説明

マルチバンド逆L字状アンテナ

アンテナ100は、第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは、第1周波数帯域及び第2周波数帯域における信号を送信及び受信するように構成されている。第1遅延線対612が第1アンテナ・エレメントに接続され、第2遅延線対が第2アンテナ・エレメントに接続されている。第1遅延線対612及び第2遅延線対における第1遅延線が、第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに接続されている電気信号310を移相させて、アンテナの第1インピーダンスが第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように構成されている。第1遅延線対及び第2遅延線対における第2遅延線が、第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、マルチバンド・アンテナに関し、更に特定すれば、グローバル(汎地球)衛星測地システムにおいて用いるためのマルチバンド逆L字状アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
グローバル測地システム(GPS)のようなグローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)における受信機は、衛星がブロードキャストする見通し線信号に基づく距離(range)測定値を用いる。受信機は、ブロードキャスト信号の内1つ以上の到達時間を測定する。この到達時間測定値は、疑似距離(pseudo-range)と呼ばれる信号の粗捕獲符号化部分に基づく時間測定値と、位相測定値とを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
GPSでは、衛星がブロードキャストする信号が有する周波数は、L1帯域(1565〜1585MHz)、L2帯域(1217〜1237MHz)、L5帯域(1164〜1189MHz)、及びL帯域通信(1520〜1560MHz)を含む、1又は数個の周波数帯域の中にある。他のGNSSも同様の周波数帯域において信号をブロードキャストする。ブロードキャストされた信号の1つ以上を受信するために、GNSSにおける受信機は、衛星がブロードキャストする信号の周波数帯域に対応する多数のアンテナを有することが多い。多数のアンテナ、及び関係するフロント・エンド電子回路のために、GNSSの受信機が更に複雑となり、コストが高くなる。加えて、互いに対して物理的に変位する多数のアンテナを使用することによって、距離測定値の精度が低下し、したがって受信機が解明する位置判明(fix)も低下する虞れがある。
【0004】
したがって、既存のアンテナに伴う問題に取り組むために、GNSSにおいて受信機に用いるためのアンテナを改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マルチバンド・アンテナの実施形態について説明する。幾つかの実施形態では、アンテナが第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは、第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信するように構成されている。第2周波数帯域における周波数が第1周波数帯域における周波数よりも高い。直列に接続されている第1遅延線対が第1アンテナ・エレメントに接続されており、また、直列に接続されている第2遅延線対が第2アンテナ・エレメントに接続されている。第1遅延線対及び第2遅延線対における第1遅延線は、第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに接続されている電気信号を移相させて、アンテナの第1インピーダンスが第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように構成されている。第1遅延線対及び第2遅延線対における第2遅延線は、第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように構成されている。
実施形態の一例では、第2インピーダンスは50Ω、又はほぼ50Ωである。
【0006】
アンテナは、第1アンテナ・エレメントに接続されている第1共振回路、及び第2アンテナ・エレメントに接続されている第2共振回路を含んでもよい。第1共振回路及び第2共振回路は各々、第2周波数帯域において所定の値よりも大きいインピーダンスを有し、第1周波数帯域に対応する電気信号が第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに双方向に接続され、第2周波数帯域に対応する電気信号がほぼ第1アンテナ・エレメントの一部及び第2アンテナ・エレメントの一部に双方向に接続されるように構成されている。
【0007】
第2周波数帯域における中心周波数は、第1周波数帯域における中心周波数の5/4倍とするとよい。あるいは、第2周波数帯域における中心周波数は、第1周波数帯域における中心周波数の1.29倍としてもよい。
第1遅延線対及び第2遅延線対における第2遅延線のインピーダンスは、実質的に第1インピーダンスと第2インピーダンスとの幾何学的平均とするとよい。
第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは、アンテナの第1軸にほぼ沿って配列するとよい。
