、前記マッサージコース情報(以下、「自動マッサージコース情報」ともいうことがある。)に基づいてマッサージコース(以下、「自動マッサージコース」ということがある。)を実行する制御手段とを備え、記憶手段は、マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶するようにしたものである。なお、本実施形態では、マッサージ機を、リクライニング可能な背もたれ部とオットマンと呼ばれる脚載部とを具備した椅子型マッサージ機として説明する。
【0017】
施療体としては、上下昇降可能及び前後進退可能に配設したもみ玉を具備する機械式施療体とすることができるが、機械式施療体に加え、さらにエアバッグからなるエア式施療体を備えたものとすることができる。
【0018】
そして、これら機械式施療体及びエア式施療体をそれぞれ用いて所定の施療種類(たとえば、もみ、たたき、指圧等のマッサージ方式)により所定の施療領域(たとえば、肩、腰、脚等のマッサージ領域)をマッサージする基本マッサージ動作を単独で行ったり、これら基本マッサージ動作を適宜組合せて、複数の施療箇所及び/又は複数の施療種類を所定の時間(例えば45分)でマッサージするように設定された複数種の自動マッサージコースによるマッサージを行ったりすることができる。すなわち、本実施形態に係るマッサージ機は、ボタン操作で任意の施療箇所を好みに応じた基本マッサージ動作によりマッサージできるほか、予め設定されたマッサージコース情報にしたがってマッサージを実行する複数の自動マッサージコースをボタン操作により選択可能な構成となっている。さらに、後述のようにボタン操作により生成したマッサージコース情報を実行することも可能である。
【0019】
このようなマッサージコース情報は、施療種類、施療領域(施療箇所)及び施療時間等から構成されるマッサージ動作情報が複数組み合わされてなる。そして、このマッサージコース情報は、フラッシュROMやRAMなどの記憶手段に予め記憶され、或いはリモコンなどの操作手段からの入力により記憶される。なお、操作手段からのマッサージコース情報の入力は、マッサージ動作情報を順次入力することにより行われ、このように入力されたマッサージ動作情報は記憶手段に記憶される。
【0020】
また、マッサージコース情報には、上述のマッサージ動作情報のほか、マッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報が含まれている。このインターバル情報として、マッサージ動作間のインターバル時間や前記施療体の移動速度に関する情報などがある。たとえば、一のマッサージ動作が終了して次のマッサージ動作が開始するまでのインターバル時間や一つのマッサージ動作が終了して次のマッサージ動作を行うために施療体が移動する移動速度などがある。
【0021】
また、マッサージ動作間のインターバル時において、施療体を移動させながら簡易的なマッサージ動作(たとえば、被施療者を押圧しながら施療体を移動させるローリング機能)を行うこともこのインターバルに含むことができる。
【0022】
本実施形態においては、このインターバル情報は、マッサージ動作情報と共にマッサージコース情報として記憶手段に記憶されるが、マッサージコース情報とは別にマッサージコース情報と関連付けて記憶手段に記憶されるようにしてもよい。
【0023】
また、このインターバル情報は、マッサージ動作間ごとに異なるものとしてもよく、たとえば、マッサージコースの進行に伴って、10%ずつインターバル時間を増やしたり、施療体の移動速度を遅くしたりするようにしてもよく、その逆にインターバル時間を減らしたり、速度を速めたりするようにしてもよい。このようにする他、施療体の速度を速い⇒遅い⇒速いと変化させたり、遅い⇒速い⇒遅いと変化させるようにもできる。
【0024】
さらに、マッサージコースが複数記憶されているとき、マッサージコースごとに異なるインターバル情報を記憶させるようにすることができる。このようにすれば、マッサージコースごとに適したインターバルを設けることができ、被施療者に対するマッサージをより快適に行うことができる。たとえば、弱くゆっくりマッサージするコースでは、インターバル時間や施療体の移動速度をゆっくりとし、しっかり速くマッサージするコースでは、インターバル時間や施療体の移動速度を早くすることにより、被施療者に対して快適なマッサージを提供することができる。
【0025】
また、本実施形態におけるマッサージ機においては、記憶手段に記憶されたマッサージコース情報を操作手段で変更することができるようにしている。たとえば、操作手段によりマッサージコース情報にマッサージ動作情報を追加することができ、この場合、マッサージ機の制御手段は、マッサージ動作情報を追加に伴って発生するインターバルに関し、マッサージコース情報に応じたインターバル情報を動的に生成してマッサージコース情報に追加する。したがって、マッサージ動作情報を追加に伴って発生するインターバルをマッサージコースに応じて適切なものとすることができる。さらに、マッサージ動作間に異なるようにしたインターバル情報の場合であっても、新たに発生したマッサージ動作間のインターバルをマッサージコース情報に応じたものとすることができる。たとえば、上述のように10%ずつインターバル時間を増やすようにインターバルが設定されている場合であっても、それに応じたインターバルが動的に設定されることになり、マッサージコースに応じた適切なインターバルを有するマッサージを提供することができる。なお、新たに発生したマッサージ動作間にインターバルを設定することによって、他のインターバルと不整合を生じると制御手段が判定すると、不整合が生じるインターバルを動的に変更して記憶手段に記憶する。
【0026】
一方、操作手段によりマッサージコース情報にマッサージ動作情報を削除することもでき、この場合、制御手段は、インターバル情報のうち、削除したマッサージ動作情報の前後のマッサージ動作情報間の情報を削除するとともに、マッサージコース情報に応じた情報をインターバル情報に追加する。したがって、マッサージ動作間に異なるようにしたインターバル情報の場合であっても、不整合が生じるインターバルを動的に変更して記憶手段に記憶することができる。
【0027】
また、操作手段によりマッサージ動作を複数組み合わせてマッサージコース情報を生成することもでき、この場合、制御手段は、操作手段により生成されたマッサージコース情報に応じてインターバル情報を生成し、このインターバル情報を記憶手段に記憶することができる。たとえば、生成されたマッサージコースにおいて、その施療強度が小さく、施療体の移動速度も遅いようなマッサージコースの場合には、インターバル時間や施療体の移動速度をゆっくりとし、その施療強度が強く、施療体の移動速度も速いような場合には、インターバル時間や施療体の移動速度を早くするようにインターバル情報を生成して記憶部に記憶する。このように、生成されたマッサージコース情報に応じて、適切なインターバル情報が設定されるため、被施療者は快適にマッサージを受けることができる。
