メタライゼーション構造体
【課題】銅合金、例えばCu−Mg又はCu−Alの層がシリコン酸化物をベースにした誘電体層上に堆積され、銅合金の層上に実質的に純粋の銅の層が堆積される銅のメタライゼーション構造およびその形成方法を提供する。
【解決手段】銅合金の層(112) は、通路の孔及びトレンチ(66)を続いて純粋な銅(112) で充填するためのシード又はウエッティング層として働き、下にある誘電体(64)と上にある純粋な銅(112) との境界面にバリアを与える。銅合金(112) は、スパッタ工程においてコールド堆積されてもよいが、純粋な銅層の堆積中か、その後に分離したアニーリングステップにおて、温度が充分上昇され、銅合金の合金元素が誘電体層に移動するようにする。内部のバリアは合金層の誘電体層への接着を促進し、それによって、続く銅の完全充填技術に対する優れたウエッティング及びシード層を形成する。
【解決手段】銅合金の層(112) は、通路の孔及びトレンチ(66)を続いて純粋な銅(112) で充填するためのシード又はウエッティング層として働き、下にある誘電体(64)と上にある純粋な銅(112) との境界面にバリアを与える。銅合金(112) は、スパッタ工程においてコールド堆積されてもよいが、純粋な銅層の堆積中か、その後に分離したアニーリングステップにおて、温度が充分上昇され、銅合金の合金元素が誘電体層に移動するようにする。内部のバリアは合金層の誘電体層への接着を促進し、それによって、続く銅の完全充填技術に対する優れたウエッティング及びシード層を形成する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、半導体集積回路の製造におけるメタル堆積に関する。特に、本発明は、物理気相堆積(PVD)よって達成される銅のメタライゼーションに関する。
【0002】
【従来の技術】進歩した半導体集積回路の重要な部分は、活性化した半導体領域にコンタクトしたり、それらを相互に接続するために用いられる1以上のメタライゼーションレベルを含んでおり、それら自体は、非常によく規定された結晶シリコン基板に存在している。半導体レベル内や直接上部で幾つかのトランジスタ或いは他の半導体デバイス、例えばメモリキャパシタを相互接続することは可能であるけれども、多重に接続されたデバイスの増大する複雑な形態は、他のレベルの相互接続を必要とする。一般には、そこに形成されたトランジスタやキャパシタを有する活性シリコン層は、誘電体層、例えば二酸化シリコンで覆われる。コンタクトホールは誘電体層を通してシリコンデバイスの特定のコンタクト領域までエッチングされる。金属がこのコンタクトホールに満たされ、そして誘電体層の上部に堆積されて、シリコンコンタクトと他のの電気的ポイント間の水平相互接続を形成する。このようなプロセスは、メタライゼーションと呼ばれる。
【0003】単一レベルのメタライゼーションは、小さな能力の単純な集積回路には充分であるかもしれない。しかし、単一レベルは活性領域間の要求されるレベルの相互接続を与えないので、込み入ったメモリチップや特に複雑な論理デバイスは、追加的なレベルのメタライゼーションを必要とする。追加的なメタライゼーションレベルは、前のメタライズされた水平相互接続上に他のレベルの誘電体を堆積し、かつ誘電体をとおして、通路(vias)と呼ばれるホールをエッチングし、その通路をメタルで満たし、且つメタルで誘電体層を覆い、そして追加の配線層としての追加の誘電体上にメタルを画定するプロセスを繰り返えすことによって達成される。非常に進歩した論理デバイス、例えば、第5世代マイクロプロセッサは5つ以上のレベルのメタライゼーションを有している。
【0004】従来、メタライズされた層は、銅やシリコンのようなたかだか数パーセントの合金元素を更に有するアルミニウムやアルミニウムベースの合金から成っている。メタライゼーションの堆積は、スパッタリングとしても知られている物理気相堆積(PVD)によって一般に行われている。従来のPVDリアクター10が図1に断面図として概略示されており、この概略図は、カルフォルニア、サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から利用可能なEnduraPVDリアクターに基づいている。リアクター10は、ヒーターペデスタル18に保持されたウエハ16上にスパッタ堆積されるように、材料のPVDターゲット14に対してシールされた真空チャンバー12を有する。チャンバー内に保持されたシールド20は、スパッタされる材料からチャンバーの壁12を保護し、アノードの接地面を与える。選択可能なDC電源22は、ターゲットをシールド20に対して、約−600vDCにバイアスする。従来、ペデスタル18及びウエハは、電気的に浮いたままである。ヒーターペデスタル18は、調整可能な電源26によってエネルギーが与えられる抵抗性ヒーター24を有する。
【0005】スパッタリングの動作ガス、一般的には化学的に不活性なアルゴンのガス源28がマスフロー制御装置30を通して動作ガスをチャンバーへ供給する。真空ポンプシステム32はチャンバーを低圧に維持する。基本圧力は、約10-7或いはそれ以下の範囲にあるけれども、動作ガスは、1と100mTorr(ミリトル)の間に保たれる。コンピュータベースの制御装置34は、DC電源22、ヒーター電源26及びマスフロー制御装置30を有するリアクターのパーツの動作を制御する。アルゴンがチャンバーに入れられると、DC電圧はアルゴンをプラズマへ点弧し、正に帯電したアルゴンが負に帯電したターゲット14へ引き付けられる。イオンはかなりのエネルギーでターゲット14を打ち、それによりターゲット原子または原子クラスターがターゲット14からスパッタされる。ターゲットの微粒子のあるものはウエハ16を打ち、それによりウエハ上に堆積し、ターゲット材料の膜を形成する。
【0006】効率的なスパッタリングを提供するために、マグネトロン36がターゲットの裏側に配置される。それは、反対のマグネット38,40を有し、マグネット38,40の近くのチャンバー内に磁界を形成する。この磁界は電子をトラップし、電荷の中性状態に対して、イオン密度が増大して、マグネトロン36に隣接するチャンバー内に高密度プラズマ領域を形成する。しかし、密度を減少したプラズマがウエハ16に向かって広がることがわかる。高密度プラズマはスパタリング速度を増加し、マグネトロン36はターゲット14の裏側にわたってスキャンされ、より均一なスパッタリングプロセスを提供する。集積回路の連続するメタライゼーションに伴って、メタライゼーションに対する要求が増大している。多くの者は、アルミニウムのメタライゼーションは銅のメタライゼーションに置き換えられるべきであると考えている。Murarka他は、"Copper metallization for ULSI and beyond," Critical Reviews in Solid State and Materials Science, vol. 10, no. 2, 1995, pp.87-124において、銅のメタライゼーションに関する記事を発表している。銅は多くの利点を提供する。そのバルク固有抵抗は、アルミニウムのそれよりもかなり小さく、純粋な材料に対して,1.67μΩ-cm対2.7μΩ-cmである。メタライゼーションの相互接続の幅と厚みが連続して減少するので、固有抵抗が減少することは顕著な利点を与える。更に、アルミニウムのメタライゼーションに伴う問題は、いわゆる電気移動のプロセスにおいて、ホットスポットから離れて特に移動する高電流密度の下でのメタライゼーションの相互接続に沿って移動するために、アルミニウム金属におけるアルミニウム原子の傾向である。このような過剰な量の移動は、アルミニウムの相互接続を破壊し、集積回路を動作不能にする。銅ベースの合金はアルミニウムとその合金より電気移動の著しく減少したレベルを示す。
【0007】従って、多くの場合、銅のバルクの振る舞いは、アルミニウムのそれよりも優れているが、銅のメタライゼーションは、証明されていない技術であり、従来のアルミニウムのメタライゼーションでは経験してない困難性があることが知られている。しかし、銅のメタライゼーションは、アルミニウムのメタライゼーションに固有の問題を回避する方法を提供する。商用の回路に銅の採用を阻む2つの大きな問題が認識されている。ドライエッチプロセスによって、即ちプラズマエッチングによって銅をエッチングすることは難しいことが証明されている。エッチ問題は、トレンチ-おそらくその底部に達する通路を有している-は、二酸化シリコンの誘電体層へエッチングされるダマシーンプロセス(damascene process)の発展によって回避されたようである。このトレンチは、水平の相互接続の所期の経路に従う。銅の全面堆積はトレンチを満し、更に誘電体上に層を形成する。ウエハは、化学機械的ポリッシングにかけられ、トレンチの頂部に露出されたすべての銅を除去し、従って、トレンチにおける銅の相互接続を残す。
【0008】本発明によって解決される他の問題は、銅と集積回路の他の部分間のインターフェースを含む。アルミニウムの主な利点は、その良好な界面特性である。アルミニウムは、安定な酸化物Al2O3 の層を形成し、それはシリコンと強い化学結合を形成する。銅は、酸化するが、酸化物は安定でなく、湿った酸素環境に曝されると、時間と共に成長を続ける。銅及び銅の酸化物は二酸化シリコンによく密着しない。最後に、銅が二酸化シリコンに入るのを妨げるための手段を用いない限り、銅は、二酸化シリコンを通して非常に速く拡散し、誘電体層を通して、或いは横切って短絡を生じる。従来技術においては、銅が酸化物へや、酸化物を通して拡散するのを妨げるために、銅が堆積される前に、分離した障壁層が二酸化シリコン上に堆積された。
【0009】上記の記事において、Murarka他は、界面の性質を改善するために銅をマグネシウムやアルミニウムと合金にすることを推奨賞している。Rensselaer PolytechnicInstituteのMurarkaのグループ及び彼らの協力者によってなされた最近の仕事は、信頼できる銅の相互接続を形成するための有用な技術を開発し、その動作のためのモデルを提供したことである。Lanford他は、"Low-temperaturepassivation of copper by doping with Al or Mg," Thin Solid Films, vol.262, 1995, pp.234-241で図2の概略断面図に示されているスパタリングを使用し、基板46上に銅合金の膜44を堆積していることを述べている。合金の元素の例は、アルミニウムとマグネシウムを含んでいる。銅合金の膜44は、銅と合金元素の交互の層として堆積され、或いは2つの構成要素が銅合金のスパッタリングターゲットの使用によって、同時にスパッタされることができる。室温近くでスパッタリングを行った後、ウエハは、例えばアルゴン中で400℃で30分間アニールされる。図3の断面図に示されているように、アニーリングによって、マグネシウムの大きな断片が残りの銅の膜48の外側に拡散し、境界面に存在するすべての酸素と反応して、マグネシウム酸化物の膜49を形成する。MgOの膜49は、Mgで合金化されたCu本体44を包む。銅の膜48上の自由面はMgOの膜49によって不動態化される。マグネシウム酸化物は、安定な酸化物であり、5−7nmの範囲の厚さで成長するのを停止する。薄い酸化物は、高いコンタクト抵抗を生じるとは考えられていないが、あらゆる場合に、酸化物は、それに続くメタライゼーションの堆積前にスパッタエッチングによって除去される。Lanford他は、上記の記事で自由面はアルゴン中の酸素の不純物によってMgOへ酸化されることを示唆している。
