説明

ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機

【課題】ミスト噴霧状態及び乾燥状態に自由度を持たせる温風吹出口を備えるミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機を提供する。
【解決手段】浴室2内を換気しながら温風吹出口3から温風を吹き出すことで浴室2内を乾燥させる乾燥運転と、温風吹出口3の近傍位置から浴室2内に向けてミストサウナ用の水を噴霧させるミストサウナ運転とを選択可能とし、温風吹出口3の近傍位置にミストノズル6を設けると共に温風吹出口3に温風の向きを調整する可動ルーバーを設け、この可動ルーバーは、温風吹出口3の長手方向に並列状に配列される複数枚のベーンと、各ベーンを個別に閉鎖することで温風吹出口3からの温風の風速及び吹出位置の少なくとも一方を変化させるためのベーン駆動手段とを備えるミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内を換気しながら温風吹出口から温風を吹き出すことで浴室内を乾燥させる乾燥運転と、温風吹出口の近傍位置から浴室内に向けてミストサウナ用の水を噴霧させるミストサウナ運転とを選択可能としたミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室内を換気しながら温風吹出口から温風を吹き出すことで浴室内を乾燥させる乾燥運転と、温風吹出口の近傍位置から浴室内に向けてミストサウナ用の水を噴霧させるミストサウナ運転とを選択可能としたミストサウナシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
乾燥運転を行うことで、例えば梅雨時や冬季の洗濯物の乾燥室として浴室を利用することができるが、浴室に干された衣類の効率的な乾燥が促進されるためには、機器の温風吹出口から出る温風を直接、衣類に当てることが大事である。
【0004】
そのため、使用者は衣類を風の当たる場所に干すように工夫をする必要がある。
【0005】
しかし従来のミストサウナシステムでは、可動ルーバーによって温風の向きを変化させることはできても、温風の範囲や風速を変えることができず、このため干す衣類の中に乾きにくいものが混在している場合には、乾きムラができたり、乾きにくいものを乾かすために余分に運転をしたりしているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−110021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ミスト噴霧状態及び乾燥状態に自由度を持たせる温風吹出口を備えるミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機をものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明は、浴室2内を換気しながら温風吹出口3から温風を吹き出すことで浴室2内を乾燥させる乾燥運転と、温風吹出口3の近傍位置から浴室2内に向けてミストサウナ用の水を噴霧させるミストサウナ運転とを選択可能としたミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機であって、前記温風吹出口3の近傍位置にミストノズル6を設けると共に前記温風吹出口3に温風の向きを調整する可動ルーバー4を設け、この可動ルーバー4は、前記温風吹出口3の長手方向に並列状に配列される複数枚のベーン4a,4bと、各ベーン4a,4bを個別に閉鎖することで温風吹出口3からの温風の風速及び吹出位置の少なくとも一方を変化させるためのベーン駆動手段5とを備えることを特徴としている。
【0009】
このような構成とすることで、乾燥運転時には、各ベーン4a,4bを任意に開閉駆動することで、温風の噴霧範囲や速度がコントロール可能となる。一方、ミストサウナ運転時には、ミストノズル6からのミスト噴霧と同時にベーン4a,4bを開放することで温風に乗ってミストが浴室2内に拡散するが、このとき、各ベーン4a,4bを任意に開閉駆動することで、ミストサウナの好みに合わせてミストの噴霧範囲や速度がコントロール可能となる。
【0010】
また、前記複数枚のベーン4a,4bは、温風吹出口3の長手方向の中央側に配置される1枚の中央側ベーン4aと、長手方向の両端側にそれぞれ配置される2枚の両端側ベーン4bとで構成され、前記ベーン駆動手段5は、すべてのベーン4a,4bを開放して温風吹出口3全体から温風を標準風速で吹き出させる標準風速運転モードと、両端側ベーン4bを閉鎖して温風吹出口3の中央側のみから温風を吹き出させて前記標準風速よりも大きい風速を得る大風速運転モードとを切り替え可能とするのが好ましい。この場合、乾燥の度合い、或いは、ミストサウナの好みに合わせて、風速を適宜に切り替え自在となる。
