説明

マッサージ機

【課題】被施療者の臀部に対して揉み玉による揉みや叩きのマッサージを十分に施すことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】被施療者Mが着座する座部1と、当該座部1に連接され当該被施療者Mの背中を支持する背もたれ部2と、当該背もたれ部2に当該被施療者Mの少なくとも背部をマッサージするマッサージ手段を備えるマッサージ機であって、前記被施療者Mの右臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の右臀部を昇降させる第1の身体昇降手段と当該被施療者Mの左臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の左臀部を昇降させる第2の身体昇降手段とを所定の距離を空けて備え、当該第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段により当該被施療者Mの身体が上昇している状態で、当該第1の身体昇降手段と当該第2の身体昇降手段との間を前記マッサージ手段で施療することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部及び背もたれ部を備えるマッサージ機に関し、特に、被施療者の臀部のマッサージを行うマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術となるマッサージ機としては、特許文献1に示すものがある。この特許文献1に示す技術について図を用いて説明する。図14は、特許文献1に示す技術のマッサージ機の全体斜視図である。マッサージ機本体200は、被施療者Mが着する座部201と、座部201を支持する基台部202と、座部201の後側にリクライニング可能に連結した背もたれ部204と、座部の前側に上下方向へ揺動可能に連結した脚載部206とを備えており、座部201の両側には、肘掛部207、207が立設している。
【0003】
背もたれ部204の中央を通る縦軸上には、機械的マッサージを行う叩き機構と揉み機構を有するマッサージユニット400が埋設してあり、マッサージユニット400は背もたれ部204内にその両側縁から距離を隔てて互いに平行に縦設したガイドレールによって案内されて、昇降するようにしてある。マッサージユニット400には、被施療者Mの身体に背もたれ部204の表面部を介して当接してマッサージを行う揉み玉500、600を具備する揉み玉駆動ユニットが前後方向に揺動可能に配設してある。
【0004】
座部201には、該座部201の寸法より少し短い長さ寸法を有する横長の臀部用エアバッグa3及び腿部用エアバッグa4が、座部201の奥側から順に、互いに距離を隔てて埋設してある。これらの各エアバッグa1、a2、・・・は、基台部202内に格納した給排気部によって配置位置別に給排気されるようになっている。
【0005】
これにより、揉み玉による背中下方部の機械的マッサージと、座部に設けたエアバッグによる臀部の上下移動を伴うエアマッサージとを交互にまたは同時に行うことができる。また、臀部全体の上方の領域を後方から強くマッサージする動作と、臀部全体の下方の領域を下からソフトにマッサージする動作とを繰り返すため、筋肉の緊張がより緩和され、被施療者に対するマッサージ効果も向上するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−13463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、背もたれ部204のガイドレールに沿って揉み玉500、600が上下動して臀部をマッサージする構成であることから、揉み玉500、600の移動が座部201の上面で制限されて、座部201に着座する被施療者の臀部全体の下方の領域を十分にマッサージすることができないという課題を有する。
【0008】
また、被施療者が臀部全体の領域近傍を揉み玉500、600により強くマッサージしたい場合に、被施療者の臀部全体の下方の領域に直接接触しているエアバッグa3が邪魔になり揉み玉500、600による強いマッサージを十分に受けることができないという課題を有する。
【0009】
さらに、座部201に設けたエアバッグa3により被施療者の臀部を上下動させるが、エアバッグにエアが給気された場合にエアバッグの上面が丸みをおびた状態になってしまうため、被施療者が不安定となり危険な場合がある。
【0010】
さらにまた、特許文献1では背中のマッサージと臀部のマッサージとを個別独立して別途に行われることから、背中から臀部にかけて揉み玉500、600による揉み、叩きのマッサージを一連に実行できないという課題を有する。
【0011】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、被施療者の臀部に対して揉み玉による揉みや叩きのマッサージを十分に施すことができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1 臀部のマッサージ)
本発明に係るマッサージ機は、被施療者が着座する座部と、当該座部に連接され当該被施療者の背中を支持する背もたれ部と、当該背もたれ部に当該被施療者の少なくとも背部をマッサージするマッサージ手段を備えるマッサージ機であって、前記被施療者の右臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の右臀部を昇降させる第1の身体昇降手段と当該被施療者の左臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の左臀部を昇降させる第2の身体昇降手段とを所定の距離を空けて備え、当該第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段により当該被施療者の身体が上昇している状態で、当該第1の身体昇降手段と当該第2の身体昇降手段との間を前記マッサージ手段で施療することを特徴とする。
