説明

メダル貸機

【課題】部品点数を減らしてコストを低減すると共に、貸し出されたメダルと遊技機から賞出されたメダルの両方をメダル投入口まで導き投入することができ、しかも受皿部を収納することができるメダル貸機を提供する。
【解決手段】メダル貸機20の機本体21の前面壁21aに設けられ、投入された金額に相当するメダルが払い出されると共に、遊技機10から賞出されたメダルを受け入れる受皿部25と、機本体21内に配されて受皿部25より供給されたメダルを揚送する揚送機構50と、揚送されたメダルを遊技機10のメダル投入口14まで導き投入する投入装置100とを有し、受皿部25を、前面壁21aより前方に張り出して開口する使用位置と、外壁側に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置とに揺動可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルを用いて遊技する遊技機に隣接して配され、投入された金額に相当するメダルを払い出すメダル貸機に関する。ここでメダルはコインおよび硬貨を含むものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のメダル貸機としては、一旦計数されたメダルの払い出し(すなわち返却)を行う機能を有し、メダル貸機より貸し出しとしてメダルが放出されるメダル払出口のほか、メダル貸機より既に貸し出しとして放出されたメダルや、スロットマシンから賞出されたメダルを受け入れるメダル受入口を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここでメダル受入口は、メダル貸機の前蓋に設けられ、下端の枢支軸回りに前方に向けて回動して開口するようになっているが、メダル受入口と、スロットマシンにあるメダル受け皿との位置関係は、特許文献1の図1から明らかなように、メダル受入口の前後位置はメダル受け皿よりも相当奥まった後方にあり、また、メダル受入口の高さ位置はメダル受け皿よりも上方にある。
【0004】
また、前記メダル払出口や前記メダル受入口を有さず、その代わりにメダル払出ノズルを有するものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の図7から明らかなように、メダル払出ノズルの先端部はスロットマシンにあるメダル投入口に接続されており、メダル払出機から貸し出しとして放出されたメダルが、メダル払出ノズルを通じてメダル投入口に直接投入されるように構成されていた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−177619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1の図1に開示された従来のメダル貸機では、メダルが放出されるメダル払出口と、メダルを受け入れるメダル受入口とが、それぞれ全く別々に設けられており、部品点数が多くなって、コストが嵩むという問題があった。また、メダルを遊技に用いるには、メダル払出口よりメダルを取り出す手作業と、取り出したメダルをスロットマシンのメダル投入口へ一枚ずつ投入する手作業が必要となり、遊技開始の準備に手数と時間とがかかるという問題もあった。
【0007】
また、メダル貸機のメダル受入口の前端の位置は、隣接するスロットマシンの前面壁の前後位置とほぼ同じ位置であることが、一般的には遊技のしやすさから望ましいが、前述した従来のメダル貸機では、メダル受入口の前端の位置はスロットマシンの前面壁よりも相当奥まった後方にあるため、スロットマシンのメダル受け皿に賞出されたメダルを、メダル貸機のメダル受入口に移し入れる手作業も面倒であるという問題もあった。
【0008】
また、メダル受入口は、メダルを内部奥へなめらかに滑らすためには、大きな傾斜を設ける必要がある関係上、メダル受入口を比較的高い位置に設ける必要があり、前述した従来のメダル貸機では、メダル受入口の高さ位置はスロットマシンのメダル受け皿よりも高い位置にあるが、その高低差が大きくなるほどメダル受け皿内のメダルをメダル受入口に移し入れる動作が大きくなり、なおさらメダルを移し入れる手作業が面倒になるという問題もあった。
【0009】
さらに、前述した特許文献1の図7に開示された従来のメダル貸機では、メダル払出機から貸し出しとして放出されたメダルに関しては、メダル払出ノズルを通じてメダル投入口に直接投入することができるが、スロットマシンから賞出されたメダルを遊技に用いる場合には、遊技者が1枚ずつメダル投入口に投入しなければならず、貸し出しとして放出されたメダルと同様に、メダル払出ノズルを通じてメダル投入口に直接投入するような操作ができないため、不便で使い勝手が良くないという問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題に着目してなされたものであり、部品点数を減らしてコストを低減すると共に、貸し出されたメダルと遊技機から賞出されたメダルの両方をメダル投入口まで導き直接投入することができ、しかも受皿部が遊技しやすい位置に配置されることで使い勝手が良く、受皿部を収納することもできるメダル貸機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]メダルを用いて遊技する遊技機(10)に隣接して配され、投入された金額に相当するメダルを払い出すメダル貸機(20)において、
機本体(21)の外壁側に設けられ、投入された金額に相当するメダルが払い出されると共に、前記遊技機(10)から遊技により賞出されたメダルを受け入れる受皿部(25)と、
前記機本体(21)内に配され、前記受皿部(25)より供給されたメダルを揚送する揚送機構(50)と、
前記揚送機構(50)により揚送されたメダルを、前記遊技機(10)のメダル投入口(14)まで導き投入する投入装置(100)とを有し、
前記受皿部(25)を、前記外壁側より前方に張り出して開口する使用位置と、前記外壁側に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置とに揺動可能に設けたことを特徴とするメダル貸機(20)。
【0012】
[2]前記揚送機構(50)の下端側を、前記受皿部(25)の底面奥側と連通する位置に配置し、
前記投入された金額に相当するメダルの払い出しを、前記揚送機構(50)の下端側に向けて行うことを特徴とする[1]に記載のメダル貸機(20)。
【0013】
[3]前記受皿部(25)を、前記機本体(21)の前面壁(21a)に設け、
前記機本体(21)を、前記受皿部(25)が使用位置にある時に該受皿部(25)の開口前端が、前記機本体(21)に隣接して配された遊技機(10)の前面壁(10a)と略同一の前後位置に合致するように配置させたことを特徴とする[1]または[2]に記載のメダル貸機(20)。
【0014】
[4]前記受皿部(25)が使用位置にある時に表出し、前記受皿部(25)が格納位置にある時に隠蔽される位置に、前記揚送機構(50)を作動させるための操作用のスイッチ(25e)を設けたことを特徴とする[1],[2]または[3]に記載のメダル貸機(20)。
【0015】
[5]前記受皿部(25)の底面部に、該受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)内のメダルを自重により前記揚送機構(50)の下端側へ導くための傾斜面を形成したことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載のメダル貸機(20)。
【0016】
[6]前記受皿部(25)の底面部に、該受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)内のメダルを動力により前記揚送機構(50)の下端側へ送り出すための搬送コンベヤを設けたことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載のメダル貸機(20)。
【0017】
[7]前記受皿部(25)が使用位置にある時の高さ位置を、前記遊技機(10)に設けられている賞出されたメダルを受け入れる貯留部(15)の高さ位置と重なるように配置したことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5]または[6]に記載のメダル貸機(20)。
【0018】
[8]前記受皿部(25)の底面奥側に、該受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)内のメダルの通過を許容する一方、遊技者の指の進入を阻止する隙間を備えたカバー体を設けたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6]または[7]に記載のメダル貸機(20)。
【0019】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
前記[1]に記載のメダル貸機(20)によれば、機本体(21)の外壁側にメダルの受皿部(25)が設けられており、この受皿部(25)には、メダル貸機(20)に投入された金額に相当するメダルが払い出されるほか、遊技機(10)から遊技により賞出されたメダルを遊技に使用する際に移し入れることができる。
【0020】
機本体(21)内には揚送機構(50)が配されており、この揚送機構(50)によって前記受皿部(25)より供給されたメダルを揚送する。すなわち、受皿部(25)内にあるメダルであれば、金額相当分だけ払い出された貸出メダルも、遊技機(10)から賞出されて遊技者が移し入れた賞出メダルも、両方とも区別することなく揚送することができる。
【0021】
揚送機構(50)により揚送されたメダルは、投入装置(100)によって遊技機(10)のメダル投入口(14)まで導かれ投入される。それにより、貸出メダルおよび賞出メダルを1つだけの受皿部(25)に集中的に受け入れることができ、さらに、これらのメダルを一枚ずつメダル投入口(14)へ投入する手作業も不要であり、部品点数を減らしてコストを低減することができると共に、遊技に用いる際に容易にメダル投入口(14)へ投入することができる。
【0022】
前記受皿部(25)は開口面積が大きいほど、より多くのメダルを受け入れることができるが、構造が嵩張ることによって、省スペース化の要請に反したり、遊技機(10)の前面扉を開く際に干渉するおそれがある。かかる観点に鑑みて受皿部(25)を、外壁側より前方に張り出して開口する使用位置と、外壁側に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置とに揺動可能に設けたことにより、使用しない時には邪魔にならないように格納位置にしてコンパクトに収納することができる。
【0023】
また、前記[2]に記載したように、揚送機構(50)の下端側を、受皿部(25)の底面奥側と連通する位置に配置し、機本体(21)に投入された金額に相当するメダルの払い出しを、揚送機構(50)の下端側に向けて行うようにすれば、機本体(21)内で払い出された貸出メダルに関しては、受皿部(25)側から揚送機構(50)の下端側までのメダルの供給経路が簡略化され、貸出メダルをより効率良く迅速に揚送することができる。なお、受皿部(25)の底面奥側と揚送機構(50)の下端側とは、互いに連通した共通の領域と見なすことができる。
【0024】
また、前記[3]に記載したように、前記受皿部(25)を機本体(21)の前面壁(21a)に設けて、機本体(21)を、受皿部(25)が使用位置にある時に該受皿部(25)の開口前端が、機本体(21)に隣接して配された遊技機(10)の前面壁(10a)と略同一の前後位置に合致するように配置すると良い。それにより、遊技者は遊技機(10)の前面壁(10a)にあるメダルの貯留部(15)からメダルを取り出し受皿部(25)に移し入れる際に、手を前後方向に大きく動かす必要がなく、楽にメダルを移し変えることができる。
【0025】
ところで、メダル貸機(20)に隣接する遊技機(10)で、例えばメダル詰まり等の不具合が生じた場合、通常は遊技機(10)の前扉を開いて対処することが必要となる。この時、前述したように配置された受皿部(25)が遊技機(10)の前扉を開く動作に支障をきたすおそれがあるが、受皿部(25)を格納位置に揺動させることにより、隣接する遊技機(10)の前扉が受皿部(25)に当たることがなくなり、遊技機(10)の前扉を何ら支障なく開閉することが可能となる。
【0026】
また、前記[4]に記載したように、受皿部(25)が使用位置にある時に表出し、受皿部(25)が格納位置にある時に隠蔽される位置に、揚送機構(50)を作動させるための操作用のスイッチ(25e)を設けることにより、遊技者は受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)にメダルがあることを確認した上で、積極的に揚送機構(50)を作動させることになり、意図しない揚送機構(50)の誤作動を防止することができる。
【0027】
また、前記[5]に記載したように、受皿部(25)の底面部に、該受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)内のメダルを自重により揚送機構(50)の下端側へ導くための傾斜面を形成すれば、動力を用いることなく自然に受皿部(25)内のメダルを揚送機構(50)の下端側へ随時送り出すことができる。
【0028】
ここで、受皿部(25)内のメダルを揚送機構(50)の下端側へ円滑に滑らすためには、急角度の傾斜面を形成すべく受皿部(25)をある程度高い位置に設ける必要があるが、それにより、遊技機(10)にあるメダルの貯留部(15)との高低差が大きくなるほど、メダルの貯留部(15)内のメダルを受皿部(25)に移し入れる上下方向の動作が大きくなる。
【0029】
