説明

メイクアップを施与するキット及び方法

本発明は、表面、例えば皮膚、爪、毛髪、又は口唇にメイクアップを施与するためのキットにおいて、磁場の影響下で可動性である磁性粒子を含む第一化粧料組成物(C);第一組成物(C)を被覆する、又は第一組成物により被覆されるための第二化粧料組成物(C)を含むキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面、例えば皮膚、爪、毛髪、口唇、又は付け爪さえにメイクアップを施与するためのキットに関し、メイクアップを施与する方法にもまた関する。
【0002】
本発明の文脈において使用される用語「化粧料組成物」は、1993年6月14日付けのEEC指令書93/35補正EEC指令書76/768(EEC Directive 93/35 modifying EEC Directive 76/768)において定義された組成物を意味する。ファンデーション、口紅、及びマニュキア液は化粧料組成物の例である。
【0003】
メイクアップの分野において新規な外観の効果から利益を得る必要性が存在し、本発明はその必要性を満足させることを探求する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
メイクアップを施与するためのキット
本発明の側面の一つに従うと、本発明は、表面、例えば皮膚、爪、毛髪、又は口唇にメイクアップを施与するためのキットを提供し、該キットは、
金属の鉄の粒子、特に軟鉄を含む第一化粧料組成物(C);及び
第一組成物(C)を被覆するための、又は第一組成物(C)により被覆されるための第二化粧料組成物(C
を含む。
【0005】
本発明の別の側面に従うと、本発明は表面、例えば皮膚、爪、毛髪、口唇、又は付け爪さえにメイクアップを施与するためのキットであって、
磁場の影響下で可動性である磁性粒子を含む第一化粧料組成物;
第一組成物を被覆する、又は第一組成物により被覆されるための第二化粧料組成物を含み、
第一組成物が該表面に少なくとも1の層の形で施与されたとき、磁性粒子のすべて又は一部の配向を移動させる及び/又は変更することを可能にする磁場を作り出すための磁性デバイス
をもまた含むキットを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
用語「可動性である」は、粒子の配向及び/又は位置が変更されることができることを意味する。
【0007】
表面に堆積された第一組成物の外観は、磁性粒子の配向及び/又は位置に依存する。本発明は新規なメイクアップ効果を化粧料組成物で創り出すことを可能にし、レリーフ状の模様が作り出されることを可能にし、例えば又はレリーフの印象、又は場合によって種々の他の幾何学模様を与える。
【0008】
第二組成物は透明であってもよい。第二化粧料組成物が第一組成物に施与されたとき、第二組成物は、深さ、光沢、滑らかさ、又は他の効果を得ることを可能する。
【0009】
第二組成物は、着色剤、例えば顔料を含み得る。第二組成物が着色されているとき、着色された背景/ベースを創り出すことが可能であり、例えば第二組成物は、例えば第一組成物により被覆される。
【0010】
特に、本発明のキットはメイクアップを口唇又は爪に施与するために使用され得る。
【0011】
本発明のキットは、第一組成物が表面に施与された少なくとも直後に、第一組成物の外観を変更することを可能にする磁場を創り出すための磁性デバイスを含み得る。
【0012】
第一化粧料組成物
所与の乾燥時間の後、第一組成物は、磁性粒子が磁場の影響下でその配向をさらに変えることを妨ぐ状態を取り得る。これは例えばマニュキア液に当てはまる。ある状況下では、磁性粒子の配向は、任意の時に、特に第一組成物が乾燥しないとき、又は非常に長い乾燥時間を示すときにもまた変更され得る。これは例えばファンデーションに当てはまり得る。
【0013】
上述されたように、第一組成物は、種々の形態で提示され得る磁性粒子を含む。
【0014】
磁性粒子
用語「磁性粒子」は、「磁性体」とも呼ばれ、磁性に敏感性を示す粒子、すなわち磁場の作用に敏感であり、かつ例えば磁力線と一直線になる傾向がある粒子を意味する。
【0015】
第一組成物は、磁性粒子及び非磁性粒子の両方を含み得る。
【0016】
組成物中の磁性粒子及び非磁性粒子の存在は、例えば磁場の影響下で変えられることができる新規な光学効果を創り出すことを可能する。
【0017】
磁場の不存在においては、使用される磁性粒子は、好ましくは何らの残留磁性を示さない。
【0018】
磁性粒子は、磁場が永久磁石により作り出されるか、又は誘導の結果であるかに関わらず、磁場の磁力線に感受性を示す磁性物質を含み得、該物質はニッケル、コバルト、鉄、及びそれらの合金及び酸化物、特にFe、及び例えばガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウム、及びそれらの合金及び酸化物から選択される。磁性物質は、「軟」又は「硬」のタイプであり得る。
【0019】
磁性粒子は、磁性物質、例えば鉄、ニッケル、コバルト及びそれらの合金及び酸化物、特に例えばFeの少なくとも1つの層を含む多層構造を場合によって示してもよい。
【0020】
磁性粒子は、好ましくは非球状であり、例えば細長い形状を示す。すなわち、該粒子が磁場に付されたとき、その長尺軸を磁力線と並べて配向される傾向があり、そして配向が変化し、第一組成物の外観の変化をもたらす。
【0021】
磁性粒子が実質的に球状であるとき、その外観は好ましくは非均一であり、その結果、配向の変化が外観の変化をもたらす。
【0022】
磁性粒子の量は、組成物の外観をその配向及び/又はその位置に依存させることを可能にするのに十分である。
【0023】
磁性粒子の濃度は、例えば約0.05重量%〜約97重量%の範囲、例えば好ましくは約0.1重量%〜約95重量%の範囲、好ましくは0.1重量%〜90重量%の範囲、例えば約3重量%であり得る。例えば、磁性粒子のサイズは、1ナノメートル(nm)〜700マイクロメートル(μm)の範囲、例えば1μm〜500μm,より特に約10μm〜約150μmの範囲であり得る。用語「サイズ」は、「D50」と呼ばれる、母集団の半分における統計的粒度分布により与えられるサイズを意味する。
【0024】
第一組成物の磁性粒子は磁性顔料を含み得る。特に適する顔料は酸化鉄Feを含む真珠層である。例えば、磁性を示す顔料は、メルク社によりカラロナブラックスターブルー,カラロナブラックスターグリーン,カラロナブラックスターゴールド,カラロナブラックスターレッド,クロワゾネヌアンティークスーパーグリーン,ミクロナマットブラック(17437),マイカブラック(17260),カラロナパティナシルバー(17289),及びカラロナパティナゴールド(117288)の商標名で、又はエンゲルハード社により実際フラメンコトワイライトレッド,フラメンコトワイライトグリーン,フラメンコトワイライトゴールド,フラメンコトワイライトブルー,チミカヌアンティークシルバー110AB,チミカヌアンティークゴールド212GB,チミカヌアンティークカッパー340AB,チミカヌアンティークブロンズ240AB,クロワゾネヌアンティークグリーン828CB,クロワゾネヌアンティークブルー626CB,ジェムトーンムーンストーンG004,クロワゾネヌアンティークレッド424クロマ−ライト,ブラック(4498),クロワゾネヌアンティークルージュフランベ(コード440XB),クロワゾネヌアンティークブロンズ(240XB),クロワゾネヌアンティークゴールド(222CB),及びクロワゾネヌアンティークカッパー(340XB)の商標名で販売されているものである。
【0025】
磁性粒子は、磁性繊維であってもよい。
【0026】
磁性繊維
用語「繊維」は、例えば3.5〜2500又は5〜500,例えば5〜150の範囲の形態因子を示すに細長い物体を一般的に意味する。形態因子は、比L/Dにより定義される。ここでLは繊維の長さであり、Dは繊維の最も広い断面が内接されるところの円の直径である。
【0027】
例えば、繊維の断面は、2nm〜500μmの範囲,例えば100nm〜100μmの範囲,又は1μm〜50μmさえの直径を有する円に内接され得る。
【0028】
例えば、繊維は、1μm〜10ミリメートル(mm),例えば0.1mm〜5mm,又は0.3mm〜3.5mmさえの範囲の長さを示し得る。
【0029】
例えば、繊維は0.15デニール〜30デニール(9 kmの糸に対するグラムにおける重さ),例えば0.18デニール〜18デニールの範囲の重さを示し得る。
【0030】
繊維の断面は、任意の形であり得、例えば円、又は多角形、特に四角形、六角形、又は八角形であり得る。
【0031】
組成物は、独立していてもよい、又は相互に連結されていてもよい、例えば編まれていてもよい固体又は中空の繊維を含み得る。
【0032】
組成物は、例えば研磨することにより先が尖っていない及び/又は丸められた末端を有する繊維を含み得る。
【0033】
繊維が組成物に挿入されるとき、繊維の形状は、顕著には変えられる必要はない、ここで該繊維は最初、直線状であり、かつその形状を保つのに十分硬い。変形において、繊維は、それらが組成物内でかなり変形されることを可能にする柔軟性を示してもよい。
【0034】
繊維は、ゼロではない量(100%であってもよい)の軟磁性物質、硬磁性物質、特に鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、又はマンガン、及びそれらの合金及び酸化物に基づくもの、特にFe、希土類、硫酸バリウム、鉄−シリコン合金(場合よってモリブデンを含んでいてもよい)、CuMnAl,MnBi又はそれらの混合物(このリストは制限的ではない)から選択された磁性物質を含み得る。
【0035】
組成物が磁性粒子を含む繊維を含むとき、該磁性粒子は、繊維の少なくとも表面に、又は繊維の表面のみに、又は繊維の内部のみに存在し得、又は例えば実質的に均一な様式で繊維中に分散さえされていてもよい。
【0036】
例えば、各繊維は、その表面に複数の磁性粒子を有する非磁性的なコアを含み得る。
【0037】
各繊維は、その中に分散された複数の磁性粒(magnetic grain)を含む合成マトリックスをもまた含み得る。
【0038】
適切であれば、磁性粒子で満たされた合成物質自身が非磁性の膜により被覆されていてもよい。例えば、そのような膜は磁性物質を周りの環境から孤立させる障壁を構成する、及び/又はそれは色を与えることができる。各繊維は、上下続き(one-piece)の磁性コアを含み得、非磁性膜により被覆されていてもよく、又は上下続きの非磁性コアを含み、磁性膜により被覆されていてもよい。
【0039】
組成物は1以上のポリマー状物質、特にサーモプラスチック及び/又はエラストマーを押し出すこと又は共押出することにより製造された繊維を含み得る。押し出された物質の一つは、分散された磁性粒子のフィラーを含み得る。
【0040】
各繊維は、ポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET);アセテート;ポリオレフィン、特にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリエステルブロックアミド;可塑化されたリルサン(商標);エラストマー、特にポリエステルエラストマー、ポリエチレン(PE)エラストマー、シリコーンエラストマー、ニトリルエラストマー;又はこれらの物質の混合物、このリストは制限的ではない、から選択された合成物質を含み得る。
【0041】
組成物は、複合繊維であって、各繊維が少なくとも部分的に少なくとも1の非磁性の、合成の、又は天然の物質により被覆された磁性コアを含む複合繊維を含み得る。例えば、磁性コアは、コアの周りに非磁性物質で作られた膜を共押出することにより被覆されていてもよい。