【0013】
このように、本発明においては被施療者の右臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の右臀部を昇降させる第1の身体昇降手段と、被施療者の左臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の左臀部を昇降させる第2の身体昇降手段という2つの別々の昇降手段を所定の距離を空けて備え、第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段により当該被施療者の身体が上昇している状態で、第1の身体昇降手段と第2の身体昇降手段との間をマッサージ手段で施療するため、被施療者の臀部近傍を背もたれ部に備えられたマッサージ手段により効果的にマッサージすることができる。
【0014】
また、これまでは身体昇降手段とマッサージ手段の関連性がなく、個別独立にマッサージを行っていたが、身体昇降手段の昇降動作と背もたれ部に備えられたマッサージ手段を連動させることで、被施療者の臀部から腰部にかかる領域のマッサージを一連の動作でシームレスに施療することができる。
【0015】
なお、マッサージ手段が施療する第1の身体昇降手段と第2の身体昇降手段の間とは、第1の身体昇降手段と第2の身体昇降手段の間の領域のみではなく、被施療者における前後方向の領域も含む。
【0016】
(2 安定性)
本発明に係るマッサージ機は、前記第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段の外周における対向する内側を前記座部に支持されて固定され、外側を昇降させることを特徴とする。
このように、本発明においては第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段の外周における対向する内側を座部に支持されて固定され、外側を昇降させるため、被施療者の身体を上昇させる時に被施療者の臀部が、それぞれの昇降手段に収まるようにして上昇することで、被施療者の身体を安定させて安全に昇降することができる。
【0017】
また、第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段による上昇の動作を行う場合、被施療者の臀部を挟み込むようにして、被施療者の身体を上昇させるため、被施療者の臀部に対して第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段による外側から内側への施療を行うことができ、マッサージ手段によるマッサージと組み合わせることで複合的なマッサージを行うことができる。
【0018】
(3 大腿部の昇降手段)
本発明に係るマッサージ機は、前記被施療者の大腿部と接触して当該被施療者の大腿部を昇降させる大腿部昇降手段を備え、前記第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段と前記大腿部昇降手段が連係して当該被施療者の身体を昇降させることを特徴とする。
【0019】
このように、本発明においては被施療者の大腿部と接触して被施療者の大腿部を昇降させる大腿部昇降手段を備え、第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段と大腿部昇降手段がお互いに連係して動作することで被施療者の身体を昇降させるため、被施療者の状態に応じて安全に昇降させることができる。例えば、被施療者がマッサージ機から立ち上がる場合は、第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段を上昇させ、大腿部昇降手段は下降させる。そうすることで被施療者が前かがみの状態となり、マッサージ機から立ち上がりやすくなる。また、被施療者の臀部が後方に突き出た状態になり、被施療者の臀部とマッサージ手段が適切に当接した状態で十分なマッサージをすることができる。
【0020】
また、第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段を下降させ、大腿部昇降手段を上昇させた場合は、被施療者の重心が後方に移動することで、結果的に被施療者の臀部を後方にずらすことができる。そうすることで、被施療者の臀部を第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段により上昇させやすくすることができる。
【0021】
さらに、第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段と大腿部昇降手段の両方を上昇させた場合は、被施療者はより安定的で且つ安全に身体を上昇させることができる。
なお、大腿部昇降手段のみを上昇させる場合には、被施療者にリクライニングを促すメッセージを表示するようにしてもよい。そうすることで、より確実に被施療者のマッサージを行うことができる。
【0022】
(4 エアバッグによる昇降)
本発明に係るマッサージ機は、前記身体昇降手段がエアバッグで形成され、当該エアバッグの給排気により被施療者を昇降させることを特徴とする。
このように、本発明においては身体昇降手段がエアバッグであるため、被施療者の臀部において身体昇降手段と接触している領域をエアバッグの押圧により施療することが可能となり、マッサージ効果を上げることができる。また、被施療者との接触箇所がエアバッグであるため、被施療者の触感もよく使い心地が良くなるという効果も有する。
