説明

メチルフェニデート溶液および関連する投与および製造方法

メチルフェニデート溶液および関連する投与および製造方法。これは、溶媒系に溶解されたメチルフェニデートおよび少なくとも1種の有機酸を含み、溶媒系は、少なくとも1種の非水性溶媒を含む。溶媒系は、水を含んでもよい。非水性溶媒は、ポリオール類およびグリコール類、並びにそれらの関連する混合物を含むことができるが、これらに限定されるものではない。香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物などの医薬添加物を、場合によりメチルフェニデート溶液に添加し得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、メチルフェニデート溶液、より具体的には、十分な化学的安定性を示し、満足のいく貯蔵寿命(shelf life)を提供する、医薬的に許容し得るメチルフェニデート溶液に関する。
【0002】
発明の背景
メチルフェニデートHCl、CASNo.298−59−9、は、主に小児の注意欠陥/多動性障害を処置するために処方される。メチルフェニデートHClは、現在、典型的には5mgまたはそれより高い用量で、固体をベースとするカプセル剤または錠剤として入手できる。カプセル剤や錠剤は再分割し難いので、固体をベースとする製剤には、固有の限界がある。従って、標準的に入手し得る用量の倍数以外の任意の用量を正確に投与するのは難しい。さらに、カプセル剤および錠剤は、一部の患者には嚥下の困難性を与える。従って、メチルフェニデートHClの液体製剤が望ましい。
【0003】
不幸なことに、メチルフェニデートHClは、常套の液体媒体中で、化学的に安定ではなかった。溶液中のメチルフェニデートHCl分解の主な経路は加水分解であり、スレオ−α−フェニル−2−ピペリジン酢酸(多量)および2−ピペリジン酢酸、α−フェニル−メチルエステル(少量)の化合物の形成をもたらす。安定性に加えて、メチルフェニデートHCl溶液は、医薬的に許容し得、許容し得る風味を有さなくてはならない。
【0004】
従って、化学的に安定で、医薬的に許容し得、かつ味のよいメチルフェニデートHCl溶液を提供するのが望ましい。
【0005】
発明の要旨
本発明の第1の態様では、メチルフェニデート溶液を開示する。この溶液は、好ましい実施態様では、治療量のメチルフェニデートHClを含む。メチルフェニデート濃度は、典型的には所望の投与体積により決定される。好ましい溶液は、約0.5mg/mlないし約5.0mg/mlの少なくとも1種の有機酸をさらに含み、それは、酸っぱさをもたらすことにより風味を高める。メチルフェニデートおよび有機酸は、少なくとも1種の非水性溶媒を含む溶媒系に溶解される。このメチルフェニデート溶液は、化学的に安定である。
【0006】
本発明の他の態様では、経口溶液としてのメチルフェニデートの投与方法を開示する。この方法には、好ましい実施態様では、治療量のメチルフェニデートHClを含有する溶液を調製すること、および、該メチルフェニデートHCl溶液を投与することが含まれる。
【0007】
これらは、本発明のほんの2つの例示的態様にすぎず、本発明に関連する無数の態様を全て包含する列挙と見なすべきではない。これらおよび他の態様は、以下の開示に照らして当業者に明らかとなるであろう。
【0008】
発明の詳細な説明
メチルフェニデートHClは、本発明で利用される好ましい主成分である。メチルフェニデートの塩酸塩形態が現在最も一般的に利用されているが、本発明は、メチルフェニデート塩基およびメチルフェニデートの医薬的に許容され得る塩を含むがこれらに限定されるものではない、いかなる治療形のメチルフェニデート化合物にも適用可能であることが理解される。
【0009】
メチルフェニデートHClの濃度は変動し得、所望の用量および体積により決定し得る。例えば、1mg/mLメチルフェニデートHCl溶液は、一匙の経口投与量につき5mgの投与量を与え、2mg/mlメチルフェニデートHCl溶液は、一匙の経口投与量につき10mgの投与量を与えるであろう。これらの濃度は、現在入手可能な2つの用量に対応するが、もっと高くすることができる。しかしながら、メチルフェニデートHClが溶液で送達されるので、非標準的用量を処方するために、用量を簡単に操作できる。溶液中のメチルフェニデートHClの濃度は、好ましくは約0.1mg/mlないし約10.0mg/mlである。
【0010】
完全に水性の溶媒系は、溶解性と安定性の問題のために、メチルフェニデートHCl溶液には適さない。従って、医薬的に許容し得る溶媒系であって、その中でメチルフェニデートHClが適切な貯蔵寿命をもたらすのに十分に安定であるものを提供する必要がある。好ましい実施態様では、溶媒系は、少なくとも約50%の非水性溶媒である。溶媒系に関して本明細書で示される割合は、断りの無い限り、溶媒系のみの重量/重量の割合である。
【0011】
溶媒系の製剤化におけるもう一つの考慮すべき点は、味である。液剤の全体的な味の特徴は、小児医学の分野で特に重要である。
【0012】
グリコール化合物は、メチルフェニデートHCl溶液の安定性を大幅に高めることが判明した。グリコールは、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールもしくは任意の他の医薬的に許容し得るポリアルキレングリコール生成物、例えば当分野で「PEG」シリーズとして知られているもの、またはこれらの混合物であり得る。PEG化合物は、それらの化学構造のアルキレン部分中に2個または3個の炭素原子を有する、平均分子量200ないし4000の化学構造として定義される。