【0028】
また、本実施形態におけるマッサージ機には、被施療者の身体を支持する背もたれ部や被施療者の脚部を支持する脚載部を有しており、さらに、マッサージコース情報には、背もたれ部のリクライニング角度を変更するときの移動速度又は移動時間、脚載部の脚載角度を変更するときの移動速度又は移動速度などを記憶している。
【0029】
そして、マッサージ動作の実行前又は実行後(マッサージコース開始時や終了時、マッサージ動作間のインターバル時を含む)に、マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により背もたれ部や足載部を移動するようにしている。したがって、被施療者は、設定されたマッサージコースの流れや雰囲気を害されることなく、快適にマッサージを受けることができる。
【0030】
以下、本実施の形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0031】
まず、マッサージ機Aの全体的な構成について、図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施の形態に係るマッサージ機Aを示す斜視図、図2は同マッサージ機Aよりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図、図3は同マッサージ機Aの駆動制御系を示すブロック図、図4はリクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図、図5は同背もたれ部の横断面図である。
【0032】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1〜図5に示すように、被施療者M(図3〜5参照)が着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結され、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6を取付けた背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。
【0033】
また、図1に示すように、前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部1に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3(図2参照)を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0034】
前記背もたれ部3は、図3に示すように、縦に伸延する左右の縦フレーム30,30を具備しており、この縦フレーム30,30の前側に、図2に示すように、略中央に所定幅の長孔31aを形成した背もたれ板31を取付けるとともに、後側には背面カバー体32を取付け、この背面カバー体32と前記背もたれ板31との間にユニット配設空間Qを形成している。そして、このユニット配設空間Qに、被施療者Mを押圧によってマッサージするための左右一対のもみ玉7a,7bを備え、このもみ玉7a,7bを前記長孔31aに臨ませた状態で昇降可能とした機械式のマッサージユニット11を配設している。なお、このマッサージユニット11については後に詳述する。
【0035】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、エアポンプ25(図9参照)から供給されるエアによって背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0036】
また、図1〜図3に示すように、前記座部1には、その左右側に肘掛部5,5を設けている。また、座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0037】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0038】
ここで、背もたれ部3の左右端部に取付けた側壁部6の構成と、この側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3、及び他のエアバッグに関する動作について説明する。
【0039】
本実施形態における左右の側壁部6,6は、図1〜図3に示すように、取付基端部側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状としており、座部1に着座した被施療者Mの上腕側方となる位置に配設している。
【0040】
そして、前記基端部側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させるとともに、その内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。したがって、かかる2個の体側部用エアバッグa3,a3を同時に膨出させると被施療者Mの身体に素早くフィットして身体の体側をマッサージあるいは押圧保持することができる。なお、体側部用エアバッグa3は、前述したようにエアバッグ用カバーC6で被覆されている(図1参照)。
【0041】
この体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8には、後述するエアポンプ25から給気される。エアポンプ25には、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を後述する制御手段としての制御部Gにより制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、被施療者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、前記電磁弁の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0042】
このように、エアバッグa1〜a8の動作は制御部Gによって制御されており、制御部Gは、エアバッグa1〜a8の膨縮に関わるエアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御して、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させるのである。
【0043】
次に、マッサージ機Aにおける機械式のマッサージユニット11について図面を参照して以下具体的に説明する。図6は機械式のマッサージユニット11の斜視図、図7はマッサージユニット11の分解斜視図、図8はマッサージユニット11を構成するもみ玉駆動ユニット9の側面図である。