また、それぞれの身体昇降手段の外周の対向する内側を座部に固定した場合は、エアの給排気により被施療者の臀部を施療することができ、マッサージ効果を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の全体斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の側断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機のメカユニットの各面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の揉み玉ユニットの各面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の給排気部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の腰部から臀部近傍のマッサージを図示した模式図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機の座部の上断面図及び側断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機の腰部から臀部近傍のマッサージを図示した模式図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機の座部に備えるエアバッグの動作を示した模式図である。
【図10】その他の実施形態に係るマッサージ機をリクライニングした場合の模式図である。
【図11】臀部用エアバッグの複数の形状パターンを示した模式図である。
【図12】本発明のその他の実施形態に係るマッサージ機の自動コースチャートである。
【図13】従来技術におけるマッサージ機の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機について、図に基づき説明する。図1は本実施形態に係るマッサージ機の全体斜視図、図2は本実施形態に係るマッサージ機の側面断面図である。
【0025】
(1.マッサージ機全体の構成)
本実施形態におけるマッサージ機の基本的構成要素は、被施療者の背中を支持する背もたれ部2と、この背もたれ部2の下端と接し被施療者が着座した場合に被施療者の臀部を支持する座部1と、当該座部1を支持する基台部5と、基台部5に接合し被施療者の肘を支持する肘置部10と、座部1の先端下側に枢設され被施療者の足が載置される脚載部3と、背もたれ部2の内部に揉み玉93及び揉み玉93を動作させる揉み玉機構を有するメカユニット70とを備える構成である。
【0026】
(2.背もたれ部)
背もたれ部2は、リクライニングでき、被施療者との接触面の両端側にクッション材を配設し、着座して背もたれ部2にもたれると被施療者の背中が背もたれ部2の中心に位置するようになっている。背もたれ部2の正面側であって、両側縁近傍の位置にはそれぞれ左右に対をなす背中部用エアバッグa6及び腰部用エアバッグa7が、背中部及び腰部の高さ位置に応じて埋設してある。座部1と背もたれ部2は枢軸15を介して連結されており、リクライニングの際はこの枢軸15を中心に背もたれ部2を傾動させることで適度な角度でリクライニングを行う。リクライニング機能は、支持アーム16と背もたれ部2の下端近傍の間にリニア動作を行うリクライニングアクチュエータ17が架設されており、当該リクライニングアクチュエータ17の進退動作によって、前記背もたれ部2を、枢軸15を中心に傾動させることで実現される。リクライニングアクチュエータ17はリクライニング用モータ18から駆動力が与えられるようになっており与えられた駆動力によって進退動作を行う。また、前記枢軸15の近傍には背もたれ部2の傾動角度を検出するリクライニング角度検出センサ(図示しない)が配設されており、リクライニング角度の調整を行っている。
【0027】
(3.肘置部)
肘置部10は、座部1の両側に位置し基台部5と接合している。背もたれ部2がリクライニングすることで座部1が傾動した場合でも、被施療者の前腕を安定的に支持できるようにカーブを有して形成されている。
【0028】
(4.脚載部)
脚載部3は、座部1の前端側に位置している。脚載部3は、内部に2つの半円筒状の脚受11を互いに平行に設けて、脚受11の各両内側には、左右に対をなす脚上部用エアバッグa1及び脚下部用エアバッグa2が、それぞれ脚受11の中心軸の軸長方向へ所定の距離を隔てて配設してある。
【0029】
また、脚載部3は、被施療者の脚当接面方向に傾動することが可能となっている。脚載部3の傾動動作は、基台部5内に配設された前記支持アーム16と脚載部3の裏面との間に架設された、リニア動作するフットレストアクチュエータ19の進退動作によって、脚載部3を枢支連結部材(図示しない)の枢軸回りに傾動させて実現している。フットレストアクチュエータ19にはフットレスト駆動用モータ20から駆動力が与えられるようになっており、与えられた駆動力によってフットレストアクチュエータ19は進退動作をする。また、前記枢支連結部材(図示しない)の近傍に、脚載部3の傾動角度を検出するフットレスト角度検出センサ(図示しない)が配設してある。
【0030】
(5.メカユニット)
図3は本実施形態に係るメカユニットの各面図、図4は本実施形態に係る揉み玉ユニットの側面図である。
メカユニット70は、施療子である揉み玉93及び揉み玉93を動作させる揉み玉機構を有し傾動可能な傾動部と、この傾動部を傾動可能な状態で支持するメカユニットベースとからなる。このメカユニット70には揉み玉93に揉み動作を行わせるための揉みモータ91、叩き動作を行わせるための叩きモータ92、揉み玉93及び揉み玉機構を傾動させるための強弱モータ(進退モータ)98を配設している。このように揉み玉93だけが延出して施療を行うのではなく、揉み玉機構も併せて傾動し、突出した状態で揉み玉93による施療がなされるので、揉み玉93のみが延出するタイプのマッサージ機と比べより安定した状態で揉み玉93により施療できる。このメカユニットベースにはメカユニット70が昇降するための昇降軸82が配設され、この昇降軸82の両端にガイドローラ74、76がそれぞれ設けられている。メカユニットベースのガイドローラ74、76の上部
