説明

メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法

【課題】店舗間や機種間をまたがってカードのデータをやり取りを可能とする。
【解決手段】店舗内のグループ化したいメダルゲーム機を特定する店舗記号を記録したカードと、カードを読み書き可能なカード記録再生装置とを有し、カードが初めて使用されたときに、カードが使用可能な店舗記号を記録し、2回目以降のゲーム開始時に、カードから店舗記号を読み出し、使用可能な店舗記号であればゲームを開始し、使用不可能な店舗記号であればゲームを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法に関するものである。なお、本明細書中では、メダルにはコインを含むものとする。
【背景技術】
【0002】
従来より、メダルゲーム機において、同一店舗内の同一機種でカードを使用する機種は存在しなかった。従って、店舗間や機種間をまたがってカードのデータをやり取りする仕組みは無く、特にカード内のデータがゲーム進行に直接反映されることはなかった。
【特許文献1】特開2001−70654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
店舗間や機種間をまたがってカードのデータをやり取りを可能とする点で改善余地があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、店舗間や機種間をまたがってカードのデータをやり取りを可能とすることを最も主要な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために、請求項1の発明によるメダルゲーム機は、店舗内のグループ化したいメダルゲーム機を特定する店舗記号を記録したカードと、カードを読み書き可能なカード記録再生装置とを有し、カードが初めて使用されたときに、カードが使用可能な店舗記号を記録し、2回目以降のゲーム開始時に、カードから店舗記号を読み出し、使用可能な店舗記号であればゲームを開始し、使用不可能な店舗記号であればゲームを禁止することを特徴とする。
請求項2の発明によるメダルゲーム機は、複数店舗間のグループ化したいメダルゲーム機を特定するグループ記号と、店舗内のグループ化したいメダルゲーム機を特定する店舗記号を記録したカードと、カードを読み書き可能なカード記録再生装置とを有し、カードが初めて使用されたときに、カードが使用可能なグループ記号と店舗記号を記録し、2回目以降のゲーム開始時に、カードからグループ記号と店舗記号を読み出し、使用可能なグループ記号または店舗記号であればゲームを開始し、使用不可能なグループ記号および店舗記号であればゲームを禁止することを特徴とする。
請求項3の発明によるメダルゲーム機は、請求項2において、店舗記号毎および/またはグループ記号毎のメダルゲーム機のペイアウト率を共通にし、ゲーム終了時に、カードにゲーム結果情報を記録することを特徴とする。
請求項4の発明によるメダルゲーム機は、請求項2において、店舗記号毎および/またはグループ記号毎のメダルゲーム機のペイアウト率を共通にせずに、ゲーム終了時に、カードにゲーム結果情報と共にプレイしたメダルゲーム機のペイアウト率を記録することを特徴とする。
請求項5の発明によるメダルゲーム機は、請求項3乃至請求項4において、ゲーム結果情報には、投入メダル数、獲得メダル数、プレイ回数、獲得アイテムの情報および数、が含まれることを特徴とする。
請求項6の発明によるメダルゲーム機の管理方法は、メダルゲーム機間で統一したい設定値が記録されたカードを読み出し、カードを読み出したメダルゲーム機で、読み出した設定値に恒久的にまたは一時的にメダルゲーム機を設定することを特徴とする。
請求項7の発明によるメダルゲーム機の管理方法は、請求項6において、設定値が、ペイアウト率であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
以上のように、本発明のメダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法によれば、店舗間や機種間をまたがってカードのデータをやり取りすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。実施の形態は、本発明をメダルゲーム機に適用した場合を例にしている。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明によるメダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法の一実施形態を示すブロック結線図である。
【0008】
図1において、メダルゲーム機は、ビデオゲーム装置4を中心にして、コイン関連装置1、操作装置2、モニタ3、およびスピーカー5から構成されている。コイン関連装置1は、ビデオゲーム装置4(入出力制御回路6)と相互に連絡して、コインの投入個数や払出し等の管理を行う。なお、本明細書中で「コイン」には、コインの他にメダルも含むものとする。操作装置2は、ジョイスティック、ボタン、スイッチ等の遊技者によって操作される装置である。モニタ3は、ビデオゲーム装置4の画像出力信号を可視像に変換して表示する。スピーカー5は、ビデオゲーム装置4(サウンドシステム回路16)の音声出力信号を可聴音に変換して出力する。
【0009】
