説明

メッセージ画像表示装置、メッセージ画像表示装置の制御方法及びプログラム

【課題】 複数のメッセージ画像を表示する場合に、各メッセージ画像の内容をユーザが把握できるよう図ることが可能となるメッセージ画像表示装置を提供すること。
【解決手段】 表示制御部76は、複数のメッセージ画像を含む画面を表示部82に表示させる。判定部78は、メッセージ画像の少なくとも一部の表示が他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定する。表示時間決定部84は、判定部78による判定結果に基づいて、複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定する。表示制御部76は、複数のメッセージ画像の各々を表示時間決定部84によって決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメッセージ画像表示装置、メッセージ画像表示装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のメッセージ画像を表示するメッセージ画像表示装置が知られている。このようなメッセージ画像表示装置の一例としては、例えば複数のゲームキャラクタを表示するとともに、各ゲームキャラクタの表示位置に基づく位置にそのゲームキャラクタの台詞を表す吹き出し画像を表示するゲーム装置が挙げられる。
【特許文献1】特開2003−952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなメッセージ画像表示装置では、メッセージ画像の表示が他のメッセージ画像によって制限されることによって、ユーザが各メッセージ画像の内容を把握できなくなってしまう場合がある。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数のメッセージ画像を表示する場合に、各メッセージ画像の内容をユーザが把握できるよう図ることが可能となるメッセージ画像表示装置、メッセージ画像表示装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るメッセージ画像表示装置は、複数のメッセージ画像を含む画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記メッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定する表示時間決定手段と、を含み、前記表示制御手段は、前記複数のメッセージ画像の各々を前記表示時間決定手段によって決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るメッセージ画像表示装置の制御方法は、複数のメッセージ画像を含む画面を表示手段に表示させるための表示制御ステップと、前記メッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定するための判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定するための表示時間決定ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記複数のメッセージ画像の各々を前記表示時間決定ステップにおいて決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、メッセージ画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、複数のメッセージ画像を含む画面を表示手段に表示させる表示制御手段、前記メッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定する判定手段、及び、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定する表示時間決定手段、として前記コンピュータを機能させ、前記表示制御手段は、前記複数のメッセージ画像の各々を前記表示時間決定手段によって決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示することを特徴とするプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明では、複数のメッセージ画像を含む画面が表示される。各メッセージ画像の表示時間は、該メッセージ画像の少なくとも一部の表示が他のメッセージ画像によって制限されるか否かの判定結果に基づいて決定される。本発明によれば、他のメッセージ画像によって制限されるか否かの判定結果に基づいて、各メッセージ画像の表示時間が決定されるため、複数のメッセージ画像が表示される場合において、各メッセージ画像の内容をユーザが把握できるよう図ることが可能となる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記表示時間決定手段は、前記複数のメッセージ画像のうちの一のメッセージ画像の表示時間を決定する場合において、該一のメッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されると判定された場合、該他のメッセージ画像の表示時間を決定した後に、該他のメッセージ画像の表示時間に基づいて、該一のメッセージ画像の表示時間を決定するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記表示時間決定手段は、前記複数のメッセージ画像のうちの一のメッセージ画像の表示時間を決定する場合において、該一のメッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されると判定された場合、該他のメッセージ画像によって表示が制限される該一のメッセージ画像の部分の大きさにさらに基づいて、該一のメッセージ画像の表示時間を決定するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記表示時間決定手段は、前記複数のメッセージ画像のうちの一のメッセージ画像の表示時間を決定する場合において、該一のメッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの複数の他のメッセージ画像によって制限されると判定された場合、該複数の他のメッセージ画像の表示時間のうちの最も長い表示時間に基づいて、該一のメッセージ画像の表示時間を決定するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。なお、ここでは、メッセージ画像表示装置の一態様であるゲーム装置に本発明を適用した場合の例について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0015】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0016】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0017】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0018】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0019】
入出力処理部30は、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にマイクロプロセッサ14がアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0020】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0021】
DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0022】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0023】
コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期ごと(例えば1/60秒ごと)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0024】