そこで、メダルを移し入れる手作業の面倒さの解消を重視して、受皿部(25)をなるべく低い位置に設けて、遊技機(10)の貯留部(15)との高低差を小さくする場合には、前記[6]に記載したように、受皿部(25)の底面部に、該受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)内のメダルを動力により揚送機構(50)の下端側へ送り出すための搬送コンベヤを設けると良い。これにより、メダルを送り出す揚送機構(50)の下端側の方が、受皿部(25)の底面部よりも高い位置にあったとしても、確実に円滑にメダルを送り出すことができる。
【0030】
このような搬送コンベヤを設けることを前提として、前記[7]に記載したように、受皿部(25)の高さ位置を、遊技機(10)の貯留部(15)の高さ位置と重なるように配置させれば、遊技者は遊技機(10)の前面壁(10a)にあるメダルの貯留部(15)からメダルを取り出し受皿部(25)に移し入れる際に、手を上下方向に大きく動かす必要もなくなり、なおさら楽にメダルを移し変えることができる。
【0031】
さらに、前記[8]に記載したように、受皿部(25)の底面奥側に、該受皿部(25)が使用位置にある時に受皿部(25)内のメダルの通過を許容する一方、遊技者の指の進入を阻止する隙間を備えたカバー体を設けると良い。これにより、遊技者がメダルを受皿部(25)に移し入れる際に、受皿部(25)の奥側に位置する前記搬送コンベヤや揚送機構(50)の下端側等の駆動機構に誤って触れてしまうことを防止することができ、安全性を確保することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係るメダル貸機によれば、投入金額に応じて払い出されるメダルのほか、遊技機から賞出されたメダルも、1つだけの受皿部に集中的に受け入れることができ、さらにこれらのメダルは揚送機構によって揚送され、投入装置によって遊技機のメダル投入口まで導かれるから、部品点数を減らしてコストを低減することができると共に、メダルを一枚ずつメダル投入口へ投入する手作業も不要となり、容易に遊技を行うことができる。
【0033】
しかも、前記受皿部を、機本体の外壁側より前方に張り出して開口する使用位置と、外壁側に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置とに揺動可能に設けたことにより、前記受皿部を使用しない時には、遊技の邪魔にならないようにコンパクトに収納することができる。
【0034】
また、前記受皿部を機本体の前面壁に設けて、機本体を、受皿部が使用位置にある時に該受皿部の前端が、機本体に隣接して配された遊技機の前面壁と略同一の前後位置に合致するように配置させることにより、遊技者は遊技機の前面壁にあるメダルの貯留部からメダルを取り出し受皿部に移し入れる際に、手を大きく動かす必要がなく楽にメダルを移し変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の各種実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図29は、本発明の第1実施の形態を示している。本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機20は、図1に示すように、スロットマシンである遊技機10に隣接して配され、その機本体21内に投入された金額に相当するメダルを払い出す装置である。本実施の形態に係るメダル貸機20では、メダルを遊技機10にあるメダル投入口14まで導き投入することができるように構成されている。
【0036】
遊技機10の機本体11の正面には、図柄を可変表示した後に停止表示する可変表示部12が設けられている。可変表示部12の下方には、スタートレバー13a、ストップボタン13b等の操作手段が設けられている。これら操作手段の右側方には、遊技に用いるメダルを投入するためのメダル投入口14が配設されている。また、操作手段の下方には、遊技により賞出されたメダルを受け入れ溜めるための前皿である貯留部15が設けられている。貯留部15は、遊技機10の機本体11から正面前方へ張り出している。
【0037】
メダル貸機20の機本体21の正面には、その上部に紙幣を投入する紙幣投入口22が開設され、その下方にメダルの投入装置100が設けられており、その傍らには表示部23が設けられている。また、表示部23の下側には、機本体21内にあるメダル貯留用のホッパー27(図2参照)にメダルを補充する際に開閉する補給口扉24が設けられている。さらに、機本体21の正面の下部には、メダルを受け入れる受皿部25が設けられている。受皿部25について詳しくは後述する。
【0038】
図2に示すように、メダル貸機20の機本体21内には、前記紙幣投入口22に投入された紙幣を識別するための識別装置26、メダル貯留用のホッパー27、投入された紙幣の金額に相当する枚数のメダルを計数して前記受皿部25に払い出す計数器28が設けられている。計数器28にはメダルの排出樋28aが接続されており、排出樋28aの下流端は、前記受皿部25の底部奥側を臨む位置に配されている。なお、前記表示部23は、計数器28により計数されたメダルの貸出枚数やエラーコード等をデジタル表示するものである。
【0039】
さらに、メダル貸機20の機本体21内には、前記受皿部25内のメダルを1枚ずつ送り出す送出機構30と、該送出機構30から送られたメダルを起立姿勢にする起立機構40と、該起立機構40から送られたメダルを起立姿勢に維持しながら揚送する揚送機構50とを有して成るメダル搬送装置が設けられている。
【0040】
メダル貸機20では、メダル搬送装置および投入装置100による一連のメダルの搬送によって、受皿部25内のメダルを連続して1枚ずつ遊技機10のメダル投入口14まで導き投入することができるように構成されている。ここでメダル投入口14に投入される受皿部25内のメダルは、紙幣投入口22に投入された紙幣に応じて払い出された貸出メダルのみならず、遊技機10から遊技により賞出されて貯留部15から受皿部25へ移された賞出メダルも含まれる。
【0041】
先ず、メダルの投入装置100の一例について説明する。
図1〜図5に示すように、メダルの投入装置100は、メダル貸機20の機本体21における正面に設けられ、該メダル貸機20の内部で揚送されたメダルを、遊技機10のメダル投入口14まで導き投入するための装置である。メダル投入口14は、遊技者が掴んだメダルを投入しやすいように、遊技機10の正面に対して傾いた向きに配され、さらに、メダル投入口14の後端縁に沿って、円弧状に立ち上がりメダルをあてがう案内壁14a(図12参照)が突設されている。
【0042】
投入装置100は、後述する揚送機構50の上端にあるメダル排出部55(図4参照)に連結された第1レール110と、該第1レール110の終端側に連結された第1方向変換器120と、該第1方向変換器120に連結された第2レール140と、該第2レール140の終端側に連結された第2方向変換器150と、該第2方向変換器150に連結された投入口部170とを有して成る。投入装置100は、その先端にある投入口部170が遊技機10のメダル投入口14に直接触れることがなく、メダルをメダル投入口14から離隔した真上の位置より、該メダル投入口14へ落下させる状態にセットされるものである。
【0043】
第1レール110は、揚送機構50により1枚ずつ起立姿勢で揚送されたメダルを、起立姿勢のまま受け入れて外部へ1枚ずつ案内するものである。図4に示すように、第1レール110の基端側は、揚送機構50の上端にあるメダル排出部55に連通するように支持され、第1レール110の終端側は、メダル貸機20の正面より前方へ延出して下方に傾斜するように配されている。第1レール110は、メダルの下縁側が転動可能に嵌合してメダルの上縁側がはみ出す溝状断面形に形成されている。なお、第1レール110の基端側は、揚送機構50のメダル排出部55側に対して図示した角度で動かぬように固定されている。
【0044】
第1レール110の上側には、該第1レール110上を転動するメダルの上方にはみ出した上縁側を包囲するカバー蓋111が設けられている。このカバー蓋111は、その一端側が枢軸112を介して回動可能に第1レール110の上側に支持されており、枢軸112を回動中心として開閉できるように構成されている。また、第1レール110の下側には、該第1レール110を覆うようにカバー体113が設けられている。さらに、第1レール110は長さ方向に伸縮自在であり、全長を所定範囲で調整できるように構成されている。第1レール110の伸縮自在であるための詳細な構成は、後述する第2レール140と同様であり、第2レール140を代表して説明する。
【0045】
第1方向変換器120は、前記第1レール110の終端側に連結され、該第1レール110により案内されたメダルを、起立姿勢のまま面の向きを変換するためのものである。図7〜図9に示すように、第1方向変換器120は、前記第1レール110の終端側に一体に接続され、メダルが起立姿勢のまま流入する筒状流入部121と、該流入したメダルがその上端入口131に流入し、中空内側132を落下して、下端出口133から排出されるように形成された筒状回動部130とを有している。
【0046】
筒状流入部121は、メダルを筒状回動部130に案内するための導入ガイド122と、筒状の上部カバー123とが一体的に形成されて成る。導入ガイド122の上部122aは、上部カバー123から斜め上方に突設され、導入ガイド122の下部122bは、上部カバー123内に形成されている。
【0047】
導入ガイド122の上部122aは、斜め下方にメダルを案内し、導入ガイド122の下部122bは、その下端に出口124が開設され、メダルを上方から次述する筒状回動部130の上端入口131に案内するものである。導入ガイド122の上部122aと前記第1レール110の終端側とは一体に連結されており、かかる連結部分には、カバー体125(図4参照)が装着されている。
【0048】
上部カバー123の下縁には、円周方向に延びる凹部123aが形成されている。筒状回動部130の筒外壁にはストッパ130aが凸設されている。ストッパ130aは、筒状流入部121の凹部123aに相対的に移動可能に嵌合することで、筒状流入部121に対する筒状回動部130の回動を所定角度の範囲内に規制するものである。
【0049】
筒状回動部130は、メダルが起立姿勢を保ちながら中空内側132を落下していくと、メダルの面の向きが変換するように構成された方向変換機構135を備えている。さらに、筒状回動部130は、その軸芯134を中心に前記筒状流入部121に対して所定角度回動することで、上端入口131に流入するメダルの面の向きに対する下端出口133から排出されるメダルの面の向きを角度調整可能に配されている。
【0050】
方向変換機構135は、メダルを起立姿勢に保ちながらメダルの面の向きを変換可能に案内する姿勢保持用案内通路136と、該姿勢保持用案内通路136により起立姿勢に保たれたメダルが落下することで、メダルの面の向きを変換して下端出口133へ案内する方向変換用案内通路137とを備えている。姿勢保持用案内通路136は、メダルの中心部をその両面側から支えるように案内すると共に、メダルの周縁部を筒状回動部130の軸芯134を中心とする円周方向に案内することで、メダルの面の向きを変換する時の中心軸がメダルの中心部を通るようにするものである。
【0051】
具体的には、筒状回動部130の軸芯134を間にして互いに対向し、各々が軸芯134に沿うように立設された一対の保持壁138を備えている。姿勢保持用案内通路136は、一対の保持壁138の間の隙間と、一対の保持壁138間の隙間に連通して対称的に配された一対の扇形断面形状の空間部139とを備えている。一対の保持壁138の間の隙間は、起立姿勢にあるメダルの中心部を通すようにしたものであり、一対の扇形断面形状の空間部139は、メダルの面の向きが変換する時にメダルの周縁部の移動を許容するものである。
【0052】
方向変換用案内通路137は、筒状回動部130の軸芯134を中心とする円周方向に対して斜め下方に傾斜し、起立姿勢にあるメダルの周縁下部が軸芯134を中心とする螺旋方向に滑落するように形成された一対の滑台部137aを備えている。一対の滑台部137aの終端は、下端出口133の内壁に連続している。また、滑台部137aの上方空間が扇形断面形状の空間部139になっている。
【0053】
第2レール140は、前記第1方向変換器120により面の向きが変換されて排出されたメダルを、そのままの面の向きかつ起立姿勢で水平方向に案内するものである。図5および図6に示すように、第2レール140の基端側は、前記第1方向変換器120の筒状回動部130側に連結支持され、第2レール140の終端側は、前記筒状回動部130より斜め下方へ傾斜するように配されている。第2レール140も前記第1レール110と同様に、メダルの下縁側が転動可能に嵌合してメダルの上縁側がはみ出す溝状断面形に形成されている。
【0054】
第2レール140は、前記第1方向変換器120の筒状流入部121に対する筒状回動部130の回動(メダルの面の向きの角度調整)に伴なって、筒状回動部130の軸芯134(図7参照)を回動中心として水平方向に揺動可能となっている。さらに、第2レール140の基端側は、前記第1方向変換器120の下端出口133を囲む側壁部133aに対して、下端出口133内と連通する状態で上下方向にも揺動可能に枢支されている。
【0055】
詳しく言えば、第2レール140の基端側は、枢軸ネジ133bを介して側壁部133aに揺動可能に枢支されている。この枢軸ネジ133bを緩めることにより、第2レール140の終端側の上下方向における角度調整を可能とし、また、枢軸ネジ133bを締結することにより、第2レール140の終端側を任意の上下位置に固定できるようになっている。
【0056】
図5に示すように、第2レール140の上側には、前記第1レール110と同様に第2レール140上を転動するメダルの上方にはみ出した上縁側を包囲するカバー蓋141が設けられている。このカバー蓋141は、その一端側が枢軸142を介して回動可能に第2レール140の上側に支持されており、枢軸142を回動中心として開閉できるように構成されている。また、第2レール140の下側には、該第2レール140を覆うようにカバー体143が設けられている。
