説明

メディアストリーム中継装置および方法

【課題】回線交換網とパケット交換網とでメディア通信を中継する際に、パケット交換網上でのパケット数または使用帯域を抑えることでパケットの輻輳またはロス発生の可能性の抑圧する。
【解決手段】パケット交換網からの音声パケットを受信してパケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果を基に取得不可の場合は音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成し、多重化して回線交換網側に出力する。あるいは、回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音あるいは雑音情報に相当する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回線交換網とパケット交換網との間のメディアストリームの中継に利用する。特に、無音時には音声パケットの送信を行わず、有音時にのみ音声パケットを送信するような場合の間欠的に送信されてくる音声パケットの処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データをパケット化し通信を行うパケット通信網において、パケットの情報として、符号化された音声データをRTP(Real-time Transport Protocol)(非特許文献1)に基づいてパケット送受信するVoIP(Voice over
IP)通信の普及には目を見張るものがある。また、近年では、音声データの通信に留まらず、映像、文字情報、ファイル転送等、複数のメディアストリームの配信サービス、あるいは双方向通信サービスの展開も進められている。
【0003】
また、異なる通信網間でのメディア通信サービスも進められており、そのような場合には、双方の通信網プロトコルを終端し、両端の端末間でのメディア通信を実現するための中継装置が必要である。例えば、回線交換網とパケット交換網双方に存在するメディア通信端末間のメディア通信を実現する際もまたしかりである。
【0004】
回線交換網ではパケット交換網と異なり、複数のメディアの符号化ストリーム単位でのデータ送受信は行われず、複数のメディアの符号化ストリームが多重化され、ひとつの多重化データとして対向装置側に送出されることが多く、また対向装置では受信した多重化データを個々のメディア毎の符号化ストリームに分離し、それぞれのメディアに応じた復号処理を実施することで通信を実現している。特に音声については、音切れ等を避けるため継続的な音声符号化ストリームの送出が要求される。
【0005】
ここで、今後パケットによる通信サービスがより一層普及するにつれて、同時使用ユーザが多くなるほど、また使用するメディアの種類が増えるほど、パケット交換網上でやりとりされるパケット数または使用帯域は当然増大することは容易に予想できる。そのような場合においては、パケットが経由するネットワーク中にて、パケットの輻輳あるいはパケットのロスといった事象が発生する可能性があり、映像または音声といったメディアにとっては、視覚的または聴感的な品質の劣化が避けられない状況に陥る。
【0006】
上記のような利用用途において、回線交換網とパケット交換網とを接続する中継装置においては、パケット交換網側では、可能な限りパケット数または使用帯域等を抑えたメディア通信を行うことが要求され、回線交換網側では、継続的にメディアストリームが送出し続けられることが要求される。
【0007】
一方、音声符号化方式に注目してみると、音声の有音または無音に応じて、符号化効率を変えて音声符号化ストリームを生成するような符号化方式もある。具体的には、無音区間の符号化ストリームの符号量を非常に少なく抑えて符号化する方法である。また、方式によっては、長時間の無音区間での符号化にあたって全くの無音による不自然さを緩和するために、周囲の背景雑音の情報(以降の用語では本背景雑音の情報を雑音と呼ぶ)を、情報が更新のたび、あるいは定期的に、生成するような方式のものもある。
【特許文献1】特開2004−109244
【非特許文献1】Schulzrinne, H.,Casner,S.,Frederick,R.,Jacobson,V.m “RTP:A Transport Protocaol for Real-Time Applications”,RFC3550, July 2003、インターネットURL<http://www.ietf.org/から入手される、http://ww.ietf.org/rfc/rfc3550.txt>
【非特許文献2】Sjoberg,J.,Westerlund,M.,Lakaniemi,A.,Xie,Q.,V.m“Real-Time Transport Protocol(RTP)Payload Format and File Storage Format forthe Adaptive Multi-Rate (AMR) and Adptive Multi-Rate Wideband (AMR-WB) AudioCodec”,RFC3267, June 2002、インターネットURL<http://www.ietf.org/から入手される、http://ww.ietf.org/rfc/rfc3267.txt>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の通り、パケット交換網では、パケットの輻輳またはパケットのロス等の発生要因を抑制することが好ましく、送出する符号量が少ないとはいえ、音声無音に対する音声符号化ストリームのパケット送出も極力抑えた上での通信が望ましい。しかしながら、一般的に対向装置に関しては、パケット交換網で発生するパケットの到着ゆらぎを吸収するために、固定的あるいは動的に調整可能なバッファを設けていることが考えられる。しかし、音声無音に相当する音声パケットを送信しない場合や周期的に雑音情報を生成するような音声符号化方式に基づいた場合の間欠送信動作(非特許文献2)には、たびたび前述のバッファが枯渇し、適切にもう一方の回線交換網に送出することが難しいものと推測される。
【0009】
また、前述したように回線交換網を通ってパケット交換網に音声パケットとして送出するような音声符号化ストリームに関しても、パケット網でのパケットの輻輳またはロス等の発生の一因となるパケット数または使用帯域の抑制のため、回線交換網とパケット交換網との接続に介在するメディアストリーム中継装置にて、送出する音声パケットを極力抑えた上でのメディア通信が実現すれば、非常に有用である。
【0010】
従って、本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、本発明の目的はパケット交換網でのパケット数または使用帯域を抑えることでパケットの輻輳またはロス発生の可能性の抑圧しつつ、メディア通信を実現することである。そして、それを実現ための方法として本発明では、1つにパケット交換網の対向端末から無音に相当する音声パケットが送出されない、つまり、音声有音あるいは雑音情報を含んだ音声パケットのみを受信するような場合において、ゆらぎ吸収のためのバッファリング動作についての復帰方法について提供すると共に、回線交換網から受信する音声符号化ストリームの中から、パケット交換網に、音声有音あるいは雑音情報のみに相当する音声パケットを送出する方法について提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のメディアストリーム中継装置は、パケット交換網から回線交換網方向について、パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを受信してパケットのヘッダ情報に基づいて並び替えた上で音声符号化ストリームを抽出し、バッファに格納する音声パケット制御部と、前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、判定結果を出力する判定部と、前記判定の結果、取得可能な場合は前記バッファから音声符号化データを取得して出力する動作を実施し、取得不可の場合は音声無音あるいは雑音に相当する音声符号化ストリームを生成して出力する動作を実施するストリーム制御部と、前記音声符号化ストリームを多重化して回線交換網側に出力する多重化データ生成部を有する構成としたものである。
【0012】