第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは各々、アンテナの第1軸に実質的に沿って配列するとよい。単極は、プリント回路ボード上に堆積した金属層を含むこともできる。プリント回路ボードは、マイクロ波用途に適しているとよい。第1アンテナ及び第2アンテナは、各々、逆L字状アンテナである。
【0008】
実施形態の中には、単極が、接地面を含む平面に対して実質的に平行な平面内にある場合がある。実施形態の中には、単極が、接地面を含む平面に対して実質的に垂直な平面内にある場合もある。
実施形態の中には、アンテナが更に、第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントを含む場合もある。第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントは、第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信するように構成されている。第3遅延線対が第3アンテナ・エレメントに接続されており、第4遅延線対が第4アンテナ・エレメントに接続されている。第3遅延線対及び第4遅延線対における第3遅延線は、第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントに接続されている電気信号を移相させて、アンテナの第1インピーダンスが第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように構成されている。第3遅延線対及び第4遅延線対における第4遅延線が、第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように構成されている。
【0009】
アンテナは、第3アンテナ・エレメントに接続されている第3共振回路、及び第4アンテナ・エレメントに接続されている第4共振回路を含んでもよい。第3共振回路及び第4共振回路は、各々、第2周波数帯域において所定の値よりも大きいインピーダンスを有し、第1周波数帯域に対応する電気信号が第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントに双方向に接続され、第2周波数帯域に対応する電気信号が実質的に第3アンテナ・エレメントの一部及び第4アンテナ・エレメントの一部に双方向に接続されるように構成されている。
第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントは、アンテナの第2軸に実質的に沿って配列されているとよい。第1軸及び第2軸は、互いから実質的に90゜回転しているとよい。
【0010】
実施形態の中には、第1アンテナ・エレメント、第2アンテナ・エレメント、第3アンテナ・エレメント、及び第4アンテナ・エレメントに、フィード・ネットワーク回路を接続する場合もある。フィード・ネットワーク回路は、アンテナへの放射又はアンテナからの放射が円偏波となるように、アンテナ・エレメントに双方向に接続される電気信号を移相するように構成されている。アンテナへの円偏波放射又はアンテナからの円偏波放射は、右円偏波又は左円偏波でもよい。フィード・ネットワーク回路は、アンテナにおいて隣接するアンテナ・エレメントに接続される電気信号をほぼ90゜移相させるように構成するとよい。
【0011】
マルチバンド・アンテナの実施形態は、既存のアンテナに伴う前述の問題を少なくとも部分的に克服する。
本発明のその他の目的及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付した特許請求の範囲を図面と合わせて検討することにより、一層容易に明らかとなるであろう。
同様の参照番号は、図面の様々な図全体を通じて、対応する部分を示すものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
これより、本発明の実施形態について詳細に検討するが、その例を添付図面に示す。以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解が得られるようにするために、多数の具体的な詳細を明記する。しかしながら、本発明はこれらの具体的な詳細がなくても、実用化可能であることは、当業者には明白であろう。他方で、周知の方法、手順、構成要素、及び回路については、本発明の態様を不必要に曖昧にしないようにするために、詳細に説明していない。
【0013】
マルチバンド・アンテナがカバーする周波数範囲は、既存の単独アンテナを用いた場合にはカバーし切れない程に離れている場合もある。実施形態の一例では、マルチバンド・アンテナは、L1帯域(1565〜1585MHz)、L2帯域(1217〜1237MHz)、L5帯域(1164〜1189MHz)、及びL帯域通信(1520〜1560MHz)において信号を送信又は受信するために用いられる。これら4つのL帯域は、2つの別個の周波数帯域、即ち、約1164〜約1237MHzまでの範囲に及ぶ第1周波数帯域と、約1520〜1585MHzまでの範囲に及ぶ第2周波数帯域として扱うことにする。これら2つの帯域の大凡の中心周波数は、1200MHz(f)及び1552MHz(f)に位置する。これらの特定的な周波数及び周波数帯域は、一例に過ぎず、別の実施形態では、他の周波数及び周波数帯域を用いてもよい。