【0042】
コアもまた、何か他の方法で、例えばインシチューでの重合化により被覆されていてもよい。
【0043】
コアは、単一の部品(piece)であってもよく、又はマトリックス中に分散された磁性粒のフィラーを含んでいてもよい。
【0044】
組成物は、非磁性の、合成の、又は天然のコアを磁性粒子でみたされた合成の物質で被覆することにより得られた複合繊維をもまた含み得、コアは木;レーヨン;ポリアミド;植物物質;又はポリオレフィン、特にポリエチレン、ナイロン(登録商標)、ポリイミド−アミド、又はアラミド、このリストは制限的ではない、から作られた繊維からなる。
【0045】
組成物は、磁性複合粒子、特に磁性ラテックスをもまた含み得る。
【0046】
磁性複合粒子
磁性複合粒子は、有機又は無機のマトリックスにより、及び磁性粒により構成された複合物質である。その表面及び/又はそれ自身の中において、磁性複合粒子はすなわち磁性物質の粒を含み得る。複合粒子は、有機又は無機のマトリックスにより被覆された磁性コアにより構成され得、又はそれらは磁性マトリックスにより被覆された有機又は無機のコアにより構成されていてもよい。
【0047】
磁性複合粒子は、例えば上述の磁性物質の1つを含む。
【0048】
磁性複合粒子のサイズは1nm〜1mmの範囲,例えば好ましくは100nm〜500μmの範囲,より好ましくは500nm〜100μmの範囲であり得る。用語「サイズ」は、「D50」と呼ばれる、母集団の半分における統計的粒度分布により与えられるサイズを意味する。
【0049】
2004年,3月24日付けのC.GOUBAULTによる理論(参照することにより本明細書に取り込まれる)は、第1章において磁性複合粒子の課題に関する先行技術に言及し、磁性複合粒子を製造するために使用されるのに適する製造方法、すなわち、磁性粒及びマトリックスを別々に合成すること、マトリックスと接触している磁性粒を合成すること、又は磁性粒の存在下でマトリックスを合成することのリストを選び出している。
【0050】
KISKERは、シリカからなる無機マトリックス磁性複合粒子を市販している。DYNAL,SERADYN,ESTAPOR,及びADEMTECHは、本発明において使用されるために適する有機マトリックス磁性複合粒子を提案している。
【0051】
より特に、M1−070/60の製品番号で、ESTAPORは、ポリスチレンマトリックス中に均等に分布されているフェライトの粒により構成されている磁性ラテックスを市販している。該ラテックスは65%の酸化鉄を含みポリスチレン粒子の平均直径は890nmであり、乾燥物質質量含有量は10%である。
【0052】
磁性流体
組成物は、磁性流体、すなわち磁性粒子、特に磁性ナノ粒子の安定なコロイド状懸濁物を含み得る。
【0053】
数十ナノメートルのオーダーのサイズを有する粒子が、例えば溶媒(水、オイル、有機溶媒)に、界面活性剤又は分散剤により、又は静電相互作用により分散されている。
【0054】
例えば、磁性流体は、フェライト又は他の磁性粒子をナノ粒子が得られるまで研磨し、次に該粒子が界面活性剤(該粒子により吸着され粒子を安定化する)を含む流体に分散されることにより製造されることができる。又はそれらは金属イオン溶液を塩基性媒体に沈殿させることにより製造されることができる。
【0055】
磁性流体の各粒子は、粒子のサイズ及び磁性物質の性質により決められる磁気モーメントを示す。
【0056】
磁場の作用下、粒子の磁気モーメントは、磁力線と並ぶようになる傾向があり、ゼロではない磁化が液体に現れる。もし場が取り除かれると、ヒステリシスは無く、磁化はゼロに落ちる。
【0057】
場の閾値を超えると、液体に巨視的な変化を起こすこと、例えばピークの出現、又はレオロジー学的性質の変化を起こすことも可能である。
【0058】
用語「磁性流体」は、溶媒中の磁性流体の滴のエマルジョンをもまた含む。すなわち各滴は安定な懸濁物中におけるコロイド状の磁性粒子を含む。これは任意のタイプの溶媒における磁性流体を得ることを可能にする。磁性流体中の懸濁における磁性粒子のサイズは、1nm〜10μmの範囲,例えば好ましくは1nm〜1μmの範囲,より好ましくは1nm〜100nmの範囲であり得る。用語「サイズ」は、「D50」と呼ばれる、母集団の半分における統計的粒度分布により与えられるサイズを意味する。
【0059】
以下の参照名でリキッドリサーチ社により販売されている磁性流体が特に挙げられることができる。
WHKS1S9(A,B,又はC),10nmの直径の粒子を有する、磁鉄鉱(Fe)を含む水をベースとする磁性流体である。
WHJS1(A,B,又はC),直径が10nmである磁鉄鉱(Fe)の粒子を含むイソパラフィンをベースとする磁性流体である。
BKS25デキストラン,デキストランにより安定化された、水をベースとする磁性流体であって、直径が9nmである磁鉄鉱(Fe)の粒子を含む磁性流体である。
【0060】
粒子及び/又は磁性繊維の鎖
組成物は、最大寸法、例えば1nm〜10mmの範囲、例えば10nm〜5mmの範囲、又は100nm〜1mmの範囲、又は0.5μm〜3.5mmの範囲さえ、例えば1μm〜150μmの範囲であり得る例えば長さを有する粒子又は繊維の集団を含んでいてもよい。用語「サイズ」は、「D50」と呼ばれる母集団の半分における統計的粒度分布により与えられるサイズを意味する。
【0061】
例えば、磁性粒子の鎖は、刊行物、E.M.Furst,C.Suzuki,M.Fermigier,A.P.Gastによる「永久的に結合された単分散の常磁性の鎖」,Langmuir、第14巻,7334〜7336ページ(1998年),M.Fermigier,Y.Grasselliによる「磁性粒子の懸濁物」,Bulletin of the SFP(第105巻)1996年、7月,及び,C.Goubault,P.Jop,M.Fermigier,J.Baudry,E.Bertrand,J.Bibetteによる「マイクロメカニカルなセンサーとしての柔軟な磁性フィラメント」,Phys.Rev.Lett.,第91巻,第26号,260802−1〜260802−4(2003年)に記載されているように,コロイド状磁性粒子を組み立てることにより得られ得る。上記文献の内容は参照することにより本明細書に取り込まれる。
【0062】
特に上記論文は、表面に官能基を有する酸化鉄の粒を含むポリスチレンマトリックスを含み、化学反応に従って永久的な様式で、特に隣接する粒子の表面間での共有結合で一緒に結合されている磁性ラテックス粒子の鎖を得るための進め方を記載している;物理的相互作用により一緒に結合されている磁性流体−エマルジョン滴の鎖を得る方法もまた記載されている。この方法で得られた永久鎖の長さ及び直径は、コントロールされることができる。そのような磁性鎖は、磁場の影響下、配向され、移動されることのできる異方性のある磁性物体を構成する。
【0063】
磁性鎖の寸法は、磁性繊維に対するのと同じ条件を満足させ得る。
【0064】
例えば、第一組成物は、観察の角度に応じて色の変化が観察されることができる少なくとも1のゴニオクロマチックな着色剤を含み得る。ゴニオクロマチックな着色剤は場合により磁性を帯びていてもよい。
【0065】
第一組成物が、ある色の磁性粒子及びゴニオクロマチックな着色剤を含むとき、該着色剤はその色の範囲が磁性粒子の色を実質的に通過するように選択され得る。
【0066】
例えば、これは、磁性粒子が磁場の影響下で配向されていない限り、磁性粒子を検出することをより困難にすることができる。
【0067】
これは、磁性粒子を配向させることにより誘起された模様は、メイクアップされた表面がある観察条件及び/又は照明条件下にあるときにのみくっきりと現れることをもまた許すことができる。
【0068】
ゴニオクロマチックな着色剤
本明細書の文脈において使用される用語「ゴニオクロマチックな着色剤」は、組成物が表面上で広げられたとき、45°の入射角度における光について、観察の角度が法線に対して範囲0°〜80°において変化されたとき、少なくとも20°の色相角(tint angle)hの変化量Dhに対応する、1976 CIE色空間のa平面におけるカラーバスを得ることを可能にする着色剤を意味する。
【0069】
例えばカラーパスは、第一組成物が、エリクセン製であって型24/5と称されるコントラストカード上に、自動スプレッダーにより300μmの厚さに流動状態で広げられた後、インスツルメントシステムズ製であって、GON360ゴニオメーターと称されるスペクトロゴニオリフレクトメーターにより測定され得る。測定はカードの黒色の背景上で行われる。
【0070】
例えば、ゴニオクロマチック着色剤は多層干渉構造及び液晶着色剤から選択され得る。
【0071】
多層構造は、例えば、少なくとも二つの層を含んでもよく、各層は例えば、以下の物質、MgF,CeF,ZnS,ZnSe,Si,SiO,Ge,Te,Fe,Pt,Va,Al,MgO,Y,S,SiO,HfO,ZrO,CeO,Nb,Ta,TiO,Ag,Al,Au,Cu,Rb,Ti,Ta,W,Zn,MoS2,氷晶石、これらの合金、ポリマー、及び組み合わせにより構成された群から選択された少なくとも1の物質から製造される。
【0072】
多層構造は、積み重ねられた層の化学的性質に関して、中央層について場合によって対称的であってもよい。種々の層の厚さ及び性質に依存して、種々の効果が得られる。
【0073】
対称的多層干渉構造の例は以下の通りである:Fe/SiO/Fe/SiO/Fe(これらの構造を有する顔料は商標名シコパールでBASFにより販売されている);MoS/SiO/酸化マイカ/SiO/MoS;Fe/SiO/酸化マイカ/SiO/Fe;TiO/SiO/TiO2及びTiO/Al/TiO,(これらの構造を有する顔料は商標名キシロナでメルク(ダルムスタット)により販売されている)。
【0074】
例えば、液晶着色剤はシリコーン、又はセルロースエーテルであって、その上にメソモルフィックな基がグラフトされているものを含む。適する液晶ゴニオクロマチック粒子の例は、シェニックスにより販売されているもの、及びワッカーによりヘリコーン(商標)の商標名で販売されているものである。
【0075】
適するゴニオクロマチックな着色剤は、真珠層;合成の基体、特にアルミナ、シリカ、ボロシリケート、酸化鉄、又はアルミニウムタイプの基体上に効果を有する顔料;又はポリテレフタレートフィルムから来るホログラフィーの干渉フレークである。
【0076】
該物質は分散されたゴニオクロマチック繊維をさらに含んでいてもよい。そのような繊維は例えば80μm未満である長さを示し得る。
【0077】
第一組成物は、もし必要であれば、磁性を示し得る少なくとも1の回折性顔料をもまた含み得る。
【0078】
回折性顔料
本発明の文脈において使用され得る用語「回折性顔料」は、白色光により照明されたとき、光を回折する構造の存在のために観察の角度に依存して色の変化を引き起こすことのできる顔料を意味する。
【0079】
回折性顔料は、定義された方向の単色光の入射光を回折することのできる回折格子を含み得る。
【0080】
回折格子は、周期的な模様、特に線であって2つの隣接する模様の間の距離が入射光の波長と同じである模様を含み得る。
【0081】
入射光が多色であるとき、回折格子は該光の種々のスペクトル成分を分離し、虹の効果を作り出す。
【0082】
回折性顔料の構造に関しては、Alberto Argoitia及びMatt Witzmanによる論文「回折効果を示す顔料」、2002年、Society of Vacuum coaters、第45回技術会議年会紀要2002を参照することが有益である。
【0083】
種々の輪郭、特に場合によって対称であってもよい三角形の輪郭、場合によって等間隔の切り込みがあってもよい輪郭、又は正弦曲線の輪郭を有する模様を有する回折性顔料が製造されてもよい。
【0084】
