説明

マルチシーン三次元画像表示の方法

【課題】直接性クロストーク現象を解決でき、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとることができ、不連続視差ジャンプの欠陥を改善できるマルチシーン三次元画像表示の方法を提供する。
【解決手段】マルチシーン三次元画像表示の方法は、サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンと傾斜ストリップ状視差バリアーを利用し、マルチシーン三次元画像の表示を行う時、サブピクセル開口率を低下させる必要がないという条件で、マルチシーン3D画像合成の方法と傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計と最適化の方法を提出し、こうして直接性クロストーク現象の解決と、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができ、総シーン数が2以上であるマルチシーン三次元画像の表示に対しては、倍数マルチシーン3D画像合成と表示の方法を提出し、これにより不連続視差ジャンプの欠陥を改善する目的を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチシーン三次元画像表示の方法に関し、特にサブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンと傾斜ストリップ状視差バリアーを利用し、マルチシーン三次元画像の表示を行う時、サブピクセル開口率を低下させる必要がないという条件で、マルチシーン3D画像合成の方法と傾斜ストリップ状視差バリアー構造の設計と最適化の方法を提出し、こうして直接性クロストーク現象の解決と、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができ、また、総シーン数が2以上であるマルチシーン三次元画像の表示に対しては、倍数マルチシーン3D画像合成と表示の方法を提出し、これにより不連続視差ジャンプという欠陥を改善する目的を達成することができるマルチシーン三次元画像表示の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の技術である一般のR、G、Bサブピクセルを水平ストリップ状配列(Horizontal Strip Configuration)するフラットディスプレースクリーンの模式図である。
図1に示すように、該フラットディスプレースクリーン1は、一般の液晶ディスプレースクリーン、プラズマディスプレースクリーン、或いはOLEDスクリーンで、NxM個のR、G、Bサブピクセルにより構成され、水平ストリップ状配列の特徴を備える。
内、Nは、該ディスプレースクリーン水平方向(X軸)を構成するサブピクセルの総数で、Mは、該ディスプレースクリーン垂直方向(Y軸)を構成するサブピクセルの総数である。
j、iは、各単一サブピクセルの水平及び垂直位置の通し番号で、0≦j≦N-1;0≦i≦M-1である。
該単一のサブピクセルはPH×PVのサイズを備え、内、PHは、サブピクセルの水平幅で、PVは、サブピクセルの垂直高度である。
【0003】
各サブピクセル間の黒色間隔2(通常は、非発光材料により構成し、黒色を呈する。例えば、液晶ディスプレーパネル上では、黒色フォトレジストにより構成され、Black Matrixと呼ばれる)を差し引けば、該単一サブピクセルの有効発光サイズは、H×Vである。
水平開口率(Horizontal Aperture Ratio)RHと垂直開口率(Vertical Aperture Ratio)RVをそれ以下のように定義する。
RH=H/PH (1)
RV=V/PV (2)
いわゆる水平ストリップ状配列とは、ある任意の1本の水平走査線上において、該R、G、Bサブピクセルが水平方向に沿って、しかもR、G、Bの順序で配列し、色を持って分布するストリップ状構造物を構成し、垂直方向においては、同一色のサブピクセルにより、単色のストリップ状構造物を構成する。
【0004】
また、市場には、R、G、Bサブピクセルが垂直ストリップ状配列(Vertical Strip Configuration)であるフラットディスプレースクリーン(図示なし)が存在する。
いわゆる垂直ストリップ状配列とは、ある任意の1本の垂直走査線上において、該R、G、Bサブピクセルが垂直方向に沿って、しかもR、G、Bの順序で配列し、色を持って分布するストリップ状構造物を構成し、水平方向においては、同一色のサブピクセルにより、単色のストリップ状構造物を構成する。
【0005】
通常は、R、G、Bサブピクセルが水平ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンにおいて、その単一サブピクセルのサイズは、PH≦PVの関係を備える。
R、G、Bサブピクセルが垂直ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンにおいて、その単一サブピクセルのサイズは、PH≧PVの関係を備える。
R、G、Bサブピクセルの配列方向にかかわらず、上記した2種のフラットディスプレースクリーンを、市場では、R、G、Bサブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンと略称している。
【0006】
図示と説明を簡易化するため、本発明中では、R、G、Bサブピクセルが水平ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンを例とし、本発明の効果について説明する。
該フラットディスプレースクリーン1を使用し3D画像を表示する時、特許文献1に開示するように(図2〜9参照)、傾斜ストリップ状視差バリアー(Slantwise Strip Parallax Barrier)装置を使用することで、モアレ(Moire)を減少させ、クロストーク(Cross-Talk)を低下させ、三次元画像表示の目的を達成することができる。
【0007】
図2は、従来の4シーン3D合成画像構成の模式図である。
上記の特許文献1では、4シーン3D合成画像(4-View Combined 3D Image)を例とし、その効果について説明している。
該4シーン3D合成画像4は、4個の視差効果を備える単一シーン画像(Single View Image)
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

により、サブピクセルを単位として、
【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

の順序に基づき、最小3D画像ユニット6、7を構成する。
水平方向上に、該最小3D画像ユニット6を繰り返し配列し、該マルチシーン3D合成画像4水平の画像を構成する。
垂直方向上では、該隣接する上、下2列中の該最小3D画像ユニット6、7の配列方式は、サブピクセル1個の幅だけ相互にずらす。
【0008】
図3は、従来の4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
特許文献1に開示する4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー(4-View Slantwise Strip Parallax Barrier)10は、多数の傾斜ストリップ状光透過部品(Transparent Component)11、多数の傾斜ストリップ状遮光部品(Opaque Component)12により構成する。
該傾斜ストリップ状光透過部品11が備える開口幅B4は、以下の式の関係を備える。
B4=PH (3)
該4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー10の傾斜角度θは、以下の式により表される。
tanθ=PH/PV (4)
【0009】
図4は、従来の4シーン3D合成画像表示原理の模式図である。
該フラットディスプレースクリーン1上に表示する4シーン3D合成画像4(すなわち
【数9】

【数10】

【数11】

【数12】

により構成する画像)において、該4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー10は、最適観賞距離(Optimum Viewing Distance)Z0上の多数の最適観賞点(Optimum Viewing Point)P3、P2、P1、P0において、該4シーン3D合成画像4を、それぞれ
【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