【0011】
また、リモコン操作器からの運転開始指令を受けて前記大風速運転モードを実行し、運転開始から所定時間経過後に前記大風速運転モードから前記標準風速運転モードに自動的に切り替える動作を実行するのが好ましい。この場合、乾燥運転では最初の大風速運転モードによって温風吹出口3の中央側ベーン4aのみが開いて、大風速によって乾燥を促進でき、所定時間後に標準風速運転モードに切り替えられてすべてのベーン4a,4bが開いて標準風速で温風が均一に吹き付けられるようにできるので、運転効率を上げることができる。一方、ミストサウナ運転開始時には最初の大風速運転モードによってミストノズル6からのミストを大風速に乗って浴室2内にいち早く拡散させることができるので、ミストがスポット的に噴霧するスポットミストであっても、温風に乗って浴室2内に広がりやすくなるため、短時間でミストサウナ空間を形成でき、その後、所定時間が経過すると標準風速運転モードに切り替わり、すべてのベーン4a,4bが開いて温風とミスト噴霧との相乗効果で快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【0012】
また、浴室内の湿度を検知する湿度センサを設け、リモコン操作器からの運転開始指令を受けて前記大風速運転モードを実行し、運転開始後前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に前記大風速運転モードから前記標準風速運転モードに自動的に切り替える動作を実行するのが好ましい。この場合、乾燥運転では最初の大風速運転モードによって温風吹出口3の中央側ベーン4aのみが開いて、大風速によって乾燥を促進でき、前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に標準風速運転モードに切り替えられてすべてのベーン4a,4bが開いて標準風速で温風が均一に吹き付けられるようにできるので、運転効率を上げることができる。一方、ミストサウナ運転開始時には最初の大風速運転モードによってミストノズル6からのミストを大風速に乗って浴室2内にいち早く拡散させることができるので、ミストがスポット的に噴霧するスポットミストであっても、温風に乗って浴室2内に広がりやすくなるため、短時間でミストサウナ空間を形成でき、その後、前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に標準風速運転モードに切り替わり、すべてのベーン4a,4bが開いて温風とミスト噴霧との相乗効果で快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、温風吹出口の可動ルーバーを閉塞させるベーンを複数枚に分割して、ベーンごとに開閉制御することで温風の風速及び吹出位置の少なくとも一方を変化させることにより、乾燥運転時においては、各ベーンを開閉駆動することで温風の噴霧範囲や速度がコントロール可能となる。一方、ミストサウナ運転時においては、温風吹出口近傍のミストノズルからのミスト噴霧と同時に、好みのミストサウナに合わせて各ベーンを開閉駆動することで、ミストの噴霧範囲や速度がコントロール可能となり、好みのミストサウナ空間を短時間で形成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態のミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機を示し、(a)は乾燥運転時の使用状態の説明図、(b)は浴室暖房乾燥機の斜視図である。
【図2】同上の浴室暖房乾燥機の温風吹出口の斜視図である。
【図3】(a)は同上の中央側ベーンのみが開く大風速運転モードの状態を示し、(b)は大風速の温風の吹き出し状態を示し、(b)はミスト噴霧時の温風とミストの吹き出し状態の説明図である。
【図4】(a)は同上のすべてのベーンが開く標準風速運転モードの状態を示し、(b)は標準風速の温風の吹き出し状態を示し、(b)はミスト噴霧時の温風とミストの吹き出し状態の説明図である。
【図5】(a)は同上の両端側ベーンのみが開く運転モードの状態を示し、(b)はミスト噴霧時の温風とミストの吹き出し状態の説明図である。