【0014】
また、マルチバンド・アンテナは、第1及び第2周波数帯域において実質的に一定のインピーダンス(場合によっては、共通(コモン)インピーダンスと呼ぶこともある)を有するように構成されている。これらの特性により、GPSのようなGNSSにおける受信機は、多数の周波数帯域において信号を受信するために用いるアンテナを減らすことができ、又は1本だけ用いればよい場合もある。
【0015】
GPS用マルチバンド・アンテナの実施形態は、以下に続く論述において代表的な例として用いられるが、マルチバンド・アンテナは、ワイヤレス通信、セルラ・テレフォニ、及びその他のGNSSを含む種々の用途において適用可能であることは言うまでもない。マルチバンド・アンテナの実施形態は、対象となる2つの周波数帯域における位相関係を利用するが、記載する技法は、異なる周波数範囲において用いるための種々のアンテナ形式及び設計にも広く適用することができる。
【0016】
これより、マルチバンド・アンテナの実施形態を説明する。図1A及び図1Bは、マルチバンド・アンテナ100の一実施形態の側面図及び上面図を示すブロック図である。アンテナ100は、接地面110、及び2つの逆L字状エレメント112を含む。逆L字状エレメント112は、アンテナ100の第1軸にほぼ沿って配列されている。電気信号130は、信号線122により逆L字状エレメントに双方向に接続されている。実施形態の中には、信号線122が同軸ケーブルであり、接地面110がマイクロ波用途に適した金属層(例えば、プリント回路基板内又は上にある)である場合もある。
【0017】
逆L字状エレメント122の各々は、2つのセグメント126、127を有する。第1エレメント126(例えば、逆L字状エレメント112−1の126−1)は、長さがL+Lであり、第2セグメント127は、長さがLである(接地面110に投影した場合)。各逆L字状エレメント122の第1及び第2セグメント126、127は、タンク回路124(例えば、逆L字状エレメント122−1のタンク回路124−1)によって互いに電気的に分離されている。
【0018】
第1周波数帯域では、タンク回路124は、インピーダンスが低く、したがって、電気信号130を逆L字状エレメント112の双方のセグメントに接続することができる。しかしながら、第2周波数帯域では、タンク回路124のインピーダンスは高く、事実上電気信号130が逆L字状エレメント122の第2セグメント127に達するのを阻止する。別の観点からは、第1周波数帯域における信号に対する各アンテナ・エレメント122−1、122−2の有効長は、L+L+Lとなり、一方第2周波数帯域における信号に対する各アンテナ・エレメント122−1、122−2の有効長は、L+Lとなる。
【0019】
実施形態の一例では、タンク回路124の各実例は、並列なインダクタ及びキャパシタとすればよい。タンク回路124は、共振回路と呼ばれる場合もある。例えば、タンク回路124は、第2周波数帯域における中心周波数fで共振を発生することができる。このように、タンク回路124は、第2周波数帯域における電気信号130に対してトラップとして作用するために用いることもできる。
【0020】
逆L字状エレメント112−1のような、逆L字状エレメント112の各々は、接地面110の上方に位置する単極を有することができる。アンテナ100において、単極は、接地面110を含む平面に対してほぼ平行な平面内にある。単極は、プリント回路ボード上に配置した金属層を用いて実装することができる。単極は、第2周波数帯域において動作するときには、長さL+L(114、116)、厚さ132、幅134を有し、接地面110の上方に長さL120となることができる。先に注記したように、第1周波数帯域において動作するときは、単極の長さはL+L+L(114、116、117)となる。2つの逆L字状エレメント112は、距離L118だけ分離することができる。逆L字状エレメント112−1は、傾斜区間があり、の接地面110に沿って投影した場合の長さはL114となる。この傾斜区間は、アンテナ100の放射パターンを変化させることができる。しかしながら、これはアンテナ100の電気的インピーダンス特性を変更するのではない。
【0021】
実施形態の中には、アンテナ100が追加のコンポーネントを含む場合や、コンポーネントがより少なくてもよい場合もある。2つ以上のコンポーネントの機能を合体してもよい。1つ以上のコンポーネントの位置を変更してもよい。例えば、逆L字状エレメント112の単極は、代わりの幾何学的形状を有してもよい。これを図2A及び図2Bに示す。図2A及び図2Bは、マルチバンド・アンテナ200の一実施形態の側面図及び上面図を示すブロック図である。マルチバンド・アンテナ200は、アンテナ100(図1A及び図1B)と同様であり、アンテナ100(図1A及び図1B)と同様の利得パターン及び電気的インピーダンスを有することができる。アンテナ200では、逆L字状エレメント211の単極は、接地面110を含む面に対して垂直又はほぼ垂直な平面内にある。逆L字状エレメント212−1におけるような、それぞれの単極は、第1周波数帯域において動作するときには長さがL+L+L(214、216、217)となり、第2周波数帯域において動作するときには長さがL+L(214、216)となり、厚さ222、幅224を有し、更に接地面110の上方に長さL220を有する。2つの逆L字状エレメント212は、距離L218だけ分離することができる。また、逆L字状エレメント212−1は、傾斜区間も有し、その長さは、接地面110に沿って投影した場合、L212となる。この傾斜区間により、アンテナ200の放射パターンを変化させることができる。しかしながら、これはアンテナ200の電気的インピーダンス特性を変更するのではない。