図2はコントローラ32の一例を示す図である。同図に示すコントローラ32は汎用ゲームコントローラである。同図(a)に示すように、コントローラ32の表面には方向ボタン34、スタートボタン36、ボタン38X,38Y,38A,38Bが備えられている。また、同図(b)に示すように、コントローラ32の奥側側面には、表面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ備えられており、裏面側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ備えられている。方向ボタン34は十字形状を有しており、通常はキャラクタやカーソルの移動方向を設定するのに用いられる。スタートボタン36は三角形状を有する小型の押しボタンであり、通常はゲームのスタートやゲームの強制終了などに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは、その他のゲーム操作に用いられる。
【0025】
以上のハードウェア構成を有するゲーム装置10では、DVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることにより、プレイヤが操作対象たるプレイヤチームに属するユニット(以下、プレイヤユニットと呼ぶ。)に移動や攻撃などの指示を与え、コンピュータによって操作される敵チームに属するユニット(以下、敵ユニットと呼ぶ。)のヒットポイントを0にすることを目指すシミュレーションゲームが提供される。
【0026】
このシミュレーションゲームは、プレイヤがプレイヤユニットに指示を与えるためのターン(以下、プレイヤターンと呼ぶ。)と、コンピュータによって敵ユニットに指示が与えられるターン(以下、敵ターンと呼ぶ。)と、が交互に実行されることによって進行していく。
【0027】
プレイヤターンでは、「移動」や「攻撃」等の行動指示がプレイヤユニットに対して与えられる。具体的には、行動指示を与えるプレイヤユニット(行動指示対象プレイヤユニット)がまず選択される。そして、そのプレイヤユニットに対して、敵ユニットに対する攻撃が可能な位置まで移動するよう移動指示が与えられる。また、敵ユニットに対する攻撃が可能な位置まで移動したプレイヤユニットに対して、敵ユニットに対する攻撃を行うよう攻撃指示が与えられる。
【0028】
図3乃至図6は、プレイヤターンにおいてプレイヤユニットに対し移動指示を与える場合のゲーム画面の一例を示している。より具体的には、プレイヤユニットの移動先を決定する場合のゲーム画面の一例を示している。
【0029】
図3に示すように、ゲーム画面にはゲームフィールド画像50が表示される。また、ゲーム画面にはプレイヤユニット画像52a及び52bと、敵ユニット画像54a,54b,54c,54d,54eとが表示される。また、同図に示すゲーム画面では、プレイヤユニット画像52aの上方にマーカ画像56が表示されている。マーカ画像56は指示対象のプレイヤユニット画像を示している。すなわち、同図に示すゲーム画面では、プレイヤユニット画像52aが移動指示対象となっている。言い換えれば、同図に示すゲーム画面は、プレイヤユニット画像52aの移動先を決定するための画面となっている。また、ゲーム画面には移動可能範囲案内画像58が表示される。移動可能範囲案内画像58は、ゲームフィールド画像50に重ねて表示され、移動指示対象のプレイヤユニット画像52aを移動させることが可能な範囲を案内する役割を果たしている。さらに、ゲーム画面にはカーソル画像60が表示される。カーソル画像60は、方向ボタン34に対する操作に応じてゲームフィールド画像50上を移動する。図3に示すゲーム画面において、プレイヤは方向ボタン34を操作することにより、プレイヤユニット画像52aの移動先位置候補にカーソル画像60を移動させる。
【0030】
プレイヤがカーソル画像60を移動させると、例えば図4に示すようなゲーム画面が表示される。同図に示すゲーム画面では、吹き出し画像62a,62b,62c,62eが表示されている。吹き出し画像62aは敵ユニット画像54aに対応する吹き出し画像である。同様に、吹き出し画像62b,62c,62eは敵ユニット画像54b,54c,54eに対応する吹き出し画像である。なお、同図の例では、敵ユニット画像54dには吹き出し画像が対応づけられていない。
【0031】
吹き出し画像は、1)移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から攻撃不可能な敵ユニットであって、次の敵ターンにおいて移動先位置候補(より正確には、該移動先位置候補に位置するプレイヤユニット)に対して攻撃可能な敵ユニット、または、2)移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から攻撃可能な敵ユニット、に対応づけて表示される。
【0032】
例えば、前者の敵ユニットに対応する吹き出し画像では、吹き出し内に「こちらの間合いだ」等の台詞が表示される。
【0033】
また例えば、後者の敵ユニットのうちの「移動指示対象プレイヤユニットからの攻撃を受けてもヒットポイントが0にならないことが予想され、かつ、次の敵ターンにおいて移動先位置候補(より正確には、該移動先位置候補に位置するプレイヤユニット)に対して攻撃可能な敵ユニット」に対応する吹き出し画像では、吹き出し内に「反撃してやる」等の強気の感情を表す台詞が表示される。この場合、吹き出し画像の吹き出し形状も強気の感情を表す形状となる。
【0034】
また例えば、後者の敵ユニットのうちの「移動指示対象プレイヤユニットからの攻撃を受けてもヒットポイントが0にならないことが予想され、かつ、次の敵ターンにおいて移動先位置候補に対して攻撃不可能な敵ユニット」に対応する吹き出し画像では、吹き出し内に「耐えてみせる」等の台詞が表示される。
【0035】
さらに例えば、後者の敵ユニットのうちの「移動指示対象プレイヤユニットからの攻撃を受けたらヒットポイントが0になることが予想される敵ユニット」に対応する吹き出し画像では、吹き出し内に「助けて」等の弱気の感情を表す台詞が表示される。この場合、吹き出し画像の吹き出し形状も弱気の感情を表す形状となる。
【0036】
この吹き出し画像が表示されることにより、移動指示対象プレイヤユニット(プレイヤユニット画像52a)を移動先位置候補に移動させたとしたら「どの敵ユニットに対して攻撃を行うことができるか」、「その攻撃によって敵ユニットのヒットポイントを0にすることができるか」や「次の敵ターンにおいてどの敵ユニットから攻撃を受ける可能性があるか」等を、プレイヤが吹き出し画像の内容及び形状から一見して把握できるようになっている。すなわち、プレイヤユニットの移動先位置を決定するのに必要な情報をプレイヤが比較的簡易に取得できるようになっている。
【0037】
なお、図4に示すゲーム画面では、吹き出し画像62a,62b及び62cには他の吹き出し画像が重なって表示されており、その内容が見難くなっている。この点、ゲーム装置10では、同図に示す状態のまま、すなわち方向指示操作によってカーソル画像60の位置が更新されることなく、所定時間が経過すると、図5に示すように、他の吹き出し画像が重ねられていない吹き出し画像62eが消えるようになっている。その後、図5に示す状態のまま所定時間がさらに経過すると、他の吹き出し画像が重ねられていない吹き出し画像62cが消えるようになっている。同様に、その状態のまま所定時間がさらに経過すると、他の吹き出し画像が重ねられていない吹き出し画像62bが消えるようになっている。このように、ゲーム装置10では、ゲーム画面の手前に表示される吹き出し画像から順に消えるようになっており、プレイヤが各吹き出し画像の内容を把握できるようになっている。
【0038】
図4や図5に示すゲーム画面において、所定の決定操作(例えば、ボタン38Aの押下操作)が行われると、その時点における移動先位置候補(すなわち、その時点においてカーソル画像60が指し示す位置)が移動先位置として決定される。そして、例えば図6に示すようなゲーム画面が表示される。
【0039】