【図6】(a)は同上の標準風速運転モードを実施したときの乾燥データを示すグラフであり、(b)は湿度センサによって検知した浴室内の絶対湿度と経過時間との関係をあらわしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に用いるミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機1の一例を示しており、図2は浴室暖房乾燥機1の温風吹出口3の一例を示している。
【0017】
本浴室暖房乾燥機1は、浴室2の壁に取り付けられ、浴室2内の乾燥、排気、暖房を行う暖房乾燥機本体と、浴室2内にミストを噴霧するミスト噴霧装置と、これらを制御する制御部(図示せず)とで構成される。制御部は、リモコン操作器から指令されるリモコン信号や、浴室温度を検出する浴室温度センサ(図示せず)からの信号を受けて、乾燥運転とミストサウナ運転とを選択的に実行する。なお、暖房乾燥機本体、ミスト噴霧装置の具体的な構造については従来公知の特開2008−110021号公報に開示されている技術を援用できるので、詳細な説明は省略する。
【0018】
本浴室暖房乾燥機1の機器ケーシング1aの下面部には、図1(b)に示すように、横長状の温風吹出口3が設けられている。図1(b)では温風吹出口3の全開状態を示している。温風吹出口3の近傍位置には、ミストサウナ用の湯水を浴室2内に噴霧するためのミストノズル6が設けられている。本例では温風吹出口3よりも後方位置で且つ温風吹出口3よりも下方位置に複数のミストノズル6が設けられ、温風吹出口3からの温風の吹き出し方向とミスト噴霧方向とが交差することで、ミストが温風によって浴室2内に拡散されるようになっている。
【0019】
図2は本浴室暖房乾燥機1の温風吹出口3に設けられる可動ルーバー4の一例を示している。
【0020】
可動ルーバー4は、温風の向きを調整するものであり、本例の可動ルーバー4は、温風吹出口3の長手方向に並列状に配列される3枚のベーン4a,4bと、各ベーン4a,4bを個別に開閉することで温風吹出口3からの温風の風速及び吹出位置の少なくとも一方を変化させるためのベーン駆動手段5とで構成されている。
【0021】
ここで、3枚のベーン4a,4bは、温風吹出口3の長手方向の中央側に配置される1枚の中央側ベーン4aと、長手方向の両端側にそれぞれ配置される2枚の両端側ベーン4bとからなる。
【0022】
ベーン駆動手段5は、中央側ベーン4aを駆動する第1モータ5aと、両端側ベーン4bを同時に同じ方向に駆動する第2モータ5bとからなる。これら第1モータ5a及び第2モータ5bは、リモコン操作器からの指令を受けて遠隔操作される。
【0023】
リモコン操作器には、暖房運転を指令する暖房運転スイッチ、換気運転を指令する換気運転スイッチ、乾燥運転を指令する乾燥運転スイッチ、ミストサウナ運転を指令するミストサウナ運転スイッチ、大風速運転モードから標準風速運転モードへの切り替えを自動的に実施する自動運転コースの選択スイッチなどが設けられている。
【0024】
標準風速運転モードでは、第1モータ5aと第2モータ5bを駆動して3枚のベーン4a,4bをすべて開放することで温風吹出口3全体を開放して、所定の風速(以下、標準風速という)の温風を吹き出す(図4の状態)。大風速運転モードでは、第1モータ5aを駆動して中央側ベーン4aのみを開放することで温風吹出口3の中央側のみから温風を前記標準風速よりも大きい風速(以下、大風速という)で吹き出す(図3の状態)。また本例では第2モータ5bを駆動して両端側ベーン4bのみを開放する両端吹き出し運転モードを備えており、この両端吹き出し運転モードでは温風吹出口3の両端側のみから温風を吹き出すようになっている(図5の状態)。
【0025】
次に動作の一例を説明する。
【0026】
乾燥運転時には、図1(a)に示すように、可動ルーバー4の下方に、中央に乾きにくい厚手の衣類を吊るし、両側に乾きやすい薄手の衣類を吊るした状態で、リモコン操作器の乾燥運転スイッチを押す。このとき自動運転コースを選択すると、最初に大風速運転モードを実行し、温風吹出口3の中央側ベーン4aのみが開き(図3(a)、(b)の状態)、このとき中央の乾きにくい厚手の衣類に向かって集中的に温風が大風速で当たることで乾燥が促進される。その後、所定時間が経過すると標準風速運転モードに自動的に切り替わり、すべてのベーン4a,4bが開いてそれぞれの衣類に標準風速で温風が均一に吹き付けられる(図4(a)、(b)の状態)。これにより、それぞれの衣類が均等な乾燥状態となり、衣類の乾燥度合いのムラを少なくすることができる。ちなみに、衣類が完全に乾燥するまで乾燥運転を行うことは、乾きやすい衣類が混ざっていることを前提してみれば、不必要な乾燥運転が行われていることになり、この場合、乾燥時間が長くなり、さらには消費電力も多くなって、省エネ化を阻害する。これに対して本例では、大風速運転モードと標準風速運転モードの順次実施により、乾きにくい衣類に集中して温風を当て、乾きやすい衣類に対して不必要な温風を当てることがないため、運転効率を上げることができる。