すなわち、本発明は、回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、本発明の特徴とするところは、前記パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを前記パケット交換網から受信して当該バッファに格納する音声パケット制御部と、前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定してその判定結果を出力する判定処理部と、前記判定結果を基に取得不可の場合は音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して出力するストリーム制御処理部と、前記音声符号化ストリームを入力として多重化し回線交換網側に出力する多重化データ生成部とを備えたところにある。
【0013】
あるいは、本発明のメディア通信を実現するメディアストリーム中継装置は、前記パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを前記パケット交換網から受信して当該バッファに格納する音声パケット制御部と、前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定してその判定結果を出力する判定処理部と、前記判定結果と過去の音声符号化ストリームに元々付与されていたヘッダ情報と対象となる音声符号化ストリームのヘッダ情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングの調整をして出力するストリーム制御処理部と、前記出力された音声符号化データを多重化し回線交換網側に出力する多重化データ生成部とを備えたところにある。
【0014】
この場合に、前記ストリーム制御処理部は、例えば、前記ヘッダ情報におけるRTPヘッダ情報のMビットまたはシーケンス番号またはタイムスタンプ値のいずれか1つあるいは複数の組み合わせを参照して出力タイミングの調整に用いる。
【0015】
あるいは、本発明のメディアストリーム中継装置は、前記パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを前記パケット交換網から受信して当該バッファに格納する音声パケット制御部と、前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定してその判定結果を出力する判定処理部と、前記判定結果と過去の音声符号化ストリームに対するフレーム情報と対象となる音声符号化ストリームに対するフレーム情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングの調整をして出力するストリーム制御処理部と、前記出力された音声符号化データを多重化し回線交換網側に出力する多重化データ生成部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、前記ストリーム制御処理部は、例えば、音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して挿入することにより回線交換網側への出力タイミングの調整を実施する。
【0017】
また、本発明をメディアストリーム中継方法としての観点からみれば、パケット交換網からの音声パケットを受信して前記パケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果を基に取得不可の場合は音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成し、多重化して回線交換網側に出力することを特徴とする。
【0018】
あるいは、本発明のメディアストリーム中継方法は、前記パケット交換網からの音声パケットを受信して前記パケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果と過去の音声符号化ストリームに元々付与されていたヘッダ情報と対象となる音声符号化ストリームのヘッダ情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングを調整し多重化して回線交換網側に出力することを特徴とする。
【0019】
この場合には、例えば、前記ヘッダ情報におけるRTPヘッダ情報のMビットまたはシーケンス番号またはタイムスタンプ値のいずれか1つあるいは複数の組み合わせを参照して出力タイミングの調整に用いる。
【0020】
あるいは、本発明のメディアストリーム中継方法は、前記パケット交換網からの音声パケットを受信して前記パケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果と過去の音声符号化ストリームに対するフレーム情報と対象となる音声符号化ストリームに対するフレーム情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングを調整し多重化して回線交換網側に出力することを特徴とする。
【0021】
例えば、音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して挿入することにより回線交換網側への出力タイミングの調整を実施する。
【0022】
更に、パケット交換網から回線交換網方向について、複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信し、制御、映像、音声それぞれの符号化ストリームに分離して出力する多重化データ分離部と、前記音声の符号化ストリームを入力とし当該音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音時あるいは雑音情報に相当するフレーム情報に対する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出する音声パケット化部を有する構成としたものである。
【0023】
すなわち、本発明のメディアストリーム中継装置は、前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、前記音声符号化方式の内、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時で異なる圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し出力する多重化データ分離部と、この多重化データ分離部により分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音あるいは雑音情報に相当する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出する音声ストリームパケット化部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明を、メディアストリーム中継方法としての観点からみると、本発明は、前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、前記音声符号化方式の内、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時で異なる圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、前記音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音あるいは雑音情報に相当する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出することを特徴とするメディアストリーム中継方法である。
【0025】
また、本発明の他のアスペクトに係わるメディアストリーム中継装置は、回線交換網からパケット交換網について、複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信し、制御、映像、音声それぞれの符号化ストリームに分離して出力する多重化データ分離部と、前記音声の符号化ストリームを復号して音声データを出力する復号部と、前記音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かの判定結果を出力する有音判定部と、前記有音か否かの判定結果を基に前記音声データを音声有音時と音声無音時とで異なる圧縮率で符号化した圧縮率可変音声符号化ストリームを出力する符号化部と、この圧縮率可変音声の符号化ストリームを入力として当該音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音時あるいは雑音情報に相当するフレーム情報に対する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出する音声パケット化部を有する構成としたものである。