【0010】進歩した集積回路のメタライゼーションは、高いアスペクト比の孔を充填する点における必要な要件に直面している。デバイスの密度を上げることは、フューチャーサイズを更に減少することを必要とする。しかし、誘電体破壊がレベル相互の誘電体の厚さを同様に減少することを妨げている。結果として、通路のアスペクト比及びコンタクトは増大している。アスペクト比は、通路またはコンタクトを形成する誘電体を通す孔の深さとその孔の最小の横の大きさとの比である。5対1のアスペクト比は、考えられる開発技術であるが、更に高い値が必要とされるであろう。高いアスペクト比の孔がエッチされると仮定して、それらを相互レベル接続するための金属で充填するという問題が残る。従来のスパッタリングは、明らかに等方性であるので、スパッタされた材料が孔の入り口部分と比較して、孔の底を殆ど叩かず、そしてスパッタリングが孔の上部をブリッジして、更に堆積するのを阻止するために、高アスペクト比の孔の形状はスパッタリングに対しては好ましくない。孔を充填する問題は、図4の断面図に示されている。電気的にコンタクトされるべき図示された構造を有する、狭くそして深い孔50がシリコン酸化物基板52にエッチされる。その後、銅の層54が孔50に充填される。もし、この充填が初期のコールド堆積を含む標準のPVDプロセスによって行われ、それに続いて、充填を完成するために最終のホットな堆積によって表面層を形成するならば、空隙56が孔に形成されるかもしれない。何故ならば、銅が孔50の酸化物側から浸潤しないからである。一旦、銅が堆積中に空隙56をふさぐと、空隙を除き、孔の充填を完成することは実際に不可能である。
【0011】孔を充填する好ましくない形状を克服するために、少なくとも2つの技術、方向性スパッタリングとリフローが用いられる。方向性スパッタリングにおいて、正規な方向に重点的に集中されたウエハ上に入射するスパッタされた粒子のフラックスを生成するために、1つ以上のいろいろな技術が用いられる。リフローは、初期には望ましくない分布で堆積されるけれども、金属は適度に低い温度で流動するので、金属は、孔に流れ、それを充填するようにするという事実に依存する。リフローは、堆積後のアニールにおいて生じさせることもできるし、或いはホット堆積中に行うこともできる。方向性スパッタリングは、ロングスロー、コリメーション、及び高密度プラズマにおいてイオン化され、スパッタされたイオンの静電引力を含む多くの方法によって達成することができる。方向性スパッタリングは、本発明によっては必要ないが、後で説明されるように、それと共に有利に使用されることもできる。
【0012】メタライゼーション、特に銅のリフローは、いろいろな困難を示す。アルミニウムと異なって、銅は、比較的高い融点を有している。基板をメタライゼーションの溶融温度まで加熱することは、非常に高い熱的負担を負うし、従来の処理ステップと一致しないかもしれない。アルミニウムと銅はそれらの融点より幾らか低い温度で流動するが、これらの金属のいずれかと通常のインターレベルの誘電体を形成する二酸化シリコン間の境界面はリフローに対して好ましくない。アルミニウムも銅もある高温で二酸化シリコンにはよくぬれない。結果的に、これらの金属は、二酸化シリコンの壁の下にある滑らかな層では流れない。実際に、アルミニウム或いは金属が二酸化シリコン上に薄い層としてある場合、金属は、絶縁された位置に丸くなる傾向にある。Xu他は、U.S.特許出願(Serial No.08/628,835,filed April 5,1996)でアルミニウムのメタライゼーションに伴うリフロー問題を扱っている。彼らは、高密度プラズマによって堆積されたTiN及び可能性としてTiのキャリア層を用いることを推奨し、二酸化シリコンを介して広がる狭い開口に堆積されたアルミニウムの密着性を増加するステップを含む多くの機能を達成している。キャリア層は、二酸化シリコンによる密着する接着層として作用し、また後で堆積されるアルミニウムに対して濡れ層としても作用する。結果的に、アルミニウムは、比較的低温でキャリア層の下に流れ、従って、容易に孔を満たす。
【0013】
【本発明の概要】本発明の1つの特徴は、合金元素、例えばマグネシウム、アルミニウム、ホウ素、及びタンタルを数パーセント含有する銅合金が通路の壁を形成する酸化物、例えば二酸化シリコンの表面部分、を含む基板上にスパッタされるメタライゼーション方法及びその製品を含む。上昇された温度によって、合金元素は側壁上の酸化物の方へ拡散し、二酸化シリコンへ、及び二酸化シリコンを通る銅の拡散に対してバリアとして作用する薄い、安定した合金酸化物を形成する。もし、充分な酸素がスパッタリングステップ中にあるならば、金属酸化物が、銅合金の上面に形成するであろう。スパッタリング中に合金元素の拡散を向上するのに十分上昇され温度に保持されている間に、銅合金は、基板上にスパッタされるのが好ましい。
【0014】本発明の他の特徴は、シリコン酸化物の誘電体層上に、好ましくはコールドスパッタリングよって堆積された銅合金の膜を有する銅のメタライゼーションの構造及び製造方法を有する。その後、純粋な銅の膜が銅合金層上にスパッタされ、銅堆積の開始後に、銅合金層内に合金元素の拡散を向上するために、温度が上昇される。本発明は、他の使用の間に、狭い開口、例えば通路やトレンチに銅を充填するために適用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、合金のスパッタ堆積がそのアニールと密接に関係する銅合金の膜を形成する効果的な製造方法を含む。本発明の第1の実施形態は、第5図の断面図に示され、上部のインターレベル通路である。下部レベルは、一般的に二酸化シリコン或いは珪酸ガラス、即ちシリコン酸化物から形成された、下部のインターレベル誘電体層60を含む。銅ベースの相互接続またはパッド62は、下部の誘電体層60の上面に形成される。二酸化シリコンまたは珪酸ガラスの上部レベルの誘電体層64は、下部の誘電体層60上に堆積され、通路の孔66は、銅パッド62の領域にある上部の誘電体層64を通してエッチされる。物理気相堆積(PVD)は、銅合金の膜68を通路の孔66と上部の誘電体層64へ堆積するために用いられる。銅及びその合金元素、例えばマグネシウムは、均一な組成の粒子フラックスが基板上に落下するように、同時にスパッタされる。この同時スパッタリングは、2つの元素間の差動スパッタリングの歩留まりのために、組成におけるある違いがスパッタターゲットとスパッタ堆積された膜間に生じるけれども、所望の銅合金の組成に近い組成を有するスパッタターゲットを用いることによって、非常に容易に達成される。
【0016】銅合金の膜68は、比較的上昇された温度で堆積されるか、或いは合金元素が、上部の誘電体層54と頂部の自由面にある金属酸化物の不動態化層72に近接して金属酸化物拡散層70を形成するために、表面に移動するように、堆積後にアニールされる。金属酸化物のため酸素がシリカ層64における二酸化シリコンによってか、あるいはスパッタリング又は分離したアニーリングステップに対して用いられるアルゴン又は真空の環境における残留酸素によって供給される。不十分な合金元素は利用可能な酸素と共同して表面まで拡散するので、高すぎる酸素の部分圧力は、銅を酸化して、銅の酸化物を形成する。後で示されるように、金属感化物の拡散層70における金属は、主に合金元素である。合金元素がマグネシウムである場合、金属酸化物の層70,72は、MgO、すなわち正常な状態で約7nmの厚さまで形成し、その後成長を停止する安定した酸化物の少なくとも一部に形成される。このような薄い酸化物の不動態化層72は、酸化物層の面に垂直な方向に著しい電気抵抗を示す。合金元素は、それが銅合金の膜66をとおして拡散するのと同じ割合で第1レベルの金属62へ自由に拡散することが考えられるので、酸化物層は、第1レベルの金属62に隣接して形成する。
【0017】本発明を実施する第1の方法において、銅合金は、それがスパッタ堆積されるにしたがって、銅合金をアニールするのに十分な上昇した温度に保持されて、スパッタされる。すなわち、それはホットスパッタ堆積である。好適な温度は、後述される。図1に示されるように、Endura PVDリアクターは、本発明に必要な温度を与えることができる、ウエハペデスタル18におけるヒーターを含む。ホットスパッタ堆積の場合、均一な銅合金が堆積されるけれども、合金元素は外方へ拡散し、二酸化シリコンの誘電体層64の隣の内側酸化物層70と外側酸化物層72を形成する。酸素は銅パッド62の上部において容易に利用できないので、内側酸化物層はこの銅パッド上に形成されない。リアルタイムアニーリングの利点は、初期に堆積された銅合金はシリコン酸化物と反応して、結合されたシリコンの酸化物と合金元素を形成することである。この境界面は、銅とシリコン酸化物の組み合わせから利用可能であるより遅く堆積された銅或いは銅合金に対して、より優れた接着を与える。
【0018】本発明を実施する第2の方法において、銅合金の膜68が合金元素の著しいアニーリングや拡散が生じない低温、例えば室温でPVD堆積される。銅合金の堆積後、ウエハはアニールされる。アニーリングは銅合金の膜が堆積されるPVDチャンバーのその場所で行われるか、或いは別のアニール炉において行われる。アニール環境は、真空かアルゴンガスのようなパージガスであればよい。堆積後のアニーリングは、もし、ヒーターペデスタルがアニール後に必要な幾らか高い温度を与えることができるなら、銅合金の膜が堆積された同じPVD内で行うことができる。代わりに、ウエハはそれ以外のアニール用の分離したアニールチャンバーへ移動される。しかし、アニールチャンバーへの移動は実質的に酸素のない、例えば10-9トルに制御された環境内で行われる必要がある。アプライドマテリアルズからのEnduraクラスターツールを真空移転のために用いることができる。
【0019】Murarkaは、MaterialsResearch SocietySymposiumProceedings, vol.405,pp.485-496, 1996の"Use of advantageous impurity effects in metallization,"におけるアニーリングと高温酸化間の相違を発表している。他の方法で処理されないCuAl合金の膜が空気中で300℃に加熱されると、銅酸化物の層が形成し、20時間にわたって約70nmに成長する。すなわち、CuAl膜が酸化したのである。一方、CuAl膜が400℃で30分間アルゴン環境中でアニールされると、すぐ上に記載された次のアニーリングは測定できる銅の酸化物層を生じなかった。すなわち、減少された酸素の環境における初期のアニールは次の酸化を防止する。銅合金を冶金を用いて、しかし平坦な形状において、多くの実験が行われた。最初の2つの実験は金属酸化物の障壁層72上に集中し、金属酸化物の不動態化70の効果は見られない。
【0020】実験1最初のシリーズの実験において、いろいろな形状の平らな銅メタライゼーションが導電性シリコン基板上の二酸化シリコンの100nm厚の層上に形成され、金属コンタクトが銅メタライゼーションに与えられた。追加のコンタクトが導電性基板に与えられた。その後、サンプルは、275℃に保持されたサンプルの酸化物層の両端に2MV/cmの電位を印加することによって電気的にストレスが与えられた。リーク電流が時間の関数として観察された。ある点で、酸化物を横切って十分な銅が拡散し、それはかなり良好な導体になった。スレッショルド電流は、破損を示すように考えられた。十分な数のサンプルが計測され、破損するまでの平均時間(FTTF)を計算した。
【0021】発明性のあるサンプルに対して、銅合金は、約200nmの厚さにスパッタ堆積されたMgの2原子パーセントを有するCuである。3つの形式の標本に対する結果が1つの比較サンプルと共にテーブル1に示されている。
