説明

マルチレベルコンバータおよびマルチレベルコンバータを操作する制御方法

【課題】多くの感知された電圧および電流を減少させることを可能とするマルチレベルコンバータのための制御方法を提供すること。
【解決手段】コンバータ1に関し、このコンバータ1は、AC入力におけるAC入力電圧uinを中間DC電圧Uに変換するためのアクティブステージ2と、DC出力における出力DC電圧Uoutに中間DC電圧Uを変換するためのDC/DCコンバータ3であって、共振回路32および変圧器33によって形成される、共振変圧器32、33を有するDC/DCコンバータ3と、DC/DCコンバータ3の出力DC電圧Uout、入力電圧uinおよびコンバータ1の入力電流のみに基づいて、アクティブステージ2をアクティブに操作するように構成され、開ループモードでDC/DCコンバータ3を操作するように構成された制御ユニット5と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチレベルコンバータに関し、特に、電気的に分離されるモジュールのマルチレベルコンバータに関する。さらに、本発明は、一定の平均出力DCリンク電圧を提供するマルチレベルコンバータを操作する制御方法に関する。
【従来技術】
【0002】
マルチレベルコンバータは、当技術において有名である。輸送目的のために、例えば、中間または低い出力DC電圧へ中間入力AC電圧の変換の必要がある。一般に、AC/DCコンバータは、アクティブフロントエンドステージおよびDC/DCコンバータステージを含んで、2つのステージアプローチの中でインプリメントすることができる。
【0003】
制御ユニットは、ある意味では一定の平均出力DCリンク電圧を提供するように、アクティブフロントエンドステージおよびDC/DCコンバータステージを制御するように提供される。多数のセンサは、ライン入力電圧、ライン入力電流、DCリンク出力電圧、DC/DCコンバータの1次側/2次側の共振電流、およびアクティブフロントエンドユニット上のすべてのレベルのDCリンク電圧の測定のために使用される。
【0004】
通常、この種のマルチレベルコンバータは、マルチレベル接続形態(topology)を有する。ここで、分離されたDC/DCコンバータステージが出力で並列する場合、アクティブフロントエンドステージは、直列に接続される。マルチレベルコンバータ接続形態の場合には、センサは、各DC/DCコンバータの2次側の電流および各アクティブフロントエンドステージのDCリンク出力電圧を測定しなければならない。
【0005】
平均の一定出力DCリンク電圧のおよび力率(例えば、1近く)の制御の重要な制御目標、およびできるだけ低い線電流の全高調波ひずみ(THD:total harmonic distortion)が満たされるように、制御ユニットは、アクティブフロントエンドステージおよびDC/DCコンバータの制御として役立つ。中間電圧アプリケーションにおけるマルチレベルコンバータが、中間電圧ソースから直接操作されるので、感知設備のための分離要求は、かなり厳しい。したがって、制御ユニットの制御スキームを適用するために必要とされる測定用の電圧/電流センサの数を減らすことが好ましい。
【0006】
文献EP2180586A1およびUS6,344,979B1は、DC/DCコンバータを共振コンバータにするために、上記の2つのステージ接続形態を有し、LLC共振回路またはCLL共振回路を使用するAC/DCコンバータをそれぞれ示す。
【0007】
文献DE19827872A1は、アクティブフロントエンドユニットおよび非共振のDC/DCコンバータを備えた2つのステージ接続形態を有するマルチレベルパワーエレクトロニクス変圧器を示す。
【0008】
文献DE19750041C1は、共振ステージであるDC/DC変換ステージおよびアクティブフロントエンドを有するDC/DCコンバータを示す。
【0009】
さらに、文献US6,218792B1は、モジュール、機械的な特徴および接続への焦点を備えたモジュール式のコンバータ配置を示す。
【0010】
文献US5,646,835は、IGBTを有するインバータを含んでいる直列共振回路を示す。直列共振回路は、インバータを制御するために対数増幅器とともに、位相および周波数変調を利用するコントローラを含んでいる。