上記ゲーム画面を生成するために、図7に示すような仮想3次元空間が主記憶26上に構築される。同図に示すように、仮想3次元空間64にはゲームフィールドオブジェクト66が配置される。また、ゲームフィールドオブジェクト66上には、プレイヤユニットオブジェクト68a及び68bと、敵ユニットオブジェクト70a,70b,70c,70d,70eとが配置される。ゲーム装置10では、この仮想3次元空間64を所与の視点から所与の視線方向を見た様子を表す視野画像が生成される。また、ゲーム装置10では、視野画像と同サイズであり、全面が透明である合成用画像が生成される。合成用画像には、マーカ画像56、移動可能範囲案内画像58、カーソル画像60や吹き出し画像62a等が付加される。合成用画像は最終的に図8に示すような画像となる。そして、ゲーム装置10では、視野画像と合成用画像とが合成されてなる画像がVRAM上に生成される。VRAM上に生成された画像は所定のタイミングでゲーム画面としてモニタ18に表示される。
【0040】
ここで、ゲーム装置10の機能的構成について説明する。図9は、ゲーム装置10において実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを主として示している。同図に示すように、ゲーム装置10は、記憶部72と、表示制御部76と、判定部78と、表示時間決定部84と、残時間情報更新部80と、表示部82と、を含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25を介して供給されるプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
[1.記憶部]
【0041】
記憶部72はDVD−ROM25や主記憶26を主として実現される。
【0042】
記憶部72はプレイヤユニットや敵ユニットに関するデータを記憶する。例えば、各ユニットのパラメータ情報やオブジェクトデータ等が記憶部72に記憶される。本実施の形態では、例えば図10に示すようなユニットテーブルが記憶部72に記憶される。同図に示すユニットテーブルは、IDフィールドと、現在位置フィールドと、ヒットポイントフィールドと、移動力フィールドと、攻撃力フィールドと、攻撃可能範囲フィールドと、防御力フィールドとを含んでいる。IDフィールドには、各ユニットを一意に識別する識別情報(ID)が格納される。なお、同図では、IDの1文字目はそのユニットがプレイヤユニット(P)であるか敵ユニット(E)であるかを示す情報としての役割を果たしている。
【0043】
現在位置フィールドには、そのユニットの現在位置を示す情報が格納される。現在位置フィールドには、そのユニットのゲーム画面における位置(すなわち、ユニット画像の表示位置)を示す情報が格納されるようにしてもよいし、そのユニットの仮想3次元空間64における位置(すなわち、ユニットオブジェクトの位置)を示す情報が格納されるようにしてもよい。本実施の形態では、そのユニットの仮想3次元空間64における位置を示す情報が現在位置フィールドに格納されることとして説明する。
【0044】
ヒットポイントフィールドには、そのユニットのヒットポイントが格納される。ヒットポイントは、そのユニットの体力や生命力を示すパラメータである。ヒットポイントが0になると、そのユニットに対する行動指示が制限されるようになる。
【0045】
移動力フィールドには移動力パラメータが格納される。移動力パラメータは、そのユニットが一のターンにおいて(一の移動指示に応じて)移動可能な距離を示す数値情報である。
【0046】
攻撃力フィールドには攻撃力パラメータが格納される。攻撃力パラメータは、そのユニットの攻撃力を示す数値情報である。例えば、プレイヤユニットが敵ユニットに対する攻撃を行う場合、プレイヤユニットの攻撃力パラメータに基づいて、敵ユニットに与えられるダメージ(ヒットポイント減少量)の大きさが決定される。
【0047】
攻撃可能範囲フィールドには攻撃可能範囲パラメータが格納される。攻撃可能範囲パラメータは、そのユニットの攻撃可能範囲を示す数値情報である。すなわち、各プレイヤユニット(敵ユニット)は、現在位置から攻撃可能範囲パラメータに基づく範囲内に位置する敵ユニット(プレイヤユニット)に対して攻撃を行うことができる。なお、攻撃可能範囲パラメータは、ゲーム画面上の距離を示すものであってもよいし、仮想3次元空間64における距離を示すものであってもよい。本実施の形態では、攻撃可能範囲パラメータが仮想3次元空間64における距離を示すこととして説明する。
【0048】
防御力フィールドには防御力パラメータが格納される。防御力パラメータは、そのユニットの防御力を示す数値情報である。例えば、プレイヤユニットが敵ユニットに対する攻撃を行う場合、敵ユニットの防御力パラメータに基づいて、敵ユニットに与えられるダメージ(ヒットポイント減少量)の大きさが決定される。また例えば、プレイヤユニットが敵ユニットからの攻撃を受ける場合、プレイヤユニットの防御力パラメータに基づいて、プレイヤユニットが受けるダメージ(ヒットポイント減少量)の大きさが決定される。
【0049】
また本実施の形態では、例えば図11に示すような吹き出し画像種類テーブルが記憶部72に記憶される。同図に示す吹き出し画像種類テーブルは、IDフィールドと、メッセージ文字列フィールドと、形状フィールドとを含んでいる。IDフィールドには、吹き出し画像種類を一意に識別する識別情報(ID)が格納される。メッセージ文字列フィールドには、吹き出し内に表示されるメッセージ文字列が格納される。形状フィールドには、吹き出しの形状を特定する情報が格納される。なお、同図の例において、形状「1」は例えば図4の吹き出し画像62eに係る吹き出し形状を示す。また、形状「2」は例えば図4の吹き出し画像62a及び62cに係る吹き出し形状を示す。また、形状「3」は例えば図4の吹き出し画像62bに係る吹き出し形状を示す。
[2.残時間情報記憶部]
【0050】
記憶部72は残時間情報記憶部74を含んでいる。残時間情報記憶部74は、ゲーム画面に表示される複数の吹き出し画像(メッセージ画像)の各々に対応づけて残時間情報を記憶する。残時間情報は、吹き出し画像の表示が制限されるまでの残り時間を直接的又は間接的に示す情報である。例えば、残時間情報は、吹き出し画像の表示が制限されるまでの最大時間を示す情報と、吹き出し画像が表示されてから経過した時間を示す情報と、の組み合わせとしてもよい。
【0051】
本実施の形態では、例えば図12に示すような吹き出し画像テーブルが残時間情報記憶部74には記憶される。同図に示す吹き出し画像テーブルは、IDフィールドと、吹き出し画像種類IDフィールドと、表示位置フィールドと、残時間フィールドと、奥行き度フィールドと、重要度フィールドとを含んでいる。IDフィールドには、ゲーム画面に表示される吹き出し画像を一意に識別する情報(ID)が格納される。吹き出し画像種類IDフィールドには、吹き出し画像種類テーブルのIDフィールドに格納されるIDのいずれかが格納される。すなわち、この吹き出し画像種類IDフィールドによって、その吹き出し画像の吹き出し形状及び吹き出し内に表示されるメッセージ文字列が特定される。表示位置フィールドには、その吹き出し画像のゲーム画面上の表示位置が格納される。より詳しくは、その吹き出し画像の代表点のゲーム画面上の位置が格納される。残時間フィールドには、その吹き出し画像の表示が制限されるまでの残り時間を示す残時間情報が格納される。本実施の形態では、該残り時間を1/60秒単位で示す数値情報が格納される。後述するように、残時間フィールドの初期値は、表示時間決定部84によって各吹き出し画像ごとに決定される。
【0052】
奥行き度フィールドには、その吹き出し画像の奥行き度が格納される。本実施の形態では、各吹き出し画像の奥行き度が数値によって示されるようになっている。また後述するように、本実施の形態では、ある吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、他の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、が重なる場合、奥行き度がより小さい方の吹き出し画像が前面に表示される。すなわち、奥行き度が大きい吹き出し画像の少なくとも一部の表示が他方の吹き出し画像によって制限される。
【0053】
重要度フィールドには、その吹き出し画像の重要度を示す情報が格納される。本実施の形態では、各吹き出し画像の重要度が数値によって示されるようになっている。重要度の高い吹き出し画像については、重要度フィールドに格納される数値が大きくなるようになっている。また、吹き出し画像の重要度は、例えばその吹き出し画像が対応づけられる敵ユニットに基づいて決定されるようにしてもよいし、その吹き出し画像の吹き出し画像種類に基づいて決定されるようにしてもよい。前者の場合、例えば、重要な敵ユニットに対応づけられる吹き出し画像の重要度が高く設定されるようにしてもよい。また後者の場合、重要なメッセージ画像を含む吹き出し画像の重要度が高く設定されるようにしてもよい。
