説明

メディアサーバ

【課題】外部デバイス内のデジタルコンテンツを簡単にインポートし、データベース管理すると共に、メディアサーバ内のデジタルコンテンツの記録領域を有効に利用する。
【解決手段】マルチメディアサーバシステム10は、デジタルコンテンツの再生及び管理を行うメディアサーバ11と、メディアサーバ11に接続されたデジタルハイビジョンテレビ12と、家庭内LAN13を介してメディアサーバ11に接続されたタンクサーバ14とを備えている。メディアサーバ11はストレージ機能とデジタルコンテンツ再生機能を備えることから、パソコン19を介さずにメディアサーバ11内のデジタルコンテンツを簡単に再生できる。さらにメディアサーバ11はデジタルコンテンツのインポート機能を備え、外部デバイス内のデジタルコンテンツのみをインポートすることから、メディアサーバ11内の不要なファイルの蓄積が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアサーバに関し、特に、動画、静止画、並びに、音楽の再生及び管理に特化した小型で操作性の高いメディアサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルコンテンツの普及により、個人が大量のデジタルコンテンツを保有し管理する時代となっている。通常、これらのデジタルコンテンツの管理はパソコンで行われるが、パソコンは汎用性が極めて高い反面、デジタルコンテンツの管理を簡単に行うことはできない。
【0003】
パソコンを用いたデジタルコンテンツの管理に関しては、例えば特許文献1に記載のように、ストレージを共有することにより、同一コンテンツにアクセスが集中した場合でも最小限のコピーでサービス可能なストレージ共有型分散マルチメディアサーバシステムが提案されている。また、特許文献2には、複数のディスクドライブを備え、これら各ディスクドライブ(に装着されている記憶媒体)にデータを分散して格納することで、並列アクセスを可能としてアクセスの高速化を図ったマルチメディアサーバ用ディスクアレイ装置が開発されている。
【特許文献1】特開平10−134485号公報
【特許文献2】特開平10−133828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来はパソコン内蔵のストレージ或いは外付けストレージに蓄積された動画、静止画、音楽はパソコン経由で再生し、或いは管理しなければならなかったため、デジタルコンテンツの取り扱いが非常に面倒であった。また、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラで記録された動画ファイルや静止画ファイルについても、パソコンを使用しなければ取り込むことができず、その取り扱いが非常に面倒となっていた。
【0005】
また、最近のデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラには、保存されているデジタルコンテンツを管理するための管理用ファイルがストレージ内に自動生成され、デジタルコンテンツと一緒に保存されている。このようなファイルまで一括して取り込んでしまった場合には、不要なファイルが大量に蓄積されてしまうという問題がある。
【0006】
また、デジタルコンテンツ(特に動画ファイル)を蓄積し続けていくと、ストレージがすぐに一杯になってしまうという問題がある。この場合、不要なデジタルコンテンツを削除又はバックアップしてストレージ内を整理する必要があるが、実際には不要かどうかを判断することは容易でない。このため、ストレージが一杯になる直前まで整理がなされず、必要な空き容量を必要なときに直ちに確保することができない状況が発生している。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、パソコンを使用することなく、デジタルコンテンツの再生及び外部デバイスからのインポートを容易に行うことが可能なメディアサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のメディアサーバは、デジタルテレビに接続可能であって、デジタルコンテンツを蓄積する第1のストレージ手段と、外部デバイスからデジタルコンテンツをインポートするインポート手段と、少なくとも第1のストレージ手段に蓄積されたデジタルコンテンツを管理するデータベースと、少なくとも第1のストレージ手段に蓄積されたデジタルコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、データベースを参照して所望のデジタルコンテンツを検索する検索手段とを備え、インポート手段は、外部デバイスが接続されたとき、外部デバイス内に保存されているファイルがデジタルコンテンツか否かを判別し、デジタルコンテンツのみをインポートすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明のメディアサーバは、デジタルテレビに接続可能であって、メディアサーバがストレージ機能とデジタルコンテンツ再生機能とを備えることから、パソコンを介さずにメディアサーバ内のデジタルコンテンツを簡単に再生することができる。