【0044】
図6〜図8に示すように、マッサージユニット11は、もみ玉駆動ユニット9を収納配設しており、同もみ玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対のもみ玉7a,7bをたたき方向に揺動させることによってたたき作動を行わせるたたき機構70と、前記もみ玉7a,7bを偏心回動させることによってもみ作動を行わせるもみ機構8とを具備するとともに、背もたれ部3の表側(被施療者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変わるように、すなわち、もみ玉7a,7bによる被施療者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0045】
図6〜図8中、m1はマッサージユニット11を昇降させるための昇降用モータ、28は前記昇降用モータm1と連動連結するとともに、前記もみ玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸、29,29は同昇降軸28の両端に取り付けたピニオンギヤであり、前記縦フレーム30,30に設けたラック(図5参照)と噛合している。
【0046】
また、m2は前記もみ玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータであり、同モータm2の駆動により進退軸43を回転させ、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44を前後方向に移動させてもみ玉駆動ユニット9を揺動させて進退可能としている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0047】
前述した一方の円弧状ラック46の側部には、扇形板材の周縁に複数の貫通孔を所定の間隔で開設してなる進退位置検出用基板81が取付けてあり、この進退位置検出用基板81の貫通孔の位置に光線を出射して通過光の検出回数によってもみ玉駆動ユニット9の進退位置を検出する進退位置検出センサG6が、進退位置検出用基板81の一部を挟持するように配設してある。
【0048】
このようにもみ玉駆動ユニット9の前後方向へ進退移動を行なうことによって、背もたれ部の前面3aから前方の位置にもみ玉7a,7bを突出及び収納することができる。また、もみ玉駆動ユニット9の前後ストローク長は0〜110mm程度に構成されており、後述の制御部G(図9参照)によってその進退移動が制御される。
【0049】
また、m3は前記もみ機構8の主構成要素であるもみ用モータであり、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7a,7bと連動連結している。このもみ用モータm3にたたき用モータm4が並設してあり、たたき用回動軸を介してもみ玉7a,7bと連動連結している。
【0050】
このもみ用モータm3の動作を制御することによって、もみ玉7a,7bの間の距離を拡縮させることができ、もみ玉7a,7bの間の距離を例えば「幅広」、「普通」、「幅狭」の内のいずれかの状態に設定して、たたきマッサージを実行することができるようになっている。
【0051】
一方、前述した各モータm1、m3及びm4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE1,E3,E4(図9参照)をそれぞれ取付けており、ロータリーエンコーダE1,E3,E4の検出結果は、制御部Gに与えられる。
【0052】
このように、本実施の形態のマッサージ機Aにおいては、かかるもみ玉駆動ユニット9の動きによって、多種のマッサージを実行するようにしており、さらにマッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。なお、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9内にバイブ用モータ(図示せず)を配設し、もみ玉駆動ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにするとともに、脚載部4内にもバイブレータ(図示せず)を設け、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0053】
次に、上記構成のマッサージ機Aにおける本実施形態の要部となるメモリ部G1及び制御部Gについて説明する。
【0054】
本実施形態におけるメモリ部G1は、マッサージコースを実行するためのマッサージ動作情報やインターバル情報を含むマッサージコース情報等を記憶する記憶手段として機能するものである。そして、制御部Gは、このマッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段として機能するものである。
【0055】
以下、制御部G及びメモリ部G1について図面を参照して詳述する。図9は本実施の形態に係るマッサージ機Aの駆動制御系を示すブロック図である。
【0056】
制御部Gは、図9に示すように、CPUと、各種プログラムや上述のマッサージコース情報などを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンR、背もたれ部3のリクライニング角度を検出するリクライニング角度検出センサG5、並びに前述した進退位置検出センサG6及び各ロータリーエンコーダE1,E3,E4と接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、さらにはエアバッグ用エアポンプ25やヒータHを接続している。また、図示しないがバイブレータを駆動するバイブ用モータをも接続している。
【0057】
この制御部Gは基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段としての後述するリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及び自動コースマッサージなどの制御動作等をコントロールすることができる。また、同制御部Gは、リモコンRに設けた表示部Kへの表示についても制御している。
【0058】
また、メモリ部G1には、メカ的なマッサージを実行する際のもみ玉7a,7bの基準位置(たとえば、肩位置など)の情報、「もみ」、「たたき」、「指圧」などの基本マッサージに関する情報及び複数のマッサージコース情報の他、種々の情報が格納されており、リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、制御部Gがこのメモリ部G1から情報を取り出し、「もみ」や「たたき」などの単独種類の各基本マッサージ動作や、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々な基本マッサージ動作を組合わせた複数の自動マッサージコースを実行可能としている。