格子の空間的な頻度、及び模様の深さは、種々の所望されるオーダーの分離の度合いに応じて選択される。頻度は例えば1mm当たり500の線〜1mm当たり3000の線の範囲であり得る。
【0085】
回折性顔料の各粒子は、好ましくは平らな形状、特にウエハーの形状を示す。
【0086】
単独の顔料粒子は、場合によって直交していてもよい2つの交差された回折格子を含み得る。
【0087】
回折性顔料は、少なくとも1の面の上で誘電体物質の層により被覆された反射物質の層を含む多層構造を示し得る。誘電物質は、回折性顔料をより固く、かつより長く続くようにし得る。例えば、誘電物質はすなわち以下の物質、MgF,SiO,Al,AlF,CeF,LaF,NdF,SmF,BaF,CaF,LiF,及びそれらの組み合わせから選択され得る。例えば、反射物質は金属、その合金、及び非金属の反射物質から選択され得る。使用され得る金属は、Al,Ag,Cu,Au,Pt,Sn,Ti,Pd,Ni,Co,Rd,Nb,Cr、及びそれらの物質、組み合わせ又は合金を含む。そのような反射物質はそれ自身で、単層を含む回折性顔料を構成し得る。
【0088】
変形において、回折性顔料は、少なくとも1の面を被覆する、又は実際には完全にコアをカプセル化する反射層を有する誘電物質のコアを含む多層構造を含み得る。誘電物質の層は、反射層をもまた覆い得る。使用される誘電物質は、すなわち好ましくは無機性であり、例えば金属弗化物、金属酸化物、金属スルフィド、金属窒化物、金属カーバイド、及びそれらの組み合わせから選択され得る。誘電物質は結晶、半結晶、又は非晶質状態にあってもよい。この構成において、誘電物質は、例えば以下の物質、MgF,SiO,SiO,Al,TiO,WO,AlN,BN,BC,WC,TiC,TiN,NSi,ZnS,ガラス粒子、ダイアモンドタイプの炭素、及びそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0089】
変形において、回折性顔料は予備形成された誘電物質又はセラミック物質、例えば天然のラメラ鉱物、例えばマイカペロスコバイト(peroskovite)又はタルク;又はガラスから形成された合成の小板、アルミナ、SiO、炭素、酸化鉄/マイカ、BN,BC、グラファイト、又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、及びそれらの組み合わせから構成され得る。
【0090】
誘電物質の層の代わりに、機械的性質を改善する他の物質が適する。そのような物質は、シリコーン、金属シリサイド、III,IV,及びV族の元素から形成された半導体物質、体立方晶系構造(body centered cubic crystal structure)を有する金属、金属−セラミック組成物又は物質、半導体ガラス、及びそれらの種々の組み合わせを含み得る。
【0091】
特に、使用される回折性顔料は、2003年2月13日に公開された米国特許出願公開第2003/0031870号に記載されているものから選択され得る。
【0092】
回折性顔料は、例えば以下の構造を有し得る。MgF/Al/MgF,この構造を有する回折性顔料はフレックスプロダクツによりスペクトラフレア1400ピグメントシルバー又はスペクトラフレア1400ピグメントシルバーFGの商標名で販売されている。MgFの重量による割合は、顔料の合計重量に対して80重量%〜95重量%の範囲であり得る。
【0093】
例えば、回折性顔料の量は、第一組成物の合計重量に対して0.1重量%〜5重量%の範囲であり得る。
【0094】
例えば、回折性顔料のサイズは、5μm〜200μmの範囲,好ましくは5μm〜100μmの範囲,例えば5μm〜30μmの範囲であり得る。
【0095】
回折性顔料粒子の厚さは、3μm以下,又は好ましくは2μm以下,例えば約1μm以下であり得る。
【0096】
反射性粒子
例えば、第一組成物は、反射性粒子、特に中でも場合によって磁性があってもよいフレークを含み得る。
【0097】
本発明の文脈において使用される用語「反射性粒子」は、そのサイズ及び構造、特にそれらを構成する層の厚さ並びにそれらの物理的性質及び化学的性質、そしてそれらの表面状態が、それらに入射光を反射させることを可能にする粒子を意味する。適切であれば、組成物又は混合物がメイクアップされるべき表面に施与されたとき、該反射が、組成物又は混合物の表面に強調点を生じるのに充分な強度を有してもよく、その強調点は裸眼に見え、即ち、それらはそれらの環境と対比する一層大きい輝度の点であり、輝いて見える。
【0098】
反射性粒子はそれらと関連する着色剤により作り出された着色効果を有意に変えないような様式で、より特にカラーイールドに関するその効果を最適にするために選ばれてもよい。より特に反射性粒子は黄色、ピンク、赤色、青銅、オレンジ、褐色、及び/又は銅の光沢を有してもよい。
【0099】
反射性粒子は、第一組成物の合計重量に対して0.5重量%〜60重量%の範囲、特に1重量%〜30重量%,より特に3重量%〜10重量%の範囲で第一組成物中に存在していてもよい。
【0100】
該粒子は種々の形態であってもよい。特に、該粒子はフレークの形態であってもよく、又はそれらは小球(globular)、特に球形(spherical)であってもよい。
【0101】
その形態に関わらず、反射性粒子は、多層構造を場合によって有していてもよい;多層構造と共に、例えば該粒子は特に反射物質の均一の厚さの少なくとも1の層を有していてもよい。
【0102】
反射性粒子が多層構造を有していないとき、それらは例えば、金属酸化物、特に合成により得られるチタン又は鉄の酸化物から構成されていてもよい。
【0103】
反射性粒子が多層構造を有するとき、該粒子は例えば天然の又は合成の基体、特に反射性物質、特に、少なくとも1の金属又は金属性の物質の少なくとも1の層で少なくとも部分的に被覆されている合成の基体を特に含んでいてもよい。基体は単独の物質又は多くの物質でありえ、それは有機性及び/又は無機性であってもよい。
【0104】
より特に、それはガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート、及びボロシリケート、合成マイカ、及びそれらの混合物から選択され得る。このリストは制限的ではない。
【0105】
反射性物質は、金属又は金属性物質の層を含んでいてもよい。
【0106】
反射性粒子は、特に日本の特許文献、特開平09−188830号、特開平10−158450号、特開平10−158541号、特開平07−258460号及び特開平05−017710号に記載されている。
【0107】
金属層で被覆された鉱物基体を含む反射性粒子の挙げられ得る更なる例は、銀で被覆されたボロシリケートの基体を含む粒子(また、「白色真珠層」と称される)である。
【0108】
フレークの形態における、銀で被覆されたガラス基体粒子は、TOYALによりミクロガラス・メタシャインREFSX 2025 PSの商標名で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されたガラス基体粒子が同社によりクリスタル・スターGF550、GF2525の商標名で販売されている。
【0109】
任意の形態の反射性粒子は、少なくとも1の金属性物質、特に例えばチタンの酸化物、特にTiO、鉄の酸化物、特にFe、スズの酸化物、又はクロムの酸化物から選択された少なくとも1の金属酸化物、硫酸バリウム、及び以下の物質MgF,CrF,ZnS,ZnSe,SiO,Al,MgO,Y,SeO,SiO,HfO,ZrO,CeO,Nb,Ta,MoS,及びそれらの混合物又は合金の少なくとも1の層で少なくとも部分的に被覆された合成の基体の粒子から選択されてもよい。
【0110】
挙げられ得るそのような粒子の例は、二酸化チタンで被覆された合成マイカの基体を含む粒子、又は褐色酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、又はそれらの混合物の一つのいずれかで被覆されたガラス粒子、例えばエンゲルハードによりリフレックス(商標)の商標名で販売されているものである。
【0111】
本発明の第一組成物は、場合によって磁性があってもよい真珠層の少なくとも1を含んでいてもよい。
【0112】
真珠層
用語「真珠層」は任意の形態の着色された粒子であって、場合によって遊色効果があってもよく、ある軟体動物の殻の中で生産され、あるいは合成され、光学干渉により「真珠光沢のある」着色効果を示す粒子を意味する。
【0113】
真珠層は、真珠層顔料、例えば酸化鉄で被覆されたマイカチタン、オキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、酸化クロムで被覆されたマイカチタン、有機着色剤で被覆されたマイカチタン、特に上述のタイプ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料から選択されてもよい。それらは、マイカの粒子であってその表面に金属酸化物及び/又は有機着色物質の少なくとも2の連続層が重ねられたマイカの粒子であってもよい。
【0114】
より特に、真珠層は、黄色、ピンク色、赤色、青銅色、オレンジ色、褐色、金色、及び/銅色の色又は光沢を有してもよい。
【0115】
第一組成物中に導入されるのに適し、かつ挙げられ得る真珠層の例は、特に金色の真珠層、特にブリリアントゴールド212G(チミカ)、ゴールド222C(クロワゾネ)、スパークルゴールド(チミカ)、ゴールド4504(クロマライト)、及びモナークゴールド233X(クロワゾネ)の商標名でエンゲルハードにより販売されているもの;青銅色の真珠層、特に、ブロンズ・ファイン(17384)(カラロナ)及びブロンズ(17353)(カラロナ)の商標名でメルクにより販売されているもの、またスーパーブロンズ(クロワゾネ)の商標名でエンゲルハードにより販売されているもの;オレンジ色の真珠層、特にオレンジ363C(クロワゾネ)及びオレンジMCR101(コスミカ)の商標名でエンゲルハードにより、またパッションオレンジ(カラロナ)及びマットオレンジ(17449)(ミクロナ)の商標名でメルクにより販売されているもの;ヌ−アンティークカッパー340XB(クロワゾネ)及びブラウンCL4509(クロマライト)の商標名でエンゲルハードにより販売されている褐色の色合いの真珠層;カッパー340A(チミカ)の商標名でエンゲルハードにより販売されている銅光沢を有する真珠層;赤色の光沢を有する真珠層、特にシエナファイン(17386)(カラロナ)の商標名でメルクにより販売されているもの;黄色の光沢を有する真珠層、特にイエロー(4502)(クロマライト)の商標名でエンゲルハードにより販売されているもの;金の光沢を有する赤色の色合いの真珠層、特にサンストーンG012(ジェムトーン)の商標名でエンゲルハードにより販売されているもの;ピンク色の真珠層、特にタンオパールG005(ジェムトーン)の商標名でエンゲルハードにより販売されているもの;光沢を有する黒色真珠層、特にNuアンティークブロンズ240AB(チミカ)の商標名でエンゲルハードにより販売されているもの;青色真珠層、特にマットブルー(17433)(ミクロナ)の商標名でメルクにより販売されているもの;銀色の光沢を有する白色真珠層、特にキシロナシルバーの商標名でメルクにより販売されているもの;及びインディアンサマー(キシロナ)の商標名でメルクにより販売されるオレンジ〜ピンク緑色〜金色の強調真珠層並びにこれらの混合物である。
【0116】
例えば、第一組成物は、場合により磁性を有していてもよいフィラーの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0117】
フィラー
用語「フィラー」は、組成物が製造される温度にかかわらず組成物媒体中に不溶性である任意の形態の粒子を意味する。フィラーは主として組成物のレオロジー又はテクスチャーを変更するように作用する。粒子の性質及び量は所望される機械的性質及びテクスチャーに依存し得る。