特に、本発明においては、メディアサーバがデジタルコンテンツのインポート機能を備え、デジタルカメラ等の外部デバイス内のデジタルコンテンツのみを簡単にインポートすることから、メディアサーバ内の不要なファイルの蓄積を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるマルチメディアサーバシステムの構成を示す略ブロック図である。
【0012】
図1に示すように、このマルチメディアサーバシステム10は、デジタルコンテンツの再生及び管理を行うメディアサーバ11と、家庭内LAN13を介してメディアサーバ11に接続されたタンクサーバ14とを備えている。メディアサーバ11はデジタルハイビジョンテレビ12に接続できる機能を備えている。その機能は、例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルを接続できる端子であってもよく、無線LANであってもよい。無線LANの場合、IEEE802.11a/b/g又はIEEE802.11nであってもよく、また非圧縮でデータを送ることができるWHDI(Wireless High-Definition Interface)であってもよい。家庭内LAN13はブロードバンドルータ15等のホームゲートウェイを介してインターネット16に接続されている。インターネット16上には、メディアサーバ11内のファームウェアやアプリケーションプログラムを提供するサポートセンタ17、デジタルコンテンツ自身或いはデジタルコンテンツのタグ情報を提供するコンテンツプロバイダ18等が存在している。通常、家庭内LAN13にはパソコン19が接続されているが、このパソコン19からメディアサーバ11やタンクサーバ14にアクセスすることも可能である。なお、この家庭内LANはケーブル接続でもよいが、IEEE802.11a/b/g、IEEE802.11n等の無線LANで構成することもできる。
【0013】
図2は、本発明の好ましい実施形態によるメディアサーバ11の外観構造を示す図であって、(a)はフロントパネル側の斜視図、(b)はバックパネル側の斜視図である。
【0014】
図2(a)及び(b)に示すように、メディアサーバ11は、横置きボックス型の小型でシンプルな構造となっている。したがって、大型なデジタルハイビジョンテレビ12の周囲の手狭なスペースにも設置が可能である。
【0015】
図2(a)に示すように、メディアサーバ11の筐体のフロントパネルには電源スイッチボタン21、赤外線受光パネル23、メモリカードスロット24、USB(Universal Serial Bus)端子25aが設けられている。電源スイッチボタン21はLED表示部を構成しており、このLEDの点減状態によって電源の投入状態や動作状態の確認が可能である。メディアサーバ11には赤外線リモコン26が付属しており、赤外線受光パネル23はリモコン26からのコマンド信号を受信することができる。メモリカードスロット24は、SDカード(登録商標)等の各種メモリカードのための専用スロットである。USB端子25aはUSBケーブルを介してデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のUSBデバイスを接続可能である。
【0016】
図2(b)に示すように、メディアサーバ11の筐体のバックパネルには主電源スイッチ22、LANポート27、HDMI端子28、コンポジットビデオ端子29a、ステレオオーディオ端子29b、S-Video端子29c、SPDIF端子29d、USB端子25b等の各種端子が設けられている。メディアサーバ11はLANポート27を介してLAN13に接続可能である。また、メディアサーバ11はHDMI端子28に接続されたHDMIケーブル28a(図1参照)を介してデジタルハイビジョンテレビ12に接続可能である。
【0017】
図3は、メディアサーバ11の内部構成を示す略ブロック図である。
【0018】