本発明の第1のサンプルにおいて、CuMg合金が室温に近い温度でスパッタ堆積され、その後、1mTorr (ミリトル)のアルゴン中で350℃において10分間アニールされた。MTTFはかなり大きかったが、MTTF値の範囲は望ましくない短い時間に広がった。本発明の第2のサンプルにおいて、CuMg合金は、250℃に保持されたウエハにスパッタ堆積され、ウエハ温度は、スパッタの終了後、5分間保持された。MTTFは増大したが、範囲はまだ広すぎた。本発明の第3のサンプルにおいて、CuMgは150℃でスパッタ堆積され、スパッタ堆積後、同じ温度に5分間保持された。MTTFは良好であり、範囲は実質的に狭かった。しかし、統計上一定の結論に達するには不十分であり、この時点で、比較できる結果を得るために、3つのプロセスが考えられた。これらの値は銅の膜が実質的な量の合金を持たず、バリアが銅と酸化物の間に形成されなかったサンプルのための最後の項目と比較する。MTTFは測定するには短すぎた。
【0022】実験2原子のプロファイルは上述されたものと同様に用意された平坦なサンプル上で測定された。プロファイリングは、二次イオンの質量分光によって行われた。マグネシウムの原子濃度が図6に示される。曲線80は、分離と、上昇した温度のアニーリングステップを伴わない、Cuと2原子%のMgで250℃でスパッタ堆積されたサンプルに対するプロファイルを示す。曲線82は、50℃以下でスパッタ堆積され、その後350℃でアニールされたサンプルに対するプロファイルである。2つのサンプルはMgの自由表面へ、そしてシリコン酸化物の中間層への一定の拡散を示している。このMgはシリコン酸化物へ拡散するが、濃度は約100nm後に減少する。しかし、ホット堆積された銅合金は、Cuの主な部分においてMgの大きな枯渇を示し、電気抵抗を減少する。酸素の原子濃度が図7に示されている。曲線84は、350℃で堆積されたホットスパッタされ、アニールをしないサンプルに対するプロファイルを示し、一方、曲線68は、前に述べたコールドスパッタされ、その場所でアニールしたサンプルに対するプロファイルを示す。7nmの表面酸化物層は、この技術によって、正確に測定されるには薄すぎる。ホット堆積されたサンプルは、銅のバルクに実質的に減少した酸素濃度を有し、明らかに、電気抵抗を減少するために有利である。
【0023】従って、ホットスパッタは、アニーリングステップを除くという利点を有し、更に、合金元素及び残りの銅の膜における酸素の不純物の量を減少するという利点を有する。
実験3図6と図7のプロファイルに用いた同じサンプルの幾つかが堆積及びアニーリング温度の関数としてそれらの固有抵抗に対して測定され、これらの結果が処理温度を最適化するための他の基本を与えている。二組のサンプルは、通常室温に保たれているウエハを伴う、2原子%のMgを有するCu合金でPVD堆積された。一組のサンプルは、真空環境中に350℃で別の場所においてアニールされた。すなわち、"ex situ" アニールである。CuMg膜の固有抵抗がこのアニールの長さ関数として測定された。350℃の結果は、図8の曲線90で示されている。他の組のサンプルは、450℃でアニールされ、この結果は曲線92で示されている。相互接続のためには、固有抵抗は最小にされる必要がある。この結果は、熱供給を最小にするために、約10分間350℃の最小のポストアニーリング温度を示唆している。
【0024】関連実験において、更に、三組のサンプルが上昇した堆積温度で、CuMg合金でPVD堆積された。スパッタ堆積の停止後、サンプルは、いろいろな堆積温度に保たれた。175℃のスパッタリングに対しては、ライン94で、250℃のスパッタリングに対しては、ライン96で、そして350℃のスパッタリングに対しては、ライン98で、それらの結果が図9に示されている。これらの結果は、保たれた時間が殆ど効果を有していないことを示している。すなわち、堆積中のその場所でのアニーリングは低い固有抵抗を達成するのに十分である。これらの結果は、また、スパッタリング温度は、250℃が最小であるべきであり、最小の熱供給で最小の固有抵抗に達することを示している。その場所でのアニーリングに対する最適の温度範囲は、200℃から300℃までであることが予想される。しかし、テーブル1の結果は、拡散バリア特性が150℃の非常に低い堆積温度で改善されることを示している。固有抵抗のデータはこの温度では利用できないが、図9の傾向は、この温度で許容できる固有抵抗を示している。従って、固有抵抗は拡散抵抗に対して交換される。
【0025】図8と図9の結果を比較すると、別の場所とその場所のアニールが固有抵抗の殆ど同じ低い値を生成することができる。しかし、熱供給は、図9のリアルタイムのその場所でのアニールで最小になる。図5に示された構造は、均一な銅合金の膜が通路の孔66を完全に満たすと想定した。しかし、本発明の利点の多くは、50nmより小さい厚さの非常に薄い銅合金の膜で得ることができる。5nmの厚さでも十分であるようである。図1010の断面図に示されるように、銅合金のコンフォーマルな膜100が通路の孔66へ、及び第2の誘電体酸化物の層64上に堆積される。狭く、深い通路において銅合金の膜100のコンフォーマリティーは、HDP、ロングスロー或いはコリメーションのような特別な技術を必要とする。Fu他は、May 8, 1997に出願されたSerial No.08/854,008の米国特許出願に代替技術を開示している。銅のスパッタリングに特に応用可能なそれらの技術において、アノードのグリッドがターゲットと基板の間に挿入され、支持された自己スパッタリングを可能にし、より方向性のあるスパッタ堆積を提供する。
【0026】ホットスパタリングプロセスか、後アニールのいずれかは、コンフォーマルな銅合金の膜60における合金元素が誘電体酸化物の層64へ拡散し、前述の金属酸化物のバリア層60を形成するようにする。分離した堆積プロセスは、通路の孔66を満たし、上部の誘電体層64を覆う銅層102を堆積する。バリア層70が銅合金の膜100に合金元素から形成されるので、合金元素は、銅合金102にでは必要とされない。孔の充填は、PVD,CVD,或いは電気又は無電解メッキを含む多くのプロセスによって行われる。Murarkaは、Critical Reviewsにおける先に引用した記事に銅の無電解メッキを開示している。銅の層102は、銅合金の膜100で覆われた通路の孔をより容易に満たすので、第2の銅の堆積は特別な孔を充填する技術を必要としない。前述のように、アニールされた銅合金の層は、特に厚い堆積がなされたとき、良好な接着層をシリコン酸化物へ与える。
【0027】実験4一連のサンプルは、腐食抵抗に対してテストされた。前述の銅マグネシウム合金のサンプルは、以下に説明され流ように製造後、空気の環境で約30分間150℃に炉の中でアニールされた。アニール後、サンプルは、表面の腐食に対して視覚的に観察された。その結果は、テーブル2に示されている。
第1のサンプルは、室温でスパッタされ、その後、離れた別の場所での500℃でアニールされた。その表面は、幾らかの銅の酸化を示して部分的にブラウンであった。第2と第3のサンプルは200℃と300℃でそれぞれホットスパッタされ、5分間これらの温度に保たれた。両方共、部分的な銅の酸化を示して、ブルーを示した。第4のサンプルは、400℃でホットスパッタされ、堆積後に温度の保持を行わなかった。部分的にブラウンであり、銅の酸化を示した。最後のサンプルは、400℃でホットスパッタされ、スパッタリング後、10分間その温度に保たれた。色の変化は現れなかった。
【0028】これらの結果は、表面の腐食を最小にするために、ホットスパッタリングが好適であり、このホットスパッタリングは300℃以上、好ましくは、400℃で行われ、そして有意な堆積後ではそれ以上に保たれることを示している。従って、表面の腐食の考察は、より高いホットスパッタリング温度と、バリア特性の考察を行う以上に長い保持を示している。又、他の場所でのアニールは、満足のいく低い表面腐食を生じるように見えない。勿論、表面酸化物は、続く堆積の前にスパッタでの事前エッチングによって除かれる。本発明は、説明された銅合金に限定されない。一般に、原子合金割合は、10原子%までの範囲である。しかし、今は一般に、薄い層は高い合金濃度を必要とするけれども、Mg合金は6原子%以下に保たれ、Al合金は、0.3原子%以下に保たれる必要がある。アルミニウム合金の割合は、0.05原子%である。他の金属の合金元素、例えば安定した酸化物を形成し、銅を通して容易に拡散するタンタルやホウ素を用いることができる。
【0029】本発明の第1の特徴は、銅のメタライゼーションと酸化物層の間に、自己発生バリアを与え、分離したバリア堆積を必要としない。ホットスパッタ堆積に対して、更にアニーリングを必要としない。銅メタライゼーション及び関連したバリアが通路構造を充填するために、或いは薄いバリア層として用いてもよい。以上は、マグネシウム又はアルミニウムのような合金元素を含む自己アニールされた銅のメタライゼーションの利点を開示している。正しい条件の下で、堆積されると、合金元素は、合金元素を有する自己不動態化金属酸化物層を形成し、下に横たわるシリカの境界面で合金金属とシリコンの酸化物のバリアを形成するために、露出した上面の境界面に容易に拡散する。以上の開示は、銅とシリカの間にバリアの形成とその利点に主に向けられている。われわは、可能な幾つかの変更を伴う同様なプロセスが孔を充填するために有利に用いられることを発見した。
【0030】本発明の他の実施形態によれば、図11の断面図に示されているように、基板は、その表面上に金属ライン62を有する第1の誘電体層60を含む。この議論は、主に、通路、すなわちメタライゼーションの1つのレベルから他のレベルへの導電性の孔を下に横たわるシリコン領域へ接触するより、むしろインターレベルするのに向けられている。第2の誘電体層64が金属ライン62と第1の誘電体の層60の上に堆積される。シリカ及び珪酸ガラスの他の形状が同じ効果を得るために用いることができるけれども、この実施形態の第2の誘電体層64は、プラズマ増強されたCVDプロセスによって堆積されたシリコン酸化物、例えば二酸化シリコンから成っている。本発明の銅の技術は、例えばAl/Ti/TiNの低アルミニウムメタライゼーションと合体することができるけれども、金属ライン62は、銅から形成されるのが好ましい。通路の孔66は第2の誘電体層64を通して下に横たわる金属ライン62まで写真平板的にエッチされる。
【0031】銅合金のシード層(seed layer)110は、狭い経路の孔66の良好な底と側壁のカバレッジを裏づける条件の下で、経路の孔66へ及び第2の誘電体層64の頂上へスパッタ堆積される。Fu他は、上に引用した米国特許出願において、銅及びその合金の必要な殆どコンフォーマルなスパッタ堆積のために、有利に用いられることができる銅の自己スパッタリング用のリアクターを開示している。シード層110は、約5乃至10nmの非常に薄い厚さに堆積される必要がある。約20nmまで厚くすることはできるが、更に厚くすると、後に述べられる孔を充填するプロセスにおける製造効率を下げる。従って、50nmまたは100nmより厚くないことが製造環境において好ましい。もし、シード層110が狭い孔を充填するために使用されるなら、上記の厚さは孔の側壁及びそこにおける厚さである。側壁の堆積の厚さは、フューチャーサイズ、そのアスペクト比及びスパッタリング条件に依存する割合で平らな上面上に堆積の厚さの一部のみである。シード層110は、ホットな状態の下で、スパッタ堆積されるので、堆積中に自己アニールする。ホットスパッタは200乃至400℃の範囲、より高い温度も可能であるが、に保たれた基板と共に行われるのが好ましい。しかし、ホットスパッタリングの複雑さは、本発明の効果の多くに対しては必要でない。代わりにシード層110は200℃以下または100℃以下、これは境界面への合金元素の拡散には好ましくない温度であるが、のコールド状態の下でスパッタ堆積されることができる。銅の酸化層がシード層110の露出した表面に形成することがコールドスパッタ堆積の下でかのうであるが、好適な充填プロセスが銅酸化物を除去する。