【0026】
すなわち、本発明は、回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時とで同一の圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し出力する多重化データ分離部と、この多重化データ分離部により分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かの判定結果を出力する有音判定部と、前記判定結果を基に前記音声データを有音時と無音時とで異なる圧縮率で符号化した圧縮率可変音声符号化ストリームを出力する音声符号化部と、前記圧縮率可変音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみをパケット化しパケット交換網に送出する音声ストリームパケット化部とを備えたところにある。
【0027】
あるいは、本発明のメディアストリーム中継装置は、前記両交換網で相異なる音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し出力する多重化データ分離部と、この多重化データ分離部により分離された符号化データの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かの判定結果を出力する有音判定部と、前記判定結果を基に前記音声データを音声有音時と音声無音時とで異なる圧縮率で符号化した圧縮率可変音声符号化ストリームを出力する音声符号化部と、前記圧縮率可変音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみパケット化し他方のパケット交換網に送出する音声ストリームパケット化部とを備えたことを特徴とする。
【0028】
この場合に、前記フレーム情報は、例えば、前記音声符号化ストリームに対して音声有音または音声無音あるいは雑音情報のいずれか一つに対応づけることが可能な情報である。
【0029】
また、本発明を、メディアストリーム中継方法としての観点からみると、本発明は、前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時で同一の圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、この分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かを判定し、その判定結果を基に前記音声データを有音時と無音時とで異なる圧縮率で符号化し、この音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみをパケット化しパケット交換網に送出することを特徴とするメディアストリーム中継方法である。
【0030】
あるいは、本発明のメディアストリーム中継方法は、前記両通信網で相異なる音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、この分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かを判定し、その判定結果を基に前記音声データを有音時と無音時とで異なる圧縮率で符号化し、この音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみをパケット化しパケット交換網に送出することを特徴とする。
【0031】
この場合には、前記フレーム情報は、例えば、前記音声符号化ストリームに対して音声有音または音声無音あるいは雑音情報のいずれか一つに対応づけることが可能な情報である。
【0032】
また、本発明を、プログラムの観点からみると、本発明は、汎用の情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明のメディアストリーム中継装置に相応する機能を実現させるプログラムである。
【0033】
本発明のプログラムは記録媒体に記録されることにより、前記汎用の情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記汎用の情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【0034】
これにより、汎用の情報処理装置を用いて、本発明のメディアストリーム中継装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0035】
以上、説明したように、本発明を用いれば、パケット交換網側のメディア通信端末から音声無音に相当するパケットが送出されてこない間欠送信での通信において、間欠送信も考慮した回線交換網への継続的な音声符号化ストリームの送出並びにバッファからの出力調整等を実現することが可能である。
【0036】
また、回線交換網からパケット交換網方向については、音声有音または無音に基づいた間欠的な送信を行うことで、パケット交換網への送出パケット数または使用帯域を抑えた上でのメディア通信が可能であり、パケットの輻輳またはパケットのロス等の発生の一因を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明を実施するネットワーク構成を示す図であるが、図1に示すように、本発明は、回線交換網2とパケット交換網3とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置1である。
【0038】
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置の構成を図2を参照して説明する。図2は第1の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1のブロック構成図であり、パケット交換網3から回線交換網2の方向に関する構成を表したものである。図2に示すように、第1の実施の形態のメディアストリーム中継装置1は、パケット交換網3のゆらぎを吸収するバッファ(図示省略)を有し、音声パケットを受信し、パケットのヘッダ情報に基づいて並び替えた上で音声符号化ストリームを抽出し、当該バッファに格納する音声パケット制御部13と、前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、判定結果を出力する判定処理部18と、前記判定の結果、取得可能な場合は前記バッファから音声符号化データを取得して出力する動作を実施し、取得不可の場合は音声無音あるいは雑音に相当する音声符号化ストリームを生成して出力する動作を実施するストリーム制御処理部16と、前記音声符号化ストリームを多重化して回線交換網2側に出力する多重化データ生成部17とを備えたことを特徴とする。
【0039】
(第1の実施例)
次に、本実施の形態の実施例を、本発明の第1の実施例として図面を参照しながら説明する。図1に示すようにメディアストリーム中継装置1は、回線交換網2とパケット交換網3との間に位置しており、双方の通信プロトコルを終端し、呼接続することで、回線交換網2側のメディア通信端末4と、パケット交換網3側のメディア通信端末5の双方向メディア通信を実現する例である。なお、本実施例では双方向通信としての実施の例であるが、特に本実施の形態に限定したものではなく、片方向のみ、つまり一方から他方へのメディア配信サービス等を目的とした回線交換網とパケット交換網間のメディア通信の形態であってもよい。
【0040】
次に、メディアストリーム中継装置1のパケット交換網3から回線交換網2の方向のメディアストリームの処理について動作を説明する。メディアストリーム中継装置1は、回線交換網終端部10にて、回線交換網2側の終端をする機能をもち、後述する多重化データ生成部17から多重化データを受け取り、回線交換網2に出力する機能をもつ。なお、後述するが回線交換網終端部10は、回線交換網2側からの受信機能も併せもつ。
【0041】
一方、パケット交換網3側の終端部として、制御パケット制御部11、映像パケット制御部12、音声パケット制御部13を備えており、パケット交換網3から届く各パケット(ここではRTPプロトコルを想定している)に対して、シーケンス番号、タイムスタンプ値等での並び替え処理を実施する。
【0042】
制御パケット制御部11は、パケット交換網3からの制御パケットを受信し、前記並び替え処理を実施後に制御符号化ストリームを抽出した上で、当該制御符号化ストリームを制御ストリーム処理部14に出力する。同様に、映像パケット制御部12は、パケット交換網3側からの映像パケットを受信し、前記並び替え処理を実施後に映像符号化ストリームを抽出した上で、当該映像符号化ストリームを映像ストリーム処理部15に出力する。
