説明

マンノース認識型低分子レクチン

【課題】低分子のマンノース認識物質およびマンノース認識素材の提供。
【解決手段】式(1)で示されるベンズアミド誘導体。
【化3】


(式中、Xは9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつ、その配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyrなる配列を含むペプチド構造を表す。但し、AsnはL−アスパラギン残基を、AspはL−アスパラギン酸残基を、GlnはL−グルタミン残基を、TyrはL−チロシン残基を、ValはL−バリン残基を、BaaはL−イソロイシン残基またはL−ロイシン残基またはL−フェニルアラニン残基またはL−バリン残基を、Xaaは蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中の任意のアミノ酸残基を表す。また、RはO(CH2nCH3またはHを表し、mは2から6の整数を、nは11から17の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低分子の糖鎖認識物質および糖鎖認識素材に関するものである。より詳しくは、低分子のマンノース認識物質およびマンノース認識素材、および、それらによるマンノース提示物質の検出、分離、精製の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体の中で重要な役割を果たしている糖鎖の機能解析を行うために、糖鎖を認識する蛋白質であるレクチンが頻繁に用いられている。しかし、レクチンは蛋白質であるために、大量調製に手間が掛かるばかりでなく、変性や分解等の問題もあり、必ずしも扱い易い物質ではない。
そのため、低分子を用いてレクチンの持つ糖鎖認識機能を実現しようとする研究が盛んに行われているが、多くの研究は有機溶媒中での実験であり、糖鎖が機能している水溶液中で糖鎖を認識する低分子化合物はほとんど知られていない。
【0003】
水溶液中で糖鎖を認識する低分子化合物として、ファージディスプレイ法を用いたランダムペプチドライブラリーから選別されたペプチドの報告がある。例えば、T抗原に結合するペプチド(非特許文献1参照)やGM1に結合するペプチド(非特許文献2参照)が見出されている。この方法の問題点として、構造既知の糖鎖サンプルが大量に必要であること、ペプチドの設計はできないので、ペプチドの選別に多大な労力を要すること、糖鎖解析の基本となる単糖を認識するペプチドが上手く選別できないこと等が挙げられる。
【0004】
糖鎖認識蛋白質の部分配列に相当するペプチドが、糖鎖を認識する場合もあることも報告されている。例えば、百日咳毒素のフラグメント(非特許文献3参照)や植物レクチンのフラグメント(非特許文献4参照)等が挙げられる。これらの場合は、蛋白質と糖鎖との複合体の結晶構造等から、アミノ酸配列の設計も可能であり、植物レクチンの場合には、単糖の認識も可能になる。これらのペプチドの最大の問題は、その糖鎖に対する結合力が低く、工業的な利用が難しい点にあった。
【0005】
我々は、ペプチドを人工脂質に結合させた化合物を合成し、その脂質部分を用いて疎水表面に固定することにより、ペプチドの機能を工業的に利用する方法を開発し(特許文献1参照)、それを低分子の糖鎖認識物質へと応用している(特許文献2参照)。しかし、その糖鎖認識素子としてマメ科レクチンの配列を用いる限り、ガラクトースを認識するものしか得られなかった。高マンノース型の糖鎖を有する多くの糖蛋白質やマンナン等、自然界にはマンノースを提示する物質も多く、マンノースを認識する低分子の糖鎖認識物質や糖鎖認識素材の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2002−265427号公報
【特許文献2】特開2004−262789号公報
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、1997年、270巻、p.374−384
【非特許文献2】トレンズ・イン・グライコサイエンス・アンド・グライコバイオロジー(Trends Glycosci. Glycobiol.)、2001年、13巻、p.557−560
【非特許文献3】ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、1992年、36巻、p.25810−25815
【非特許文献4】蛋白質核酸酵素、1992年、37巻、p.1820−1829
【0006】
以下で、AlaはL−アラニン残基の、ArgはL−アルギニン残基の、AsnはL−アスパラギン残基の、AspはL−アスパラギン酸残基の、CysはL−システイン残基の、GlnはL−グルタミン残基の、GluはL−グルタミン酸残基の、Glyはグリシン残基の、IleはL−イソロイシン残基の、LeuはL−ロイシン残基の、LysはL−リジン残基の、PheはL−フェニルアラニン残基の、ProはL−プロリン残基の、SerはL−セリン残基の、ThrはL−スレオニン残基の、TyrはL−チロシン残基の、ValはL−バリン残基の、BaaはL−イソロイシン残基またはL−ロイシン残基またはL−フェニルアラニン残基またはL−バリン残基の、Xaaは蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中の任意のアミノ酸残基の、Fmocは9−フルオレニルメチルオキシカルボニルの、tBuはt−ブチルの、OtBuはt−ブチル(オキシ)の、Bocはt−ブチルオキシカルボニルの、Pmcは2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニルの、IPEはジイソプロピルエーテルの、Trtはトリフェニルメチルの、WSC・HClは水溶性カルボジイミドの、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの、PyBOPはベンゾリアゾール−1−イルーオキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩の、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンの略号である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、低分子のマンノース認識物質およびマンノース認識素材およびマンノース提示物質の検出、分離、精製の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を鋭意検討した結果、本発明者らは、糖鎖認識に関わるアミノ酸配列としてマメ科レクチンの部分配列ではなく、マンノース特異的な認識が知られているGalanthus nivalisレクチンのファミリーに属する蛋白質の部分配列を人工脂質に結合させることにより、低分子のマンノース認識物質が得られ、その低分子を疎水性表面に固定することにより、マンノース認識素材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、式(1)で示されるベンズアミド誘導体、および、9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつその配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyr(配列番号1〜16)なる配列を含むペプチド構造を固定化した糖鎖認識素材、および、これらを用いてマンノース提示物質を検出または分離または精製する方法を提供する。
