説明

ミックス型駐車装置

【課題】自動車と自動二輪車を混在で収容できる機械式の駐車装置を提供する。
【解決手段】建物内に複数個の車両用パレットを格納し、これら車両用パレットに車両を搭載して駐車させる駐車装置1において、車両用パレットを、自動車を搭載するための自動車専用パレットと、該パレットに自動二輪車m1,m2の前輪ftを保持して係留するための係留ホルダー4,4を少なくとも2つ設けて2台以上の自動二輪車m1,m2を搭載するための自動二輪車専用パレット2とで構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内に複数個の車両用パレットを格納し、これら車両用パレットに車両を搭載して駐車させる機械式の駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体駐車場として使用される従来の機械式の駐車装置は、立体駐車場の入口から入庫した自動車を空の車両用パレット上に搭載し、これを昇降装置で昇降させたり、車両用パレットを備えたケージを昇降装置で昇降させたりすることで、建物内の上下左右に車両用パレットを格納して自動車を収容している。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−242278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、道路交通法の改正により、特に自動車の駐車に関する規定が改正された。新しい道路交通法によると、「自動車」の定義に大型自動二輪車及び普通自動二輪車が加わることになり、路上に自動二輪車を駐車することが禁止されるようになった。このように路上に自動二輪車を駐車することができなくなったため、自動二輪車用の駐車場の需要が高まってきている。
【0006】
しかしながら、従来、自動二輪車は平面駐車場に駐車することが多く、狭い場所や土地では多数の自動二輪車を効率よく駐車させることができなかった。
【0007】
また、従来の機械式の駐車装置は、多数の自動車を効率よく駐車できるものの、自動二輪車を収容できなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、自動車と自動二輪車を混在で収容できる機械式の駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、建物内に複数個の車両用パレットを格納し、これら車両用パレットに車両を搭載して駐車させる駐車装置において、上記車両用パレットを、自動車を搭載するための自動車専用パレットと、該パレットに自動二輪車の前輪を保持して係留するための係留ホルダーを少なくとも2つ設けて2台以上の自動二輪車を搭載するための自動二輪車専用パレットとで構成したミックス型駐車装置である。
【0010】
請求項2の発明は、上記自動二輪車専用パレット上の周囲に、上記自動二輪車の墜落を防止するための柵を設けた請求項1記載のミックス型駐車装置である。
【0011】
請求項3の発明は、上記自動二輪車専用パレットに、上記自動二輪車の座席部分を上方から固定するためのタイダウン装置を設けた請求項1または2記載のミックス型駐車装置である。
【0012】
請求項4の発明は、上記タイダウン装置は、上記自動二輪車専用パレット上に起立したポールと、そのポールに一端が取り付けられ、上記自動二輪車の座席部分に掛けられる自動巻取り・ラチェット締込式のタイダウンベルトと、そのタイダウンベルトの他端が止められて固定される止め金具とからなる請求項3記載のミックス型駐車装置である。
【0013】
請求項5の発明は、上記自動二輪車用パレットが、その長手方向かつ幅方向でずらされて並べられた2つの上記係留ホルダーを有する請求項1〜4いずれかに記載のミックス型駐車装置である。
【0014】
請求項6の発明は、上記自動二輪車専用パレットが、その長手方向に沿って対向して並べられた2つの上記係留ホルダーを有する請求項1〜4いずれかに記載のミックス型駐車装置である。
【0015】
請求項7の発明は、上記自動二輪車専用パレットが、その長手方向に対して斜めに並べられた2つの上記係留ホルダーを有する請求項1〜4いずれかに記載のミックス型駐車装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自動二輪車を立体的に駐車することが可能となり、土地の有効活用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
【0018】
まず、本実施形態に係るミックス型駐車装置の全体構成を、図7と図8を用いて説明する。
【0019】