【0059】
すなわち、指圧、もみ、たたき、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ動作、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージ動作を前記マッサージユニット11を駆動して実行させることができ、これらを適宜組合わせた多様なマッサージ動作を実行する複数の自動マッサージコースが予めメモリ部G1に記憶されている。本実施形態においては、マッサージコース情報として、施療体の強さは弱く、速度もゆっくりなマッサージコース情報(以下、「第1のマッサージコース情報」とする)や施療体の強さが比較的強く、速度も速いマッサージコース情報(以下、「第2のマッサージコース情報」とする。)がメモリ部G1に予め記憶され、さらに被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成するマッサージコース情報(以下、「第3のマッサージコース情報」とする。)がメモリ部G1に記憶可能な構成となっている。
【0060】
ここで、マッサージコース情報には、上述のようにマッサージ動作情報と共にインターバル情報が記憶されており、制御部Gは、複数のマッサージ動作が組み合わされたマッサージコースを実行するとき、このインターバル情報に応じた時間或いは施療体速度で、一の基本マッサージ動作が終了してから次のマッサージ動作を行うための施療体の移動を行う。すなわち、制御部Gは、前記インターバル情報をメモリ部G1から取り出し、一の基本マッサージ動作が終了したとき、その後施療体をそのインターバル情報に基づいた速度で移動させるのである。この速度は、施療体がもみ玉7a,7bであるときには各モータm1〜m3によりもみ玉7a,7bを移動させる速度であり、エアバッグa1〜a8であるときには電磁弁(図示せず)の開閉動作によって膨張(膨出)或いは収縮させる速度である。
【0061】
ここで、表1にマッサージコースの種類とインターバル情報との関係を示す。また、本実施形態においては、n>1の関係となっている。
【表1】
【0062】
この表1に示すように、第1のマッサージコースはマッサージ動作間のもみ玉7a,7bの移動速度が上下昇降でX1(mm/s)、前後進退でX2(mm/s)、広狭移動でX3(mm/s)に、エアバック1〜a8の膨張速度がX4(mm/s)、その収縮速度X5(mm/s)に設定されており、施療体の移動速度が遅く施療強度が弱いマッサージコースに合せてインターバルが長く設定され、全体的にゆったりとしたマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0063】
また、第2のマッサージコースはマッサージ動作間のもみ玉7a,7b移動速度が上下昇降でn×X1(mm/s)、前後進退でn×X2(mm/s)、広狭移動でn×X3(mm/s)に、エアバック1〜a8の膨張速度がn×X4(mm/s)、その収縮速度n×X5(mm/s)に設定されており、施療体の移動速度が比較的速く、施療強度が強いマッサージコースに合せてインターバルが短くなるように設定され、施療体の強さや速さに応じてもみ玉7a,7bの移動速度やエアバック1〜a8の膨張・収縮速度を速くすることにより被施療者Mに違和感を与えることを回避できる。
【0064】
また、第3のマッサージコースはマッサージ動作間のもみ玉7a,7b移動速度が上下昇降でX1´(mm/s)、前後進退でX2´(mm/s)、広狭移動でX3´(mm/s)に、エアバック1〜a8の膨張速度がX4´(mm/s)、その収縮速度X5´(mm/s)に設定されている。このインターバル速度の設定は、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれにあわせてインターバル情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切なインターバル情報を生成するのである。たとえば、マッサージ動作における施療体の速度が速いときには、マッサージ動作間における施療体の移動速度を速めるようなインターバル情報を生成する。なお、第3のマッサージコースにおけるインターバル情報は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0065】
本実施形態においてはもみ玉7a,7bの移動方向(上下、前後或いは広狭)によってその速度を異なるようにしているが、もみ玉7a,7bの移動方向によらずにその移動速度を同じ速度(例えば、X1或いはX1´)とするようにしてもよい。
【0066】
ここで、制御部Gは、もみ玉7a,7bを移動させるために、各モータm1〜m3を駆動しており、制御部Gからもみ玉7a,7bの移動速度に応じたパルス信号を出力する。このように制御部Gから出力されるパルス信号の例を図10に示す。なお、本実施形態における各モータm1〜m3は、ステッピングモータにより構成されており、ステッピングモータの複数の入力端子(第1〜第4の入力端子)にそれぞれ位相を変えたパルス信号が制御部Gから入力されることによりステッピングモータが回転する。そして、制御部Gは、第1〜第4の入力端子へ入力する複数のパルス信号の位相を順次遅らせるか進ませるかによってこれらのモータm1〜m3の回転方向を正転方向にするか反転方向にするかを制御する。ここでは、位相についての説明は省略し、パルス周期とパルス幅についてのみ説明する。
【0067】
図10(a)は、昇降用モータm1を駆動し、もみ玉7a,7bをX1(mm/s)の速度で下降方向に移動させるために、制御部Gから昇降用モータm1へ出力されるパルス信号の例を、図10(b)は、もみ玉7a,7bをX1(mm/s)の速度で上昇方向に移動させるために、制御部Gから昇降用モータm1へ出力されるパルス信号の例を示している。
【0068】
ここで、もみ玉7a,7bの上下昇降は、上述のように昇降用モータm1を駆動させ、マッサージユニット11を上下昇降させることにより行なうものであるが、制御部Gから昇降用モータm1を駆動させるためのパルス信号を同一周期でかつ同一幅にした場合、上下昇降の速度が異なるものとなる。これは、マッサージユニット11の自重の影響によるものである。したがって、本実施形態における制御部Gは、このマッサージユニット11の自重の影響を吸収するために、もみ玉7a,7bを下降させるときに比べ上昇させるときのパルス信号の幅を大きくして(t5>t2)、同一パルス周期t1でのもみ玉7a,7bの上昇速度と下降速度とを同一のものとしている。