の4個の単一シーン画像に分離する。
一般に、視差バリアーの設計においては、該最適観賞点間の距離は、両目間の平均距離(Iinterpupillary Distance、IPDと略称)LEに等しい。
よって、観賞者が、その左右の目15を、それぞれ適当な位置、すなわち(P3、P2)、或いは(P2、P1)、或いは(P1、P0)に置きさえすれば、クロストークのない3D画像を観賞することができる。
言い換えれば、4シーン3D画像の表示においては、(P3、P2)、(P2、P1)、(P1、P0)により構成する3個の最適観賞位置を提供し、観賞者は、クロストークのない3D画像を観賞することができる。
そのため、該4個の最適観賞点P3、P2、P1、P0は、1組の可視区(Viewing Zone)を構成する。
理論上、最適観賞距離Z0上では、無限の組合せの可視区が存在し得るが、ディスプレースクリーン(液晶ディスプレースクリーンなど)と視差バリアー(液晶視差バリアーなど)の光学特性の制限を受け、通常は数組の可視区だけが存在する。
【0010】
図5は、直接性クロストーク現象の模式図である。
上記した4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー10は、より大きい開口率を備えたフラットディスプレースクリーン (サブピクセル幅PH)においては、該傾斜ストリップ状光透過部品11(B4=PHの開口幅を備える)は、同時に、2個のサブピクセルを横に跨ぐため、2個のシーン画像を横に跨ぐ現象を形成する。
そのため、直接的にクロストーク(以下、直接性クロストーク、Direct Cross-Talkと略称)を生じ、こうして高品質の3D画像を表示することはできない。
【0011】
図6は、特許文献1が直接性クロストークを解決する方法の模式図である。
上記した欠点に対して、特許文献1が開示する解決方法は、適度にフラットディスプレースクリーンの開口率を減らす、というものである。
よって、該フラットディスプレースクリーン1において、単一のサブピクセル有効発光サイズをH’× V’に縮小する。
それは、以下の式の関係を備える。
H’=PH×(PV-V’)/PV (5)
式(5)に基づき、該有効発光サイズがH’= PH /2とV’= PV /2である時、直接性クロストークの問題を解決でき、モアレを最小とする要求を満たすことができる。
また、水平開口率RHと垂直口率RVが共に0.5である時、最適の効果を備える。
【0012】
上記したように、特許文献1においては、主に、二つの方法を開示する。
1.傾斜ストリップ状視差バリアー(式(3)、式(4)に表わす構造を備える)である。
2.フラットディスプレースクリーン上サブピクセル水平開口率RHと垂直口率RVを共に0.5とする方法である。
こうして、直接性クロストークとモアレ減少の目的を同時に解決することができる。
【0013】
しかし、現在市場で主流であるフラットディスプレースクリーン(TFT液晶ディスプレースクリーンなど)はみな、サブピクセル開口率を高めることを技術的な目標としており、RH、RVが共に0.5のフラットディスプレースクリーンは、既に存在しない。
たとえ、RH=RV=0.5のフラットディスプレースクリーンを採用したとしても、傾斜ストリップ状光透過部品開口幅がB4=PHである時、モアレの現象を適当に緩和することはできるが、画像の輝度を大幅に低下させてしまい、しかも水平観賞の自由度を大きく引き下げてしまう。
さらに、総シーン数が2以上のマルチシーン3D合成画像の表示において、不連続視差ジャンプ(Discontinuous Parallax Jump)緩和への対策が欠けている。
【0014】
いわゆる水平観賞自由度(Horizontal Viewing Freedom)とは、クロストークのない水平観賞範囲(特許文献2、特許文献3参照)をいう。
すなわち、目が上記した最適観賞点を逸脱した時、クロストーク(Cross-Talk)が見えないという条件において、許される最大逸脱範囲である。
【0015】
図7は、目が左へと偏移した時、視差バリアーとマルチシーン3D合成画像が視角位置に相対して変化する様子を示す模式図である。
両目が最適観賞点にある観賞者(例えば、右目はP0にあり、クロストーク
【数17】

がない画像を観賞することができる)において、観賞者の観賞位置が左へと偏移すると、観賞角度の変化により、観賞されるマルチシーン3D合成画像の変化は、該視差バリアーを右へ動かすと観賞されるマルチシーン3D合成画像と相同である。
よって、矢印16が示すマルチシーン3D合成画像(すなわち、単一サブピクセルの最下端位置)においては、観賞位置が左に偏移すると、視差バリアーが右に傾斜している関係で、直ちにクロストークを生じ、
【数18】

の画像が見えてしまう。
図8、図9では、観賞位置の偏移により発生するクロストークの現象を明確に示している。
【0016】
図8は、観賞位置が移動する前に、右目が観賞したマルチシーン3D合成画像の模式図である。
右目15はP0位置にあり、しかも図7中の矢印16が示す視差バリアーの開口11において、該右目15が観賞した画像21は、シーン
【数19】

の画像だけで、しかもクロストークのない状態を呈する。
【0017】
図9は、観賞位置が左へ移動後に、右目が観賞したマルチシーン3D合成画像の模式図である。
右目15が左へと移動量ΔP0だけ移動すると、該視差バリアーの開口11を通して、該右目15が観賞した画像22は、同時にシーン
【数20】

とシーン
【数21】

の画像を備え、クロストークの現象を形成する。
また、移動前後に観賞された画像21、22においては、実は、画像空間周波数(Imaging Spatial Frequency)の改変により、モアレの現象が発生している。
また、上記した特許文献では、総シーン数が2以上のマルチシーン3D画像の表示において、不連続視差ジャンプ(Discontinuous Parallax Jump)の現象が形成するが、これに対しては一切の解決法を開示していない。
【0018】
図10は、不連続視差ジャンプ現象発生原因の模式図である。
以下は、4シーンを例としてこれを説明する。
実写映像であろうと、或いはアニメーションであろうと、これらを三次元画像とするため、マルチシーン画像を発生させるには、被写体50に対して、4台のビデオカメラ63、62、61、60の光軸(各光軸角度は、Ω3、Ω2、Ω1、Ω0)を、同一点に集中させ、しかも等視角撮影間隔ΔΩiにより、単一シーンの画像
【数22】

【数23】

【数24】

【数25】

を撮影する。
上記した撮影法を、一般に収斂式3D撮影法(Convergent 3D Photography)という。
いわゆる等視角撮影間隔とは、各隣接する光軸間の挟角が、常数であるということである。
すなわち、該等視角撮影間隔ΔΩiは、以下の式により定義される。
【数26】

よって、図4に示すように、4シーン3D合成画像の表示を通して、観賞者に(P3、P2)、 (P2、P1)、 (P1、P0)という3個の最適観賞位置を提供することができる。
該3個の最適観賞位置に位置する観賞者にとっては、異なる視角度を備える3D画像をそれぞれ観賞することができる。
すなわち、(P3、P2)位置では、Ω32視角度を備える3D画像を見ることができ、(P2、P1)位置では、Ω21視角度を備える3D画像を見ることができ、(P1、P0)位置では、Ω10視角度を備える3D画像を見ることができる。
該各視角度Ω32、Ω21、Ω10に対して、等視角観賞間隔ΔΩoを定義でき、以下の式により表示する。
【数27】