【0032】われわれは、銅合金のシード層110が非常に滑らかな層で形成することを観察した。特に、SiO2上に堆積され、その後450℃で30分間アニールされた200nm厚さのCu−Mg非常に滑らかな表面を生成した。SiO2上の20nmのタンタルのバリア上に同様に堆積された純粋な銅の20nmの層は、200℃程度の低い温度で厳しい除湿を含んで、銅の大きなアグロメレーションを生成した。これらの結果は、滑らかな銅合金のシード層110が銅を堆積した後に良い湿りを与え、従って深い通路及びトレンチの銅の完全充填を促進することを示している。薄いシード層110が堆積された後に、通路の孔66が比較的純粋な銅で第2の堆積ステップによって充填される。比較的純粋な銅は、少なくとも99原子%の純粋である銅を意味し、1%の不純物、すなわちドーピングレベルは、ここで説明された合金元素には適用されない。銅の層62を生成する完全充填堆積はPVDによって、CVDによって、或いは電解メッキ又は無電解メッキによって、行われる。これらの堆積方法は、Murarka他による、Critical Reviewsにおける前に引用した記事に記載されている。好ましくは、合金のシード層110は、コールドスパッタで堆積され、純粋な銅の堆積は、シード層がアニールされる前に行われる。結果として、Cu−O結合は号非常に強くないために、酸素がアニールで失われるけれども、銅合金のシード層110は、自然に酸化し、銅酸化物の表面層を形成する。PVDの銅の完全充填に対して、それは、300℃以上、好ましくは400℃乃至550℃の比較的高い温度で、行われる。第2のPVD堆積は、標準のPVD、コリメートされたPVD、高密度プラズマPVD又はその他の変形であればよい。CVD堆積に対しては、プラズマの事前クリーニングを用いることができる。電解メッキは、銅の酸化物を自然に除去する。銅合金のシード層110の滑らかな表面は、酸化物へのCu−Mgの良好な接着による除湿しない比較的低温で通路の孔へのリフローを促進する。滑らかなCu合金の表面は、後に堆積された銅に対して接着を促進する。CVDに対して、200℃より高くないリフロー温度が必要であり、電解メッキされた銅に対しては、100℃より高くない温度である。
【0033】通路の充填後、構造は、合金元素が銅合金のシード層110内を拡散するするようにアニールされる。この合金元素は、誘電体層64に向かって拡散し、図12の拡大された断面図に示されるように、シード層110と誘電体層64間の境界面に、銅がシリカの誘電体層64へ、及び誘電体層64を通って拡散するのを防止する、非常に薄いバリア層114を形成する。このバリア層114は、幾らかのシリコンと共に、合金元素の酸化物を含む。合金元素も銅の充填112へ拡散するが、もし、薄い層60が表面の不動態層を形成するために十分な合金元素を与えるべきであるなら、銅の平らなオーバー層の厚さは、最小にされる必要がある。しかし、一般に、自由表面の不動態化は、全表面が化学機械的ポリッシングの続くステップにおいて平らに磨かれるために、重要ではない。アニーリングは、もし、600℃までの温度がウエハ上の他の構造を熱的にグレード付けないならば、それらの温度を用いることができるけれども、300乃至400℃の温度範囲内で行われるのが好ましい。
【0034】このアニーリングは、分離したアニーリング炉において、或いは放射ランプを含む熱処理によって行われることができる。アニーリングは、その場所での(insitu)PVDアニーリング、即ち、上昇した基板温度で行われるPVD堆積か、或いはPVD堆積の停止後PVD内で行われるアニールのいずれかによっても行うことができる。アニーリング環境は、高真空、酸化を最小にするフォーミングガス、或いは減少した酸素の部分圧力のいずれかで、合金元素の酸化物、例えばMgOまたはAl2 O3 、しかし、銅の酸化物ではない、の表面層を形成する。従って、単一の銅合金のシード層110は、シリカ境界面におけるバリア層と銅の境界面における接着/ ウエット層の両方を備える。従来技術において、分離したバリアとウエッティング層が銅を伴うシリカにおける深い孔を充填するために必要であった。
【0035】上述の記載は、一般に方形又は円形の通路の孔のための孔通路を参照したが、本発明は、他の形状にも適用できる。開口は、誘電体の面に沿って実質的な距離を延びるトレンチである。このトレンチは、誘電体を通して延びる必要はなく、純粋な銅がトレンチにおける合金層上に比較的薄いコンフォーマルな層として適用される。本発明の合金シード層の他の応用は、銅の平坦化に対してである。図11に示されるように、小さなディンプル118が通路の孔66の上に横たわる銅の層112の表面に形成する。通路の孔66が銅の層112の平らな部分の厚さより非常に深いという事実に照らして、孔の充填形状は、非常に深いディンプル118を示し、これは後に形成される層に非常に影響を与える。しかし、深い孔の完全充填を促進する本発明のシード層によって生じた同じ効果は、銅が堆積され、或いはその後アニールされるにしたがって、銅の横へのリフローによって銅の層112の上面の平坦化を促進し、それによって、ディンプルのサイズを減少する。
【0036】マグネシウムは銅に対するもっとも好ましい合金元素であり、アルミニウムも有利な結果を与えるものして知られているが、他の合金元素、例えば、ホウ素、タンタル、テルル、及びチタンが銅と共に用いられることができる。上述された利点を与えるために、このような合金元素は、安定した酸化物を形成し、銅を通して容易に拡散する必要がある。一般に、合金原子の割合は10原子%までの範囲である。しかし、Mg合金は、6%以下に保たれ、Al合金は、0.3原子%以下に保たれる必要がある。最小の合金割合は、0.05%である。
【0037】
【発明の効果】従って、本発明は、構造やその製造において過度の複雑さのない、多くの有利な特性を示す銅のメタライゼーション構造を提供する。銅合金誘電体の境界面にバリアを、そして自由境界面において不動態化を与えるばかりでなく、後で堆積される銅層の堆積を促進する。この効果は、高いアスペクト比の孔を充填するのに特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のPVDリアクターの概略断面図である。
【図2】銅の合金本体の従来の包囲を示す断面図である。
【図3】銅の合金本体の従来の包囲を示す断面図である。
【図4】誘電体にある孔を充填するときに形成された空隙の概略断面図である。
【図5】本発明の実施形態による銅で充填された通路の断面図である。
【図6】本発明の銅合金の膜を横切るMgとOの原子プロファイルのグラフである。
【図7】本発明の銅合金の膜を横切るMgとOの原子プロファイルのグラフである。
【図8】コールド堆積され、その後表示された温度でアニールされた、CuMg合金に対するアニーリング時間の関数としての固有抵抗のグラフである。
【図9】表示された温度で堆積され、その後その温度を保持したCuMg合金に対する保持時間の関数としての固有抵抗のグラフである。
【図10】本発明の第2の実施形態による銅で満たされた通路の断面図である。
【図11】本発明の1つの実施例による銅で満たされた通路の断面図である。
【図12】バリア形成後、図11のライン12−12によって示された部分の拡大断面図である。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、半導体集積回路の製造におけるメタル堆積に関する。特に、本発明は、物理気相堆積(PVD)よって達成される銅のメタライゼーションに関する。
【0002】
【従来の技術】進歩した半導体集積回路の重要な部分は、活性化した半導体領域にコンタクトしたり、それらを相互に接続するために用いられる1以上のメタライゼーションレベルを含んでおり、それら自体は、非常によく規定された結晶シリコン基板に存在している。半導体レベル内や直接上部で幾つかのトランジスタ或いは他の半導体デバイス、例えばメモリキャパシタを相互接続することは可能であるけれども、多重に接続されたデバイスの増大する複雑な形態は、他のレベルの相互接続を必要とする。一般には、そこに形成されたトランジスタやキャパシタを有する活性シリコン層は、誘電体層、例えば二酸化シリコンで覆われる。コンタクトホールは誘電体層を通してシリコンデバイスの特定のコンタクト領域までエッチングされる。金属がこのコンタクトホールに満たされ、そして誘電体層の上部に堆積されて、シリコンコンタクトと他のの電気的ポイント間の水平相互接続を形成する。このようなプロセスは、メタライゼーションと呼ばれる。
【0003】単一レベルのメタライゼーションは、小さな能力の単純な集積回路には充分であるかもしれない。しかし、単一レベルは活性領域間の要求されるレベルの相互接続を与えないので、込み入ったメモリチップや特に複雑な論理デバイスは、追加的なレベルのメタライゼーションを必要とする。追加的なメタライゼーションレベルは、前のメタライズされた水平相互接続上に他のレベルの誘電体を堆積し、かつ誘電体をとおして、通路(vias)と呼ばれるホールをエッチングし、その通路をメタルで満たし、且つメタルで誘電体層を覆い、そして追加の配線層としての追加の誘電体上にメタルを画定するプロセスを繰り返えすことによって達成される。非常に進歩した論理デバイス、例えば、第5世代マイクロプロセッサは5つ以上のレベルのメタライゼーションを有している。
【0004】従来、メタライズされた層は、銅やシリコンのようなたかだか数パーセントの合金元素を更に有するアルミニウムやアルミニウムベースの合金から成っている。メタライゼーションの堆積は、スパッタリングとしても知られている物理気相堆積(PVD)によって一般に行われている。従来のPVDリアクター10が図1に断面図として概略示されており、この概略図は、カルフォルニア、サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から利用可能なEnduraPVDリアクターに基づいている。リアクター10は、ヒーターペデスタル18に保持されたウエハ16上にスパッタ堆積されるように、材料のPVDターゲット14に対してシールされた真空チャンバー12を有する。チャンバー内に保持されたシールド20は、スパッタされる材料からチャンバーの壁12を保護し、アノードの接地面を与える。選択可能なDC電源22は、ターゲットをシールド20に対して、約−600vDCにバイアスする。従来、ペデスタル18及びウエハは、電気的に浮いたままである。ヒーターペデスタル18は、調整可能な電源26によってエネルギーが与えられる抵抗性ヒーター24を有する。
【0005】スパッタリングの動作ガス、一般的には化学的に不活性なアルゴンのガス源28がマスフロー制御装置30を通して動作ガスをチャンバーへ供給する。真空ポンプシステム32はチャンバーを低圧に維持する。基本圧力は、約10-7或いはそれ以下の範囲にあるけれども、動作ガスは、1と100mTorr(ミリトル)の間に保たれる。コンピュータベースの制御装置34は、DC電源22、ヒーター電源26及びマスフロー制御装置30を有するリアクターのパーツの動作を制御する。アルゴンがチャンバーに入れられると、DC電圧はアルゴンをプラズマへ点弧し、正に帯電したアルゴンが負に帯電したターゲット14へ引き付けられる。イオンはかなりのエネルギーでターゲット14を打ち、それによりターゲット原子または原子クラスターがターゲット14からスパッタされる。ターゲットの微粒子のあるものはウエハ16を打ち、それによりウエハ上に堆積し、ターゲット材料の膜を形成する。