【0069】
すなわち、もみ玉7a,7bを下降させるときに比べ上昇させるときのパルス信号のONディーティ比を大きくするのである。このようにディーティ比を変えるようにしているため、パルス周期を変えることによりマッサージユニット11の自重の影響を吸収するのに比べ、その調節が容易となる。
【0070】
このように、本実施形態におけるマッサージ機Aによれば、被施療者をマッサージするための施療体(たとえば、もみ玉7a,7b)と、この施療体を駆動させる駆動ユニット(たとえば、マッサージユニット11)と、この駆動ユニットを上下昇降させる昇降用モータ(たとえば、昇降用モータm1)と、この昇降用モータを駆動するためのパルス信号を前記昇降用モータへ出力する制御部(たとえば、制御部G)とを有するマッサージ機において、前記制御部は、前記駆動ユニットを上昇させるときのパルス信号のパルス幅を、前記駆動ユニットを下降させるときのパルス信号のパルス幅よりも大きくしたので、同一周期のパルス信号を駆動ユニットへ入力した場合であっても、上昇速度と下降速度とを同一にすることができ、駆動ユニットの自重による影響を補正することができる。また、パルス信号のパルス周期を変えることにより駆動ユニットの自重の影響を補正するのに比べ、その調節が容易となる。
【0071】
なお、表1においては、このもみ玉7a,7bの移動量をmmの単位としているが、各モータm1〜m3を駆動するために制御部Gから出力されるパルス数(pulse)を単位とするようにしてもよく、最終的に移動量を設定するものであればどのような単位であっても良い。
【0072】
また、表1においては、もみ玉7a,7bの移動速度のみをメモリ部G1に記憶するようにしたが、表2に示すように、もみ玉7a,7bの移動速度に加え、背もたれ部3のリクライニング角度を変更するときの移動速度や脚載部4の脚載角度を変更するときの移動速度をマッサージコースごとにマッサージコース情報としてメモリ部G1に記憶するようにしてもよい。なお、本実施形態においては、n>1の関係となっている。また、この背もたれ部3や脚載部4の移動速度は、各マッサージ動作の実行前や実行後(マッサージコース開始時や終了時、マッサージ動作間のインターバル時を含む)に適用することができ、マッサージ動作間のインターバル時に加え、或いはマッサージコース開始時や終了時に背もたれ部3や脚載部4の移動がある場合にはマッサージコース開始時や終了時にも、その移動速度をマッサージコース毎に異なるものとすることにより、マッサージコース開始時から終了時にかけてマッサージコースに適した背もたれ部3や脚載部4の移動を行うことができる。
【表2】
【0073】
この表2に示すように、第1のマッサージコースは各マッサージ動作の実行前や実行後にいて移動させる背もたれ部3及び脚載部4の移動速度がそれぞれX6,X7(mm/s)と設定されており、施療強度が弱いマッサージコースに合せて背もたれ部3及び脚載部4の移動速度が遅く設定され、全体的にゆったりとしたマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0074】
また、第2のマッサージコースは各マッサージ動作の実行前や実行後において移動させる背もたれ部3及び脚載部4の移動速度がn×X6,n×X7(mm/s)と設定されており、施療体の移動速度が比較的速く、施療強度が強いマッサージコースに合せて背もたれ部3及びオットマンの移動速度が速く設定され、全体的に速いマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0075】
また、第3のマッサージコースは各マッサージ動作の実行前や実行後において移動させる背もたれ部3及び脚載部4の移動速度がX6´,X7´(mm/s)に設定されている。この移動速度の設定は、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれにあわせてこれらの移動速度情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切な移動速度を生成するのである。たとえば、マッサージ動作における施療体の速度が全般的に速いときには、マッサージ動作間における背もたれ部3及び脚載部4を速く移動する移動速度を生成する。なお、第3のマッサージコースにおける移動速度は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0076】
また、インターバル情報として、マッサージコースの進行に伴って、10%ずつ施療体の移動速度等を遅くしたり早くしたりする情報を含ませるようにしてもよく、このようにする他、施療体の速度を速い⇒遅い⇒速いと変化させたり、遅い⇒速い⇒遅いと変化させるようにもできる。このようにマッサージコースの進行に伴って施療体の動作速度を変更するためのインターバル情報の例を表3に示す。なお、背もたれ部3及び脚載部4の移動がマッサージ動作間のインターバル時にある場合においても、このインターバル情報と同様にマッサージコースの進行に伴った移動速度の変更が可能である。
【0077】
【表3】
【0078】
表3においては、前半、中盤、後半の3つに分けて、施療体の動作速度を変えるようにしており、たとえば、第1のマッサージコースの場合においてもみ玉7a,7bの上下昇降速度は前半X1(mm/s)で、中盤がX1×1.1(mm/s)で、後半がX1×1.2(mm/s)で動作するように制御部Gが制御することになる。
【0079】
また、このようにマッサージコースの進行に伴ってインターバル動作を変化させる場合に、インターバル情報や背もたれ部3及び脚載部4の移動速度(以下、総称して「インターバル情報」ともいう)は、第1及び第2のマッサージコースの場合には予めメモリ部G1に記憶されているが、第3のマッサージコースにおいては、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれに合わせてインターバル情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切なインターバル情報を生成するのである。たとえば、前後のマッサージ動作における施療体の速度に応じて、そのマッサージ間のインターバルに違和感を与えないようなインターバル情報を生成する。なお、第3のマッサージコースにおけるインターバル情報は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0080】
以上のように本実施形態においては、インターバル情報として、マッサージ動作間の施療体の移動又は膨張・圧縮速度或いは背もたれ部及び脚載部の移動速度をメモリ部G1に記憶することとしたが、これに代えて、マッサージ動作間のインターバル時間をメモリ部G1に記憶し、制御部Gはこのインターバル時間に応じて施療体の移動又は膨張・圧縮を行うようにしてもよい。すなわち、制御部Gは、一の基本マッサージ動作が終了して次の基本マッサージ動作が開始するまでの時間間隔をそのインターバル情報に基づいた時間間隔分だけ空けるよう制御するのである。