いわゆる不連続視差ジャンプの現象とは、該等視角観賞間隔ΔΩoが過大であることで、観賞者が、水平方向でその最適観賞位置を変えると、該被写体50の3D画像は不連続角度の変化により3D画像を表示していることが容易に感じられ、これが観賞において不快感を形成する。
一般は、ΔΩoを減らす手法(すなわち、ΔΩiを減らし、これにより視差効果を弱める)は、不連続視差ジャンプの現象を緩和することはできるが、反対に、3D画像のリアリティ(すなわち、立体感)に深刻な影響を及ぼす。
【0019】
上記したように、特許文献1が開示する最も主要な技術(フラットディスプレースクリーン上サブピクセルの開口率低下)は、モアレの現象を適当に緩和することはできるが、1.画像の輝度を大きく低下させ、2.水平観賞自由度を大幅に引き下げ、3.不連続視差ジャンプという欠点が存在する。
また、マルチシーン3D画像の合成については、文字による説明のみで、傾斜ストリップ状視差バリアー基本構造に対しては、誤った設計(B4=PH)を掲示している。
よって、マルチシーン3D画像の合成、傾斜ストリップ状視差バリアーの構造設計において、特許文献1は汎用でき、しかも具体的である方法を提出できておらず、任意のシーン数を備える応用に適用することはできない。
本発明は、従来のマルチシーン三次元画像表示の方法の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第7,317,494B2号明細書
【特許文献2】台灣特許第098128986号明細書
【特許文献3】台灣特許第099107311号明細書
【特許文献4】台灣特許第099134699号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明が解決しようとする課題は、直接性クロストーク現象を解決でき、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとることができ、不連続視差ジャンプの欠陥を改善できるマルチシーン三次元画像表示の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するため、本発明は下記のマルチシーン三次元画像表示の方法を提供する。
マルチシーン三次元画像表示の方法は、主に、サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンと傾斜ストリップ状視差バリアーを利用し、マルチシーン三次元画像の表示を行う時、上記した従来の技術の欠点に対して、サブピクセル開口率を低下させる必要がないという条件で、特許文献2、特許文献3、特許文献4中に開示する理論と技術に基づき、マルチシーン3D画像合成の方法と傾斜ストリップ状視差バリアー構造の設計と最適化の方法を提出し、
こうして直接性クロストーク現象の解決と、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができ、
また、総シーン数が2以上のマルチシーン三次元画像の表示において、倍数マルチシーン3D画像合成と表示の方法を提出し、これにより不連続視差ジャンプの欠陥を改善する目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のマルチシーン三次元画像表示の方法において、本発明が開示するマルチシーン3D画像合成の公式、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜比重の設計、及び倍数マルチシーン3D画像の合成と表示は、R、G、Bサブピクセルが垂直ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーン、及び傾斜柱状レンズアレー(Lenticular Lens Array)に適用し、三次元画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一般のR、G、Bサブピクセルが水平ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンの模式図である。
【図2】従来の4シーン3D合成画像構成の模式図である。
【図3】従来の4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図4】従来の4シーン3D画像表示原理の模式図である。
【図5】直接性クロストーク現象の模式図である。
【図6】公開特許文献の直接性クロストークを解決する方法の模式図である。
【図7】目が左へ偏移すると、視差バリアーとマルチシーン3D合成画像が視角位置に相対して変化する様子を示す模式図である。
【図8】観賞位置の移動前に、右目が観賞したマルチシーン3D合成画像の模式図である。
【図9】観賞位置が左へ移動後に、右目が観賞したマルチシーン3D合成画像の模式図である。
【図10】不連続視差ジャンプ現象発生原因の模式図である。
【図11】本発明第一実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
【図12】本発明第一実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図13】本発明第一実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー最適化構造の模式図である。
【図14】本発明第一実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図15】本発明第一実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図16】左傾斜特徴を備えるマルチシーン3D合成画像と傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図17】本発明第二実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
【図18】本発明第二実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図19】本発明第二実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図20】本発明第二実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図21】本発明第三実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
【図22】本発明第三実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図23】本発明第三実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図24】本発明第三実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図25】本発明第三実施例中において、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜角度構成に関する模式図である。
【図26】本発明第三実施例中において、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜角度構成に関する模式図である。
【図27】本発明第四実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
【図28】本発明第四実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図29】本発明第四実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図30】本発明第四実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図31】本発明第四実施例中において、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜角度構成に関する模式図である。
【図32】本発明第四実施例中において、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜角度構成に関する模式図である。
【図33】収斂式3D撮影法を利用し、n’(=8)個の単一シーンを形成する様子の模式図である。
【図34】平行式3D撮影法を利用し、n’(=8)個の単一シーンを得る様子の模式図である。
【図35】本発明第五実施例中において、使用する倍数マルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
【図36】本発明第五実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
【図37】本発明第五実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【図38】本発明第五実施例中において、倍数マルチシーン3D合成画像表示に関する模式図である。
【図39】本発明第五実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明は以下に、任意のシーン数を備えるマルチシーン3D合成画像の表示に対して記載するが、図示を簡易化し、特許文献1の内容と直接的な差異の比較を行うため、図示は皆、4シーンを例とし本発明の効果について説明する。
【実施例】
【0026】
[第一実施例]
図11は、本発明第一実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
本発明が開示するマルチシーン3D画像合成方法は主に、傾斜ストリップ状視差バリアー構造の特徴に対して、特許文献4中に開示するマルチシーン3D画像合成の汎用公式を適当に利用し、発展させた応用である。
【0027】
総シーン数がn(n≧2)個の単一シーン画像Vkに対して、先ず、該単一シーン画像Vkを以下の通り定義する。
【数28】

内、M、N、i、jは前記の定義の通りで、kは、シーン通し番号数で、しかも0≦k<nである。
【数29】


は、該単一シーン画像Vk中で、(i,j)位置にあるサブピクセル画像データである。
よって、該マルチシーン3D合成画像Σn100は、以下の公式の演算により形成する。
【数30】