位置にさらにガイドローラ73、75が設けられている。
【0031】
背もたれ部2内には背もたれ部2の上下方向に沿って形成されている1対のガイドレール71が配設されている。このガイドレール71にメカユニット70の左右2つずつ設けられたガイドローラ73、74、75、76を挿嵌し、ガイドローラ74、76に隣接して設けられるピニオンギア77、78を介してメカユニット70の右側組付台80aに配設された昇降モータ81からの運動が伝達され、昇降モータ81の駆動に応じてメカユニット70の昇降動作を実現している。
【0032】
昇降モータ81からの運動の伝達は、昇降モータ81の回転軸の先端に形成されたウォーム(図示しない)と、昇降軸82に装着したウォームホイール(図示しない)とが係合し、昇降モータ81が駆動することで回転軸(図示しない)が回転しウォームが回転し、係合するウォームホイールが回転することでピニオンギア77、78に回転力が伝達される。これらウォーム、ウォームホイール、回転軸は、ギアボックス83により被覆されている。昇降軸82はメカユニット70の下部に位置するように配設されている。昇降軸82は右側組付台80aの底部に配設されたギアボックス83(正確にはギアボックスが被覆する軸受)と、左側組付台80bの底部に配設された軸受84により回動可能に支持されている。右側組付台80aと左側組付台80bの底部は断面凹状の連結杆85により連結されている。右側組付台80aと左側組付台80bの上部も中空杆86が架設されている。中空杆86の両端にガイドローラ73、75が回動可能に取り付けられている。中空杆86自体は両端近傍部分をそれぞれ右側組付台80aと左側組付台80bに接合して固定されており回動しない。なお、連結杆85及び中空杆86は溶接により右側組付台80a及び左側組付台80bに接合している。
【0033】
揉み玉ユニット90は昇降軸82に装着され、昇降軸82を中心に回動可能になっている。揉み玉ユニット90は揉み玉モータ91、叩きモータ92からの運動を揉み玉93に伝達するための揉み玉機構と、叩き機構を有しており、この揉み玉機構及び叩き機構が揉み玉ユニット90のハウジング94に内設されている。このハウジング94の上部に昇降軸82を中心として所定半径距離95aとなる側面上辺を有するように曲折したラック95が所定間隔の4箇所のネジ留めにより取り付けられている。このラック95と係合するピニオンギア96が前記メカユニット70の上部に位置するように配設されている進退軸97に装着されている。また、進退軸97にはウォームホイール(図示しない)が装着されている。メカユニット70の左側組付台80bに配設された進退モータ98の回転軸(図示しない)の先端に形成されたウォーム(図示しない)とウォームホイールが係合している。これらウォームホイール、回転軸、ウォームはギアボックス99に内設されている。進退モータ98が回転することにより、回転軸及びウォームが回転し、係合するウォームホイールが回転する。このウォームホイールが回転することで、進退軸97が回転し、ピニオンギア96も係合するラック95に沿って回転し、揉み玉ユニット90が被施療者の背中方向に進退する。なお、進退軸97は右側組付台80aの上部に配設された軸受と、左側組付台80bの上部に配設されたギアボックス99(正確にはギアボックスが被覆する軸受)とにより回動可能に支持されている。
【0034】
(6.メカユニットによるマッサージ)
前記メカユニット70によるマッサージは、例えば、揉み玉モータ91を正回転させながらメカユニット70を上昇させていく揉み玉上げ、揉み玉モータ91逆回転させながらメカユニット70を下降させていく揉み玉下げ、叩きモータ92を正回転させる叩き、揉み玉下げながらたたくさざなみ、一箇所を押圧する指圧、強よりさらに強い位置での揉み玉上げである深揉み玉上げ、強よりさらに強い位置での揉み下げである深揉み玉下げ、弱よりもさらに弱い位置での揉み玉下げであるさすり、指圧したままローリングして下から上へほぐすストレッチ、背中全体をローリングする全体背筋のばし、狭い範囲を集中的に
ローリングする部分背筋のばし等のマッサージがある。
【0035】
(7.座部のエアバッグ)
前記座部1には、当該座部1の幅より少し短い長さを有する横長の腿部用エアバッグa4が配設されている。腿部用エアバッグa4の奥側には右臀部用エアバッグa31と左臀部用エアバッグa32が所定の距離を空けて併設されている。これらの各エアバッグは、基台部5内に格納された給排気部によってそれぞれ給排気されるようになっている。
【0036】
(8.各エアバッグの機能)
各エアバッグa1、a2、・・・は空気の給排気により伸縮したり、膨張、収縮することでそれぞれのエアバッグが配置された位置における体の各所を刺激してマッサージを行う。また、揉み玉によるマッサージと組み合わせることで、より効果的なマッサージを行うことができる。脚上部用エアバッグa1、及び脚下部用エアバッグa2にはエアによる直接的なマッサージ機能以外にも脚を固定する機能も有する。脚上部用エアバッグa1、及び脚下部用エアバッグa2は被施療者の脚を狭持することで脚を固定し、その状態で脚載部3を被施療者から離れる方向にスライドさせることで伸びによるストレッチ効果を得ることができる。また、脚載部3を下方に回動させることで同じように伸びによるストレッチ効果が得られる。
【0037】