【0006】効率的なスパッタリングを提供するために、マグネトロン36がターゲットの裏側に配置される。それは、反対のマグネット38,40を有し、マグネット38,40の近くのチャンバー内に磁界を形成する。この磁界は電子をトラップし、電荷の中性状態に対して、イオン密度が増大して、マグネトロン36に隣接するチャンバー内に高密度プラズマ領域を形成する。しかし、密度を減少したプラズマがウエハ16に向かって広がることがわかる。高密度プラズマはスパタリング速度を増加し、マグネトロン36はターゲット14の裏側にわたってスキャンされ、より均一なスパッタリングプロセスを提供する。集積回路の連続するメタライゼーションに伴って、メタライゼーションに対する要求が増大している。多くの者は、アルミニウムのメタライゼーションは銅のメタライゼーションに置き換えられるべきであると考えている。Murarka他は、"Copper metallization for ULSI and beyond," Critical Reviews in Solid State and Materials Science, vol. 10, no. 2, 1995, pp.87-124において、銅のメタライゼーションに関する記事を発表している。銅は多くの利点を提供する。そのバルク固有抵抗は、アルミニウムのそれよりもかなり小さく、純粋な材料に対して,1.67μΩ-cm対2.7μΩ-cmである。メタライゼーションの相互接続の幅と厚みが連続して減少するので、固有抵抗が減少することは顕著な利点を与える。更に、アルミニウムのメタライゼーションに伴う問題は、いわゆる電気移動のプロセスにおいて、ホットスポットから離れて特に移動する高電流密度の下でのメタライゼーションの相互接続に沿って移動するために、アルミニウム金属におけるアルミニウム原子の傾向である。このような過剰な量の移動は、アルミニウムの相互接続を破壊し、集積回路を動作不能にする。銅ベースの合金はアルミニウムとその合金より電気移動の著しく減少したレベルを示す。
【0007】従って、多くの場合、銅のバルクの振る舞いは、アルミニウムのそれよりも優れているが、銅のメタライゼーションは、証明されていない技術であり、従来のアルミニウムのメタライゼーションでは経験してない困難性があることが知られている。しかし、銅のメタライゼーションは、アルミニウムのメタライゼーションに固有の問題を回避する方法を提供する。商用の回路に銅の採用を阻む2つの大きな問題が認識されている。ドライエッチプロセスによって、即ちプラズマエッチングによって銅をエッチングすることは難しいことが証明されている。エッチ問題は、トレンチ-おそらくその底部に達する通路を有している-は、二酸化シリコンの誘電体層へエッチングされるダマシーンプロセス(damascene process)の発展によって回避されたようである。このトレンチは、水平の相互接続の所期の経路に従う。銅の全面堆積はトレンチを満し、更に誘電体上に層を形成する。ウエハは、化学機械的ポリッシングにかけられ、トレンチの頂部に露出されたすべての銅を除去し、従って、トレンチにおける銅の相互接続を残す。
【0008】本発明によって解決される他の問題は、銅と集積回路の他の部分間のインターフェースを含む。アルミニウムの主な利点は、その良好な界面特性である。アルミニウムは、安定な酸化物Al2O3 の層を形成し、それはシリコンと強い化学結合を形成する。銅は、酸化するが、酸化物は安定でなく、湿った酸素環境に曝されると、時間と共に成長を続ける。銅及び銅の酸化物は二酸化シリコンによく密着しない。最後に、銅が二酸化シリコンに入るのを妨げるための手段を用いない限り、銅は、二酸化シリコンを通して非常に速く拡散し、誘電体層を通して、或いは横切って短絡を生じる。従来技術においては、銅が酸化物へや、酸化物を通して拡散するのを妨げるために、銅が堆積される前に、分離した障壁層が二酸化シリコン上に堆積された。
【0009】上記の記事において、Murarka他は、界面の性質を改善するために銅をマグネシウムやアルミニウムと合金にすることを推奨賞している。Rensselaer PolytechnicInstituteのMurarkaのグループ及び彼らの協力者によってなされた最近の仕事は、信頼できる銅の相互接続を形成するための有用な技術を開発し、その動作のためのモデルを提供したことである。Lanford他は、"Low-temperaturepassivation of copper by doping with Al or Mg," Thin Solid Films, vol.262, 1995, pp.234-241で図2の概略断面図に示されているスパタリングを使用し、基板46上に銅合金の膜44を堆積していることを述べている。合金の元素の例は、アルミニウムとマグネシウムを含んでいる。銅合金の膜44は、銅と合金元素の交互の層として堆積され、或いは2つの構成要素が銅合金のスパッタリングターゲットの使用によって、同時にスパッタされることができる。室温近くでスパッタリングを行った後、ウエハは、例えばアルゴン中で400℃で30分間アニールされる。図3の断面図に示されているように、アニーリングによって、マグネシウムの大きな断片が残りの銅の膜48の外側に拡散し、境界面に存在するすべての酸素と反応して、マグネシウム酸化物の膜49を形成する。MgOの膜49は、Mgで合金化されたCu本体44を包む。銅の膜48上の自由面はMgOの膜49によって不動態化される。マグネシウム酸化物は、安定な酸化物であり、5−7nmの範囲の厚さで成長するのを停止する。薄い酸化物は、高いコンタクト抵抗を生じるとは考えられていないが、あらゆる場合に、酸化物は、それに続くメタライゼーションの堆積前にスパッタエッチングによって除去される。Lanford他は、上記の記事で自由面はアルゴン中の酸素の不純物によってMgOへ酸化されることを示唆している。
【0010】進歩した集積回路のメタライゼーションは、高いアスペクト比の孔を充填する点における必要な要件に直面している。デバイスの密度を上げることは、フューチャーサイズを更に減少することを必要とする。しかし、誘電体破壊がレベル相互の誘電体の厚さを同様に減少することを妨げている。結果として、通路のアスペクト比及びコンタクトは増大している。アスペクト比は、通路またはコンタクトを形成する誘電体を通す孔の深さとその孔の最小の横の大きさとの比である。5対1のアスペクト比は、考えられる開発技術であるが、更に高い値が必要とされるであろう。高いアスペクト比の孔がエッチされると仮定して、それらを相互レベル接続するための金属で充填するという問題が残る。従来のスパッタリングは、明らかに等方性であるので、スパッタされた材料が孔の入り口部分と比較して、孔の底を殆ど叩かず、そしてスパッタリングが孔の上部をブリッジして、更に堆積するのを阻止するために、高アスペクト比の孔の形状はスパッタリングに対しては好ましくない。孔を充填する問題は、図4の断面図に示されている。電気的にコンタクトされるべき図示された構造を有する、狭くそして深い孔50がシリコン酸化物基板52にエッチされる。その後、銅の層54が孔50に充填される。もし、この充填が初期のコールド堆積を含む標準のPVDプロセスによって行われ、それに続いて、充填を完成するために最終のホットな堆積によって表面層を形成するならば、空隙56が孔に形成されるかもしれない。何故ならば、銅が孔50の酸化物側から浸潤しないからである。一旦、銅が堆積中に空隙56をふさぐと、空隙を除き、孔の充填を完成することは実際に不可能である。
【0011】孔を充填する好ましくない形状を克服するために、少なくとも2つの技術、方向性スパッタリングとリフローが用いられる。方向性スパッタリングにおいて、正規な方向に重点的に集中されたウエハ上に入射するスパッタされた粒子のフラックスを生成するために、1つ以上のいろいろな技術が用いられる。リフローは、初期には望ましくない分布で堆積されるけれども、金属は適度に低い温度で流動するので、金属は、孔に流れ、それを充填するようにするという事実に依存する。リフローは、堆積後のアニールにおいて生じさせることもできるし、或いはホット堆積中に行うこともできる。方向性スパッタリングは、ロングスロー、コリメーション、及び高密度プラズマにおいてイオン化され、スパッタされたイオンの静電引力を含む多くの方法によって達成することができる。方向性スパッタリングは、本発明によっては必要ないが、後で説明されるように、それと共に有利に使用されることもできる。
【0012】メタライゼーション、特に銅のリフローは、いろいろな困難を示す。アルミニウムと異なって、銅は、比較的高い融点を有している。基板をメタライゼーションの溶融温度まで加熱することは、非常に高い熱的負担を負うし、従来の処理ステップと一致しないかもしれない。アルミニウムと銅はそれらの融点より幾らか低い温度で流動するが、これらの金属のいずれかと通常のインターレベルの誘電体を形成する二酸化シリコン間の境界面はリフローに対して好ましくない。アルミニウムも銅もある高温で二酸化シリコンにはよくぬれない。結果的に、これらの金属は、二酸化シリコンの壁の下にある滑らかな層では流れない。実際に、アルミニウム或いは金属が二酸化シリコン上に薄い層としてある場合、金属は、絶縁された位置に丸くなる傾向にある。Xu他は、U.S.特許出願(Serial No.08/628,835,filed April 5,1996)でアルミニウムのメタライゼーションに伴うリフロー問題を扱っている。彼らは、高密度プラズマによって堆積されたTiN及び可能性としてTiのキャリア層を用いることを推奨し、二酸化シリコンを介して広がる狭い開口に堆積されたアルミニウムの密着性を増加するステップを含む多くの機能を達成している。キャリア層は、二酸化シリコンによる密着する接着層として作用し、また後で堆積されるアルミニウムに対して濡れ層としても作用する。結果的に、アルミニウムは、比較的低温でキャリア層の下に流れ、従って、容易に孔を満たす。
【0013】
【本発明の概要】本発明の1つの特徴は、合金元素、例えばマグネシウム、アルミニウム、ホウ素、及びタンタルを数パーセント含有する銅合金が通路の壁を形成する酸化物、例えば二酸化シリコンの表面部分、を含む基板上にスパッタされるメタライゼーション方法及びその製品を含む。上昇された温度によって、合金元素は側壁上の酸化物の方へ拡散し、二酸化シリコンへ、及び二酸化シリコンを通る銅の拡散に対してバリアとして作用する薄い、安定した合金酸化物を形成する。もし、充分な酸素がスパッタリングステップ中にあるならば、金属酸化物が、銅合金の上面に形成するであろう。スパッタリング中に合金元素の拡散を向上するのに十分上昇され温度に保持されている間に、銅合金は、基板上にスパッタされるのが好ましい。
【0014】本発明の他の特徴は、シリコン酸化物の誘電体層上に、好ましくはコールドスパッタリングよって堆積された銅合金の膜を有する銅のメタライゼーションの構造及び製造方法を有する。その後、純粋な銅の膜が銅合金層上にスパッタされ、銅堆積の開始後に、銅合金層内に合金元素の拡散を向上するために、温度が上昇される。本発明は、他の使用の間に、狭い開口、例えば通路やトレンチに銅を充填するために適用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、合金のスパッタ堆積がそのアニールと密接に関係する銅合金の膜を形成する効果的な製造方法を含む。本発明の第1の実施形態は、第5図の断面図に示され、上部のインターレベル通路である。下部レベルは、一般的に二酸化シリコン或いは珪酸ガラス、即ちシリコン酸化物から形成された、下部のインターレベル誘電体層60を含む。銅ベースの相互接続またはパッド62は、下部の誘電体層60の上面に形成される。二酸化シリコンまたは珪酸ガラスの上部レベルの誘電体層64は、下部の誘電体層60上に堆積され、通路の孔66は、銅パッド62の領域にある上部の誘電体層64を通してエッチされる。物理気相堆積(PVD)は、銅合金の膜68を通路の孔66と上部の誘電体層64へ堆積するために用いられる。銅及びその合金元素、例えばマグネシウムは、均一な組成の粒子フラックスが基板上に落下するように、同時にスパッタされる。この同時スパッタリングは、2つの元素間の差動スパッタリングの歩留まりのために、組成におけるある違いがスパッタターゲットとスパッタ堆積された膜間に生じるけれども、所望の銅合金の組成に近い組成を有するスパッタターゲットを用いることによって、非常に容易に達成される。