【0011】
文献US2006/0221653A1は、高周波変成器を介してスイッチドインバータ回路につながれた連続に相互接続したマルチレベルコンバータを含むマルチレベルコンバータに基づいたインテリジェントユニバーサル変圧器を示す。ユニバーサル変圧器の入力は、高電圧流通システムにつなぐことができる。また、ユニバーサル変圧器の出力は、低電圧アプリケーションにつなぐことができる。
【0012】
T. Zhao, G. Wang, J. Zeng, S. Dutta, S. Bhattacharya および A. Q. Huangによる「Voltage and power balance control for a cascaded multilevel solid-state transformer」、IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition, APEC 2010, pp.761-767の文献では、デュアルアクティブブリッジコンバータは、DC/DCコンバータステージに使用される。デュアルアクティブブリッジコンバータの中のパワーフロー(Power flow)は、変圧器リークインダクタンスを横切る入力および出力側に適用される電圧間の位相シフトの制御によって、制御される。ステージ間のバランスを保つパワーを達成するために、両側の各レベルでの電圧および電流のすべてを、測定する必要がある。
【0013】
一般的なタイプのコンバータは、US5,233,509に定められる。
【発明の概要】
【0014】
上記を考慮して、本発明は、多くの感知された電圧および電流を減少させることを可能とするマルチレベルコンバータのための制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
上記の目的は、請求項1によるマルチレベルコンバータ、およびさらなる独立請求項によるマルチレベルコンバータのための制御方法によって達成される。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項の中で示される。
【0017】
第1の態様によれば、マルチレベルコンバータは、次のものを含んで提供される:
AC入力におけるAC入力電圧(uin)を中間DC電圧(U)に変換するためのアクティブステージ(2)と;
DC出力における出力DC電圧(Uout)に中間DC電圧(U)を変換するためのDC/DCコンバータ(3)であって、共振回路(32)および変圧器(33)によって形成される、共振変圧器(32、33)を有するDC/DCコンバータ(3)と;
DC/DCコンバータ(3)の出力DC電圧(Uout)、入力電圧(uin)およびコンバータ(1)の入力電流のみに基づいて、アクティブステージ(2)をアクティブに操作するように構成され、開ループモードで前記DC/DCコンバータ(3)を操作するように構成された制御ユニット(5)と。
【0018】
本発明についての1つの考えは、コンバータおよびそのようなコンバータのための制御スキームを提供することである。そこでは、DC/DCコンバータの出力DC電圧、制御可能なパワーファクタ(power factor)のためのシヌソイド入力電流および出力DCリンク電圧の一定平均の制御目標を達成するアクティブステージの入力電圧および入力電流だけを感知するのに十分である。
【0019】
DC/DCコンバータに関しては、変圧器を持った共振コンバータが使用される。DC/DCコンバータは、変圧器の1次側(primary side)および2次側(secondary side)の電圧が、供給された出力電流と無関係に互いに本質的に相互に関連するように、開ループモードで操作される。
【0020】
したがって、制御方法は、共振DC/DCコンバータにより、共振コンバータの1次側の電圧が固定値に同様に与えられるので、抑制された量として入力電圧および入力電流、および出力電圧を単に要求する。したがって、1次側電圧の追加の制御は必要ない。また、出力DC電圧の制御は、単にDC/DC共振コンバータの1次側および2次側の間の強い結合により十分である。
【0021】