図3に示すように、メディアサーバ11は、CPU31、メモリ32、グラフィックプロセッサ33、オーディオプロセッサ34、ハードディスクドライブ35、ネットワークインターフェース36、無線ネットワークインターフェース37、USBインターフェース38、メモリカードスロット39を備えている。メディアサーバ11では専用OSが使用されるのでCPU31の負荷が少なく、よってパソコンよりも低スペックのCPUを使用することができる。
【0019】
ハードディスクドライブ35にはデジタルコンテンツ41が格納されるほか、デジタルコンテンツ41を管理するためのデータベース42も記録されている。さらに、ハードディスクドライブ35にはメディアサーバ11の動作に必要なOS等のファームウェア43も記録されており、これらは電源投入時にロードされる。ハードディスクドライブ35はできるだけ大容量であることが好ましく、例えば300〜500GB程度の記録容量を有している。本実施形態のメディアサーバ11は有線によるネットワークインターフェース36のみならず無線ネットワークインターフェース37を有しているため、有線LANを介したネットワーク接続の他、無線LAN接続も可能である。特に、デジタルカメラやデジタルビデオカメラが無線LANに対応している場合には、無線LAN経由でのデータの受け渡しも可能である。
【0020】
本実施形態のマルチメディアサーバシステム10が取り扱うデジタルコンテンツは主として動画、静止画(写真)、及び音楽の3種類である。これらのファイルサイズは通常でも非常に大きいが、高品質になるほどさらに大きくなるという性質を有している。
【0021】
メディアサーバ11は、これらのデジタルコンテンツを管理するためのデータベースを有している。データベースで管理されるデジタルコンテンツの情報は、コンテンツのインポート時に当該コンテンツから抽出するか、或いはインターネット16上のコンテンツプロバイダ18にアクセスして取得するか、或いは、ユーザの直接入力により取得されるものである。
【0022】
図4は、データベース42で管理されるデジタルコンテンツの情報を示す表である。
【0023】
図4に示すように、デジタルコンテンツの情報は、大きく4種類に大別することができる。「インポート情報」42A、「コンテンツ情報」42B、「再生情報」42C、及び「付加情報」42Dである。このうち、「インポート情報」42Aは、コンテンツファイルのインポート時に得られる情報であり、実際のファイル名を示す「ファイル名」42a、メディアサーバ11内(或いはタンクサーバ14内)のファイルの格納位置を示す「格納場所」42b、実際のファイルサイズを示す「サイズ」42c、及びファイルをインポートした日付及び時刻を示す「インポート日時」42dである。
【0024】
「コンテンツ情報」42Bとしては、「コンテンツタイプ」42e、「プロファイル」42f、「解像度」42g、「長さ」42h、「ビットレート」42i、「タイトル名」42j、「アーティスト名」42k、「アルバム名」42l、「ジャンル」42m、「制作年度」42nを挙げることができる。「コンテンツタイプ」42eは、動画、静止画、又は音楽のいずれかを示す情報であり、「プロファイル」42fはファイルのフォーマット情報(MP3、WMA、WMV等)を示す情報である。また、「解像度」42gは、動画、静止画における品質情報であり、「長さ」42hは、動画、音楽における時間情報であり、「ビットレート」42iは、動画、音楽における品質情報である。また、「タイトル名」42j、「アーティスト名」42k、「アルバム名」42l、「ジャンル」42m、「制作年度」42nは、いわゆるデジタルコンテンツのタグ情報である。
【0025】
「再生情報」42Cとしては、「再生回数」42oと「再生開始位置」42pを挙げることができる。「再生回数」42oはユーザがコンテンツを再生した回数を示すものであり、「再生開始位置」42pは前回再生の途中で再生が中断された場合時間軸の再生位置情報である。つまり、レジューム機能で使用される再生再開時間位置情報であり、主として動画で使用されるものである。
【0026】
また、「付加情報」42Dとしては、「お気に入りランキング」42qを挙げることができる。「お気に入りランキング」42qは、ユーザによるコンテンツの評価を例えば5段階で示したものであり、ユーザが任意に設定できる項目である。
【0027】
これらの情報はデジタルコンテンツごとに管理されるべき情報であり、データベース42に記録され、適時更新されるものである。
【0028】
次に、タンクサーバ14について詳細に説明する。
【0029】
図5は、タンクサーバ14の内部構成を示す略ブロック図である。
【0030】