【0118】
挙げられ得るフィラーの例は、中でも、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、セリサイト、及びポリアミド、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、又はポリウレタンの粉末、粉末化された澱粉、並びにシリコーン樹脂ビーズを含む。
【0119】
中でも、フィラーは特に皮膚の不完全性を隠すように、特にファンデーションにぼやけた効果を作りだすことが意図されていてもよい。
【0120】
第一組成物は、染料、有機顔料、又はレーキをもまた含んでいてもよい。
【0121】
染料、有機顔料、及びレーキ
染料(colorant)は、脂溶性又は水溶性であってもよい。
【0122】
脂溶性染料の例は、スーダンレッド、D&CレッドNo.17、D&CグリーンNo.6、β−カロテン、大豆油、スーダンブラウン、D&CイエロNo.11、D&CバイオレットNo.2、D&CオレンジNo.5、及びキノリンイエローである。
【0123】
水溶性染料の例は、ビートルーツジュース及びメチレンブルーである。
【0124】
例えば、染料は、存在するときは、第一又は第二組成物の0.1重量%〜20重量%、又は0.1重量%〜6重量%でさえあってもよい。
【0125】
レーキ又は有機顔料は、以下の物質及びそれらの混合物から選択され得る:
コチニールカーマイン;
アゾ、アントラキノン、インジゴ、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオラン染料の有機顔料;
有機レーキ、又は酸性染料、例えば、少なくとも1のカルボキシル基又はスルホン酸基を含んでいてもよいアゾ、アントラキノン、インジゴ、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオリン染料のナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム、チタンの不溶性塩。
【0126】
挙げられ得る有機顔料は以下の名前を有するものを含む:D&CブルーNo.4,D&CブラウンNo.1,D&CグリーンNo.5,D&CグリーンNo.6,D&CオレンジNo.4,D&CオレンジNo.5,D&CオレンジNo.10,D&CオレンジNo.11,D&CレッドNo.6,D&CレッドNo.7,D&CレッドNo.17,D&CレッドNo.21,D&CレッドNo.22,D&CレッドNo.27,D&CレッドNo.28,D&CレッドNo.30,D&CレッドNo.31,D&CレッドNo.33,D&CレッドNo.34,D&CレッドNo.36,D&CバイオレットNo.2,D&CイエローNo.7,D&CイエローNo.8,D&CイエローNo.10,D&CイエローNo.11,FD&CブルーNo.1,FD&CグリーンNo.3,FD&CレッドNo.40,FD&CイエローNo.5,FD&CイエローNo.6。
【0127】
有機着色物質は、有機支持体、例えば松脂又は安息香酸アルミニウムにより支持された有機レーキを含んでいてもよい。
【0128】
挙げられ得る特定の有機レーキは以下の名前を有するものを含む:D&CレッドNo.2アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.3アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.4アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.6アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.6バリウムレーキ,D&CレッドNo.6バリウム/ストロンチウムレーキ,D&CレッドNo.6ストロンチウムレーキ,D&CレッドNo.6カリウムレーキ,D&CレッドNo.7アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.7バリウムレーキ,D&CレッドNo.7カルシウムレーキ,D&CレッドNo.7カルシウム/ストロンチウムレーキ,D&CレッドNo.7ジルコニウムレーキ,D&CレッドNo.8ナトリウムレーキ,D&CレッドNo.9アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.9バリウムレーキ,D&CレッドNo.9バリウム/ストロンチウムレーキ,D&CレッドNo.9ジルコニウムレーキ,D&CレッドNo.10ナトリウムレーキ,D&CレッドNo.19アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.19バリウムレーキ,D&CレッドNo.19ジルコニウムレーキ,D&CレッドNo.21アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.21ジルコニウムレーキ,D&CレッドNo.22アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.27アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.27アルミニウム/チタン/ジルコニウムレーキ,D&CレッドNo.27バリウムレーキ,D&CレッドNo.27カルシウムレーキ,D&CレッドNo.27ジルコニウムレーキ,D&CレッドNo.28アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.30レーキ,D&CレッドNo.31カルシウムレーキ,D&CレッドNo.33アルミニウムレーキ,D&CレッドNo.34カルシウムレーキ,D&CレッドNo.36レーキ,D&CレッドNo.40アルミニウムレーキ,D&CブルーNo.1アルミニウムレーキ,D&CグリーンNo.3アルミニウムレーキ,D&CオレンジNo.4アルミニウムレーキ,D&CオレンジNo.5アルミニウムレーキ,D&CオレンジNo.5ジルコニウムレーキ,D&CオレンジNo.10アルミニウムレーキ,D&CオレンジNo.17バリウムレーキ,D&CイエローNo.5アルミニウムレーキ,D&CイエローNo.5ジルコニウムレーキ,D&CイエローNo.6アルミニウムレーキ,D&CイエローNo.7ジルコニウムレーキ,D&CイエローNo.10アルミニウムレーキ,FD&CブルーNo.1アルミニウムレーキ,FD&CレッドNo.4アルミニウムレーキ,FD&CレッドNo.40アルミニウムレーキ,FD&CイエローNo.5アルミニウムレーキ,FD&CイエローNo.6アルミニウムレーキ。
【0129】
上にリストされた有機着色物質のそれぞれに対応する化学物質は、「化粧料、トイレトリー、及び香料協会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association)」により発行された「国際化粧料成分の辞書及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」(1997年版)という題名の書籍の371〜386ページ及び524〜528ページに挙げられている。その内容は参照することにより本明細書に取り込まれる。
【0130】
第一組成物は、複合顔料を含んでいてもよい。
【0131】
複合顔料
複合顔料は、
場合によって磁性を帯びていてもよい無機のコア;及び
少なくとも1つの有機着色物質の少なくとも1つの少なくとも部分的な被覆
を含む粒子から構成されていてもよい。
【0132】
少なくとも1のバインダーは、無機コアの上に有機着色物質を固定することに有利に貢献し得る。
【0133】
複合顔料の粒子は、種々の形態を有し得る。特に、該粒子は、フレークの形態であってもよいか、又は小球、特に球形であってもよく、そして中空又は中実であってもよい。用語「フレークの形態の」は、厚さに対する最大寸法の比が5以上である粒子を意味する。
【0134】
複合顔料は、例えばグラム当たり1平方メートル(m/g)〜1000m/gの範囲、特に約10m/g〜約600m/g,特に約20m/g〜約400m/gの範囲の比表面積を有し得る。比表面積は、BET(ブルナウア−エメット−テラー)法を使用して測定された値である。
【0135】
複合顔料の無機コアは、有機着色物質の粒子を固定するのに適する任意の形態、例えば球状、小球、粒状、多面体、針状、紡錘形、フレークの形態につぶされた形、米粒状、又は鱗状、及びこれらの形態の組み合わせを有し得る。このリストは制限的ではない。
【0136】
コアの最大寸法:最も小さい寸法の比は1〜50の範囲であってもよい。
【0137】
無機のコアは、約1nm〜約100nmの範囲,又は約5nm〜約75nmの範囲,例えば約10nm〜約50nmの範囲さえのサイズを有していてもよい。
【0138】
無機のコアは、金属の塩及び金属酸化物、特にチタン、ジルコニウム、セリウム、亜鉛、鉄、アイアンブルー、アルミニウム、及びクロムの酸化物、アルミナ、ガラス、セラミック、グラファイト、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート、合成マイカ及びそれらの混合物を含む非制限的なリストから選択された物質から形成され得る。
【0139】
チタンの酸化物、特にTiO、鉄の酸化物、特にFe,セリウム、亜鉛、及びアルミニウムの酸化物、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケートが特に適切である。
【0140】
無機のコアは、BET法を使用して測定されて、約1m/g〜約1000m/gの範囲,好ましくは約10m/g〜約600m/gの範囲,例えば約20m/g〜約400m/gの範囲の比表面積を有していてもよい。
【0141】
無機のコアは、もし適切であれば着色されていてもよい。
【0142】
有機の着色物質は上で定義されたとおりである。
【0143】
複合顔料バインダーは、有機着色物質が無機のコアの表面に吸着することを許すならば任意のタイプであってもよい。
【0144】
特に、バインダーは以下の非制限的なリスト:シリコーン物質、ポリマー状物質、オリゴマー状物質、又は類似の物質、特にオルガノシラン、フルオロアルキル化オルガノシラン、及びポリシロキサン、例えばポリメチルハイドロジェンシロキサン、並びに種々のカップリング剤、例えばシラン、チタネート、アルミネート、ジルコネート及びそれらの混合物に基づくカップリング剤から選択され得る。
【0145】
着色剤は、フォトクローム着色物質又はフォトクローム剤を含み得る。
【0146】
フォトクローム剤
一般的に、フォトクローム着色剤は、紫外線により照明されたとき色を変える性質及び、該線によりもはや照明されないときには最初の色に戻る性質、又は着色されていない状態から着色された状態に行く性質、及び逆、を有する着色剤である。言い換えると、そのような剤は人工の光により、又はある量のUV照射を含む光、例えば太陽光により照明されているかどうかに依存して、種々の色を示す。
【0147】
欧州特許出願公開第1410786号に記載されているフォトクローム剤の例が有益に参照され得る。
【0148】
サーモクローム剤
例えば、サーモクローム剤、クロマケム社により販売されている参照名クロマファーストイエロー5GX02を使用することが可能である。
【0149】
他の着色剤
第一組成物は、ピエゾクローム(piezochrome)化合物、特にトライボクローム(tribochrome)、又はソルバトクローム(solvatochrome)をもまた含んでいてもよい。
【0150】
他の成分