内、Λは、シーン通し番号数で、以下の公式の演算により形成する。
【数31】

内、nは、総シーン数で、mは、横方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数で、Qは、縦方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数である。
Δは、横方向位相シフトで、IIは、横方向変位振幅である。
いわゆる横方向、縦方向最小表示ユニットとは、視差バリアー単一光透過部品の開口(後述を参照)を通して、観賞できるシーン画像の最小ユニットである。
m、Q、Δ、IIに関する詳細な定義に関しては、特許文献4を参照されたい。
【0028】
また、intは、整数を求める関数で、Modは、余りを求める関数である。
本実施例中において採用する値は、それぞれn=4、m=2、Q=1、Δ=0、 II=1である。
m=2とは、2個のサブピクセルを単位とし、横方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1ではm=1を採用する)。
Q=1とは、1個のサブピクセルを単位とし、縦方向最小表示ユニットを表示するということである(特許文献1ではQ=1を採用するが、縦方向最小表示ユニット概念に対する記述は一切無い)。
【0029】
図11に示すように、該合成式(9)、式(10)を通して生じたマルチシーン3D合成画像Σnにおいて、そのシーン画像の配列は、右傾斜の特徴を備える。
図12は、本発明第一実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
特許文献4中でも、汎用視差バリアー設計の公式を提供しており、図11に示す右傾斜を備えるマルチシーン3D合成画像Σnに対して、以下に示す式の設計を提供する。
【数32】

【数33】

tanθ = PH/PV (13)
内、BNは、傾斜ストリップ状光透過部品111の開口幅で、
【数34】

は、傾斜ストリップ状遮光部品112の遮蔽幅で、θは、傾斜角度である。
【数35】

は、傾斜ストリップ状視差バリアー110の基本構造PBとなり、水平方向において、該基本構造PBを繰り返し設置すれば、完全な視差バリアーを構成することができる。
また、m、PH、LEは、前記の定義の通りである。
よって、式(11)は、該単一の光透過部品111とm個のサブピクセルにより構成する横方向最小表示ユニット画像の対応関係を表す。
式(12)は、該単一の基本構造PBが周期性の特徴を備えることを表わし、すなわち式(12)により、
【数36】

の関係を得ることができる。
該周期は、総シーン数nにより定義される。
言い換えれば、式(12)に基づき設計される該傾斜ストリップ状視差バリアー110は、nシーンを表示可能な視差バリアーで、しかもその単一の光透過部品の開口は、m個のサブピクセルにより構成するシーン画像を対応して表示することができる。
特許文献1が備える欠点と同様に、図12に示すような設計でも、直接性クロストークの現象が生じる。
一方、特許文献2、特許文献3中に開示する視差バリアー開口部品最適化の方法に基づけば、開口幅を適当に縮減する方法を利用し、直接性クロストーク現象を解決することができ、観賞自由度増加の目的を達成することができる。
【0030】
図13は、本発明第一実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の模式図である。
特許文献3に開示する方法に基づき、上記した構造Bn
【数37】

PB、θを備える傾斜ストリップ状視差バリアー110において、しかも該傾斜ストリップ状視差バリアー110の装置距離はLBであれば、最適観賞距離Z0上の4個の最適観賞点P3、P2、P1、P0において、クロストークを備えない単一シーン画像
【数38】

【数39】

【数40】

【数41】

を観賞することができる。
クロストークの発生を減らすため、先ず、光透過部品111の開口幅Bnを適当な量ΔBだけ縮減する。
これにより、水平観賞自由度ΔXVFを効果的に向上させられる。
両者間の関係は、以下の式により表示する。
【数42】

式(14)に基づき、ΔBの値を高め、水平観賞自由度ΔXVFを改善し、向上させることができる。
反対に、ΔBの値が上がると、輝度は低下する。
両者間においていかにして折衷値を得るかに関しては、特許文献2を参照されたい。
【0031】
図14、15は、本発明第一実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
図14に示すように、前記した直接性クロストーク現象を効果的に解決するため、該開口幅縮減量ΔBは、好ましくはΔB=(1/m)Bnである。
内、mの値は上記したように、m=2である。
該光透過部品111傾斜の特性を備えるため、単一サブピクセル上端117と下端116に位置する光透過部品開口にとっては、式(14)に基づけば、上、下両端は、同様のΔXVFを備えるが、その遮蔽効果は、対称ではない。
すなわち、観賞位置が左に移動すると、上端117に位置する光透過部品は、左に0.5LEの観賞自由度を備え、下端116に位置する光透過部品は、隣り合ったシーン画像
【数43】

に迅速に進入し、クロストークの状態を呈する。
反対に、観賞位置が右に移動すると、上記した関係により、反対の現象を呈する。
よって、左右観賞自由度非対称の現象のバランスをとるため、図15に示すように、該開口幅縮減量ΔBをΔB=(3/4)Bnまで増加させる。
そのため、開口幅縮減量ΔBの値をΔB≧(1/m)Bnとすることで初めて、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができる。
【0032】
また、図16は、左傾斜特徴を備えるマルチシーン3D合成画像と傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
特許文献4中では、別種の左傾斜特徴を備えるマルチシーン3D合成画像と傾斜ストリップ状視差バリアー構造を開示している。
内、該マルチシーン3D合成画像101、該光透過部品121、該遮光部品122は皆、左から右へ傾斜する幾何特徴を備える。
合成画像の構造を明確に表示するため、該遮光部品122は、透明の方式により図示している。
左右傾斜の合成画像と傾斜ストリップ状視差バリアーの構造において、両者間には、水平フリップの関係が存在するため、同様の特性を備える。
よって、以下の実施例では、これ以上の図示による説明は行わない。
【0033】
[第二実施例]
図17は、本発明第二実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
該マルチシーン3D合成画像200は、同様に、式(10)の演算を通して生じ、内、n=4、m=3、Q=1、Δ=0、II=1である。
m=3とは、3個のサブピクセルを単位とし、横方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1ではm=1を採用)。
Q=1とは、1個のサブピクセルを単位とし、縦方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1ではQ=1を採用するが、縦方向最小表示ユニット概念に関する記述は一切無い)。
【0034】
図18は、本発明第二実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
該傾斜ストリップ状視差バリアー(光透過部品211のみ図示)は、同様に、式(11)〜(13)により設計されて形成され、内、n=4、m=3である。
【0035】
図19〜20は、本発明第二実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
第一実施例中に記載したように、該光透過部品211開口幅縮減の方法においては、図19に示すように、該開口幅縮減量をΔB=(1/m)Bnとする。
内、m=3で、直接性クロストーク現象解決の目的を達成することができる。
また、図20に示すように、該開口幅縮減量をΔB=(2/3)Bnとすれば、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとることができる。
よって、開口幅縮減量ΔBの値をΔB≧(1/m)Bnとすることで初めて、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を、同時に達成することができる。
【0036】
[第三実施例]
図21は、本発明第三実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
該マルチシーン3D合成画像300は、同様に、式(10)の演算を通して形成され、内、各相関パラメーター値は、n=4、m=2、Q=2、Δ=0、II=1である。
m=2とは、2個のサブピクセルを単位とし、横方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1では、m=1を採用)。
Q=2とは、2個のサブピクセルを単位とし、縦方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1では、Q=1を採用するが、縦方向最小表示ユニット概念に関する記述は一切無い)。
【0037】
図22は、本発明第三実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
該傾斜ストリップ状視差バリアー(光透過部品311のみ図示)は、以下の公式を通して設計され、形成される。