【0057】
さらに、第2レール140は長さ方向に伸縮自在であり、全長を所定範囲で調整できるように構成されている。詳しく言えば第2レール140は、図6に示すように、2分割された上流側レール140aと下流側レール140bとを、それぞれ対向する一部同士を重ね合わせるように接続して成り、各レール140a,140bの重なり部分の長さを適宜調整することにより、第2レール140の全長を調整することができるように構成されている。上流側レール140aの重なり部分の側壁には、長手方向に離隔した一対のネジ145が突設されている。
【0058】
この上流側レール140aの重なり部分に外嵌する下流側レール140bの重なり部分の側壁には、長手方向に延びたガイド溝146が穿設されており、このガイド溝146に前記各ネジ145が摺動可能に案内されることにより、上流側レール140aに対して下流側レール140bが長手方向に相対的に移動し、互いの重なり部分の長さを調整することができる。
【0059】
前記各ネジ145に螺合させるボルト(図示せず)を緩めることにより、上流側レール140aに対する下流側レール140bの移動を可能とし、各ネジ145を締結することにより、上流側レール140aに対して下流側レール140bを移動不能に固定できる。なお、前記第1レール110も、第2レール140とほぼ同様の構成によって、全長を調整することができるようになっている。
【0060】
さらに、図5に示すように、第2レール140の途中には、メダルの通過を検知するための通過検知センサ148が設けられている。通過検知センサ148は、当該部位を通過するメダルを1枚ずつ検出可能なものであり、例えば、被検出物であるメダルとの距離に応じて動作するフォトセンサ等の近接センサや、メダルの接近を検出する磁気センサ等により構成され、第2レール140の経路側方にて、メダルとは直接的には接触しないように配されている。
【0061】
通過検知センサ148は、後述する制御装置500(図25参照)に信号線を介して接続されており、通過検知センサ148がONとなった際の検出信号は制御装置500に出力されるように設定されている。なお、本実施の形態では、通過検知センサ148を第2レール140に設けたが、通過検知センサ148は、投入装置100全体におけるメダルの通過を検知できるものであれば良く、第1レール110あるいは投入口部170等に設けても良い。
【0062】
第2方向変換器150は、前記第2レール140の終端側に連結され、該第2レール140により案内されたメダルを、起立姿勢のまま再び面の向きを変換するためのものである。図10および図11に示すように、第2方向変換器150の基本的な構成は、前記第1方向変換器120とほぼ同様であるが、その外形は異なっており、流入部151と回動部160は共に筒状ではない。
【0063】
第2方向変換器150は、前記第2レール140の終端側に一体に接続され、メダルが起立姿勢のまま流入する流入部151と、該流入したメダルがその上端入口161に流入し、中空内側162を落下して、下端出口163から排出されるように形成された回動部160とを有している。流入部151は、中空筒体の外周側の一部を弓形断面形に切り欠いた形状に形成され、回動部160は、流入部151の切り欠かれた部分より内側に収まる扁平した形状に形成されている。
【0064】
流入部151は、メダルを回動部160に案内するための導入ガイド152と、上部カバー153とが一体的に形成されて成る。導入ガイド152の上部152aは、上部カバー153から斜め上方に突設され、導入ガイド152の下部152bは、上部カバー153内に形成されている。
【0065】
導入ガイド152の上部152aは、斜め下方にメダルを案内し、導入ガイド152の下部152bは、その下端に出口154が開設され、メダルを上方から次述する回動部160の上端入口161に案内するものである。なお、導入ガイド152の上部152aと、前記第2レール140の終端側とは、一体に連結するように形成されている。
【0066】
上部カバー153の下端側には、円周方向に延びる長溝153aが形成されている。回動部160の外壁にはストッパ用のネジ(図示せず)が突設されている。このネジが、流入部151の長溝153aに相対的に移動可能に嵌合することで、流入部151に対する回動部160の回動を所定角度の範囲内に規制するものである。ここで回動部160が流入部151に対して回動可能な角度範囲は、前記第1方向変換器120の筒状回動部130が第1方向変換器120に対して回動可能な角度範囲よりも狭くなっている。
【0067】
回動部160の上端には、メダルが通過可能で次述する姿勢保持用案内通路166に連通する溝を有する軸部160aが突設されており、この軸部160aが、前記流入部151の内側に凹設された軸受部151a内に回動可能に嵌合している。回動部160は、その軸芯164(図10参照)を中心に前記流入部151に対して所定角度回動することで、上端入口161に流入するメダルの面の向きに対する下端出口163から排出されるメダルの面の向きを角度調整可能に配されている。
【0068】
回動部160は、メダルが起立姿勢を保ちながら中空内側162を落下していくと、メダルの面の向きが変換するように構成された方向変換機構165を備えている。方向変換機構165は、メダルを起立姿勢に保ちながらメダルの面の向きを変換可能に案内する姿勢保持用案内通路166と、該姿勢保持用案内通路166により起立姿勢に保たれたメダルが落下することで、メダルの面の向きを変換して下端出口163へ案内する方向変換用案内通路167とを備えている。
【0069】
姿勢保持用案内通路166は、メダルの中心部をその両面側から支えるように案内すると共に、メダルの周縁部を回動部160の軸芯164を中心とする円周方向に案内することで、メダルの面の向きを変換する時の中心軸がメダルの中心部を通るようにするものである。
【0070】
具体的には、回動部160の軸芯164を間にして互いに対向し、各々が軸芯164に沿うように立設された一対の保持壁168(図11参照)を備えている。姿勢保持用案内通路166は、一対の保持壁168の間の隙間と、一対の保持壁168間の隙間に連通して対称的に配された一対の扇形断面形状の空間部169とを備えている。
【0071】
一対の保持壁168の間の隙間は、起立姿勢にあるメダルの中心部を通すようにしたものであり、一対の扇形断面形状の空間部169は、メダルの面の向きが変換する時にメダルの周縁部の移動を許容するものである。各扇形断面形状の空間部169の中心角は、前記第1方向変換器120の筒状回動部130における各扇形断面形状の空間部139の中心角よりもかなり鋭角に小さく設定され、これにより回動部160は、筒状ではなく前記流入部151の切り欠かれた部分より内側に収まる扁平した形状に形成されている。
【0072】
方向変換用案内通路167は、回動部160の軸芯164を中心とする円周方向に対して斜め下方に傾斜し、起立姿勢にあるメダルの周縁下部が軸芯164を中心とする螺旋方向に滑落するように形成された一対の滑台部167aを備えている。一対の滑台部167aの終端は、下端出口163の内壁に連続している。また、滑台部167aの上方空間が扇形断面形状の空間部169になっている。
【0073】
投入口部170は、前記第2方向変換器150に連結され、該第2方向変換器150から排出されたメダルをそのままの面の向きかつ起立姿勢で、前記遊技機10にあるメダル投入口14から離隔した真上の位置より、該メダル投入口14へ落下させるためのものである。
【0074】
図12に示すように、投入口部170は、メダルを1枚ずつ通過させる通路を内部に備えた口部本体171と、この口部本体171の下端出口172の前端縁より下方へ延出した前方ガイド173と、下端出口172の後端縁より下方へ延出した後方ガイド174とから成る。なお、口部本体171の上端側は、前記第2方向変換器150の回動部160における下端出口163に接続するための取付部171aとなっている。
【0075】
前方ガイド173は、遊技機10のメダル投入口14の後方にある案内壁14aに対向するように下方へ相当延びている。一方、後方ガイド174は、案内壁14aの真上に位置するものであり、この円弧状の案内壁14aとの干渉を避けるように円弧状に凹むように切り欠かれている。なお、本実施の形態では、投入口部170を前記第2方向変換器150の回動部160とは別体として構成して、後から一体に連結しているが、例えば、回動部160の下端出口163を下方にそのまま延出させることにより、回動部160の一部として投入口部170を構成するようにしても良い。
【0076】
次に、送出機構30の一例について説明する。
送出機構30は、受皿部25内から導かれたメダルを1枚ずつ倒伏姿勢にして送り出すものである。図1〜図3に示すように、送出機構30は、メダル貸機20の機本体21の下端部において受皿部25の奥側に隣接するように配設されている。送出機構30は、メダルを受け入れて、揚送機構50の下端側にある起立機構40まで動力により送り出すものである。
【0077】
図3に示すように、送出機構30は、ベース盤31上に載置され前記受皿部25内のメダルを受け入れる収容部材32と、該収容部材32の内側に配されて回転可能な送り部材35とを備えている。収容部材32の底面には、円形の孔が開設されており、この孔を下方から塞ぐように、円盤状の送り部材35が配されている。なお、収容部材32の底面は、その外周縁から送り部材35に向かって傾斜している。
【0078】
図13〜図15に示すように、送り部材35は、送出用孔36と、送出用爪37とを有している。送出用孔36は、収容部材32(図3参照)内のメダルM(図14参照)を1枚ずつ嵌入させるものである。送出用爪37は、嵌入したメダルMを起立機構40(図13参照)へ送り出すように形成されている。送出用孔36は、送り部材35の円周方向に所定ピッチでほぼメダルMの大きさに穿設されたものであり、送り部材35の上面から下面に貫かれている。
【0079】
送出用爪37は、送り部材35の下面側に形成され、送り部材35の回転中心側に位置する周縁36aから徐々に離れながら送り部材35の周縁35aまで延ばされた湾曲形状の爪である。送出用爪37の幅は、ほぼメダル1枚分の厚みになっている。送出用爪37は、送り部材35の回転時に、送出用爪37の基端側から先端側へメダルMを相対移動させるように形成されている。送り部材35の周縁35aには、円周方向に沿ってフランジアップ部35c(図13参照)が形成されている。フランジアップ部35cは、送り部材35上に載ったメダルMが逃げないようにするストッパの役目を果たすものである。
【0080】
また、送り部材35の下面側には、送出用爪37と一体的に環状部37aが形成されている。環状部37aは、下面側から送出用孔36の中心部を横切るように配されている。環状部37aの外周縁には、3つの送出用孔36に対応して凸部37bが形成されている。環状部37aは、送出用孔36に嵌入したメダルMを下面側から受け止めるものであり、環状部37aおよび凸部37bは、送出用爪37によって送り出されるメダルMを下面側から支持するものである。
【0081】
さらに、図13に示すように、ベース盤31には、メダルを強制的に追い出すための2つの凸部33,34が形成されている。凸部33,34は、送出用爪37によって送り出されるメダルの姿勢や方向が適正でなく、そのままでは起立機構40側に送り出されない場合に、メダルの姿勢や方向を適正なものに矯正するものであり、送出用爪37が機能している通常時には使われることがないものである。また、凸部33,34に干渉しないように、送り部材35の下面側には逃げ溝35b(図15参照)が形成されている。
【0082】
図13,図16〜図18に示すように、送出機構30は、カウント部材38を備えている。カウント部材38は、枢軸38dにより揺動可能に支持されている。カウント部材38は、バネ部材38a(図17参照)の付勢力によって原位置A1(図13参照)に戻るように配されている。さらに、カウント部材38は、送出用爪37によって送り出されるメダルM(図16参照)の押圧力により、前記バネ部材38aの付勢力に抗して図13に示す原位置A1から揺動位置A2に変位する一方、送出用爪37によってさらに送り出されるメダルMの押圧力に優る付勢力で原位置A1に戻るように配されている。
【0083】
カウント部材38は、メダルMの押圧力に優る付勢力で原位置A1に戻る時、メダルMを起立機構40へ送り出すように配されている。カウント部材38は、当接するメダルMの径の大きさに応じて原位置A1から変位する量が変わるように形成されている。図18に示すように、カウント部材38は、コ字状断面形状のブラケット38bの上面部にベアリング38cを支持すると共に、ブラケット38bの下面部に被検出用突起38gを設けて成る。ベアリング38cはベース盤31の上面側に配され、被検出用突起38gはベース盤31の下面側に配されている。
【0084】
被検出用突起38gの揺動量を検出するための2つの近接スイッチ38e,38fが配設されている。2つの近接スイッチ38e,38fは、共に被検出用突起38gを検出すると、カウント部材38を押しているのはゲーム用のメダル(径約25mm)であることを検出し、近接スイッチ38eのみが被検出用突起38gを検出すると、カウント部材38を押しているのは20mm〜23.5mmの各種の硬貨(1円〜100円)であることを検出するように構成されている。
【0085】
さらに、図17に示すように、送出機構30は、調整部材39を備えている。調整部材39は、調整部材39とカウント部材38との間に形成されたメダル通過用の隙間を調整できるように配設されている。また、カウント部材38と調整部材39は、メダルMを起立機構40に案内するための案内路を形成している。
【0086】
次に、起立機構40の一例について説明する。