【0081】
ここで、第1〜第3マッサージコースにおける各マッサージ動作の施療強度、施療箇所、施療体の移動速度等、及びマッサージ動作間の施療体の移動速度等をそれぞれ図11〜図13に示す。
【0082】
図11に示すように、第1のマッサージコースはマッサージ動作間のインターバル時間(図11中の移動動作)が30秒と設定されており、施療体の移動速度が遅く施療強度が弱いマッサージコースに合せてインターバル時間が長く設定され、全体的にゆったりとしたマッサージの印象を被施療者Mに与えることが可能となる。
【0083】
また、第2のマッサージコースは、図12に示すように、マッサージ動作間のインターバル時間(図12中の移動動作)が15秒と設定されており、施療体の移動速度が比較的速く、施療強度が強いマッサージコースに合せてインターバル時間が短く設定され、施療体の強さや速さに応じてインターバル時間を速くすることにより被施療者Mに違和感を与えることを回避できる。
【0084】
また、第3のマッサージコースは、図13に示すように、マッサージ動作間のインターバル時間(図13中の移動動作)が15秒に設定されている。このインターバル時間の設定は、被施療者MがリモコンRからの入力により複数の基本マッサージ動作を組み合わせて生成する第3のマッサージコース情報に基づいて、制御部Gがそれにあわせてインターバル情報を生成するようにする。すなわち、制御部Gは、第3のマッサージコース情報に含まれる各マッサージ動作における施療体の移動速度や施療強度などから適切なインターバル情報を生成するのである。たとえば、マッサージ動作における施療体の速度が速いときには、マッサージ動作間における施療体の移動速度を速めるようなインターバル情報を生成する。なお、第3のマッサージコースにおけるインターバル情報は、被施療者MがリモコンRを操作することによりメモリ部G1に記憶することもでき、さらにその記憶した情報を変更することも可能である。
【0085】
以上のように、インターバル情報をインターバル時間とするようにしてもよく、この場合、制御部Gは、マッサージ動作が終了して次のマッサージ動作を開始するまでにもみ玉7a,7bを移動すべき距離とインターバル時間とからもみ玉7a,7bの移動速度を、エアバック1〜a8の収縮率とインターバル時間とからエアバック1〜a8の収縮時間を演算し、その演算結果に基づいて、もみ玉7a,7bやエアバッグa1〜a8を動作させる。
【0086】
また、施療体の動作と同様に、背もたれ部3や脚載部4をインターバル時に移動させる場合には、その移動についてもその速度ではなく移動時間をインターバル情報に含ませ、この移動時間に基づいて背もたれ部3や脚載部4を移動するようにしてもよい。
【0087】
次に、上記構成のマッサージ機におけるリモコンRについて具体的に説明する。図14は、図14に示したリモコンRを示す拡大正面図である。
【0088】
リモコンRは、前記制御部Gを介して本マッサージ機Aの動作全体をコントロールする操作手段として機能するものであるが、後述する十字キー及び決定キーを含む各種操作ボタンを配した操作部Sと、液晶表示装置からなる表示部Kとを備えており、操作部S及び表示部Kを用いることにより、所要のマッサージモードを選択すると共に、後述するように、メカ的なマッサージを実行するに際し、もみ玉7a,7bの基準位置を被施療者Mに応じて調整し得るようになっている。
【0089】
リモコンRは、正面視が略しゃもじ形状の本体の上側部に液晶表示機を構成する表示部Kが設けられ、その下側に複数のボタン群からなる操作部Sが設けられており、表示部Kの面積を広くして視認性を向上させると共に、操作部Sの幅寸法を表示部Kの幅寸法より狭くして、操作部Sの把持操作性を向上させてある。
【0090】
操作部Sの略中央位置には、環状体の表面に4つの矢印を互いに直交する4方向の位置に付すと共に各矢印に対応する上下ボタンS11u,S11d及び左右ボタンS12L,S12Rを設けてなる十字キーS1が配置してあり、十字キーS1の上下ボタン11u,S11d又は左右ボタンS12L,S12Rを操作することによって、例えば表示部K上に表示されたカーソルを当該方向へ移動させることができるようになっている。即ち、十字キーS1は、移動方向を指定する移動方向指定キーとして機能する。この十字キーS1の中央には、決定キーS2が配置してあり、例えば、十字キーS1を操作することによって、表示部K上に表示された種々の指令から所要の指令を選択した後に決定キーS2を操作することによって、指令の選択を決定し、当該指令を前述した制御部G(図9参照)に実行させるようになっている。従って、十字キーS1は、指令選択キーとしても機能する。
【0091】
十字キーS1の下方には、前述した脚載部4(図1参照)を昇降揺動させる一対の脚部用上下ボタンS14,S15、及び背もたれ部3をリクライニングさせる一対のリクライニング用上下ボタンS16,S17が互いに本体の幅方向へ距離を隔てて配置してあり、これら脚部用上下ボタンS14,S15及びリクライニング用上下ボタンS16,S17の下方には、前述したバイブレータを入/切させるバイブ用ボタンS19及びヒータを入/切させるヒータ用ボタンS18が互いに本体の幅方向へ距離を隔てて配置してある。
【0092】
一方、表示部Kの少し下方の位置には、前述した基準位置等を登録するための複数(図14sでは4つ)の登録ボタンS5(S5a,S5b,S5c,S5d)が本体の幅方向へ適宜の間隔で設けてある。そして、これら登録ボタンS5の下方には、スタート/収納ボタンS3が配設してあり、マッサージを開始させるとき、又はマッサージを終了してもみ玉7a,7bを収納するときに使用するようになっている。また、スタート/収納ボタンS3の近傍には停止ボタンS4が配設してあり、該停止ボタンS4を操作することによってマッサージを中途で停止させることができる。
【0093】
前記スタート/収納ボタンS3の下方には、自動コースを選択してマッサージを実行するための自動ボタンS6、複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するための機能ボタンS7が配設してあり、更に、自動コースを実施している間に、自分の好みに合わないマッサージ動作であればこれをスキップするスキップボタンS8及びリピートしたいマッサージ動作であればリピートするリピートボタンS9、肩位置を微調整するための肩位置調整ボタンS20の他、エアーボタンS10,メニューボタンS31,肩ボタンS32,腕ボタンS33等が設けてある。
【0094】