【0013】
100%グリコール溶液は、化学的に安定なメチルフェニデートHCl溶液をもたらすであろうが、しかしながら、得られる溶液は他の問題を提示するであろう。このレベルでは、ある種のグリコール類は、もはや医薬的に許容し得ないであろう。例えば、プロピレングリコールは、許容し得る安全性のレベルを超えるであろう。さらに、味は決して望ましくないであろう。プロピレングリコールは、メチルフェニデートHClの安定性を改善する一方で、高濃度では悪い味を与える。従って、ポリエチレングリコール(以後、PEG)が、味および安定性の目的で好ましい。本発明の好ましい実施態様では、溶媒系は、約10%ないし約70%のグリコールを利用し、約10%ないし約30%がより好ましく、約10%ないし約20%が最も好ましく、約15%が最適値である。
【0014】
ポリオール化合物は、もう一つの医薬的に許容し得る非水性溶媒を提供する。許容し得るポリオール生成物には、化学構造中に2個より多いヒドロキシル基を有するもの、例えば、グリセリン、ソルビトール、または単糖、例えばグルコースおよびフルクトース、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのポリオール類は、溶液全体に甘味を与え、防腐剤として作用するという点で、付加的な特徴を有する。好ましい実施態様では、ポリオールはグリセリンである。本発明の溶媒系が含むのは、約30%ないし約70%が好ましく、約40%ないし約60%がより好ましく、約45%ないし約55%が最も好ましく、約50%が最適値である。
【0015】
溶媒系は完全に非水性であってもよいが、水の添加は溶液の味を改善する。好ましい実施態様では、溶媒系には多くて約50%の水が含まれ、約10%ないし約45%がより好ましく、約30%ないし約40%が最も好ましく、約35%が最適値である。
【0016】
本発明の化学的に安定なメチルフェニデートHCl溶液に含まれる有機酸は、好ましくは、任意の適する医薬的に許容し得る有機酸である。適する有機酸には、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。溶液の味を高める有機酸が、特に有用である。例えば、クエン酸は、味を高める酸っぱさを加え、かつ溶液の全体的安定性において役割を果たし得る。溶媒系における有機酸の濃度は、好ましくは、約0.5mg/mlないし約5.0mg/mlの範囲にあり、約0.5mg/mlないし約3.0mg/mlがより好ましく、約0.5mg/mlないし約1.5mg/mlが最も好ましく、約1.0mg/mlが最適値である。
【0017】
当業者に知られているように、さらなる医薬的に許容し得る添加物を、メチルフェニデートHCl溶液に添加してもよい。これらの添加物には、香味料、着色料、緩衝剤および保存料が含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明のメチルフェニデート溶液は、いかなる非反応性の容器に保存してもよい。ガラスおよび/またはプラスチックの容器が現在のところ好ましい。
【0018】
メチルフェニデートHCl溶液の主な分解産物は、スレオ酢酸(threoacetic acid)であり、少量の2−ピペリジン酢酸、α−フェニル−メチルエステル成分を伴う。他の少量の反応生成物も気付かれたが、統計的に無意味である。
【0019】
得られるメチルフェニデートHCl溶液は、典型的には、経口投与されるであろう。しかしながら、メチルフェニデートHCl溶液は、静脈内に、または、適切に噴霧されるなら吸入により、投与できる。さらに、本発明のメチルフェニデートHCl溶液は、ジェルキャップ(gel cap)で使用するために適合させてもよい。
【0020】
液状溶液中の治療的有効量のメチルフェニデートHClは、メチルフェニデートにより処置できる障害を有する患者に投与し得る。そのような障害には、行動傷害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、鬱病、特異的読字障害(specific dyslexias)、脳機能不全、AIDSおよびAIDS関連状態における認知力低下、老人およびアルツハイマー病患者の警戒心(alertness)が含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、液状溶液中の治療的有効量のメチルフェニデートHClを、卒中の犠牲者の回復における使用のために投与してもよい。メチルフェニデートHCl溶液は、メチルフェニデート溶液の投与に先立ち、予め定めた期間にわたり非反応性の容器中で保存してもよい。
【0021】
次の実施例で分かる通り、本発明のメチルフェニデートHCl溶液は、25℃で、そして、加速(accelerated)保存条件下でも、安定である。現在好ましい溶液はいくらかの加水分解を受けるが、推定加水分解速度は、25℃で短くても2年間の貯蔵寿命を予想するものである。
【0022】
実施例1