【0022】
実施形態の中には、アンテナ200が追加のコンポーネントを含む場合も、コンポーネントがもっと少なくてもよい場合もある。例えば、図2C及び図2Dは、タンク回路124がない実施形態250を示す。逆L字状エレメント212−1は、第1周波数帯域及び第2周波数帯域において動作するときに、固定した長さ、すなわち静止長L+L(214、260)を有する。2つ以上のコンポーネントの機能を合体してもよい。1つ以上のコンポーネントの位置を変更してもよい。
【0023】
他の実施形態では、アンテナ200又はアンテナ100(図1A及び図1B)は、追加の逆L字状エレメントを含んでいる。これを図3A及び図3Bに示す。図3A及び図3Bは、3つの逆L字状エレメント112−1〜112−4を有するマルチバンド・アンテナ300の一実施形態を示すブロック図である。図示しないが、アンテナ200(図2A及び図2B)又はアンテナ250(図2C及び図2D)における逆L字状エレメントの幾何学的形状に対応する4つの逆L字状エレメントを有する実施形態もある。逆L字状エレメント112−1及び112−2は、アンテナ300の第1軸にほぼ沿って配列されている。逆L字状エレメント112−3及び112−4は、アンテナ300の第2軸にほぼ沿って配列されている。第2軸は、第1軸に対してほぼ90゜回転したものと考えればよい。
【0024】
アンテナ300は、逆L字状エレメント112の各々は、図2に示すタンク回路124のような、タンク回路を含まない。実施形態の中には、しかしながら、アンテナ300の逆L字状エレメント112の各々が、別個のタンク回路(図示せず)を含み、各逆L字状エレメント112の第1及び第2セグメントを分離する場合もある。タンク回路は、前述のタンク回路124(図1A及び図1B)と同様の機能を有する。
【0025】
実施形態の中には、アンテナ300が追加のコンポーネントを含む場合や、コンポーネントがより少なくてもよい場合もある。2つ以上のコンポーネントの機能を合体してもよい。1つ以上のコンポーネントの位置を変更してもよい。
【0026】
図4に示すように、フィード・ネットワーク回路400をアンテナ300(図3A及び図3B)に接続し、しかるべく位相を決めた電気信号310を逆L字状エレメント112に供給することができる。180゜ハイブリッド回路412が電気信号410を受け入れて、互いに対して位相がほぼ180゜ずれた2つの電気信号を出力する。これらの電気信号の各々を90゜ハイブリッド回路414の1つに接続する。90゜ハイブリッド回路414は電気信号310を出力する。したがって、電気信号310−1等のそれぞれの電気信号は、隣接する電気信号310に対してほぼ90゜の位相ずれがあると考えることができる。この構成では、フィード・ネットワーク回路400を直交フィード・ネットワークと呼ぶ。電気信号310の位相構成の結果、アンテナ300(図3A及び図3B)は、円偏波放射パターンを有することになる。放射は、右円偏波(RHHCP)又は左円偏波(LHCP)であってもよい。尚、電気信号310の相対的位相ずれが90゜に近づく程、そして電気信号310の振幅が互いに接近する程、アンテナ300(図3A及び図3B)の軸比率(axial ratio)が向上する。
【0027】
実施形態の中には、フィード・ネットワーク回路400が追加のコンポーネントを含む場合や、コンポーネントがより少なくてもよい場合もある。2つ以上のコンポーネントの機能を合体してもよい。1つ以上のコンポーネントの位置を変更してもよい。
【0028】
以下に、マルチバンド・アンテナの例示的実施形態、及び少なくとも2つの対象となる周波数帯域において生ずる位相関係について説明する。説明はアンテナ300(図3A及び図3B)を中心に進めるが、この手法は他のアンテナの実施形態にも適用可能であることは言うまでもない。
【0029】
図3A及び図3Bを参照すると、逆L字状アンテナ112の幾何学的形状は、第1周波数帯域の中心周波数fのような、第1周波数帯域に対応する波長λ(真空での波長)に基づいて決定することができる。(中心周波数fの波長λは、c/fに等しく、ここでcは真空における光速である。)実施形態の中には、接地面110に対して垂直のプリント回路ボードによって、逆L字状エレメント112及び/又は212を支持する場合もある。例えば、逆L字状エレメント112及び/又は212は、接地面110に対して垂直に取り付けたプリント回路ボード上に配置することによって、図1〜図3に示した幾何学的形状を実現することができる。実施形態の一例では、プリント回路ボードの材料は、厚さ0.03インチのRoger 4003であり、これはマイクロ波の用途に適したプリント回路ボード材料である(低損失特性を有し、その誘電係数εは3.38であり、非常に安定している)。図2A〜図2Dを一例として用いると、長さL220は0.08λとなり、長さL218は0.096λとなり、長さL260は0.152λとなり、幅224は0.024λとなり、厚さ222は0.017mmとなる。例えば、中心周波数fが1200MHzである場合、長さL120は約20mmとなり、長さL118は約24mmとなり、単極長LMonopole312は約38mmとなり、L118は約24mmとなり、幅224は約6mmとなる。(実施形態300ではLは0に等しいので、LMonopole312はL+Lに等しい。)この実施形態例では、第2周波数帯域における中心周波数fは第1周波数帯域における中心周波数fの約5/4倍(正確には1.293倍よりもいくらか多い)である。したがって、逆L字状エレメント112の第1セグメント126の長さは約29mmとなるはずであり、第2セグメント127の長さは約9mmとなるはずである。