さらに、制御ユニットは、共振変圧器の共振周波数またはそれ以下に相当するスイッチング周波数を備えたアクティブスイッチを切り替えることにより、開ループモードでDC/DCコンバータを操作するように構成されてもよい。したがって、開ループモードで操作するDC/DCの共振コンバータでは、効率に関して最適化することができる固定動作基点(fixed operating point)を定義することができることを実現することができる。
【0022】
1つの実施形態によれば、DC/DCコンバータは、フリーホイーリングダイオードに各々並列するスイッチング素子を各々有する第1のスイッチングユニットおよび第2のスイッチングユニットを有してもよい。ここで、共振変圧器が、第1のスイッチングユニットと第2のスイッチングユニットの間に配置される。制御ユニットは、約50%のデューティーサイクルおよびスイッチング周波数でスイッチングユニットのうちの1つを操作するように構成される。特に、制御ユニットは、フリーホイーリングダイオードが受動整流器として働くような、スイッチングユニットの他のそれぞれを駆動しないように構成され、または、能動整流器として働くスイッチングユニットの他の1つのそれぞれを操作するように構成される。
【0023】
共振周波数の領域またはその共振周波数より下の領域の50%の固定のデューティーサイクルの操作が十分であることが分かる。共振タンクの設計中にターンオフ電流の値を制御し最小化することができるように、これは、ターンオン中にパルス半導体に対してゼロ電圧スイッチングを提供し、ターンオフ中に疑似(quasi)のゼロ電流スイッチングを提供する。
【0024】
パワーフロー(power flow)によって、DC/DCコンバータは、第1または第2のスイッチングユニットのいずれかをアクティブに切り替えるように操作してもよい。一方、それぞれの他のものは、接続形態に依存して、受動整流器として操作されるか、能動整流器として働くように切り替えることにより操作されてもよい。スイッチングユニットのうちの1つが、受動整流器として操作された場合、それはインピーダンス変圧器として働く。そこでは、等価負荷抵抗(equivalent load resistance)は、実際の負荷抵抗とは異なり、容易に導き出すことができる。一定の出力DCリンク電圧については、共振コンバータの1次側の電圧は、変圧器巻数比(transformer turn ratio)によって決定され、共振回路のトランスインピーダンスをわたる電圧によって影響を受ける固定値にクランプされる。
【0025】
制御ユニットは、制御機能を有し、そのフィードバックは、DC出力電圧の考慮によるDC出力電圧および入力電流、アクティブステージの入力電圧および入力電流を制御するように提供されてもよい。
【0026】
さらに、制御機能は、カスケード制御機能でもよい。
【0027】
アクティブステージは、H−ブリッジ回路を有してもよい。そこでは、H−ブリッジ回路は、制御機能の結果である調整インデックスによって操作される。
【0028】
アクティブステージは、直列に適用された入力インダクタを有するように提供されてもよい。
【0029】
1つの実施形態によれば、共振変圧器は、共振回路と変圧器によって形成されてもよい。そこでは、共振回路は、共振インダクタ、共振コンデンサおよび並列インダクタを含んでいる。
【0030】
さらなる態様によれば、複数の上記コンバータを含む配置が、提供されてもよい。そこでは、アクティブステージのAC入力は、直列に接続され、DC/DCコンバータのDC出力は、並列に接続される。制御ユニットは、並列されたDC/DCコンバータの共通の出力DC電圧、配置の入力における入力電圧および配置を通る入力電流のみに基づいて、アクティブステージをアクティブに操作するように構成される。
【0031】
さらに、共通の入力インダクタは、直列に接続しているアクティブステージに直列に提供されてもよい。
【0032】
コンバータおよびつながれたコンバータに外部から適用された入力線間電圧(input line voltage)に上記の入力電圧が対応することが注目される。通常、入力インダクタは、アクティブステージ内にスイッチ(H−ブリッジ回路)上の電圧から外部的に提供された入力線間電圧を分断するように提供される。
【0033】
さらなる態様によれば、次のステップを含む方法が提供されてもよい:
DC/DCコンバータの出力DC電圧、入力電圧およびアクティブステージの入力電流のみに基づいて、アクティブステージをアクティブに操作することと、
開ループモードでDC/DCコンバータを操作することと。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の好ましい実施形態は、添付図面とともに、今より詳細に記述される。
【図1】図1は、アクティブフロントエンドステージおよびDC/DCコンバータステージを有するAC/DCコンバータの回路図を示す。
【図2】図2は、マルチレベルコンバータを操作する制御スキームを例証するブロック図を示す。
【図3】図3は、複数のAC/DCコンバータを有するマルチレベルコンバータを示す。
【好適な実施の形態】
【0035】
図1は、中間電圧パワーエレクトロニクス変圧器で使用されるAC/DCコンバータ1を示す。そのような種類のコンバータは、例えば、牽引(traction)目的で使用される。
【0036】
AC/DCコンバータ1は、アクティブフロントエンドステージ2(アクティブステージ)およびDC/DCコンバータステージ3を有する。そのようなコンバータ1は、双方向に操作することができるが、次の記述は、牽引アプリケーションに一般に使用されるようなアクティブフロントエンドステージ2からDC/DCコンバータステージ3へのエネルギーの流れについて言及する。
【0037】
アクティブフロントエンドステージ2は、AC入力電圧uinを受け取るAC端子を有する。アクティブフロントエンドステージ2のDC端子は、変換された中間DCリンク電圧Uを供給するように提供される。中間DCリンク電圧Uは、出力電圧Uoutへの中間DCリンク電圧Uの分断および変換として役立つDC/DCコンバータステージ3の第1の端子に接続される。
【0038】
アクティブフロントエンドステージ2は、アクティブに抑制されたAC/DC変換ユニットである。本実施形態では、アクティブフロントエンドステージ2は、H−ブリッジ回路として相互接続された第1から第4のスイッチング素子S〜Sを含む。スイッチング素子S〜Sは、フリーホイーリングダイオードD〜Dを各々並列にそれぞれ有し、パワーMOSFET、IGBT、IGCTおよびその他同種のものとして提供することができる。詳細には、第1および第2のスイッチング素子SおよびSは、中間DCリンク電圧Uを供給する第1のDCライン7と第2のDCライン8の間に直列に接続される。同じ方法で、第3のスイッチング素子Sおよび第4のスイッチング素子Sは、第1のDCライン7と第2のDCライン8の間で直列に接続される。
【0039】
AC入力線間電圧uinは、アクティブフロントエンドの入力インダクタLinを介して第1のノードN1(それは、第1およぶ第2のスイッチング素子S、Sの間に直列に接続される)に接続され、第2のノードN2(それは、第3および第4のスイッチング素子S、Sの間に直列に接続される)に接続される。第1のDCライン7と第2のDCライン8の間で、DCリンクコンデンサCおよびCの直列接続が、さらに接続される。
【0040】
受動のDC/DCコンバータステージ3は、中間DCリンク電圧Uを受け取るために、アクティブフロントエンドステージ2のDCライン7および8とつなげられる。受動のDC/DCコンバータステージ3は、第5のスイッチング素子Sおよび第6のスイッチング素子Sの直列接続である第1のハーフブリッジ回路31を有する。それは、DC端子(つまり、アクティブフロントエンドステージ2の第1のDCライン7および第2のDCライン8)とつなげられる。
【0041】
共振タンク32は、第5および第6のスイッチング素子S、Sの間の第1のハーフブリッジ31の第4のノードN4につなげられる第1の入力、および、アクティブフロントエンドステージ2の第1および第2のコンデンサC、Cの直列接続の第3のノードN3につなげられる第2の入力が提供される。共振タンク32のさらなる端子は、変圧器33の1次側とつなげられる。さらに、共振コンデンサを、第3のノードN3の代わりに、第2のDCライン8に接続することも可能である。
【0042】