起立機構40は、前記送出機構30から送られたメダルを倒伏姿勢から起立姿勢にするものである。図19および図20に示すように、起立機構40は、メダルMを後述する揚送機構50の垂直ガイド部材51へ掻き上げるための羽根部材41と、メダルMを倒伏姿勢と起立姿勢との間の姿勢である中間姿勢に保持する中間姿勢保持部42とを備えている。
【0087】
羽根部材41は、メダルMを垂直ガイド部材51へ掻き上げた時、その羽先部41aをスクリュー部材52の回転軸53に対し外すように配されている。また、羽根部材41は、メダルMを垂直ガイド部材51へ掻き上げた時に、羽先部41aによって下方から支えるメダルMの周縁を、メダルMを下方から押し上げるためにスクリュー部材52の突条54によって下方から支えられるメダルMの周縁(下縁)の位置から外すように配されている。
【0088】
中間姿勢保持部42は、前記送出機構30から送られたメダルMの周縁を部分的に落とし込むことで、メダルMを中間姿勢に保持するように形成されている。羽根部材41は、中間姿勢に保持されたメダルMを掻き上げるように配されている。中間姿勢保持部42は、ベース盤31の上面部に形成された嵌入溝42aと、この嵌入溝42aからスクリュー部材52に向かって徐々に上がり勾配になった円弧状溝42bとから成る。
【0089】
次に、揚送機構50の一例について説明する。
図3〜図5に示すように、揚送機構50は、前記起立機構40から送られたメダルMを起立姿勢に維持しながら揚送するものである。図19および図20に示すように、揚送機構50は、垂直ガイド部材51と、スクリュー部材52とを備えている。垂直ガイド部材51は、メダルMの面をスクリュー部材52の回転軸53に向けた起立姿勢にメダルMを保持しながらメダルMを垂直方向に案内するように配されている。
【0090】
スクリュー部材52は、回転することでその螺旋状の突条54をメダルMの下縁に当てて、メダルMを1枚ずつ押し上げるように配されている。スクリュー部材52の下端部には、後述する平歯車307の軸307aが一体に固設されている。スクリュー部材52の上端部は、垂直ガイド部材51の上端部に回転可能に支持されている。また、スクリュー部材52の上端には、揚送されたメダルをそのままの姿勢で外部に排出するためのメダル排出部55が設けられている。
【0091】
図21および図22に示すように、ベース盤31の下方には、前記送出機構30と前記起立機構40と前記揚送機構50とを駆動する駆動機構の動力伝達手段が配設されている。駆動機構の電動モータ320は、ベース盤31の上面側に配され、前記動力伝達手段は、前記ベース盤31の下面側にあって、該下面に沿うように配されている。動力伝達手段は主に歯車で構成されているので、その動力伝達手段を平面状に配置できることとなり、ベース盤31の下面側に動力伝達手段のほとんどを組み込むことができる。これによって、全体を省スペース化することができる。
【0092】
駆動機構は、送出機構30、起立機構40または揚送機構50のうち少なくとも2つ以上を駆動するように構成すれば良い。本実施の形態では、1つの電動モータ320によって、送出機構30、起立機構40および揚送機構50の全てを駆動させるように構成している。また、送出機構30、起立機構40および揚送機構50の全てが、前記ベース盤31と共に1つの筐体31A内に格納されている。これによって、埃・異物ならびに外部からの衝撃等から駆動機構を保護することができるようになり、故障を減少でき、長期間の使用を可能とすることができる。
【0093】
駆動機構は、電動モータ320の動力が、減速機能を有する歯車群から成る動力伝達手段を介して、前記起立機構40の起立回転軸を回転するように伝達されるようになっている。同様に、電動モータ320の動力が、動力伝達手段を介して、前記揚送機構50の揚送回転軸を回転するように伝達されるようになっている。さらに、電動モータ320の動力が、動力伝達手段を介して、前記送出機構30の送出回転軸を回転するように伝達されるようになっている。
【0094】
動力伝達手段を構成する歯車群は、歯車として一般の平歯車の他に2段組平歯車を使用しているものもある。この2段組平歯車は、2つの歯車が固設または一体形成されているものであり、下方の歯車と上方の歯車が一体に回転する。下方の歯車は隣にある歯車と噛合しており、上方の歯車は他方の隣の歯車と噛合している。
【0095】
先ず、揚送機構50の駆動に係る動力伝達手段について説明する。
図21および図22に示すように、電動モータ320の出力歯車321が回転駆動すると、その出力歯車321に噛合する2段組平歯車301の下方にある平歯車301bが回転し、それに伴って平歯車301bと一体となっている平歯車301aが回転する。平歯車301aが回転すると、それに噛合する2段組平歯車302の上方にある平歯車302aが回転し、それに伴って平歯車302aと一体となっている平歯車302bが回転するようになっている。
【0096】
平歯車302bが回転すると、それに噛合する2段組平歯車303の上方にある平歯車303aが回転し、それに伴って平歯車303aと一体となっている平歯車303bが回転する。平歯車303bが回転すると、それに噛合する平歯車304が回転する。この平歯車304の回転は、平歯車305、平歯車306を介して、平歯車307を回転させる。平歯車307の軸307aは、揚送機構50の揚送回転軸、すなわちスクリュー部材52の回転軸53と一体に固結されている。この揚送回転軸である回転軸53の回転によって、スクリュー部材52が回転するように構成されている。
【0097】
次に、起立機構40の駆動に係る動力伝達手段について説明する。
図21および図22に示すように、電動モータ320の出力歯車321が回転すると、前述したように2段組平歯車301、2段組平歯車302、2段組平歯車303、平歯車304が回転する。平歯車304の回転は、平歯車308、平歯車309を介して、平歯車310を回転させる。平歯車310の軸310aは、図19に示すベベルギア314の軸ともなっている。従って、平歯車310が回転すると、軸310aと一体となっているベベルギア314が回転し、このベベルギア314と噛合するベベルギア315が回転するようになっている。
【0098】
図19において、ベベルギア315が回転すると、それに噛合する平歯車316が回転する。平歯車316が回転すると、それに噛合する平歯車317が回転する。平歯車317が回転すると、平歯車318が回転する。平歯車318の軸318aは、起立機構40の起立回転軸となっている。この起立回転軸である軸318aの回転によって、羽根部材41が回転するように構成されている。
【0099】
次に、送出機構30の駆動に係る動力伝達手段について説明する。
図21および図22に示すように、電動モータ320の出力歯車321が回転すると、前述したように2段組平歯車301、2段組平歯車302、2段組平歯車303、平歯車304、平歯車308、平歯車309、および平歯車310が回転する。平歯車310の回転は、平歯車311、平歯車312を介して、平歯車313を回転させるようになっている。平歯車313の軸313aは、送出機構30の送出回転軸となっている。この送出回転軸である軸313aの回転によって、送り部材35(図13参照)が回転するように構成されている。
【0100】
さらに、送出機構30、起立機構40、揚送機構50の回転比率について説明する。
【0101】
前記動力伝達手段を構成する歯車群の歯数は、平歯車313の1回転に対して、平歯車307が3回転、同様に平歯車310が3回転となるように設定されている。この設定によって、払い出し個数は、送出機構30の1回転あたり3個となる。この回転比率は、送り部材35に設けられている送出用孔36の数による。
【0102】
もちろん、送り部材35に設けられている送出用孔36の数が5の場合、平歯車313の1回転に対して、平歯車307が5回転、同様に平歯車310が5回転となるように歯車群の歯数が調整されている。この動力伝達手段を組み立てることによって、払い出し比率調整が完了するので、その後に現場で一般に行われていた調整作業が不要になる。
【0103】
次に、メダル貸機20における受皿部25の一例について説明する。
図1および図2に示すように、メダル貸機20における機本体21の正面の前面壁(外壁側)21aには、その下部にメダルを受け入れる受皿部25が設けられている。受皿部25は、投入された金額に相当するメダルが払い出されると共に、遊技機10から遊技により賞出されたメダルを受け入れるものである。
【0104】
詳しくは図4に示すように、受皿部25は、機本体21の前面壁21aより外側の可動受皿部25aと、機本体21の前面壁21aより内側の固定受皿部25bとから成る。このうち可動受皿部25aは、機本体21の前面壁21aより前方に張り出して開口する使用位置(図23(a)参照)と、正面に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置(図23(b)参照)とに揺動可能に設けられている。可動受皿部25aの後端両側が、固定受皿部25bの上端両側に枢軸25cを介して揺動可能に支持されている。
【0105】
可動受皿部25aには、使用位置にある時に、その開口よりメダル(遊技機10から賞出された賞出メダル)を投入することができ、固定受皿部25bには、可動受皿部25aの位置に関わらず、前記紙幣投入口22(図1参照)に投入された金額分の貸出メダルが払い出されるようになっている。図4および図3に示すように、前記揚送機構50の下端側は、受皿部25の底面奥側である固定受皿部25bと、前記送出機構30を間にして連通する位置に配置されており、投入された金額に相当するメダルの払い出しは、前記揚送機構50の下端側に向けて行われるようになっている。
【0106】
図1および図2に示すように、メダル貸機20の機本体21は、受皿部25(正確には可動受皿部25a)が使用位置にある時に、その受皿部25の開口前端が、機本体21に隣接して配された遊技機10の前面壁10aと略同一の前後位置に合致するように配置されている。また、受皿部25が使用位置にある時の高さ位置は、遊技機10に設けられている貯留部15の高さ位置と重なるように配置されている。
【0107】
図3に示すように、可動受皿部25aの開口後方には取付板25dが被せられており、この取付板25d上、すなわち、受皿部25が使用位置にある時に表出し、受皿部25が格納位置にある時に隠蔽される位置に、前記揚送機構50を作動させるための操作用のメダル投入スイッチ25eが設けられている。
【0108】
メダル投入スイッチ25eは、詳しくは後述するが、前記投入装置100を投入位置にセットした後、前記遊技機10から遊技により賞出されたメダルを受皿部25に移し入れて押し下げ操作すると、その間前記揚送機構50を作動させるものである。また、図4に示すように、受皿部25のうち可動受皿部25aの底面部には、受皿部25が使用位置にある時に可動受皿部25a内のメダルを自重により前記揚送機構50の下端側である送出機構30へ導くための傾斜面が形成されている。
【0109】
次に、遊技機10およびメダル貸機20の動作を集中制御する制御装置500の一例について説明する。図25は、制御装置500のブロック図を示している。制御装置500は、具体的には例えば、インターフェース、CPU、ROM、RAM等を具備したマイクロコンピュータから成る。制御装置500は、専用のケースに納められて、外部からのゴミのほか、静電気や電気ノイズからも保護された状態で、遊技機10側あるいはメダル貸機20側の適所に配設されている。
【0110】
制御装置500には、投入装置100にある通過検知センサ148、駆動機構の電動モータ320、メダル貸機20のメダル投入スイッチ25e、それに遊技機10等が、それぞれ信号線を介して接続されている。また図示省略したが、制御装置500は、遊技場の関係者が管理するホールコンピュータ等とも接続されている。
【0111】
制御装置500は、投入装置100が投入位置にセットされた後、メダルを購入する金額が投入されると、その金額に相当する枚数のメダルを揚送機構50の下端側に払い出すと共に、続けて揚送機構50を自動的に作動させてメダルを揚送し、揚送されたメダルを投入装置100を介して遊技機10のメダル投入口14に投入する制御を行うように設定されている。
【0112】
また、制御装置500は、投入装置100が投入位置にセットされた後、遊技者が遊技機10から賞出されたメダルを受皿部25に移し入れて所定操作としてメダル投入スイッチ25eの押し下げ操作を行うと、これに基づき揚送機構50を作動させて受皿部25内のメダルを揚送し、揚送されたメダルを投入装置100を介して遊技機10のメダル投入口14に投入する制御も行うように設定されている。
【0113】
さらに、制御装置500は、揚送機構50が作動中であるにも関わらず、投入装置100をメダルが通過していない場合には、揚送機構50の作動を停止させる制御も行うように設定されている。これらの制御装置500により実現される機能に関して詳しくは後述する。
【0114】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
メダル貸機20においてメダルを購入する際、またメダル貸機20の受皿部25にメダルを投入する際には、図26において(a),(b),(c),(d)に示す順番で、メダル貸機20にあるメダルの投入装置100を、遊技機10のメダル投入口14の真上の位置に投入口部170が位置決めされる投入位置にセットする。投入装置100の第2レール140は、第1レール110の終端側にある第1方向変換器120に対して上下方向かつ水平方向にそれぞれ揺動可能に連結されており、この第2レール140を揺動させることにより、投入口部170をメダル投入口14から離隔した真上に位置決めすることができる。
【0115】