[3.表示制御部及び表示部]
【0054】
表示制御部76は画像処理部16を主として実現される。表示部82はモニタ18を主として実現される。表示制御部76は、複数の吹き出し画像を含むゲーム画面を表示部82に表示させる。
【0055】
また、表示制御部76は、吹き出し画像に対応する画面上の領域の少なくとも一部と、他の吹き出し画像に対応する画面上の領域の少なくとも一部と、が重なる場合、該吹き出し画像に対応づけて記憶される重要度と、該他の吹き出し画像に対応づけて記憶される重要度と、に基づいて、該重なる領域に対応する該メッセージ画像の一部分の表示を制限するようにしてもよい。この場合、表示制御部76は、該メッセージ画像の奥行き度を、該メッセージ画像に対応づけて記憶される重要度と、該他のメッセージ画像に対応づけて記憶される重要度と、の差に応じた程度だけ増減してなる補正奥行き度に基づいて、該重なる領域に対応する該メッセージ画像の一部分の表示を制限するようにしてもよい。
【0056】
なお、吹き出し画像に対応する画面上の領域とは、例えば吹き出し画像の全体をゲーム画面に表示させる場合に占められるゲーム画面上の領域である。
【0057】
さらに、表示制御部76は、各メッセージ画像を表示時間決定部84によって決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示する。すなわち、吹き出し画像の表示時間が経過するまで、その吹き出し画像を表示する。吹き出し画像の表示時間が経過したか否かは、その吹き出し画像に対応づけて記憶される残時間情報に基づいて判断される。また、吹き出し画像の表示を制限する態様としては、例えば吹き出し画像のゲーム画面への表示を抑止すること、吹き出し画像の透明度(半透明率)を高めることや、吹き出し画像の奥行き度を高めること等が挙げられる。本実施の形態では、吹き出し画像に対応する残時間フィールドの値が0になった場合、その吹き出し画像はゲーム画面に表示されなくなる。
[4.判定部]
【0058】
判定部78は、ゲーム画面への表示対象となる各吹き出し画像について、その吹き出し画像の表示が他の吹き出し画像によって制限されるか否かを判定する。例えば、判定部78は、吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域と、他の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域と、が重なるか否かを判定する。そして、その重なる領域に該他の吹き出し画像が表示されるか否かを判定する。言い換えれば、判定部78は、吹き出し画像の少なくとも一部分上に、他の吹き出し画像が表示されるか否かを判定する。
[5.残時間情報更新部]
【0059】
残時間情報更新部80は、所定時間(例えば1/60秒)ごとに、残時間情報記憶部74に記憶される残時間情報を更新する。本実施の形態では、所定時間ごとに、吹き出し画像テーブルの残時間フィールドの値が減少される。
[6.表示時間決定部]
【0060】
表示時間決定部84は、ゲーム画面への表示対象となる各吹き出し画像の表示時間(表示期限)を決定する。すなわち、各吹き出し画像に対応づけて記憶される残時間情報の初期状態を決定する。本実施の形態では、吹き出し画像テーブルの残時間フィールドの初期値が表示時間決定部84によって決定される。
【0061】
各吹き出し画像の表示時間は、判定部78による判定結果に基づいて決定される。例えば、吹き出し画像の少なくとも一部の表示が他の吹き出し画像によって制限されると判定された場合、該吹き出し画像の表示時間は該他の吹き出し画像の表示時間に基づいて決定される。本実施の形態では、該吹き出し画像の基準表示時間(通常の表示時間)に該他の吹き出し画像の表示時間を加えてなる時間が、該吹き出し画像の表示時間として決定される。
【0062】
例えば、図4に示すゲーム画面では、吹き出し画像62eには他の吹き出し画像が重ねて表示されてない。この場合、基準表示時間(T0)が吹き出し画像62eの表示時間(Te)として決定される。一方、吹き出し画像62cには吹き出し画像62eが重ねて表示されている。この場合、基準表示時間(T0)に吹き出し画像62eの表示時間(Te)を加えた時間が、吹き出し画像62cの表示時間(Tc)として決定される。すなわち、吹き出し画像62cの表示時間(Tc)はTc=2×T0と決定される。同様に、吹き出し画像62bには吹き出し画像62cが重ねて表示されているため、基準表示時間(T0)に吹き出し画像62cの表示時間(Tc)を加えた時間が、吹き出し画像62bの表示時間(Tb)として決定される。すなわち、吹き出し画像62bの表示時間(Tb)はTb=3×T0と決定される。また同様に、吹き出し画像62aには吹き出し画像62bが重ねて表示されているため、基準表示時間(T0)に吹き出し画像62bの表示時間(Tb)を加えた時間が、吹き出し画像62aの表示時間(Ta)として決定される。すなわち、吹き出し画像62aの表示時間(Ta)はTa=4×T0と決定される。このように、図4に示すゲーム画面では、各吹き出し画像の表示時間がTe<Tc<Tb<Taと決定される。
【0063】
このため、図4に示すゲーム画面では、同画面が表示されてから時間Te(T0)が経過すると、まず吹き出し画像62eがゲーム画面から消える。その後、時間T0がさらに経過すると、すなわち、ゲーム画面が表示されてから時間Tcが経過すると、吹き出し画像62cがゲーム画面から消える。その後、時間T0がさらに経過すると、すなわち、ゲーム画面が表示されてから時間Tbが経過すると、吹き出し画像62bがゲーム画面から消える。そして、時間T0がさらに経過すると、すなわち、ゲーム画面が表示されてから時間Taが経過すると、吹き出し画像62aがゲーム画面から消える。
【0064】
なお、基準表示時間(T0)は、各吹き出し画像ごとに異なるようにしてもよい。例えば、各吹き出し画像の重要度に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0065】
ここで、ゲーム装置10において所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行される処理について説明する。ここでは、特に移動指示対象プレイヤユニットの選択が行われた後、その移動指示対象プレイヤユニットの移動先位置の決定が行われるまでの間に実行される処理について説明する。すなわち、図3乃至図6に示すゲーム画面を表示するために実行される処理について説明する。図13はその処理を示すフロー図である。
【0066】
図13に示すように、ゲーム装置10では方向指示操作が行われたか否かがまず判断される(S101)。言い換えれば、カーソル画像60の位置を更新するための操作が行われたか否かが判断される。この判断は、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて行われる。例えば、方向ボタン34の押下操作を示す操作信号がコントローラ32から入力されたか否かを判断する。
【0067】
方向指示操作が行われたと判断された場合、表示制御部76は吹き出し画像テーブルの初期化処理を実行する(S102)。図14及び図15は、吹き出し画像テーブルの初期化処理について示すフロー図である。
【0068】
図14に示すように、この処理では、まず吹き出し画像テーブルの内容がクリアされる(S201)。具体的には、吹き出し画像テーブルのすべてのレコード(データ)が削除される。次に、表示制御部76は移動先位置候補を取得する(S202)。表示制御部76は、現在の移動先位置候補を特定するための情報(以下、移動先位置候補情報とする。)を保持している。表示制御部76は、方向指示操作の内容をコントローラ32から入力される操作信号に基づいて取得し、現在の移動先位置候補から方向指示操作内容に対応する方向に所定距離だけ移動してなる位置を新たな移動先位置候補とする。そして、移動先位置候補情報を更新する。
【0069】
次に、表示制御部76は変数nを1に初期化する(S203)。そして、表示制御部76は、ID「En」の敵ユニット(以下、敵ユニット「En」と呼ぶ。)を対象として、S204乃至S213の処理を実行する。
【0070】