図1に示すように、共振タンク32は、第1のハーフブリッジ31の第4のノードN4と共振タンク32のT−ノードNの間に接続される共振コンデンサCを含む。T−ノードNは、共振タンク32の共振インダクタLを介して、変圧器33の1次側の第1の端子に接続される。アクティブフロントエンドステージ2のコンデンサC、Cの直列接続の第3のノードN3は、変圧器33の1次側の第2の端子に接続される。共振タンク32の並列インダクタLは、T−ノードNと変圧器33の1次側の第2の端子の間に提供される。
【0043】
または、共振タンク32は、共振コンデンサCおよび共振インダクタの直列接続を含んでもよい。共振インダクタは、第1のハーフブリッジ31の第4のノードN4と変圧器33の1次側の第1の端子の間に接続される。アクティブフロントエンドステージ2のコンデンサC、Cの直列接続の第3のノードN3は、変圧器33の1次側の第2の端子に接続される。共振タンク32の並列インダクタLは、変圧器33の1次側の第1の端子と変圧器33の1次側の第2の端子の間に提供される。
【0044】
さらなる代替の実施形態によれば、共振タンク32は、共振インダクタLおよび共振コンデンサCを含んでもよい。共振インダクタLは、第1のハーフブリッジ31の第4のノードN4と変圧器33の1次側の第1の端子の間に接続される。共振コンデンサCは、アクティブフロントエンド2のコンデンサC、Cの直列接続の第3のノードと変圧器33の1次側の第2の端子の間に接続される。並列インダクタLは、変圧器33の1次側の第1および第2の端子間に提供される。
【0045】
代替の実施形態では、共振タンク32の共振インダクタLおよび並列インダクタLは、変圧器33の磁気構造へ統合されてもよい。
【0046】
さらに、共振コンデンサが、第3のノードN3の代わりに、第2のDCライン8に直接接続されることも可能である。共振タンク32の第2の入力が、第2のDCライン8とつなげられる場合に、変圧器33の1次側の第2端子は、好ましくは、第2のDCライン8に直接、つまり、第2のDCライン8と変圧器33の1次側の第2端子の間のコンポーネントなしで、接続されてもよい。
【0047】
変圧器33の2次側の第1の端子は、第7および第8のスイッチング素子S、Sの直列接続を含む第2のハーフブリッジ34の第5のノードN5につなげられる。第2のハーフブリッジ34の直列接続は、第1および第2の出力端子O、Oにそれぞれ接続された第1および第2のDC出力ライン15、16間に接続される。
【0048】
アクティブフロントエンドステージ2のスイッチング素子S〜Sおよび第1および第2のハーフブリッジ31、34のスイッチング素子S〜Sは、MOSFET、IGBT、IGCTおよび同種のものとしてインプリメントされ、統合(内在する)または分離されたフリーホイーリングダイオードD〜Dを各々並列にそれぞれ有する。それは、個別のスイッチング素子S〜Sに並列におよび逆バイアスされた方法で接続される。
【0049】
第1および第2の出力端子O、O間で、第3および第4のコンデンサC、Cの直列接続が、適用される。そこでは、第3および第4のコンデンサC、Cの直列接続の第6のノードN6は、変圧器33の第2の側の第2の端子とつなげられる。または、変圧器33の第2の側の第2の端子は、第2の出力端子Oと直接つなげられることができる。
【0050】
共振コンデンサCが、変圧器33の1次側の第1/第2の端子と接続された1つのコンデンサおよび変圧器33の2次側の第1/第2の端子と接続された別の1つのコンデンサへ分割されることが規定されてもよい。
【0051】
AC/DCコンバータ1は、制御ユニット5によって制御される。制御ユニット5に入力手段を供給するために、電圧感知ユニット10は、AC入力電圧uinを検知するように提供される。また、電流感知ユニット11は、AC入力電流iinを検知するように提供される。さらに、出力感知ユニット12は、出力電圧Uoutを検知するように提供される。
【0052】
制御ユニット5は、アクティブフロントエンドステージ2の操作を制御し、受動のDC/DCコンバータステージ3を制御する。制御は、所定の所望の出力電圧Udesと同様に、AC入力電圧uin、AC入力電流iinおよびDC出力電圧Uoutの入力手段に基づいて、実行される。
【0053】