図5に示すように、タンクサーバ14は、システムコントローラ51と、ネットワークインターフェース52と、無線ネットワークインターフェース53と、複数のハードディスクドライブ(ハードディスクアレイ)54とを備えている。このように、タンクサーバ14は複数のハードディスクドライブ54を備えたストレージアレイであり、大容量のデジタルコンテンツを多数保存することが可能である。ストレージアレイ全体は、メディアサーバ11内のハードディスクドライブ35よりも大容量であることが好ましく、例えば3〜10TB程度の記録容量を有している。ストレージアレイはRAIDで構成されていてもよい。タンクサーバ14へのデジタルコンテンツの蓄積は、メディアサーバ11を介して行うことが可能なほか、LAN13に接続されたパソコン19から行うことも可能である。タンクサーバ14内のデジタルコンテンツもまたメディアサーバ11内のデジタルコンテンツと共にデータベース管理されている。
【0031】
次に、メディアサーバ11の動作について詳細に説明する。
【0032】
図6は、電源投入時におけるメディアサーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
【0033】
図6に示すように、メディアサーバ11の電源を投入すると(S11)、まず初期設定の確認及びファームウェアの自動アップグレードが必要に応じて行われた後(S12乃至S14)、メインメニューに移行し(S15)、デジタルハイビジョンテレビにはメインメニュー画面が表示される。電源投入時に初期設定が完了していない場合には(S12N)、メインメニューに移行する前に初期設定メニューに移行し(S16)、初期設定の完了後にメインメニューに移行する。通常、電源投入後の初期設定が必要なのは、製品出荷後の最初の電源投入時だけである。
【0034】
ファームウェアの自動アップグレードは初期設定において当該項目を「有効」に設定している場合に行われるが(S13Y、S17)、自動ファームウェアアップグレードを「無効」に設定している場合にはファームウェアアップグレード確認を行うことなく直ちにメインメニューに移行する(S13N、S15)。このように、電源投入後、必要最小限の動作のみを行い、メインメニューに直ちに移行することから、非常に使いやすいユーザインターフェースを提供できる。
【0035】
ファームウェアアップグレードでは、インターネット経由でサポートセンタ(サーバ)17にアクセスし、メディアサーバ11内の既存のファームウェアよりも新しいバージョンのファームウェアが公開されているかチェックする(S14)。新しいバージョンのファームウェアが公開されておらず、現在のファームウェアが最新である場合にはそのままメインメニューに移行する(S14Y、S15)。さらにまた、ネットワーク障害、サーバ側の不具合等、何らかの理由によりファームウェアをアップグレードできない場合には、ファームウェアアップグレードを中止し、メインメニューに移行する。つまり、このときの動作は自動ファームウェアアップグレードを無効に設定しているときと同様の動作といえる。
【0036】
一方、新しいファームウェアが公開されており、現在のファームウェアが最新でない場合(S14N)には、ポップアップメニューを表示し、ファームウェアをアップグレードするかどうかをユーザに選択させる。アップグレードしない方が選択された場合には、ファームウェア自動アップグレード処理を終了してメインメニューに移行する。また、アップグレードする方が選択された場合には、ファームウェアのダウンロード及びアップグレードを行い(S17)、さらにメディアサーバ11のリブートが行われる。
【0037】
図7は、初期設定メニューの構成の一例を示す画面図である。また、図8は、「カスタム設定」時の設定項目及び手順を示すフローチャートである。
【0038】
図7に示すように、初期設定メニューでは、「デフォルト設定」71、「カスタム設定」72、又は「キャンセル」73のいずれかを選択できる。「デフォルト設定」71では、各種設定項目が工場出荷時の状態に自動設定され、「カスタム設定」72では各設定項目を画面案内に従って詳細に設定することができる。具体的には、図8に示すように、「ネットワーク設定」S21、「ビデオ設定」S22、「言語設定」S23、「リモコン設定」S24、「スクリーンセーバー設定」S25、「自動ファームウェアアップグレード設定」S26、及び「日付時刻設定」S27を順次設定することができる。こうして設定された項目が保存されることで初期設定は完了し、メインメニューに移行する。
【0039】
図9は、メインメニューの構成の一例を示す画面図である。
【0040】
図9に示すように、メインメニュー90には、「動画メニュー」91、「静止画メニュー」92、「音楽メニュー」93、「設定メニュー」94、「スタンバイ」95、「電源オフ」96からなる6つのメニュー項目が表示される。同図は、「動画メニュー」91上にカーソル97が停止している状態を示している。ユーザがリモコン26を操作してこれらのいずれかを選択し、決定ボタンを押すことにより、選択された各モードに移行する。このように、メインメニューは非常にシンプルな構成であることから、操作性の高いインターフェースを提供することができる。