また、腿部用エアバッグa4、右臀部用エアバッグa31、及び左臀部用エアバッグa32はエアによる直接的なマッサージ機能以外にも、被施療者の体を昇降させる機能を有する。被施療者の体を上昇させることで、通常ではメカユニット70の揉み玉93が届かないような被施療者の腰から臀部近傍にも揉み玉93によるマッサージを施すことができる。本実施形態に係るマッサージ機では、右臀部用エアバッグa31と左臀部用エアバッグa32との間には所定の距離が空いており、被施療者の体を上昇させた際にはその距離に対応した空間を被施療者の腰から臀部の近傍に確保することができる。従って、従来は被施療者を支持するためのエアバッグが邪魔になってマッサージができなかった箇所にもマッサージを施すことができるようになる。
【0038】
(9.給排気部)
図5は、本実施形態に係るマッサージ機に設けた給排気部の構成を示すブロック図である。図中、118は各エアバッグa1、a2、・・・に給気するためのエアポンプである。エアポンプ118には、当該エアポンプ118から圧入される大気を一時的に貯留すると共に、各エアバッグa1、a2、・・・に分流する分流器119が連結してある。分流器119には、複数の吐気口が各エアバッグa1、a2、・・・に対応して設けてあり、各吐気口には当該吐気口の開口を開閉する電磁弁B1、B2、・・・がそれぞれ設けてある。この分流器119の各吐気口と、対応するエアバッグa1、a2、・・・とは耐圧ホースによってそれぞれ連結してある。そして、これらの電磁弁B1、B2、・・・の開閉動作を制御することによって所要のエアバッグa1、a2、・・・に対して給排気して、エアバッグa1、a2、・・・を膨張、収縮させる。これによって、被施療者に対してエアマッサージ及びその他の動作が行われる。
【0039】
(10.腰、臀部のマッサージ)
図6は腰部から臀部近傍に対してメカユニット70によるマッサージを図示した模式図である。図6(a)は被施療者の上方から見た場合の上面図であり、図6(b)は被施療者の後方から見た場合の背面図である。被施療者Mが座部1に着座した際、腿部用エアバッグa4は被施療者Mの大腿部の裏に当接している。また、右臀部用エアバッグa31は被施療者Mが着座した際に被施療者Mの右臀部、左臀部用エアバッグa32は被施療者Mが着座した際に被施療者Mの左臀部にそれぞれ当接している。そして、メカユニット70の揉み玉93は、揉み上げ、揉み下げ等のマッサージを行いながら被施療者Mの首から腰
にかけて当接して揉み、叩きのマッサージを施す。しかしメカユニット70が昇降移動できる範囲には制限があるため、被施療者Mが座部1に着座した状態であれば、非施療者Mの腰部近傍まではマッサージできても、臀部まではマッサージをすることができない。そこで、それぞれの臀部用エアバッグに給気することにより被施療者の体を上昇させ、メカユニット70の揉み玉93が届く高さまで臀部の位置を移動させることで、臀部のマッサージを行う。
【0040】
図6(b)は右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32に給気して膨張した場合の被施療者の背面図である。図示したように右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32に給気することにより、被施療者Mの体はそれぞれのエアバッグの膨張に合わせて上昇する。被施療者Mの体が上昇したら被施療者Mの体と座部1との間に空間Sができる。この空間を利用することで被施療者Mの腰部及び臀部に対してメカユニット70によるマッサージを施すことができる。従来であれば右臀部用エアバッグa31と左臀部用エアバッグa32に分けずに一つの臀部用エアバッグとして被施療者Mの腰部及び臀部にマッサージを行っていたため、図の揉み玉93の位置には臀部用エアバッグが存在し、揉み玉93によるマッサージを十分に受けることができなったが、本実施形態に係るマッサージ機においては空間Sを確保しているため、被施療者Mの腰部及び臀部に対して揉み玉93によるマッサージを十分に行うことができる。またこの時、臀部の下方には空間Sがあり、揉み玉93の被施療者Mに対する進退移動の範囲を大きくすることで、臀部の下方の領域に対しても揉み玉93によるマッサージを行うことができる。
【0041】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機に関して、図を用いて説明する。
(1.臀部用エアバッグの固定)
図7は本実施形態に係るマッサージ機の座部の上断面図及び側断面図である。図7(a)は座部1の上断面図であり図7(b)は座部1の側断面図である。座部1の前側には腿部用エアバッグa4が備えられている。座部1の後側には右臀部用エアバッグa31(右臀部用エアバッグ下a311、右臀部用エアバッグ上a312)と左臀部用エアバッグa32(左臀部用エアバッグ下a321、左臀部用エアバッグ上a322)が所定の距離を空けて備えられる。右臀部用エアバッグ下a311と右臀部用エアバッグ上a312は重なるようにしてタッピングスクリュー132及びスピードナット130により座部1に固定されている。右臀部用エアバッグ下a311と右臀部用エアバッグ上a312も同様に重なるようにしてタッピングスクリュー132及びスピードナット130により座部1に固定されている。
【0042】
また、右臀部用エアバッグ下a311と右臀部用エアバッグ上a312は右臀部用エアバッグ給排気部136と接続しており、図5に示したようにエアポンプ118から送られてくるエアを給気及び排気している。同様に左臀部用エアバッグ給排気部136と腿部用エアバッグ給排気部140も図5に示したエアポンプ118から送られてくるエアを給排気している。
【0043】
なお、本実施形態においては右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32はそれぞれ2つのエアバッグa311、a322とa321、a322を備える構成としたが、2つ以上を用いてもよいし1つでもよい。