【0043】
なお、音声パケット制御部13については、内部にパケット交換網3のゆらぎを吸収するために一定量の音声パケットのデータを蓄えておくバッファを有しており、前記並び替え処理の際に、受信音声パケットから音声符号化データを抽出し、付与されていたヘッダ情報と組でバッファに格納され、ストリーム制御処理部16の要求に応じて対象となる音声符号化データを出力する。
【0044】
制御ストリーム処理部14は、制御符号化ストリームを解析し、パケット交換網3側の呼制御情報を取得する。更に、回線交換網2側との呼接続に必要な呼制御情報に基づいた符号化ストリームを多重化データ生成部17に出力する。映像ストリーム処理部15は、映像符号化ストリームを解析し、回線交換網2側の映像符号化方式に、必要に応じて変換し、多重化データ生成部17に出力する。
【0045】
なお、呼制御方式の種類および映像の符号化方式の変換処理実施有無について、本発明では特に限定せず、パケット交換網3側および回線交換網2側双方との呼接続および映像符号化方式を終端できる方式であればよい。また、本実施例では映像処理も含めた構成を採っているが、特に限定しているわけではなく、映像を含めない構成、つまり映像パケット制御部12および映像ストリーム処理部15を含めない構成であってもよい。
【0046】
ストリーム制御処理部16は、多重化データ生成部17からの定期的な要求指示に基づき、判定処理部18に対して音声パケット制御部13から取得可能な音声符号化ストリームが処理可能か否かを問い合わせる。
【0047】
前述の通り、音声パケット制御部13内のバッファは、ヘッダ情報(ここではRTPヘッダを想定しており、シーケンス番号、タイムスタンプ等の情報)の値に従って順序制御された上で格納されており、判定処理部18がストリーム制御処理部16からの問い合わせに対してバッファ内の先頭を確認し、取得可能か否かの判定結果を返却する。当該判定結果について、音声符号化ストリームが取得可能という結果だった場合には、ストリーム制御処理部16は音声パケット制御部13から当該音声符号化ストリームを取得し、多重化データ生成処理17に出力するが、前記判定結果が取得不可という結果だった場合、本ストリーム制御処理部16は対象となった音声符号化ストリームの取得をせず、代わりに音声無音あるいは雑音時に相当する音声符号化ストリームを生成し、多重化データ生成処理17に出力する。
【0048】
なお、ストリーム制御処理部16で生成する音声無音あるいは雑音情報のいずれか一方に相当する音声符号化ストリームについて、パケット交換網3および回線交換網2の両者で取り扱う音声符号化方式が同一の場合は、予め音声符号化方式に備わる音声無音あるいは雑音情報のいずれか一方の符号化ストリームを用いてもよいし、装置固定の符号化ストリームを用いてもよい。また、パケット交換網3および回線交換網2の両者で取り扱う音声符号化方式が異なる場合には、本処理内で音声符号化ストリームの変換、具体的には入力符号化ストリームに対する復号処理と、その出力を入力とする符号化処理とを備えることで、回線交換網2側に出力する音声符号化ストリームを生成して出力するが、ここでは特に限定はしない。
【0049】
判定処理部18について、取得不可という結果が得られる場合としては、以下の例が挙げられる。
(1) 音声パケット制御部13内のバッファがパケット交換網でのゆらぎ吸収に向けてバッファ内に一定量のデータを貯蓄しようとしている状態である場合。これは通信途中で空になった場合のケースも含む。
(2) パケット交換網3にてパケットのロスまたは遅着等が発生しており、ストリーム制御処理部16からの取得要求があった時点で、バッファ内の先頭位置に、音声符号化データが格納されていなかった場合。
(3) 対向装置であるメディア通信端末5の送信動作仕様が、音声有音(音声符号化方式によっては雑音時も含む)のみ送信するような間欠的な送信動作に沿った仕様であり、無音時に相当する音声パケットを受信しないことにより、RTPヘッダ情報(Mbit、シーケンス番号、タイムスタンプ値等)に従って並び替え処理または配置処理が行われた結果、該当する音声符号化ストリームが存在しない場合。
【0050】
なお、上記(1)について、通信開始後にメディアストリーム中継装置1が最初に音声パケットを受信するまで、回線交換網2側への出力は、ストリーム制御処理部16にて無音に相当する符号化ストリームを出力する動作を採ってもよいし、最初に音声パケットを受信するまで出力しない動作を採ってもよい。
【0051】
多重化データ生成部17は、制御ストリーム処理部14、映像ストリーム処理部15、ストリーム制御処理部16それぞれから取得した制御、映像、音声符号化ストリームを多重化し、回線交換網終端部10に出力する。なお、全ての符号化ストリームが取得できなくても多重化処理は可能であり、出力の際の帯域を満たさない場合にはあらかじめ定められたユニークデータを詰め込んだ上で出力する。
【0052】
(発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1のブロック構成は、図2に示した本発明の第1の実施の形態におけるブロック構成と同じであるが、ストリーム制御処理部および判定処理部の有する機能が第1の実施の形態と異なるため、第1の実施の形態とは符号を変えてある(括弧内)。
【0053】
本発明の第2の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1は、パケット交換網3のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを受信し、パケットのヘッダ情報に基づいて並び替えた上で音声符号化ストリームを抽出し、バッファに格納する音声パケット制御部13と、前記バッファから、音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、判定結果を出力する判定処理部18と、この判定結果と過去の音声符号化ストリームに元々付与されていたヘッダ情報と対象となる音声符号化ストリームのヘッダ情報とに基づき音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して出力することで出力タイミングの調整動作、あるいは、前記判定結果と過去の音声符号化ストリームに対するフレーム情報と対象となる音声符号化ストリームに対するフレーム情報とに基づき音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して出力することで出力タイミングの調整動作の少なくとも1つを実施するストリーム制御処理部16と、前記音声符号化ストリームを多重化して回線交換網2側に出力する多重化データ生成部17とを備えたことを特徴とする。
【0054】
(第2の実施例)
次に、本実施の形態の実施例を、本発明の第1の実施例と異なる箇所のみ、図面を参照しながら説明する。
【0055】
本実施例は図1のストリーム制御処理部16、判定処理部18に変わってストリーム制御処理部19、判定処理部20を備えている。判定処理部20は、下記各情報の組の少なくとも1つを逐次収集し、ストリーム制御処理部19からの問い合わせに対して、音声パケット制御部13のバッファを確認し、今回出力すべき音声符号化ストリームが取得可能か否かの判定結果を返却する。
・音声パケット制御部13から各音声パケットのヘッダ情報と今回バッファから出力しようとしている音声符号化ストリームのフレーム情報
・ストリーム制御処理部16から過去に出力した音声符号化データに元々付与されていたヘッダ情報および過去に出力した音声符号化ストリームのフレーム情報
【0056】
ここでのフレーム情報とは、音声有音または無音の少なくとも2種もしくは符号化方式によっては雑音情報を含めた少なくとも計3種類程度に識別可能な情報を示している。なお、前記フレーム情報は、音声符号化ストリーム内の識別情報として含まれていてもよく、また音声符号化ストリームの符号量や、同等の区別が可能な判定処理の出力結果を参照することでもよく、特に限定はしない。
【0057】
なお、本実施例では、パケット交換網3側のメディア通信端末5が、音声有音あるいは雑音に相当する音声符号化ストリームを含んだ音声パケットのみ送信するような間欠送信動作の場合(メディアストリーム中継装置1でのバッファ量の設定にも依存するが)には、音声パケット制御部13内のバッファが頻繁に空になる場合が想定され、そのような場合に対しての出力タイミング調整方法を主目的とした方法を説明する。