【0016】銅合金の膜68は、比較的上昇された温度で堆積されるか、或いは合金元素が、上部の誘電体層54と頂部の自由面にある金属酸化物の不動態化層72に近接して金属酸化物拡散層70を形成するために、表面に移動するように、堆積後にアニールされる。金属酸化物のため酸素がシリカ層64における二酸化シリコンによってか、あるいはスパッタリング又は分離したアニーリングステップに対して用いられるアルゴン又は真空の環境における残留酸素によって供給される。不十分な合金元素は利用可能な酸素と共同して表面まで拡散するので、高すぎる酸素の部分圧力は、銅を酸化して、銅の酸化物を形成する。後で示されるように、金属感化物の拡散層70における金属は、主に合金元素である。合金元素がマグネシウムである場合、金属酸化物の層70,72は、MgO、すなわち正常な状態で約7nmの厚さまで形成し、その後成長を停止する安定した酸化物の少なくとも一部に形成される。このような薄い酸化物の不動態化層72は、酸化物層の面に垂直な方向に著しい電気抵抗を示す。合金元素は、それが銅合金の膜66をとおして拡散するのと同じ割合で第1レベルの金属62へ自由に拡散することが考えられるので、酸化物層は、第1レベルの金属62に隣接して形成する。
【0017】本発明を実施する第1の方法において、銅合金は、それがスパッタ堆積されるにしたがって、銅合金をアニールするのに十分な上昇した温度に保持されて、スパッタされる。すなわち、それはホットスパッタ堆積である。好適な温度は、後述される。図1に示されるように、Endura PVDリアクターは、本発明に必要な温度を与えることができる、ウエハペデスタル18におけるヒーターを含む。ホットスパッタ堆積の場合、均一な銅合金が堆積されるけれども、合金元素は外方へ拡散し、二酸化シリコンの誘電体層64の隣の内側酸化物層70と外側酸化物層72を形成する。酸素は銅パッド62の上部において容易に利用できないので、内側酸化物層はこの銅パッド上に形成されない。リアルタイムアニーリングの利点は、初期に堆積された銅合金はシリコン酸化物と反応して、結合されたシリコンの酸化物と合金元素を形成することである。この境界面は、銅とシリコン酸化物の組み合わせから利用可能であるより遅く堆積された銅或いは銅合金に対して、より優れた接着を与える。
【0018】本発明を実施する第2の方法において、銅合金の膜68が合金元素の著しいアニーリングや拡散が生じない低温、例えば室温でPVD堆積される。銅合金の堆積後、ウエハはアニールされる。アニーリングは銅合金の膜が堆積されるPVDチャンバーのその場所で行われるか、或いは別のアニール炉において行われる。アニール環境は、真空かアルゴンガスのようなパージガスであればよい。堆積後のアニーリングは、もし、ヒーターペデスタルがアニール後に必要な幾らか高い温度を与えることができるなら、銅合金の膜が堆積された同じPVD内で行うことができる。代わりに、ウエハはそれ以外のアニール用の分離したアニールチャンバーへ移動される。しかし、アニールチャンバーへの移動は実質的に酸素のない、例えば10-9トルに制御された環境内で行われる必要がある。アプライドマテリアルズからのEnduraクラスターツールを真空移転のために用いることができる。
【0019】Murarkaは、MaterialsResearch SocietySymposiumProceedings, vol.405,pp.485-496, 1996の"Use of advantageous impurity effects in metallization,"におけるアニーリングと高温酸化間の相違を発表している。他の方法で処理されないCuAl合金の膜が空気中で300℃に加熱されると、銅酸化物の層が形成し、20時間にわたって約70nmに成長する。すなわち、CuAl膜が酸化したのである。一方、CuAl膜が400℃で30分間アルゴン環境中でアニールされると、すぐ上に記載された次のアニーリングは測定できる銅の酸化物層を生じなかった。すなわち、減少された酸素の環境における初期のアニールは次の酸化を防止する。銅合金を冶金を用いて、しかし平坦な形状において、多くの実験が行われた。最初の2つの実験は金属酸化物の障壁層72上に集中し、金属酸化物の不動態化70の効果は見られない。
【0020】実験1最初のシリーズの実験において、いろいろな形状の平らな銅メタライゼーションが導電性シリコン基板上の二酸化シリコンの100nm厚の層上に形成され、金属コンタクトが銅メタライゼーションに与えられた。追加のコンタクトが導電性基板に与えられた。その後、サンプルは、275℃に保持されたサンプルの酸化物層の両端に2MV/cmの電位を印加することによって電気的にストレスが与えられた。リーク電流が時間の関数として観察された。ある点で、酸化物を横切って十分な銅が拡散し、それはかなり良好な導体になった。スレッショルド電流は、破損を示すように考えられた。十分な数のサンプルが計測され、破損するまでの平均時間(FTTF)を計算した。
【0021】発明性のあるサンプルに対して、銅合金は、約200nmの厚さにスパッタ堆積されたMgの2原子パーセントを有するCuである。3つの形式の標本に対する結果が1つの比較サンプルと共にテーブル1に示されている。
本発明の第1のサンプルにおいて、CuMg合金が室温に近い温度でスパッタ堆積され、その後、1mTorr (ミリトル)のアルゴン中で350℃において10分間アニールされた。MTTFはかなり大きかったが、MTTF値の範囲は望ましくない短い時間に広がった。本発明の第2のサンプルにおいて、CuMg合金は、250℃に保持されたウエハにスパッタ堆積され、ウエハ温度は、スパッタの終了後、5分間保持された。MTTFは増大したが、範囲はまだ広すぎた。本発明の第3のサンプルにおいて、CuMgは150℃でスパッタ堆積され、スパッタ堆積後、同じ温度に5分間保持された。MTTFは良好であり、範囲は実質的に狭かった。しかし、統計上一定の結論に達するには不十分であり、この時点で、比較できる結果を得るために、3つのプロセスが考えられた。これらの値は銅の膜が実質的な量の合金を持たず、バリアが銅と酸化物の間に形成されなかったサンプルのための最後の項目と比較する。MTTFは測定するには短すぎた。
【0022】実験2原子のプロファイルは上述されたものと同様に用意された平坦なサンプル上で測定された。プロファイリングは、二次イオンの質量分光によって行われた。マグネシウムの原子濃度が図6に示される。曲線80は、分離と、上昇した温度のアニーリングステップを伴わない、Cuと2原子%のMgで250℃でスパッタ堆積されたサンプルに対するプロファイルを示す。曲線82は、50℃以下でスパッタ堆積され、その後350℃でアニールされたサンプルに対するプロファイルである。2つのサンプルはMgの自由表面へ、そしてシリコン酸化物の中間層への一定の拡散を示している。このMgはシリコン酸化物へ拡散するが、濃度は約100nm後に減少する。しかし、ホット堆積された銅合金は、Cuの主な部分においてMgの大きな枯渇を示し、電気抵抗を減少する。酸素の原子濃度が図7に示されている。曲線84は、350℃で堆積されたホットスパッタされ、アニールをしないサンプルに対するプロファイルを示し、一方、曲線68は、前に述べたコールドスパッタされ、その場所でアニールしたサンプルに対するプロファイルを示す。7nmの表面酸化物層は、この技術によって、正確に測定されるには薄すぎる。ホット堆積されたサンプルは、銅のバルクに実質的に減少した酸素濃度を有し、明らかに、電気抵抗を減少するために有利である。
【0023】従って、ホットスパッタは、アニーリングステップを除くという利点を有し、更に、合金元素及び残りの銅の膜における酸素の不純物の量を減少するという利点を有する。
実験3図6と図7のプロファイルに用いた同じサンプルの幾つかが堆積及びアニーリング温度の関数としてそれらの固有抵抗に対して測定され、これらの結果が処理温度を最適化するための他の基本を与えている。二組のサンプルは、通常室温に保たれているウエハを伴う、2原子%のMgを有するCu合金でPVD堆積された。一組のサンプルは、真空環境中に350℃で別の場所においてアニールされた。すなわち、"ex situ" アニールである。CuMg膜の固有抵抗がこのアニールの長さ関数として測定された。350℃の結果は、図8の曲線90で示されている。他の組のサンプルは、450℃でアニールされ、この結果は曲線92で示されている。相互接続のためには、固有抵抗は最小にされる必要がある。この結果は、熱供給を最小にするために、約10分間350℃の最小のポストアニーリング温度を示唆している。
【0024】関連実験において、更に、三組のサンプルが上昇した堆積温度で、CuMg合金でPVD堆積された。スパッタ堆積の停止後、サンプルは、いろいろな堆積温度に保たれた。175℃のスパッタリングに対しては、ライン94で、250℃のスパッタリングに対しては、ライン96で、そして350℃のスパッタリングに対しては、ライン98で、それらの結果が図9に示されている。これらの結果は、保たれた時間が殆ど効果を有していないことを示している。すなわち、堆積中のその場所でのアニーリングは低い固有抵抗を達成するのに十分である。これらの結果は、また、スパッタリング温度は、250℃が最小であるべきであり、最小の熱供給で最小の固有抵抗に達することを示している。その場所でのアニーリングに対する最適の温度範囲は、200℃から300℃までであることが予想される。しかし、テーブル1の結果は、拡散バリア特性が150℃の非常に低い堆積温度で改善されることを示している。固有抵抗のデータはこの温度では利用できないが、図9の傾向は、この温度で許容できる固有抵抗を示している。従って、固有抵抗は拡散抵抗に対して交換される。
【0025】図8と図9の結果を比較すると、別の場所とその場所のアニールが固有抵抗の殆ど同じ低い値を生成することができる。しかし、熱供給は、図9のリアルタイムのその場所でのアニールで最小になる。図5に示された構造は、均一な銅合金の膜が通路の孔66を完全に満たすと想定した。しかし、本発明の利点の多くは、50nmより小さい厚さの非常に薄い銅合金の膜で得ることができる。5nmの厚さでも十分であるようである。図1010の断面図に示されるように、銅合金のコンフォーマルな膜100が通路の孔66へ、及び第2の誘電体酸化物の層64上に堆積される。狭く、深い通路において銅合金の膜100のコンフォーマリティーは、HDP、ロングスロー或いはコリメーションのような特別な技術を必要とする。Fu他は、May 8, 1997に出願されたSerial No.08/854,008の米国特許出願に代替技術を開示している。銅のスパッタリングに特に応用可能なそれらの技術において、アノードのグリッドがターゲットと基板の間に挿入され、支持された自己スパッタリングを可能にし、より方向性のあるスパッタ堆積を提供する。
【0026】ホットスパタリングプロセスか、後アニールのいずれかは、コンフォーマルな銅合金の膜60における合金元素が誘電体酸化物の層64へ拡散し、前述の金属酸化物のバリア層60を形成するようにする。分離した堆積プロセスは、通路の孔66を満たし、上部の誘電体層64を覆う銅層102を堆積する。バリア層70が銅合金の膜100に合金元素から形成されるので、合金元素は、銅合金102にでは必要とされない。孔の充填は、PVD,CVD,或いは電気又は無電解メッキを含む多くのプロセスによって行われる。Murarkaは、Critical Reviewsにおける先に引用した記事に銅の無電解メッキを開示している。銅の層102は、銅合金の膜100で覆われた通路の孔をより容易に満たすので、第2の銅の堆積は特別な孔を充填する技術を必要としない。前述のように、アニールされた銅合金の層は、特に厚い堆積がなされたとき、良好な接着層をシリコン酸化物へ与える。