図26(a)に示すように、投入装置100が初期状態の時には、第2レール140が第1方向変換器120の終端側より、メダル貸機20の前面壁21aに沿って下方へ垂れている収納位置にある。投入装置100を投入位置にセットする場合は、先ず図26(b)に示すように、下向きの第2レール140を前方向に引き上げるように揺動させる。図4に示すように、第2レール140の基端側は、第1方向変換器120に枢軸ネジ133bを介して揺動可能に枢支されており、第2レール140の終端側にある投入口部170の高さ位置を適宜調整することができる。
【0116】
また、第2レール140および第1方向変換器120を支持している第1レール110は、前述したように長さ方向に伸縮自在であり全長を調整することができる。さらに、第2レール140も、図6に示すように、上流側レール140aに対して下流側レール140bを長手方向に相対的に移動させることにより、長さ方向に伸縮自在であり全長を調整することができる。
【0117】
このように、第1レール110および第2レール140のそれぞれの全長を調整できるので、第2レール140の揺動とは別に必要に応じて、メダル貸機20に連なる投入装置100の基端側から先端側にある投入口部170までの直線距離を自在に調整することができ、よりいっそうと遊技機10のメダル投入口14に合わせた最適な位置調整が可能となる。
【0118】
図26(b)において、前方向に引き上げた第2レール140および投入口部170は、続いて図26(c)に示すように、遊技機10の方向(図中で左側)へ向けるように水平方向に揺動させる。第2レール140は、図6に示す第1方向変換器120の筒状流入部121に対する筒状回動部130の回動(メダルの面の向きの角度調整)に伴なって、筒状回動部130の軸芯134(図7参照)を回動中心として水平方向に揺動可能となっている。
【0119】
このような第2レール140の揺動による位置決め後に、図26(d)に示すように、第2レール140の終端側に連なる第2方向変換器150を、これに連結されている投入口部170から落下するメダルの向きが遊技機10のメダル投入口14の向きに合致する状態に位置決めする。すなわち、図12に示すように、投入口部170をメダル投入口14の真上に離隔した位置に合わせてから、さらに投入口部170を、第2方向変換器150の流入部151に対する回動部160の回動(メダルの面の向きの角度調整)に伴なって回動させる。
【0120】
それにより、投入口部170における横長の下端出口172の向き(投入口部170から落下するメダルの向き)を、メダル投入口14の向きと正確に合致させることができる。以上の一連の操作により、投入装置100は投入位置にセットされる。かかる投入位置においては、図12に示すように、投入口部170の下端出口172がメダル投入口14に接触しないで対向し、投入口部170から落下するメダルは、下端出口172の前側の前方ガイド173とメダル投入口14の後側の案内壁14aとの間に挟まれ、確実にメダル投入口14内に投入される。
【0121】
図26(d)に示すように、投入装置100が投入位置にセットされると、メダル貸機20内の揚送機構50により揚送されたメダルは、投入装置100によって遊技機10のメダル投入口14に案内される。メダルの購入後は、投入装置100が遊技者の遊技動作の妨げとならないように、投入装置100を図26において、今度は(d),(c),(b),(a)の順番で使用しない時の収納位置に戻すようにセットすればよい。投入装置100が収納位置にセットされると、第2レール140および投入口部170がメダル貸機20の前面壁21aに沿って下方へ垂れる初期状態となり、遊技の邪魔になることがない。
【0122】
図27は、投入装置100の遊技機10およびメダル貸機20に対する相対的な位置関係を示しており、同図(a)は、収納位置から投入口部170を前方向に引き上げた時の状態(図26(b)に相当)を示す平面図であり、同図(b)は、同状態の側面図である。また、同図(c)は、投入装置100を格納位置にセットした時の状態(図26(d)に相当)を示す平面図であり、同図(d)は、同状態の正面図である。
【0123】
図27からも明らかなように、本実施の形態に係る遊技機10は、メダル投入口14の高さ位置が遊技機10の下面から離れた比較的低い位置にあるので、前述したように投入口部170は、上下方向に延びる形状に成形されている。また、メダル投入口14の方向は、遊技機10の前面壁10aに対して平行ではなく傾くように開口している。
【0124】
次に、投入位置にセットされた投入装置100におけるメダルの流れについて説明する。図1において、メダル貸機20の内部で揚送機構50により1枚ずつ起立姿勢で揚送されたメダルは、起立姿勢のまま先ず第1レール110に受け入れられる。この第1レール110の傾斜によって、メダルは1枚ずつ自重で転動し、メダル貸機20の外部へ案内される。
【0125】
第1レール110の終端側に至ったメダルは、該終端側に連結されている第1方向変換器120によって、起立姿勢のまま面の向きが変換される。ここでメダルの面の向きを変換する方向は、次述する第2レール140が遊技機10のメダル投入口14へ向かう方向となる。
【0126】
詳しく言えば、第1レール110の終端に至ったメダルは、図7に示すように、第1方向変換器120の筒状流入部121の導入ガイド122に導かれ、筒状回動部130の上端入口131に起立姿勢のまま流入する。筒状回動部130の上端入口131に流入したメダルは、一対の保持壁138によって両面側から支えられることで起立姿勢に保持され、筒状回動部130の中空内側132を軸芯134に沿って落下する。
【0127】
このとき、メダルの周縁下部が滑台部137a上を滑ることで、メダルは、筒状回動部130の軸芯134を中心にして螺旋方向に滑落しつつ面の向きが変換される。このように、第1方向変換器120により面の向きが変換されて排出されたメダルは、そのままの面の向きかつ起立姿勢で、今度は第2レール140によって水平方向に案内される。第2レール140も傾斜しており、メダルは1枚ずつ自重で転動する。
【0128】
図4および図5に示すように、第1レール110および第2レール140は、メダルの下縁側が転動可能に嵌合しメダルの上縁側がはみ出す溝状断面形であるから、遊技中にメダル詰まりが生じた場合には、レール110,140上に露出したメダルの上縁側をつまみ出すことで、容易にメダルを排除することができる。また、レール110,140上には、開閉可能なカバー蓋111,141があるので、通常時にはカバー蓋111,141を閉じておくことで、メダルの通過に対して外から力が加わったり異物が侵入することを未然に防ぐことができる。
【0129】
図1において、第2レール140の終端側に至ったメダルは、該終端側に連結されている第2方向変換器150によって、再び起立姿勢のまま面の向きが変換される。ここでメダルの面の向きを変換することにより、投入口部170を遊技機10のメダル投入口14の向きに合致させることができる。
【0130】
第2方向変換器150により面の向きが変換されて排出されたメダルは、そのままの面の向きかつ起立姿勢で、第2方向変換器150に連結されている投入口部170を介して落下し、メダル投入口14から離隔した真上の位置より該メダル投入口14へ投入される。第2方向変換器150におけるメダルの面の向きの変換は、前記第1方向変換器120の場合とほぼ同様であり重複した説明は省略するが、第2方向変換器150では、その構造上、第1方向変換器120よりもメダルの面の向きを変換可能な角度範囲が狭くなっている。
【0131】
このような第2方向変換器150によれば、その水平方向における全体の断面形状が円形ではなく、円形の一端側を弓形に切り欠いた形となるため、図27(c)に示すように、第2方向変換器150が遊技機10のメダル投入口14に近接した際に、遊技機10の前面壁10a側と干渉することを極力避けることができる。図12に示すように、特にメダル投入口14の後端縁に沿って案内壁14aが立設されているが、このような案内壁14aとぶつかって位置決めできないような事態を防ぐことができる。
【0132】
以上のメダルの投入装置100によれば、払い出されたメダルを手で掴んだり、遊技機10のメダル投入口14へ一枚ずつ投入するような手作業を一切行うことなく、容易かつ迅速に遊技開始の準備を行うことができる。しかも、投入装置100は、限られたスペース内でコンパクトに配置させることができると共に、機種やメーカー毎に異なるメダル投入口14に対応させる位置調整の自由度が大きく、しかも位置調整のみならず様々なメダル投入口14の向きにも対応でき、円滑なメダルの投入を実現することができる。
【0133】
特に、投入口部170は、図12に示すように、メダル投入口14に接続させたり接触することもなく、メダル投入口14から離隔した真上の位置より該メダル投入口14へメダルを落下させるから、投入装置100が設けられているメダル貸機20までもが、遊技機10においてメダルを貯留するための貯留部と同等の構成であるとの誤解が生じるおそれはない。
【0134】
次に、図28に示すフローチャートに沿って、メダル購入時のメダル投入処理に関する制御装置500の制御について説明する。先ず、投入装置100を前述した手順(図26参照)で、投入位置にセットする(ステップS110)。そして、メダル貸機20の紙幣投入口22に例えば1000円札を投入してメダルを購入すると(ステップS111)、金額に相当する枚数のメダルが受皿部25の固定受皿部25b(図4参照)に払い出される(ステップS112)。
【0135】
紙幣の投入に基づき受皿部25にメダルが入ると、同時にメダル投入スイッチ25eがONとなり揚送機構50が自動的に作動する(ステップS113)。ここで、投入装置100を投入位置に設定しなければ、紙幣投入口22が紙幣を受け付けないように設定すると良い。
【0136】
揚送機構50の作動により、受皿部25内のメダルは1枚ずつ起立姿勢で揚送された後、投入装置100によって遊技機10のメダル投入口14まで導かれて投入される。一般には、揚送機構50の1回の作動により50枚を上限にメダルが投入されるが、揚送機構50の作動中に、第1レール110から第2レール140に至る途中でメダルが詰まったことが通過検知センサ148により検知された場合(ステップS114でY)、制御装置500の制御によって揚送機構50の作動は停止される(ステップS118)。
【0137】
また、揚送機構50上のメダルが無くなると(ステップS115でN)、制御装置500の制御によって揚送機構50の作動は停止される(ステップS118)。また、制御装置500により揚送機構50の作動監視時間が予め定められており、この作動監視時間が経過した場合も(ステップS116でY)、制御装置500の制御によって揚送機構50の作動は停止される(ステップS118)。さらに、遊技者によりメダル投入スイッチ25eが押し下げ操作されてOFFとなった場合にも(ステップS117でY)、同じく制御装置500の制御によって揚送機構50の作動は停止される(ステップS118)。
【0138】
このようにメダル購入時には、メダルは遊技者の手に触れることなく、遊技機10のメダル投入口14に自動的に投入され、そのまま遊技者は遊技を迅速に開始することができる。なお、メダルの投入が完了した後、投入装置100を前述した手順(図26参照)で、第2レール140を動かし、第1方向変換器120の終端側よりメダル貸機20の正面側に沿って下方へ垂れる状態に揺動させることで、使用しない時の元の収納位置に戻せば、投入装置100が遊技の邪魔になることがない。
【0139】
図1に示す遊技機10においては、メダルがメダル投入口14に投入されることで、可変表示部12で表示遊技を実行する権利が付与される。遊技者によってスタートレバー13aが押し下げ操作されると、可変表示部12において3つのリールの回転が一斉に開始され、3つのストップボタン13bが遊技者によって押し下げ操作されると、各リールの回転がそれぞれ個別に停止する。この可変表示部12における表示結果が予め定められた特定表示態様になると、貯留部15に所定数のメダルが払い出される。貯留部15に払い出されたメダルは遊技者の所有となり、景品交換に用いたり、再び遊技に用いることができる。
【0140】
次に、図29に示すフローチャートに沿って、賞出メダル継ぎ足し時のメダル投入処理に関する制御装置500の制御について説明する。最初に、投入装置100を前述した手順(図26参照)で投入位置にセットしておく(ステップS120)。そして、遊技機10から遊技により賞出されたメダルで遊技を行う時、遊技機10の貯留部15にあるメダルを手で掴み、図24に示すように、メダル貸機20の使用位置にある受皿部25にメダルを移し入れる(ステップS121)。受皿部25の可動受皿部25aに受け入れられたメダルは、可動受皿部25aにおける底面部の傾斜面を滑り落ち、揚送機構50の下端側に連なる送出機構30へと送られる。
【0141】
所定操作として、メダル投入スイッチ25eを押し下げ操作してONにすると(ステップS122でY)、投入装置100上にてメダル詰まりを通過検知センサ148により検知されることなく(ステップS123でN)、揚送機構50上にメダルが有ることを条件に(ステップS124でY)、揚送機構50が作動する(ステップS125)。揚送機構50の作動により、受皿部25内のメダルは1枚ずつ起立姿勢で揚送された後、投入装置100によって遊技機10のメダル投入口14まで導かれて投入される。
【0142】
それにより、メダル貸機20から貸し出し用に払い出されたメダルだけでなく、遊技機10から賞出されたメダルを遊技に用いる場合にも、賞出メダルを受皿部25に移し入れてメダル投入スイッチ25eを押し下げ操作するだけで、貸出メダルと同様に、投入装置100を介してメダル投入口14にメダルを直接投入することができる。
【0143】
メダル投入スイッチ25eが押し下げ操作されていない場合(ステップS122でN)、揚送機構50は作動しない(ステップS126)。このように賞出メダルを投入装置100によってメダル投入口14に投入するためには、遊技者によるメダル投入スイッチ25eの操作が前提となる。メダル投入スイッチ25eは、図23(a)に示すように、受皿部25が使用位置にある時に表出し、同図(b)に示すように、受皿部25が格納位置にある時に隠蔽される位置にある。