【0027】
ここで図6(a)は、標準風速運転モードを実施した場合の乾燥状況を示す実験データである。ここでは外気温度30℃の下で、浴室2内に試験布2kgを水に濡らして乾燥運転を行った。図6(a)のラインL1は時間経過に伴う乾燥率(%)の変化を示す。ラインL2は浴室2内の温度変化である。図6(b)は浴室内の湿度を検知する湿度センサ(図示せず)によって検知した浴室2内の絶対湿度と経過時間との関係をあらわしたグラフであり、ラインL4の平衡線L4aでは浴室2内の湿度が平衡状態を示し、この平衡状態ではある程度の乾燥ができるものであり、平衡でなくなった下降線L4bにより、運転開始初期に集中させて乾燥させた衣類(乾きにくい試験布)の乾燥が進行していくことがわかる。
【0028】
一方、ミストサウナ運転時には、リモコン操作器のミストサウナ運転スイッチを押す。このとき自動コースを選択すると、ミストノズル6からミストMが噴霧すると同時に、最初の大風速運転モードによって温風吹出口3の中央側ベーン4aのみが開き(図3(c)の状態)いて、大風速に乗ってミストMを浴室2内にいち早く拡散させることができ、浴室2内にミストMが充満しやすくなる。従って、ミストMがスポット的に噴霧するスポットミストであっても、温風に乗って浴室2内に広がりやすくなるため、短時間でミストサウナ空間を形成でき、その後、所定時間が経過すると標準風速運転モードに自動的に切り替わり、すべてのベーン4a,4bが開き(図4(c)の状態)、温風とミスト噴霧との相乗効果で快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。また、風速及び吹出位置の変更によってミストの体感を変えることができる。
【0029】
さらにこのミストサウナ運転時において、両端側ベーン4bのみがそれぞれ開く両端吹き出し運転モードを選択することができる。この場合、温風吹出口3の両側のみからミストMが噴霧するので(図5(a)(b)の状態)、ミストMを直接浴びたくない人に向かってミストMが当たらないようにでき、快適感が損なわれないようにできる。
【0030】
また、ミストサウナ運転時の他の動作例として、最初に標準風速運転モードを実行し、所定時間経過後に大風速運転モードに自動的に切り替わる制御を行うようにしてもよい。この場合、最初に標準風速で浴室2内に均一にミストを噴霧して浴室2全体を暖めることができる。入浴中にはやわらかなあたりのミストを体感できるようになり、また入浴者が入浴した後は大風速運転モードに切り替えることで、スポット的で且つ大風量で刺激的なミストを体感できるようになる。
【0031】
また、ミストサウナ運転時の更に他の動作例として、最初に大風速運転モードを実行し、運転開始後前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に、標準風速運転モードに自動的に切り替わる制御を行うようにしてもよい。前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時というのは、例えば図6(b)の平衡線L4aで表される平衡状態から下降線L4bで表される湿度が下降する状態に移行した時(すなわち平衡線L4aと下降線L4bとの境界部分)や、前記検知値が所定の値以下又は未満になった時や、前記検知値の下降率が所定の値以下又は未満になった時、等が挙げられる。この場合、乾燥運転では最初の大風速運転モードによって温風吹出口3の中央側ベーン4aのみが開いて、大風速によって乾燥を促進でき、前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に標準風速運転モードに切り替えられてすべてのベーン4a,4bが開いて標準風速で温風が均一に吹き付けられるようにできるので、運転効率を上げることができる。一方、ミストサウナ運転開始時には最初の大風速運転モードによってミストノズル6からのミストを大風速に乗って浴室2内にいち早く拡散させることができるので、ミストがスポット的に噴霧するスポットミストであっても、温風に乗って浴室2内に広がりやすくなるため、短時間でミストサウナ空間を形成でき、その後、前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に標準風速運転モードに切り替わり、すべてのベーン4a,4bが開いて温風とミスト噴霧との相乗効果で快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【0032】