以上のように構成されたマッサージ機Aのマッサージコース動作について、図15を用いて説明する。図15は、マッサージコース動作のフローチャートである。
【0095】
被施療者MがリモコンRに配置された自動ボタンS6を押下すると、制御部GはリモコンRの表示部Kに複数のマッサージコースを表示する。被施療者MがリモコンRの十字キーS1の上下ボタン11u,S11d又は左右ボタンS12L,S12Rを操作すると、この操作を制御部Gが検出し、その操作に応じて表示部Kに表示するカーソル(図示せず)を移動させる。その後被施療者Mが十字キーS1の決定キーS2を押下すると、制御部Gはカーソル位置に対応するマッサージコースの情報をメモリ部G1から取り出す。そして、このように取り出したマッサージコースの実行を開始する(ステップST10)。
【0096】
そして、被施療者Mの操作によりマッサージコースが開始されると、ステップST10で取り出したマッサージコース情報に含まれる背もたれ部3及び脚載部4(オットマン)の移動速度に基づいて、背もたれ部3及び脚載部4を移動する(ステップST11)。たとえば、マッサージコースが第2のマッサージコースの場合には、n×X6(mm/s)の速度で背もたれ部3を所定のリクライニング角度まで移動させると共に、n×X7(mm/s)の速度で脚載部4を所定の脚載角度まで移動させる。
【0097】
次に、制御部Gは、ステップST10で取り出したマッサージコース情報に含まれる最初のマッサージ動作情報に基づいてマッサージ動作を開始する(ステップST12)。
【0098】
その後、制御部Gは、マッサージコースのマッサージ動作が終了したかの判定を行い(ステップST13)、マッサージ動作が終了したと判定する(ステップST13:Y)と、マッサージコース情報に次のマッサージ動作情報があるか否かの判定を行う(ステップST14)。制御部Gは、次のマッサージ動作情報があると判定する(ステップST14:Y)と、ステップST10で取り出したマッサージコース情報のインターバル情報に含まれる施療体(もみ玉、エアバック)速度に基づいて施療体を移動、膨張・収縮する(ステップST15)。たとえば、マッサージコースが第2のマッサージコースの場合には、もみ玉の上下昇降はn×X1、前後進退はn×X2、広狭移動はn×X3で、エアバックの膨張はn×X4、収縮はn×X5で動作させる。また、背もたれ部3の角度変更はn×X6の速度で、脚載部4の角度変更はn×X7の速度で動作させる。
【0099】
次いで、制御部Gは、マッサージコース情報に含まれる次のマッサージ動作情報に基づいて、マッサージ動作を開始する(ステップST16)。以降、制御部Gは、マッサージコース情報に次のマッサージ動作情報がなくなる(すなわち、マッサージコース情報に含まれる全てのマッサージ動作が終了する)まで、ステップST13〜ST16の動作を繰り返す。
【0100】
このように本実施形態におけるマッサージ機Aは、マッサージコースに応じたインターバル情報に基づいて、マッサージ動作間のインターバルを異なるものとしているため、マッサージ動作間のインターバルがマッサージコースに合わせて変更することが可能となり、マッサージコースや利用者の好みに合わせたインターバルを提供することが可能となる。
【0101】
次に、被施療者Mの操作により第3のマッサージコースを生成する際の制御部Gの動作について、図16を用いて説明する。図16は、第3のマッサージコース生成動作のフローチャートである。
【0102】
被施療者MがリモコンRに配置された自動ボタンS6を所定時間長い押し(たとえば、2秒間)すると、制御部GはリモコンRの表示部Kにマッサージコース生成動作を開始するか否かを被施療者Mに選択させる画面を表示部Kに表示する。
【0103】
被施療者MがリモコンRを操作して、マッサージコース生成動作の開始を選択すると、制御部Gは、マッサージコースの最初のマッサージ動作種別(もみ、たたきなどの施療種類)を選択させるために、複数のマッサージ動作名を表示部Kに表示する。被施療者Mが十字キーS1及び決定キーS2を操作して最初のマッサージ動作を選択すると、制御部Gは、その最初のマッサージ動作の施療強度(たとえば、もみやたたきの強さ)、施療速度(たとえば、もみやたたきの速さ)、施療時間(たとえば、10分間)などを入力するための画面を表示部Kに表示し、被施療者Mによるリモコン操作を待つ。
【0104】
被施療者Mによる十字キーS1及び決定キーS2の操作により、最初のマッサージ動作の施療強度、施療速度、施療時間等が入力される(ステップST20)と、制御部Gはこれらの情報をマッサージ動作種別に関連付けてメモリ部G1に第3のマッサージコース情報として記憶する(ステップST21)。
【0105】
次に、制御部Gは、次のマッサージ動作種別を選択させるために、複数のマッサージ動作名を表示部Kに表示する。被施療者Mが十字キーS1及び決定キーS2を操作して次のマッサージ動作を選択すると、制御部Gは、次のマッサージ動作の施療強度、施療速度、施療時間などを入力するための画面を表示部Kに表示し、被施療者Mによるリモコン操作を待つ。
【0106】
被施療者Mによる十字キーS1及び決定キーS2の操作により、次のマッサージ動作の施療強度、施療速度、施療時間等が入力される(ステップST22)と、制御部Gはこれらの情報をマッサージ動作種別に関連付けてメモリ部G1の第3のマッサージコース情報に記憶する(ステップST23)。
【0107】
さらに、制御部Gは、最初のマッサージ動作と次のマッサージ動作とからインターバル情報を演算する。すなわち、これらのマッサージ動作の施療種別、施療強度、施療速度、施療時間などからこれらのマッサージ動作間のインターバルにふさわしい動作を行うようなインターバル情報を生成する。たとえば、これらのマッサージ動作の施施療体の移動速度が遅く施療強度が弱い場合には、施療体の移動速度が遅く或いはインターバル時間が長いインターバル情報が生成され、メモリ部G1の第3のマッサージコースに記憶される(ステップST24)。
【0108】
そして、被施療者Mによる十字キーS1及び決定キーS2の操作により、マッサージコース生成動作終了の操作が行われたか否かを判定し(ステップST25)、マッサージコース生成動作終了の操作が行われたとき(ステップST25:Y)、制御部Gは、マッサージコース情報としてメモリ部G1に記憶されたマッサージ動作の施療種別、施療強度、施療速度、施療時間などから背もたれ部3及びオットマンの移動速度を生成し、マッサージコース生成動作を終了する。
【0109】
なお、本実施形態においては、第3のマッサージコース生成時のインターバル情報の生成を、そのインターバル情報を用いられる前後のマッサージ動作に基づいて行うこととしたが、第3のマッサージコースにおけるマッサージ動作全体に基づいて行うようにすることもできる。
【0110】