ビデオゲーム装置4は、入出力制御回路6、CPU回路7、ビデオ制御回路11、スクリーンメモリ14、およびサウンドシステム回路16等から構成されている。入出力制御回路6は、コイン関連装置1と相互に連絡して、コインの投入個数や払出し等の情報をCPU回路7に伝達する。また、遊技者がジョイスティック、ボタン、スイッチ等(操作装置2)を操作した状態を検出して、CPU回路7に伝達する。CPU回路7との信号の授受は、システムバス8を介して行われる。ワークメモリ9は、CPU回路7の作業領域として用いられる。プログラムメモリ10には、CPU回路7のプログラムが記憶されている。
【0010】
CPU回路7が画像出力を行う場合には、ビデオ制御回路11およびビデオバス13を介してスクリーンメモリ14に画像データを書き込む。モニタ3は、スクリーンメモリ14に書き込まれた画像データを読み出し、可視像に変換して表示する。遊技者は、このモニタ3の可視像を見ながら操作装置2を操作してゲームを進行する。
【0011】
CPU回路7が音声出力を行う場合には、デュアルポートRAM15を介してサウンドシステム回路16に音声データを出力する。サウンドシステム回路16は音声信号処理を行い、アナログの音声出力信号を生成してスピーカー5に出力する。スピーカー5は、サウンドシステム回路16の音声出力信号を可聴音として出力する。遊技者は、このスピーカー5の出力する音声を聞きながら操作装置2を操作してゲームを進行する。
【0012】
図2は、ビデオゲーム装置4の使用開始前における設定方法を説明する概念図である。図2(a)は、店舗番号(または記号)の設定方法を説明している。即ち、操作装置2の一部として設けられているカードリーダー/ライター2aでキーカード20から店舗番号(または記号)のデータを読み出し、ワークメモリ9またはプログラムメモリ10内の記憶領域に記録する。これによりビデオゲーム装置4に店舗番号(または記号)の設定が行われる。なお、キーカード20には重複の無いユニークな店舗番号(または記号)が記録されている。
【0013】
図2(b)は、グループ番号(または記号)の設定方法を説明している。即ち、モニタ3にグループ番号登録画面を表示しながら、操作装置2をマニュアル操作してグループ番号(または記号)の入力を求め、入力されたデータをワークメモリ9またはプログラムメモリ10内の記憶領域に記録する。これによりビデオゲーム装置4にグループ番号(または記号)の設定が行われる。
【0014】
図3は、CPU回路7のプログラムのサブルーチンを示すフローチャートであり、メインルーチン(図示せず)から呼び出されてスタートする。プログラムがスタートすると、まずステップS1では、図2で説明したようにして店舗番号およびグループ番号が設定された機械(プレイを開始しようとするビデオゲーム装置4)に、カード21(図4および図5)の挿入を促す。ステップS1では、挿入されたカード21が1回目(初回)か否かを判断する。1回目(初回)であると判断した場合は、ステップS3に移行する。1回目(初回)でないと判断した場合は、ステップS6に移行する。
【0015】
ステップS3では、図2で説明したようにしてビデオゲーム装置4に設定された店舗番号およびグループ番号を、カード21に書き込む。ステップS4では、カード21に書き込まれた内部情報を読み出して、内部情報を反映するゲームを開始する。また、ゲーム終了時にはゲーム結果情報をカード21に書き込んでから、カード21を排出する(ステップS5)。ゲーム結果情報には、投入メダル数、獲得メダル数、プレイ回数、獲得アイテムの情報および数、が含まれる。
【0016】
ステップS6では、カード21に書き込まれた内部情報を読み出す。ステップS7では、カード21に書き込まれた店舗番号またはグループ番号の少なくとも一方が、プレイを開始しようとするビデオゲーム装置4に設定されている店舗番号またはグループ番号と等しいか否かを判断する。店舗番号およびグループ番号の両方が等しくないと判断した場合はステップS8に移行して、ゲームを開始出来ないのでカード21を排出(返却)する。
【0017】
店舗番号またはグループ番号と等しい判断した場合は、ステップS4に移行する。ステップS4では、カード21に書き込まれた内部情報を読み出して、内部情報を反映するゲームを開始する。また、ゲーム終了時にはゲーム結果情報をカード21に書き込んでから、カード21を排出する(ステップS5)。
【0018】
以上の図3で説明した動作により、店舗番号(記号)またはグループ番号(記号)の少なくとも一方が、プレイを開始しようとするビデオゲーム装置4に設定されている店舗番号(記号)またはグループ番号(記号)と等しい場合だけ、ゲームを開始することが可能となる。
【0019】
図4は、店舗コード(番号または記号)の点でみたカード21の使用状態を説明する概念図である。即ち、XXX店では、店舗コード1234が記録されたカード21は、同一店舗内のビデオゲーム装置101およびビデオゲーム装置102で使用できるが、同一店舗内であっても店舗コード1234が記録されていないビデオゲーム装置103では使用することができない。即ち、店舗の運営者は、管理下のビデオゲーム装置と管理外のビデオゲーム装置とを区別することが可能となる。
【0020】
また、YYY店では、店舗コード4321が記録されたカード21は、同一店舗内のビデオゲーム装置201およびビデオゲーム装置202で使用できるが、同一店舗内であっても店舗コード4321が記録されていないビデオゲーム装置203では使用することができない。
【0021】
同様に、XXX店で店舗コード1234が記録されたカード21は、YYY店では使用することができない。逆に、YYY店で店舗コード4321が記録されたカード21は、XXX店では使用することができない。
このように、店舗コード(番号または記号)を使用することにより店舗の運営者は、管理下のビデオゲーム装置と管理外のビデオゲーム装置とを区別することが可能となると共に、他店のビデオゲーム装置とも区別することが可能となる。