上記構成によれば、温風吹出口3の可動ルーバー4を閉塞させるベーン4a,4bを3分割して、ベーン4a,4bごとに開閉制御することで温風の風速及び吹出位置の少なくとも一方を変化させることにより、乾燥状態及びミスト噴霧状態に自由度を持たせることができる。つまり、乾燥運転時には、乾燥すべき衣類の厚みや乾き程度に合わせて、大風速運転モードと標準風速運転モードを適宜に選択して各ベーン4a,4bを開閉駆動することで、温風の噴霧範囲や速度がコントロール可能となり、乾きやすい衣類と乾きにくい衣類とに合わせて風速分布を異ならせることにより、衣類の乾燥度合いのムラを少なくすることができるものである。一方、ミストサウナ運転時には、ミスト噴霧と同時に、好みのミストサウナに合わせて、大風速運転モードと標準風速運転モード(或いは両端吹き出し運転モード)を適宜に選択して各ベーン4a,4bを開閉駆動することで、ミストの噴霧範囲や速度がコントロール可能となり、好みのミストサウナ空間を短時間で形成できるものである。
【0033】
前記実施形態ではベーン4a,4bを3枚に分割した場合を例示したが、勿論、3枚に限られるものではない。
【0034】
また本発明のミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機1は、図1に示す壁取付型に限らず、天井取付型のものにも広く適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 浴室暖房乾燥機
2 浴室
3 温風吹出口
4 可動ルーバー
4a 中央側ベーン
4b 両端側ベーン
5 ベーン駆動手段
6 ミストノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内を換気しながら温風吹出口から温風を吹き出すことで浴室内を乾燥させる乾燥運転と、温風吹出口の近傍位置から浴室内に向けてミストサウナ用の水を噴霧させるミストサウナ運転とを選択可能としたミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機であって、前記温風吹出口の近傍位置にミストノズルを設けると共に前記温風吹出口に温風の向きを調整する可動ルーバーを設け、この可動ルーバーは、前記温風吹出口の長手方向に並列状に配列される複数枚のベーンと、各ベーンを個別に閉鎖することで温風吹出口からの温風の風速及び吹出位置の少なくとも一方を変化させるためのベーン駆動手段とを備えることを特徴とするミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機。
【請求項2】
前記複数枚のベーンは、温風吹出口の長手方向の中央側に配置される1枚の中央側ベーンと、長手方向の両端側にそれぞれ配置される2枚の両端側ベーンとで構成され、前記ベーン駆動手段は、すべてのベーンを開放して温風吹出口全体から温風を標準風速で吹き出させる標準風速運転モードと、両端側ベーンを閉鎖して温風吹出口の中央側のみから温風を吹き出させて前記標準風速よりも大きい風速を得る大風速運転モードとを切り替え可能としたことを特徴とする請求項1記載のミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機。
【請求項3】
リモコン操作器からの運転開始指令を受けて前記大風速運転モードを実行し、運転開始から所定時間経過後に前記大風速運転モードから前記標準風速運転モードに自動的に切り替える動作を実行することを特徴とする請求項2記載のミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機。
【請求項4】
浴室内の湿度を検知する湿度センサを設け、リモコン操作器からの運転開始指令を受けて前記大風速運転モードを実行し、運転開始後前記湿度センサの検知値が所定の条件を満たした時に前記大風速運転モードから前記標準風速運転モードに自動的に切り替える動作を実行することを特徴とする請求項2記載のミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−214755(P2011−214755A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81585(P2010−81585)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】