【0058】
判定処理部18ではRTPヘッダ情報または音声符号化ストリームのフレーム情報の少なくとも1つを用いた判定方法で実施する。音声パケット制御部13内のバッファが空になった以降、継続して音声パケットが到着しない場合には、前述したようにストリーム制御処理部19にて、音声無音に相当する音声符号化データを生成し出力する。その後到着した音声パケットに含まれる音声符号化ストリームに対して、判定処理部20にて、音声符号化ストリームの取得可否の判定結果の判断情報として、更に当該音声パケットのRTPヘッダ情報あるいは符号化ストリームのフレーム情報の少なくとも一方の情報を更に考慮する。
【0059】
その上での前記判定結果が取得可能(出力を抑止しない)という結果だった場合は、ストリーム制御処理部19は音声パケット制御部13から該当音声符号化ストリームを取得し、多重化データ生成部17に出力する。一方、前記比較結果が取得不可(出力を抑止する)という結果だった場合には、当該音声符号化ストリームの即取得はせず、代わりにストリーム制御処理部19にて音声無音あるいは雑音に相当する音声符号化ストリームを生成し、多重化データ生成部17に出力する。
【0060】
次に、図3を参照して判定処理部20にて判断する、RTPヘッダ情報に基づく処理フローについて説明する。すなわち、音声パケット制御部13内のバッファが空になった以降に、受信した音声パケットの音声符号化ストリームを保持し、その後、ストリーム制御処理部19からの取り出し要求を判定処理部20が受けたとする。
【0061】
S1:過去にバッファ内が空であったかを判断し、空であった場合にはS2へ、空でなかった場合にはS7に進む。
【0062】
S2:RTPヘッダ情報のMbitを確認する。1だった場合にはS3へ進む。そうでない場合にはS4へ進む。なお、本実施例では本判定を含めた処理フローとしているが、なくてもよく、ない場合にはS1(YES)からS4へ進む。
【0063】
S3:取得不可の結果を返却する。これをもって、ゆらぎ吸収のためのバッファのため直し処理に移行し、予め設定された一定量のデータがバッファに貯蓄されるまで、あるいは一定時間が経過するまで、の少なくとも一方の方法に従って、音声パケット制御部13からの出力を抑止する。また、後述するフレーム情報による判定処理(図4のS11)が含まれる場合には、その処理を実施する。
【0064】
S4:ストリーム制御処理部19が過去に出力した音声符号化ストリームのシーケンス番号と、比較対象の音声符号化ストリームのシーケンス番号の差を算出する。なお、比較対象とは、出力可能との判定とされた場合に、出力される音声符号化ストリームのことを指す。差分絶対値が閾値X1を超過していた場合はS3へ進み、そうでない場合にはS5へ進む。
【0065】
S5:ストリーム制御処理部19が出力した音声符号化ストリームのタイムスタンプ値と、比較対象の音声符号化ストリームのタイムスタンプ値の差分値を算出する。前記差分値の絶対値が閾値X2を超過していた場合はS3へ進み、そうでない場合にはS6へ進む。
【0066】
S6:上記S5の差分値を、使用している音声符号化方式に基づいた処理単位で何フレーム分に相当するか換算した換算値から、既にストリーム制御処理部10が音声無音あるいは雑音に相当する符号化ストリームを生成した回数の差として値を算出する。前記値が正の場合には、その回数分、今回含め以降ストリーム制御処理部19からの取得要求のあった際に取得不可の結果を返却し、バッファ内の音声符号化ストリームの多重化データ生成部17への出力を抑止する。その区間中はストリーム制御処理部19にて、音声無音、あるいは雑音情報のいずれか一方に相当する符号化ストリームを生成し、多重化データ生成部17に出力する。
【0067】
一方、前記値が負の場合は、取得不可の旨を返却し、これをもって、ゆらぎ吸収のためのバッファのため直し処理に移行し、予め設定された一定量のデータがバッファに貯蓄されるまで、あるいは一定時間が経過するまでの少なくとも一方の方法に従って、音声パケット制御部13からの取得を抑止し、その区間中、代わりにストリーム制御処理部19にて音声無音あるいは雑音情報のいずれか一方に相当する符号化ストリームを生成し、多重化データ生成部17に出力する。また、後述するフレーム情報による判定処理がある場合には、更にそのフレーム情報に基づく判定処理(図4のS11)を実施した最終結果に従う。
【0068】
S7:対象となるバッファ量がX3を超過しているかを確認し、超過している場合にはバッファ量の削減調整を実施(S8)した上で取得可能である旨の判定結果を返却し、音声パケット制御部13から調整後のバッファ内の先頭に位置する音声符号化ストリームを、ストリーム制御処理部19経由で多重化データ生成部17に出力する。超過していない場合には取得可能である旨の判定結果を返却(S7)し、音声パケット制御部13から該当音声符号化ストリームを、ストリーム制御処理部19経由で多重化データ生成部17に出力する。
【0069】
なお、前記削減調整および音声パケット制御部13からの出力の手順については逆でもよく、また、前記削減調整の方法について、最も過去の符号化ストリームから順に廃棄する方法でもよいし、無音あるいは雑音情報に相当する符号化ストリームの少なくとも1つを優先的に廃棄する方法でもよい。なお、上記フロー中の閾値X1、X2に関しては後続のパケット到着間隔に応じて逐次更新してもよく、同じく閾値X3に関してもパケットの到着間隔や、パケット交換網でのパケットロス率、ゆらぎ等に応じて動的な変動があってもよい。
【0070】
以上、一連の判断の結果として判定処理部20から判断結果を音声パケット制御部13に返却し、その判断結果をもとにバッファ空後に受信したパケットを出力タイミング調整を実施し、その出力が無い場合にはストリーム制御処理部19にて、音声無音に相当する音声符号化ストリームを生成し、多重化データ生成部17に出力する。
【0071】
次に、図4に、更に判定処理部20にて判断する、フレーム情報に基づく処理フローを説明する。すなわち、音声パケット制御部13内のバッファが空になった以降に、受信した音声パケットの音声符号化ストリームを保持し、その後、ストリーム制御処理部19からの取り出し要求を判定処理部20が受けたとする。なお、本フレーム情報に基づく処理フローを用いた発明は、前述のRTPヘッダ情報に基づく処理後でもよく、また本フレーム情報単独での判断での方法を採ってもよい。
【0072】
S1:過去にバッファ内が空であったかを判断し、空であった場合にはS11へ、そうでなかった場合には前述のS7に進む。なお、前述のRTPヘッダ情報に基づく処理後の場合には本判定は省略してもよく、その場合にはS11からとなる。
【0073】
S11:音声符号化ストリームのフレーム情報を確認し、有音の場合はS12へ進み、無音の場合は取得可能である旨の判定結果をストリーム制御処理部19へ返却し、ストリーム制御処理部19は速やかに音声パケット制御部13からの当該音声符号化ストリームの取得、並びに多重化データ生成処理17への出力をする。符号化方式によっては雑音情報のフレーム情報の場合もあるが、その場合はS13へ進む。
【0074】
S12:前回ストリーム制御処理部19が過去に出力した雑音情報に相当する符号化ストリームから今回までの時間的な差分値を算出する。前記差分値が閾値Y1を超過していた場合は、取得可能である旨をストリーム制御処理部19へ返却し、ストリーム制御処理部19は速やかに音声パケット処理部13からの当該音声符号化ストリームの取得、並びに多重化データ生成処理17への出力をする。前記差分値が閾値Y1を超過していない場合にはS14へ進む。
【0075】
S13:前回ストリーム制御処理部19が過去に出力した有音に相当する符号化ストリームからの時間的な差分値を算出する。前記差分値が閾値Y2未満の場合は、取得可能である旨をストリーム制御処理部19へ返却し、ストリーム制御処理部19は、速やかに音声パケット処理部13からの当該音声符号化ストリームの取得、並びに多重化データ生成処理17への出力をし、そうでない場合はS15へ進む。
【0076】
S14:前回雑音に相当する音声符号化ストリームを出力してから、どの程度の時間が経過しているかを確認し、使用している音声符号化方式での雑音情報符号化ストリームの送信周期時間値との差分時間値を算出する。更に前記差分時間値を、使用している音声符号化方式の処理単位で除算した除算差分時間値を算出する。前記除算差分時間値が正であれば、その値の回数分、当該音声符号化ストリームの出力を抑止する。出力を抑止している区間中はストリーム制御処理部19にて音声無音あるいは雑音情報のいずれか一方に相当する符号化ストリームを生成し、多重化データ生成処理部17に出力する。