すなわち、表示制御部76は、敵ユニット「En」に対応する敵ユニット画像(以下、敵ユニット画像「En」と呼ぶ。)の表示位置を取得する(S204)。具体的には、敵ユニット「En」に対応する敵ユニットオブジェクト(以下、敵ユニットオブジェクト「En」と呼ぶ。)の仮想3次元空間64における位置をユニットテーブルの現在位置フィールドから読み出し、該位置に対応するゲーム画面上の位置を敵ユニット画像「En」の表示位置として取得する。
【0071】
また、表示制御部76は、敵ユニット画像「En」に対応する奥行き度を取得する(S205)。敵ユニット画像「En」に対応する奥行き度は、仮想3次元空間64における視点位置から敵ユニットオブジェクト「En」の位置までの距離に基づいて算出される。本実施の形態では、敵ユニット画像「En」に対応する奥行き度は、視点位置から敵ユニットオブジェクト「En」の位置までの距離が大きくなるにつれて大きくなるようになっている。なお後述するように、このステップで取得された奥行き度は、敵ユニット「En」に対応する吹き出し画像の奥行き度として、吹き出し画像テーブルの奥行き度フィールドに格納される。
【0072】
その後、表示制御部76は、敵ユニット「En」に対する攻撃を移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から行うことができるか否かを判断する(S206)。表示制御部76は、移動指示対象プレイヤユニットの攻撃可能範囲パラメータを読み出す。そして、この攻撃可能範囲パラメータと移動先位置候補情報とに基づいて、移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から攻撃可能な範囲を取得する。また、表示制御部76は、敵ユニット「En」の現在位置を読み出し、攻撃可能範囲に含まれるか否かを判断する。表示制御部76は、敵ユニット「En」の現在位置が攻撃可能範囲に含まれると判断した場合、敵ユニット「En」に対する攻撃を移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から行うことができると判断する。
【0073】
表示制御部76は、敵ユニット「En」に対する攻撃を移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から行うことができないと判断した場合、敵ユニット「En」が次の敵ターンにおいて移動先位置候補(より正確には、移動先位置候補に位置するプレイヤユニット)に対する攻撃を行うことができるか否かを判断する(S210)。表示制御部76は、敵ユニット「En」の移動力パラメータ及び攻撃可能範囲パラメータをユニットテーブルから読み出す。そして、これらのパラメータに基づいて、次の敵ターンにおいて、移動先位置候補に対する攻撃が可能な位置まで敵ユニット「En」が移動できるか否かを判断する。表示制御部76は、かかる移動を敵ユニット「En」を行うことができると判断した場合、敵ユニット「En」が次の敵ターンにおいて移動先位置候補に対する攻撃を行うことができると判断する。
【0074】
表示制御部76は、敵ユニット「En」が次の敵ターンにおいて移動先位置候補に対する攻撃を行うことができると判断した場合、吹き出し画像テーブルにレコードを追加する(S211)。この場合、新たに追加されるレコードの吹き出し画像種類IDフィールドには1が格納される。また、IDフィールドには、吹き出し画像テーブルに格納されていたレコード数に1を加算してなる値が格納される。例えば、吹き出し画像テーブルにレコードが格納されていなかった場合、IDフィールドには1が格納される。また、表示位置フィールドには、S204で取得された敵ユニット画像「En」の表示位置に基づいて決定される表示位置を示す情報が格納される。奥行き度フィールドには、S205において取得された奥行き度が格納される。重要度フィールドには、敵ユニット「En」又は吹き出し画像種類ID「1」に対応する所定の重要度を示す情報が格納される。なお、残時間フィールドに格納される値は後述の処理(S216乃至S228)によって決定される。
【0075】
一方、表示制御部76は、S206において、敵ユニット「En」に対する攻撃を移動指示対象プレイヤユニットが移動先位置候補から行うことができると判断した場合、その攻撃によって敵ユニット「En」のヒットポイントが0になるか否かを判断する(S207)。表示制御部76は、敵ユニット「En」の防御力パラメータとヒットポイント(ヒットポイント残量)とを読み出す。また、移動指示対象プレイヤユニットの攻撃力パラメータを読み出す。そして、敵ユニット「En」の防御力パラメータと、移動指示対象プレイヤユニットの攻撃力パラメータと、を比較することによって、攻撃によるダメージ量(ヒットポイント減少量)を算出する。そして、そのヒットポイント減少量が敵ユニット「En」のヒットポイント残量以上となるか否かを判断する。
【0076】
表示制御部76は、敵ユニット「En」のヒットポイントが0になると判断した場合、吹き出し画像テーブルにレコードを追加する(S212)。この場合、新たに追加されるレコードの吹き出し画像種類IDフィールドには4が格納される。他のフィールドについては、S211の処理と同様に各種情報が格納される。
【0077】
一方、表示制御部76は、敵ユニット「En」のヒットポイントが0にならないと判断した場合(S207)、敵ユニット「En」が次の敵ターンにおいて移動先位置候補(より正確には、移動先位置候補に位置するプレイヤユニット)に対する攻撃を行うことができるか否かを判断する(S208)。この処理はS210の処理と同様に行われる。
【0078】
表示制御部76は、敵ユニット「En」が次の敵ターンにおいて移動先位置候補に対する攻撃を行うことができると判断した場合、吹き出し画像テーブルにレコードを追加する(S209)。この場合、新たに追加されるレコードの吹き出し画像種類IDフィールドには2が格納される。他のフィールドについては、S211の処理と同様に各種情報が格納される。
【0079】
一方、表示制御部76は、敵ユニット「En」が次の敵ターンにおいて移動先位置候補に対する攻撃を行うことができないと判断した場合、吹き出し画像テーブルにレコードを追加する(S213)。この場合、新たに追加されるレコードの吹き出し画像種類IDフィールドには3が格納される。他のフィールドについては、S211の処理と同様に各種情報が格納される。
【0080】
表示制御部76は、敵ユニット「En」に関してS204乃至S213の処理を実行したら、変数nをインクリメントする(S214)。そして、変数nがNmax以下であるか否かを判断する(S215)。ここで、Nmaxは敵ユニットの総数を示す所定の定数である。本実施の形態では5である。表示制御部76は、変数nがNmax以下であると判断した場合、敵ユニット「En」に関してS204乃至S213の処理を実行する。
【0081】
一方、変数nがNmaxより大きいと判断された場合、各吹き出し画像に対応する残時間フィールドの初期値(各吹き出し画像の表示時間)を決定するための処理が表示時間決定部84によって実行される。この処理では、まず奥行き度の最も小さい吹き出し画像が注目吹き出し画像として選出される(S216)。すなわち、ゲーム画面の最も手前に表示される吹き出し画像が注目吹き出し画像として選出される。
【0082】
次に、変数tが所定値T0に初期化される(S217)。ここで、T0は、基準表示時間を1/60秒単位で示す値である。先述したように、T0の値は、各吹き出し画像ごとに異なるようにしてもよい。
【0083】
次に、注目吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、他の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、が重なるか否かが判断される(S218)。ここで、吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域とは、吹き出し画像の全体をゲーム画面に表示させる場合に占められるゲーム画面上の領域である。また、吹き出し画像は、吹き出し画像テーブルの吹き出し画像種類IDフィールドによって特定されるメッセージ文字列(吹き出し画像種類テーブルのメッセージ文字列フィールド)を、同フィールドによって特定される形状(吹き出し画像種類テーブルの形状フィールド)の吹き出し内に含んでなる画像である。このため、吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域は、吹き出し画像テーブルの表示位置フィールドと吹き出し画像種類IDフィールドとに基づいて取得される。