図7に示すように、本実施形態に係るミックス型駐車装置71は、立体駐車場として使用されるエレベータ方式の機械式駐車装置(エレベータパーキング)であり、建物s内に複数個の車両用パレット72を上下左右に格納し、これら車両用パレット72に自動車cや自動二輪車mなどの車両を搭載して駐車させるものである。
【0020】
車両用パレット72は、自動車cを搭載するための自動車専用パレット72cと、その自動車専用パレット72cと基本的な構成は同じであり、少なくとも2台以上の自動二輪車mを搭載するための自動二輪車専用パレット72mとで構成される。
【0021】
このエレベータ方式のミックス型駐車装置71では、自動車cが立体駐車場の入口eから入庫する場合は、入庫に先立ち、図示しないピックアップ装置で空状態の自動車専用パレット72cを建物s内を垂直方向に貫通する中空部に引き出し、引き出した空状態の自動車専用パレット72cを昇降装置73で入口eまで下降移動させて停止する。停止した自動車専用パレット72c上に自動車cを搭載し、昇降装置73で満状態の自動車専用パレット72cを上昇移動させて引き出し位置で停止し、これを再びピックアップ装置で元の位置まで押し入れる。
【0022】
一方、自動二輪車mが立体駐車場の入口eから入庫する場合には、自動二輪車専用パレット72mを用いて、自動車cの場合と同様の動作を行う。これにより、ミックス型駐車装置71では、建物s内に自動車専用パレット72cと自動二輪車専用パレット72mを格納し、自動車cと自動二輪車mとを混在して収容する。
【0023】
建物s内の入口e下部には、さらに自動車専用パレット72cと自動二輪車専用パレット72mを旋回させるターンテーブルなどの旋回装置を設けてもよい。この旋回装置を建物s外の入口e近傍に設けてもよい。
【0024】
また、図8に示すように、本実施形態に係るミックス型駐車装置81は、垂直循環方式の機械式駐車装置(タワーパーキング)である。このミックス型駐車装置81も、図7のミックス型駐車装置71と同様に自動車専用パレット72cと自動二輪車専用パレット72mとを有し、これら各パレット72c,72mがそれぞれ下部に設けられた複数個のケージ82を、チェーン83やスプロケット、スプロケットの駆動装置を用いて垂直方向に循環させ、自動車cと自動二輪車mとを混在して収容する。
【0025】
ここで、自動二輪車専用パレット72mとして用いる本実施形態に係る自動二輪車専用パレットのより詳細な構成と、その周辺部とを、図1(a)、図1(b)および図2を用いて説明する
図1(a)、図1(b)および図2に示すように、第1の実施形態に係るミックス型駐車装置1は、2台以上の自動二輪車m1,m2を搭載するための自動二輪車専用パレット2を有する。この自動二輪車専用パレット2には、パレット本体3上に、自動二輪車m1,m2の前輪ftのみを保持してパレット本体3に係留するための2つの係留ホルダー(ホルダースタンド)4,4が設けられる。
【0026】
自動二輪車m1,m2としては、例えば、ビッグアメリカン、ビッグスクーター、オンロード、オフロード、ネイキッド、レーサーレプリカ、ツアラー、ストリート、スクーターなど、排気量が50ccの小型バイクから大型バイクまでのほぼすべてのタイプの自動二輪車を使用できる。
【0027】
パレット本体3は、SUSなどの金属で細長いほぼ平板状に形成される。パレット本体3の長さと幅は、普通自動車が1台搭載できるように設定する。第1の実施形態では、パレット本体3の長さLを500〜530cmとし、幅Wを200〜220cmにした。
【0028】
また、第1の実施形態では、パレット本体3上に、その長手方向かつ幅方向でずらされて千鳥状に並べられた2つの係留ホルダー4,4を、ボルトやナットなどの締結手段で取付け固定して設けた。これら係留ホルダー4,4により、図1(a)でいえば、自動二輪車専用パレット2上の上半分の左側に1台の自動二輪車m1を係留でき、下半分の右側に1台の自動二輪車m2を係留できる。
【0029】
係留ホルダー4は、鋼板、SUSなどの金属で形成される。この係留ホルダー4は、側面視でほぼL字状に曲げられた枠体5に、前輪ftを受ける下受け部6と上受け部7とを、スプリングで枠体5の長手方向の外側に向かって付勢させて回動可能に設けたものである。
【0030】
係留ホルダー4に対して垂直になるように自動二輪車を進入させると、まず下受け部6に前輪ftが乗ってホールドされ、さらに自動二輪車を前進させると、前輪ftが枠体5を乗り越え、さらに前輪ftが上受け部7でホールドされると共に、前輪ft自身の重さで上受け部7に前輪ftが押し付けられる。これにより、自動二輪車を前輪ftのみで保持して真っ直ぐな状態で係留できる。このような係留ホルダー4としては、例えば、株式会社ワイズギア製のバイクホルダースタンドがある。
【0031】