【0030】
逆L字状エレメントをプリント回路ボードで支持する実施形態では、逆L字状エレメント112及び/又は212の幾何学的形状は、プリント回路ボード又は基板の誘電係数の関数となる。図2C及び図2Dを例として用いると、これらの周波数において動作し、厚さが0.03インチで、誘電係数εである基板を有するアンテナでは、L260、長さL220及び幅224は、更に一般化すると、次のように表すことができる。
=0.152λ(−0.015756ε+1.053256)
=0.008λ(−0.015756ε+1.053256)
幅=0.024λ(−0.015756ε+1.053256)
これよりも誘電係数εが低い基板を用いると、逆L字状エレメント112及び/又は212の長さは、所与の中心周波数fに関して長くなる。尚、Lはεとはほぼ無関係である。
【0031】
アンテナ300の幾何学的形状には、有利な特徴がある。これを図5に示す。図5は、スミスチャートと呼ばれる、周波数を関数とする極座標において、逆L字状エレメント112−1のような、逆L字状エレメントの複素反射率(complex reflectance)514(インピーダンスに関係がある)のシミュレーションを示す。複素反射率514は、接地面110の真上にある逆L字状エレメント112−1と関係付けられており、円弧512は一定のリアクタンスを示す。横線512−4は、実インピーダンス値、即ち、リアクタンス成分が0の抵抗値に対応する。水平線512−4の左端縁は0Ωを表し、右端縁は∞Ω(無限抵抗)を表す。ゼロ交点516は、第1周波数帯域における中心周波数fに対応する。ゼロ交差518は、第2周波数帯域における中心周波数fに対応する。実施形態の一例では、ゼロ交差516はインピーダンスが12.5Ωで、1200MHzの周波数にあり、ゼロ交差518は、インピーダンスが200Ωで、1552MHzの周波数にある。代わりに、逆L字状エレメント112−1が第1周波数帯域及び第2周波数帯域において約50Ωのインピーダンスを有する場合、電気信号310をアンテナ300(図3A及び図3B)に接続する信号線に沿って、反射率はほぼ0となる。このスミスチャートに描いた位相関係が与えられると、インピーダンス変換を実行することによって、これを実現することができる。
【0032】
図6は、インピーダンス変換ネットワークを実装するために直列に接続された逆L字状エレメント112−1、接地410、及び2本の遅延線612を含む実施形態600を示す。遅延線612は、異なる位相ずれを異なる周波数において電気信号310−1に加える。即ち、遅延線612−1の長さdは614−1であり、遅延線612−2の長さdは614−2である。長さd614−1は、中心周波数fにおいて約360゜の位相ずれに対応し、中心周波数fにおいて約540゜(360゜+180゜)の位相ずれに対応する。このように、第1及び第2周波数帯域における逆L字状エレメント112−1のインピーダンスは、ほぼ同一である(即ち、中心周波数fにおけるインピーダンス)。
【0033】
第2遅延線612−2の長さd614−2は、第1及び第2周波数帯域に近接する周波数において90゜(λ/4)の位相ずれに対応するように選択される。このため、第2遅延線612−2は、1/4波形線と呼ばれることもある。加えて、第2遅延線612−2の特性インピーダンスは、中心周波数fにおけるインピーダンスと所望の最終インピーダンスである50Ωとの幾何学的平均に等しいか、又はほぼ等しい。このように、逆L字状エレメント112−1のインピーダンスは、第1周波数帯域及び第2周波数帯域において、ほぼ50Ωに変換される。同様のインピーダンス変換ネットワークを、アンテナ100(図1A及び図1B)、アンテナ200(図2A、図2B)、アンテナ250(図2C及び図2D)及び/又はアンテナ300(図3A及び図3B)における別の逆L字状アンテナ・エレメント112に適用することができる。
【0034】
実施形態の一例では、100MHzにおいて、360゜の位相ずれは0.250mに対応する。1552MHzでは、270゜の位相ずれは0.242mに対応する。これら2つの長さは、互いに3%以内である。その結果、長さd614−1が0.242から0.250の範囲内にある場合、1200MHzにおけるインピーダンスはほぼ不変のまま(12.5Ω)であり、1552MHzにおけるインピーダンスは更に180゜移相されて、その結果、インピーダンスは1200MHzにおけるインピーダンスとほぼ同一となる。折衷案として、長さd614−2は1377MHz(100及び1552MHzのほぼ中央)に対応する。一実施形態では、1/4波遅延線612−2の特性インピーダンスは約25Ωである。その結果、1200及び1552MHzでは、インピーダンスは約50Ωとなる。
【0035】
実施形態の中には、実施形態600が追加のコンポーネントを含む場合や、コンポーネントがより少なくてもよい場合もある。2つ以上のコンポーネントの機能を合体してもよい。1つ以上のコンポーネントの位置を変更してもよい。実施形態600は、アンテナの2つのモードに適用するインピーダンス変換を例示するが、他の実施形態では、同様のインピーダンス変換をアンテナの2つよりも多いモードに適用することもできる。