【数44】

【数45】

Tanθ = PH/(Q’PV) (17)
内、n、mは、前記した定義と設定の値(すなわち、n=4、m=2)で、Q’は、傾斜比重(Slant Weight)で、該傾斜ストリップ状視差バリアーの、縱方向と横方向における、その開口部品が越えるサブピクセル個数の比率を定義する。
その値は、Q’=2(よって、上記した第一、二実施例のQ’の値は、Q’=1)である。
ここにおいて、傾斜角度θは、式(17)により定義され、特許文献1中で定義する傾斜角度とは完全に異なる。
【0038】
図23、24は、本発明第三実施例中において、使用する光透過部品開口幅可能縮減量の模式図である。
第一実施例中に記載したように、該光透過部品311開口幅縮減の方法においては、図23に示すように、該開口幅縮減量はΔB=(1/m)Bnで、内、m=2であり、直接性クロストーク現象解決の目的を達成することができる。
さらに、図24に示すように、該開口幅縮減量はΔB=(3/4)Bnで、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとることができる。
よって、開口幅縮減量ΔBの値をΔB≧(1/m)Bnとすることで初めて、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を、同時に達成することができる。
また、式(17)に基づき、異なる傾斜角度を備える傾斜ストリップ状視差バリアー構造を設計し、すなわちQ’の値をQ’>2とする。
【0039】
図25、26は、本発明第三実施例中において、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜角度構成に関する模式図である。
図25に示すように、該傾斜ストリップ状視差バリアーの傾斜角度θにおいて、Q’=3である時得られる傾斜角度は、θ= tan-1[ PH/(3PV)]である。
図26に示すように、該傾斜ストリップ状視差バリアーの傾斜角度θにおいて、Q’=4である時得られる傾斜角度は、θ= tan-1[ PH/(4PV)]である。
さらに、Q’>2の傾斜ストリップ状視差バリアーにおいて、それに属する光透過部品開口幅可能の縮減量(図示なし)は、上記した図23、24に示す開口幅縮減の処理により、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができる。
【0040】
[第四実施例]
図27は、本発明第四実施例中において、使用するマルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
該マルチシーン3D合成画像400は、同様に、式(10)の演算を通して形成され、内、各相関パラメーター値は、n=4、m=3、Q=2、Δ=0、II=1である。
m=3とは、3個のサブピクセルを単位とし、横方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1では、m=1を採用)。
Q=2とは、2個のサブピクセルを単位とし、縦方向最小表示ユニットを構成するということである(特許文献1では、Q=1を採用するが、縦方向最小表示ユニット概念に関する記述は一切無い)。
【0041】
図28は、本発明第四実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
該傾斜ストリップ状視差バリアー(光透過部品411のみ図示)は、第三実施例に記載したように、式(15)〜(17)を通して設計されて形成される。
内、n=4、m=3、Q’=2である。
ここにおいて、傾斜角度θは、式(17)により定義され、特許文献1中で定義する傾斜角度とは完全に異なる。
【0042】
図29、30は、本発明第四実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
第二実施例に記載したように、該光透過部品411開口幅縮減の方法において、図29に示すように、該開口幅縮減量はΔB=(1/m)Bnで、内、m=3であり、直接性クロストーク現象解決の目的を達成することができる。
また、図30に示すように、該開口幅縮減量をΔB=(2/3)Bnとすれば、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとることができる。
よって、開口幅縮減量ΔBの値をΔB≧(1/m)Bnとすることで初めて、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を、同時に達成することができる。
【0043】
さらに、第三実施例に記載したように、式(17)に基づき、異なる傾斜角度を備える傾斜ストリップ状視差バリアー構造を設計することができる。
図31、32は、本発明第四実施例中において、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜角度構成に関する模式図である。
ここでは、Q’の値をQ’>2とすることができる。
図31に示すように、該傾斜ストリップ状視差バリアーの傾斜角度θにおいて、Q’=3である時得られる傾斜角度は、θ= tan-1[ PH/(3PV)]である。
図32に示すように、該傾斜ストリップ状視差バリアーの傾斜角度θにおいて、Q’=4である時得られる傾斜角度は、θ= tan-1[ PH/(4PV)]である。
また、Q’>2である傾斜ストリップ状視差バリアーにおいて、それに属する光透過部品開口幅可能の縮減量(図示なし)は、図29、30に示す開口幅縮減の処理により、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができる。
【0044】
上記したように、総シーン数nが2以上である任意の多数の単一シーン画像において、サブピクセルが水平ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンと傾斜ストリップ状視差バリアーの使用を通して、マルチシーン3D画像を表示する時、マルチシーン3D画像の合成と傾斜ストリップ状視差バリアー構造の設計と最適化に対しては、上記した本発明の実施例に基づき、下記のような一般則を導き出すことができる。
そしてこれにより、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を同時に達成することができる。
【0045】
マルチシーン3D画像合成の方法に関して、本発明は式(9)、(10)を使用し、総シーン数がn≧2である多数の単一シーン画像に対して、マルチシーン3D画像の合成を行う。
さらに、傾斜ストリップ状視差バリアー構造の設計に関して、本発明は式(15)〜(17)を使用し、傾斜ストリップ状視差バリアーの構造を設計する。
式 (10)、(15) 、(16)、(17)中の各パラメーターの値は、m≧2、Q≧1、Δ=0、II=1、Q’≧1に設定する。
好ましくは、第一実施例中で使用するパラメーターのように、m=2、Q=1、Δ=0、II=1、Q’=1とすることができる。
好ましくは、第二実施例中で使用するパラメーターのように、m=3、Q=1、Δ=0、II=1、Q’=1とすることができる。
好ましくは、第三実施例中で使用するパラメーターのように、m=2、Q=2、Δ=0、II=1、Q’≧2とすることができる。
好ましくは、第四実施例中で使用するパラメーターのように、m=3、Q=2、Δ=0、II=1、Q’≧2とすることができる。
また、光透過部品開口幅に対しては、開口幅縮減量ΔBの値をΔB≧(1/m)Bnとすれば、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を、同時に達成することができる。
【0046】
最後に、不連続視差ジャンプという欠陥の改善に対して、本発明は、倍数マルチシーン3D画像合成と表示の方法を提出する。
以下に、第五実施例を通じてこれを説明する。
本発明が開示する倍数マルチシーン3D画像合成の方法の主要な特徴は、既存の傾斜ストリップ状視差バリアーの構造において、倍数マルチシーン3D合成画像(Multiple Multi-View Combined 3D Image)を表示するというものである。
いわゆる倍数マルチシーン3D合成画像とは、先ず、n’(=m×n)個の単一シーン画像を形成後(以下では、n’を倍数総シーン数と呼ぶ)、次に、式(10)を利用し、該n’個の単一シーン画像に対して、マルチシーン画像合成の処理を行い、こうして倍数マルチシーン3D合成画像を合成して形成することができる。
【0047】
図33は、収斂式3D撮影法を利用し、n’(=8)個の単一シーンを得る様子の模式図である。
図10に示す単一シーンの取得に比べ、図33でも同様に、収斂式3D撮影法を利用するが、8台のビデオカメラ60、61、62、63、60’、61’、62’、63’を利用し、等視角撮影間隔ΔΩi’で、しかもΔΩi’=ΔΩi/2≠0の関係により、n’(=m×n=2×4=8)個の単一シーン画像
【数46】