パレット本体3上の全周囲には、自動二輪車m1,m2の墜落を防止するための柵8が、ボルトやナット、L型金具などの締結手段で取付け固定されて設けられる。柵8の高さHfは、自動二輪車の最も高い位置が柵8の上端からはみ出さないように設定する。第1の実施形態では、高さHfを130〜150cmにした。
【0032】
第1の実施形態では、さらに自動二輪車m1,m2のハンドルやブレーキレバーのパレット外へのはみ出しを防止するため、柵8として前面金網8f、背面金網8b、4枚の側面金網8sの合計6枚の金網からなるものを用いた。
【0033】
特に、自動二輪車m1,m2の入出庫方向に位置する背面金網8bは、自動二輪車m1,m2の入出庫を可能にするため、片側開き、観音開きなどができるように回動自在に設ける。第1の実施形態では、背面金網8bの右端部9を支点にして背面金網8bを片側開きできるようにした。
【0034】
第1の実施形態では、図7で説明したエレベータ式に応用する例を示しているので、自動二輪車専用パレット2の下部の前端部と後端部に、建物の構造材F上に設けられた走行レール10上を走行するための走行車輪11,11が設けられる。
【0035】
一般に、自動車専用パレットには、1台の自動車の満空状態を判断するための投光器と受光器からなる光センサが備えられ、その光センサが昇降装置やピックアップ装置と共に制御手段に接続され、その制御手段により、すべての自動車専用パレットの満空状態を監視している。
【0036】
しかし、自動二輪車専用パレット2には、満状態で2台の自動二輪車m1,m2が搭載されるため、光センサだけでは自動二輪車m1,m2の満空状態(0台、1台、2台の状態)を判断するのは難しい。
【0037】
そこで、自動車専用パレット2上あるいは裏面には、光センサの代わりに、各係留ホルダー4の近傍にロードセルなどの荷重センサを設け、その荷重センサを上述した制御手段に接続することで、自動二輪車m1,m2の満空状態を判断するとよい。
【0038】
第1の実施形態の作用を説明する。
【0039】
ミックス型駐車装置1は、車両用パレットを、図7の自動車専用パレット72cと、その自動車専用パレット72cと基本的には同じ構成であり、図1および図2の係留ホルダー4,4を備えた自動二輪車専用パレット2とで構成している。
【0040】
このため、ミックス型駐車装置1では、従来は自動二輪車の収容が非常に困難であった機械式の立体駐車場でも、自動二輪車m1,m2と自動車を混在で収容できる。
【0041】
従来多くの場合、自動二輪車を平面に駐車するしか方法はなかったが、ミックス型駐車装置1によれば、自動二輪車を立体的に駐車することが可能となり、土地の有効活用が可能となる。しかも、ミックス型駐車装置1では、自動二輪車の盗難被害防止や、路上駐車防止も図れる。
【0042】
また、ミックス型駐車装置1は、自動二輪車専用パレット2上の周囲に柵8を設けているため、パレットの引き出し・押し入れ、昇降時に、自動二輪車m1,m2がパレット外へ墜落あるいは転落することを防止でき、自動二輪車m1,m2や装置本体が壊れるのを防ぐことができる。
【0043】
さらに、ミックス型駐車装置1では、自動車専用パレット72cと基本的には同じ構成であるパレット本体3上に、ボルトやナット、あるいは必要に応じてタッププレートなどの簡便な締結手段を用いて係留ホルダー4,4や柵8を設置している。
【0044】
このため、ミックス型駐車装置1によれば、機械式駐車場を新設する場合に限らず、既設の機械式駐車場の車両用パレットを若干改造すればよく、各種部品の取付け作業や装置の製造が簡単であり、低コストである。
【0045】
次に、第2の実施形態を説明する。
【0046】
図3(a)、図3(b)および図4(a)、図4(b)に示すように、第2の実施形態に係るミックス型駐車装置31は、図1のミックス型駐車装置1から柵8を省略し、さらにパレット本体33として、その長手方向の両側に、中央部の平坦部34よりも1段低い自動車用通路35,35を形成したものを用いた自動二輪車専用パレット32を備える。
【0047】
パレット本体33上の中心部には、その長手方向に沿って対向して並べられた2つの係留ホルダー4,4が設けられる。これら係留ホルダー4,4により、図3(a)でいえば、自動二輪車専用パレット32上の中央部の左半分側に自動二輪車m1を係留でき、自動二輪車専用パレット32上の中央部の右半分側に1台の自動二輪車m2を係留できる。
【0048】
自動二輪車専用パレット32上には、自動二輪車m1の座席部分を上方から固定するためのタイダウン装置36aと、自動二輪車m2の座席部分を上方から固定するためのタイダウン装置36bが設けられる。
【0049】