【0041】
図10は、動画メニューの一例を示す画面図である。
【0042】
図10に示すように、動画メニュー100には、取り扱うことが可能な動画ファイルの一覧ウィンドウ101、縮小サイズで動画を再生する試写ウィンドウ102、動画ファイルに関する各種情報が表示されるプロパティウィンドウ103が設けられている。リモコン26を操作して一覧ウィンドウ101内の動画ファイルの一つを選択し、決定ボタンを押すと、動画ファイルのフル画面再生が開始される。動画ファイルの一覧は、図4に示した各種属性情報をもとにソートして表示することができる。コンテンツの再生時には、一時停止、早送り、巻き戻し等の動作も可能である。特に、動画コンテンツの場合には、早送りボタンを繰り返し押すことで、2倍速→4倍速→8倍速→2倍速…というように倍速を変更することができる。リモコン26を操作してホームボタンを選択すると、メインメニューに戻ることができる。
【0043】
図11は、静止画メニューの一例を示す画面図である。
【0044】
図11に示すように、静止画メニュー110には、取り扱うことが可能な画像ファイルの一覧ウィンドウ111、縮小サイズで画像を表示する試写ウィンドウ112、画像ファイルに関する各種情報が表示されるプロパティウィンドウ113が設けられている。リモコン26を操作して一覧ウィンドウ111内の画像ファイルの一つを選択し、決定ボタンを押すと、画像ファイルがフルサイズで表示される。画像ファイルの一覧は、図4に示した各種属性情報をもとにソートして表示することができる。画像ファイルはスライドショー表示することもでき、その場合、一時停止、早送り、巻き戻し等の動作も可能である。例えば、リモコン26を操作して一覧ウィンドウ111内の画像ファイルを複数選択し、決定ボタンを押すと、複数の画像ファイルがスライドショー形式で表示される。リモコン26を操作してホームボタンを選択すると、メインメニューに戻ることができる。
【0045】
図12は、音楽メニューの一例を示す画面図である。
【0046】
図12に示すように、音楽メニュー120には、取り扱うことが可能な音楽ファイルの一覧ウィンドウ121、アルバムジャケット等を表示するアートワーク表示ウィンドウ122、音楽ファイルに関する各種情報が表示されるプロパティウィンドウ123が設けられている。リモコン26を操作して一覧ウィンドウ121内の音楽ファイルの一つを選択し、決定ボタンを押すと、音楽ファイルの再生が開始される。音楽ファイルの一覧は、図4に示した各種属性情報をもとにソートして表示することができる。コンテンツの再生時には、一時停止、早送り、巻き戻し等の動作も可能である。リモコン26を操作してホームボタンを選択すると、メインメニューに戻ることができる。
【0047】
次に、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、メモリカード等の外部デバイスが接続された場合の動作について詳細に説明する。外部デバイスが接続されると、まずそれらに保存されているデジタルコンテンツの一覧が表示される。
【0048】
図13は、デジタルコンテンツの一覧画面の一例を示す画面図である。
【0049】
図13に示すように、デジタルコンテンツの一覧画面130には、「動画フォルダ」131、「静止画フォルダ」132、及び「音楽フォルダ」133が用意されており、各フォルダを開くことで対応する種類のファイルのみを表示可能である。つまり、動画フォルダ131を開いた場合には動画ファイルのみが表示され、静止画フォルダ132を開いた場合には静止画ファイルのみが表示され、音楽フォルダ133を開いた場合には音楽ファイルのみが表示される。このように、デジタルコンテンツの種類に対応するフォルダを用意しておくことにより、デジタルコンテンツをその種類別に容易に表示させることができる。一方、「全ファイル表示」134を選択した場合には、動画ファイル、静止画ファイル、及び音楽ファイルが混在した状態で一覧表示される。
【0050】
デジタルコンテンツの一覧ウィンドウの表示形式には「リスト形式」と「サムネイル形式」があり、この表示形式は自由に切り替えることができる。さらに、デジタルコンテンツの一覧は、例えば、「タイトル名」、「アーティスト名」、「アルバム名」、「ジャンル」、「制作年度」等、図4に示した各種属性情報をもとにソートして表示することができる。
【0051】