【数47】

【数48】

【数49】

【数50】

【数51】

【数52】

【数53】

を得る。
すなわち、n’(=m×n=2×4=8)個の単一シーン画像の形成は、もともと隣り合った単一シーン画像
【数54】

【数55】

【数56】

【数57】

の間に、4個の単一シーン画像
【数58】

【数59】

【数60】

【数61】

を挿入し、ΔΩi’を弱める目的を達成する。
【0048】
さらに、収斂式3D撮影法に比べ、平行式3D撮影法(Parallel 3D Photography)を利用することもでき、これにより該n’(=8)個の単一シーン画像を得ることができる。
図34は、平行式3D撮影法を利用し、n’(=8)個の単一シーンを得る様子の模式図である。
多数のビデオカメラ60、61、62、63、60’、61’、62’、63’の設置を簡単にするため、該すべてのビデオカメラを、平行光軸の方式とし、該n’(=8)個の単一シーン画像
【数62】

【数63】

【数64】

【数65】

【数66】

【数67】

【数68】

【数69】

を取得する。
そのため、該等視角撮影間隔ΔΩi’は、ΔΩi’=0と定義される。
収斂式3D撮影法に比べ、該平行式3D撮影法は、設置工程が簡単であるという利点の他に、被写体の前後のシーンや物体(図示なし)に対して、強烈過ぎる視差効果を形成することがないため、比較的柔和な方式で3D画像を表示する目的を達成することができる。
【0049】
[第五実施例]
基本的に、第五実施例は、第一実施例とおおよそ相同であるが、第一実施例を発展させて応用したものである。
特に、総シーン数nが2以上のマルチシーン画像の表示においては、第五実施例は、不連続視差ジャンプの欠点を改善することができる。
図35は、本発明第五実施例中において、使用する倍数マルチシーン3D合成画像構成の模式図である。
先ず、該n’個の単一シーン画像Vkを、以下の式のように定義する。
【数70】

内、M、N、i、j、
【数71】

kは前記の定義の通りで、しかも0≦k内、
【数73】

は、シーン通し番号数で、以下の公式の演算により形成する。
【数74】

内、n’= m×n=8、n=4、m=2、Q=1、Δ=0、II=1である。
【0050】
図36は、本発明第五実施例中において、使用する傾斜ストリップ状視差バリアー構造の模式図である。
該傾斜ストリップ状視差バリアー110は、式(15)〜(17)により設計されて形成される。
Bn
【数75】

θは、前記の定義の通りである。
内、n=4、m=2、Q’=1である。
すなわち、本実施例中で用いる傾斜ストリップ状視差バリアーは、第一実施例中で用いる傾斜ストリップ状視差バリアーと、完全に相同の構造を備え、共にn=4の視差バリアーを表示する。
【0051】
図37は、本発明第五実施例中において、光透過部品開口幅の可能縮減量に関する模式図である。
該開口幅縮減量は、以下の式により表される。
ΔB=[(m-1)/m]Bn (21)
内、m=2で、よって、ΔB=Bn/2を得ることができる。
こうして、該倍数マルチシーン3D合成画像500表示の目的を達成することができる。
また、式(21)は、本発明の他の実施例にも適用可能で、m=3の傾斜ストリップ状視差バリアーにおいては、第二、四実施例に示すように、その光透過部品口幅縮減量は、ΔB=(2Bn)/3である。
【0052】
図38は、本発明第五実施例中において、倍数マルチシーン3D合成画像表示に関する模式図である。
図37に示すように、開口幅が既にΔB=[(m-1)/m]Bn(如ΔB=Bn/2)に縮減された光透過部品111において、最適観賞距離Z0上の最適観賞点P3’、P3、P2’、P2、P1’、P1、P0’、P0は、該倍数マルチシーン3D合成画像500に対して、シーン分離の作用を行うことができる。
これにより、該最適観賞点において、クロストークを備えない単一シーン画像
【数76】

【数77】

【数78】

【数79】

【数80】

【数81】

【数82】

【数83】

をそれぞれ観賞することができる。
別に、該隣接する2個の最適観賞点間の距離は、LE/m,m=2である。
そのため、観賞者は、最適観賞距離Z0上において、
【数84】

【数85】

【数86】

【数87】

【数88】

【数89】

等6組の3D画像を観賞することができる。
観賞者がその最適観賞位置を変えると、感じられる不連続視差ジャンプは、第一実施例のΔΩiからΔΩi’まで弱まる。
よって、不連続視差ジャンプの欠点を改善することができる。
理論的には、mが無限大に等しい時、不連続視差ジャンプの現象を完全に解決することができる。
【0053】
図39は、本発明第五実施例中において、光透過部品開口幅の別種の縮減量の模式図である。
該開口幅縮減量ΔBは、適度に増加させることができ、例えば、ΔB=(3/4)Bnにでき、或いはΔB>(3/4)Bn。などさらに多くに増加させることができる。
こうして、直接性クロストーク解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を達成することができる。
よって、開口幅縮減量ΔBの値をΔB≧[(m-1)/m]Bnとすることで初めて、不連続視差ジャンプの欠陥を改善し、直接性クロストーク現象を解決し、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を、同時に達成することができる。
【0054】
上記したように、総シーン数nが2以上のマルチシーン画像の表示において、不連続視差ジャンプの欠点を改善するため、本発明が提出する解決方法は、主に、n個のシーン用傾斜ストリップ状視差バリアーの構造により、n’個の単一シーン画像により構成する倍数マルチシーン3D合成画像を表示するというものである。
内、n’とnの関係は、n’=m×nである。
その実際の実施方法は、該式(19)、(20)を利用し演算し、該倍数マルチシーン3D合成画像を取得する。
最後に、さらに式(21)を運用し、光透過部品開口幅縮減の方法により、該倍数マルチシーン合成画像の目的を達成する。
【0055】
本発明が開示するマルチシーン3D画像合成の公式、傾斜ストリップ状視差バリアー傾斜比重の設計、及び倍数マルチシーン3D画像の合成と表示は、R、G、Bサブピクセルが垂直ストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンに適用し、また傾斜柱状レンズアレー(Lenticular Lens Array)に適用し、三次元画像を表示することができる。
【0056】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0058】
1 フラットディスプレースクリーン
2 各サブピクセル間の黒色間隔
4 4シーン3D合成画像
6、7 最小3D画像ユニット
10 4シーン用傾斜ストリップ状視差バリアー
11、111、211、311、321、331、411、421、431 傾斜ストリップ状光透過部品
12、112 傾斜ストリップ状遮光部品
15 左右の目
16 単一サブピクセルの最下端
21、22 右目が観賞した画像
50 被写体
60、61、62、63、60’、61’、62’、63’ ビデオカメラ
100、200、300、400 マルチシーン3D合成画像
101 左傾斜特徴を備えるマルチシーン3D合成画像
110 傾斜ストリップ状視差バリアー
116 単一サブピクセルの最下端
117 単一サブピクセルの最上端
121 左傾斜特徴を備える傾斜ストリップ状光透過部品
122 左傾斜特徴を備える傾斜ストリップ状遮光部品
500 倍数マルチシーン3D合成画像
X、Y、Z 座標軸方向
N ディスプレースクリーン水平方向サブピクセルの総数
M ディスプレースクリーン垂直方向サブピクセルの総数
j、i 単一のサブピクセルの水平と垂直位置通し番号
PH サブピクセルの水平幅
PV サブピクセルの垂直高度
H×V、 H’× V’ 単一のサブピクセル有効発光サイズ
RH 水平開口率
RV 垂直開口率
【数90】