また、座部への固定方法に関しても、例えば軸を固定しその軸を中心に蝶番のようにエアバッグを回動さるようにする等、本実施形態に限定しない。
【0044】
(2.腰、臀部のマッサージ)
図8は本実施形態に係るマッサージ機により腰部から臀部近傍に対してメカユニット70によるマッサージを図示した模式図である。図6の場合と異なる点は図8(a)におい
て、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32を被施療者Mの上方から見た場合の外周の内側方向の所定箇所を座部1に固定している点である。固定の仕方としては、それぞれのエアバッグの外周の内側をタッピングスクリュー132及びスピードナット130により座部1に支持されて固定されている。それぞれの臀部用エアバッグに給気することで被施療者Mの身体を上昇させることができるが、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の外周の内側が固定されていることで、被施療者Mの臀部とエアバッグとの当接面が内側に傾斜しているため、従来に比べて被施療者Mの身体を安定して上昇させることができる。
【0045】
図8(b)は右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32に給気して膨張した場合の被施療者の背面図である。前記で示した通り、被施療者Mの臀部がそれぞれの臀部用エアバッグに収まることで被施療者Mの身体が安定している。そのため、被施療者Mがバランスを崩す危険が減り、安全性が向上する。
【0046】
また、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の外周の所定箇所が固定されていない場合に比べて空間Sが広がっているため、より広範囲をメカユニット70によりマッサージを行うこともできる。
【0047】
さらに、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32が被施療者の臀部と接触する面が図8(b)に示すように逆ハの字型になっている。つまりこの状態でエアの給排気を行うことでエアによる外側から内側への施療を臀部に対して行うこともできる。また、メカユニット70によるマッサージを組み合わせることで複合的なマッサージを行うことができる。
【0048】
さらにまた、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の外側から内側への施療とメカユニット70による後方からのマッサージを連動させて動作させることで、一連の動作でシームレスなマッサージを行うことができ、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の給排気により被施療者の身体を上下動させることによりマッサージ手段のマッサージ箇所も一定にならず、広範囲を施療できるため、多様的で且つ効果的なマッサージを行うことができる。
【0049】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機に関して、図を用いて説明する。
(1.腿部用エアバッグとの連係)
図9は本実施形態に係るマッサージ機の座部に備えるエアバッグの動作を示した模式図である。図9(a)は本実施形態に係るマッサージ機の上断面図であり、座部1の後側(被施療者Mの背側)には右臀部用エアバッグa31と左臀部用エアバッグa32を備え、座部1の前側(被施療者Mの腹側)には腿部用エアバッグa4を備えている。
【0050】
図9(b)は本実施形態に係るマッサージ機の側断面図であり、腿部用エアバッグと臀部用エアバッグはいずれも給気されていない状態で被施療者Mがマッサージ機に座っている状態である。被施療者Mが腰部から臀部近傍に対してメカユニット70によるマッサージを行う場合は、まずは腿部用エアバッグa4を給気させ、臀部用エアバッグa31、a32には給気しない(図9(c))。その場合、被施療者Mの重心は自然に後方(被施療者Mの背側)に移動し、被施療者Mの臀部が背もたれ部2の方向にずれ、被施療者Mをマッサージに適した正しい姿勢に近づけることができる。したがって、その後臀部用エアバッグa31、a32に給気を開始した際に、被施療者Mの臀部の位置が適正化され、臀部を右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32により上昇させやすくすることができる。
【0051】
そして図9(d)に図示するように臀部のマッサージの際は臀部用エアバッグa31、a32のみ給気され、腿部用エアバッグa4に給気された空気は排気されるため、被施療者Mの臀部が後方に突き出た状態となり、背もたれ部2に備えられたメカユニット70により被施療者Mの臀部を効果的にマッサージできるという効果も有している。
【0052】
なお、被施療者Mがマッサージ機から立ち上がる場合も、臀部用エアバッグa31、a32を給気させ、腿部用エアバッグa4には給気しない。そうすることで被施療者Mの重心は自然に前方(被施療者Mの腹側)に移動し、楽に立ち上がることができる。
このように、臀部用エアバッグa31、a32及び腿部用エアバッグa4が連係することにより、被施療者Mの臀部に対して効果的なマッサージを施療することができる。
【0053】
(その他の実施形態)
(1.リクライニングを利用した臀部のマッサージ)
図10は、本実施形態に係るマッサージ機をリクライニングした場合の模式図である。