典型的には、化粧料組成物は生理学的に許容される媒体を含む。用語「生理学的に許容される媒体」は、ヒトの皮膚、爪、毛髪、又は口唇に施与されることのできる非毒性の媒体を意味する。生理学的に許容される媒体は、組成物が施与される表面の性質及び組成物が包装される形態に一般的に適合されている。
【0151】
第一組成物は、上に記載されたもの以外の成分、特に少なくとも1の溶媒、1の油状相、1のフィルム形成性ポリマー、及び/又は1の皮膚科学的に又は化粧料的に活性な成分を、特にその投与又は「製剤の(galenical)」形態に応じて含む。
【0152】
溶媒
第一組成物は、少なくとも1の水性又は有機溶媒、特に有機溶媒、例えば揮発性オイルを含んでいてもよい。
【0153】
本発明の文脈において使用される用語「揮発性溶媒」は、環境温度において液状であって、環境温度及び大気圧において、ゼロではない蒸気圧、特に0.13パスカル(Pa)〜40,000Pa(10−3ミリメートルの水銀(mmHg)〜300mmHg)の範囲、好ましくは1.3Pa〜13,000Pa(0.01mmHg〜100mmHg)の範囲、好ましくは1.3Pa〜1,300Pa(0.01mmHg〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する溶媒を意味する。
【0154】
第一組成物が1以上の有機溶媒を含むとき、溶媒は考慮下の組成物の合計重量に対して0.1%〜99%の範囲の量で存在し得る。
【0155】
一般的に、溶媒、特に有機溶媒の量は、組成物が施与されることが意図される表面の性質に依存する。
【0156】
第一組成物は、揮発性オイルにより構成された少なくとも1の揮発性溶媒を含み得る。
【0157】
オイルは、シリコーン化されたオイル、又は炭化水素化されたオイルであってもよく、又はそのようなオイルの混合物を含んでいてもよい。
【0158】
本発明の文脈において使用される用語「シリコーン化されたオイル」は、少なくとも1のケイ素原子、特に少なくとも1のSi−O基を含むオイルを意味する。
【0159】
用語「炭化水素化されたオイル」は、主に水素原子及び炭素原子を含み、場合によって酸素、窒素、硫黄、及び/又はリン原子を含んでいてもよいオイルを意味する。
【0160】
揮発性の炭化水素化されたオイルは、8〜16の炭素原子を有する炭化水素化されたオイル、特にC〜C16分岐状のアルカン、(イソパラフィンとも呼ばれる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとも呼ばれる)、イソデカン、イソヘキサデカン、例えば商標名Isopars(商標)又はPermethyls(商標)で販売されているオイルから選択されてもよい。
【0161】
使用され得る揮発性オイルは、揮発性シリコーン、例えば揮発性の直鎖又は環状のシリコーンオイルであって、例えば特に、≦8センチストーク(cSt)(8×10―6平方メートル毎秒(m/s))の粘度を有し、かつ特に2〜10の珪素原子、特に2〜7のケイ素原子を有し、該シリコーンは1〜10の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基を場合によって含んでいてもよいオイルである。本発明において、挙げられ得る適切な揮発性シリコーンオイルは、特に5〜6cStの粘度を有するジメチコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン及びそれらの混合物である。
【0162】
フッ素化された揮発性オイル、例えばノナフルオロメトキシブタン、又はパーフルオロメチルシクロペンタン、及びそれらの混合物を使用することもまた可能である。
【0163】
組成物は、組成物の合計重量に対して0.01重量%〜95重量%、好ましくは1重量%〜75重量%の揮発性オイルを含み得る。
【0164】
第一組成物は、以下のリストから選択される少なくとも1の有機溶媒を含み得る:
環境温度において液状であるケトン、例えばメチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジイソブチルケトン,イソホロン,シクロヘキサノン,又はアセトン;
環境温度において液状であるアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2−ブトキシエタノール、又はシクロヘキサノール;
環境温度において液状であるグリコール、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ペンチレングリコール,又はグリセロール;
環境温度において液状であるプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテルのアセテート,又はジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル;
短鎖エステル(3〜8の炭素原子の合計を含む)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、又は酢酸イソペンチル;及び
環境温度において液状であるアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン、又はシクロヘキサン。
【0165】
第一組成物は、水、又は水及び化粧料において日常的に使用される親水性有機溶媒、例えばアルコール、特に直鎖又は分岐状の2〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はn−プロパノール、ポリオール、例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール,ソルビトール,ペンチレングリコール,又はポリエチレングリコールの混合物をもまた含んでいてもよい。第一組成物は、親水性Cエーテル及びC〜Cアルデヒドをもまた含んでいてもよい。水、または水及び親水性の有機溶媒の混合物は、組成物の合計重量に対して0重量%〜90重量%,特に0.1重量%〜90重量%,好ましくは0重量%〜60重量%,より特に0.1重量%〜60重量%の範囲の量で第一及び/又は第二組成物に存在していてもよい。
【0166】
油状相
第一組成物が口唇に施与されるとき、第一組成物は、例えば油状相、及び特に環境温度(25℃)において液状である少なくとも1の脂肪及び/又は環境温度において固体である脂肪、例えばワックス、ペースト状脂肪、ガム、及びそれらの混合物を含んでいてもよい。油状相は脂溶性有機溶媒をもまた含んでいてもよい。
【0167】
例えば、第一組成物は、その合計重量に対して5%未満の水、特に1%未満の水を含んでいてもよい連続油状層を有していてもよく、特にそれは無水の形態であってもよい。
【0168】
挙げられ得る、環境温度において液状である脂肪(通常「オイル」と呼ばれる)は、以下の通りである:炭化水素含有植物オイル、例えば4〜10の炭素原子を含む脂肪酸のトリグリセリド、例えばヘプタン酸、又はオクタン酸トリグリセリド、又はヒマワリ、トウモロコシ、大豆、グレープシード、胡麻種、アプリコットカーネル、マカダミアナッツ、ひまし、又はアボカドストーンオイル、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ホホバオイル、シアナッツバターオイル、ラノリン、アセチル化ラノリン;鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐状の炭化水素、例えばパラフィンオイル、及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパールリーム;合成されたエステル及びエーテル、特に脂肪酸、例えばプルセリンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−オクチルドデシル、エルカ酸2−オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、オクチルヒドロキシステアレート、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、ジイソステアリルマレート;クエン酸トリイソセチル、脂肪族アルコールのヘプタン酸エステル、オクタン酸エステル、又はデカン酸エステル;イソノナン酸イソノニル、ラノリン酸イソプロピル、トリメリット酸トリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル;ポリオールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール;及びペンタエリスリトールエステル;12〜26の炭素原子を含む脂肪族アルコール、例えば,オクチルドデカノール,2−ブチルオクタノール,2−ヘキシルデカノール,2−ウンデシルペンタデカノール,又はオレインアルコール;部分的に水素化された及び/又はシリコーン化されたフッ化オイル;シリコーンオイル、例えば環境温度において液状又はペースト状であり得る、揮発性又は非揮発性の,直鎖又は環状のポリメチルシロキサン(PDMS)、例えばシクロメチコーン、又はジメチコーン、場合によりフェニル基を有していてもよい、例えばフェニルトリメチコーン,フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン,ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン,ジフェニルジメチコーン,フェニルジメチコーン,ポリメチルフェニルシロキサン;及びそれらの混合物。オイルは、組成物の合計重量に対して0.01重量%〜90重量%,好ましくは0.1重量%〜85重量%の範囲で存在していてもよい。
【0169】
油状相の存在は、光沢効果を与え得、例えば1.47〜1.51の範囲,好ましくは1.48〜1.50の範囲の屈折率を示し得る。屈折率は、環境温度(25℃)において屈折計により測定される。
【0170】
第一組成物はペースト状脂肪、ワックス、又はガムをもまた含み得る。
【0171】
ペースト状脂肪は一般的に、25℃〜60.5の範囲,好ましくは30℃〜45℃の範囲の融点、及び/又は0.001メガパスカル(MPa)〜0.4Mpaの範囲,好ましくは0.005MPa〜0.4Mpaの範囲の硬度を有する炭化水素含有化合物、例えばラノリン及びその誘導体である。
【0172】
ワックスは環境温度(25℃)において固体であり、可逆的な固体/液体の状態の変化を有し、30℃より高く200℃までの融点、0.5MPaより大きい硬度を有し、固体状態において異方性のある結晶組織を有する。特に、ワックスは25℃より高く、好ましくは45℃より高い融点を有し得る。該ワックスは、炭化水素を含み、フッ素化及び/又はシリコーン化されていてもよく、動物、鉱物、植物、及び/又は合成起源であってもよい。挙げられ得る適切なワックスは、ビーズワックス、カルナウバワックス又はキャンデリラワックス、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、オゾケライト;合成ワックス、例えばポリエチレン又は、フィッシャー−トロプシュワックス、又はシリコーンワックス、例えば16〜45の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ−ジメチコーンであってもよい。組成物は組成物の合計重量に対して0〜50重量%、又は1重量%〜30重量%さえのワックスを含んでいてもよい。
【0173】
適するガムは、一般的に高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)又はセルロースガム又はポリサッカライドである。
【0174】
フィルム形成性ポリマー