【数91】

【数92】

【数93】

【数94】

【数95】

【数96】

【数97】

視差効果を備える単一シーン画像
B4、Bn 光透過部品の開口幅
【数98】

遮光部品の遮蔽幅
ΔB 光透過部品開口幅の縮減量
ΔXVF 水平観賞自由度
PB 傾斜ストリップ状視差バリアーの基本構造
θ 傾斜ストリップ状視差バリアーの傾斜角度
Z0 最適観賞距離
LB 傾斜ストリップ状視差バリアーの装置距離
P3、P2、P1、P0、P3’、P2’、P1’、P0’ 最適観賞点
ΔP0 観賞位置の逸脱量
LE 両目間の平均距離
Ω3、Ω2、Ω1、Ω0 ビデオカメラの光軸角度
ΔΩi、ΔΩi’ 等視角撮影間隔
Ω32、Ω21、Ω10 3D画像の視角度
ΔΩo 等視角観賞間隔
n 総シーン数
n’倍数総シーン数
Vk 単一シーン画像
k、Λ シーン通し番号数
【数99】

シーン通し番号数
【数100】

画像中(i,j)位置にあるサブピクセル画像データ
Vk 画像中(i,j)位置にあるサブピクセル画像データ
Σn マルチシーン3D合成画像
Σn’ 倍数マルチシーン3D合成画像
m 横方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数
Q 縦方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数
Δ 横方向位相シフト
II 横方向変位振幅
Q’ 傾斜比重
int 整数を求める関数
Mod 余りを求める関数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチシーン三次元画像表示の方法は、サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーン、n個の単一シーン画像Vk、マルチシーン3D合成画像Σn、マルチシーン3D画像合成の方法、傾斜ストリップ状視差バリアー、傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計の方法、傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の方法を備え、
該サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンは、マルチシーン3D合成画像Σnの表示に用いられ、該スクリーンは、NxM個のR、G、Bサブピクセルにより構成され、内、Nは、該スクリーン水平方向サブピクセルを構成する総数で、Mは、該スクリーン垂直方向サブピクセルを構成する総数で、j、iは、各単一のサブピクセル水平及び垂直位置の通し番号で、しかも該j、iの値は、 0≦j≦N-1、0≦i≦M-1で、該R、G、Bサブピクセルストリップ状配列の特徴を備え、しかも該単一のサブピクセルは、PH×PVのサイズを備え、内、PHは、サブピクセルの水平幅で、PVは、サブピクセルの垂直高度で、
該n個の単一シーン画像Vkにおいて、該隣り合った単一シーン画像間には、等視角撮影間隔の特徴を備え、該各単一シーン画像Vkは、以下の式により表され、
【数1】

内、nは、総シーン数で、nの値は、n≧2で、M、N、i、jは、前記の定義の通りで、kは、シーン通し番号数で、しかも0≦k<nで、
【数2】

は、該単一シーン画像Vk中の(i,j)位置にあるサブピクセル画像データで、
該マルチシーン3D合成画像Σnは、該n個の単一シーン画像により構成され、マルチシーン3D画像合成の方法を通して、該マルチシーン3D合成画像Σnを形成し、該マルチシーン3D合成画像Σnは、以下の式により表され、
【数3】

内、M、N、i、jは前記の定義の通りで、Λは、シーン通し番号数で、しかも0≦Λ<nで、
該マルチシーン3D画像合成の方法は、以下の公式を通して、該シーン通し番号数Λを計算して求め、こうして該マルチシーン3D合成画像Σnを形成し、
【数4】

内、i、j、nは前記の定義の通りで、mは、横方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数で、Qは、縦方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数で、Δは、横方向位相シフトで、IIは、横方向変位振幅で、該式(3)中の各パラメーター値は、m≧2、Q≧1、Δ=0、II=1で、intは、整数を求める関数で、Modは、余りを求める関数で、
該傾斜ストリップ状視差バリアーは、該マルチシーン3D合成画像Σnに対して、最適観賞距離上の多数の最適観賞点において、シーン分離の作用を行い、クロストークのない単一シーン画像をそれぞれ表示し、該隣り合った最適観賞点間の距離は、両目間の平均距離LEに等しく、該傾斜ストリップ状視差バリアーの構造は、多数の傾斜ストリップ状光透過部品と多数の傾斜ストリップ状遮光部品により構成され、傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計の方法を利用し、該光透過部品の開口幅Bn、該遮光部品の遮蔽幅
【数5】

、傾斜角度θを設計して求め、さらに、傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の方法を利用し、開口幅縮減量ΔBを設計して取得し、該光透過部品の開口幅Bnに対して、開口幅縮減量ΔBの縮減を行うことで、直接性クロストーク現象の解決と左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を達成することができ、
該傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計の方法は、以下の公式を通して、該光透過部品の開口幅Bn、該遮光部品の遮蔽幅 、傾斜角度θを計算して求め、
【数6】