【0036】
図7は、前述のようなマルチバンド・アンテナの実施形態について、周波数710の関数とした直交座標において、振幅712及び位相714を含む、複素反射率をシミュレートして示す。アンテナ300(図3A及び図3B)のようなアンテナは、1200及び1552MHzの近傍において低反射減衰量(return loss)及び優れた整合(反射率の大きさ712が小さいことから明白である)を呈する。図8を参照して以下で説明するが、これらの周波数は第1周波数帯域及び第2周波数帯域の中心周波数に対応する。これは、アンテナ設計が少なくとも二重帯域動作を支援できることを示す。
【0037】
図8は、L1帯域(1565〜1585MHz)、L2帯域(1217〜1237MHz)、L5帯域(1164〜1189MHz)、及びL帯域通信(1520〜1560MHz)を含む、グローバル衛星ナビゲーション・システムに対応する周波数帯域を示す。前述のマルチバンド・アンテナの実施形態の例では、第1周波数帯域812−1が1164〜1237MHzを含み、第2周波数帯域812−2が1520〜1585MHzを含んでいる。尚、1200及び1552MHzは正確にはこれらの帯域の中心周波数(帯域中心周波数とも呼ぶ)に等しくないが、これらは帯域中心周波数に十分近いので、所望のアンテナ特徴を達成することができる。(実際には、中心周波数は1200.5MHz及び1552.5MHzであり、図6における遅延線612及び図1Aにおけるタンク回路124を設計する際に用いられるノミナル値よりも0.5MHz高いに過ぎない)。即ち、マルチバンド・アンテナは、第1周波数帯域812−1及び第2周波数帯域812−2において反射減衰量が低い。加えて、第1周波数帯域812−1はL2及びL5帯域を包含し、第2周波数帯域812−2はL1帯域及びL−帯域通信を包含する。つまり、1つのマルチバンド・アンテナがこれら4つのGPS帯域における信号を送信及び/又は受信することができるのである。
【0038】
これより、マルチバンド・アンテナを用いるプロセスの実施形態を説明する。図9は、マルチバンド・アンテナを用いる実施形態900を示すフロー・チャートである。アンテナにおける第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに接続される電気信号を移相させる(ステップ910)。アンテナの第1インピーダンスが第2インピーダンスに変換されるように、電気信号を変換する(ステップ912)。
【0039】
実施形態の中には、実施形態900に含まれる工程を減少又は増加させてもよい場合もある。動作の順序を変更してもよい。少なくとも2つの動作を1つの動作に組み合わせてもよい。
【0040】
以上の記載では、説明の目的上、本発明の完全な理解が得られるように、具体的な用語法を用いた。しかしながら、本発明を実用化するためには具体的な詳細は必要でないことは当業者には明白であろう。実施形態は、本発明の原理及びその実用的な用途を最良に説明し、それによって当業者が本発明及び種々の実施形態を、想定される個々の使用に合わせた種々の変更を伴って、最良に利用できるように選択し記載した。つまり、前述の開示は、余さず記載することや、開示した形態通りに本発明を限定することは意図していない。前述の教示を基に、多くの修正や変形が可能である。
本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】マルチバンド・アンテナの一実施形態の側面図を示すブロック図である。
【図1B】マルチバンド・アンテナの一実施形態の上面図を示すブロック図である。
【図2A】マルチバンド・アンテナの一実施形態の側面図を示すブロック図である。
【図2B】マルチバンド・アンテナの一実施形態の上面図を示すブロック図である。
【図2C】マルチバンド・アンテナの一実施形態の側面図を示すブロック図である。
【図2D】マルチバンド・アンテナの一実施形態の上面図を示すブロック図である。
【図3A】マルチバンド・アンテナの一実施形態の側面図を示すブロック図である。
【図3B】マルチバンド・アンテナの一実施形態の上面図を示すブロック図である。
【図4】フィード・ネットワーク回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】マルチバンド・アンテナの一実施形態について、周波数の関数として、極座標においてシミュレートした複素反射率を示す。
【図6】アンテナ・エレメントの一実施形態を示すブロック図である。
【図7】マルチバンド・アンテナの一実施形態について、直交座標においてシミュレートした複素反射率を示す図である。
【図8】グローバル衛星ナビゲーション・システムに対応する周波数帯域を示す図である。
【図9】マルチバンド・アンテナの使用方法の一実施形態を示すフロー・チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナであって、
第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信するように構成されている第1及び第2アンテナ・エレメントであって、第2周波数帯域における周波数が第1周波数帯域における周波数よりも高い、第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントと、