【0084】
注目吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、他の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、が重なると判断された場合、該他の吹き出し画像のいずれかが比較対象として選出される(S219)。そして、注目吹き出し画像の奥行き度が比較対象の吹き出し画像の奥行き度より大きいか否かが判断される(S220)。すなわち、注目吹き出し画像の表示が比較対象の吹き出し画像によって制限されるか否かが判断される。
【0085】
注目吹き出し画像の奥行き度が比較対象の吹き出し画像の奥行き度より大きいと判断された場合、比較対象の吹き出し画像の表示時間Tが取得される(S221)。具体的には、比較対象の吹き出し画像に対応する残時間フィールドの値がTとして取得される。なお、本実施の形態では、S216及びS228の処理により、奥行き度の小さい吹き出し画像から順に残時間フィールドの初期値が決定される。すなわち、ある吹き出し画像の少なくとも一部の表示が他の吹き出し画像によって制限される場合、該他の吹き出し画像に対応する残時間フィールドの初期値が先に決定される。このため、比較対象の吹き出し画像に対応する残時間フィールドの値はすでに決定されている。
【0086】
そして、変数tの値がT0+Tより小さいか否かが判断される(S222)。変数tの値がT0+Tより小さい場合、変数tの値がT0+Tに更新される(S223)。本実施の形態では、これらのステップの処理により、吹き出し画像の少なくとも一部の表示が複数の他の吹き出し画像によって制限される場合、該吹き出し画像の表示時間は、該複数の他の吹き出し画像の表示時間のうちの最も長い表示時間に基づいて決定される。
【0087】
次に、注目吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部に重なる吹き出し画像が、すでに比較対象となった吹き出し画像以外にも存在するか否かが判断される(S224)。そのような吹き出し画像が存在する場合、そのいずれかが比較対象として選出され(S225)、S220乃至S224の処理が実行される。
【0088】
一方、注目吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部に重なる吹き出し画像が、すでに比較対象となった吹き出し画像以外に存在しない場合、注目吹き出し画像に対応する残時間フィールドに変数tの値が格納される(S226)。そして、注目吹き出し画像よりも奥行き度の大きい吹き出し画像が存在するか否かが判断される(S227)。
【0089】
注目吹き出し画像よりも奥行き度の大きい吹き出し画像が存在する場合、注目吹き出し画像の次に奥行き度の大きい吹き出し画像が新たに注目吹き出し画像として選出され(S228)、S217乃至S227の処理が実行される。一方、注目吹き出し画像よりも奥行き度の大きい吹き出し画像が存在しない場合、吹き出し画像テーブルの初期化処理は終了する。
【0090】
図13のS101において、方向指示操作が行われていないと判断された場合、表示制御部76は吹き出し画像テーブルを更新する(S103)。図16は、吹き出し画像テーブルの更新処理について示すフロー図である。
【0091】
図16に示すように、この処理では、まず変数nが1に初期化される(S301)。そして、ID「n」の吹き出し画像(以下、吹き出し画像「n」と記載する。)を対象として、S302乃至S304の処理が実行される。
【0092】
すなわち、残時間情報更新部80は、吹き出し画像テーブルにおいて、吹き出し画像「n」に対応する残時間フィールドの値をデクリメントする(S302)。そして、表示制御部76は、該残時間フィールドの値が0であるか否かを判断する(S303)。表示制御部76は、残時間フィールドの値が0であると判断した場合、吹き出し画像テーブルにおいて、吹き出し画像「n」に対応するレコードを削除する(S304)。この場合、吹き出し画像「n」はゲーム画面に表示されなくなる。
【0093】
吹き出し画像「n」を対象としてS302乃至S304の処理が実行された場合、変数nの値がインクリメントされる(S305)。そして、吹き出し画像「n」が存在するか否かが判断される(S306)。吹き出し画像「n」が存在すると判断された場合、該吹き出し画像「n」を対象としてS302乃至S305の処理が実行される。一方、吹き出し画像「n」が存在しないと判断された場合、吹き出し画像テーブルの更新処理は終了する。
【0094】
表示制御部76は、吹き出し画像テーブルの初期化処理(S102)又は更新処理(S103)を実行した後、決定操作が行われたか否かを判断する(S104)。この判断は、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて行われる。例えば、ボタン38Aが押下されたことを示す操作信号とその押下が解除されたことを示す操作信号とがコントローラ32から入力されたか否かが判断される。
【0095】
表示制御部76は、決定操作が行われなかったと判断した場合、次のようにしてゲーム画面を生成する(S105)。すなわち、まず視野画像が生成される。より具体的には、「プレイヤユニットオブジェクト及び敵ユニットオブジェクトがユニットテーブルの内容(現在位置フィールド)に基づいて配置された仮想3次元空間」を所与の視点から見た様子を表す視野画像が生成される。
【0096】
また、合成用画像が生成される。具体的には、上記視野画像と同サイズであり、全面が透明である合成用画像が生成される。その後、移動可能範囲案内画像58が上記合成用画像に付加される。移動可能範囲案内画像58は、移動指示対象プレイヤユニットの現在位置及び移動力パラメータに基づき、移動指示対象プレイヤユニットの移動可能範囲を示すように描画される。また、カーソル画像60が上記合成用画像に付加される。カーソル画像60の描画位置は、表示制御部76に保持される移動先位置候補情報に基づいて決定される。また、マーカ画像56が上記合成用画像に付加される。マーカ画像56の描画位置は、移動指示対象プレイヤユニットの現在位置に基づいて決定される。
【0097】
さらに、吹き出し画像テーブルに基づいて、吹き出し画像が上記合成用画像に付加される。各吹き出し画像は、吹き出し画像種類IDフィールドによって特定されるメッセージ文字列(吹き出し画像種類テーブルのメッセージ文字列フィールド)を、同フィールドによって特定される形状(吹き出し画像種類テーブルの形状フィールド)の吹き出し内に含んでなる画像である。各吹き出し画像の描画位置は、吹き出し画像テーブルの表示位置フィールドによって特定される。この場合、奥行き度フィールドの値の大きい吹き出し画像から順に上記合成用画像に付加されていく。
【0098】
表示制御部76は、視野画像と合成用画像とを合成してなる画像をVRAM上に生成する。VRAM上に生成された画像がゲーム画面として所定のタイミングで表示部82に表示される。
【0099】
一方、表示制御部76は、決定操作が行われたと判断した場合(S104)、移動指示対象プレイヤユニットの位置を更新する(S106)。より具体的には、表示制御部76に保持される移動先位置候補情報によって示される位置が、ユニットテーブルの移動指示対象プレイヤユニットの現在位置フィールドに格納される。
【0100】
その後、表示制御部76はゲーム画面をVRAM上に生成する(S107)。具体的には、「プレイヤユニットオブジェクト及び敵ユニットオブジェクトがユニットテーブルの内容(現在位置フィールド)に基づいて配置された仮想3次元空間」を所与の視点から見た様子を表す視野画像が生成される。また、上記視野画像と同サイズであり、全面が透明である合成用画像が生成されるとともに、マーカ画像56やカーソル画像60が該合成用画像に付加される。そして、視野画像と合成用画像とを合成してなる画像がVRAM上に生成される。VRAM上に生成された画像がゲーム画面として所定のタイミングで表示部82に表示される。
【0101】
なお、以上に説明した処理は、DVD−ROM25から読み出されたゲームプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0102】