【0077】
一方、値が負の場合は、取得不可の旨をストリーム制御処理部19へ返却し、これをもって、ゆらぎ吸収のためのバッファのため直し処理に移行し、予め設定された一定量のデータがバッファに貯蓄されるまでは音声パケット制御部13からの出力を抑止し、その区間中、代わりにストリーム制御処理部19にて音声無音あるいは雑音情報のいづれか一方に相当する符号化ストリームを生成し、多重化データ生成部17に出力する。
【0078】
S15:ゆらぎ吸収のための音声パケット制御部13内のバッファへのため直し処理に移行し、予め設定されたバッファ量が貯蓄されるまで、あるいは一定時間が経過するまで、の少なくとも一方の方法に従って、音声パケット制御部13からの出力を抑止する。その区間中、代わりにストリーム制御処理部19にて音声無音あるいは雑音情報のいずれか一方に相当する符号化ストリームを生成し、多重化データ生成処理17に出力する。
【0079】
なお、上記S14、S15に関して、取得可能である旨を返却した際に、速やかに対象だった音声符号化ストリームを出力する方法の他に、対象となる音声符号化ストリームを廃棄し、後続の音声符号化ストリームを出力することでもよい。
【0080】
また、上記フロー中の閾値Y1に関しては原則、使用される音声符号化方式の仕様に基づいて閾値を決定するのが好ましいが、後続のパケット到着間隔に応じて逐次更新してもよく、またY2に関しては、過度に大きな値に設定しないことが好ましく、RTPヘッダの情報もふまえて設定してもよい。
【0081】
以上、説明した方法により、パケット交換網3側の対向のメディア送信端末5から音声有音あるいは符号化方式によっては雑音に相当する音声符号化ストリームのみを送信するような間欠的な音声パケット送信動作に対して、適切に音声無音の音声符号化ストリームを生成、挿入し、出力タイミング調整を実施することにより、より好ましいメディア通信が行えることが期待できる。
【0082】
(発明の第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1の構成を図5を参照して説明する。図5は第3の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1のブロック構成図であり、回線交換網2からパケット交換網3の方向に関する構成を表したものである。図5示すように、第3の実施の形態のメディアストリーム中継装置1は、回線交換網2から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信し、制御、映像、音声それぞれの符号化ストリームに分離し、出力する多重化データ分離部21と、前記音声の符号化ストリームを入力とし、当該音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき、音声有音時あるいは雑音情報に相当するフレーム情報に対する音声符号化ストリームのみパケット化し、パケット交換網3へと送出する音声ストリームパケット化部24とを備えたことを特徴とする。
【0083】
(第3の実施例)
次に、本発明の形態の実施例を、本発明の第3の実施例として図面を参照しながら説明する。本実施例の場合に、回線交換網終端部10は、回線交換網2側の終端をする機能をもち、回線交換網2から送出されてくる多重化データを多重化データ分離部21に出力する。一方、パケット交換網3側の終端機能は、制御、映像、音声について、それぞれ制御ストリームパケット化部22、映像ストリームパケット化部23、音声ストリームパケット化部24に具備されており、それぞれ個々の符号化ストリームをパケット化し、パケット交換網3へと送出する機能を備えている。
【0084】
多重化データ分離部21は、前記多重化データを入力し、制御、映像、音声の符号化ストリーム個々に分離し、それぞれ、制御ストリーム処理部25、映像ストリーム処理部26、音声ストリームパケット化部24に出力する。制御ストリーム処理部25は、多重化データ分離部21から入力される制御符号化ストリームを解析し、呼制御情報を取得する。そして、パケット交換網3側との呼接続をするための制御符号化ストリームを生成し、制御ストリームパケット化部22に出力する。映像ストリーム処理部26は、多重化データ分離部21から入力される映像符号化ストリームを解析し、呼制御情報から取得した映像をパケット交換網3側の映像符号化ストリームに変換し、映像ストリームパケット化部23に出力する。
【0085】
なお、本実施例においても、第1の実施例と同様に、呼制御方式の種類および映像の符号化方式の変換処理実施有無は特に限定せず、パケット交換網3側および回線交換網2側の双方との呼接続および映像符号化方式を終端できる方式であればよい。また、本実施例では映像処理も含めた構成を採っているが、特に限定しているわけではなく、映像を含めない構成、つまり映像ストリーム処理部26、映像ストリームパケット化部23を含めない構成であってもよい。
【0086】
また、本実施例の場合には、回線交換網2側の多重化データに含まれる音声符号化ストリームは、有音、無音、そして符号化方式によっては雑音情報に基づいた符号化処理を実施しているものとし、音声符号化ストリーム内にその識別子としてフレーム情報と呼ばれる一意に対応づけられる情報があるものとして説明する。
【0087】
音声ストリームパケット化部24では、多重化データ分離部21から入力される音声符号化ストリームに対し、音声符号化ストリームに対応するフレーム情報を確認し、有音、あるいは雑音情報のみパケット化および送信動作を採り、無音に相当するフレーム情報をもつ音声符号化ストリームの場合には、音声ストリームパケット化部24で付与するRTPヘッダ情報の更新のみを実施し、当該音声符号化ストリームに対応するパケット送信動作は実施しない。
【0088】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1の構成を図6を参照して説明する。図6は第4の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置1のブロック構成図であり、回線交換網2からパケット交換網3の方向に関する構成を表したものである。図5に示すメディアストリーム中継装置1と比較してブロック構成は異なるが便宜上同じく符号1を用いることとする。図6示すように、第4の実施の形態のメディアストリーム中継装置1は、回線交換網2から、複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信し、制御、映像、音声それぞれの符号化ストリームに分離し、出力する多重化データ分離部21と、前記音声の符号化ストリームを復号し、音声データを出力する音声復号部30と、前記音声データに対し、予め定められた区間長単位で、有音か否かの判定結果を出力する有音判定部31と、この有音か否かの判定結果を基に、前記音声データを音声有音時と音声無音時で異なる圧縮率で符号化した圧縮率可変音声符号化ストリームを出力する音声符号化部32と、この圧縮率可変音声符号化ストリームを入力とし、当該圧縮率可変音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき、音声有音時あるいは雑音情報に相当するフレーム情報に対する音声符号化ストリームのみパケット化し、パケット交換網3へと送出する音声ストリームパケット化部33とを備えたことを特徴とする。
【0089】
(第4の実施例)
次に、本実施の形態の実施例を、本発明の第4の実施例として、第3の実施例と異なる箇所のみ、図面を参照しながら説明する。第4の実施例は、回線交換網2側からの多重化データに含まれる音声符号化ストリームの符号化方式について、有音、無音、そして符号化方式によって雑音情報の区別なく、同一の圧縮率で符号化された音声符号化ストリームが送出されてきていることが前提の下での実施例となる。
【0090】
本実施例の場合には、多重化データ分離部21の音声符号化ストリームの出力先は、音声復号部30である。音声復号部30では、多重化データ分離部21から入力される音声符号化ストリームを復号し、得られる音声データを有音判定部31に出力する。有音判定部31では、入力された前記音声データを、予め定められた区間長単位で区切り、個々の区間に対して有音か否かの判定結果を音声符号化部32へ前記音声データと共に出力する。音声符号化部32では、前記音声データに対応する、符号化単位分の区間長に相当する複数の有音判定結果を確認し、少なくとも1つでも音声有音と判定される結果がある場合には、音声有音としての符号化処理を、そうでない場合には無音と判断し、より符号量の少ない符号化を実施することで、異なる符号化圧縮率での符号化処理を行う。