前記第1アンテナ・エレメントに接続されている第1遅延線対及び前記第2アンテナ・エレメントに接続されている第2遅延線対であって、前記第1遅延線対及び第2遅延線対における第1遅延線が、前記第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに接続されている電気信号を移相させて、前記アンテナの第1インピーダンスが第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように構成されており、前記第1遅延線対及び第2遅延線対における第2遅延線が、前記第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように構成されている、第1遅延線対及び第2遅延線対と、
を備えていることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第2インピーダンスはほぼ50Ωであることを特徴とするアンテナ。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは各々、接地面の上方に配された単極を含むことを特徴とするアンテナ。
【請求項4】
請求項3記載のアンテナにおいて、前記第1アンテナ及び第2アンテナは各々、逆L字状アンテナであることを特徴とするアンテナ。
【請求項5】
請求項3記載のアンテナにおいて、前記単極は、接地面を含む平面に対して実質的に平行な平面内にあることを特徴とするアンテナ。
【請求項6】
請求項3記載のアンテナにおいて、前記単極は、接地面を含む平面に対して実質的に垂直な平面内にあることを特徴とするアンテナ。
【請求項7】
請求項3記載のアンテナにおいて、前記単極は、プリント回路ボード上に堆積した金属層を含み、前記プリント回路ボードは、マイクロ波用途に適していることを特徴とするアンテナ。
【請求項8】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第1周波数帯域は1164〜1237MHzを含み、前記第2周波数帯域は1520〜1585MHzを含むことを特徴とするアンテナ。
【請求項9】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第2周波数帯域における中心周波数は、前記第1周波数帯域における中心周波数の5/4倍であることを特徴とするアンテナ。
【請求項10】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第1遅延線対及び第2遅延線対における第2遅延線のインピーダンスは、前記第1インピーダンスと第2インピーダンスとの幾何学的平均であることを特徴とするアンテナ。
【請求項11】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは、前記アンテナの第1軸に実質的に沿って配列されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項12】
請求項1記載のアンテナにおいて、該アンテナは更に、
前記第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信するように構成されている第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントと、
前記第3アンテナ・エレメントに接続されている第3遅延線対及び前記第4アンテナ・エレメントに接続されている第4遅延線対であって、前記第3遅延線対及び第4遅延線対における第3遅延線が、前記第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントに接続されている電気信号を移相させて、前記アンテナの第1インピーダンスが前記第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように構成されており、前記第3遅延線対及び第4遅延線対における第4遅延線が、前記第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように構成されている、第3遅延線対及び第4遅延線対と、
を備えていることを特徴とするアンテナ。
【請求項13】
請求項12記載のアンテナにおいて、前記第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは、前記アンテナの第1軸に沿って配列されており、前記第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントは、前記アンテナの第2軸に沿って配列されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項14】
請求項13記載のアンテナにおいて、前記第1軸及び第2軸は、相互にほぼ90゜回転していることを特徴とするアンテナ。
【請求項15】
請求項13記載のアンテナにおいて、該アンテナは更に、前記第1アンテナ・エレメント、第2アンテナ・エレメント、第3アンテナ・エレメント、及び第4アンテナ・エレメントに接続されたフィード・ネットワーク回路を備えており、前記フィード・ネットワーク回路は、前記アンテナへの放射又は前記アンテナからの放射が円偏波となるように、前記第1アンテナ・エレメント、第2アンテナ・エレメント、第3アンテナ・エレメント、及び第4アンテナ・エレメントに双方向に接続される電気信号を移相するように構成されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項16】
