説明

メイクアップ化粧品

【課題】皮膚トラブル(肌あれ、赤いブツブツ、ニキビ等)を生じさせないためのメイクアップ化粧品を提供するものである。
【解決手段】植物エキスを40〜50重量%の割合で含有する液状化粧料をスポンジに含浸させたことを特徴とするメイクアップ化粧品である。本発明において使用するスポンジは、化粧用コンパクト内に収容し、外枠や中枠等によって取り付け、スポンジがコンパクトから剥離したり、落下しないようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ化粧品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メイクアップ化粧料として、(1)粉末(酸化チタン、マイカ、酸化鉄等)に油分を混合し、プレス成形して得られるアイシャドウ、固形ファンデーション等(例えば、特許文献1)、(2)粉末をクリームや乳液に分散させて得られる液体ファンデーション、クリームファンデーション等(例えば、特許文献2)、(3)粉末と油分を混合し、さらにワックス(ロウ)で固めたもの(例えば、特許文献3)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−59606号公報
【特許文献2】特開2001−294512号公報
【特許文献3】特開2006−232831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記化粧料(1)は、粉末の量が多く、毛穴に詰まること等が原因で皮膚トラブルを引き起こし得る。上記化粧料(2)は、粉末を分散させるために、乳化剤などの添加物を必要とし、同様な皮膚トラブルを引き起こし得る。また、上記化粧料(3)は、粘稠なワックスを使用しているため、毛穴に詰まりやすく、ニキビ等の皮膚トラブルを引き起こし得る。
そこで、本発明は、皮膚トラブル(肌あれ、赤いブツブツ、ニキビ等)を生じさせないメイクアップ化粧品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、従来のメイクアップ化粧料に含まれている粉末成分、乳化剤、ワックス(ロウ)の配合量を減少させることにより、皮膚トラブルを生じさせないことが可能であるが、それだけでは、化粧料としての保形性に難点があることを見いだした。そこで、本発明者らは、液状のメイクアップ化粧料をスポンジに含浸させることにより、この問題を解決した。液状メイクアップ化粧料は、植物エキスを高濃度で含有することができる。
すなわち、本発明によれば、植物エキスを40〜50重量%の割合で含有する液状化粧料をスポンジに含浸させたことを特徴とするメイクアップ化粧品が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化粧品は、長期間使用しても、使用者に皮膚トラブル(肌あれ、赤いブツブツ、ニキビ等)を生じさせない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の化粧品は、液状メイクアップ化粧料をスポンジに含浸させてなるものであり、液状メイクアップ化粧料をスポンジに予め含浸させた状態で製品(化粧品)として提供されるものである。
【0008】
スポンジに含浸させる液状メイクアップ化粧料は、皮膚に有用な植物エキスを40〜50重量%という高濃度で含有する。
植物エキスとしては、通常のメイクアップ化粧料に使用されているものであれば、特に制限はなく、例えば、アロエエキス、ツボクサエキス、カミツレエキス、クランベリー果実エキス、コメエキス等を例示することができる。
【0009】
本発明に使用される液状メイクアップ化粧料は、植物エキスに加えて、油性成分を含有することができる。油性成分としては、天然の油性成分、例えば、オリーブオイル、ホホバ油、キョウニン油等を挙げることができる。本発明に使用される液状メイクアップ化粧料は、油性成分を40〜80重量%の量で含有することができる。
【0010】
また、上記液状メイクアップ化粧料は、色素を含有する。色素としては、通常のメイクアップ化粧料に使用されているものであれば、特に制限はなく、例えば、カルミン、酸化鉄(弁柄)、雲母チタン、グンジョウ、コンゴウ等を例示することができる、色素は、液状メイクアップ化粧料に、5〜10重量%の量で配合することができる。
【0011】
更に、上記液状メイクアップ化粧料は、ワックス(ロウ)を含有することができるが、皮膚トラブルを生じさせないために、その量は、5重量%以下であることが好ましい。ワックス(ロウ)としては、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等を例示することができる。
尚、ワックスを使用しないこともできる。また、液状メイクアップ化粧料は、乳化剤を使用しない。
【0012】
上記液状メイクアップ化粧料を含浸させるスポンジは、化粧用パフとして使用されているスポンジであれば特に制限されない。かかるスポンジとしては、ポリウレタンスポンジ、NBR等を例示することができる。
【0013】
本発明の化粧品を作成するためには、予め調整した液状メイクアップ化粧料中にスポンジを浸漬し、含浸させることができる。液状メイクアップ化粧料から取り出したスポンジは、余剰の液状メイクアップ化粧料を除去するために、圧搾することができる。
尚、前記した本発明において使用するスポンジは、化粧用コンパクト内に収容し、外枠や中枠等によって取り付け、スポンジがコンパクトから剥離したり、落下しないようにしてある。
【実施例】
【0014】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1
以下の成分からなる液状アイシャドウ組成物を化粧料用スポンジに含浸させて、本発明の化粧品を調整した。
【0015】
成分 量
オリーブオイル 35重量%
植物エキス(アロエ、ツボクサ、カミツレ) 50重量%
ミツロウ 5重量%
色素(カルミン、酸化鉄、雲母チタン) 10重量%
【0016】
比較例1
以下の成分からなるパウダーアイシャドウ組成物を調整した。
成分 量
オリーブオイル 10重量%
粉末 90重量%
注)粉末:マイカ50重量%、酸化チタン10重量%、パール剤(雲母チタン)5重量%、ナイロンパウダー5重量%、シリカ5重量%、タルク15重量%;計90重量%
【0017】
比較例2
以下の成分からなるクリームアイシャドウ組成物を調整した。
成分 量
粉末 25重量%
オリーブオイル 10重量%
ベヘニルアルコール 3重量%
乳化剤 3重量%
水 59重量%
注)粉末:酸化鉄5重量%、酸化チタン5重量%、タルク15重量%;計25重量%
【0018】
比較例3
以下の成分からなるスティックアイシャドウ組成物を調整した。
成分 量
オリーブオイル 70重量%
ミツロウ 20重量%
色素 10重量%
【0019】
実施例1および比較例1〜3で調整した化粧品(化粧料)を、それぞれ、15名の健康な成人女性パネラーに1週間使用してもらい、皮膚の状態を観察したところ、以下の表1に示す結果を得た。
【表1】

【0020】
表1に示す結果から分かるように、本発明の化粧品を使用した場合、15名全員に、肌の異常は観察されなかった。さらに、本発明の化粧品を使用したパネラーからは、皮膚のカブレ、タダレは観察されず、また皮膚に対する刺激もなかった旨の報告を受けた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物エキス40〜50重量%の割合で含有する液状化粧料をスポンジに含浸させたことを特徴とするメイクアップ化粧品。

【公開番号】特開2011−132154(P2011−132154A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291893(P2009−291893)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(500036129)株式会社アスカコーポレーション (16)
【Fターム(参考)】