以上説明したように、ゲーム装置10では、各吹き出し画像に表示時間が設定され、かつ、吹き出し画像に他の吹き出し画像が重なって表示される場合、該吹き出し画像の表示時間が該他の吹き出し画像の表示時間よりも長く設定される。その結果、ゲーム装置10によれば、ゲーム画面の手前に表示される吹き出し画像から順に消えていくようになり、吹き出し画像が重なって表示されるような場合であっても、プレイヤは各吹き出し画像の内容を好適に把握できるようになる。
【0103】
なお、吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部が、他の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と重なる場合、該吹き出し画像の重要度と該他の吹き出し画像の重要度とに基づいて、該吹き出し画像の奥行き度を補正するようにしてもよい。なお、吹き出し画像の重要度は、その記載内容に基づいて決定される。例えば、ゲームのストーリー上、重要な内容を含む吹き出し画像の重要度は高く設定される。また例えば、次の敵ターンにおいてプレイヤユニットが敵ユニットから攻撃を受ける可能性があることを示す吹き出し画像の重要度は高く設定される。
【0104】
図17は、各吹き出し画像の奥行き度を補正するための奥行き度補正処理を示すフロー図である。この奥行き度補正処理は、図14のS215において変数nがNmaxより大きいと判断された後、図15のS216の処理が実行される前に実行されるようにすればよい。
【0105】
図17に示すように、奥行き度補正処理では、まず変数nが1に初期化される(S401)。次に、吹き出し画像「n」の奥行き度Dn及び重要度Pnが取得される(S402)。なお、奥行き度Dnは、吹き出し画像テーブルにおいて、吹き出し画像「n」に対応するレコードの奥行き度フィールドに格納される数値である。同様に、重要度Pnは、吹き出し画像テーブルにおいて、吹き出し画像「n」に対応するレコードの重要度フィールドに格納される数値である。また、補正奥行き度DrにDnの値が代入される(S403)。
【0106】
次に、吹き出し画像「n」以外の吹き出し画像のいずれかが比較対象として選出される(S404)。そして、吹き出し画像「n」に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、比較対象の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、が重なるか否かが判断される(S405)。この判断は、図15のS218の処理と同様に行われる。
【0107】
吹き出し画像「n」に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、比較対象の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、が重なると判断された場合、比較対象の吹き出し画像の奥行き度Dt及び重要度Ptが取得される(S406)。奥行き度Dt及び重要度Ptの取得はS402の処理と同様に行われる。
【0108】
そして、DnがDtより大きいか否かが判断される(S407)。すなわち、比較対象の吹き出し画像が吹き出し画像「n」よりも手前に表示されるか否かが判断される。また、DnがDtより大きいと判断された場合、PnがPtよりも大きいか否かがさらに判断される(S408)。すなわち、吹き出し画像「n」が比較対象の吹き出し画像よりも重要であるか否かが判断される。
【0109】
PnがPtより大きいと判断された場合、補正奥行き度候補Dwが算出される(S409)。DwはDw=Dn−(Pn−Pt)×ΔDの算出式に従って算出される。ここで、ΔDは所定の定数である。そして、DwがDrより小さいか否かが判断される(S410)。DwがDrより小さいと判断された場合、DrにDwの値が代入される(S411)。
【0110】
その後、吹き出し画像「n」以外の吹き出し画像であって、まだ比較対象として選出されていない吹き出し画像が存在するか否かが判断される(S412)。そのような吹き出し画像が存在すると判断された場合、そのいずれかが比較対象として選出される(S413)。この場合、新たに選出された吹き出し画像を比較対象として、S405乃至S411の処理が実行される。一方、吹き出し画像「n」以外の吹き出し画像であって、まだ比較対象として選出されていない吹き出し画像が存在しないと判断された場合、n及びDrの値の組み合わせが主記憶26に保持される(S414)。
【0111】
吹き出し画像「n」についてS402乃至S414の処理が実行された場合、変数nがインクリメントされ(S415)、吹き出し画像「n」が存在するか否かが判断される(S416)。そして、吹き出し画像「n」が存在すると判断された場合、吹き出し画像「n」を対象としてS402乃至S415の処理が実行される。一方、吹き出し画像「n」が存在しないと判断された場合、奥行き度補正処理は終了する。
【0112】
なお、以上に説明した処理も、DVD−ROM25から読み出されたゲームプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0113】
上記奥行き度補正処理が実行されると、各吹き出し画像ごとに補正奥行き度(Dr)が算出され、主記憶26に保持される。吹き出し画像「n」に対応する補正奥行き度は、1)吹き出し画像「n」に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、他の吹き出し画像に対応するゲーム画面上の領域の少なくとも一部と、が重なり、かつ、2)該他の吹き出し画像が吹き出し画像「n」よりも手前に表示され、かつ、3)該他の吹き出し画像の重要度が吹き出し画像「n」の重要度よりも低い場合、吹き出し画像「n」の重要度と該他の吹き出し画像の重要度との差に応じた量だけ元々の奥行き度から減ぜられた値となる。また、上記条件を満足する他の吹き出し画像が複数存在する場合、各吹き出し画像を対象として補正奥行き度候補(Dw)が算出され、その最小値が補正奥行き度となる。また、上記条件を満足する他の吹き出し画像が存在しない場合、補正奥行き度は元々の奥行き度となる。
【0114】
以上のようにして算出され、主記憶26に保持される補正奥行き度は、吹き出し画像の表示時間を決定するための処理(図15)やゲーム画面の生成処理(図13のS105)において、吹き出し画像テーブルの奥行き度フィールドの値の代わりに用いられるようにすればよい。
【0115】
以上のようにすることにより、吹き出し画像が重なって表示される場合、重要度の高い吹き出し画像が手前に表示されるよう図ることが可能となる。
【0116】
また、吹き出し画像が重なって表示される場合において、重要度の高い吹き出し画像が常に手前に表示されるようにすると、それらの吹き出し画像の奥行き度の差が大きいような場合には不自然な表示となってしまう場合がある。例えば、ある敵ユニット(第1敵ユニット)と、該敵ユニットよりも視点から離れた位置に配置された敵ユニット(第2敵ユニット)と、の吹き出し画像が重なって表示される場合に、第2敵ユニットに対応する吹き出し画像の重要度が第1敵ユニットに対応する吹き出し画像の重要度よりも高いからといって、第2敵ユニットに対応する吹き出し画像を第1敵ユニットに対応する吹き出し画像の手前に表示させてしまうと、第2敵ユニットの視点からの離れ具合によっては、吹き出し画像の表示が不自然な表示となってしまう場合がある。
【0117】
この点、ゲーム装置10では、各吹き出し画像ごとに奥行き度が対応づけられ、ある吹き出し画像上に重要度のより低い吹き出し画像が表示される場合には、重要度の高い吹き出し画像の奥行き度が重要度の差に応じた量だけ減ぜられる。その結果として、重要度の高い吹き出し画像の奥行き度が重要度の低い吹き出し画像の奥行き度よりも小さくなった場合にのみ、重要度の高い吹き出し画像が手前に表示される。このため、上記のような不自然な表示が行われることを抑止しつつ、重要度の高い吹き出し画像が手前に表示されるよう図られている。
【0118】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0119】
例えば、図4に示すゲーム画面では、吹き出し画像62a上に吹き出し画像62bが重ねて表示されているが、吹き出し画像62aの表示はほとんど制限されていない。このような場合、吹き出し画像62bが表示されていても、吹き出し画像62aの内容を把握できるため、吹き出し画像62bが消えた後の吹き出し画像62aの表示時間を通常よりも短くするようにしてもよい。