前記のような被施療者Mの臀部に対するマッサージを効果的に行う場合、揉み玉93が被施療者Mの臀部に適切に当接することが必要となる。しかし、被施療者Mがマッサージ機に浅く腰掛けてしまうことがあり、そのような場合は揉み玉93が被施療者Mの臀部に適切に当接しないことも起こりうる。本実施形態に係るマッサージ機では被施療者Mの臀部に揉み玉93を適切の当接させるためにリクライニングを利用する。
【0054】
図10(a)はリクライニングに加えて腿部用エアバッグa4を給気した場合の図である。腿部用エアバッグa4の給気により、臀部用エアバッグa31、a32のみ給気した場合に比べて被施療者Mの重心が後方に移動することに加え、リクライニングにより被施療者Mの臀部が背側にずれてメカユニット70との距離を近接させることができる。従って、被施療者Mの臀部は、メカユニット70の揉み玉93に当接されやすくなり、十分に臀部のマッサージを行うことができる。
【0055】
そして上述の実施例と同様に臀部用エアバッグa31、a32に給気を開始した際に、被施療者Mの臀部を右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32により上昇させやすくすることができる。
【0056】
また、図10(b)に示すように座部1と背もたれ部2のなす角度θを維持したまま座部1と背もたれ部2が共に被施療者の後方向に傾動するようにリクライニングすることもできる。さらに、図10(c)に示すように座部1と背もたれ部2のなす角度θを大きくしながら被施療者の後方に倒れるように背もたれ部2を傾動する動作に合わせて座部1も被施療者の後方向に傾動するようにリクライニングすることもできる。いずれの方法においても被施療者Mの臀部とメカユニット70との間の距離を近づけることができ、腰部から臀部近傍に対して揉み玉93によるマッサージをより良好に行うことができる状態となる。
【0057】
なお、図10(b)、(c)のいずれの場合であっても、リクライニングに加え腿部用エアバッグa4を給気すれば被施療者Mの重心が更に後方に傾き、リクライニングにより被施療者Mの臀部が背側にずれて適正なマッサージ姿勢により近づけることが出来る。
【0058】
適正なマッサージ姿勢となれば上述の実施例と同様に臀部用エアバッグa31、a32に給気を開始した際に、被施療者Mの臀部を右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32により上昇させやすくすることができる。
【0059】
上記図10(a)、(b)、(c)に示した実施例においては臀部のマッサージにおける臀部用エアバッグa31、a32の給気に際し、腿部用エアバッグa4の給気のみなら
ず背もたれ部2のリクライニング動作とも関連付けて、連係させている。
【0060】
なお、上記図9、図10に示すような腿部用エアバッグa4の連係が係わる実施例においてはメカユニット70による臀部のマッサージ開始時には腿部用エアバッグa4は排気状態となっているほうが被施療者Mの姿勢を前かがみにすることで臀部を突き出すことが出来、メカユニット70による臀部のマッサージが効果的になる。また、被施療者Mに対するマッサージ姿勢の適性化は前記腿部用エアバッグa4の給気やリクライニングによる方法以外に、被施療者Mに深く腰掛ける旨の通知を行うようにしてもよい。その場合は、リモートコントロールの画面に表示したり、音声により通知する等、被施療者Mが認識できる方法であれば何でもよい。
【0061】
(2.臀部用エアバッグの形状パターン)
図11は臀部用エアバッグの複数の形状パターンを示した模式図である。
図11(a)は右臀部用エアバッグ、左臀部用エアバッグ、及び腿部用エアバッグを一体化して腿臀部用エアバッグa8としたものである。この場合、前記のように右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32は座部1に固定されていない。この状態でエアバッグa8に給気を行うと、被施療者Mは姿勢を保ったまま上昇し、揉み玉93により被施療者Mの臀部の内側をメカユニット70によりマッサージすることができる。なお、腿臀部用エアバッグa8の形状はこれに限定しない。
【0062】
図11(b)は臀部用エアバッグa3と腿部用エアバッグa4にわかれているが、右臀部用エアバッグa31と左臀部用エアバッグa32が一体化している。従って、構成要素は図14に示した従来技術と変わらないが、臀部用エアバッグa3の形状が異なる。ここでは、被施療者Mの臀部の内側と臀部用エアバッグa3が当接する箇所が凹んだ形状となっており、右臀部用エアバッグa31と左臀部用エアバッグa32が一体化しているとはいえ被施療者の臀部の内側に空間を確保することができ、臀部に対してメカユニット70によりマッサージすることができる。このように、臀部用エアバッグa3の形状は様々な形状を有することができる。なお、臀部用エアバッグa3の形状はこれに限定しない。
【0063】
図11(c)は第2の実施形態に係るマッサージ機と同じ構成要素だが、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の形状が異なる。ここでは、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の形状が矩形ではなく円形である。そして、この場合、それぞれのエアバッグを座部1に固定する際は図示したように点で固定することができる。従って、前記第2の実施形態で示した機能と全く同じ機能を実現することができる。なお、右臀部用エアバッグa31及び左臀部用エアバッグa32の形状はこれに限定せず、多角形等あらゆる形状を有することが可能である。
【0064】
(3.一連のマッサージ動作)
図13は本実施形態に係るマッサージ機の自動コースチャートである。