【化2】

(式中、Xは9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつ、その配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyr(配列番号1〜16)なる配列を含むペプチド構造を表す。但し、AspはL−アスパラギン酸残基を、AsnはL−アスパラギン残基を、GlnはL−グルタミン残基を、TyrはL−チロシン残基を、ValはL−バリン残基を、BaaはL−イソロイシン残基またはL−ロイシン残基またはL−フェニルアラニン残基またはL−バリン残基を、Xaaは蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中の任意のアミノ酸残基を表す。また、RはO(CH2nCH3またはHを表し、mは2から6の整数を、nは11から17の整数を表す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明は、自然界に多種多様な形で存在するマンノース提示物質を認識する機能素子を、低分子のマンノース認識化合物およびマンノース認識素材として提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の化合物の合成は如何なる方法によっても構わない。
例えば、我々が既にArg−Gly−Aspが結合した人工脂質の合成に用いた方法(特開2002−265427号公報)に従って、N−(6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドや、N−(6−アミノヘキシル)−3,4,5−トリス(ドデシルオキシ)ベンズアミド等の人工脂質を原料として、Fmoc法によって合成することが出来る。
【0012】
ペプチド構造のアミノ酸配列としては、9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつ、その配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyrなる配列を含むものであれば、何であっても構わない。マンノースを認識するGalanthus nivalisレクチンのファミリーには、既に多くの類縁蛋白質が同定されており、マンノースの認識が確認され、X線構造解析によって立体構造上の対応も明らかな配列として、例えば、
Gln−Glu−Asp−Cys−Asn−Leu−Val−Leu−Tyr(配列番号17)、または、
Gln−Ser−Asp−Gly−Asn−Leu−Val−Val−Tyr(配列番号18)、または、
Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号19)、または、
Gln−Thr−Asp−Gly−Asn−Leu−Val−Val−Tyr(配列番号20)、または、
Gln−Ser−Asp−Gly−Asn−Phe−Val−Val−Tyr(配列番号21)、または、
Gln−Glu−Asp−Gly−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号22)、または、
Gln−Asn−Asp−Cys−Asn−Leu−Val−Leu−Tyr(配列番号23)、または、
Gln−Asn−Asp−Gly−Asn−Leu−Val−Ile−Tyr(配列番号24)、または、
Gln−Arg−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号25)、または、
Gln−Thr−Asp−Cys−Asn−Leu−Val−Leu−Tyr(配列番号26)、または、
Gln−Pro−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号27)
といった配列を用いることもできるし、マンノース認識が確認されていれば、アミノ酸配列のみが決定されている類縁蛋白質の対応する配列を用いることもできる。
【0013】
上記のコンセンサス配列を含んでいればよいので、その周囲の配列の選択は自由であり、例えば、各々の配列の由来する元の蛋白質の配列からコンセンサス配列を含んで15残基以下の配列を選択することもできるし、他の部分を自由に選択した、例えば、
Ala−Ala−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Ala−Ala(配列番号28)や
Gly−Gly−Gly−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−Gly−Gly(配列番号29)
等の人工的な配列であっても構わない。
【0014】
9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつ、その配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyrなる配列を含むペプチド構造を素材表面に固定化する方法は如何なる方法を用いても構わない。
例えば、式(1)で示されるベンズアミド誘導体等の、上記の配列を持ったペプチドを疎水性を持つ部分構造に結合した化合物を、クロロホルムやエタノール等の適当な溶媒に溶解し、プラスチック容器、ビーズ、不織布等の任意の形状を持つ疎水性表面にコーティングすることで、マンノース認識素材とすることができる。あるいは、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、セファロース、キトサン等の高分子素材、または、シリカゲル、酸化チタン、金等の無機素材の表面の官能基を利用して、あるいは、アミノ基やカルボキシル基等の適当な官能基を導入して、上記の配列を持ったペプチドを化学的に結合させることもできる。
【0015】
マンノース認識物質やマンノース認識素材には様々な用途があるが、例えば、バイオセンサーの疎水性表面に固定化すればマンノース提示物質を検出する素材として、ポリスチレンディッシュにコートすればマンノース提示物質を吸着させる素材として、多孔質ビーズにコートすればマンノース提示物質を分離する素材として用いることが出来る。
【0016】
遊離のペプチドでは弱かった糖鎖との相互作用は、マンノース認識物質を疎水表面に高い密度で固定化することにより、いわゆるクラスター効果によって、増強することができる。また、マンノース認識物質を表面プラズモン共鳴バイオセンサー等の高感度検出器に固定化することによって、実用に耐える糖鎖認識素材とすることができる。
【0017】
以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記述に限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
(N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドの合成(配列番号30))
Fmoc−Gly−OH(1.29 g, 4.33 mmol)、水溶性カルボジイミド(831 mg, 4.33 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(663 mg, 4.33 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.70 g, 2.89 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Gly(Fmoc)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(2.29 g, 2.64 mmol, 91%)を得た。