【0120】
すなわち、吹き出し画像62aの表示時間(Ta)がTa=(T0×α)+Tbと決定されるようにしてもよい。ここで、αは0以上1以下の数値であり、その値は、吹き出し画像62aの表示制限部分(吹き出し画像62bによって表示が制限される部分)の大きさに基づいて決定される。例えば、吹き出し画像62aの表示制限部分の面積が吹き出し画像62aの全面積の20%以上である場合にはαの値が1と決定され、吹き出し画像62aの全面積の20%未満である場合にはαの値が0.8と決定されるようにしてもよい。この場合、吹き出し画像62aの表示制限部分の面積が全面積の20%未満になっていると、吹き出し画像62aの表示時間(Ta)はTa=(T0×0.8)+Tbと決定される。つまり、吹き出し画像62aは、吹き出し画像62bが消えた後、通常の時間(T0)よりも短い時間(T0×0.8)が経過すると消えることになる。なお、αの値は、吹き出し画像62aの表示制限部分の大きさに基づき所定の演算を行うことによって決定されるようにしてもよい。
【0121】
以上のようにして吹き出し画像の表示時間を決定する場合、図15のS222では、変数tの値が(T0×α)+Tより小さいか否かが判断されるようにすればよい。また、S223では、変数tの値が(T0×α)+Tに更新されるようにすればよい。そして、αの値は、S222の処理が実行される前に、比較対象の吹き出し画像によって表示が制限される注目吹き出し画像の部分の大きさに基づいて決定されるようにすればよい。
【0122】
また例えば、メッセージ画像は吹き出し画像に限られない。
【0123】
また例えば、本発明は、ネットワークゲームシステムの端末たるゲーム装置にも適用できるものである。
【0124】
また例えば、本発明は、ゲーム装置以外の他のメッセージ画像表示装置にも適用できるものである。
【0125】
また、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図18は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】仮想3次元空間の一例を示す斜視図である。
【図8】合成用画像の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロックを示す図である。
【図10】ユニットテーブルの一例を示す図である。
【図11】吹き出し画像種類テーブルの一例を示す図である。
【図12】吹き出し画像テーブルの一例を示す図である。
【図13】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図14】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図15】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図16】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図17】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、34 方向ボタン、36 スタートボタン、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、50 ゲームフィールド画像、52a,52b プレイヤユニット画像、54a,54b,54c,54d,54e 敵ユニット画像、56 マーカ画像、58 移動可能範囲案内画像、60 カーソル画像、62a,62b,62c,62e 吹き出し画像、64 仮想3次元空間、66 ゲームフィールドオブジェクト、68a,68b プレイヤユニットオブジェクト、70a,70b,70c,70d,70e 敵ユニットオブジェクト、72 記憶部、74 残時間情報記憶部、76 表示制御部、78 判定部、80 残時間情報更新部、82 表示部、84 表示時間決定部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメッセージ画像を含む画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記メッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定する表示時間決定手段と、を含み、
前記表示制御手段は、前記複数のメッセージ画像の各々を前記表示時間決定手段によって決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示する、
ことを特徴とするメッセージ画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ画像表示装置において、
前記表示時間決定手段は、前記複数のメッセージ画像のうちの一のメッセージ画像の表示時間を決定する場合において、該一のメッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されると判定された場合、該他のメッセージ画像の表示時間を決定した後に、該他のメッセージ画像の表示時間に基づいて、該一のメッセージ画像の表示時間を決定することを特徴とするメッセージ画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載のメッセージ画像表示装置において、
前記表示時間決定手段は、前記複数のメッセージ画像のうちの一のメッセージ画像の表示時間を決定する場合において、該一のメッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されると判定された場合、該他のメッセージ画像によって表示が制限される該一のメッセージ画像の部分の大きさにさらに基づいて、該一のメッセージ画像の表示時間を決定することを特徴とするメッセージ画像表示装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のメッセージ画像表示装置において、
前記表示時間決定手段は、前記複数のメッセージ画像のうちの一のメッセージ画像の表示時間を決定する場合において、該一のメッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの複数の他のメッセージ画像によって制限されると判定された場合、該複数の他のメッセージ画像の表示時間のうちの最も長い表示時間に基づいて、該一のメッセージ画像の表示時間を決定することを特徴とするメッセージ画像表示装置。
【請求項5】
複数のメッセージ画像を含む画面を表示手段に表示させるための表示制御ステップと、
前記メッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定するための判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定するための表示時間決定ステップと、を含み、
前記表示制御ステップは、前記複数のメッセージ画像の各々を前記表示時間決定ステップにおいて決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示する、
ことを特徴とするメッセージ画像表示装置の制御方法。
【請求項6】
メッセージ画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
複数のメッセージ画像を含む画面を表示手段に表示させる表示制御手段、
前記メッセージ画像の少なくとも一部の表示が前記複数のメッセージ画像のうちの他のメッセージ画像によって制限されるか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数のメッセージ画像の各々の表示時間を決定する表示時間決定手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記表示制御手段は、前記複数のメッセージ画像の各々を前記表示時間決定手段によって決定される該メッセージ画像の表示時間に渡って表示する、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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