DC/DCコンバータステージ3は、共振変圧器ステージとしてインプリメントされる。そこでは、共振タンク32は、共振タンク32および変圧器33の結合回路の共振周波数を提供する。そこでは、ある共振周波数は、共振インダクタLおよび共振コンデンサCの厳選により、適応させることができる。別の共振周波数は、共振インダクタLおよび共振コンデンサCによって定義された値および並列インダクタLの選択によって、定義される。エネルギーの流れによって、第1のハーフブリッジ31または第2のハーフブリッジ34のいずれかが、切り替えられる。一方、それぞれの他のハーフブリッジは、受動である。その結果、関連するフリーホイーリングダイオードは、単に整流器として働く。
【0054】
この場合では、エネルギーの流れが、アクティブフロントエンドステージ2からDC/DCコンバータステージ3、そして出力端子O、Oであると仮定されている。この場合、第2のハーフブリッジ34のスイッチング素子S、Sが、切られている間、第1のハーフブリッジ31だけが、アクティブに切り替えられる。その結果、関連するフリーホイーリングダイオードDおよびDは、変圧器33の2次側に提供される電圧と電流を修正する。
【0055】
代替の実施形態では、DC/DCコンバータは、共振タンク32の両側のマルチレベルトポロジで実現することができる。したがって、スイッチングは、アクティブ整流が得られるような、パワーフローと関係なく、両側に必要とされるだろう。
【0056】
コンバータ1が、AC/DCコンバータとして操作されると仮定して、主な制御目標は、出力DCリンク電圧Uoutが平均して一定であること、入力電流iinが低いTHDを有すること、1近くの力率が制御されることである。共振変圧器ステージ3の使用により、コンデンサCおよびCの直列接続を横切る一定の出力DCリンク電圧Uout、コンデンサCおよびCを横切る変圧器ステージ3の入力側の中間電圧Uは、同様に固定値に固定され、変圧器巻数比によっておよび共振タンク32のトランスインピーダンスを横切る電圧によって決定される。
【0057】
変圧器ステージ3は、最良の可能な効率のために最適化することができる固定動作点(fixed operating point)で、開ループで操作することができる。共振周波数のまたはその共振周波数より下の領域のアクティブに操作されたハーフブリッジの50%のデューティーサイクルの固定周波数は、十分である。これは、ターンオン中にアクティブハーフブリッジに対するゼロ電圧スイッチングを提供し、ターンオフ中に疑似のゼロ電流スイッチングに提供する。
【0058】
上記の主な制御目標を達成するために、入力電圧uin、入力電流iinおよび出力電圧Uout、中間電圧Uと非常に関連する後のものを入力手段として得ることは十分である。
【0059】
図2に示すように、制御スキームは、例えば、内部ライン電流コントローラ51および外部出力DCリンク電圧コントローラ52を備えたカスケード制御ループとしてインプリメントされる。ライン入力電流コントローラ51は、例えば、所望の電圧Udesおよび現実の出力電圧Uoutの間の出力電圧差に依存して、(PまたはI制御ブロックを使用して)制御を実行する。マルチプリケーションブロック54では、所望の電圧Udesと現実の出力電圧Uoutの間の差に依存する振幅を有して、シヌソイドAC電流信号が得られるように、フェーズロックドループ回路53を使用して、AC入力電圧uinから導き出されたシヌソイド波形信号を、内部ライン電流コントローラ51の出力値に掛ける。制御電流ilineが、得られる。
【0060】
制御電流ilineおよび入力電流iinは、サブトラクションブロック55で互いに引かれる。また、その結果の電流差は、アクティブフロントエンドステージ2の操作のために使用される調整インデックスMを得るために、外部出力DCリンク電圧コントローラ52に供給される。一般に、調整インデックスは、調整スキームを示し、キャリア信号の調整された変数がその未調整レベルのあたりでどのくらい変化するかによって記述する。したがって、調整インデックスMに依存して生成された中間リンク電圧Uは、コンバータ1の入出力側で利用可能な電気的な手段を単に使用して制御することができる。
【0061】