【0019】
N−(N−Gly(Fmoc)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.37 g, 1.58 mmol)をジクロロメタン(3 ml)に溶解し、ピペリジン(2 ml)を加えて、3時間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製し、N−(N−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.00 g, 1.55 mmol, 98%)を得た。
【0020】
Fmoc−Tyr(tBu)−OH(1.01 g, 2.19 mmol)、水溶性カルボジイミド(600 mg, 3.13 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(498 mg, 3.26 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(509 mg, 0.788 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Tyr(tBu)(Fmoc)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(770 mg, 0.799 mmol, 99%)を得た。
【0021】
N−(N−Tyr(tBu)(Fmoc)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(850 mg, 0.860 mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、ピペリジン(2 ml)を加えて、10分間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製し、N−(N−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(650 mg, 0.849 mmol, 99%)を得た。
【0022】
Fmoc−Ile−OH(484 mg, 1.37 mmol)、水溶性カルボジイミド(322 mg, 1.68 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(248 mg, 1.62 mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(602 mg, 0.786 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製し、N−(N−Ile(Fmoc)−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(856 mg, 0.777 mmol, 99%)を得た。
【0023】
N−(N−Ile(Fmoc)−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(830 mg, 0.754 mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、ピペリジン(2 ml)を加えて、3時間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製し、N−(N−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(656 mg, 0.746 mmol, 99%)を得た。
【0024】
Fmoc−Val−OH(432 mg, 1.27 mmol)、水溶性カルボジイミド(328 mg, 1.71 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(206 mg, 1.35 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(630 mg, 0.717 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応中に生じた白色沈殿物をろ過後、沈殿物をジクロロメタンで洗浄し、N−(N−Val(Fmoc)−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(818 mg, 0.682 mmol, 95%)を得た。
【0025】
N−(N−Val(Fmoc)−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.43 g, 1.19 mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、ピペリジン(2 ml)を加えて10分間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製し、N−(Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.15 g, 1.17 mmol, 98%)を得た。
【0026】
Fmoc−Val−OH(470 mg, 1.38 mmol)、水溶性カルボジイミド(308 mg, 1.60 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(209 mg, 1.36 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.09 mg, 1.12 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応中に生じた白色沈殿物をろ過後、沈殿物をジクロロメタンで洗浄し、N−(N−Val(Fmoc)−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.33 g, 1.02 mmol, 91%)を得た。
【0027】
N−(N−Val(Fmoc)−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.32 g, 1.01 mmol)をクロロホルム(20 ml)、メタノール(5 ml)に溶解し、ピペリジン(3 ml)を加えて、30分間還流した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製しN−(N−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.00 g, 0.929 mmol, 92%)を得た。
【0028】
Fmoc−Asn(Trt)−OH(360 mg, 0.604 mmol)、PyBOP(323 mg, 0.620 mmol)、DMAP(11.2 mg, 0.0917 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(1.00 g, 0.600 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Asn(Trt)(Fmoc)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(662 mg, 0.400 mmol, 98%)を得た。
【0029】