1.0mg/mlのメチルフェニデートHClを調製した。グリセリン、USP、630.09gおよび脱イオン水350.03gをビーカーに入れ、均一な溶液が形成されるまで撹拌した。181.45gのポリエチレングリコール1450を添加し、溶解するまで撹拌した。クエン酸、USP、2.50gを添加し、溶解するまで撹拌した。メチルフェニデートHCl、USP、1.01gを添加し、撹拌して溶解させた。ブドウ香味料を添加し、撹拌して組み込んだ。得られた製剤をHDPE容器に30mlの量で移し、誘導シーラー(induction sealer)を使用して容器を密封した。サンプルを25℃/60%RH(T1)および40℃/75%RH(T2)で保存した。サンプルをHPLCによりスレオ酢酸(TA)、2−ピペリジン酢酸、α−フェニル−メチルエステル(E1)およびメチルフェニデートについて、2、3、6および9ヶ月の間隔で分析した。サンプルをpH、色および匂いについても試験した。実施例1からのデータを、下記表1にまとめる:
【表1】

【0023】
実施例2
2.0mg/mlのメチルフェニデートHClを調製した。グリセリン、USP、630.03gおよび脱イオン水349.99gをビーカーに入れ、均一な溶液が形成されるまで撹拌した。181.50gのポリエチレングリコール1450を添加し、溶解するまで撹拌した。クエン酸、USP、2.50gを添加し、溶解するまで撹拌した。メチルフェニデートHCl、USP、2.02gを添加し、撹拌して溶解させた。ブドウ香味料を添加し、撹拌して組み込んだ。実施例1の通りに溶液を処理し、分析した。
【0024】
実施例2からのデータを、下記表2にまとめる:
【表2】

【0025】
実施例3
実施例2の通りに、3種の2.0mg/mlメチルフェニデートHCl溶液を調製し、次の組成物を得た:
【表3】

【0026】
実施例1および2の通りに、溶液を、25℃、30℃、40℃および50℃での保存後、1および2ヶ月の間隔で分析した。このデータを、下記表3にまとめる:
【表4】

【0027】
本発明を詳細に記載したので、当業者は、その精神と範囲から逸脱せずに、本発明の改変を成し得ることを理解するであろう。従って、本発明の範囲は、記載した特定の実施態様に限定されることを意図していない。むしろ、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物が本発明の範囲を定めると意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メチルフェニデート溶液であって、
メチルフェニデート;および
少なくとも1種の医薬的に許容し得る有機酸
を含み、該メチルフェニデートおよび該少なくとも1種の有機酸が溶媒系に溶解されており、該溶媒系が少なくとも1種の非水性溶媒を含む、メチルフェニデート溶液。
【請求項2】
少なくとも1種の有機酸が、メチルフェニデート溶液中に約0.5mg/mlないし約5.0mg/ml存在する、請求項1に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項3】
溶媒系がさらに水を含む、請求項1に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項4】
水が溶媒系の50%までである、請求項3に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項5】
少なくとも1種の非水性溶媒が、溶媒系の約50%ないし約100%である、請求項1に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項6】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項7】
少なくとも1種の非水性溶媒が、ポリオール化合物、グリコール化合物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項8】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物をさらに含む、請求項1に記載のメチルフェニデート溶液。
【請求項9】
メチルフェニデートHCl溶液であって、
約0.1mg/mlないし約10.0mg/mlのメチルフェニデートHCl;および
約0.5mg/mlないし約5.0mg/mlの少なくとも1種の有機酸
を含み、該メチルフェニデートHClおよび該少なくとも1種の有機酸が溶媒系に溶解されており、該溶媒系が、
約50%までの水;
約30%ないし約70%の少なくとも1種のポリオール溶媒;および
約10%ないし約70%の少なくとも1種のグリコール溶媒
を含む、メチルフェニデートHCl溶液。
【請求項10】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項11】
少なくとも1種のポリオール溶媒が、グリセリン、ソルビトール、スクロース、フルクトースおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項12】
少なくとも1種のグリコール溶媒が、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール産物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項13】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物をさらに含む、請求項9に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項14】
メチルフェニデートHCl溶液であって、
約0.1mg/mlないし約10.0mg/mlのメチルフェニデートHCl;および
約0.5mg/mlないし約3.0mg/mlの少なくとも1種の有機酸
を含み、該メチルフェニデートHClおよび該少なくとも1種の有機酸が溶媒系に溶解されており、該溶媒系が、