デジタルコンテンツの選択操作は、任意のファイルにカーソルを合わせて決定ボタンを押すことで行うことができる。決定ボタンを押すと、カーソル位置にあるファイルは選択状態となり、選択状態を示すマーカーが表示され、カーソルは次のファイルに移動する。これを順次繰り返すことで複数のファイルを選択できる。ただし、別のフォルダに移動すると(例えば「動画フォルダ」→「音楽フォルダ」)、以前のフォルダ内で選択されたコンテンツの選択状態はリセットされる。
【0052】
デジタルコンテンツ選択状態において「再生」ボタンを押されると、選択されたデジタルコンテンツの再生が開始される。コンテンツの再生時には、一時停止、早送り、巻き戻し等の動作も可能である。特に、動画コンテンツの場合には、早送りボタンを繰り返し押すことで、2倍速→4倍速→8倍速というように倍速を変更することができる。静止画の再生では、フォルダ内の複数の画像をスライドショー形式で表示してもよく、選択された一つの画像のみを表示し続けるようにしてもよい。
【0053】
一又は複数のファイルの選択状態において「インポート」ボタンが押されると、選択されたデジタルコンテンツのインポートが開始される。このとき、メディアサーバ内のハードディスクドライブにコピーされたファイルからコンテンツ情報を抽出し、コンテンツ情報をデータベースに登録する。このように、メディアサーバ11は、デジタルコンテンツの認識と同時にデジタルコンテンツの管理情報(図4参照)をデータベースに保存するので、ユーザが特に意識することなくデジタルコンテンツ管理することができ、利便性の高いシステムを実現することができる。
【0054】
なお、デジタルコンテンツの一覧画面の表示中に「ホーム」ボタンが押された場合、或いはUSB切断又はメモリカード抜出が検知された場合には、直ちにメインメニュー90に移行する。
【0055】
ところで、デジタルビデオカメラやデジタルカメラは、それらの機器を使いやすくするため、デジタルコンテンツとは別にソフトウェア管理用ファイルを生成してSDカード等にその機器特有のファイルを記憶するように設計されている。このファイルはコンテンツ再生に必要のないものであり、再生データとして蓄積するファイルとしては必要ない。
【0056】
そこで、本システムは、外部デバイスが接続されたとき、それに記録されているデジタルコンテンツの認識と同時に不必要なファイルを自動的に識別して不必要なファイルの複製を行わないようにソフトウェアが構築されている。このように、不必要なファイルがハードディスク内に膨大に蓄積されないような工夫が図られていることから、ファイル検索時間を大幅に短縮することも可能である。
【0057】
デジタルコンテンツの認識では、メディアサーバ11内の拡張子データベースを参照する。拡張子データベースはファームウェア43に含まれる部分であり、メディアサーバ11で取り扱うことが可能なファイル形式のデータベースである。拡張子データベースにエントリーされている拡張子であれば、インポート対象のデジタルコンテンツとして認識し、それ以外の拡張子であれば選択対象外のデジタルコンテンツとして無視する。
【0058】
メディアサーバ11内のハードディスクドライブ35に保存されているデジタルコンテンツは、タンクサーバ14に移動(エクスポート)することができる。本システムによれば、ユーザが特に意識することなく、デジタルコンテンツをタンクサーバ14へ移動させることができる。つまり、ユーザがコンテンツの移動を希望しなくても、所定の条件に合致するコンテンツをタンクサーバ14側に移す処理を自動で実行するものである。コンテンツのエクスポートは、例えばストレージ空き容量が所定のレベル以下になったとき(例えば空き容量が1/3以下になったとき)に自動で実行することができる。また、予め決められたサイクル(例えば、毎週、毎月、毎3ヶ月等)で自動実行することもできる。この場合、ユーザ別に割り当てられた所定容量の記録領域にデータを転送するようにしてもよい。
【0059】
メディアサーバ11内のデジタルコンテンツ及びタンクサーバ14内のデジタルコンテンツは、データベースで一元管理されているので、容易に検索することができる。検索は、ユーザ別のフォルダごとに行えるようにしてもよく、検索結果については、図13は、デジタルコンテンツの一覧画面の場合と同様、「再生頻度」順にソートしてもよく、「データサイズ」順にソートしてもよく、「採点ランク」順にソートしてもよく、「データ作成日時(タイムスタンプ)」順にソートしてもよい。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のマルチメディアサーバシステム10によれば、デジタルハイビジョンテレビに接続されたメディアサーバを備え、メディアサーバがストレージ機能とデジタルコンテンツ再生機能とを備えることから、パソコンを介さずにメディアサーバ内のデジタルコンテンツを簡単に再生することができる。特に、本発明においては、メディアサーバがデジタルコンテンツのインポート機能を備え、デジタルカメラ等の外部デバイス内のデジタルコンテンツのみを簡単にインポートすることから、メディアサーバ内の不要なファイルの蓄積を防止することができる。