N−(N−Asn(Trt)(Fmoc)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(225 mg, 0.136 mmol)をジクロロメタン(1 ml)、メタノール(0.5 ml)に溶解し、ピペリジン(1 ml)を加えて、6時間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製しN−(N−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(190 mg, 0.132 mmol, 97%)を得た。
【0030】
Fmoc−Arg(Pmc)−OH・IPE(233 mg, 0.304 mmol)、PyBOP(227 mg, 0.435 mmol)、DMAP(8.20 mg, 0.0671 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(126 mg, 0.0880 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Arg(Pmc)(Fmoc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(175 mg, 0.0843 mmol, 96%)を得た。
【0031】
N−(N−Arg(Pmc)(Fmoc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)(117 mg, 0.0563 mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、ピペリジン(1 ml)を加えて、10分間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製しN−(N−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(99.2 mg, 0.0534 mmol, 95%)を得た。
【0032】
Fmoc−Asp(OtBu)−OH(81.3 mg, 0.198 mmol)、水溶性カルボジイミド(73.3 mg, 0.382 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(57.2 mg, 0.374 mmol)をジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(99.2 mg, 0.0534 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Asp(OtBu)(Fmoc)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(100 mg, 0.0488 mmol, 91%)を得た。
【0033】
N−(N−Asp(OtBu)(Fmoc)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)(95.2 mg, 0.0423 mmol)をジクロロメタン(1 ml)に溶解し、ピペリジン(0.5 ml)を加えて、10分間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製しN−(N−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(81.5 mg, 0.0402 mmol, 95%)を得た。
【0034】
Fmoc−Lys(Boc)−OH(71.9 mg, 0.153 mmol)、水溶性カルボジイミド(68.1 mg, 0.355 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(50.7 mg, 0.331 mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(76.8 mg, 0.379 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Lys(Boc)(Fmoc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(92.1 mg, 0.0372 mmol, 98%)を得た。
【0035】
N−(N−Lys(Boc)(Fmoc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)(90.0 mg, 0.0363 mmol)をジクロロメタン(1.5 ml)、メタノール(1.5 ml)に溶解し、ピペリジン(0.5 ml)を加えて、20分間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製しN−(N−Lys(Boc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(79.5 mg, 0.0352 mmol, 97%)を得た。
【0036】
Fmoc−Gln(Boc)−OH(53.0 mg, 0.0868 mmol)、水溶性カルボジイミド(32.6 mg, 0.170 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(22.4 mg, 0.164 mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Lys(Boc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(76.0 mg, 0.0337 mmol)のジクロロメタン溶液を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−Gln(Boc)(Fmoc)−Lys(Boc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(96.0 mg, 0.0337 mmol, 100%)を得た。
【0037】
N−(N−Gln(Boc)(Fmoc)−Lys(Boc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(95.2 mg, 0.0334 mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、ピペリジン(1 ml)を加えて、20分間撹拌した。反応溶液をSephadex LH−20(クロロホルム:メタノール=1:1)で精製しN−(N−Gln(Boc)−Lys(Boc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(85.5 mg, 0.0314 mmol, 94%)を得た。
【0038】
N−(N−Gln(Boc)−Lys(Boc)−Asp(OtBu)−Arg(Pmc)−Asn(Trt)−Val−Val−Ile−Tyr(tBu)−Gly−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(80.0 mg, 0.0294 mmol)にトリフルオロ酢酸:水=9:1(2 ml)を加えて、1時間撹拌した。反応終了後メタノールを加え、生じた白色沈澱をジクロロメタン、メタノールで洗浄し、N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミド(37.6 mg, 0.0226 mmol, 77%)を得た。
MALDI-TOFMS: (matrix: α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) 1763.01 ([M+H]+).