例えば、第一組成物は、特にマスカラ又はネイルポリッシュについてはフィルム形成性ポリマーをまた含み得る。用語「フィルム形成性ポリマー」は、それ自身で又は追加のフィルム形成剤の存在下、表面、特にケラチン性物質に接着する連続フィルムを形成することのできるポリマーを意味する。
【0175】
本発明に従う第一組成物における使用に適する、挙げられ得るフィルム形成性ポリマーは、合成ポリマー、ラジカルタイプ又は重縮合タイプのもの、天然のポリマー、例えばニトロセルロース又はセルロースエステル、及びそれらの混合物を含む。
【0176】
ラジカルタイプのフィルム形成性ポリマーは、特にビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリルポリマーであり得る。
【0177】
ビニルのフィルム形成性ポリマーは、少なくとも1の酸基を含むエチレン性不飽和結合を有するモノマー及び/又は該酸のモノマーのエステル、及び/又は該酸のモノマーのアミド、例えばα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、又はイタコン酸を重合化させることから得られ得る。
【0178】
ビニルのフィルム形成性ポリマーは、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、t−ブチル安息香酸ビニル、及びスチレンモノマー、例えばスチレン及びα−メチルスチレンから選択されたモノマーをホモ重合化又は共重合化させることからもまた得られ得る。
【0179】
挙げられ得るフィルム形成性重縮合体の例は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、及びポリウレアを含み、このリストは制限的ではない。
【0180】
場合によって変性されていてもよい天然起源のポリマーは、シェラック樹脂、サンダラックガム、ダマール樹脂、ガムエレミ、コパール樹脂、セルロースポリマー、例えばニトロセルロース、エチルセルロース、又はニトロセルロースエステル、例えば酢酸セルロース、アセト酪酸セルロース及びアセトプロピオン酸セルロースから選択されたもの、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0181】
フィルム形成性ポリマーは、一般的にラテックス、擬似ラテックスとして公知である、水性又は油状分散物における固体粒子の形態で存在し得る。フィルム形成性ポリマーは、生理学的に許容される液状油状相中に、1以上のポリマーの一般的には球状のポリマー粒子の1以上の安定な分散物を含み得る。該分散物は、水性ポリマー分散物であるラテックスと対照的に、一般的にポリマーNAD(非水性分散物)と呼ばれる。該分散物は、該油状相中の安定な分散物におけるポリマーのナノ粒子の形態であり得る。ナノ粒子のサイズは好ましくは5nm〜600nmの範囲である。該分散物を製造するテクニックは当業者に周知である。
【0182】
使用され得る水性フィルム形成性ポリマーの分散物はアベシア−ネオレシンズによりネオクリルXK−90(商標),ネオクリルA−1070(商標),ネオクリルA−1090(商標),ネオクリルBT−62(商標)、ネオクリルA−1079(商標),ネオクリルA−523(商標)の商標名で販売されているアクリル分散物、及びダウケミカル社によるダウラテックス432(商標);大東化成工業社によるダイトゾール5000AD(商標);又はアベシア−ネオレシンズ社によりネオレッツR−981(商標)及びネオレッツR−974(商標)の商標名で販売されている水性ポリウレタン分散物;グッドリッチ社によるアバルア(AVALURE)UR−405(商標),アバルアUR−410(商標),アバルアUR−425(商標),アバルアUR−450(商標),サンキュア875(商標),サンキュア861(商標),サンキュア878(商標),及びサンキュア2060(商標);バイエルによるインプラニル85(商標);ハイドロマーによるアクアメールH−1511(商標);及びイーストマンケミカルプロダクツによるイーストマンAQの商標名で販売されているスルホポリエステルを含む。
【0183】
本発明の第一組成物は、フィルム形成性ポリマーと共にフィルムの形成を促進するフィルム形成助剤をもまた含み得る。
【0184】
活性成分
第一組成物は、少なくとも1の化粧的に又は皮膚科学的に活性な成分をもまた含み得る。挙げられ得る、本発明の組成物における使用のために適切な化粧料的に、皮膚科学的に、衛生学的に、又は薬学的に活性な成分は、保湿化剤(ポリオール例えばグリセリン)、ビタミン(C,A,E,F,B,又はPP)、必須脂肪酸、精油、セラミド、スフィンゴリピッド、脂溶性又はナノ粒子サンスクリーン、及び特定の皮膚トリートメント活性成分(保護剤、抗菌剤、抗しわ剤等)、自己日焼け剤である。該活性成分は、組成物の合計重量に対して0〜20%の範囲,例えば特に0.001重量%〜15%の範囲の濃度で使用され得る。
【0185】
第一組成物は、化粧料において日常的に使用される成分、例えば増粘剤、界面活性剤、微量元素、保湿剤、軟化剤、封鎖剤、香料、アルカリ化剤又は酸性化剤、保存剤、抗酸化剤、UVフィルター、着色剤、又はそれらの混合物をもまた含み得る。
【0186】
想定される使用に依存して、本発明の組成物は、考慮下の分野において慣用的に使用される成分を含み得、該成分は所望される投与形態に適する量で存在する。
【0187】
投与形態
第一組成物は、その目的に依存して種々の形態であり得る。従って、第一組成物は局所施与に通常使用される任意の投与形態、特に無水の形態、油状又は水性溶液の形態、油状又は水性ゲル、水中油型又は油中水型エマルジョン、水中ワックス型、又はワックス中水型エマルジョン、マルチエマルジョン又は油/水の界面に位置するベシクルによる水の中のオイルの分散物の形態であり得る。
【0188】
第一組成物は、粉末又はゲルの形態であり得る。
【0189】
第二化粧料組成物
第二組成物は、透明であってもよく、おそらく無色であり、例えば口唇、爪又は皮膚に施与するためであってもよい。第一組成物について上述された成分の少なくとも1を含み得る。
【0190】
第二組成物は、少なくとも1の着色剤、例えば上にリストされたものの一つを含み得る。
【0191】
適切であれば、第二組成物は、磁性を示してもよいが、本発明の多くの実施において第一組成物のみが磁性を示す。
【0192】
第二組成物は、第一組成物を被覆するためであってもよく、又は第一組成物により被覆されるためであってもよい。
【0193】
第二組成物が着色されているとき、その色は場合により第一組成物の色と対照的であってもよい。
【0194】
第二組成物は、第一組成物と同じ投与形態を有し得、組成物の媒体に関する上記の記述及び可能性のある活性成分は、第二組成物にもまた当てはまる。
【0195】
磁性デバイス
磁性デバイスは、永久磁石、又は、例えば、随意に再充電可能な少なくとも1の電池により作動される電磁石を含み得る。電池については、磁性デバイスは、電磁石が電気で選択的に作動されることを可能にするスイッチを含み得る。
【0196】
磁性デバイスは、経時的に変化する配向のある磁場を創り出すようにアレンジされ得る。磁性デバイスが磁石を含むとき、デバイスは該磁石が回転されることを可能にするモーターを例えば含み得る。変形においては、磁性デバイスは電気で逐次的に作動されるとき、回転磁場を作り出すように配置された複数のソレノイドを含み得る。
【0197】
例えば、回転磁場は円形の対称性を示す模様、例えばレリーフにおける球の印象を与える模様を得ることを可能にし得る。
【0198】
電磁石はユーザーにより所望されるように、連続的に又は断続的に作動され得る。特に、第一組成物により被覆された表面の近くに磁性デバイスが正しく位置付けられていない間は、電磁石が作動される必要がないように磁性デバイスがアレンジされていてもよい。
【0199】
磁場は少なくとも50ミリテスラ(mT)、例えば好ましくは少なくとも66mTである。
【0200】
磁場をかけることを容易にするために、磁性デバイスは、第一組成物が堆積された表面に相対的に磁性デバイスが位置付けられることを可能にする部材を含んでいてもよい。これは、磁性デバイスが誤って、組成物と接触することを防ぐことを可能にする及び/又は考慮下の領域に形成された模様を中央にくるようにすることを可能にする。
【0201】
本発明の実施において、磁性デバイスはアプリケーター、例えば第一化粧料組成物を施与するために使用されるアプリケーターに保持されている。これは、ユーザーにより操作される必要のある対象の数を減らすことを可能にし、メイクアップを施与することを容易にする。
【0202】
本発明の別の実施において、磁性デバイスは、アプリケーター、例えば第一化粧料組成物を施与するために使用されるアプリケーターのハンドルに接続された第二の端を有するロッドの第一の端に取付けられた磁石を含む。
【0203】
磁場は、磁性構造、特に柔軟な構造、例えば交互のN及びS極によってもまたかけられ得る。例えば、そのような構造は第一組成物上に繰り返される模様、例えば縞を形成することを可能にし得る。
【0204】
メイクアップを施与する方法
本発明の別の側面に従うと、本発明は表面にメイクアップを施与する方法であって、以下の工程を含む方法をもまた提供する。
表面に流動状態の少なくとも第一組成物及び第二組成物を堆積させる工程、ただし第一組成物は第二組成物を被覆するか又は第二組成物により被覆され、第一組成物は、磁場の影響下で可動性のある磁性粒子を含む、及び
第一組成物の少なくとも一部を磁場に暴露し、磁性粒子の少なくとも一部を配向させる、及び/又は移動させて、第一組成物の外観を変更する工程。
【0205】
磁場への暴露は、第二組成物が表面又は第一組成物に施与された前及び/又は後に行われることができる。
【0206】
第一組成物上に少なくとも1の模様、該模様は例えば磁力線の形状に関連されている、を形成するように磁場がかけられてもよい。
【0207】
上記のように、第二化粧料組成物が第一組成物に施与されたとき、第二組成物は深さ、光沢、滑らかさ、又は他の効果を得ることを可能にする。第二組成物は透明であってもよい。あるいは、第二組成物は、例えば着色された背景/ベースを作るように第一組成物により被覆されてもよい。
【0208】
例えば、第二組成物は口唇又は爪への施与のためであり得る。
【0209】
第一組成物が施与された顔又は体の少なくとも1の領域の透明さ及び/又は色に立体感をもたせるように、磁場がかけられてもよい。
【0210】
例えば、化粧料組成物がファンデーションであるとき、磁場の影響下で粒子を配向させることは、組成物の透明さを変えて、そして磁場に暴露された領域において、顔の外観に立体感をもたせること、特にカメオタイプのメイクアップを施与することを可能にする。例えば、顔の横を暗くして、本来より細く見えるようにすることを可能にするために磁場がかけられ得る。
【0211】
磁場は、第一組成物が固定された外観を得るまで、すなわちもし磁場が存在し続けたとしても該組成物の外観が変化することを止めるまでかけられてもよい。変形においては、磁場は、暴露された領域中の磁性粒子のすべてが永久的に移動される及び/又は配向されるようにする時間より短い時間で、かけられてもよい。
【0212】
第一組成物の透明さ及び/又は色は磁場の影響下で徐々に変化するので、第一組成物が所望される外観を示すときにユーザーは磁性粒子を場に付すことを止めることができる。
【0213】
本発明の実施において、磁場は磁性シートを通してかけられる。該シートの形状に依存して、磁力線は種々の形状を有し、そうすることにより例えば単一の磁石で作り出されることのできる模様の数を増加させることを可能にする。
【0214】
磁場は、第一組成物で被覆された表面の異なる領域に逐次的にかけられてもよい。
【0215】
磁場は、例えば離れた模様を作るように、互いに離れた表面の領域にかけられてもよい。
【0216】