【0061】
また、本発明のマルチメディアサーバシステムは、LANを介してメディアサーバに接続されたタンクサーバをさらに備え、使用頻度の高いコンテンツをメディアサーバ内に残し、使用頻度の低いコンテンツをタンクサーバ側に移すようメディアサーバが自動的に仕分けするので、メディアサーバ内のデジタルコンテンツの記録領域を有効に利用することができる。
【0062】
上記実施形態においては、電源投入後、直ちにメインメニューに移行する場合について説明したが、メインメニューの前にユーザログイン画面を提供してもよい。
【0063】
図14は、ユーザログイン画面の一例を示す画面図である。
【0064】
図14に示すように、ユーザログイン画面140にはユーザ名入力用のダイアログボックス141、パスワード入力用のダイアログボックス142が設けられている。ユーザがリモコン26を操作して自分のユーザ名及びパスワードを入力してログインすると、上述のメインメニュー90が表示される。このとき、ユーザ独自のデータベースがロードされ、ユーザ専用データベースで管理されたデジタルコンテンツのみが各コンテンツ一覧ウィンドウで一覧表示される。したがって、ユーザは他のユーザの禁止されたデジタルコンテンツを再生、コピー、インポート、及びエクスポートすることはできない。
【0065】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えても良いことは言うまでもない。
【0066】
例えば、上記実施形態においては、メディアサーバとタンクサーバの構成がそれぞれの役割に起因して異なっているが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、メディアサーバとタンクサーバとが実質的に同一の構成を有していても構わない。したがって、例えば、メディアサーバとタンクサーバの両方がディスクアレイを構成していてもよい。また、タンクサーバがデジタルコンテンツ再生機能を有していてもよい。あるメディアサーバから他のメディアサーバを見れば、それらはネットワークストレージに他ならないことから、他のすべてのメディアサーバをタンクサーバとして機能させるようにすることも可能である。
【0067】
タンクサーバとなるか、或いはメディアサーバとなるかは、デジタルハイビジョンテレビに接続されているか否かで判別してもよい。本装置がデジタルハイビジョンテレビに接続されていればメディアサーバとして機能し、接続されていなければタンクサーバとして機能するように内部のCPUが制御することで、例えば、メディアサーバとして使用しなくなった旧型のメディアサーバをタンクサーバとして活用することも可能となる。
【0068】
タンクサーバは、メディアサーバがオン状態でないときには基本的に活用されることがない。そのため、メディアサーバの電源が投入されたことに連動してタンクサーバの電源もオンになることが好ましい。メディアサーバは起動時に専用のウェイクアップ信号を送信し、タンクサーバはこれを受信すると直ちにオン状態になる。この構成によれば、マルチメディアサーバシステムの節電を図ることができる。なお、タンクサーバにはLANに接続されている通常のパソコンからもアクセス可能であるため、通常のパソコンから送信されたウェイクアップ信号を受信することによって起動してもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、デジタルカメラ等と接続するための外部インターフェースとしてUSBを例に挙げたが、本発明はUSBに限定されるものではなく、種々のインターフェースを利用することができる。
【0070】
また、上記実施形態においては、図3に示したように、ストレージ手段としてハードディスクドライブ35を挙げたが、フラッシュメモリ等の半導体メモリを使用してもよく、DVD、ブルーレイディスク等の光ディスク装置を使用してもよく、これらのストレージ手段を組み合わせて使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施形態によるメディアサーバ11システムの構成を示す略ブロック図である。
【図2】図2(a)及び(b)は、メディアサーバ11の外観構造を示す図であって、(a)はフロントパネル側の斜視図、(b)はバックパネル側の斜視図である。