【実施例2】
【0039】
(N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドとリボヌクレアーゼAおよびBとの相互作用)
上で得られたベンズアミド誘導体とリボヌクレアーゼAおよびBとの相互作用は、分子間相互作用解析装置であるIAsys Plus(Affinity Sensors社製)を用いて解析した。
疎水性キュベットを、界面活性剤、バッファー、2−プロパノールで洗浄の後、N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドの0.4mM溶液(2−プロパノール:クロロホルム=19:1)を添加して固定化を行った。固定化量は864Arc secondsだった。
このキュベットを、バッファー、塩酸水溶液、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄の後、牛血清アルブミンでブロッキングを行い、バッファーで洗浄の後、相互作用を確認した。
【0040】
N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドを固定化したキュベットに、リボヌクレアーゼAの100μM溶液を50μl添加したところ、5分後の吸着量は216Arc secondsであり、バッファー洗浄後、5分経過した時の吸着量は4Arc secondsであった。
また、N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドを固定化したキュベットに、リボヌクレアーゼBの100μM溶液を50μl添加したところ、5分後の吸着量は224Arc secondsであり、バッファー洗浄後、5分経過した時の吸着量は53Arc secondsであった。
従って、高マンノース型糖鎖を持つリボヌクレアーゼBとは結合し、高マンノース型糖鎖を持たないリボヌクレアーゼAとはほとんど結合しないことが示され、N−(N−Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr−Gly−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシルオキシ)ベンズアミドはマンノース提示物質を認識することが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、低分子のマンノース認識物質およびマンノース認識素材を提供するものであり、バイオセンサー、アフィニティークロマトグラフィー等の主要な構成要素として、マンノース提示物質の検出、分離、精製への利用が期待される。
【配列表フリーテキスト】
【0042】
配列番号1-30:糖結合ペプチドである。
配列番号1-16:Xaa(存在位置2位、4位)は蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中の任意のアミノ酸残基を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で示されるベンズアミド誘導体。
【化1】

(式中、Xは9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつ、その配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyrなる配列を含むペプチド構造(配列番号1〜16)を表す。但し、AsnはL−アスパラギン残基を、AspはL−アスパラギン酸残基を、GlnはL−グルタミン残基を、TyrはL−チロシン残基を、ValはL−バリン残基を、BaaはL−イソロイシン残基またはL−ロイシン残基またはL−フェニルアラニン残基またはL−バリン残基を、Xaaは蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中の任意のアミノ酸残基を表す。また、RはO(CH2nCH3またはHを表し、mは2から6の整数を、nは11から17の整数を表す。)
【請求項2】
9残基以上で15残基以下のペプチド構造で、かつ、その配列中にGln−Xaa−Asp−Xaa−Asn−Baa−Val−Baa−Tyr(配列番号1〜16)なる配列を含むペプチド構造を固定化した糖鎖認識素材。
(但し、AsnはL−アスパラギン残基を、AspはL−アスパラギン酸残基を、GlnはL−グルタミン残基を、TyrはL−チロシン残基を、ValはL−バリン残基を、BaaはL−イソロイシン残基またはL−ロイシン残基またはL−フェニルアラニン残基またはL−バリン残基を、Xaaは蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中の任意のアミノ酸残基を表す。)
【請求項3】
請求項1のベンズアミド誘導体または請求項2の糖鎖認識素材で、9残基以上で15残基以下のペプチド構造に含まれる配列が、
Gln−Glu−Asp−Cys−Asn−Leu−Val−Leu−Tyr(配列番号17)、または、
Gln−Ser−Asp−Gly−Asn−Leu−Val−Val−Tyr(配列番号18)、または、
Gln−Lys−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号19)、または、
Gln−Thr−Asp−Gly−Asn−Leu−Val−Val−Tyr(配列番号20)、または、
Gln−Ser−Asp−Gly−Asn−Phe−Val−Val−Tyr(配列番号21)、または、
Gln−Glu−Asp−Gly−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号22)、または、
Gln−Asn−Asp−Cys−Asn−Leu−Val−Leu−Tyr(配列番号23)、または、
Gln−Asn−Asp−Gly−Asn−Leu−Val−Ile−Tyr(配列番号24)、または、
Gln−Arg−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号25)、または、
Gln−Thr−Asp−Cys−Asn−Leu−Val−Leu−Tyr(配列番号26)、または、
Gln−Pro−Asp−Arg−Asn−Val−Val−Ile−Tyr(配列番号27)
である、ベンズアミド誘導体または糖鎖認識素材。
(但し、ArgはL−アルギニン残基を、AsnはL−アスパラギン残基を、AspはL−アスパラギン酸残基を、Cysはシステイン残基を、GlnはL−グルタミン残基を、GluはL−グルタミン酸残基を、Glyはグリシン残基を、IleはL−イソロイシン残基を、LeuはL−ロイシン残基を、LysはL−リジン残基を、PheはL−フェニルアラニン残基を、ProはL−プロリン残基を、SerはL−セリン残基を、ThrはL−スレオニン残基を、TyrはL−チロシン残基を、ValはL−バリン残基を表す。)
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3に記載のベンズアミド誘導体または糖鎖認識素材を用いて、マンノース提示物質を検出または分離または精製する方法。

【公開番号】特開2007−8906(P2007−8906A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195440(P2005−195440)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000173924)財団法人野口研究所 (108)
【Fターム(参考)】