タイダウン装置36aは、自動二輪車専用パレット32上に起立した片側ポール37と、その片側ポール37に一端が取り付けられ、中間止め金具としてのベルト挿通部材38を挿通した上で自動二輪車m1の座席部分に掛けられる自動巻取り・ラチェット締込式のタイダウンベルト39と、そのタイダウンベルト39の他端に取り付けられたフック40が掛けられて固定される止め金具41とからなる。
【0050】
このタイダウン装置36aでは、予めタイダウンベルト39がベルト挿通部材38を挿通している。このため、係留ホルダー4に自動二輪車m1を係留した後、ユーザーや駐車場の管理人が自動二輪車m1の座席部分にタイダウンベルト39を掛け、止め金具41にフック40を掛けた上で、タイダウンベルト39を自動巻取りして長さを調整すれば、自動二輪車m1のサイズにかかわらず、タイダウンベルト39をN形に巻き掛けて自動二輪車m1をより確実に固定できる。
【0051】
また、タイダウン装置36bは、自動二輪車専用パレット32上に起立した両側ポール37,37と、その両側ポール37,37に一端と他端が取り付けられ、中間止め金具としての両側のベルト挿通部材38,38をそれぞれ挿通した上で自動二輪車m2の座席部分に掛けられる自動巻取り・ラチェット締込式のタイダウンベルト39とからなる。
【0052】
このタイダウン装置36bでは、自動二輪車m2の空状態時、予めタイダウンベルト39を自動二輪車m2の進入側に大きくたるませておく。
【0053】
このため、係留ホルダー4に自動二輪車m2を係留した後、ユーザーや駐車場の管理人が自動二輪車m2の座席部分に、その後方からたわませていたタイダウンベルト39を掛けた上で、タイダウンベルト39を両側から自動巻取りして長さを調整すれば、自動二輪車m2のサイズにかかわらず、タイダウンベルト39を逆M形に巻き掛けて自動二輪車m2をより確実に固定できる。
【0054】
ポール37の高さHpは、ユーザーや駐車場の管理人による自動二輪車の固定作業を簡単にするため、自動二輪車m1の座席高さよりも若干高くする。第2の実施形態では、高さHpを90〜110cmにした。
【0055】
ミックス型駐車装置31では、タイダウン装置36a,36bにより、係留ホルダー4,4に係留した自動二輪車m1,m2を、自動二輪車専用パレット32上に傷つけることなく、より確実に固定できる。
【0056】
このため、ミックス型駐車装置31によれば、パレットの引き出し・押し入れ、昇降時などの機械振動や、比較的弱い地震動などの衝撃がパレットに加わっても、自動二輪車m1,m2のパレット外への墜落あるいは転落、パレット内での転倒を防止でき、自動二輪車m1,m2や装置本体が壊れるのを防ぐことができる。
【0057】
特に、パレットに強い衝撃が加わった場合には、係留ホルダー4,4に自動二輪車m1,m2を係留するだけでは、前輪と後輪を結ぶ線に対し、自動二輪車m1,m2がローリングすることがある。ミックス型駐車装置31では、タイダウン装置36a,36bを用いることで、自動二輪車m1,m2のローリングも防止できる。
【0058】
さらに、ミックス型駐車装置31では、自動二輪車m1,m2の座席部分をタイダウンベルト39で上方から押さえつけて固定しており、係留ホルダー4の下受け部6や上受け部7に、前輪ftがより効果的に押し付けられるため、タイダウン装置36a,36bと係留ホルダー4,4の相乗効果により、自動二輪車専用パレット32上に自動二輪車m1,m2を固定できる。
【0059】
また、図5(a)および図5(b)に示す第3の実施形態に係るミックス型駐車装置51のように、図1のミックス型駐車装置1から柵8を省略し、さらにパレット本体53として、その長手方向の両側に、中央部の幅広な平坦部54よりも1段高い段差55,55を形成したものを用いた自動二輪車専用パレット52を備えてもよい。
【0060】
パレット本体53上には、その長手方向に対して45°未満の角度θ5だけ斜めに傾けて並べられた2つの係留ホルダー4,4が設けられる。第3の実施形態では、角度θ5を約35°とした。
【0061】
これら係留ホルダー4,4により、図5(a)でいえば、自動二輪車専用パレット52上の左半分側に1台の自動二輪車m1を斜めに係留でき、自動二輪車専用パレット52上の中央部の右半分側に1台の自動二輪車m2を斜めに係留できる。
【0062】
ミックス型駐車装置51は、自動二輪車専用パレット52上に2台の自動二輪車m1,m2をコンパクトに搭載できるため、パレット本体53の長さが比較的短い場合に用いると有用である。
【0063】
また、ミックス型駐車装置51では、図3(a)、図3(b)および図4(a)で説明したタイダウン装置36aからベルト挿通部材38を省略したタイダウン装置56aを用いて、自動二輪車m1の座席部分を両側から2本のタイダウンベルト39,39で、自動二輪車m1の縦方向(長手方向)に対してたすき掛けして固定する例を示した。