【数7】

tanθ = PH/(Q’PV) (6)
内、n、m、PH、PV、LEは前記に定義した通りで、Q’の値は、傾斜比重で、Q’値はQ’≧1で、
該傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の方法は、以下の公式を通して、該開口幅縮減量ΔBを計算して求め、
ΔB≧(1/m)Bn (7)
内、mは前記の定義の通りであることを特徴とするマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項2】
前記式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n≧2、m=2、Q=1、Δ=0、II=1、Q’=1であることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項3】
前記式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n≧2、m=3、Q=1、Δ=0、II=1、Q’=1であることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項4】
前記式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n≧2、m=2、Q=2、Δ=0、II=1、Q’≧2であることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項5】
前記式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n≧2、m=3、Q=2、Δ=0、II=1、Q’≧2であることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項6】
前記サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンの R、G、Bサブピクセルの配列は、水平ストリップ状配列であることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項7】
前記サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンの R、G、Bサブピクセルの配列は、垂直ストリップ状配列であることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項8】
前記マルチシーン3D合成画像と該傾斜ストリップ状視差バリアー構造には、水平フリップの処理を施し、異なった傾斜を備える幾何特徴を得ることができることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項9】
前記n個の単一シーン画像は、収斂式3D撮影法、或いは平行式3D撮影法を通して、取得できることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項10】
前記フラットディスプレースクリーンは液晶ディスプレースクリーン、プラズマディスプレースクリーン、或いはOLEDスクリーンにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項11】
マルチシーン三次元画像表示の方法は、サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーン、n’個の単一シーン画像Vk、マルチシーン3D合成画像Σn’、マルチシーン3D画像合成の方法、傾斜ストリップ状視差バリアー、傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計の方法、傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の方法を備え、
該サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンは、マルチシーン3D合成画像Σn’の表示に用い、該スクリーンは、NxM個のR、G、Bサブピクセルにより構成され、内、Nは、該スクリーン水平方向サブピクセルを構成する総数で、Mは、該スクリーン垂直方向サブピクセルを構成する総数で、j、iは、各単一のサブピクセル水平及び垂直位置の通し番号で、しかもj、iの値は、 0≦j≦N-1、0≦i≦M-1で、また、該R、G、Bサブピクセルストリップ状配列の特徴を備え、しかも該単一のサブピクセルはPH×PVのサイズを備え、内、PHは、サブピクセルの水平幅で、PVは、サブピクセルの垂直高度で、
該n’個の単一シーン画像Vkは、該隣り合った単一シーン画像間に、等視角撮影間隔の特徴を備え、さらに、該各単一シーン画像Vkは、以下の式により表され、
【数8】

内、n’は、倍数総シーン数で、n’の値は、以下の式により表され、
n’ = m×n (9)
内、nは、総シーン数で、しかもn>2で、mは、横方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数で、しかもm≧2で、また、M、N、i、jは前記の定義の通りで、kは、シーン通し番号数で、しかも0≦kは、該単一シーン画像Vk中の(i,j)位置にあるサブピクセル画像データで、
該マルチシーン3D合成画像Σn’は、該n’個の単一シーン画像により構成され、マルチシーン3D画像合成の方法を通して、該マルチシーン3D合成画像Σn’を形成し、さらに、該マルチシーン3D合成画像Σn’は、以下の式により表され、
【数10】

内、M、N、i、jは前記の定義の通りで、
【数11】

は、シーン通し番号数で、しかも
【数12】

で、
該マルチシーン3D画像合成の方法は、以下の公式を通して、該シーン通し番号数Γを計算して求め、該マルチシーン3D合成画像Σn’を形成し、
【数13】

内、i、j、n’は前記の定義の通りで、Qは、縦方向最小表示ユニットサブピクセル構成の数で、Δは、横方向位相シフトで、は、横方向変位振幅で、該式(11)中の各パラメーター値は、Q≧1、Δ=0、II=1で、また、intは、整数を求める関数で、Modは、余りを求める関数で、
該傾斜ストリップ状視差バリアーは、該マルチシーン3D合成画像Σn’に対して、最適観賞距離上の多数の最適観賞点において、シーン分離の作用を行い、クロストークのない単一シーン画像をそれぞれ表示し、該隣り合った最適観賞点間の距離は、LE/mに等しく、内、LEは両目間の平均距離で、mは前記の定義の通りで、さらに、該傾斜ストリップ状視差バリアーの構造は、多数の傾斜ストリップ状光透過部品と多数の傾斜ストリップ状遮光部品により構成され、傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計の方法を利用し、該光透過部品の開口幅Bn、該遮光部品の遮蔽幅
【数14】

傾斜角度θを設計して取得し、また、傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の方法を利用し、開口幅縮減量ΔBを設計して取得し、該光透過部品の開口幅Bnに対して、開口幅縮減量ΔBの縮減を行うことで、不連続視差ジャンプの欠陥を改善し、直接性クロストーク現象を解決し、左右観賞自由度非対称現象のバランスをとるという目的を達成することができ、
該傾斜ストリップ状視差バリアー構造設計の方法は、以下の公式を通して、該光透過部品の開口幅Bn、該遮光部品の遮蔽幅
【数15】

傾斜角度θを設計して取得し、
【数16】

【数17】

tanθ = PH/(Q’PV) (14)
内、n、m、PH、PV、LEは前記した定義の通りで、Q’は、傾斜比重で、Q’の値はQ’≧1で、
該傾斜ストリップ状視差バリアー構造最適化の方法は、以下の公式を通して、該開口幅縮減量ΔBを計算して取得し、
ΔB≧[(m-1)/m]Bn (15)
内、mは前記した定義の通りであることを特徴とするマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項12】
前記式(9)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n>2、m=2、Q=1、Δ=0、II=1、Q’=1であることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項13】
前記式(9)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n>2、m=3、Q=1、Δ=0、II=1、Q’=1であることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項14】
前記式(9)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n>2、m=2、Q=2、Δ=0、II=1、Q’≧2であることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項15】
前記式(9)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)中の各パラメーターの値は、好ましくは、n>2、m=3、Q=2、Δ=0、II=1、Q’≧2であることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項16】
前記サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンの R、G、Bサブピクセルの配列は、水平ストリップ状配列であることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項17】
前記サブピクセルがストリップ状配列であるフラットディスプレースクリーンの R、G、Bサブピクセルの配列は、垂直ストリップ状配列であることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項18】
前記マルチシーン3D合成画像と該傾斜ストリップ状視差バリアー構造には、水平フリップの処理を施し、異なった傾斜を備える幾何特徴を得ることができることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項19】
前記n’個の単一シーン画像は、収斂式3D撮影法、或いは平行式3D撮影法を通して、取得できることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。
【請求項20】
前記フラットディスプレースクリーンは液晶ディスプレースクリーン、プラズマディスプレースクリーン、或いはOLEDスクリーンにより構成されることを特徴とする請求項11に記載のマルチシーン三次元画像表示の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2012−230381(P2012−230381A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−99018(P2012−99018)
【出願日】平成24年4月24日(2012.4.24)
【出願人】(508232633)原創奈米科技股▲ふん▼有限公司 (9)
【Fターム(参考)】