また、本実施形態においては、インターバル情報と背もたれ部3及び脚載部4の移動速度の情報とを分けて記憶手段に記憶することとして説明したが、もたれ部3及び脚載部4の移動速度の情報をインターバル情報に含ませる場合もあるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図4】リクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図である。
【図5】同背もたれ部の横断面図である。
【図6】機械式のマッサージユニットの斜視図である。
【図7】同マッサージユニットの分解斜視図である。
【図8】同マッサージユニットを構成するもみ玉ユニットの側面図である。
【図9】本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図10】制御部Gから出力されるパルス信号を説明するための図である。
【図11】第1マッサージコースの構成を示す図である。
【図12】第2マッサージコースの構成を示す図である。
【図13】第3マッサージコースの構成を示す図である。
【図14】リモコンを示す拡大正面図である。
【図15】マッサージコース動作のフローチャートである。
【図16】マッサージコース生成動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
A マッサージ機
M 被施療者
K 表示部
R リモコン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部
4 脚載部
5 肘掛部
6 側壁部
7 もみ玉
9 もみ玉駆動ユニット
11 マッサージユニット
E1,E3,E4 ロータリーエンコーダ
G 制御部
G1 メモリ部
G6 進退用モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、
所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、
前記マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、
前記記憶手段は、前記マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶するマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージにおいて、
前記インターバル情報は、前記マッサージ動作間のインターバル時間又は前記施療体の移動速度に関する情報であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機において、
前記記憶手段には、前記マッサージコースが複数記憶されると共に、前記マッサージコースごとに異なるインターバル情報を記憶又は記憶可能としたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機において、
前記マッサージコース情報を生成するための操作手段を設け、
前記制御手段は、前記操作手段により生成されたマッサージコース情報に応じてインターバル情報を生成し、このインターバル情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機において、
被施療者の身体を支持する背もたれ部を備え、
前記マッサージコース情報は、前記背もたれ部の移動時間又は移動速度を記憶し、
前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記背もたれ部を移動することを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機において、
被施療者の脚部を支持する脚載部を備え、
前記マッサージコース情報は、前記脚載部の移動時間又は移動速度を記憶し、
前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記脚載部を移動することを特徴とするマッサージ機。
【請求項1】
施療体により被施療者をマッサージするマッサージ機において、
所定の施療領域を所定の施療種類により施療するマッサージ動作を複数組み合わせたマッサージコースを実行するためのマッサージコース情報を記憶する記憶手段と、
前記マッサージコース情報に基づいてマッサージコースを実行する制御手段とを備え、
前記記憶手段は、前記マッサージコースにおけるマッサージ動作間のインターバルに関するインターバル情報を記憶するマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージにおいて、
前記インターバル情報は、前記マッサージ動作間のインターバル時間又は前記施療体の移動速度に関する情報であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機において、
前記記憶手段には、前記マッサージコースが複数記憶されると共に、前記マッサージコースごとに異なるインターバル情報を記憶又は記憶可能としたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機において、
前記マッサージコース情報を生成するための操作手段を設け、
前記制御手段は、前記操作手段により生成されたマッサージコース情報に応じてインターバル情報を生成し、このインターバル情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機において、
被施療者の身体を支持する背もたれ部を備え、
前記マッサージコース情報は、前記背もたれ部の移動時間又は移動速度を記憶し、
前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記背もたれ部を移動することを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機において、
被施療者の脚部を支持する脚載部を備え、
前記マッサージコース情報は、前記脚載部の移動時間又は移動速度を記憶し、
前記制御手段は、前記マッサージ動作の実行前又は実行後に、前記マッサージコース情報に応じた移動時間又は移動速度により前記脚載部を移動することを特徴とするマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−75310(P2007−75310A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266328(P2005−266328)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】
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