【0027】実験4一連のサンプルは、腐食抵抗に対してテストされた。前述の銅マグネシウム合金のサンプルは、以下に説明され流ように製造後、空気の環境で約30分間150℃に炉の中でアニールされた。アニール後、サンプルは、表面の腐食に対して視覚的に観察された。その結果は、テーブル2に示されている。
第1のサンプルは、室温でスパッタされ、その後、離れた別の場所での500℃でアニールされた。その表面は、幾らかの銅の酸化を示して部分的にブラウンであった。第2と第3のサンプルは200℃と300℃でそれぞれホットスパッタされ、5分間これらの温度に保たれた。両方共、部分的な銅の酸化を示して、ブルーを示した。第4のサンプルは、400℃でホットスパッタされ、堆積後に温度の保持を行わなかった。部分的にブラウンであり、銅の酸化を示した。最後のサンプルは、400℃でホットスパッタされ、スパッタリング後、10分間その温度に保たれた。色の変化は現れなかった。
【0028】これらの結果は、表面の腐食を最小にするために、ホットスパッタリングが好適であり、このホットスパッタリングは300℃以上、好ましくは、400℃で行われ、そして有意な堆積後ではそれ以上に保たれることを示している。従って、表面の腐食の考察は、より高いホットスパッタリング温度と、バリア特性の考察を行う以上に長い保持を示している。又、他の場所でのアニールは、満足のいく低い表面腐食を生じるように見えない。勿論、表面酸化物は、続く堆積の前にスパッタでの事前エッチングによって除かれる。本発明は、説明された銅合金に限定されない。一般に、原子合金割合は、10原子%までの範囲である。しかし、今は一般に、薄い層は高い合金濃度を必要とするけれども、Mg合金は6原子%以下に保たれ、Al合金は、0.3原子%以下に保たれる必要がある。アルミニウム合金の割合は、0.05原子%である。他の金属の合金元素、例えば安定した酸化物を形成し、銅を通して容易に拡散するタンタルやホウ素を用いることができる。
【0029】本発明の第1の特徴は、銅のメタライゼーションと酸化物層の間に、自己発生バリアを与え、分離したバリア堆積を必要としない。ホットスパッタ堆積に対して、更にアニーリングを必要としない。銅メタライゼーション及び関連したバリアが通路構造を充填するために、或いは薄いバリア層として用いてもよい。以上は、マグネシウム又はアルミニウムのような合金元素を含む自己アニールされた銅のメタライゼーションの利点を開示している。正しい条件の下で、堆積されると、合金元素は、合金元素を有する自己不動態化金属酸化物層を形成し、下に横たわるシリカの境界面で合金金属とシリコンの酸化物のバリアを形成するために、露出した上面の境界面に容易に拡散する。以上の開示は、銅とシリカの間にバリアの形成とその利点に主に向けられている。われわは、可能な幾つかの変更を伴う同様なプロセスが孔を充填するために有利に用いられることを発見した。
【0030】本発明の他の実施形態によれば、図11の断面図に示されているように、基板は、その表面上に金属ライン62を有する第1の誘電体層60を含む。この議論は、主に、通路、すなわちメタライゼーションの1つのレベルから他のレベルへの導電性の孔を下に横たわるシリコン領域へ接触するより、むしろインターレベルするのに向けられている。第2の誘電体層64が金属ライン62と第1の誘電体の層60の上に堆積される。シリカ及び珪酸ガラスの他の形状が同じ効果を得るために用いることができるけれども、この実施形態の第2の誘電体層64は、プラズマ増強されたCVDプロセスによって堆積されたシリコン酸化物、例えば二酸化シリコンから成っている。本発明の銅の技術は、例えばAl/Ti/TiNの低アルミニウムメタライゼーションと合体することができるけれども、金属ライン62は、銅から形成されるのが好ましい。通路の孔66は第2の誘電体層64を通して下に横たわる金属ライン62まで写真平板的にエッチされる。
【0031】銅合金のシード層(seed layer)110は、狭い経路の孔66の良好な底と側壁のカバレッジを裏づける条件の下で、経路の孔66へ及び第2の誘電体層64の頂上へスパッタ堆積される。Fu他は、上に引用した米国特許出願において、銅及びその合金の必要な殆どコンフォーマルなスパッタ堆積のために、有利に用いられることができる銅の自己スパッタリング用のリアクターを開示している。シード層110は、約5乃至10nmの非常に薄い厚さに堆積される必要がある。約20nmまで厚くすることはできるが、更に厚くすると、後に述べられる孔を充填するプロセスにおける製造効率を下げる。従って、50nmまたは100nmより厚くないことが製造環境において好ましい。もし、シード層110が狭い孔を充填するために使用されるなら、上記の厚さは孔の側壁及びそこにおける厚さである。側壁の堆積の厚さは、フューチャーサイズ、そのアスペクト比及びスパッタリング条件に依存する割合で平らな上面上に堆積の厚さの一部のみである。シード層110は、ホットな状態の下で、スパッタ堆積されるので、堆積中に自己アニールする。ホットスパッタは200乃至400℃の範囲、より高い温度も可能であるが、に保たれた基板と共に行われるのが好ましい。しかし、ホットスパッタリングの複雑さは、本発明の効果の多くに対しては必要でない。代わりにシード層110は200℃以下または100℃以下、これは境界面への合金元素の拡散には好ましくない温度であるが、のコールド状態の下でスパッタ堆積されることができる。銅の酸化層がシード層110の露出した表面に形成することがコールドスパッタ堆積の下でかのうであるが、好適な充填プロセスが銅酸化物を除去する。
【0032】われわれは、銅合金のシード層110が非常に滑らかな層で形成することを観察した。特に、SiO2上に堆積され、その後450℃で30分間アニールされた200nm厚さのCu−Mg非常に滑らかな表面を生成した。SiO2上の20nmのタンタルのバリア上に同様に堆積された純粋な銅の20nmの層は、200℃程度の低い温度で厳しい除湿を含んで、銅の大きなアグロメレーションを生成した。これらの結果は、滑らかな銅合金のシード層110が銅を堆積した後に良い湿りを与え、従って深い通路及びトレンチの銅の完全充填を促進することを示している。薄いシード層110が堆積された後に、通路の孔66が比較的純粋な銅で第2の堆積ステップによって充填される。比較的純粋な銅は、少なくとも99原子%の純粋である銅を意味し、1%の不純物、すなわちドーピングレベルは、ここで説明された合金元素には適用されない。銅の層62を生成する完全充填堆積はPVDによって、CVDによって、或いは電解メッキ又は無電解メッキによって、行われる。これらの堆積方法は、Murarka他による、Critical Reviewsにおける前に引用した記事に記載されている。好ましくは、合金のシード層110は、コールドスパッタで堆積され、純粋な銅の堆積は、シード層がアニールされる前に行われる。結果として、Cu−O結合は号非常に強くないために、酸素がアニールで失われるけれども、銅合金のシード層110は、自然に酸化し、銅酸化物の表面層を形成する。PVDの銅の完全充填に対して、それは、300℃以上、好ましくは400℃乃至550℃の比較的高い温度で、行われる。第2のPVD堆積は、標準のPVD、コリメートされたPVD、高密度プラズマPVD又はその他の変形であればよい。CVD堆積に対しては、プラズマの事前クリーニングを用いることができる。電解メッキは、銅の酸化物を自然に除去する。銅合金のシード層110の滑らかな表面は、酸化物へのCu−Mgの良好な接着による除湿しない比較的低温で通路の孔へのリフローを促進する。滑らかなCu合金の表面は、後に堆積された銅に対して接着を促進する。CVDに対して、200℃より高くないリフロー温度が必要であり、電解メッキされた銅に対しては、100℃より高くない温度である。
【0033】通路の充填後、構造は、合金元素が銅合金のシード層110内を拡散するするようにアニールされる。この合金元素は、誘電体層64に向かって拡散し、図12の拡大された断面図に示されるように、シード層110と誘電体層64間の境界面に、銅がシリカの誘電体層64へ、及び誘電体層64を通って拡散するのを防止する、非常に薄いバリア層114を形成する。このバリア層114は、幾らかのシリコンと共に、合金元素の酸化物を含む。合金元素も銅の充填112へ拡散するが、もし、薄い層60が表面の不動態層を形成するために十分な合金元素を与えるべきであるなら、銅の平らなオーバー層の厚さは、最小にされる必要がある。しかし、一般に、自由表面の不動態化は、全表面が化学機械的ポリッシングの続くステップにおいて平らに磨かれるために、重要ではない。アニーリングは、もし、600℃までの温度がウエハ上の他の構造を熱的にグレード付けないならば、それらの温度を用いることができるけれども、300乃至400℃の温度範囲内で行われるのが好ましい。
【0034】このアニーリングは、分離したアニーリング炉において、或いは放射ランプを含む熱処理によって行われることができる。アニーリングは、その場所での(insitu)PVDアニーリング、即ち、上昇した基板温度で行われるPVD堆積か、或いはPVD堆積の停止後PVD内で行われるアニールのいずれかによっても行うことができる。アニーリング環境は、高真空、酸化を最小にするフォーミングガス、或いは減少した酸素の部分圧力のいずれかで、合金元素の酸化物、例えばMgOまたはAl2 O3 、しかし、銅の酸化物ではない、の表面層を形成する。従って、単一の銅合金のシード層110は、シリカ境界面におけるバリア層と銅の境界面における接着/ ウエット層の両方を備える。従来技術において、分離したバリアとウエッティング層が銅を伴うシリカにおける深い孔を充填するために必要であった。
【0035】上述の記載は、一般に方形又は円形の通路の孔のための孔通路を参照したが、本発明は、他の形状にも適用できる。開口は、誘電体の面に沿って実質的な距離を延びるトレンチである。このトレンチは、誘電体を通して延びる必要はなく、純粋な銅がトレンチにおける合金層上に比較的薄いコンフォーマルな層として適用される。本発明の合金シード層の他の応用は、銅の平坦化に対してである。図11に示されるように、小さなディンプル118が通路の孔66の上に横たわる銅の層112の表面に形成する。通路の孔66が銅の層112の平らな部分の厚さより非常に深いという事実に照らして、孔の充填形状は、非常に深いディンプル118を示し、これは後に形成される層に非常に影響を与える。しかし、深い孔の完全充填を促進する本発明のシード層によって生じた同じ効果は、銅が堆積され、或いはその後アニールされるにしたがって、銅の横へのリフローによって銅の層112の上面の平坦化を促進し、それによって、ディンプルのサイズを減少する。
【0036】マグネシウムは銅に対するもっとも好ましい合金元素であり、アルミニウムも有利な結果を与えるものして知られているが、他の合金元素、例えば、ホウ素、タンタル、テルル、及びチタンが銅と共に用いられることができる。上述された利点を与えるために、このような合金元素は、安定した酸化物を形成し、銅を通して容易に拡散する必要がある。一般に、合金原子の割合は10原子%までの範囲である。しかし、Mg合金は、6%以下に保たれ、Al合金は、0.3原子%以下に保たれる必要がある。最小の合金割合は、0.05%である。
【0037】
【発明の効果】従って、本発明は、構造やその製造において過度の複雑さのない、多くの有利な特性を示す銅のメタライゼーション構造を提供する。銅合金誘電体の境界面にバリアを、そして自由境界面において不動態化を与えるばかりでなく、後で堆積される銅層の堆積を促進する。この効果は、高いアスペクト比の孔を充填するのに特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のPVDリアクターの概略断面図である。
【図2】銅の合金本体の従来の包囲を示す断面図である。