【0144】
このようなメダル投入スイッチ25eの配置によれば、遊技者は受皿部25が使用位置にある時に受皿部25内にメダルがあることを確認した上で、メダル投入スイッチ25eを押し下げ操作することになり、意図しない揚送機構50の誤作動を防止することができる。さらにまた、投入装置100を投入位置に設定しなければ、メダル投入スイッチ25eがONとならないように設定しても良い。
【0145】
また、揚送機構50の作動中に、投入装置100をメダルが通過していないことが通過検知センサ148により検知された場合(ステップS123でY)や、揚送機構50上のメダルが無くなった場合(ステップS124でN)は、揚送機構50の作動は停止する(ステップS126)。
【0146】
それにより、投入装置100においてメダル詰まり等の不具合が生じた際には、揚送機構50の余分な作動を自動的に停止させることができる。なお、メダル詰まり等を理由に揚送機構50の作動が自動的に停止された場合には、制御装置500によって、遊技場の管理者にブザーやランプ点灯等により報知するように設定すると良い。
【0147】
さらにまた、揚送機構50が作動中であるにも関わらず、前記投入装置100が投入位置から外れた場合には、揚送機構50の作動を停止させる制御を行うと良い。それにより、揚送機構50の作動中に不用意に第2レール140や投入口部170の位置がずれてしまったような時には、投入口部170からメダルがこぼれ落ちる事態を防止することができる。
【0148】
ところで、揚送機構50の下端側を、受皿部25の底面奥側である固定受皿部25bと連通する位置に配置し、機本体21に投入された金額に相当するメダルの払い出しを、揚送機構50の下端側に向けて行うようにしたから、機本体21内で払い出された貸出メダルに関しては、受皿部25側から揚送機構50の下端側までのメダルの供給経路が簡略化され、貸出メダルをより効率良く迅速に揚送させることができる。また、可動受皿部25aの底面部に、使用位置にある時にメダルを自重により揚送機構50の下端側へ導く傾斜面を形成したので、動力を用いることなく自然に受皿部25内のメダルを揚送機構50の下端側へ随時送り出すことができる。
【0149】
このように本実施の形態に係るメダル貸機20によれば、機本体21の前面壁21aにメダルの受皿部25が設けられており、この受皿部25には、メダル貸機20に投入された金額に相当するメダルが払い出されるほか、遊技機10から遊技により賞出されたメダルを遊技に使用する際に移し入れることができる。すなわち、受皿部25内にあるメダルであれば、金額相当分だけ払い出された貸出メダルも、遊技機10から賞出されて遊技者が移し入れた賞出メダルも、両方とも区別することなく揚送機構50により揚送することができる。
【0150】
それにより、貸出メダルおよび賞出メダルを1つだけの受皿部25に集中的に受け入れることができ、さらに、揚送機構50および投入装置100による一連のメダルの搬送によって、メダルを一枚ずつメダル投入口14へ投入する手作業も不要となり、メダル貸機20における受皿部25に関する部品点数をなるべく減らして、製造コストを低減することができると共に、遊技に用いるメダルを容易にメダル投入口14へ投入することができる。
【0151】
受皿部25は開口面積が大きいほど、より多くのメダルを受け入れることができるが、構造が嵩張ることによって、省スペース化の要請に反したり、遊技機10の前面扉を開く際に干渉するおそれがある。かかる観点に鑑みて受皿部25を、外壁側より前方に張り出して開口する使用位置と、外壁側に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置とに揺動可能に設けたことにより、使用しない時には邪魔にならないようにコンパクトに収納することができる。
【0152】
また、図1および図2に示すように、メダル貸機20の機本体21を、受皿部25が使用位置にある時に該受皿部25の開口前端が、機本体21に隣接して配された遊技機10の前面壁10aと略同一の前後位置に合致するように配置している。これにより、遊技者は遊技機10の前面壁10aにあるメダルの貯留部15からメダルを取り出し受皿部25に移し入れる際に、手を前後方向に大きく動かす必要がなく、楽にメダルを移し変えることができる。
【0153】
ところで、メダル貸機20に隣接する遊技機10で、例えばメダル詰まり等の不具合が生じた場合、通常は遊技機10の前扉を開いて対処することが必要となる。この時、前述したように配置された受皿部25が遊技機10の前扉を開く動作に支障をきたすおそれがあるが、受皿部25を格納位置(図23(b))に揺動させることにより、隣接する遊技機10の前扉が受皿部25に当たることがなくなり、遊技機10の前扉を何ら支障なく開閉することが可能となる。
【0154】
次に、メダル貸機20において受皿部25内のメダルが揚送されるまでのメダルの流れについても補足する。前述した貸出メダルや賞出メダルは、受皿部25の固定受皿部25bが連通している収容部材32内に導かれる。駆動機構の電動モータ320が駆動すると、送出機構30および揚送機構50が同期して作動し、先ず送出機構30では、収容部材32内の送り部材35が回転する。
【0155】
送出機構30の駆動について詳しく言えば、図21および図22において、電動モータ320の出力歯車321が回転すると、2段組平歯車301、2段組平歯車302、2段組平歯車303、平歯車304、平歯車308、平歯車309、および平歯車310が回転する。平歯車310の回転は、平歯車311、平歯車312を介して、平歯車313を回転させる。平歯車313の軸313aは、送出機構30の送出回転軸となっており、その軸313aの回転によって、送り部材35(図13参照)が回転する。
【0156】
図13,図16において、送り部材35が収容部材32内で回転すると、メダルMは、送り部材35の上面側から送出用孔36に1枚ずつ取り入れられ、送り部材35の下面側に移動し、下面側の送出用爪37で次々に送り出される。メダルMは、送出用爪37によって直接的に起立機構40に送り出されるようにしても良いが、本実施の形態では、メダルMは、送出用爪37によってある程度まで送り出されて、カウント部材38によって起立機構40に送り出されるようになっている。また、カウント部材38は付勢力で原位置A1に戻るようになっている。
【0157】
送出用爪37によって送り出されるメダルMは、カウント部材38に当接し、カウント部材38を押す。メダルMの押圧力が付勢力に対して優ると、メダルMは、カウント部材38を原位置(図13に示すA1位置)から変位させる。メダルMは送出用爪37によってさらに送り出され、カウント部材38をさらに押し、カウント部材38は図13に示す揺動位置A2に変位する。やがて、メダルMの押圧力に対して付勢力が優るようになると、カウント部材38を原位置A1に戻すようになる。カウント部材38を原位置A1に戻すことによって、メダルMは、カウント部材38に押し出されて、起立機構40に送り出される。
【0158】
カウント部材38の動きによりメダルMの通過を検出することができる。図17において、メダルMの通過は近接スイッチ38e、38fで検出することができる。近接スイッチ38e、38fは、カウント部材38の被検出用突起38gの動きを検知する。被検出用突起38gの動きを近接スイッチ38e、38fで検知しない時、メダルMの通過がないので、電動モータ320の駆動を停止することができる。それにより、メダルMのない状態で駆動し続けるメダルMの空送りを防止することができる。
【0159】
また、メダルMは、その径の大きさに応じてカウント部材38を原位置A1から大きく変位させる。近接スイッチ38e、38fは、共にカウント部材38の被検出用突起38gの動きを検知すれば、大径のメダルMであることを検出し、近接スイッチ38eのみがカウント部材38の被検出用突起38gの動きを検知すれば、小径のメダルMであることを検出する。メダルMは、被検出用突起38gの動き量、すなわち、カウント部材38の原位置A1から変位する量に基づいて選別される。メダルMは、所定径以外の異径のものであれば、カウント部材38で選別され、選別されたメダルMのサイズが確認される。
【0160】
次に、起立機構40では、送出機構30から送られたメダルMの周縁が、図19に示すよう部分的に中間姿勢保持部42に落とし込まれる。それにより、メダルMは、倒伏姿勢と起立姿勢との間の姿勢である中間姿勢になって保持される。中間姿勢に保持されたメダルMは、起立機構40の羽根部材41で掻き上げられて、揚送機構50の垂直ガイド部材51へ案内される。
【0161】
起立機構40の駆動について詳しく言えば、図21および図22において、電動モータ320の出力歯車321が回転すると、前述したように2段組平歯車301、2段組平歯車302、2段組平歯車303、平歯車304が回転する。平歯車304の回転は、平歯車308、平歯車309を介して、平歯車310を回転させる。平歯車310の軸310aは、図19に示すベベルギア314の軸ともなっている。従って、平歯車310が回転すると、軸310aと一体となっているベベルギア314が回転し、このベベルギア314と噛合するベベルギア315が回転する。
【0162】
図19において、ベベルギア315が回転すると、それに噛合する平歯車316が回転する。平歯車316が回転すると、それに噛合する平歯車317が回転する。平歯車317が回転すると、平歯車318が回転する。平歯車318の軸318aは、起立機構40の起立回転軸となっており、その軸318aの回転によって、羽根部材41が回転する。
【0163】
メダルMを羽根部材41によって垂直ガイド部材51へ掻き上げた時に、羽根部材41の羽先部41aによって下方から支えるメダルMの周縁と、メダルMを下方から押し上げるためにスクリュー部材52の突条54によって下方から支えるメダルMの下縁との位置を別々にしていることで、また、羽根部材41の回転とスクリュー部材52の回転とのタイミングをとることで、メダルMは、スクリュー部材52の突条54によって十分に支えられた後に、羽根部材41から外れるようになり、メダルMは、羽根部材41または突条54の少なくとも一方で必ず支えられているので、起立機構40から揚送機構50へ確実に送られる。
【0164】
次に、揚送機構50の垂直ガイド部材51に送られるメダルの流れについて説明する。 メダルは、スクリュー部材52の螺旋状の突条54に乗せられていて、スクリュー部材52が回転すると、その突条54に沿って進むことで、1枚ずつ押し上げられる。メダルは、メダルの面をスクリュー部材52の回転軸53に向けた起立姿勢に保持されながら垂直方向に案内される。このとき、メダルの周縁は、垂直ガイド部材51の両側端によりメダルの面方向に対し平行な方向で両方向から挟まれるようになっている。
【0165】
揚送機構50の駆動について詳しく言えば、図21および図22において、電動モータ320の出力歯車321が回転駆動すると、その出力歯車321に噛合する2段組平歯車301の下方にある平歯車301bが回転し、それに伴って平歯車301bと一体となっている平歯車301aが回転する。平歯車301aが回転すると、それに噛合する2段組平歯車302の上方にある平歯車302aが回転し、それに伴って平歯車302aと一体となっている平歯車302bが回転する。
【0166】
平歯車302bが回転すると、それに噛合する2段組平歯車303の上方にある平歯車303aが回転し、それに伴って平歯車303aと一体となっている平歯車303bが回転する。平歯車303bが回転すると、それに噛合する平歯車304が回転する。この平歯車304の回転は、平歯車305、平歯車306を介して、平歯車307を回転させる。平歯車307の軸307aは、揚送機構50の揚送回転軸、すなわちスクリュー部材52の回転軸53と一体に固結されており、回転軸53の回転によって、スクリュー部材52が回転する。
【0167】
スクリュー部材52の回転によりメダルが垂直方向に案内される時、メダルMの下縁は、スクリュー部材52の突条54に乗るような形になっているので、メダルMは、スクリュー部材52の突条54から外れることなく、スクリュー部材52を回転することで1枚ずつ押し上げられ、確実に揚送される。メダルは、起立姿勢を保持されながら垂直ガイド部材51の上端側に揚送される。揚送されたメダルは、揚送機構50の上端にあるメダル排出部55から外部に排出され、そのまま前記投入装置100の第1レール110に導入されることになる。
【0168】
図30は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態は、前記投入装置100における投入口部170Aの構成が第1実施の形態における投入口部170とは異なるものであり、投入口部170Aは、ストッパ180と位置決め部材190とを有している。図30(a)は、投入口部170Aの正面図であり、同図(b)は、投入口部170Aのストッパ180を省いた状態のA−A線の断面図であり、同図(c)は、同じくストッパ180を省いた状態の平面図である。
【0169】
図30に示すように、投入口部170Aは、メダルを1枚ずつ通過させる通路を内部に備えた口部本体171と、この口部本体171の下端出口172の前端縁より下方へ延出した前方ガイド173と、下端出口172の後端縁より下方へ延出した後方ガイド174とから成る。これらの構成は、前記第1実施の形態の投入口部170と同種のものであり、重複した説明を省略する。
【0170】
口部本体171の一側端側にストッパ180が設けられている。このストッパ180は、遊技者の操作により投入口部170Aの下端出口172を塞ぐことで、投入装置100におけるメダルの通過を阻止するものである。ストッパ180は、口部本体171の内側に一体成形された軸部175により回動可能に枢支される。
【0171】