本実施形態に係るマッサージ機は前記にも示したように揉み上げや揉み下げ等の様々な種類のマッサージを行うことが可能である。また、メカユニット70とエアバッグa1、a2、・・・のマッサージを組み合わせることでより多くのマッサージを行うことができる。図13に示したチャートはその一例である。上段部はメカユニット70の動作を示し、下段部はエアバッグの動作を示す。縦方向はメカユニット70及び各エアバッグが動作する体の各所が被施療者Mの上方から下方に掛けて列記されており、横方向は時間軸を示す。横軸の1メモリは10秒である。
【0065】
図13において、例えば自動コースがスタートしてから40秒から50秒の10秒間はメカユニット70により被施療者の肩を中速で揉み下げ(2)は揉み下げを示す)をしながら脚上部、脚下部、足首部をエアバッグによりマッサージする。そして、順番に肩、首、
肩、肩甲骨、背、腰とマッサージを行って、2分後には臀部のエアマッサージを行いながら、上記したように被施療者の身体を昇降させてメカユニット70により臀部のマッサージを行う。臀部のマッサージを終えると、再びメカユニット70は被施療者の上方に向かいながらマッサージを行う。
【0066】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は座部1に配設された臀部用エアバッグa31、a32とメカユニット70の動作が深く関与していることにより、被施療者の背部から臀部までのマッサージを一連の動作でシームレスに行うことができる。従って、前記のように自動コースに組み込むことも可能となり、被施療者は効果的なマッサージを受けることができる。
【0067】
以上、本発明に係るマッサージ機では、従来はできなかった被施療者Mの臀部を揉み玉93により効果的にマッサージすることが可能となる。
なお、上記各実施形態ではエアバッグにより被施療者Mの身体を昇降させるようにしたが、エアバッグに限定せずに被施療者Mの体を昇降できるものであればよい。
【0068】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【符号の説明】
【0069】
a1 脚上部用エアバッグ
a2 脚下部用エアバッグ
a3 臀部用エアバッグ
a31 右臀部用エアバッグ
a311 右臀部用エアバッグ上
a312 右臀部用エアバッグ下
a32 左臀部用エアバッグ
a321 左臀部用エアバッグ上
a322 左臀部用エアバッグ下
a4 腿部用エアバッグ
a6 背中部用エアバッグ
a7 腰部用エアバッグ
a8 腿臀部用エアバッグ
1 座部
2 背もたれ部
3 脚載部
5 基台部
10 肘置部
11 脚受
15 枢軸
16 支持アーム
17 リクライニングアクチュエータ
18 リクライニング用モータ
19 フットレストアクチュエータ
20 フットレスト駆動用モータ
70 メカユニット
71 ガイドレール
73 ガイドローラ
74 ガイドローラ
75 ガイドローラ
76 ガイドローラ
77 ピニオンギア
78 ピニオンギア
80a 右組付台
80b 左組付台
81 昇降モータ
82 昇降軸
83 ギアボックス
84 軸受
85 連結杆
86 中空杆
90 揉み玉ユニット
91 揉みモータ
92 叩きモータ
93 揉み玉
94 ハウジング
95 ラック
95a 所定半径距離
96 ピニオンギア
97 進退軸
98 進退モータ
99 ギアボックス
118 エアポンプ
119 分流器
130 スピードナット
132 タッピングスクリュー
136 右臀部用エアバッグ給排気部
140 腿部用エアバッグ給排気部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が着座する座部と、当該座部に連接され当該被施療者の背中を支持する背もたれ部と、当該背もたれ部に当該被施療者の少なくとも背部をマッサージするマッサージ手段を備えるマッサージ機であって、
前記被施療者の右臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の右臀部を昇降させる第1の身体昇降手段と当該被施療者の左臀部を押圧して少なくとも当該被施療者の左臀部を昇降させる第2の身体昇降手段とを所定の距離を空けて備え、当該第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段により当該被施療者の身体が上昇している状態で、当該第1の身体昇降手段と当該第2の身体昇降手段との間を前記マッサージ手段で施療することを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段の外周における対向する内側を前記座部に支持されて固定され、外側を昇降させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1または2に記載のマッサージ機において、
前記被施療者の大腿部と接触して当該被施療者の大腿部を昇降させる大腿部昇降手段を備え、前記第1の身体昇降手段及び第2の身体昇降手段と前記大腿部昇降手段が連係して当該被施療者の身体を昇降させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のマッサージ機において、
前記身体昇降手段がエアバッグで形成され、当該エアバッグの給排気により被施療者を昇降させることを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−40431(P2012−40431A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261122(P2011−261122)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2007−147319(P2007−147319)の分割
【原出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【Fターム(参考)】