図3は、入力側で直列に接続される複数のコンバータ1を有するコンバータ配置40を示す。そこでは、出力端子は、並列に接続される。言い換えれば、各コンバータ1の第1の出力端子Oは、相互接続される。また、第2の出力端子Oは、相互接続される。入力側で、アクティブフロントエンドステージ2は、ディジーチェーン(daisy chain)のように直列に接続され、入力電圧は、直列に接続しているアクティブフロントエンドステージ2の上に適用される。
【0062】
コンバータ配置40は、制御ユニット5によって制御される。制御ユニット5に供給された手段は、すべての直列に接続しているアクティブフロントエンドステージ2および電流感知ユニット11に関するAC入力電圧uinを検知するために、および、すべてのアクティブフロントエンドステージ2を通るAC入力電流iinを検知するために、電圧感知ユニット10によって得られる。さらに、出力感知ユニット12は、すべてのDC/DCコンバータステージ3の共通の出力電圧Uoutを検知するために、提供される。
【0063】
代替の実施形態では、アクティブフロントエンドステージ2のすべてまたは一部の入力インダクタLinは、直列に接続しているアクティブフロントエンドステージ2に関する電圧からAC入力電圧uinを分断するために、アクティブフロントエンドステージ2と直列接続された共通の入力インダクタと置き替えることができる。
【0064】
さらに、上記の中で提案された制御方法は、図3のコンバータ配置に適用可能である。DC/DCコンバータステージ3のすべての出力が、並列に接続されるように、それは、変圧器ステージ3の1次側の(またはアクティブフロントエンドステージ2の出力で)フローティングDCリンクのすべてが理想的に同一値に固定されるだろうということを示唆する。したがって、中間DCリンク電圧Uの補足制御および出力DCリンク電圧の制御は、それが共振コンバータとして形成されるように、単にDC/DCコンバータステージ3の1次側および2次側の間の密結合により十分である必要がない。
【0065】
図3の接続形態がかなり強く、これらのパラメータの変化に敏感でないように、1次側で平衡を保つコンデンサおよびバランスのとれたパワー共有に関する異なるコンバータ間のパラメータ変化の影響は低い。特に、共振インダクタL、共振コンデンサCおよびDCリンクキャパシタンスの値の変化に対する感度は、低い。さらに、プラス/マイナス20%の変化は、許容することができる。
【参照符号リスト】
【0066】
1 コンバータ
2 アクティブフロントエンドステージ
3 DC/DCコンバータステージ
5 制御ユニット
7 第1のDCライン
8 第2のDCライン
10 入力電圧感知ユニット
11 入力電流感知ユニット
12 出力電圧感知ユニット
31 第1のハーフブリッジ
32 共振タンク
33 変圧器
34 第2のハーフブリッジ
〜S スイッチング素子
〜D フリーホイーリングダイオード
共振コンデンサ
共振インダクタ
並列インダクタ
in 入力インダクタ
51 内部ライン電流コントローラ
52 外部出力DCリンク電圧コントローラ
53 フェーズロックドループ
54 マルチプリケーションブロック
55 サブストラクションブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC入力におけるAC入力電圧(uin)を中間DC電圧(U)に変換するためのアクティブステージ(2)と、
DC出力における出力DC電圧(Uout)に前記中間DC電圧(U)を変換するためのDC/DCコンバータ(3)であって、共振回路(32)および変圧器(33)によって形成される、共振変圧器(32、33)を有するDC/DCコンバータ(3)と、
前記DC/DCコンバータ(3)の出力DC電圧(Uout)、入力電圧(uin)およびコンバータ(1)の入力電流のみに基づいて、前記アクティブステージ(2)をアクティブに操作するように構成され、開ループモードで前記DC/DCコンバータ(3)を操作するように構成された制御ユニット(5)と、
を具備するコンバータ(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(5)は、前記共振変圧器(32、33)の共振周波数またはそれ以下に相当するスイッチング周波数を備えたアクティブスイッチを切り替えることにより、前記開ループモードで前記DC/DCコンバータ(3)を操作するように構成される、請求項1に記載のコンバータ(1)。
【請求項3】