ストッパ180の一端側にある操作部181を上下に押し引きすることで、他端側の揺動端となる係止部182を、図30(a)に示すように下端出口172を塞がない位置と、図中時計方向に回動し、下端出口172を塞ぎメダルの通過を阻止する位置とに回動できるようになっている。軸部175を中心とするストッパ180の外周縁には、第1溝183と第2溝184とが互いに離れた位置に凹設されており、口部本体171の内壁面には、第1溝183と第2溝184とに選択的に係脱可能に嵌合する凸部176が設けられている。
【0172】
ストッパ180の第1溝183に凸部176が係合することにより、ストッパ180は、図30(a)に示す下端出口172を塞がない位置に保持され、一方、ストッパ180の回動に伴ない第2溝184に凸部176が係合することで、ストッパ180は、下端出口172を塞ぐ位置に保持されるように設定されている。なお、凸部176と第1溝183と第2溝184との係脱は、素材である合成樹脂の弾性変形により実現可能となっている。
【0173】
また、口部本体171の背面側(後方ガイド174がある側)には、上下方向に出没自在な位置決め部材190が設けられている。位置決め部材190は、投入口部170Aをメダル投入口14から離隔した真上の位置、かつメダル投入口14の向きに合致する状態(図12参照)に位置決めする際に用いるものであり、具体的には例えば矩形状の金属薄板から成り、その中央に上下方向に延びるガイド溝191が穿設されている。
【0174】
口部本体171の背面側には、位置決め部材190の両側端縁を挟持して位置決め部材190を上下方向に移動可能に支える一対の支持ブラケット177が設けられている。各支持ブラケット177の間には、位置決め部材190のガイド溝191に対して相対的に移動可能に嵌合する凸部178が設けられている。
【0175】
位置決め部材190は、投入口部170Aをメダル投入口14から離隔した真上の位置、かつメダル投入口14の向きに合致する状態に位置決めする際、図30(a)において、下方へ突出してメダル投入口14の周辺にある案内壁14a(図12参照)の後面に当接させる位置P1と、投入口部170Aの位置決め終了後、上方へ没入させてメダル投入口14の周辺から離脱させた位置P2とに移動させることができるようになっている。
【0176】
以上のような第2実施の形態によれば、遊技機10のメダル投入口14の内部で万一メダルが詰まった場合、メダルがメダル投入口14まで上昇し新たなメダルを受け入れなくなるが、この時にストッパ180によってメダルの通過を阻止してから、遊技機10にあるキャンセルスイッチ等を操作すること等により、メダル投入口14の内部のメダル詰まりを解消した後に、ストッパ180によるメダルの通過阻止を解除すれば良い。
【0177】
また、投入口部170Aを投入位置にセットする際に、前述したように位置決め部材190を下方へ突出させてメダル投入口14の案内壁14aの後面に当接させることにより、投入口部170Aをより迅速かつ容易にメダル投入口14に対して正確に合致した位置に合わせることができる。そして、投入口部170Aの位置決め終了後は、位置決め部材190を上方へ没入させてメダル投入口14の周辺から離脱させることにより、投入口部170Aとメダル投入口14とが互いに接続されていない離隔した状態を保つことができる。
【0178】
図31〜図34は、本発明の第3実施の形態を示している。
本実施の形態は、前記投入装置100における第1レール110Aの構成が前記第1実施の形態における第1レール110とは異なり、さらに、前記第2レール140を、前記第1方向変換器120の終端側に対して上下方向かつ水平方向にそれぞれ微細に位置調整可能な状態で保持する保持機構200を有している。
【0179】
図31は、第2レール140が保持機構200によって支持されずに収納位置にある状態を示している。また、図32(a)は、第2レール140が保持機構200によって支持され、投入位置において上下方向に微細に位置調整する状態を示し、同図(b)は、同じく投入位置において水平方向に微細に位置調整する状態を示している。さらに、図33および図34は、保持機構200を拡大して示すものである。
【0180】
図31に示すように、第1レール110Aは、メダル貸機20に固設される基端側から前方へ延出して下方に傾斜する先端側にかけて一体成形されており、その全長の長さは調整できないように構成されている。この第1レール110Aの先端側の下端部に、保持機構200の固定部位であるベースブラケット210がネジにより一体的に固設されている。図33に示すように、保持機構200は、ベースブラケット210と、このベースブラケット210に対して水平方向に位置調整可能に取り付けられた水平可動部材220と、さらに水平可動部材220に対して上下方向に位置調整可能に取り付けられた上下可動部材230とから成る。
【0181】
ベースブラケット210の底面部211は、第1方向変換器120の下端に連結されている第2レール140の基端側の直ぐ下の位置に配され、この底面部211の下面側に、水平可動部材220が前記第1方向変換器120の軸芯134と同軸の枢支ネジ212を介して水平方向に揺動可能に取り付けられている。図34に示すように、水平可動部材220には、枢支ネジ212を中心とする円弧形のガイド溝221が穿設され、このガイド溝221に、ベースブラケット210の底面部211に固設された係合ネジ222が相対的に移動可能に嵌合している。
【0182】
ベースブラケット210の底面部211の一端側には、下方へ延びる支持片213が突設され、この支持片213と対向するように水平可動部材220の一端側にも、同様に下方へ延びる支持片223が突設されている。これらの支持片213と支持片223は、水平調整ネジ214によって、固定側である支持片213に対して支持片223が押し引き可能に連結されている。
【0183】
すなわち、水平調整ネジ214を正逆方向に回転させることにより、水平可動部材220全体が枢支ネジ212を回転中心として、前記係合ネジ222がガイド溝221に案内される角度範囲内で揺動するように構成されている。水平調整ネジ214にはコイルバネ215が巻き付けられており、コイルバネ215によって、水平可動部材220は図34(a)で反時計方向に付勢されている。
【0184】
ここで、水平調整ネジ214の直線運動を水平可動部材220の揺動運動に変換する関係上、水平調整ネジ214には遊びが必要となるが、本実施の形態では図33(b)に示すように、支持片213において水平調整ネジ214が貫通するネジ孔213aが必要な遊び分だけ延びた長円形に穿設されている。このように本実施の形態では、支持片213に水平調整ネジ214の遊びを設定したが、他に例えば、水平調整ネジ214が螺合する支持片223を遊び分だけ若干移動可能に水平可動部材220側に設けるようにしても良い。
【0185】
上下可動部材230は、水平可動部材220と平行に配される水平部231と、水平部の一端より垂直に立ち上がる垂直部232とから成り、このうち水平部231が、前記水平可動部材220に垂直方向に螺合する上下調整ネジ233によって押し引き可能に連結されている。また、垂直部232には上下方向に延びるガイド溝234が穿設され、このガイド溝234に、水平可動部材220の一端側に突設された係合片224が相対的に移動可能に嵌合している。
【0186】
上下調整ネジ233を正逆方向に回転させることにより、上下可動部材230全体が水平可動部材220に対して上下方向に移動し、係合片224がガイド溝234に案内される距離範囲内で位置調整できるように構成されている。上下調整ネジ233にはコイルバネ235が巻き付けられており、コイルバネ235によって、水平可動部材220に対して上方向に付勢されている。このような上下可動部材230の垂直部232における上端縁側に、前記第2レール140の基端側を係合させるための取付部236が設けられている。
【0187】
以上のような第3実施の形態によれば、第2レール140を、第1方向変換器120の終端側に対して上下方向かつ水平方向にそれぞれ微細に位置調整可能な状態で保持する保持機構200を有するので、投入口部170をメダル投入口14の向きに合致する状態に位置決めしてから、さらに投入口部170の上下ないし水平方向における位置を微調整することができ、いっそう精度の高い位置決めを行うことができる。
【0188】
詳しくは図32に示すように、第2レール140を持ち上げて、この第2レール140の基端側を、保持機構200の上下可動部材230にある取付部236(図33(b)参照)に嵌合させる。そして、上下調整ネジ233を正逆方向に回転させることにより、第2レール140を直接支持する上下可動部材230は、係合片224がガイド溝234に案内される距離範囲内で水平可動部材220に対して上下方向に移動する。
【0189】
それにより、図32(a)に示すように、第2レール140は、その基端側が前記第1方向変換器120に枢支された枢軸ネジ133bを回転中心として上下方向に揺動し、投入口部170の上下方向における位置を、前記遊技機10のメダル投入口14に合わせるように微調整することができる。
【0190】
さらにまた、前記水平調整ネジ214を正逆方向に回転させることにより、水平可動部材220が上下可動部材230と共に枢支ネジ212を回転中心として、係合ネジ222がガイド溝221に案内される角度範囲内で揺動する。それにより、図32(b)に示すように、投入口部170の水平方向における位置も、前記遊技機10のメダル投入口14に合わせるように微調整することができる。
【0191】
なお、保持機構200は、取付部236に第2レール140を嵌合させた時に、そのままの状態で投入装置100が投入位置にほぼセットされるように予め設定されている。また、取付部236に対して第2レール140の基端側が強固に嵌合するように、第2レール140は、前記第1方向変換器120に対して下方向に向かうようにバネ等により付勢しておくとなお良い。
【0192】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、遊技機10をスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技機10はスロットマシンに限られず、他にメダルを遊技媒体とするものであれば何でも良い。
【0193】
また、前記第1実施の形態では、第1レール110および第2レール140の両方を、それぞれ長さ方向に伸縮自在に構成し、また、前記第3実施の形態では、第2レール140のみ長さ方向に伸縮自在に構成したが、他に第1レール110のみ長さ方向に伸縮自在に構成しても良い。ここで伸縮自在な構成は、図6に示す第2レール140の構成に限定されるものではなく、他に例えば、前記第3実施の形態で説明した第1レール110Aを長手方向に複数のブロックに分割しておき、その一部を適宜省いて接続することにより、全長を調整することも可能である。
【0194】
また、前記実施の形態では、特に図27に示すように、遊技機10におけるメダル投入口14の高さ位置が比較的低い位置にあるので、投入口部170を上下方向に延びる形状に成形したが、他の構成として、遊技機10におけるメダル投入口14の高さ位置が比較的高い位置にある場合には、投入口部170を上下方向に短い形状に成形すると良い。このように投入口部170の形状は図示したものに限定されるわけではない。
【0195】
また、前記実施の形態では、投入装置100の投入口部170を第2方向変換器150とは別体として構成したが、他の構成として、投入口部170を第2方向変換器150の回動部160における下端出口163より一体に下方に延設されるように一体成形しても良い。そうすることにより、部品点数を減らして構成を簡略化することができると共に、投入口部170の位置決め時におけるぐらつきを抑えることができる。
【0196】
さらにまた、前記第2実施の形態では、投入装置100におけるメダルの通過を阻止することができるストッパ180を投入口部170Aに設けたが、投入口部170Aではなく前記第2レール140の適所に設けて、この第2レール140においてメダルの通過を阻止するように構成しても良い。
【0197】
ところで、前記実施の形態における受皿部25では、メダルを揚送機構50の下端側へ円滑に滑らすために、図24に示すよう可動受皿部25aの底面部に急角度の傾斜面を形成する必要があり、そのために、受皿部25をある程度高い位置に設ける必要がある。しかしながら、受皿部25を高い位置に設けるほど、遊技機10にある貯留部15との高低差が大きくなり、遊技機10の貯留部15内のメダルをメダル貸機20の受皿部25に移し入れる上下方向の動作が大きくなる。
【0198】
そこで、メダルを移し入れる手作業の面倒さの解消を重視して、受皿部25内をなるべく低い位置に設けて、遊技機10の貯留部15との高低差を小さくする場合には、例えば、受皿部25の底面部に、該受皿部25が使用位置にある時に受皿部25内のメダルを動力により揚送機構50の下端側へ送り出すための搬送コンベヤを設けると良い。これにより、メダルを送り出す揚送機構50の下端側の方が、受皿部25の底面部よりも高い位置にあったとしても、確実に円滑にメダルを送り出すことができる。なお、搬送コンベヤ自体の構成は一般的であるので詳細な説明は省略する。
【0199】
このような搬送コンベヤを設けることを前提として、受皿部25の高さ位置を、遊技機10の貯留部15の高さ位置と重なるように配置させれば、遊技者は遊技機10の前面壁10aにあるメダルの貯留部15からメダルを取り出し受皿部25に移し入れる際に、手を上下方向に大きく動かす必要もなくなり、なおさら楽にメダルを移し変えることができる。
【0200】