【0091】
そして、前記符号化処理の出力として得られる圧縮率可変音声符号化ストリームを音声ストリームパケット化部33に出力する。なお、音声符号化部32は、有音、無音による符号量の差をつけるための手段であり、制御ストリーム処理部25および反対方向の同処理部(第1の実施例の制御ストリーム処理部14)で解析した結果に従うものであり、音声復号部30と同一の音声符号化方式でもよいし、また全く異なる別の音声符号化方式でもよい。
【0092】
音声ストリームパケット化部33は、音声符号化部32から入力された圧縮率可変音声符号化ストリーム内のフレーム情報に基づいて、有音あるいは雑音に相当するフレーム情報を含む圧縮率可変音声符号化ストリームのみパケット化および送信動作を採り、無音に相当するフレーム情報を含む圧縮率可変音声符号化ストリームの場合には、音声ストリームパケット化部33内で付与するRTPヘッダ情報の更新のみを実施し、当該圧縮率可変音声符号化ストリームに対応するパケットの送信動作は行わない。
【0093】
以上の処理により、第3および第4の本実施例は、回線交換網2側からの音声符号化ストリームに対して、パケット化する際の音声符号化ストリーム内のフレーム情報(有音、無音、そして符号化方式によっては雑音情報)の種別に応じて、間欠的な送信動作を行うことで、メディアストリーム中継装置1からのパケット交換網3への送出パケット数および使用帯域を抑えられる効果が期待できる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、汎用の情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に本実施例のメディアストリーム中継装置1に相応する機能を実現させるプログラムである。このプログラムは、記録媒体に記録されて汎用の情報処理装置にインストールされ、あるいは通信回線を介して汎用の情報処理装置にインストールされることにより当該汎用の情報処理装置に、本実施例のメディアストリーム中継装置1に相応する機能を実現させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によれば、回線交換網とパケット交換網との接続に介在するメディアストリーム中継装置にて、送出する音声パケットを極力抑えた上でのメディア通信を実現することができる。これにより、ネットワーク事業者およびネットワークユーザの双方にとってサービス品質を向上させ利便性を高めることに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明を実施するネットワーク構成を示す図。
【図2】本発明の第1および2の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置のブロック構成図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる出力調整処理を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる出力調整処理を示すフローチャート。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置のブロック構成図。
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるメディアストリーム中継装置のブロック構成図。
【符号の説明】
【0096】
1 メディアストリーム中継装置
2 回線交換網
3 パケット交換網
4、5 メディア通信端末
10 回線交換網終端部
11 制御パケット制御部
12 映像パケット制御部
13 音声パケット制御部
14 制御ストリーム処理部
15 映像ストリーム処理部
16、19 ストリーム制御処理部
17 多重化データ生成部
18、20 判定処理部
21 多重化データ分離部
22 制御ストリームパケット化部
23 映像ストリームパケット化部
24、33 音声ストリームパケット化部
25 制御ストリーム処理部
26 映像ストリーム処理部
30 音声復号部
31 有音判定部
32 音声符号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、
前記パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを前記パケット交換網から受信して当該バッファに格納する音声パケット制御部と、
前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定してその判定結果を出力する判定処理部と、
前記判定結果を基に取得不可の場合は音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して出力するストリーム制御処理部と、
前記音声符号化ストリームを入力として多重化し回線交換網側に出力する多重化データ生成部と
を備えたことを特徴とするメディアストリーム中継装置。
【請求項2】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、
前記パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを前記パケット交換網から受信して当該バッファに格納する音声パケット制御部と、
前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定してその判定結果を出力する判定処理部と、
前記判定結果と過去の音声符号化ストリームに元々付与されていたヘッダ情報と対象となる音声符号化ストリームのヘッダ情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングの調整をして出力するストリーム制御処理部と、
前記出力された音声符号化データを多重化し回線交換網側に出力する多重化データ生成部と
を備えたことを特徴とするメディアストリーム中継装置。
【請求項3】
前記ストリーム制御処理部は、前記ヘッダ情報におけるRTPヘッダ情報のMビットまたはシーケンス番号またはタイムスタンプ値のいずれか1つあるいは複数の組み合わせを参照して出力タイミングの調整に用いる請求項2記載のメディアストリーム中継装置。
【請求項4】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、
前記パケット交換網のゆらぎを吸収するバッファを有し、音声パケットを前記パケット交換網から受信して当該バッファに格納する音声パケット制御部と、
前記バッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定してその判定結果を出力する判定処理部と、
前記判定結果と過去の音声符号化ストリームに対するフレーム情報と対象となる音声符号化ストリームに対するフレーム情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングの調整をして出力するストリーム制御処理部と、
前記出力された音声符号化データを多重化し回線交換網側に出力する多重化データ生成部と
を備えたことを特徴とするメディアストリーム中継装置。
【請求項5】
前記ストリーム制御処理部は、音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して挿入することにより回線交換網側への出力タイミングの調整を実施する請求項2ないし4のいずれかに記載のメディアストリーム中継装置。
【請求項6】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、
前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、
前記音声符号化方式の内、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時とで異なる圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し出力する多重化データ分離部と、
この多重化データ分離部により分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音あるいは雑音情報に相当する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出する音声ストリームパケット化部と
を備えたことを特徴とするメディアストリーム中継装置。
【請求項7】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、