請求項15記載のアンテナにおいて、前記フィード・ネットワーク回路は、前記アンテナにおいて隣接するアンテナ・エレメントに接続される電気信号をほぼ90゜移相させるように構成されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項17】
請求項16記載のアンテナにおいて、前記アンテナへの円偏波放射又は前記アンテナからの円偏波放射は、右円偏波であることを特徴とするアンテナ。
【請求項18】
請求項12記載のアンテナにおいて、前記第3アンテナ・エレメントは、第1共振回路によって相互に接続されている第1及び第2セグメントを備えており、前記第4アンテナ・エレメントは、第2共振回路によって相互に接続されている第3及び第4セグメントを備えており、前記第1共振回路及び第2共振回路は各々、前記第2周波数帯域における所定の値よりも大きいインピーダンスを有し、前記第1周波数帯域に対応する電気信号が前記第3アンテナ・エレメントの第1及び第2セグメント、並びに前記第4アンテナ・エレメントの第3及び第4セグメントに双方向に接続され、前記第2周波数帯域に対応する電気信号が前記第3アンテナ・エレメントの第1セグメント及び前記第4アンテナ・エレメントの第3セグメントに双方向に接続されるが、前記第3アンテナ・エレメントの第2セグメント及び前記第4アンテナ・エレメントの第4セグメントには接続されないように構成されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項19】
請求項1記載のアンテナにおいて、前記第1アンテナ・エレメントは、第1共振回路によって互いに接続されている第1及び第2セグメントを備えており、前記第2アンテナ・エレメントは、第2共振回路によって互いに接続されている第3及び第4セグメントを備えており、前記第1共振回路及び第2共振回路は各々、前記第2周波数帯域における所定の値よりも大きいインピーダンスを有し、前記第1周波数帯域に対応する電気信号が前記第1アンテナ・エレメントの第1及び第2セグメント並びに前記第2アンテナ・エレメントの第3及び第4セグメントに双方向に接続され、前記第2周波数帯域に対応する電気信号が前記第1アンテナ・エレメントの第1セグメント及び前記第2アンテナ・エレメントの第3セグメントに双方向に接続されるが、前記第1アンテナ・エレメントの第2セグメント及び前記第2アンテナ・エレメントの第4セグメントには接続されないように構成されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項20】
アンテナであって、
第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信する第1放射手段及び第2放射手段であって、前記第2周波数帯域における周波数が前記第1周波数帯域における周波数よりも高い、第1放射手段及び第2放射手段と、
前記第1放射手段に接続されている第1遅延手段及び前記第2放射手段に接続されている第2遅延手段であって、前記アンテナの第1インピーダンスが前記第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように、前記第1放射手段及び第2放射手段に接続される電気信号を移相させ、前記第1遅延手段及び第2遅延手段が前記第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換させる、第1及び第2遅延手段と、
を備えていることを特徴とするアンテナ。
【請求項21】
アンテナにおける方法であって、
アンテナにおける第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに接続される電気信号を移相させるステップであって、前記第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントは、第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信するように構成されており、前記第2周波数帯域における周波数が前記第1周波数帯域における周波数よりも高く、前記移相に応じて、前記アンテナの第1インピーダンスが前記第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるようにした、ステップと、
前記第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように前記電気信号を変換するステップと、
からなることを特徴とする方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−533957(P2009−533957A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505413(P2009−505413)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/008715
【国際公開番号】WO2008/054501
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(504278123)ナヴコム テクノロジー インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】