【0064】
さらに、図6に示す第4の実施形態に係るミックス型駐車装置61のように、パレット本体3上に、その長手方向に対して図5(a)および図5(b)の角度θ5より大きい角度θ6(図6では約45°)だけ斜めに傾けて並べられた2つの係留ホルダー4,4を設けてもよい。
【0065】
上記実施形態では、2台の自動二輪車を搭載するための自動二輪車専用パレットを用いる例で説明したが、排気量が125cc以下の小型自動二輪車や、一般的な車両用パレットより長いものや幅広な車両用パレットを使用する場合には、自動二輪車専用パレットに3台以上の自動二輪車を搭載することもできる。
【0066】
また、上記各実施形態で説明したミックス型駐車装置は、図7のエレベータ方式や図8の垂直循環方式の機械式駐車装置以外にも、円形循環方式、水平循環方式、箱形循環方式、二段・多段方式や平面往復方式(シャトルパーキング)にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1(a)は、本発明の好適な第1の実施形態であるミックス型駐車装置の主要部の平面図、図1(b)はその側面図である。
【図2】図1(a)に示したミックス型駐車装置の主要部の2A線矢視図(正面図)である。
【図3】図3(a)は、本発明の第2の実施形態であるミックス型駐車装置の主要部の平面図、図3(b)はその側面図である。
【図4】図4(a)は、図3に示したミックス型駐車装置の4A−4A線断面図、図4(b)は、図3に示したミックス型駐車装置の4B−4B線断面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第3の実施形態であるミックス型駐車装置の主要部の平面図、図5(b)はその5B−5B線矢視図である。
【図6】本発明の第4の実施形態であるミックス型駐車装置の主要部の平面図である。
【図7】本実施形態に係るエレベータ方式のミックス型駐車装置の部分断面図である。
【図8】本実施形態に係る垂直循環方式のミックス型駐車装置の部分断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 ミックス型駐車装置
2 自動車専用パレット
3 パレット本体
4 係留ホルダー
8 柵

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に複数個の車両用パレットを格納し、これら車両用パレットに車両を搭載して駐車させる駐車装置において、上記車両用パレットを、自動車を搭載するための自動車専用パレットと、該パレットに自動二輪車の前輪を保持して係留するための係留ホルダーを少なくとも2つ設けて2台以上の自動二輪車を搭載するための自動二輪車専用パレットとで構成したことを特徴とするミックス型駐車装置。
【請求項2】
上記自動二輪車専用パレット上の周囲に、上記自動二輪車の墜落を防止するための柵を設けた請求項1記載のミックス型駐車装置。
【請求項3】
上記自動二輪車専用パレットに、上記自動二輪車の座席部分を上方から固定するためのタイダウン装置を設けた請求項1または2記載のミックス型駐車装置。
【請求項4】
上記タイダウン装置は、上記自動二輪車専用パレット上に起立したポールと、そのポールに一端が取り付けられ、上記自動二輪車の座席部分に掛けられる自動巻取り・ラチェット締込式のタイダウンベルトと、そのタイダウンベルトの他端が止められて固定される止め金具とからなる請求項3記載のミックス型駐車装置。
【請求項5】
上記自動二輪車用パレットが、その長手方向かつ幅方向でずらされて並べられた2つの上記係留ホルダーを有する請求項1〜4いずれかに記載のミックス型駐車装置。
【請求項6】
上記自動二輪車専用パレットが、その長手方向に沿って対向して並べられた2つの上記係留ホルダーを有する請求項1〜4いずれかに記載のミックス型駐車装置。
【請求項7】
上記自動二輪車専用パレットが、その長手方向に対して斜めに並べられた2つの上記係留ホルダーを有する請求項1〜4いずれかに記載のミックス型駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−228239(P2009−228239A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72283(P2008−72283)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【出願人】(000227043)日精株式会社 (68)
【出願人】(000228523)日本ケーブル株式会社 (96)
【出願人】(598117975)株式会社ワイズギア (18)