前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、
回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時とで同一の圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し出力する多重化データ分離部と、
この多重化データ分離部により分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かの判定結果を出力する有音判定部と、
前記判定結果を基に前記音声データを有音時と無音時とで異なる圧縮率で符号化した圧縮率可変音声符号化ストリームを出力する音声符号化部と、
前記圧縮率可変音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみをパケット化しパケット交換網に送出する音声ストリームパケット化部と
を備えたことを特徴とするメディアストリーム中継装置。
【請求項8】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置であって、
前記両交換網で相異なる音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、
前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し出力する多重化データ分離部と、
この多重化データ分離部により分離された符号化データの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かの判定結果を出力する有音判定部と、
前記判定結果を基に前記音声データを音声有音時と音声無音時とで異なる圧縮率で符号化した圧縮率可変音声符号化ストリームを出力する音声符号化部と、
前記圧縮率可変音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみパケット化し他方のパケット交換網に送出する音声ストリームパケット化部と
を備えたことを特徴とするメディアストリーム中継装置。
【請求項9】
前記フレーム情報は、前記音声符号化ストリームに対して音声有音または音声無音あるいは雑音情報のいずれか一つに対応づけることが可能な情報である請求項4ないし8のいずれかに記載のメディアストリーム中継装置。
【請求項10】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置が実行するメディアストリーム中継方法であって、
前記パケット交換網からの音声パケットを受信して前記パケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果を基に取得不可の場合は音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成し、多重化して回線交換網側に出力することを特徴とするメディアストリーム中継方法。
【請求項11】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置が実行するメディアストリーム中継方法であって、
前記パケット交換網からの音声パケットを受信して前記パケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果と過去の音声符号化ストリームに元々付与されていたヘッダ情報と対象となる音声符号化ストリームのヘッダ情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングを調整し多重化して回線交換網側に出力することを特徴とするメディアストリーム中継方法。
【請求項12】
前記ヘッダ情報におけるRTPヘッダ情報のMビットまたはシーケンス番号またはタイムスタンプ値のいずれか1つあるいは複数の組み合わせを参照して出力タイミングの調整に用いる請求項11記載のメディアストリーム中継方法。
【請求項13】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置が実行するメディアストリーム中継方法であって、
前記パケット交換網からの音声パケットを受信して前記パケット交換網のゆらぎを吸収するためのバッファに格納し、このバッファから音声符号化ストリームが取得可能か否かを判定し、その判定結果と過去の音声符号化ストリームに対するフレーム情報と対象となる音声符号化ストリームに対するフレーム情報とに基づいて前記音声符号化ストリームの出力タイミングを調整し多重化して回線交換網側に出力することを特徴とするメディアストリーム中継方法。
【請求項14】
音声無音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームを生成して挿入することにより回線交換網側への出力タイミングの調整を実施する請求項11ないし13のいずれかに記載のメディアストリーム中継方法。
【請求項15】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置が実行するメディアストリーム中継方法であって、
前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、前記音声符号化方式の内、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時とで異なる圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、前記音声符号化ストリームに対するフレーム情報に基づき音声有音あるいは雑音情報に相当する音声符号化ストリームのみパケット化してパケット交換網に送出することを特徴とするメディアストリーム中継方法。
【請求項16】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置が実行するメディアストリーム中継方法であって、
前記両通信網で同一の音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、回線交換網側の音声符号化方式が音声有音時と音声無音時とで同一の圧縮率で符号化する場合に、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、この分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かを判定し、その判定結果を基に前記音声データを有音時と無音時とで異なる圧縮率で符号化し、この音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみをパケット化しパケット交換網に送出することを特徴とするメディアストリーム中継方法。
【請求項17】
回線交換網とパケット交換網とを接続し、メディア通信を実現するメディアストリーム中継装置が実行するメディアストリーム中継方法であって、
前記両通信網で相異なる音声符号化方式を使用するメディア通信に適用され、前記回線交換網から複数の符号化ストリームが多重化された多重化データを受信してそれぞれの符号化ストリームに分離し、この分離された符号化ストリームの中の音声符号化ストリームを一旦復号して音声データとしこの音声データに対して予め定められた区間長単位で有音か否かを判定し、その判定結果を基に前記音声データを有音時と無音時とで異なる圧縮率で符号化し、この音声符号化ストリームに対して音声有音あるいは雑音情報の少なくとも一方に相当する音声符号化ストリームのみをパケット化しパケット交換網に送出することを特徴とするメディアストリーム中継方法。
【請求項18】
前記フレーム情報は、前記音声符号化ストリームに対して音声有音または音声無音あるいは雑音情報のいずれか一つに対応づけることが可能な情報である請求項13ないし17のいずれかに記載のメディアストリーム中継方法。
【請求項19】
汎用の情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1ないし9のいずれかに記載のメディアストリーム中継装置に相応する機能を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−288342(P2007−288342A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111027(P2006−111027)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】