第一組成物が堆積された後、該領域の第一組成物の外観を変化させないようにするためには、第一組成物で被覆された表面の領域は磁場に暴露される必要はない。
【0217】
第一組成物及び第二組成物は種々の方法で、例えば好ましくは非磁性であり、例えばブラシ、房にされた末端部(flocked endpiece)、フォーム(foam)から選択された化粧料アプリケーターにより施与され得る。又はアプリケーターを使用することなしに施与され得、第一組成物及び第二組成物が例えば指で広げられ、又は例えば噴霧されてもよい。
【0218】
本発明の実施において、第一組成物及び第二組成物の少なくとも1つが、穴のあいているマスクを通して表面に施与される。これは例えば穴の形状に対応する予め決定された模様を作ることを可能にする。第一組成物において被覆された表面の少なくとも1の領域が、その後磁場に暴露され得る。
【実施例】
【0219】
本発明は、本発明の非制限的な実施の以下の詳細な説明を読み、かつ添付の図面を検討するとよりよく理解される。
【0220】
図面において、磁性粒子は、図面を理解しやすくするために点の形態で示されているが、実際には、粒子は裸眼で見える必要はない。
【0221】
図1は、表面、例えば皮膚、口唇、爪、毛髪、又は付け爪にさえに堆積された後、組成物の外観に影響を及ぼす配向及び/又は位置を有する磁性粒子Pを含む第一組成物Cを含むキット1を示す。
【0222】
キット1は、第二組成物Cをも含む。第二組成物は例えば第一組成物Cを含む容器に類似した容器に含まれている。
【0223】
示された実施態様において、組成物C1は、キャップ3により閉じられている容器2に含まれたマニュキア液である。キャップは、マニュキアが爪に施与されることを可能にするブラシにより構成されるアプリケーター部材5を含む非磁性の化粧料アプリケーター4を支える。
【0224】
キット1は、第一組成物C1と接触することなく第一組成物C1の外観を変化させるのに有用である磁場を創り出すことを可能にする磁性デバイス10をさらに含む。
【0225】
考慮下の実施態様において、磁性デバイス10は、長尺軸Xの支持部材13により支持された永久磁石12を含み、磁石12の極軸は軸Xと実質的に直交している。
【0226】
考慮下の実施態様において、磁性デバイス10は、回転磁場を創り出すようにアレンジされ、支持部材13をその軸Xの周りに回転させるように、ケーシング15に格納されたモーター(示されていない)を含む。
【0227】
スイッチ16が、ケーシング15の上に存在して、ユーザーがモーターのスイッチを入れ、そうすることにより磁石12と共に支持部材13を回転させることを可能にする。
【0228】
示されていない変形において、回転磁場は、回転する場を作りだすように逐次的に作動される複数のソレノイドにより作り出される。
【0229】
キット1を使用するために、ユーザーは図3に示されるように、第一組成物Cをアプリケーター4によりメイクアップされるべき表面S、具体的には指の爪に施与することにより開始する。
【0230】
図4に示された次の工程において、ユーザーは磁性デバイス10を表面Sの中央領域Rの上へもっていき、スイッチ16を始動させて、磁石12を回転させる。
【0231】
第一組成物Cに含まれる磁性粒子は、磁石12の磁力線と並び、配向を変える傾向があり、そうすることにより組成物Cの外観に変化をもたらす。
【0232】
ユーザーは、所望される結果に応じて、磁場がかけられる時間の長さを選択することができる。
【0233】
例えば、得られた模様は、図5に示されるような、レリーフ状態の球の印象を与えることができる。
【0234】
次に、ユーザーは、第一組成物が乾燥したら透明なマニュキアである第二組成物Cを施与する。
【0235】
第二組成物Cを施与することは、例えば追加の深さの効果を作りだすことを可能にする。
【0236】
図1〜5のマニュキア液の実施態様において、第一組成物Cは、以下の配合を有し得、量は以下のすべての実施例において重量百分率で表される。
【0237】
実施例A
【0238】
【表1】

【0239】
少なくとも14%のFeを含む真珠層、カラロナパチナゴールド(117288)で参照され、メルク社により販売されている。
【0240】
そのようなマニュキアの外観はマニュキアが乾燥する時間を有する前に磁場をかけることにより変えられることができる。
【0241】
第一組成物が乾燥した後に、以下の配合を有する第二組成物Cが、例えば第一組成物に施与され得る。
【0242】
【表2】

【0243】
本発明の変形の実施態様において、例えば着色された背景/ベースを作るように、第二組成物Cは、第一組成物Cの前に施与される。
【0244】
第一組成物Cは、すなわちより少なく被覆することができる。
【0245】
以下の実施例は、着色された背景/ベースを作るための第二組成物の例であり、第一組成物は例えば上述の実施例Aの配合を有する。
【0246】
実施例B
【0247】
【表3】

【0248】
実施例Aの第一組成物は、一つのタイプの磁性顔料のみを含む。
【0249】
以下の実施例は、第一組成物内に、磁性顔料及び別の着色物質、例えば光学効果を有する顔料、この場合、ゴニオクロマチック顔料を有する可能性を示す。
【0250】
実施例 C
【0251】
【表4】

【0252】
磁性顔料は、金色であり、該色はゴニオクロマチック顔料のカラーバス上に存在する。
【0253】
磁気的な励起なしでは、混合物は、何ら見える模様のないゴニオクロマチック効果を示し、磁性顔料の色はゴニオクロマチック効果をマスクすることを避けることを可能にする。金色〜ピンクに変化するベースカラーを有する表面を見ることが可能である。
【0254】
対照的に、磁場をかけた後、磁力線と並ぶようになった磁性粒子は、ゴニオクロマチック顔料から生じる色の変化の上に重ねられるようになる模様を作り出す。配向された磁性顔料の粒子により得られた金色に着色された模様が、観察者及び/又はメイクアップされた表面に関する何らかの配向条件に対して、ピンクのベース上に現れることができる。
【0255】
例えば、実施例Aの配合と同じ配合を有する第二組成物が、第一組成物が乾燥した後に、第一組成物に施与され得る。
【0256】
第一組成物は磁性顔料及び例えば反射性顔料をもまた含み得る。
【0257】
実施例 D
【0258】
【表5】

【0259】
少なくとも14%のFeを含む真珠層、カラロナパチナゴールド(117288)で参照され、メルク社により販売されている。
**フレックスフレックスプロダクツによりスペクトラフレアの商標名で販売されている顔料。
【0260】
例えば、第二組成物は実施例Aのものである。
【0261】
当然に、第一組成物及び第二組成物の性質が何であれ、第一組成物にかけられる磁場は回転する必要はない。例えば図6は、その末端に棒の形状の永久磁石12を含む磁性デバイスを示す。
【0262】
磁場が回転しないとき、ユーザーは所望される結果に応じて例えば磁石を第一組成物の周辺へと動かすことができる。
【0263】
その性質が何であれ、磁性デバイスは、表面Sに相対的に磁性デバイスが位置付けられることを可能にする部材を含んでいてもよい。
【0264】
例えば、位置付ける部材は、磁場がかけられている間、磁性デバイスが組成物に触れることを妨げるように機能する。
【0265】
位置付ける部材は、表面S,例えば爪に対して作られる模様を中央に動かすようにもまた機能することができる。
【0266】
表面の性質に依存して、位置付ける部材は、種々の形態、例えば、図7に示されるように指の端を嵌めこむための迫台の面を提供する延長部分17の形態をとることができる。
【0267】
図8は、この実施態様においては、それぞれ液状の口紅及びリップグロスから構成されている第一組成物C及び第二組成物Cを含む本発明のキット1の別の実施態様を示す。
【0268】
この実施態様において、アプリケーター4は、容器2のキャップ3により支持された房にされた末端部20を含む。
【0269】
例えば、磁性デバイス10は、柔軟な構造の形態であり、例えば交互に並ぶN及びS極を作る磁化された粒子で満たされたプラスチック物質からできており、そうすることにより、繰り返される模様、例えば縞を第一組成物で被覆された表面上に形成することを可能にする。
【0270】
例えば、口紅については、第一組成物Cは以下の配合を示す。
【0271】
実施例 E
【0272】
【表6】

【0273】
少なくとも14%のFeを含む真珠層、エンゲルハードによりクロワゾネヌアンティークグリーン828 CBの参照名で販売されている。
【0274】
例えば、第二組成物は以下の配合を有する。
【0275】
【表7】

【0276】
第二組成物は、第一組成物に施与され得、深さの効果を作り出すことを可能にする。
【0277】
アプリケーターのタイプが何であれ、磁石12は、適切であれば、アプリケーターに取り込まれ得る。
【0278】
図9の実施態様において、アプリケーター部材5から遠い側の上にある磁石12は、閉鎖キャップ3の上にある。
【0279】
図13の実施態様において、磁石12は、キャップ51が上にある支持部材13により支持されており、使用していないときには、第一組成物Cを含む容器2を閉鎖するためのキャップ3のコンパートメント50に格納される。キャップ51は、磁石12のハンドルとして機能し、コンパートメント50を閉鎖するためにもまた機能する。
【0280】
磁場が永久磁石による代わりに電磁石により作られることは本発明の範囲を超えない。
【0281】
図10は、電力供給を格納するケーシング44の末端に電磁石40を含む磁性デバイス10を示す。
【0282】
スイッチ45は、電磁石40がユーザーにより選択的にスイッチを入れられることを可能にする。
【0283】
組成物C及びCをパッケージングする、及び/又は分配する、又は施与するための上記のデバイス以外の種々のデバイスが使用されることができる。
【0284】
例えば、少なくとも1の組成物C及びCが、アプリケーターを使用しないでスプレーの形態で、例えば図11に示されるようなポンプ60を使用することにより表面Sの上に堆積されることができる。噴霧は、エアブラシにより、又は例えば圧力をかけられた容器により発生されることができる。
【0285】
第一及び第二組成物をパッケージングする及び/又は分配する、又は施与するためのデバイスは互いに異なっていることができる。
【0286】
図12に示されるような、その穴の模様71が星型である穴のあいたマスク70が噴霧器とメイクアップされるべき表面の間に介在されることができる。
【0287】
磁場を通す、場合によって穴が開けられていてもよいシート75が、磁石12又は電磁石40と表面Sの間に介在されて、磁力線の形状を変化させ、図13に示されるような新規な効果を作ることができる。
【0288】
当然、本発明は上に与えられた実施例に制限されない。
【0289】
例えば、キットは、種々の模様を作れるように種々の形状を有する複数の磁石を含んでいてもよい。
【0290】
特許請求の範囲を含めて本明細書を通じて、表現「〜を含む」は、その反対であると明示されない限り「少なくとも1の〜を含む」と同義であると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0291】
【図1】本発明のキットの実施例を示す線図である。
【図2】図1の磁性デバイスを示す図形的かつ断片的な軸切断図である。
【図3】使用されているキットを示す線図である。
【図4】使用されているキットを示す線図である。
【図5】本発明により得られることのできる模様の例を示す。
【図6】使用されることのできる磁性デバイスの別の実施例を分離して示す線図である。
【図7】メイクアップされた表面と向き合う磁石を位置付けるための位置付け部材を備えられた図6の磁性デバイスを示す線図である。
【図8】本発明のキットの別の実施例を示す線図である。