【図3】図3は、メディアサーバ11の内部構成を示す略ブロック図である。
【図4】図4は、データベースで管理されるデジタルコンテンツの情報を示す表である。
【図5】図5は、タンクサーバ14の内部構成を示す略ブロック図である。
【図6】図6は、電源投入時におけるメディアサーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、初期設定メニューの構成の一例を示す画面図である。
【図8】図8は、「カスタム設定」時の設定項目及び手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、メインメニューの構成の一例を示す画面図である。
【図10】図10は、動画メニューの一例を示す画面図である。
【図11】図11は、静止画メニューの一例を示す画面図である。
【図12】図12は、音楽メニューの一例を示す画面図である。
【図13】図13は、デジタルコンテンツの一覧画面の一例を示す画面図である。
【図14】図14は、ユーザログイン画面の一例を示す画面図である。
【符号の説明】
【0072】
10 マルチメディアサーバシステム
11 メディアサーバ
12 デジタルハイビジョンテレビ
13 LAN
14 タンクサーバ
15 ブロードバンドルータ
16 インターネット
17 サポートセンタ
18 コンテンツプロバイダ
19 パソコン
21 電源スイッチボタン
22 主電源スイッチ
23 赤外線受光パネル
24 メモリカードスロット
25a USB端子
25b USB端子
26 赤外線リモコン
27 LANポート
28a HDMIケーブル
28 HDMI端子
29a コンポジットビデオ端子
29b ステレオオーディオ端子
29c S-Video端子
29d SPDIF端子
31 CPU
32 メモリ
33 グラフィックプロセッサ
34 オーディオプロセッサ
35 ネットワークインターフェース
35 ハードディスクドライブ
36 ネットワークインターフェース(有線)
37 無線ネットワークインターフェース
38 USBインターフェース
39 メモリカードスロット
41 デジタルコンテンツ
42 データベース
43 ファームウェア
51 システムコントローラ
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルテレビに接続可能なメディアサーバであって、
デジタルコンテンツを蓄積する第1のストレージ手段と、
外部デバイスからデジタルコンテンツをインポートするインポート手段と、
少なくとも前記第1のストレージ手段に蓄積されたデジタルコンテンツを管理するデータベースと、
少なくとも前記第1のストレージ手段に蓄積されたデジタルコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、
前記データベースを参照して所望のデジタルコンテンツを検索する検索手段とを備え、
前記インポート手段は、
前記外部デバイスが接続されたとき、前記外部デバイス内に保存されているファイルがデジタルコンテンツか否かを判別し、デジタルコンテンツのみをインポートすることを特徴とするメディアサーバ。
【請求項2】
前記メディアサーバは、
インターネット経由でコンテンツプロバイダからデジタルコンテンツをダウンロードして前記第1のストレージ手段に蓄積するコンテンツダウンロード手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のメディアサーバ。
【請求項3】
前記メディアサーバは、USBインターフェース又は無線LANを介して前記外部デバイスに接続可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメディアサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−194411(P2009−194411A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29881(P2008−29881)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【出願人】(500393893)新科實業有限公司 (361)
【氏名又は名称原語表記】SAE Magnetics(H.K.)Ltd.
【住所又は居所原語表記】SAE Technology Centre, 6 Science Park East Avenue, Hong Kong Science Park, Shatin, N.T., Hong Kong
【出願人】(506173097)ノバテック株式会社 (4)
【Fターム(参考)】