約10%ないし約45%の水;
約40%ないし約60%の少なくとも1種のポリオール溶媒;および
約10%ないし約30%の少なくとも1種のグリコール溶媒
を含む、メチルフェニデートHCl溶液。
【請求項15】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項16】
少なくとも1種のポリオール溶媒が、グリセリン、ソルビトール、スクロース、フルクトースおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項17】
少なくとも1種のグリコール溶媒が、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール産物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項18】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物をさらに含む、請求項14に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項19】
メチルフェニデートHCl溶液であって、
約0.1mg/mlないし約10.0mg/mlのメチルフェニデートHCl;および
約0.5mg/mlないし約1.5mg/mlの少なくとも1種の有機酸
を含み、該メチルフェニデートHClおよび該少なくとも1種の有機酸が溶媒系に溶解されており、該溶媒系が、
約30%ないし約40%の水;
約45%ないし約55%の少なくとも1種のポリオール溶媒;および
約10%ないし約20%の少なくとも1種のグリコール溶媒
を含む、メチルフェニデートHCl溶液。
【請求項20】
少なくとも1種の有機酸がクエン酸を含む、請求項19に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項21】
少なくとも1種のポリオール溶媒がグリセリンを含む、請求項19に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項22】
少なくとも1種のグリコール溶媒がポリエチレングリコールを含む、請求項19に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項23】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物をさらに含む、請求項19に記載のメチルフェニデートHCl溶液。
【請求項24】
液状溶液中のメチルフェニデートの治療的有効量を投与することを含む、メチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項25】
該メチルフェニデート溶液が溶媒系中にメチルフェニデートおよび少なくとも1種の有機酸を含み、該溶媒系が少なくとも1種の非水性溶媒を含む、請求項24に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項26】
液状溶液中のメチルフェニデートの投与が、経口投与、静脈内投与および吸入投与からなる群から選択される、請求項24に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項27】
メチルフェニデート溶液を、メチルフェニデート溶液の投与に先立ち、予め定めた期間にわたり非反応性の容器中で保存することをさらに含む、請求項24に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項28】
少なくとも1種の有機酸が、メチルフェニデート溶液中に約0.5mg/mlないし約5.0mg/ml存在する、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項29】
該溶媒系がさらに水を含む、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項30】
水が溶媒溶液の50%までである、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項31】
少なくとも1種の非水性溶媒が、溶媒溶液の約50%ないし約100%である、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項32】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項33】
少なくとも1種の非水性溶媒が、ポリオール類、グリコール類およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項34】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物を、メチルフェニデート溶液に溶解することをさらに含む、請求項25に記載のメチルフェニデートにより処置し得る障害の患者の処置方法。
【請求項35】
化学的に安定なメチルフェニデート溶液の製造方法であって、
メチルフェニデートの用量を決定すること;
該メチルフェニデートおよび約0.5mg/mlないし約5.0mg/mlの少なくとも1種の有機酸を溶媒系に溶解すること、
を含み、該溶媒系が、
約50%までの水;
約30%ないし約70%の少なくとも1種のポリオール溶媒;および
約10%ないし約70%の少なくとも1種のグリコール溶媒