さらに、受皿部25の底面奥側に、該受皿部25が使用位置にある時に受皿部25内のメダルの通過を許容する一方、遊技者の指の進入を阻止する隙間を備えたカバー体を設けると良い。それにより、遊技者がメダルを受皿部25に移し入れる際に、受皿部25の奥側に位置する前記搬送コンベヤや揚送機構50の下端側等の駆動機構に誤って触れてしまうことを防止することができ、安全性を確保することができる。カバー体としては、具体的には例えば、メダルが水平方向に平伏した状態で数枚程度重なっても通過できるが、指の太さには満たないような縦巾のスリットがある板等を採用すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る遊技機に隣接させて配したメダル貸機において、メダルの投入装置を投入位置にセットした状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係る遊技機に隣接させて配したメダル貸機を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機の外箱を取り外して、その内部の揚送機構や投入装置を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機の外箱を取り外して、その内部の揚送機構や投入装置を示す側面図である。
【図5】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機の外箱を取り外して、その内部の揚送機構や投入装置を示す正面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を示す正面図である。
【図7】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を構成する第1方向変換器を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を構成する第1方向変換器を筒軸に沿って破断して示す縦断面図である。
【図9】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を構成する第1方向変換器の第1筒状部材を略90度筒軸を中心にして回動させた状態を示しており、筒軸に沿って破断した断面図である。
【図10】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を構成する第1方向変換器を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を構成する第1方向変換器を筒軸に沿って破断して示す縦断面図である。
【図12】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を投入位置にセットした状態を示すものであり、(a)は、投入装置を投入位置にセットした際の投入口部とメダル投入口との位置関係を前から見た斜視図であり、(b)は、横から見た斜視図である。
【図13】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機が装備するメダルの送出機構を示す平面図である。
【図14】本発明の第1実施の形態に係るメダルの送出機構を構成する送り部材を下面側から見た斜視図である。
【図15】本発明の第1実施の形態に係るメダルの送出機構を構成する送り部材を示す底面図である。
【図16】本発明の第1実施の形態に係るメダルの送出機構において、メダルの動く様子を示す平面図である。
【図17】本発明の第1実施の形態に係るメダルの送出機構のうち特にカウント部材を示す平面図である。
【図18】本発明の第1実施の形態に係るメダルの送出機構を構成するカウント部材と近接スイッチとの関係を示す斜視図である。
【図19】本発明の第1実施の形態に係るメダルの起立機構の要部を一部破断して示す正面図である。
【図20】本発明の第1実施の形態に係るメダルの起立機構の要部を一部破断して示す側面図である。
【図21】本発明の第1実施の形態に係る動力伝達手段を示す平面図である。
【図22】本発明の第1実施の形態に係る動力伝達手段の要部を一部破断して示す側面図である。
【図23】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機における受皿部の揺動を示すものであり、(a)は、受皿部が前方に張り出して開口する使用位置を示す斜視図であり、(b)は、受皿部が立ち上がり開口が閉じる格納位置を示す斜視図である。
【図24】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機における受皿部にメダルを他から投入する状態を示す斜視図である。
【図25】本発明の第1実施の形態に係るメダル貸機および遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【図26】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置を初期状態である格納位置ないしメダル投入時の投入位置に変換する動作の流れを示すものであり、(a)は、投入装置が格納位置にある時の状態を示す斜視図であり、(b),(c)は、投入位置へセットする途中経過の状態を示す斜視図であり、(d)は、投入装置を投入位置にセットした時の状態を示す斜視図である。
【図27】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置と遊技機側のメダル投入口との位置関係を示すものであり、(a)は、投入装置が格納位置にある時の状態を示す平面図であり、(b)は、同じく格納位置にある時の状態を示す側面図であり、(c)は、投入装置を投入位置にセットした時の状態を示す平面図であり、(d)は、同じく投入位置にある時の状態を示す正面図である。
【図28】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置において、メダル購入時のメダル投入処理に関する制御装置の制御について説明するフローチャートである。
【図29】本発明の第1実施の形態に係るメダルの投入装置において、賞出メダル継ぎ足し時のメダル投入処理に関する制御装置の制御について説明するフローチャートである。
【図30】本発明の第2実施の形態に係るメダルの投入装置を構成する投入口部を示すものであり、(a)は、投入口部の正面図であり、(b)は、投入口部のA−A線断面図であり、(c)は、投入口部の平面図である。
【図31】本発明の第3実施の形態に係るメダルの投入装置を示す側面図である。
【図32】本発明の第3実施の形態に係るメダルの投入装置の保持機構による投入口部の微細な位置調整を示すものであり、(a)は、上下方向の位置調整を示す正面図であり、(b)は、水平方向の位置調整を示す平面図である。
【図33】本発明の第3実施の形態に係るメダルの投入装置の保持機構を拡大して示すものであり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図34】本発明の第3実施の形態に係るメダルの投入装置の保持機構による水平方向における位置調整を示すものであり、(a),(b)は、それぞれ水平方向における角度調整範囲を示す底面図である。
【符号の説明】
【0202】
10…遊技機
11…機本体
12…可変表示部
13a…スタートレバー
13b…ストップボタン
14…メダル投入口
14a…案内壁
15…貯留部
20…メダル貸機
21…機本体
21a…前面壁
22…紙幣投入口
23…表示部
24…補給口扉
25…受皿部
25a…可動受皿部
25b…固定受皿部
25c…枢軸
25d…取付板
25e…メダル投入スイッチ
26…識別装置
27…ホッパー
28…計数器
28a…排出樋
30…送出機構
31…ベース盤
31A…筐体
32…収容部材
33、34…凸部
35…送り部材
35a…周縁
35b…逃げ溝
35c…フランジアップ部
36…送出用孔
36a…周縁
37…送出用爪
37a…環状部
37b…凸部
38…カウント部材
38a…バネ部材
38b…ブラケット
38c…ベアリング
38d…枢軸
38e、38f…近接スイッチ
38g…被検出用突起
39…調整部材
40…起立機構
41…羽根部材
41a…羽先部
42…中間姿勢保持部
42a…嵌入溝
42b…円弧状溝
50…揚送機構
51…垂直ガイド部材
52…スクリュー部材
53…回転軸
54…突条
55…メダル排出部
100…投入装置
110…第1レール
110A…第1レール
111…カバー蓋
112…枢軸
113…カバー体
120…第1方向変換器
121…筒状流入部
122…導入ガイド
122a…上部
122b…下部
123…上部カバー
123a…凹部
124…出口
125…カバー体
130…筒状回動部
130a…ストッパ
131…上端入口
132…中空内側
133…下端出口
133a…側壁部
133b…枢軸ネジ
134…軸芯
135…方向変換機構
136…姿勢保持用案内通路
137…方向変換用案内通路
137a…滑台部
138…保持壁
139…空間部
140…第2レール
140a…上流側レール
140b…下流側レール
141…カバー蓋
142…枢軸
143…カバー体
145…ネジ
146…ガイド溝
148…通過検知センサ
150…第2方向変換器
151…流入部
151a…軸受部
152…導入ガイド
152a…上部
152b…下部
153…上部カバー
153a…長溝
154…出口
160…回動部
160a…軸部
161…上端入口
162…中空内側
163…下端出口
164…軸芯
165…方向変換機構
166…姿勢保持用案内通路
167…方向変換用案内通路
167a…滑台部
168…保持壁
169…空間部
170…投入口部
170A…投入口部
171…口部本体
171a…取付部
172…下端出口
173…前方ガイド
174…後方ガイド
175…軸部
176…凸部
177…支持ブラケット
178…凸部
180…ストッパ
181…操作部
182…係止部
183…第1溝
184…第2溝
190…位置決め部材
191…ガイド溝
200…保持機構
210…ベースブラケット
211…底面部
212…枢支ネジ
213…支持片
214…水平調整ネジ
215…コイルバネ
220…水平可動部材
221…ガイド溝
222…係合ネジ
223…支持片
224…係合片
230…上下可動部材
231…水平部
232…垂直部
233…上下調整ネジ
234…ガイド溝
235…コイルバネ
236…取付部
301…2段組平歯車
301a…平歯車
301b…平歯車
302…2段組平歯車
302a…平歯車
302b…平歯車
303…2段組平歯車
303a…平歯車
303b…平歯車
304…平歯車
305…平歯車
306…平歯車
307…平歯車
307a…平歯車307の軸
308…平歯車
309…平歯車
310…平歯車
310a…平歯車310の軸
311…平歯車
312…平歯車
313…平歯車
313a…平歯車313の軸
314…ベベルギア
315…ベベルギア
316…平歯車
317…平歯車
318…平歯車
318a…平歯車318の軸
320…電動モータ
321…出力歯車
500…制御装置
M…メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを用いて遊技する遊技機に隣接して配され、投入された金額に相当するメダルを払い出すメダル貸機において、
機本体の外壁側に設けられ、投入された金額に相当するメダルが払い出されると共に、前記遊技機から遊技により賞出されたメダルを受け入れる受皿部と、
前記機本体内に配され、前記受皿部より供給されたメダルを揚送する揚送機構と、
前記揚送機構により揚送されたメダルを、前記遊技機のメダル投入口まで導き投入する投入装置とを有し、
前記受皿部を、前記外壁側より前方に張り出して開口する使用位置と、前記外壁側に沿って立ち上がり開口が閉じる格納位置とに揺動可能に設けたことを特徴とするメダル貸機。
【請求項2】
前記揚送機構の下端側を、前記受皿部の底面奥側と連通する位置に配置し、
前記投入された金額に相当するメダルの払い出しを、前記揚送機構の下端側に向けて行うことを特徴とする請求項1に記載のメダル貸機。
【請求項3】
前記受皿部を、前記機本体の前面壁に設け、
前記機本体を、前記受皿部が使用位置にある時に該受皿部の開口前端が、前記機本体に隣接して配された遊技機の前面壁と略同一の前後位置に合致するように配置させたことを特徴とする請求項1または2に記載のメダル貸機。
【請求項4】
前記受皿部が使用位置にある時に表出し、前記受皿部が格納位置にある時に隠蔽される位置に、前記揚送機構を作動させるための操作用のスイッチを設けたことを特徴とする請求項1,2または3に記載のメダル貸機。
【請求項5】
前記受皿部の底面部に、該受皿部が使用位置にある時に受皿部内のメダルを自重により前記揚送機構の下端側へ導くための傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載のメダル貸機。
【請求項6】
前記受皿部の底面部に、該受皿部が使用位置にある時に受皿部内のメダルを動力により前記揚送機構の下端側へ送り出すための搬送コンベヤを設けたことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載のメダル貸機。
【請求項7】
前記受皿部が使用位置にある時の高さ位置を、前記遊技機に設けられている賞出されたメダルを直接受け入れる貯留部の高さ位置と重なるように配置したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載のメダル貸機。
【請求項8】
前記受皿部の底面奥側に、該受皿部が使用位置にある時に受皿部内のメダルの通過を許容する一方、遊技者の指の進入を阻止する隙間を備えたカバー体を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載のメダル貸機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−136403(P2006−136403A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326730(P2004−326730)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000100595)アァルピィ東プラ株式会社 (27)
【出願人】(393000836)有限会社アシスト (5)
【Fターム(参考)】