【図3】銅の合金本体の従来の包囲を示す断面図である。
【図4】誘電体にある孔を充填するときに形成された空隙の概略断面図である。
【図5】本発明の実施形態による銅で充填された通路の断面図である。
【図6】本発明の銅合金の膜を横切るMgとOの原子プロファイルのグラフである。
【図7】本発明の銅合金の膜を横切るMgとOの原子プロファイルのグラフである。
【図8】コールド堆積され、その後表示された温度でアニールされた、CuMg合金に対するアニーリング時間の関数としての固有抵抗のグラフである。
【図9】表示された温度で堆積され、その後その温度を保持したCuMg合金に対する保持時間の関数としての固有抵抗のグラフである。
【図10】本発明の第2の実施形態による銅で満たされた通路の断面図である。
【図11】本発明の1つの実施例による銅で満たされた通路の断面図である。
【図12】バリア形成後、図11のライン12−12によって示された部分の拡大断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】銅のメタライゼーションを形成する方法であって、酸化物を有する基板の誘電体部分に銅と10原子%より少ない合金元素を含む銅合金をスパッタ堆積する第1のステップと、前記銅合金に銅の層を堆積する第2のステップ、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】前記銅の層は、実質的に純粋な銅から成っていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】前記第1のステップは、200℃に等しいか、或いはそれより高い温度で前記基板を維持している間に、行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】前記温度は、400℃より大きくないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】前記第2のステップは、銅をメッキするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】前記第2のステップは、銅の化学気相堆積を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】前記第2のステップは、銅の物理気相堆積を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】前記第1のステップは、前記合金元素が前記銅合金の層に拡散するように、十分高い、第2のステップにおける温度より実質的に低い第1の温度に前記基板を保持している間に、行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】前記第1の温度は、200℃より低いことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】前記第1の温度は、100℃より低いことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】更に、前記合金元素が前記銅合金の層に拡散するように、前記第2のステップ後に、前記構造をアニールするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】前記第1のステップは、200℃より低い温度で前記基板を保持している間に、行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】前記合金元素は、マグネシウムを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】前記マグネシウムは、0.05と6原子%の間の量にあることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】前記合金元素は、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】前記アルミニウムは、0.05と0.3原子%の間の量にあることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】前記合金元素は、ホウ素、タンタル、テルル及びチタンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】前記酸化物は、シリコン酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】メタライゼーション構造であって、酸素を有する誘電体層と、前記誘電体層上に形成され、銅及び10原子%より少ない合金元素を有する銅合金の層と、前記銅合金の層上に堆積された実質的に純粋の銅層、を有することを特徴とするメタライゼーション構造。
【請求項20】更に、シリコン、合金元素及び酸素を含む、前記銅合金の層と前記誘電体層間に界面の酸化物の層を有することを特徴とする請求項19に記載のメタライゼーション構造。
【請求項21】前記合金元素は、マグネシウムを含むことを特徴とする請求項19に記載のメタライゼーション構造。
【請求項22】前記マグネシウムは、0.05と6原子%の間の量にあることを特徴とする請求項21に記載のメタライゼーション構造。
【請求項23】前記合金元素は、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項21に記載のメタライゼーション構造。
【請求項24】前記アルミニウムは、0.05と0.3原子%の間の量にあることを特徴とする請求項23に記載のメタライゼーション構造。
【請求項25】前記合金元素は、ホウ素、タンタル、テルル及びチタンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項26】前記誘電体層は、前記誘電体層に広がる開口を有し、前記銅合金の層は、前記開口の側に覆われていることを特徴とする請求項19に記載のメタライゼーション構造。
【請求項1】銅のメタライゼーションを形成する方法であって、酸化物を有する基板の誘電体部分に銅と10原子%より少ない合金元素を含む銅合金をスパッタ堆積する第1のステップと、前記銅合金に銅の層を堆積する第2のステップ、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】前記銅の層は、実質的に純粋な銅から成っていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】前記第1のステップは、200℃に等しいか、或いはそれより高い温度で前記基板を維持している間に、行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】前記温度は、400℃より大きくないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】前記第2のステップは、銅をメッキするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】前記第2のステップは、銅の化学気相堆積を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】前記第2のステップは、銅の物理気相堆積を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】前記第1のステップは、前記合金元素が前記銅合金の層に拡散するように、十分高い、第2のステップにおける温度より実質的に低い第1の温度に前記基板を保持している間に、行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】前記第1の温度は、200℃より低いことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】前記第1の温度は、100℃より低いことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】更に、前記合金元素が前記銅合金の層に拡散するように、前記第2のステップ後に、前記構造をアニールするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】前記第1のステップは、200℃より低い温度で前記基板を保持している間に、行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】前記合金元素は、マグネシウムを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】前記マグネシウムは、0.05と6原子%の間の量にあることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】前記合金元素は、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】前記アルミニウムは、0.05と0.3原子%の間の量にあることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】前記合金元素は、ホウ素、タンタル、テルル及びチタンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】前記酸化物は、シリコン酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】メタライゼーション構造であって、酸素を有する誘電体層と、前記誘電体層上に形成され、銅及び10原子%より少ない合金元素を有する銅合金の層と、前記銅合金の層上に堆積された実質的に純粋の銅層、を有することを特徴とするメタライゼーション構造。
【請求項20】更に、シリコン、合金元素及び酸素を含む、前記銅合金の層と前記誘電体層間に界面の酸化物の層を有することを特徴とする請求項19に記載のメタライゼーション構造。
【請求項21】前記合金元素は、マグネシウムを含むことを特徴とする請求項19に記載のメタライゼーション構造。
【請求項22】前記マグネシウムは、0.05と6原子%の間の量にあることを特徴とする請求項21に記載のメタライゼーション構造。
【請求項23】前記合金元素は、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項21に記載のメタライゼーション構造。
【請求項24】前記アルミニウムは、0.05と0.3原子%の間の量にあることを特徴とする請求項23に記載のメタライゼーション構造。
【請求項25】前記合金元素は、ホウ素、タンタル、テルル及びチタンから成るグループから選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項26】前記誘電体層は、前記誘電体層に広がる開口を有し、前記銅合金の層は、前記開口の側に覆われていることを特徴とする請求項19に記載のメタライゼーション構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開平11−54458
【公開日】平成11年(1999)2月26日
【国際特許分類】
【外国語出願】有
【出願番号】特願平10−164090
【出願日】平成10年(1998)5月8日
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【公開日】平成11年(1999)2月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−164090
【出願日】平成10年(1998)5月8日
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
[ Back to top ]