を含むものである、方法。
【請求項36】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項35に記載のメチルフェニデート溶液の製造方法。
【請求項37】
少なくとも1種のポリオール溶媒が、グリセリン、ソルビトール、スクロース、フルクトースおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項35に記載のメチルフェニデート溶液の製造方法。
【請求項38】
少なくとも1種のグリコール溶媒が、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール産物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項35に記載のメチルフェニデート溶液の製造方法。
【請求項39】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物を、該メチルフェニデート溶液に溶解することをさらに含む、請求項35に記載のメチルフェニデート溶液の製造方法。
【請求項40】
メチルフェニデートHCL溶液の製造方法であって、
メチルフェニデートHCLの用量を決定すること;
該メチルフェニデートHCLおよび約0.5mg/mlないし約5.0mg/mlの少なくとも1種の有機酸を溶媒系に溶解すること、
を含み、該溶媒系が:
約10%ないし45%の水;
約40%ないし約60%の少なくとも1種のポリオール溶媒;および
約10%ないし約30%の少なくとも1種のグリコール溶媒
を含むものである、方法。
【請求項41】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項40に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項42】
少なくとも1種のポリオール溶媒が、グリセリン、ソルビトール、スクロース、フルクトースおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項40に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項43】
少なくとも1種のグリコール溶媒が、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール産物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項40に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項44】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物を、該メチルフェニデートHCl溶液に溶解することをさらに含む、請求項40に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項45】
メチルフェニデートHCl溶液の製造方法であって、
メチルフェニデートHClの用量を約0.1mg/mlないし約10mg/mlで決定すること;
該メチルフェニデートHClおよび約0.5mg/mlないし約1.5mg/mlの少なくとも1種の有機酸を溶媒系に溶解すること、
を含み、該溶媒系が、
約30%ないし40%の水;
約45%ないし約55%の少なくとも1種のポリオール溶媒;および
約10%ないし約20%の少なくとも1種のグリコール溶媒
を含むものである、方法。
【請求項46】
少なくとも1種の有機酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項45に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項47】
少なくとも1種のポリオール溶媒が、グリセリン、ソルビトール、スクロース、フルクトースおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項45に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項48】
少なくとも1種のグリコール溶媒が、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール産物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項45に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。
【請求項49】
香味料、着色料、緩衝剤、保存料およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の医薬的添加物を、該メチルフェニデートHCl溶液に溶解することをさらに含む、請求項45に記載のメチルフェニデートHCl溶液の製造方法。

【公表番号】特表2007−508313(P2007−508313A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534389(P2006−534389)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/033268
【国際公開番号】WO2005/035000
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】