【0022】
図5は、グループ番号(または記号)の点でみたカード21の使用状態を説明する概念図である。即ち、カード21にグループ番号5555が記録され、XXX店のビデオゲーム装置101〜102とYYY店のビデオゲーム装置201〜202に、グループ番号5555が設定(図2で説明済)されている場合には、店舗コードが異なっていても共通のグループ番号5555によって、XXX店でもYYY店でもカード21を使用することが可能となる。即ち、店舗の運営者は、他店でもカード21を使用することの出来るグループを設定することが可能となる。
【0023】
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の技術的思想によれば、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態においては、カード21に書き込む情報が、投入メダル数、獲得メダル数、プレイ回数、獲得アイテムの情報および数、であるとして説明したが、相互のビデオゲーム装置4で統一したい設定値、例えばペイアウト率を記録して、カード21を読み出したビデオゲーム装置4間でペイアウト率を恒久的にまたは一時的に統一するようにもできる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、アーケードゲーム機と呼ばれいているゲーム機のメーカーが利用可能な技術を提示している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法を示すブロック結線図である。(実施例1)
【図2】メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【図3】メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法の実施方法を示すフローチャートである。(実施例1)
【図4】メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【図5】メダルゲーム機とメダルゲーム機の管理方法の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0026】
1 コイン関連装置
2 操作装置
2a カードリーダー/ライター
3 モニタ
4 ビデオゲーム装置
5 スピーカー
6 入出力制御回路
7 CPU回路
8 システムバス
9 ワークメモリ
10 プログラムメモリ
11 ビデオ制御回路
13 ビデオバス
14 スクリーンメモリ
15 デュアルポートRAM
16 サウンドシステム回路
20 キーカード
21 カード
101 ビデオゲーム装置
102 ビデオゲーム装置
103 ビデオゲーム装置
201 ビデオゲーム装置
202 ビデオゲーム装置
203 ビデオゲーム装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内のグループ化したいメダルゲーム機を特定する店舗記号を記録したカードと、該カードを読み書き可能なカード記録再生装置とを有し、
該カードが初めて使用されたときに、該カードが使用可能な店舗記号を記録し、
2回目以降のゲーム開始時に、該カードから店舗記号を読み出し、使用可能な店舗記号であればゲームを開始し、使用不可能な店舗記号であればゲームを禁止することを特徴とするメダルゲーム機。
【請求項2】
複数店舗間のグループ化したいメダルゲーム機を特定するグループ記号と、店舗内のグループ化したいメダルゲーム機を特定する店舗記号を記録したカードと、該カードを読み書き可能なカード記録再生装置とを有し、
該カードが初めて使用されたときに、該カードが使用可能なグループ記号と店舗記号を記録し、
2回目以降のゲーム開始時に、該カードからグループ記号と店舗記号を読み出し、使用可能なグループ記号または店舗記号であればゲームを開始し、使用不可能なグループ記号および店舗記号であればゲームを禁止することを特徴とするメダルゲーム機。
【請求項3】
前記店舗記号毎および/または前記グループ記号毎のメダルゲーム機のペイアウト率を共通にし、
ゲーム終了時に、前記カードにゲーム結果情報を記録することを特徴とする請求項2に記載のメダルゲーム機。
【請求項4】
前記店舗記号毎および/または前記グループ記号毎のメダルゲーム機のペイアウト率を共通にせずに、
ゲーム終了時に、前記カードにゲーム結果情報と共にプレイしたメダルゲーム機のペイアウト率を記録することを特徴とする請求項2に記載のメダルゲーム機。
【請求項5】
前記ゲーム結果情報には、投入メダル数、獲得メダル数、プレイ回数、獲得アイテムの情報および数、が含まれることを特徴とする請求項3乃至請求項4に記載のメダルゲーム機。
【請求項6】
メダルゲーム機間で統一したい設定値が記録されたカードを読み出し、カードを読み出したメダルゲーム機で、読み出した設定値に恒久的にまたは一時的にメダルゲーム機を設定することを特徴とするメダルゲーム機の管理方法。
【請求項7】
前記設定値が、ペイアウト率であることを特徴とする請求項6に記載のメダルゲーム機の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−68119(P2006−68119A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252945(P2004−252945)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000132840)株式会社タイトー (49)
【Fターム(参考)】