前記DC/DCコンバータ(3)は、フリーホイーリングダイオード(D−D)に各々並列するスイッチング素子(S−S)を各々有する第1のスイッチングユニット(31)および第2のスイッチングユニット(34)を有し、
前記共振変圧器(32、33)は、前記第1のスイッチングユニット(31)と前記第2のスイッチングユニット(34)の間に配置され、
前記制御ユニット(5)は、約50%のデューティーサイクルおよびスイッチング周波数で前記スイッチングユニット(31、34)のうちの1つを操作するように構成される、請求項1または2に記載のコンバータ(1)。
【請求項4】
制御ユニット(5)は、フリーホイーリングダイオード(D−D)が受動整流器として働くような、前記スイッチングユニット(31、34)の他のそれぞれを駆動しないように構成され、または、能動整流器として働く前記スイッチングユニット(31、34)の他の1つのそれぞれを操作するように構成される、請求項3に記載のコンバータ(1)。
【請求項5】
制御ユニット(5)は、制御機能を有し、
そのフィードバックは、前記DC出力電圧(Uout)の考慮による前記DC出力電圧(Uout)および前記入力電流、前記アクティブステージ(2)の前記入力電圧(uin)および前記入力電流(iin)を制御する、請求項1〜4のうちの1つによるコンバータ(1)。
【請求項6】
前記制御機能は、カスケード制御機能である、請求項5に記載のコンバータ(1)。
【請求項7】
前記アクティブステージ(2)は、H−ブリッジ回路を有し、
前記H−ブリッジ回路は、前記制御機能の結果である調整インデックスによって操作される、請求項5〜6のうちの1つによるコンバータ(1)。
【請求項8】
前記アクティブステージ(2)は、直列に適用された入力インダクタ(Lin)を有する、請求項1〜7のうちの1つによるコンバータ(1)。
【請求項9】
前記共振変圧器(32、33)は、共振回路(32)および変圧器(33)によって形成され、
前記共振回路(32)は、共振インダクタ(L)、共振コンデンサ(C)および並列インダクタ(L)を含んでいる、請求項1〜8のうちの1つによるコンバータ(1)。
【請求項10】
請求項1〜9のうちの1つによる複数のコンバータを具備する配置(40)であって、
前記アクティブステージの(2)前記AC入力は、直列に接続され、
前記DC/DCコンバータ(3)の前記DC出力は、並列に接続され、
前記制御ユニット(5)は、前記並列されたDC/DCコンバータ(3)の共通の前記出力DC電圧(Uout)、前記配置(40)の入力における前記入力電圧および前記配置(40)を通る入力電流のみに基づいて、前記アクティブステージ(2)をアクティブに操作するように構成される、配置(40)。
【請求項11】
共通の入力インダクタは、前記直列に接続しているアクティブステージ(2)に直列に提供される、請求項10に記載の配置(40)。
【請求項12】
コンバータ(1)を操作する方法であって、
前記コンバータ(1)は、
AC入力におけるAC入力電圧(uin)を中間DC電圧(U)に変換するためのアクティブステージ(2)と、
DC出力における出力DC電圧(Uout)に前記中間DC電圧(U)を変換するためのDC/DCコンバータ(3)であって、共振回路(32)および変圧器(33)によって形成される、共振変圧器(32、33)を有するDC/DCコンバータ(3)と、
を具備し、
前記方法は、
前記DC/DCコンバータ(3)の出力DC電圧(Uout)、前記コンバータ(1)の入力電圧(Uin)および前記アクティブステージ(2)の入力電流のみに基づいて、前記アクティブステージ(2)をアクティブに操作することと、
開ループモードで前記DC/DCコンバータ(3)を操作することと、
を具備する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−59251(P2013−59251A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198409(P2012−198409)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(505063441)アーベーベー・テヒノロギー・アーゲー (96)
【Fターム(参考)】