【図9】磁性デバイスに保持されたアプリケーターの例を、正面において及び独立して示す線図である。
【図10】使用されることができる磁性デバイスの別の例を示す線図である。
【図11】第一組成物のための包装用デバイスの別の例を示す。
【図12】本発明の方法の実施の間に使用されるのに適する穴の開いたマスクを示す。
【図13】本発明の方法の実施の間に使用されるのに適する磁性シートを示す。
【符号の説明】
【0292】
1 キット
2 容器
3 キャップ
4 化粧料アプリケーター
5 アプリケーター部材
10 磁性デバイス
12 永久磁石
13 支持部材
15 ケーシング
16 スイッチ
17 延長部分
20 末端部
40 電磁石
44 ケーシング
45 スイッチ
60 ポンプ
70 マスク
71 模様
75 シート
P 磁性粒子
R 中央領域
X 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(S)、例えば皮膚、爪、毛髪、又は口唇にメイクアップを施与するためのキットであって、
金属の鉄の粒子、特に軟鉄を含む第一化粧料組成物(C);及び
第一組成物(C)を被覆するための、又は第一組成物(C)により被覆されるための第二化粧料組成物(C
を含むキット。
【請求項2】
表面(S)、例えば皮膚、爪、毛髪、又は口唇にメイクアップを施与するためのキットであって、
磁場の影響下で可動性である磁性粒子を含む第一化粧料組成物(C);
第一組成物(C)を被覆するための、又は第一組成物(C)により被覆されるための第二化粧料組成物(C);
第一組成物が表面(S)に少なくとも1の層の形で施与されるとき、磁性粒子のすべて又は一部の配向を変える及び/又は変更することを可能にする磁場を作り出す磁性デバイス(10)
を含むキット。
【請求項3】
第二組成物が第一組成物を被覆するためのものであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項4】
第二組成物が透明であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項5】
第二組成物が第一組成物によって被覆されるためのものであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項6】
第二組成物が着色されていることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
第一組成物(C)の外観を変更することを可能にする磁場を作り出すための磁性デバイス(10)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
第一組成物(C)がマニュキア液であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキット。
【請求項9】
第一組成物(C)が口紅であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
磁性粒子(P)が、鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの合金及び酸化物、特にFeにより構成された群から選択された磁性物質を含むことを特徴とする、請求項2〜9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】
磁性粒子(P)が非球状であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のキット。
【請求項12】
第一組成物(C)が、有機顔料及び/又は無機顔料、複合顔料、真珠層顔料、ゴニオクロマチック顔料、反射性粒子、回折性顔料、サーモクローム剤、フォトクローム剤、ピエゾクローム剤、ソルバトクローム剤から選択された着色物質及び/又は反射性物質の少なくとも1を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のキット。
【請求項13】
磁性デバイス(10)が磁石(12)を含むことを特徴とする、請求項2又は7に記載のキット。
【請求項14】
磁性デバイス(10)が電磁石(40)を含むことを特徴とする、請求項2又は7に記載のキット。
【請求項15】
磁性デバイス(10)が、電磁石(40)が電気で選択的に作動されることを可能にするスイッチ(45)を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のキット。
【請求項16】
磁性デバイス(10)が、回転磁場を作り出すようにアレンジされ、特に磁石(12)及び磁石(12)が回転されることを可能にするモーターを含むことを特徴とする、請求項2又は7のいずれか1項に記載のキット。
【請求項17】
磁性デバイス(10)が、第一組成物(C)が堆積された表面(S)に相対的に磁性デバイスが位置付けられることを可能にする部材(17)を含むことを特徴とする、請求項2又は7に記載のキット。
【請求項18】
磁性デバイス(10)が、アプリケーター(4)に保持されていることを特徴とする、請求項2又は7に記載のキット。
【請求項19】
磁性デバイス(10)が、アプリケーターのハンドルに接続された第二の端を有するロッドの第一の端に取付けられた磁石(12)を含むことを特徴とする、請求項2又は7に記載のキット。
【請求項20】
表面(S)、例えば皮膚、爪、毛髪、又は口唇にメイクアップを施与する方法において、以下の工程を含む方法:
表面(S)に流動状態の少なくとも第一化粧料組成物及び第二化粧料組成物を堆積させる工程、ただし第一化粧料組成物は第二組成物を被覆するか又は第二組成物により少なくとも部分的に被覆され、第一組成物(C)は、磁場の影響下で可動性である磁性粒子(P)を含む;及び
第一組成物(C)の少なくとも一部を磁場に暴露して、磁性粒子(P)の少なくとも一部の配向を変化させる及び/又は該一部を移動させる工程。
【請求項21】
磁場がかけられて、第一組成物(C)の上に少なくとも1の模様を形成することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
磁場がかけられて、第一組成物(C)が施与された顔又は体の少なくとも1の領域の透明さ及び/又は色に立体感をもたせるようにすることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
磁場が永久磁石(12)によりかけられることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
磁石(12)が回転されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
磁場が電磁石(40)によりかけられることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
電磁石(40)が、随意に再充電可能な少なくとも1の電池により作動されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
電磁石(40)がユーザーにより選択的にスイッチを入れられることを特徴とする、請求項25又は26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
第一組成物(C)が固定された外観を得るまで磁場がかけられることを特徴とする、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
暴露された領域(R)中の磁性粒子のすべてが永久的に移動される及び/又は配向されるようにする時間より短い時間で、磁場がかけられることを特徴とする、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
第一組成物(C)で被覆された表面(S)の異なる領域(R)に磁場が逐次的にかけられることを特徴とする、請求項20〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
磁場が、互いに離れた表面(S)の領域にかけられることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
第一組成物で被覆された表面(S)の少なくとも1の領域が、磁場に曝されないことを特徴とする、請求項20〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
第一組成物(C)が化粧料アプリケーター(4)により施与されることを特徴とする、請求項20〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
アプリケーター(4)がブラシ(5)、房にされた末端部(20)、又はフォームを含むことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
アプリケーター(4)が非磁性であることを特徴とする、請求項33又は34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
磁性粒子(P)が、鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの合金及び酸化物により構成された群から選択された磁性物質を含むことを特徴とする、請求項20〜35のいずれか1項に記載のキット。
【請求項37】
第一組成物(C)が、磁性粒子及び非磁性粒子を含むことを特徴とする、請求項20〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
第一組成物(C)が、穴の開いたマスク(70)を通して表面(S)に施与されることを特徴とする、請求項20〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
磁場を通すシート(75)を通して磁場がかけられることを特徴とする、請求項20〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
所与の乾燥時間の後、磁場の影響下で磁性粒子(P)がその配向を変えることを妨ぐ状態を第一組成物(C)がとることを特徴とする、請求項20〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
第二組成物(C)が第一組成物に施与されることを特徴とする、請求項20〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
第一組成物(C)が第二組成物に施与されることを特徴とする、請求項20〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
第二組成物が無色であることを特徴とする、請求項20〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
第二組成物が着色されていることを特徴とする、請求項20〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
第二組成物が透明であることを特徴とする、請求項20〜43のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−515475(P2008−515475A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534054(P2007−534054)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050558
【国際公開番号】WO2006/037901
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】